現代資本主義の語られない前提は世界が強欲ハイテク・オリガルヒに救われるということ
2020年12月29日
ケイトリン・ジョンストン
精神病質者ネオコンのニッキー・ヘイリーは、アメリカは社会主義に占拠されたと絶叫して、彼女の2024年の大統領選選挙運動を巧みに進めている。
「2020年は社会主義が表舞台に出た年だった」とヘイリーは今日ツイートした。「試みられた至る所で失敗し、無数の人生を破壊した危険なイデオロギーが、民主党の既定経済政策になろうとしている。この恐るべき傾向は全てのアメリカ人の未来を脅かしている。」
それがアメリカだ。共和党員が社会主義が表舞台に出たと終日絶叫し、民主党員が決してそうではないといって終日、過ごす国。
2020年は社会主義が表舞台に出た年だった。それが試みられた至る所で失敗し、無数の人生を破壊した危険なイデオロギーは、民主党既定の経済政策になろうとしている。この恐るべき傾向は全てのアメリカ人の未来を脅かしている。
- ニッキー・ヘイリー(@NikkiHaley) 2020年12月28日
一方、ニッキー・ヘイリーの神秘的ファンタジー世界の外では、ジョー・バイデンがマルクス主義の世界秩序を導入し、バーニー・サンダース自らセントラルパークで億万長者を打ち首にし、何百万人ものアメリカ人がコロナ流行で失業しているのに、金銭的支援と医療を拒否されている。
実際は、世界は、資本主義として知られる偉大な神の熱狂的信仰に、依然大いに縛られている。そしてそれは、世界を窒息死させようとしている。
住めないようにならないよう濫用を緩和する有限の能力の、有限な生態系と、有限な資源の有限な惑星に我々は暮らしている。議論の余地がある加速度速度で、我々は限界点に接近しつつあると科学が言う。どの科学者を信じるかによって、我々は数十年、あるいは、それよりずっと早く、そこに到達しかねないという。
現在の我々の世界で、人間行動の主要原動力である資本主義が、このジレンマに対し、まさに二つの可能な解決策を提供している。一つ目は、ジレンマが存在しないふりをすることで、それが気候変動否定論と資本主義を支持するベン図が常にほぼ真円に近い理由だ。二つ目は、我々の行動で、我々が絶滅のがけから落ちる前に、何らかの種類の持続可能な技術革新が我々を窮地から救うのだという完全に信仰に基づく希望だ。
これはつまり我々人類の現在の苦境に対して、資本主義が持っている唯一の答えは、連中の膨大な富を世界の飢餓を終わらせるためには使わないと日々決めている、ひとにぎりの組合つぶしのハイテク億万長者に、世界が今まさに、すぐにも救われようとしているという盲信を意味している。それは資本主義継続のための議論では、決して語られない前提だ。
ジェフ・ベゾスは、今日世界の飢餓を終わらせないと決めた。
- ジェフ・ベゾスは世界の飢餓を終わらせると決めたか?(@HasBezosDecided) 2020年12月28日
イデオロギー反響室は、イデオロギーを越えた会話をほとんど不可能にする自身の方言と定義を開発する傾向があるが、私が資本主義という言葉で意味しているのは、人間の行動が資本の追求によって突き動かされる今の我々の世界全体を支配する現在の体制だと定義したい。人間がこの惑星ですることを、ほとんど決定する要因としての利潤追求と競争という現在の制度だ。
人間行動の駆動要因としての利潤追求が、今の我々をあらしめている。環境破壊で利益が得られ、人間の行動が利益に動かされる限り、人間は環境を破壊し続けるだろう。必然的に。当然こうなる。
この会話の目的にとって、資本主義狂信者が、現行体制を「本当の資本主義」と信じているかどうかやら、読者が市場は「自由だ」と信じているかどうかやら、ケインズ経済理論よりオーストリア学派の方が好きかどうかやらは実際重要ではない。利潤追求と競争が人間の行動を大規模に突き動かす体制について話をしているのだから、我々は読者が、どんな資本主義の定義を好んでおられようと、それについて話をしていることになる。
だからこれについて衒学的な言葉遊びをする必要は皆無だ。
「社会主義は一度もうまくいったことがない」と地球六度目の大量絶滅を作り出した体制が述べた。
- ケイトリン・ジョンストン⏳(@caitoz) 2020年12月28日
だから、またもや、我々人類が、現在の軌道を進み続けることへの唯一の主張は、人間が環境を破壊することが、利益の出ないものにする、生態環境の大惨事を反転するのに十分な速さでそうする新技術を、強欲な反労働組合の富豪イーロン・マスクのような人物が、推進するのだという完全に宗教的信念だ。それはジョー・バイデン当選によって世界が救われたと信じるより、もう少しおろかだ。
金権支配階級は、我々の世界の良い管理人ではない。彼らは良い人々ではない。彼らは賢明ではない。彼らはとりわけ知的でもない。彼らは金儲けに非常に賢く、彼らの邪魔をする人は誰であれ進んで押しつぶす意志があるにすぎない.
金権支配階級は、最大利益を確保するため、我々の政治制度の支配権を買い占め、彼らがその上に彼らの王国を築いた現状を維持すべく、大衆を洗脳するためニュース・メディアを買い占め、アメリカの単極覇権を確保するため、世界中で人々を殺す社会病質的行政機関と同盟を構築している。これが、我々が技術革新や未来技術の分配担当として置いた人々だが、我々は、彼らが世界を救うと信じるべきなのだろうか?
彼らはそうするまい。我々自身が絶滅の崖から落ちるまで、彼らは権力と利益を追求し続けるだろう。それが、彼らがやり方を知っている全てなのだ。
人々は資本主義が我々ができる最善のものだと思っているが、そうすることが、より儲かるので、意図的に地球を破壊する他のいかなる形の社会も、私には考えられない。
- Existential Comics (@existentialcoms) 2017年12月16日
我々が競争し、使いつくして、入り込んだ実存的危機からの脱出口を、我々は決して、競争して、使いつくすつもりはない。資本主義は、木を伐り倒すより、立っているままにしておく方が、燃料を掘り出すより、地中に残す方が、利益があがるあるようにはしない。いかにインフレーションに耐え、金に裏付けられているにせよ、お金に智恵はない。どれだけ「自由」にしたとて、市場が我々にこの危機を乗り越えさせてくれるわけではない。資本主義が問題なのだ。間違った形の資本主義ではない。資本主義そのものだ。
人類が今直面する生態環境の崩壊と核戦争の迫りくる実存的脅威を切り抜けて生き残る唯一の方法は、競争に基づくモデルから、協力に基づくモデルに根本的に変わるか否かだ。我々が、持ちこたえるためには、争奪戦でお互いの頭を踏みつけ、利益のために、我々の生態系生命維持装置システムを破壊する代わりに、急速に近づいている巨大な障害を乗り越えるため、お互いも、我々の生態系とも協力するのだ。
たとえあなたが、社会主義が試みられた至る所で失敗したという極めて議論の余地がある主張をしたいと望んでも、我々の状況を正直に計算すれば、あなたに資本主義が失敗したことを認めるよう強いるだろう。世界を損ないながら、飽くことを知らない利潤追求という我々の体制は、我々をどんな体制でも管理できないほどの壮大な失敗である絶滅の瀬戸際に導いている。全員が殺される体制とは、何たる失敗だろう?その全て。全てだめになる。
我々の現在の悲惨な状況は我々が既に試みたあらゆることの直接の結果なのだから、競合から、利潤追求から離れる運動は、これまで一度もしたことがないから維持不可能だという主張はとんでもない立場だ。我々がした全てが、我々をここに導いたのだ。もし我々が種として生き残るつもりなら、我々は必然的に全く前例がないことをしなければなるまい。我々は我々の旧来の様式を乗り越えて、完全に新しいことをしなければなるまい。
人間の行動が、競争と利潤追求ではなく、人類と生態系のための協力によって動く世界は本当に極めて未曾有だろう。我々の現在の危機自身、極めて未曾有だ。今や進化するか、死ぬかの時なのだ。
我々は未曾有の時代に暮らしており、未曾有の時代には未曾有の措置が必要だ。我々は、古い失敗した物事のやり方に固執するのをやめて、全く新しい在り方に踏みこむ勇気を見いだす必要がある。
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