« もう一つのアメリカ戦争を始めたバイデン | トップページ | 権力闘争続くウクライナ »

2024年2月 2日 (金)

中東でのアメリカ主導による戦争エスカレーション

 中東におけるアメリカ兵死者は全て彼らを中東に派兵したアメリカ政府のせいだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年1月29日

 この英語記事の朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 そう、それがとうとう起きた。アメリカ外交政策を批判する人々が何ヶ月も前から起こると言い続けてきた通り、アメリカが支援するイスラエルのガザでの残虐行為に対する反撃で、中東駐留アメリカ軍に対する多数の攻撃でアメリカ人死者が出た。少なくとも今それに対して備えるのはやめられると私は思う。

 長年この不測の事態を警告してきた人々の一人として、AntiWarのデイブ・デキャンプは、下記のように書いている

 「三人の兵士がヨルダン北東部での夜間無人機攻撃で死亡した。バイデン大統領がアメリカとしてガザでのイスラエル猛攻撃を支持して以来、敵攻撃で死亡したこの地域初のアメリカ人となった。

 CNNによると、シリア国境付近のヨルダンにある小さな米軍前哨基地、タワー22を攻撃ドローンが攻撃した。この攻撃で30人以上の兵士も負傷した。

 「10月中旬以来、ガザでのイスラエル虐殺に対するアメリカ支援に呼応して、イラクとシリアの米軍基地は150回以上攻撃を受けている。ヨルダンでの夜間無人機攻撃は、タワー22が標的にされた初めての事例のようだ。」

 直ちに、この攻撃はイランの支援によるものだとバイデン政権は主張し、APロイターなど影響力の強い通信社が、直後の見出しで、この主張を既成事実として受け売りした。上記記事でデキャンプが述べている通り、10月、これらシーア派民兵が実際にテヘランの命令にどれだけ恩義を受けているかについて、実際には「永続的な情報格差」があることをアメリカ高官はCNNに認めたが、どうやらこの攻撃はイランと結びついており、いずれにせよ、今や確立した絶対的真実として扱われているようだ。

 このおかげで、リンゼイ・グラハム、トム・コットン、ジョン・コーニン上院議員は、イランを直接攻撃するようバイデンに要求できた。実際、先週、アメリカ軍への攻撃がアメリカ人死者を出した場合、バイデンはイランへの直接攻撃を検討するとアメリカ政府高官が報道陣に語り、これが起きるのは「時間の問題」だとバイデン政権は知っていたとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。

 攻撃に関する声明で、アメリカは「我々が選んだ時期と方法で、全ての責任者に責任を問う」とバイデン大統領は述べたのは、この残忍な政権の下、中東で更なる軍事エスカレーションが進行中であることを意味している。イランとの全面戦争は、昨年10月に中東で勃発した紛争結果の絶対最悪なシナリオであり、今ガザで起きていることが子どもの遊びのように見えてしまうような規模の大量死をもたらす可能性がある。

 同じ声明で「卑劣で全く不当な攻撃」で殺害されたアメリカ軍兵士は「テロと戦うために」亡くなったとバイデンは述べたが、もちろんばかげている。中東に暮らす人々がアメリカが支援する大量虐殺に抵抗し、アメリカ軍を攻撃するのは、そもそもアメリカ軍が中東にいるより遥かに正当性があり、彼らが攻撃しているアメリカ軍駐留は、テロと戦うためではなく、地政学的支配を強化するためにあるのだ。

 アリス・ルシノスがUnherd新記事で説明している通り、イラク軍に攻撃されたヨルダン-シリア国境付近のアメリカ基地は、この地域におけるイランの活動を妨害し、イスラエルがシリアで絶え間ない空爆を実行するのを支援するためアメリカが何年間も利用してきたシリアの広大な「非紛争地帯」(つまり違法軍事占領)で、アメリカのアル・タンフ駐屯地の支援基地として機能している。「テロとの戦い」は、この地域における米軍駐留の見せかけに過ぎない。いつもの通り本当の理由はアメリカ帝国の地政学的支配の促進だ。

 この三人の米軍関係者はテロとの戦いで死んだのではない。彼らは普通のアメリカ人の利益のためにさえ死んでいない。彼らが死んだ本当の理由を、Responsible Statecraftでトリタ・パルシが、うまく要約している。

 「彼らはアメリカの利益を守るために死んだのではなく、イスラエルに停戦を迫るのを拒否するバイデンを守って死んだのだ。彼らの命は、ガザで殺戮を続けるイスラエルの能力を擁護するバイデンによって危険にさらされたのだ。

 中東で急速に拡大する紛争を緩和できる唯一の方法はガザでの停戦だけだとパルシは何ヶ月も主張し続けている。アメリカ軍に対する攻撃の大幅な増加や、紅海におけるイエメンの封鎖や、レバノンにおけるヒズボラとの瀬戸際政策や、イランとの緊張の高まりは、全てガザにおけるイスラエルの虐殺や、それに対する反対派による直接的結果だ。

 停戦を推進するどころか、イランとの本物の戦争という恐ろしい可能性に向かって一歩踏み出しながら、次の戦争に備えて、戦闘機50機とアパッチ・ヘリコプター12機をイスラエルに送る準備をアメリカはしている。一方で、停戦を呼びかける人々に対しては、ロシアの秘密工作員かもしれないからFBI捜査が必要だとナンシー・ペロシは言っている。

 中東におけるアメリカ兵死者は全て彼らを中東に派兵したアメリカ政府のせいだ。アメリカ軍は中東に駐留すべきではないし、中東から追い出そうとしている中東に暮らす人々の試みにアメリカが報復する正当性はない。アメリカが支援する大量虐殺に対する、イラク民兵による中東駐留アメリカ軍攻撃には100パーセント正当性があるが、アメリカによる報復の正当性は皆無なのだ。

 アメリカ帝国運営者達に。

 中東から出て行け。さっさと出て行け。ガザでの大量虐殺を支持するのをやめ、世界資源の支配を強化するため人々を殺害するのをやめて立ち去れ。既に我々人類に与えた悪夢より遙かに悪いものを、あなた方が解き放つ前に立ち去れ。

___________

 私の記事は全て読者のご支援によるものなので、この記事を楽しまれた場合、必要に応じてチップ入れにお金をいれる選択肢がいくつかある。私の文章のペーパーバック版を購入するには、ここにアクセスしてください。私の記事はすべて、自由にコピーでき、あらゆる方法、形式で使用できる。皆様が望むものは何でも再発行、翻訳、商品に使用できる。私が公開しているものを確実に見る最良の方法は、Substackのメーリングリストを購読することだ。全ての記事は夫のティム・フォーリーとの共著。

 ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 画像はアドビ・ストックから。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/01/29/yet-more-us-driven-escalations-toward-war-in-the-middle-east/

-----------

 Alex Christoforou YouTube冒頭 トップ抗争に駆けつけた張本人ヌーランド。
 ウクライナ勝利の確信、プーチンは戦場で驚くような目にあう!と威嚇。
 ことわざchikens come home to roostが思い浮かんだ。

CNN, Zaluzhny out. Nuland, Mr. Putin surprise. Putin, expand demilitarized zone. Macron gala dinner 38:42

 Alexandr Mercourisも

Big SMO Expansion; Target Kharkov, Rus Offensive; Nuland Rushes Kiev, Saves Zelensky, Zaluzhny Out 1:12:07

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

中国、EV勢力図塗り替え 車輸出台数、2023年の中国の自動車輸出台数は491万台で初の世界首位 BYDの販売はテスラ超え、日本442万台の首位転落は7年ぶり。(日経) 中国は新エネ車助成、補助金総額は3000億元(約6兆円),日本1月の製造業に生産1割減、車が押し下げ 品質不正響く

 日刊IWJガイド

「米英によるEU恐怖支配の実態! 反ウクライナ支援のハンガリーのオルバン首相が『EUに恐喝された』! EUはウクライナ巨額支援で合意!」

はじめに~米英によるEU恐怖支配の実態告発! EUによる500億ユーロ(約7.8兆円)のウクライナ支援に反対するハンガリーのオルバン首相が「EUに恐喝された」と表明! 英『フィナンシャル・タイムズ』が「ハンガリーの通貨暴落と資金調達コストの高騰」を目的とする「極秘恐喝マニュアル」をスクープ! さらにチェコのクラウス元大統領は、ダボス会議の演説で「2008年のNATO首脳会議で、米英の圧力でウクライナとジョージアの加盟支持に賛成した。悲劇的な間違いだった」と表明! 中欧の小国が、EUやNATOのゴリ押しに反旗を翻し、米英による欧州に対する支配への反対を鮮明にし始めた!!

今年こそ、この2月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、IWJへのご支援をよろしくお願い申し上げます! IWJはピンチです!! IWJへの緊急支援をお願いいたします! 1月は29日までに、134件、161万3400円のご寄付をいただきました。この金額は月間目標額400万円の40%です! 新年早々ピンチに見舞われましたが、IWJは独立メディアとして、市民の皆さまに真実を伝え続けていきます! そのためには、皆さまのご支持とご支援が何よりも必要です! 2月こそ月間目標額400万円に届きますように、どうぞよろしくお願い申し上げます!

« もう一つのアメリカ戦争を始めたバイデン | トップページ | 権力闘争続くウクライナ »

アメリカ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

イスラエル・パレスチナ」カテゴリの記事

Caitlin Johnstone」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« もう一つのアメリカ戦争を始めたバイデン | トップページ | 権力闘争続くウクライナ »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ