トランプ大統領

2024年12月 7日 (土)

ビビにとって、テヘランへの道はダマスカス経由



マイク・ホイットニー
2024年12月1日
The Unz Review

 シリアは、イスラエルの中東再編の野心的計画に欠かせない一部だ。シリアは中東地域の中心に位置し、イランから同盟諸国への武器や歩兵の輸送に不可欠な陸橋であると同時に、イスラエルの拡張に対する武装抵抗の地政学的中心地でもある。イスラエルがこの地域を本当に支配するには、ダマスカス政府を打倒し、ヨルダンやエジプトと同様の傀儡政権を樹立する必要がある。ワシントンが(自国よりも)イスラエルの利益を「無条件に」支持するよう説得された今、テルアビブの包括的計画を実現する可能性が最も高い変化を起こすのにこれ以上の時はない。南部から地上戦を開始し、シリア軍を半分に分割して成功の見通しを大幅に改善する二正面戦争を起こす準備がベンヤミン・ネタニヤフ首相はできている。同時に、アメリカが支援するジハード主義者が、シリア北部で暴れ回り続け、シリアのぼろぼろになった防衛を徐々に蝕み、シリアの産業首都アレッポの安全を更に確保するだろう。 もしダマスカスが陥落し、アサドが権力の座から退けば、イスラエルの地域覇権の夢は手の届くところにあり、おそらく実現可能になるだろう。ただし我々が想定している通り、見返りとしてイランとの戦争を開始するとトランプ大統領がホワイトハウスに押し込んだ強力なロビイスト連中に約束した場合だ。だが、まずはシリアが鎮圧され、シリア軍が敗北し、現支配者が追放されなければならない。それが、同盟諸国やパートナーからイランを効果的に切り離し、今後の恐ろしい猛攻撃に備える唯一の方法だ。

 現在イスラエルの血に飢えた十字軍に終止符を打てる人物は世界に一人しかいない。



 プーチンが迅速に行動し、アサドに緊急援助を提供しなければ、現在の事態は取り返しがつかなくなる可能性が高い。これは、アメリカが支援するテロ攻撃や(間もなく起こるだろう)南部の挑発を阻止するためロシア戦闘部隊を派遣することを意味する可能性もある。要するに、主権国家シリアは今や存亡の危機に直面しており、プーチンがいつもの慎重な姿勢を捨て、蛮族を撃退するために必要な手段をシリアに提供しなければ、地域全体と世界に悪影響を及ぼすことになるだろう。

 日曜版のタイムズ・オブ・イスラエルで、イスラエルの戦争計画者連中が既にシリア南部から侵攻する口実を決めていることがわかる。「 Rebels’ advances in Syria spell short-term benefits, potential trouble for Israel, intel chiefs said to tell PM(反政府勢力のシリア侵攻はイスラエルの短期的利益と、潜在的な問題を意味すると情報機関幹部が首相に伝えたとされる)」と題された記事の抜粋をご覧願いたい。  
シリアにおけるジハード主義反政府勢力の侵攻をイスラエルはかなり警戒して見守っており、シリア政治階層の動向が最終的にイスラエルにとって問題となる可能性があると諜報機関責任者たちは語っているとチャンネル12が報じている。「アサド政権を守るため、今後ヒズボラの注意はシリアに移り、ヒズボラの軍もシリアに移るだろう」とネタニヤフ首相が言ったと報じられている。

 「アサド政権崩壊は混乱を引き起こし、イスラエルに対する軍事的脅威が高まりかねないはずだ」と情報機関責任者らは警告している。

 更に、金曜日の安全保障協議で、アサド政権の「戦略能力」がジハード主義者の手に渡る可能性があるという懸念が提起されたとチャンネル12は報じている。最大の懸念は「化学兵器の残骸」に関するものだと同報道は述べている。

 イスラエルが行動を迫られるシナリオに、イスラエル国防軍は備えていると言われているが、報道は詳細を明らかにしていない。

 国の安定を図るため、シリアは相当数のイラン軍兵士に門戸を開く可能性があるという評価もあると報告書は述べている。Rebels’ advances in Syria spell short-term benefits, potential trouble for Israel, intel chiefs said to tell PM,(反政府勢力のシリア侵攻は、短期的にはイスラエルにとって利益だが、潜在的な問題になると諜報機関幹部が首相に伝えた)と報じられている。タイムズ・オブ・イスラエル
 ここでシリア侵攻の正当性は白黒はっきりしている。イスラエルには「化学兵器」から「イラン軍」、政権転覆後の「混乱」や「アサド政権を守る」ヒズボラ軍まで、言い訳はいくらでもある。あらゆる場面で、あらゆる事態にイスラエルがいかに備えているかわかる。この計画は何年も、いやそれ以上前から練られてきた。そしてもちろん、この戦略は大団円である1月の就任式に向けて戦場を準備するため迅速に実行されなければならない。就任式で、アメリカ史上最も親シオニスト大統領が即位し、イスラエルが熱望するイランとの戦争で報いを受けることになる。何も成り行きに任せるわけには行かない。



ビデオ—「テロリストは欧米の新軍隊だ」とシリアのアサド大統領が説明 3分

 驚くべきことに、アレッポ情勢についてエルサレムポスト紙の連中は、より率直な見解を述べている。実際、ある賢明な評論家は、狂信的な首切り屋連中の手によるシリアの産業首都の降伏は「良いニュース」だと率直に認めている。何だって? 記事の抜粋は以下の通り。  
土曜日のX/Twitterへの投稿で、イスラム主義者によるアレッポ攻撃は「表面上イスラエルにとって良いニュースだ」とエルサレム戦略安全保障研究所のダニエル・ラコフ上級研究員は述べた。「シリア北部が反政府勢力の手に落ちたことで、イランとヒズボラのインフラが損なわれ、ヒズボラ再建に向けた取り組みは困難になるだろう」と彼は述べた。

 また、ロシア国営メディアはアレッポでの紛争をほとんど無視する一方、世界紛争に関するロシアの評論家は、シリアの都市の防衛失敗についてモスクワは責任を負わず、ロシアはそこにほとんど兵力を配備しておらず、この事件はアサド政権にとって大きな失敗だったと述べているとイスラエルの研究者は主張している。

 イスラエルにとってシリア攻撃の好機?

 更に、アサド政権が示した弱さにより、イスラエルがシリアを攻撃する機会があるという考えをラコフは抱いている。

 「アサド大統領がアレッポを失ったことで、旧ソ連圏外に影響力を発揮できる大国としてのロシアのイメージが損なわれ、プーチン大統領の重要な戦略的資産であるシリアの基地が脅かされる」と彼は書いている。「これはまた、この地域におけるロシアのイメージに悪影響を及ぼす」

 「クルスクでのウクライナ軍の攻勢からわかる通り、ロシアはヒステリックに急ぐつもりはないが、アレッポ陥落の速さを考えれば、迅速な対応が求められるだろう」と彼は書いている。

 JISSの研究者は、シリア情勢の不安定化によりアサドとロシアがイラン軍の進入をより強力に容認する可能性がある一方、アサド政権崩壊によりイスラエルに対する重大な軍事的脅威が増大するシナリオが生まれる可能性があると述べて記事を締めくくった。Attacks in Aleppo ‘ostensibly good news for Israel,’ JISS researcher says, (アレッポでの攻撃は「イスラエルにとって表面上良いニュースだ」とJISS研究者は語る)エルサレム・ポスト
 繰り返す。「イスラエルがシリアを攻撃する好機」?

 確かにそうだが、同様に興味深いのは「中東からロシアを追い出す」ことは(イスラエルの観点から)アサド政権打倒と同じくらい重要なことだ。また、プーチン大統領が「窮地に陥り」、時宜を得た対応ができず、これがイスラエルにとって非常に有利になるとラコフが考えているのも明らかだ。だが、もちろん、ラコフの全体評価で最も衝撃的なのは、安定した合理的な体制を専制的な宗教独裁政治に置き換えようとする狂った野蛮人の手によって繁栄する都市が破壊されることから彼が得る純粋な喜びだ。だが大量虐殺が成功の基準なら、我々にとって何も驚くべきことではないだろう。



 これは、シリア現地の極めて不安定な状況に関する日曜日の最新情報だ。  
土曜日に、反政府勢力がアレッポ国際空港を制圧したと主張し、ハマへ進軍する中、ロシアとシリア政府軍の空爆はアレッポ中心部を激しく攻撃した。シリア反政府勢力が同市から追放された2016年以来、アレッポを標的とした空爆は今回が初めてだ。

 しかし土曜日に、同盟集団(一部はトルコ支援を受けている)とハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS)率いる反政府勢力は、驚くべき成果を上げたと主張した。彼らは、アレッポ国際空港とイドリブ南部の戦略都市ハーン・シャイフンを制圧したと主張した。イドリブ県の行政境界は完全に彼らの支配下にあると彼らは付け加えた。

 彼らはまた、ハマに向けて進軍を開始し、シリア中央部と北部を結ぶ重要な幹線道路沿いにあるモレクを含む、地方の6つの町と村を占領することに成功したと主張した。

 攻撃は水曜日、反政府勢力がシリア北西部の反政府勢力支配地域からアレッポに向けて脱出したことから始まった。二日間で反政府勢力は数十の町や村を制圧し、戦略上重要なM5高速道路の一部を制圧し、ダマスカスへの補給路を遮断した。反政府勢力はその後もいくつか軍事基地や要塞化された陣地を制圧しており、ほとんど抵抗には遭わなかった。

 政府軍戦線の崩壊

 SOHRによると、政府軍はイドリブとアレッポで崩壊した。これによりシリア第二の都市アレッポは1946年の同国独立以来初めて政府管理下から外れたと監視団体は述べた。

 モスクワ通信によると、事態が急速に進展する中、シリア問題における主要な利害関係国であるトルコとロシアの外相は土曜日に電話会談し、シリア安定化に向けた取り組みを調整することで合意した。

 「アレッポ県とイドリブ県での軍事的緊張の高まりに関連して、シリア・アラブ共和国における状況の危険な展開に双方は深刻な懸念を表明した」とロシア外務省は述べた。

 イドリブ県の大半は、かつてのアルカイダ系組織HTSが掌握し文民政権が樹立された。北部の他地域ではトルコが支援するシリア国民軍連合の反政府勢力が勢力を維持している。

 だが、ロシアがウクライナ戦争に気をとられ、アサド政権軍がイスラエルの頻繁な攻撃で弱体化しているにもかかわらず、シリアとロシアの軍用機は2023年8月以降、反政府勢力支配地域への空爆を強化している。 Syria: Deadly strikes hit Aleppo as rebels seize airport, push towards Hama(シリア:アレッポで致命的攻撃、反政府勢力が空港を占拠、ハマへ進撃) ミドル・イースト・アイ
ビデオ:トルコが支援するテロリストがアレッポの大統領別荘に侵入

 ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)や他のいわゆる「反政府集団」が主にアルカイダ関連組織で、イスラエルの拡大と中​​東再編に反対する勢力に対する代理戦争を遂行するため、アメリカ、カタール、トルコに採用、武装、訓練されているのを読者は知っておくべきだ。作家で評論家のマックス・ブルーメンソールは、これら集団の起源についてかなり研究を行い、その調査結果を「シリア北部へのトルコの残忍な侵攻を率いる28の「狂った」民兵のうち21をアメリカは支援している」と題する最新記事で発表した。以下は彼の記事の短い宣伝文だ。  
シリア北部でクルド人を処刑し斬首したとして、トルコ傭兵部隊「アラブ民兵」を元職および現職のアメリカ当局者は激しく非難した。トルコの新たなデータは、これら民兵のほぼ全員が過去にCIAと国防総省により武装され訓練されていたことを明らかにした。

 今年10月に親政府系トルコ・シンクタンクSETAが発表した研究論文によると「トルコ傭兵部隊の28派閥のうち、21は以前アメリカから支援を受けており、そのうち3つは国防総省の対DAESHプログラムを通じて支援を受けていた。これら派閥のうち18は、武装反政府勢力を支援する「シリアの友人」の合同情報作戦室たるトルコのMOM作戦室を通じてCIAから支援を受けていた。28のうち14の派閥は、アメリカから供給されるTOW対戦車誘導ミサイルの受領者でもあった。」

 言い換えれば、オバマ政権下で武装・装備された反アサド反乱軍のほぼ全組織が、トルコ軍により北シリアへの残忍な侵攻の先鋒として再利用されたのだ。この部隊の指導者は、現在トルコが支援するシリア「暫定政府」の「国防大臣」サリム・イドリスだ。彼は故ジョン・マケイン上院議員が2013年にシリアに悪名高い侵攻を行った際に、マケインを接待した人物と同じ人物だ。

 このハッカー集団(メディア)が、地球上最も残忍な狂信者連中を革命家や「穏健な反逆者」として売り込み、地域全体を不安定化させ、血みどろの詐欺を国民に押し付けていたことが今やすっかり暴露された。かつて彼らが喧伝した過激派連中同様、どういうわけか大半は責任を逃れ、雇用され続けている。 The US has backed 21 of the 28 ‘crazy’ militias leading Turkey’s brutal invasion of northern Syria(シリア北部へのトルコの残忍な侵攻を率いる28の「狂った」民兵集団のうち21をアメリカは支援している)マックス・ブルーメンソール、グレイゾーン
 では、世界最大のテロ支援者は一体誰だろう?

 ご想像通り、アメリカ政府だ。

 最後に、最近見つけたブロガーの言葉を引用して終わりにするが、彼女の主張のほとんど全てに私は同意する。他の読者も同じように感じるかどうか知りたいものだ。  
アメリカ、イスラエル、アルカイダ、トルコが支援するシリアに対する今回の作戦は、様々な代理組織やテロリスト集団を使って、シリア軍の勢力をそらし、不安定化させ、過剰に手を広げさせて、南からイスラエルが侵攻できるようにして、イランからイラク、シリア、そしてレバノンへとヒズボラへの武器流入を阻止するため長年計画されていたものだ。戦争は続いているが、連中は戦場をわずかに移動させたに過ぎない。

 だからこそ、この「停戦」直前に、シリアとレバノン国境をイスラエルが攻撃し、その後も攻撃を続けたのだ。停戦のおかげで、弱体化したイスラエルは回復する時間を得て、最もシオニスト的政権が誕生するまで、ワシントンと戦略を練る時間があるのだ。シリアに関してビビが望んでいることを、トランプは確実に実行するだろう。シリアは、大イスラエル計画の邪魔になる巨大抵抗勢力なので、今やシリアが焦点となるのだ。

 トルコと裏表ある詐欺師エルドアンは、北(シリア)支配を望んでおり、ガザでのビビを非難しながらイスラエルと欧米に身を売るつもりだ。NATO事務総長マーク・ルッテはトルコに行き、この攻撃直前にワシントンとトルコにF35を供与する合意をまとめた。彼は、その数日前の11月23日にはワシントンでトランプとも会談した。

 これらはどれも偶然ではない。基本的にイスラエルはこの停戦を履行するつもりはない。本質的に無意味だ。テルアビブを含む西側諸国は、国家主権を握るべく戦う相手と既に戦争状態にある。彼らはイラン、ロシア、シリアが協力して彼らの拡張主義と戦争の野望を阻止するのを止めたいのだ。フィオレッラ・イザベル@FiorellaIsabelM
 一流の分析だ。メディア報道の背後で何が起きているのかを説明するのに役に立つ。



記事原文のurl:https://www.unz.com/mwhitney/for-bibi-the-road-to-tehran-goes-through-damascus/

----------

 Dialogue Works
Larry C. Johnson: Hama Falls, Syria in Chaos, Turkey Backing HTS against Iran & Russia 55:36
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
フォーリンアフェアーズ誌論評「トランプ政権の中国への挑戦」。対中対決志向グループの対中政策提言。①米国は中国に凌駕される瀬戸際。②米国一国で中国の台頭を押えられず、同盟を構築し対抗、トランプは最初関税等「競争アプローチ」取るが、彼には「取引アプローチ」取る危険性存在。
 日刊IWJガイド
「尹錫悦政権は、親米・親日姿勢で、北朝鮮との対立を高めてきた!ウクライナに殺傷性のある兵器を供与し、専門家を派遣する寸前だった!」2024.12.7号

はじめに~韓国政局急変(その2)! 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、親米・親日姿勢で、北朝鮮との対立を高めてきた!「非常戒厳」を起草した金龍顯(キム・ヨンヒョン)国防部長官のもとで、「北朝鮮軍がロシアに派遣されている」という情報が出され、韓国はウクライナに殺傷性のある兵器を供与し、専門家を派遣する一歩手前まで来ていた! ユン大統領は、ウクライナ支援で韓国政府内で孤立!? バイデン大統領や岸田政権など、西側でもウクライナ支援に関わった政権は次々崩壊! ウクライナ支援をすると政権が崩壊するジンクスでもあるのか!? ユン政権もそれに続くのか?

韓国政局急変(その3)! 北朝鮮との対立が激化した直接のきっかけは、韓国の活動家による「反北朝鮮体制のプロパガンダ風船」! ユン政権は昨年「プロパガンダ風船」を合法化していた!

2024年12月 6日 (金)

トランプ大統領の対中国「貿易戦争2.0」は過酷なものになるだろう

サルマン・ラフィ・シェイク
2024年11月30日
New Eastern Outlook

 論争を巻き起こした長い選挙運動中に、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプは対外貿易政策に関して、いくつか公約した。

 トランプ大統領の対中国「貿易戦争2.0」は過酷なものになるだろう

 世界中からのアメリカ輸入品に10~20%の「一律関税」を課すと彼は言った。だが、中国に関しては、トランプは関税を60%引き上げたいようだ。このように、中国と世界の他の国々に対するトランプの見方には既に大きな違いがある。彼にとって、中国は「特別」扱いを必要とする遙かに大きな問題なのだ。だがトランプの「貿易戦争1.0」とは違い、ワシントンに反撃して自国を守るための(合法的)報復手段を中国は遙かに良く備えている。言い換えれば、2016年から2020年の間に経験しなかったことをトランプ政権は経験することになりそうだ。言い換えれば、経済戦争をトランプが起こしたとしても(彼はそうするだろうが)、その経費を負担可能かどうかという疑問が残る。経費を負担できなければ、アメリカ経済は致命的打撃を被ることになる。中国は言うまでもなく、他の国々よりアメリカ経済自体が良い状況ではないのだ。

 中国は、あらゆる現実的理由から、今日世界で最重要な経済大国だ。

 戦時内閣

 ジョン・ラットクリフ(CIA長官)、ピート・ヘグゼス国防長官、フロリダ州選出のマイケル・ウォルツ下院議員(国家安全保障問題担当)といった非常に著名な対中強硬派を既にトランプ大統領は任命しているが、ロバート・ライトハイザーを通商代表として閣僚ポストに選ぶ可能性も今後大きな違いを生むだろう。ライトハイザーはトランプ大統領の「第1次貿易戦争」で重要な役割を果たし、3,800億ドル相当の中国製品への関税策定に協力した。アメリカ主要メディアの報道によれば、ライトハイザーたちは既にトランプ大統領の60%関税計画を実際実現するための計画を準備している。2023年に、ライトハイザーは著書「No Trade Is Free: Changing Course, Taking on China, and Helping America's Workers」を出版しており、これがトランプ大統領の戦争第2段階の青写真となったようだ。著書を出版した同じ年に、下院特別委員会で「中国は我が国が直面する最も危険な脅威だと私は信じている …実際、中国は我々がこれまでに直面した中で最も危険な敵かもしれない」ともライトハイザーは語っていた。

 ポリティコ報道によれば、トランプが現在行っているのは、中国に恒久関税を課すための法案作成だ。これまで関税のほとんどは大統領令の形で発動され、どの大統領でも撤回できるものだった。しかし、大統領選挙での勝利と上下両院での優位性により、新関税を法案でトランプ政権が支持すれば、議会の過半数の支持なしには、その後の大統領は関税を撤回できない。トランプ政権は、ワシントンを中国との恒久戦争に閉じ込めることになるだろう。

 中国はどう対応するのか

 あらゆる現実的理由から、今日の世界で中国は最重要経済だ。電気自動車の生産規模など生産能力の規模の大きさを考えれば、アメリカを含むほとんどの国は、たとえ関税により価格が上昇したとしても、少なくとも自国で商品を生産できるようになるまでは、依然中国製品を購入するだろう。従って中国は、まずトランプ政権と交渉を試みるだろう。

 しかし、これより重要なのは中国の報復能力だ。トランプ政権が去った後の2021年に可決された「対外制裁法」を武器に、2016年より遙かに大規模に中国はアメリカ企業に制裁を課せる。輸出管理法の拡大は、北京が現代技術に不可欠なレアアースやリチウムなど数十の資源供給における世界的優位性を武器にすることも可能なことを意味する。それでも、この法律により、中国は外国制裁の実施に関与した個人や組織を資産差し押さえなどの対抗手段で標的にでき、中国での外国投資家の事業を困難な立場に置く可能性がある。

 一部専門家が指摘している通り、この法律に基づいて中国が禁止命令を出した場合、アメリカ銀行の子会社や中国に拠点を置く企業であっても、アメリカの制裁に従うのは違法になる。この命令に従わない場合、資産の差し押さえにつながる可能性がある。最近の出来事は、アメリカ企業に制裁を課すため、このような法的手段を中国が益々利用していることを示している。

 それでもトランプ大統領が60%の関税を課せば、中国からのアメリカ輸入は2023年の14%から4%に減少するだろう。中国経済が打撃を受けることは否定できないが、前述のように中国は報復できるし報復するだろう。だが中国は輸出多様化もできるし、そうするだろう。

 アメリカ以外の中国の選択肢

 トランプが「貿易戦争1.0」を開始して以来、中国からのアメリカ輸入は減少したが、2018年以降、中国の他国への輸出は増加している。従って、アメリカ関税の純粋な効果は、必ずしも他国へのアメリカ輸出増加につながっていない。それゆえ、中国に対するワシントンの「貿易戦争」の究極の狙いが中国の成長を制限することなら、それは大失敗している。「貿易戦争2.0」が再び失敗することは否定できない。

 トランプは世界中で関税を課すと予想されているため、これは比較的安価な自国製品を喜んで購入する相手を中国が見つけるのに役立つだけだ。従って、新たな買い手を北京が見つけるのは、アメリカの政策立案者やメディア評論家が現在考えているほど困難ではないだろう。トランプが始め、バイデンが維持している「貿易戦争」にもかかわらず、中国の世界輸出への総貢献は17%で、トランプ政権時代の12%から増加しているのだ。

 これら輸出はどこへ向かうのか? もちろん世界の他の国々へだ。今後数ヶ月で、中国は更に南半球での輸出拡大に熱心になるだろう。中国の巨大電気自動車メーカーBYDは最近パキスタンで事業を開始した。これはワシントンが攻撃して阻止する能力を遙かに超えた、遙かに広範なパターンの一例にすぎない。

 従ってトランプ政権は「貿易戦争 2.0」を開始することはできるが、その即時の過酷な影響がアメリカ消費者にも等しく降りかかり、彼らは遙かに高価な製品を買わざるを得なくなることは否定できない。アメリカと異なり、北京は既に国民の消費増加を支援する措置を講じており、輸出への影響を相殺するのに役立つだろう。中国が最近発表した1.4兆ドルのパッケージは、地方政府が債務に対処し、結果として消費者支出を増やすのに役立つ重要な措置だ。国内消費の増加は、長期的には輸出への依存度が低くなることを意味する。言い換えれば、北京は戦争準備ができている。アメリカ政府と消費者が準備ができている兆候はない。

 サルマン・ラフィ・シェイクは国際関係とパキスタンの外交・内政研究者

 記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/11/30/trumps-trade-war-2-0-on-china-will-be-brutal/

----------

 Judging Freedom
COL. Douglas Macgregor : Is the IDF fighting in Syria ?  3:48
 耕助のブログ 最新記事 ミアシャイマー教授対談の翻訳。何とも愚劣なゴルカ発言に触れている。こういう狂った側近発言をたしなめないトランプは、本音をゴルカに代弁させているにすぎない。
No. 2354 危険を承知でプーチンを無視する
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
韓国戒厳令の動き=二極化の結果。露学者の評:ほぼ全員を大統領から遠ざけたこの失敗は政治的自殺に等しい。尹氏が権力にしがみつくほど、支持率はさらに低下するだろう。私たちに言えるのは、近い将来、韓国の政治生活は非常に波乱に富んだものになるだろう、ということだけだ。

2024年11月29日 (金)

ロシア新形ミサイルが、いかにゲームを変えつつあるのか

2024年11月27日
Moon of Alabama

 ある兵器を、戦場で形勢を一変させるものだと評すると、常に嘲笑の対象になる。ウクライナに配備された兵器の多くが形勢を一変させると言われたが、戦争の結果に何ら変化をもたらすことはなかった。

 では、なぜロシアの新型オレシュニク・ミサイルを「形勢を一変させるもの」と私が言うのか?

 理由はいくつかある。

 まず、36個の運動エネルギー弾頭を搭載したこのミサイルは、アメリカによる中距離核戦力 (INF) 条約の廃止に対する予想外の対応だ。欧州に核ミサイルを配備してロシアに対して優位に立てるとアメリカは期待していた。オレシュニクは、核戦力に頼ることなく、その優位性を否定している。

 譲歩するか核兵器を使用するかの選択をロシアに迫るアメリカの試みはことごとく失敗に終わった。

 これはウクライナで最も顕著だ。2年以上に及ぶ戦争で、アメリカはロシアに対し「カエルを煮る」戦略をとってきた。ウクライナに提供する兵器の射程範囲と殺傷力を徐々に拡大して、アメリカは緊張を高めてきた。こうした各段階で、戦車や、HIMARSや、ATAMACを引き渡し、ウクライナがこれらをロシア領内で使用できるようにするのは、架空のロシアの超えてはならない一線を超える動きだとアメリカは主張した。こうした各段階には、ロシアが核による対応を検討していると主張するプロパガンダが伴っていた。

 狙いは、ロシアにウクライナ問題で譲歩するか、核兵器を使用するか選択を迫ることだった。ロシアが核兵器を使用すれば、国際社会から疎外されることになるので、ロシアは核兵器を使わないとアメリカは確信していた。核兵器を使用すれば、中国や他の同盟諸国の支持を失うことになるのだ。また全面核戦争のリスクもある。

 この戦略は、ロシアが非対称的な反撃手段を見つけなければ、おそらく成功していたはずだ。現在、ロシアは非核兵器(オレシュニクだけではない)を保有しており、核兵器を実際に使用した場合の有害な副作用なしに、核攻撃と同等の攻撃ができる。

 今後のオレシュニク配備は、これまで核兵器のみ保有していた戦略軍の指揮下に入るとロシアは発表した。これは、これら新兵器が同様の戦略的効果を持つとみなされていることを明確に示している。

 オレシュニク・ペイロードの運動学的概念は新しいものではない。質量と速度を掛け合わせたものが、これらがもたらす破壊エネルギーの量だ。 [私のずさんな文に対する指摘による訂正: 力は質量の半分に速度の二乗を掛け合わせたものに等しい。 F = 1/2 m * v^2 ] 極超音速でマッハ10の速度で標的に当たるため、爆発物のない小型貫通体でも非常に強力な爆発のような効果が得られる。

 1980年代初頭、レーガン大統領の戦略防衛構想には運動エネルギー兵器を導入するいくつかの試みが含まれていた。「神のロッド」(後に「ブリリアント・ペブルズ」) は、ソ連のICBMミサイルを攻撃するため衛星から発射される運動エネルギー・ダーツとして構想された。  
2003年のアメリカ空軍報告書に記載されている「超高速ロッドバンドル」と呼ばれるシステムは長さ20フィート (6.1メートル)、直径1フィート (0.30メートル) のタングステンロッドで構成されており、衛星制御で衝突速度マッハ10のグローバル攻撃能力を備えている。

 爆弾は軌道上では毎秒約8キロ(26,000フィート/秒、マッハ24)、衝突時には毎秒3キロ(9,800フィート/秒、マッハ8.8)の軌道速度で飛行するため、当然大きな運動エネルギーを持つことになる。この棒が大気圏に再突入すると、速度のほとんどが失われるが、残ったエネルギーにより、かなりの被害が発生する。一部システムは小型戦術核爆弾と同等の威力を持つとされている。これらの設計はバンカーバスターとして想定されている。
 何も実現しかった。想定された貫通体は宇宙に配備するには大きすぎ、重すぎた。貫通体が「電柱」ほどの大きさである必要があったのは、大気圏を超音速で飛行中に燃え尽きてしまうためだ。

 オレシュニクが使用している貫通弾は遙かに小さい。

 ロシアは、極超音速で飛行する物体に関する一般的な物理的問題のいくつかを解決したようだ。2018年3月、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、アメリカのミサイル防衛網を突破するために設計されたいくつかの新兵器の導入を発表した。その一つが、現在アバンガルドとして知られる極超音速滑空体だ。  
新しい複合材料の使用により、滑空巡航ブロックはプラズマ形成状態で長距離誘導飛行が可能になった。それはまるで隕石のように、火の玉のように目標に向かって飛ぶ。表面温度は1,600~2,000℃に達するが、巡航ブロックは確実に誘導される。

 他の多くの国が新しい物理的特性を持つ先進兵器を開発していることを我々は良く知っている。少なくとも最も重要な分野で、我々はその点で一歩先を進んでいると信じるに足る十分な理由がある。
 それ以来、ロシアの科学者がプラズマ・エンベロープ内での誘導極超音速飛行の問題を解決するため、どのような「新しい物理的特性」または原理を発見したかを私は調査してきた。今のところ何も出てきていない。しかし、オレシュニクが極超音速で比較的小さな誘導弾を使用している事実は、ロシア人が発見した新しい物理的特性または原理がこの兵器にも適用されている可能性が高いことを示している。

 こうした基本的な科学的発見が欧米諸国で知られるようになるまで、オレシュニクやアヴァンガードの特性に匹敵する兵器を製造する可能性はないだろう。

 今のところ、オレシュニクは射程距離が限定された(5,000キロ)非核兵器だ。しかし、ロシアが同様の非核能力を備えたICBMミサイルを装備するのを妨げるものは原理的に何もない。これにより、ロシアによるアメリカ領土、あるいはおそらくアメリカの海外基地や航空母艦への非核攻撃が可能になる。

 だが、これら事実とその結果は、まだ西側諸国の意思決定者の心に浸透していない。

 オレシュニク攻撃が起きた後も、ウクライナにロシア国内の標的にATAMACミサイルを発射するようアメリカは指示し、ロシアを攻撃し続けた。昨日、ロシア国防省は、異例なことに、そのような攻撃が2回あったと発表した。  
11月23日、敵はロタレフカ(クルスクの北西37キロ)付近のS-400対空大隊の陣地に向けて、アメリカ製のATACMS作戦戦術ミサイル5発を発射した。
...
 地対空戦闘中、大隊を護衛していたパンツィリAAMG担当者がATACMSミサイル3発を撃墜し、うち2発が標的に命中した。... 11月25日、キーウ政権はクルスク・ボストチヌイ飛行場(ハリノ近郊)にATACMS作戦戦術ミサイル8発による追加攻撃を実施した。7発のミサイルはS-400 SAMとパンツィリAAMGに撃墜され、1発のミサイルが狙った標的に命中した。
 軍事的に、これら攻撃は無意味だ。しかし、アメリカは、カエルが船から逃げ出した後も、依然「カエルを煮る」のを試みていることを示している。プーチン大統領によれば、ロシアはオレシュニクや類似兵器を数発、発射する準備ができているという。

 このようなミサイルの潜在的標的は明らかだ。   
モスクワ、11月21日。/TASS/。ポーランドの米ミサイル防衛基地は長い間、ロシア軍による潜在的な無力化の優先目標とみなされてきたとマリア・ザハロワ外務省報道官が記者会見で述べた。

 「こうした欧米諸国の軍事施設がもたらす脅威のレベルを考えれば、ポーランドのミサイル防衛基地は長年、潜在的な無力化の優先目標に含まれている。必要とあらば、これは広汎な先進兵器を使って達成できる」とこの外交官は語った。
 11月30日まで、カプースチン・ヤールミサイル発射場上空をロシアは閉鎖した。カプースチン・ヤールはオレシュニクが発射された試験場だ。

 オレシュニク型兵器に対する防御は不可能なので、アメリカが管理するポーランドのレジクフ基地への攻撃を、ロシアは攻撃が行われる数日前または数時間前に発表する可能性がある。攻撃は発表されるが、通常型で、死傷者はほとんど出ないと考えられるため、NATOが第5条を適用して武力で反撃する可能性は低いと思われる。

 そうなれば再びカエルが茹で上がる瞬間が訪れるが、今度はアメリカが鍋の中のカエルになる。ロシアは、従来の手段でヨーロッパの米軍基地を攻撃して、日々温度を上げていくだろう。

 アメリカは、この件で核兵器を使用する勇気があるのだろうか、それともロシアを倒す計画から撤退するのだろうか?

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/11/how-the-new-russian-missiles-are-changing-the-game.html

----------

 Alex Christoforou YouTube
PUTIN, decision-making centers are targets. US wants Ukraine to lower military age. Ruble weakens 42:21
 冒頭ミサイル攻撃に触れて、プーチン大統領はロシア・ジョークを言った。ソ連時代、天気予報に関する冗談があった。「今日の日中の天気は、あらゆる可能性があります。」

«Знаете, в советское время была такая шутка по поводу прогнозов погоды. Вот прогноз такой: сегодня в течение дня все возможно», — сказал Путин.

 騒ぎの元になった最初のnote魚拓も見ず記者会見する代理人。横田一氏が的確に指摘している。

 植草一秀の『知られざる真実』
知事代理人記事改変把握せず会見

2024年11月28日 (木)

トランプの「嵐」に対抗する反乱鎮圧作戦「開始」



アラステア・クルック
2024年11月22日
Strategic Culture Foundation

 ATACM攻撃とストームシャドウ攻撃は、ロシアを狙った危険な挑発行為というだけでなく、外交政策を根本から覆そうとする試みでもある。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ:[email protected]

 「ディープステートがトランプにこう囁いた。『君は嵐に耐えられない』。トランプはこう囁き返した。『私が嵐だ』。戦争は始まった。トランプの『嵐』を無力化するためディープステートは混乱戦争を開始した。今週のATACM攻撃は、複数機関による反乱鎮圧作戦の一部に過ぎなかった。トランプ陣営によるものとされる複数機関による虚偽言説も全てそうだ。そして、イランに向けられたエスカレートする挑発もそうだ。

 ファイブアイズが対反乱作戦に全面的に参加しているのは確実だ。アメリカの発表に先立ち、パリでATACMS攻撃を推進するためにマクロンとスターマーは公然と共謀した。政府機関幹部たちは明らかに非常に恐れている。彼らは(2016年のトランプはロシアの「手先」だったという)「ロシア偽情報」をトランプが暴露して、自分たちを危険にさらすのではないかと心配しているに違いない。

 だがトランプは、起きているこを理解している。  
「我々は遅滞なく平和を必要としている … 外交政策体制は世界を紛争に引きずり込もうとしている。今日、欧米文明にとって最大の脅威はロシアではない。おそらく何よりも我々自身だ… 我々を果てしない戦争に引きずり込み、海外で自由と民主主義のために戦っているふりをしながら、国内では第三世界の国、第三世界の独裁国家に変えているグローバリスト・ネオコン体制全体を解体することに全力で取り組まなければならない。国務省、国防官僚機構、諜報機関、その他全てを完全に見直し再構築する必要がある。ディープステートを解体し、アメリカを第一にするためには、我々がアメリカを第一にしなければならない」。
 「2014年以前のロシア領奥地」への長距離ATACM発射は、戦況を一変させるものではなく、戦争の行方を変えるものでもない(ATACMSはロシア防空軍により頻繁に90%撃墜されている)。しかし、この行為の重要性は戦略的なものではなく、むしろNATOによるロシアへの直接攻撃の領域に踏み込んだことにある。

 二つの情報源から「ロシアの核ロケット部隊は完全警戒態勢にある。これまでで最高レベルの準備態勢にある。これはロシアがこの一線越えを非常に深刻に受け止めていることを示唆している」と伝えられているとダグラス・マクレガー大佐が報じている

 確かに、これは挑発行為で、プーチン大統領は適切に対応するだろう。そうしなければならないが、必ずしも核戦争の激化を通じた対応ではない。なぜか? ウクライナ戦争は急速に彼の方向に進んでおり、ロシア軍はドニエプル川東岸に迫っているからだ。事実上、現地の状況が結果の決定要因となり、外部の仲介にはほとんど意味がない。

 しかし、ATACMとストーム・シャドウ攻撃は、ロシアを狙った危険な挑発行為であるだけでなく、文字通り外交政策を転覆する試みだ。アメリカ覇権を脅かす台頭する外国敵国に直接向けられた政策ではなく、アメリカ国内戦争に狙いを定めた弾丸に変貌しつつある。これは特にトランプを狙ったもので、彼を「縛り付け」、望まない戦争に彼の注意をそらすためだ。

 論理的に考えれば、トランプはネタニヤフのイランとの戦争計画には関わりたくないはずだ。だが、ジェフリー・サックス教授が主張している通り「イスラエル第一主義者」とロビー団体は、大統領以上に議会と米軍を長い間効果的に支配してきた。サックス教授は次のように説明している。  
「シオニスト・ロビーが非常に強力なため、ネタニヤフは基本的にペンタゴンを支配し、イスラエル過激派に代わって戦争を戦ってきた。2003年のイラク戦争はネタニヤフ戦争だった。シリアでのバッシャール・アル・アサド打倒の試みや、ムアマル・カダフィ打倒など全て『ネタニヤフ戦争』だった」
 重要な点は、ネタニヤフが「自分がしていること」をできるのは、常にこのように計画されていたからで、その計画は50年実行されてきた。「イスラエル第一」戦略は、スクープ・ジャクソン (大統領候補に二度なった) に全面的に支持された。そして、その政策が覆されないように、スクープは国務省にシオニストを配属し、ネオコンとシオニストがNSCの主導権を握ることを主張した。この同じパターンは今日まで続いている。

 根底には、アメリカ二大政党の政治家連中が富を得て、残りの議員の選挙費用を賄うという究極の無駄遣いがある。「イスラエル・ロビーやシオニスト・ロビーが選挙運動に一億ドル投じて、数兆ドル得るのは実に素晴らしい商売だ。数十億ではなく、数兆ドルだ。数兆ドルだ。数兆ドルだ。だから、ネタニヤフが話す際に、私には奇妙に思えるが、トランプが[彼のチームの一部「イスラエル第一主義者」連中を]任命したり指名したりしているのではなく、ネタニヤフが指名しているのだ」とサックスは言う。

 トランプによる「イスラエル第一」連中の指名を「夢のアメリカ・チーム」とネタニヤフ首相が表現する際、理由は容易に理解できる。一方、トランプはアメリカで「革命」を遂行しようとしており、指名が承認されることを望んでいる。他方、自分のために、アメリカに戦って欲しい更なる戦争をネタニヤフ首相は抱えているのだ。  
「『ビッグ・アグリー』は常に、ほとんどの人が理解できない戦いの描写だった」と別の評論家は指摘している。
 「事実上、上院はMAGAとトランプ大統領に対する共和党反対勢力の中核だ。目に見える戦いは … 最も注目を集める。だが最も困難なのは、根深いイデオロギーを持った共和党との目に見えない戦いだ」。
 「上院共和党が容易に権力を手放すことはあるまい。(トランプの)反乱に対抗するための武器を彼らは多数持っている。最近の報告書が説明している通り、今トランプによるマット・ゲーツ司法長官指名に反対する共和党上院議員の連携にこれが現れている。」
 「基本概要は、渋々ながらマット・ゲーツの最高裁判事指名を上院指導部が支持するというものだ。ここでの『支持』は直接反対しないという意味で、その代わりにFBIのマイク・ロジャース長官(『ネバー・トランプ』集団の共同創設者)を指名し、FBI機関間の権益を守るのだ」

 最大限の打撃を与えるために、共和党上院院内総務に就任するジョン・スーンは慎重に戦略を練るだろう。彼は、ネタニヤフ首相のこの地域における虐殺とトランプを結び付けることで影響力を行使しようとしている。

 イスラエルへの大量武器供給を発表する際、スーンは次のように述べた。  
「我々の同盟国イスラエルと、世界中のユダヤ人の皆さんへ、私のメッセージはこうです。増援部隊が向かっています。6週間以内に共和党が上院の多数派を奪還し、アメリカ議会がイスラエルの側に立つことを明確にします。」
 トランプも慎重に賭けをする必要がある。なぜなら、トランプの目的にとって絶対的優先事項は国内の二つの戦争だからだ。一つ目は「グローバリストのネオコン体制全体の解体」、二つ目は無駄遣いを膨らませ、アメリカの実体経済を、かつての姿とかけ離れたものにしてしまったディープステートの制御不能な政府支出を終わらせることだ。

 たとえ上院で他の指名候補の承認を得るために、一人か二人を犠牲にしなければならないとしても、こうした急進的改革候補者の承認を、トランプ大統領は必要としている。言うまでもなく、イスラエル・ファースト派候補者は問題なく承認されるだろう。

 トランプの改革計画に「絡む」二つの脅威のうち、ロシアの激化はより小さい。ウクライナ戦争は何らかの結末に向かって着実に進んでいる。ロシアにとって有利な結末だ。プーチンは主導権を握っており、NATOとの大規模戦争は必要ない。またプーチンはトランプの「交渉術」も必要としない。何らかの解決策が彼なしでも生まれるだろう。

 しかし、トランプ大統領の役割は、大西洋主義者の安全保障上の権益と(中国とイランを含む)アジアの中心地の安全保障上の権益との間の新たな境界線を定義する上で、今後重要になるだろう。

 もう一つの想定上の戦争、イランはトランプにとって一層より危険だ。ユダヤ人の政治的影響力とロビーは、これまでアメリカを何度も悲惨な戦争に巻き込んできた。そして今、ネタニヤフ首相は必死に戦争を必要としており、それは彼だけではない。イスラエルの多くの人々が、直面している「すべての戦線」を終わらせる戦争を叫んでいる。この見通しは、ネタニヤフ首相とイスラエルが切実に必要としている解決策であり「偉大な勝利」であるという深い確信がある。

 イランの核計画は「驚くほど脆弱」だというプロパガンダ(実際はそうではない)と、ヒズボラとハマスが既に弱体化している今、イランを攻撃するのはまたとない好機だというミームを繰り返すメディアの猛攻撃によリ、根拠は掘り返されている。イランとの戦争は、完全に誤っているのに、「たやすい戦争」として売り込まれている。

 そうに違いないという揺るぎない確信がある。「我々は強く、イランは弱い」。

 イスラエル第一主義者連中を一体誰が阻止するのか? 彼らには勢いと熱意がある。イランとの戦争はイスラエルとアメリカにとって不利な結果になるだろう。その広範な影響は、まさに深刻な金融危機と市場危機を引き起こし、トランプの「嵐」を阻止する恐れがある。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/11/22/the-counter-insurgency-is-on-against-trump-storm/

----------

 Daniel Davis / Deep Dive  Patrick Henningsenがロシア新型ミサイルについて解説している。
Russia's Oreshnik Missile: It's Worse than You think for NATO w/Patrick Henningsen 47:58
 耕助のブログ
No. 2345 ネタニヤフに逮捕状! [速報]:ジェフリー・サックス教授
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
春名幹男『日本人の原爆の舞台にした米国』(月刊日本12月)戦争後、米戦略爆撃調査団が即広島、長崎を訪れ、レポートまとめ。彼らの調査の結果、通常の高性能爆弾や焼夷弾を使って広島程の死者を出すにはB29を210機必要が判明。この調査が戦後の米国核戦略に大きい影響を与えた。
 日刊IWJガイド
「11月は残り3日ですが、今月のご寄付・カンパの金額は現状でまだ49万3000円! ぜひ、緊急のご支援をお願いいたします!」2024.11.28号

■<岩上安身による最新インタビュー報告!>ケネディJr.氏と同じく、貪欲に利権を拡大するグローバル企業と戦う! 種子法を廃止し、「農民の権利」を守る種苗法を改悪する自公政権は「食料安全保障」を自ら壊していると批判! 岩上安身によるインタビュー第1171回のゲストは「日本の種子を守る会」元農林水産大臣で弁護士の山田正彦氏!(第1回) 次期米保健福祉長官に指名されたケネディJr.氏とは旧知の仲! 山田氏が学生時代に父親のR・F・ケネディ元司法長官を日本に招いて大学で講演してもらった経緯も!

■女性議員がニュージーランドの国会で先住民マオリ族の権利を危うくする法案を破り棄て。先住民の民族舞踏「ハカ」を踊る姿がSNSで拡散! 世界で7億回以上、再生されたこの映像を、『フジテレビ』は「トンデモ行為」と侮辱的なタイトルをつけ、放送! ネットにもアップ! テレビしか見ないと、世界で何が起きているかの認識が狂ってくる! 長年、英仏など、G7を構成する帝国主義列強の植民地支配を受け、独立後も植民地主義的な支配を受けてきたグローバルサウスの怒りが噴出し始めている! ニュージーランド、ニューカレドニア、オーストラリアで!

2024年11月20日 (水)

トランプ政権:「戦争タカ派なし」から「全員戦争タカ派」へ

Brian Berletic
2024年11月13日
New Eastern Outlook

 2024年のアメリカ大統領選挙までの数週間、前大統領で現在次期大統領のドナルド・トランプがアメリカの海外での戦争を中止し、代わりにアメリカ自体に投資してくれるだろうとアメリカ人や世界中の多くの人々は期待していた。



 トランプ政権:「戦争タカ派なし」から「全員戦争タカ派」へ

 こうした期待は、トランプ陣営を取り巻く言論に基づいていた。候補者の息子、ドナルド・トランプ・ジュニアは「全てのネオコンと戦争タカ派をトランプ政権から締め出すには最大限の圧力が必要だ」と公に発言したが、これはトランプ候補の選挙運動中の言論を反映している。

 トランプ次期大統領の考慮対象と被任命者は全員強烈なネオコンだ

 残念ながら、ドナルド・トランプ次期大統領の前回任期時と同様に、これは、ワシントンDCで暮らし、息をしている最も声高な「ネオコンと戦争タカ派」で内閣を埋める前に、戦争に疲れたアメリカ人の支持を確保して、海外の国々のバランスを崩すことを意図した空約束だった。

 思惑の継続

 トランプ次期大統領の前回政権では、ジョン・ボルトンやマイク・ポンペオやニッキー・ヘイリー等の筋金入りネオコンや戦争タカ派が閣僚を構成し、連中はトランプ大統領がオバマ政権から引き継いだ全ての戦争を継続し、中国やイラン、更にロシアも含め、アメリカの特殊権益集団が長年求めてきた更なる戦争を誘発しようと絶えず働いてきた。

 第一次トランプ政権中に、アメリカは中国との貿易戦争を開始し、スマート・フォン・メーカー、ファーウェイを含む中国最大で最も成功している企業を骨抜きにすることを狙った措置を講じ、全欧米諸国での販売禁止や、アメリカを拠点とするグーグルによる、ファーウェイへのAndroidオペレーティング・システム供給停止や、更に、カナダ旅行中のファーウェイCFO孟晩舟を拘留するまでに至った。

 第一次トランプ政権下でも、アメリカはオバマ政権から引き継いだ政策として、中国を領土内に包囲・封じ込める手段としてアジア太平洋全域で軍備増強を継続した。

 中東では、オバマ政権下で始まったシリア不法占領をトランプ政権は継続し、シリア政府と同盟諸国に対する攻撃を続け、シリアの石油をくすねるのをトランプ大統領は自慢していた。またトランプ政権第一期には、公務でイラクを訪問中のイラン高官カセム・ソレイマニ将軍をアメリカが暗殺したが、これはイラン、イラク両国に対する紛れもない戦争行為だった。それまで、自称「イスラム国」との戦いの上で、シリアとイラクを含む地域全体で、ソレイマニ将軍は成功していた。

 ロシア権益の代理人だとトランプ大統領は非難されたが、実際は彼の政権がウクライナ軍に武器供与し始め、ウクライナにおけるロシアとの代理戦争を加速させ、2022年2月に特別軍事作戦(SMO)をモスクワに開始させる最後の一線を越えたのはほぼ確実だ。中距離核戦力全廃条約からアメリカが脱退し、その後、ロシアに向ける中距離ミサイルをバイデン政権がヨーロッパに配備する道を開いたのも第一次トランプ政権の時だった。

 アメリカの海外介入を終わらせるという選挙公約に、第一次トランプ政権が著しく違反したため、多くのトランプ支持者は、トランプ大統領の「経験不足」を含む様々な言い訳に頼り、ポンペオやボルトンやヘイリーが本当は何者か彼は知らなかった可能性があり、第二次政権では彼の内閣は、そこで学んだ教訓に基づいて行動するはずだと主張した。

 沼地を補充する

 時は流れ、トランプ新政権は、ボルトンやポンペオやヘイリーが新政権では役職につかないと発表し、教訓を実際に学んだのだという希望を一時的に高めた。

 しかし、この状態は長くは続かなかった。その後、次期国家安全保障担当大統領補佐官はジョン・ボルトンと思想的に似ているマイク・ウォルツになる可能性が高いと発表された。ニッキー・ヘイリーと思想的に良く似たエリス・ステファニックが国連大使に就任すると発表された。またマルコ・ルビオリチャード・グレネル両人が次期アメリカ国務長官候補として検討されているが、彼らの考えは、トランプの前国務長官マイク・ポンペオやバイデン政権下のアメリカ国務長官アンソニー・ブリンケンと区別がつかない。

 トランプ次期大統領が検討し任命した人物は、いずれも海外での戦争、特にロシアや中国やイランに対する戦争を擁護して暮らしてきたが、リビアやシリアやベネズエラや他の多くの国々に対する戦争も主張してきた強烈なネオコンや戦争タカ派だ。ステファニックは、2014年のウクライナを含め、世界中で政治干渉に関与しているネオコン主導の組織、全米民主主義基金の 「専門家 」としてリストアップされている。

 トランプ次期政権によるネオコンや戦争タカ派指名は「釣り餌」だと主張する人もいるかもしれないが、トランプ政権がJ・D・ヴァンスを副大統領候補に選んだのは、実際、ウクライナ以外では、戦争と好戦主義が続くぞという公然の宣言だった。

 ニューズウィークは「アメリカはロシアではなく中国と戦うための武器が必要だとJD・ヴァンスがティム・ディロンに語る」という記事で「ウクライナへの軍事支援より、インド太平洋の安定と台湾支援をアメリカは優先するべきだ」と明言している。

 彼が反対を唱えて選挙戦で勝利した政策に関与していたネオコンや戦争タカ派と、トランプ次期大統領が親密で、彼らを任命したことは、そうでないことを示唆する魅力的な言辞にもかかわらず、トランプ第一次政権によるアメリカ外交政策を切れ目なく継続したのを繰り返すことを意味する。

 他地域で戦争を加速させるために、ウクライナを一時停止

 すると、ウクライナ紛争を終わらせるとトランプ新政権が決意しているように見えるのは矛盾するように思えるかもしれない。これはアメリカにおける政治移行というより、ホワイトハウスの主やアメリカ議会の支配者が誰だろうと、アメリカ外交政策を左右する選挙で選ばれないアメリカ特別権益団体間での優先順位の変化を表しているにすぎない。

 ウクライナでのアメリカ代理戦争は、それを引き起こす上で、一期目トランプ政権も役割を演じた戦争だが、どう見ても終焉しつつある。ウクライナを犠牲にして「ロシアに手を広げさせる」狙いは、可能な限り最大限に実現された。アメリカの備蓄は枯渇し、残されたアメリカ軍事力は、エスカレーションで、イランや中国とのより大規模で危険な戦争のため温存する必要があるため、ワシントンの選択肢は、ウクライナでの攻撃を強化するか、二つの、あり得る戦争の成功可能性が完全に閉ざされる前に、イランと/または中国に軸足を移すかの、いずれかだ。

 トランプ次期政権はネオコンや戦争タカ派で占められており、アメリカが据えた分離主義台湾政権の武装を彼らは公然と推進し、最終的に、台湾を中国から永久に切り離そうとしている。台湾独立をアメリカ国務省は公式には支持しておらず、中国は一つで、台湾は中国の一部で、北京に承認された中国政府は中華人民共和国(PRC)のみだとする「一つの中国」政策で北京と二国間協定を結んでいるにもかかわらずだ。

 この紛争に備える一環として、オバマ、トランプ、バイデン政権を通じて、アジア太平洋地域における軍事的存在をアメリカは拡大しており、この政策の最も声高な支持者で構成される第二次トランプ政権下でも間違いなく継続されるだろう。

 この過程には、現在フィリピン最大の貿易相手国で、最近まで重要なインフラ構築パートナーだった中国とフィリピン間に対立を作り出し、かつてアメリカ植民地の東南アジアの国フィリピに対する米軍の足跡を拡大する口実を作ることも含まれる。これにより、アメリカは、中国と台湾周辺の紛争地帯を近隣の米軍で更に包囲することが可能になる。

 バイデン政権は中国に対し「軟弱」だと、アメリカの政治「右派」は主張したが、中国との戦争に備えるため、米軍の徹底的再編が行われたのもバイデン政権下だった。

 これには、米海兵隊を高度に機動性がある対艦ミサイル部隊への再編や、戦争が始まった場合、米軍施設に中国が報復するのをより困難にするために、米空軍基地をアジア太平洋地域全体に分散させる機敏な戦力展開(ACE)の採用などが含まれる。

 トランプ政権が、その後のバイデン政権下で始まったウクライナにおける対ロシア・アメリカ代理戦争の舞台を整えたのと同様、公然と敵対的な反中国政権が権力を握れば、これら変革された米軍部隊が今や完全配備されることになるだろう。

 極めて明らかなのは、アメリカ外交政策が、アメリカの選挙により決定されるわけではないことだ。選挙は、継続する思惑に過ぎないものを国民に売り込むために使われる口実や、その口実を言う人物や、アメリカ外交政策が、選挙があるにもかかわらず、継続的に変化しそこねている理由の言い訳を決めるにすぎない。

 今後四年、アメリカの敵意に直面する世界中の国々は、アメリカによる海外侵略が全く不可能な状況を作り出す多極的国際秩序の構築に引き続き取り組まなければならない。これは、アメリカの制裁や強力な軍事的抑止力が及ばない、金融や経済的代替手段を通じて、制裁であれ軍事力であれ、代理介入であれ直接介入であれ、アメリカの強制力を抑制する金融、経済、外交、軍事手段を使用することで実現可能であり、実現されつつある。これにより、もはや自らを押し付けられない世界と建設的に協力するという唯一の選択肢がアメリカの特殊権益集団に残される。

 Brian Berleticはバンコクを拠点とする地政学研究者、ライター。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/11/13/the-trump-administration-from-no-war-hawks-to-all-war-hawks/

----------

 The New Atlasで筆者本人が本記事について語っている。
The Trump Administration: From “No War Hawks” to ALL War Hawks 35:10
 Alex Christoforou Youtube
Gabbard DNI. Gaetz AG. Bolton BALLISTIC. EU freak out as Russia wins. Economist, Elensky clueless 31:12
 トゥルシー・ギャバードが国家情報長官
 対イラン強硬派のマルコ・ルビオが国務長官
 国連大使にエリス・ステファニク下院議員
 ステファニク:大学内反戦デモなど「反ユダヤ主義」対応を下院公聴会で追及し、ハーバード大など複数の学長辞任をもたらした議員

  Judging Freedom
COL. Lawrence Wilkerson : Trump and the Defense Department 27:56
 日刊IWJガイド
 「ウクライナ軍が米国製ミサイルでロシアを攻撃! プーチン大統領は改定核ドクトリンに署名! 退陣間際のバイデン政権による核戦争の危機!」2024.11.20号

 ■はじめに~ウクライナ軍が、米国製ATACMSミサイルでロシア領内を攻撃したことが明らかに! 一方、プーチン大統領は改定した核ドクトリンに署名!「ロシアが核保有国に支援された非核保有国によるいかなる攻撃も共同攻撃と見なす」との内容は、米国がウクライナに許可したATACMSミサイルでのロシア攻撃に該当! 退陣間際のバイデン政権が、停戦を公約に掲げたトランプ氏を選んだ直近の大統領選で示された「現在の民意」を踏み躙り、ウクライナ紛争の火に油を注いで、核戦争の危機に! スロバキアのフィツォ首相は、「和平交渉を妨害し、遅らせる試みだ」と非難!

2024年11月19日 (火)

選挙には結果がある ― それが、どういう結果かは我々には分からない

2024年11月12日
Moon of Alabama

 数人のタカ派人物を次期アメリカ大統領ドナルド・トランプは閣僚に選;んだ。

 現在、これら任命された連中が何をするのか多くの注目の的となっている。  
  • 次期国務長官候補のマルコ・ルビオは、ベネズエラで新たなクーデターを起こしたいと考えているかもしれない。
  • 次期国家安全保障顧問のマイケル・ウォルツは反ロシア、反中国の立場だ。
  • シオニストのエリーズ・ステファニックが、イスラエル2人目の国連大使に就任する。
 制限がなければ、これ誰も新たな戦争を始めるだろう。

 トランプが右翼狂信者を選ぶのは意外ではない。物事を推進するには彼らの支援が必要なのだ。

 だが、これら人物をトランプが選んだからといって、彼らの言うことに彼が耳を傾けたり彼らの助言に従ったりするわけではない。トランプ最初の任期では選んだ人物が長続きしないことがしばしば示された。従って、あれこれ愚かな人選に絶望する理由はない。

 トランプや支持者たちが追求したい政策は不可能かもしれない客観的理由もある。財政赤字が過去最高で金利が高い中での減税は現実的に不可能だ。ウクライナを勝利に向かわせても現地の事実から見て失敗するだろう。イランを攻撃したい衝動は、軍事的敗北の大きなリスクを伴う。

 今後の動向を予測するには、政権の実際の政策決定を待たなければならない。トランプが自ら選んだタカ派が反対する政策の実施に成功すれば良い兆候になるだろう。

 それについて私はあまり楽観的ではない。私の以前の予測は今でも当てはまる。  
以前自分の政策に反対し妨害する人々を[トランプは]選んだ。彼には彼らを抑制する権限も意志もなかった。彼がそこから学んだとは思えない。
 だが、彼はそこから学んだかもしれない。私は客観的立場を保ち、彼に機会を与えるよう努めるつもりだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/11/elections-have-consequences.html

----------

 たまたま(というよりネットによる恣意的誘導?)Roland S. MartinのYouTubeを見た。聖書の言及が鋭い。

Just as in 1 Samuel 8, Americans wanted a king, so they elected Donald "Saul" Trump 16:11
  「まさにサムエル前書第8章と同様、アメリカ国民は王様が欲しかったのだ。それで彼らはドナルド・サウル・トランプを選んだのだ。」とあるが、この言葉だけでは意味が良く分からないが、素人は神戸選挙も連想する。

 岩波文庫「文語訳旧約聖書」も手許にあるが、ネットにあるサムエル前書第8章の一部を複写しよう。  
サムエルは王を立てることを求める民に主の言葉をことごとく告げて言った、「あなたがたを治める王のならわしは次のとおりである。彼はあなたがたのむすこを取って、戦車隊に入れ、騎兵とし、自分の戦車の前に走らせるであろう。
 彼はまたそれを千人の長、五十人の長に任じ、またその地を耕させ、その作物を刈らせ、またその武器と戦車の装備を造らせるであろう。
 また、あなたがたの娘を取って、香をつくる者とし、料理をする者とし、パンを焼く者とするであろう。
 また、あなたがたの畑とぶどう畑とオリブ畑の最も良い物を取って、その家来に与え、 あなたがたの穀物と、ぶどう畑の、十分の一を取って、その役人と家来に与え、
 また、あなたがたの男女の奴隷および、あなたがたの最も良い牛とろばを取って、自分のために働かせ、
 また、あなたがたの羊の十分の一を取り、あなたがたは、その奴隷となるであろう。
 そしてその日あなたがたは自分のために選んだ王のゆえに呼ばわるであろう。しかし主はその日にあなたがたに答えられないであろう」。

 ところが民はサムエルの声に聞き従うことを拒んで言った、「いいえ、われわれを治める王がなければならない。
 われわれも他の国々のようになり、王がわれわれをさばき、われわれを率いて、われわれの戦いにたたかうのである」。
 サムエルは民の言葉をことごとく聞いて、それを主の耳に告げた。
 主はサムエルに言われた、「彼らの声に聞き従い、彼らのために王を立てよ」。サムエルはイスラエルの人々に言った、「あなたがたは、めいめいその町に帰りなさい」。
 谷川俊太郎の詩は、恥ずかしながら昔福音館が刊行していた下記二冊しか読んでいない。瀬川康男の画が印象的だった。現行の岩波版では、あの素晴らしい画はどうなっているのだろう?

 ことばあそびうた ことばあそびうたたまた

2024年11月17日 (日)

ドナルド・トランプはあなたの友人ではない



トランプ支持者はロン・ポール支持者になりすましたジョージ・W・ブッシュ支持者だ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年11月8日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)

 ドナルド・トランプは、今回は状況が違ってトランプが本当に戦争を終わらせ、ディープステート(闇の政府)と戦うという希望をまだ抱いていた場合に備えて、次期政権の国務省を支援すべくイランに対する強硬派ブライアン・フックが選ばれたと報じられている

 読者は、2017年に漏洩した国務省メモに登場した沼の怪物フックのことを覚えておられるかもしれない。そのメモで、人権を敵を弱体化させ同盟を強化するための身勝手的な手段として利用するアメリカ政府政策についてレックス・ティラーソンに彼は説教している。フックの説明によれば、これはアメリカ同盟国が人権侵害をしている場合には無視する一方で、敵国政府の場合には、あらゆる機会に、人権侵害を強調して「負担を課し、圧力をかけ、戦略的に主導権を取り戻す」ためだという。

 「『現実主義者』の見解は、アメリカ同盟国は、実際的かつ原則的な理由から、しつこく迫るのではなく、支援されるべきで、アメリカが道徳的模範となるのは確実だが、他国との外交は、国内慣行そのものではなく、主に外交政策の行動に焦点を当てるべきだ」とフックはメモに記し、「エジプト、サウジアラビア、フィリピンなどのアメリカ同盟諸国の場合、政権がテロ対策を含む様々な重要な理由から良好な関係を強調し、人権に関する困難な矛盾に正直に向き合うのは全く正しい」と述べていた。

 「現実的で成功する外交政策のための有用な指針の一つは、同盟国は敵国とは違い、より良く扱われるべきことだ」とフックは書いている。「我々は海外の敵国を力づけようとしているのではなく、彼らに圧力をかけ、競争し、出し抜くことを目指している。このため、アメリカと中国やロシアや北朝鮮やイランとの関係において、人権を重要な問題として考慮すべきだ。これは、これらの国々の国内慣行に対する道徳的懸念のためだけではない。これら政権に人権侵害問題で迫るのは、代償を課し、圧力をかけ、戦略的に主導権を取り戻す方法でもあるためだ。」

 フックの言葉は、政治の素人ティラーソンに内密に伝えたものだが、破壊の対象とする国々で人権侵害が行われているという主張に対し、欧米帝国の経営者連中が怒りを装う際、何をしているか知るには絶好の機会だった。トランプが最初に挙げた名前の一人がフックだった事実は、大統領再選後の大統領には、更に卑劣で無謀な外交政策しか期待できなことを示唆している。

 私がこのような展開を指摘すると、すぐに「トランプにチャンスを与えろ」、就任前に批判するのはやめろ、という声が聞こえてくる。トランプにチャンスを与える? 彼には4年の任期があったのだ。彼は4年間も大統領だったのだ。トランプは、彼がどんな人間なのか我々に見せつけた。前任者連中と同じ、残忍で戦争好きな帝国の手先だ

 将来の行動を最もよく予測できるのは過去の行動だ。今回は違うと考える理由はない。トランプが外国介入主義を批判するのは、そのような言説が人気があるからで、本気でそう思っているからではない。トランプは今の地位にたどり着くため、シオニスト寡頭政治家や強力なロビー団体や、ここ数年、嫌な共和党大統領を生み出した共和党の支持基盤や寄付者層とほぼ同じ連中と取引してきた。たとえトランプが戦争を終わらせ、体制と戦いたいと思っていたにせよ(しかも、そうしたいという証拠はない)、彼は自分が奉仕すると約束した強力な体制派閥と結んだ合意で既に自分の手を縛っているのだ。

 トランプ支持者は、ジョージ・W・ブッシュ支持者がロン・ポール支持者になりすましているようなものだ。体制に対し意義ある立場を取る反戦活動家を支持しているかのように彼らは振舞っているが、実際は、4年間の長きにわたり、ネオコン政策を展開してきた人物を支持しているのだ。

 彼らがこんなにも迷惑なのは、そこだ。少なくともリベラル派は、現状維持を望んでいることについて多かれ少なかれ正直だ。選挙日に共和党に投票することで、自分たちが何か大きな革命行為に参加したのだという自分の信念を真剣に受け止めてほしいとトランプ支持者は思っている。自分の国が選挙で選ばれていないディープステート(それが実際誰かについては非常に混乱しているが)に支配されていると、彼らは正しく考えているが、投票箱に示される主流候補二人のどちらかに投票すれば、選挙で選ばれていない権力構造を打倒できると誤って信じているのだ。そんな選択肢などあるはずがない。

 正直に言おう。こんなにゲスなことが更に四年も続くのはとても嫌だ。ゴミのような四年、私が批判するトランプの行動は全て実はディープステートに対する見事な47次元チェス戦術だと、このバカどもは私のコメント欄に言ってくる。イラン攻勢を強めたり、ベネズエラでクーデターを起こしたりといったCIAやネオコンの沼の怪物連中の長年の計画をトランプが公然と進めていた時でさえ。私がメディアを批判し、腐敗した権力構造について話しているのを見て、彼らは「おお、彼女は私に似ている!」と言いながら、私に親しみを感じている。だが、なぜ連中のゴミのような共和党の父親像を私が批判し続けるのか彼らは理解できない。そして私は、彼らの英雄が殺人帝国主義の汚物だと説明するのに時間を費やさなければならない。

 そして同時に私は民主党を批判せざるを得なくなる。なぜならトランプが外交政策で強硬姿勢が不十分だと彼らは攻撃するからだ。なぜなら、主流政治やメディアで大統領に向けられる唯一の外交政策批判は、それだからだ。そして、それはトランプ支持者が私が彼らの味方だと思っているという問題に拍車をかけるだけだ。それは民主党が戦争機構を率いている時より、私にとっては遙かに非効率的で率直なやり方だ。それは私が好むやり方ではない。

 簡単に言えば、あなたが、アメリカ大統領を支持しているなら、権力と戦っているわけではない。あなたは権力を崇拝するおべっか使いで、恥ずかしい思いをするべきだ。

 大統領はあなたの友人ではない。あなたが正しく反対する必要があると感じている好戦的権力構造に、アメリカ大統領は常に従う。あなたの国を支配する金権政治家や帝国経営者は、あなたが投票で彼らを権力から追放するのを決して許さない。

 この記事がお役に立てれば幸いだ。

_____________

 これらの記事を音声で聞きたい場合、SpotifyApple PodcastsSoundcloud、またはYouTubeで聴取できます。私の記事は完全に読者に支えられているので、この記事を気に入っていただけた場合、ご希望に応じてチップ入れにお金を入れられる選択肢がここにいくつかあります。記事の映像版を見るには、こちらをご覧ください。毎月の記事のペーパーバックを購入するには、こちらをご覧下さい。私の記事は全て、海賊版を作成したり、あらゆる方法、形状、形式で自由に使用したりできます。再配布、翻訳、商品への使用など、ご希望どおり使用可能です。私が公開する記事を確実に読む最良の方法は、Substackのメーリングリストに登録することです。これにより、私が公開する全ての記事についてメール通知が届きます。全ての記事は、夫のTim Foleyとの共著です。



ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 画像は統合参謀本部議長より(CC BY 2.0)

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/08/donald-trump-is-not-your-friend/

----------

 2023年8月24日に公開した同じケイトリン・ジョンストン記事にも、このブライアン・フックと、レックス・ティラーソン国務長官のエピソードが書かれている。
国務長官という肩書きを偽善長官に変えよう
 スコット・リッター最新記事は司法長官に指名され話題の「マット・ゲイツ」
Why Matt Gaetz Matters
Scott Ritter
Nov 17, 2024
President-elect Donald Trump has nominated Matt Gaetz to be the next Attorney General of the United States. Many Americans are appalled and offended by this choice. I find it one of the best nominations made by Trump. Let me tell you why. And please take note—it is personal.
 今朝の孫崎享氏メルマガは講演会の案内。
「アメリカ大統領選挙と分断する社会」17日(日)13時半、全国家電会館、私の発言①ウクライナ終結の方向へ、②中東、紛争継続、③中国周辺緊迫、指名で最も注目はケネディ、駆除剤、殺虫剤と遺伝子組み換え生物の禁止、ワクチン承認見直しなど。日米関係はぎくしゃく。

2024年11月16日 (土)

既に戦争狂で一杯のトランプ政権



 これは、今度こそ自分たちの候補者が本当に戦争を終わらせて、泥沼を一掃してくれるだろうという世界中のトランプ支持者の希望を粉砕するはずだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年11月12日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)

 ドナルド・トランプ大統領は、共和党下院議員マイク・ウォルツを次期国家安全保障問題担当補佐官に指名した。この職位は、前トランプ政権では超強硬派のジョン・ボルトンが務めていた。

 ボルトン同様、ウォルツも好戦的変人だ。ジャーナリストのマイケル・トレイシーは、この発表以来、ウォルツの異常なタカ派ぶりをツイッターで列挙し続けている。ウクライナがアメリカ兵器を使ってロシア領奥深く攻撃する承認や、ウクライナ問題でバイデンが十分積極的にエスカレートしていないという批判や、イラン爆撃の主張や、アフガニスタンからの米軍撤退反対や、イラン、北朝鮮、中国、ロシア、ベネズエラをアメリカに対する世界紛争への「進軍」と呼んだりしたことだ。主流メディアはウォルツを「中国タカ派」と呼んでいるが、様々な点から判断すれば、彼はアメリカの公式敵国全てに対して好戦的なタカ派だ。

 また、共和党下院議員エリース・ステファニックを国連大使に就任させるとトランプ大統領は確認した。この役職は、前政権下では戦争屋ニッキー・ヘイリーが務めていた。ここでも、古いタカ派と新しいタカ派の間に大きな違いはなさそうだ。

 憲法修正第1条の権利の重要性をトランプが口先で主張するのを無視して、大学キャンパスでの言論の自由を抑圧しようと議会で動いたことでステファニクは良く知られている。反戦活動家デイブ・デキャンプが説明する通り、彼女はワシントンで最も忌まわしいネオコン系シンクタンクで政治経験を積んだタカ派の沼の怪物で、イスラエルに対するアメリカ軍事支援にいかなる制限を設けることにも反対している。今年初め、ステファニクは実際イスラエルに飛び、イスラエル国会で演説し、アメリカの大学でイスラエルの大量虐殺行為に抗議する人々の「反ユダヤ主義」を止めるのに協力すると誓っていた。

 そして今、狂気の戦争狂マルコ・ルビオがトランプ大統領の新国務長官に任命されたという報道があらゆる マスコミを通じて流れている。あらゆる機会を利用して更なる戦争や制裁や虐殺の推進に政治経歴の全てを費やしてきたこの戦争狂以上に、ワシントンの最高外交官の役割にふさわしくない人物を想像するのは実際困難だ。

 これは、今度こそトランプが本当に戦争を終わらせ、泥沼を一掃してくれるだろうという世界中のトランプ支持者の希望を粉砕するはずだ。次期政権の国務省スタッフにイラン強硬派のブライアン・フックをトランプが任命したことや、国防長官にマイク・ロジャースを検討しているという噂も同様に悪い兆だ。中国強硬派エルブリッジ・コルビーが政権内で役割を果たす可能性が高いとタッカー・カールソンが主張しているのも同様だ。

 先日、マイク・ポンペオとニッキー・ヘイリーは次期政権に入れないとトランプが突然発表した際、トランプの反介入主義支持者たちは大声で拍手喝采した。この発表に対して、ポンペオを止めるだけでは不十分で「全てのネオコンと戦争タカ派をトランプ政権から締め出すために最大限の圧力をかける必要がある」とリバタリアン・コメディアンでポッドキャスターのデイブ・スミスがツイッターで述べた。スミスの投稿に対し、ドナルド・トランプ・ジュニアが「賛成!!! やります」とツイートした

 これを見た時、私は下記のようにツイートした。  
「彼らの言葉は無視し、行動を見て頂きたい。何年も私は言い続けてきたし、これからも言い続けるつもりだ。彼らの言葉は無視し、行動を見て頂きたい。よく言われる通り、言うは易しだ。」
 今のところ、彼らの行動は、彼らの言葉より多くのことを我々に伝えている。

________________

 これらの記事を音声で聞きたい場合、SpotifyApple PodcastsSoundcloud、またはYouTubeで聴取できます。私の記事は完全に読者に支えられているので、この記事を気に入っていただけた場合、ご希望に応じてチップ入れにお金を入れられる選択肢がここにいくつかあります。記事の映像版を見るには、こちらをご覧ください。毎月の記事のペーパーバックを購入するには、こちらをご覧下さい。私の記事は全て、海賊版を作成したり、あらゆる方法、形状、形式で自由に使用したりできます。再配布、翻訳、商品への使用など、ご希望どおり使用可能です。私が公開する記事を確実に読む最良の方法は、Substackのメーリングリストに登録することです。これにより、私が公開する全ての記事についてメール通知が届きます。全ての記事は、夫のTim Foleyとの共著です。



ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 画像はGage Skidmoreより(CC BY-SA 2.0)

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/12/the-incoming-trump-administration-is-already-filling-up-with-war-sluts/

----------

 Sabby Sabs テヘラン大学教授インタビュー
Israel's Regime Is FINISHED w/Seyed Mohammad Marandi (Interview) 1:01:58
  Gerald Celente 平和を語り、戦争を推進するトランプ閣僚を品定め
TRUMP ADVOCATING FOR PEACE, CABINET PICKS ADVOCATE WAR 24:08

2024年10月 8日 (火)

我々はクソ・テロリストそのもの



 まだお気づきでない方のために言っておくと「テロ組織」というのは全く恣意的な呼称で、戦争と軍国主義を正当化するために欧米諸国が言説を支配する手段として使われているのだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年10月5日

物語マトリックスの端からのメモ

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



 ヒズボラは自国に侵攻したイスラエル兵を殺害しており、一方、イスラエル兵は女性や子どもや医療従事者やジャーナリストを故意に殺害している。

 欧米諸国がテロリストと呼んでいるのはどちら側か推測して頂きたい。



 まだお分かりでない場合のために言っておくと「テロ組織」というのは、戦争や軍国主義を正当化するため欧米諸国が言説を支配する手段として使う全く恣意的な呼称だ。実質的には「爆弾を落とす必要がある不従順な集団」という意味だ。

 ガザでボランティア活動をしたアメリカの医療従事者99名がバイデン大統領に宛てた公開書簡には、マーク・パールマッター博士の「ガザは私が初めて赤ちゃんの脳を手に持った場所だった。それは、これから数え切れないほどある最初の場所だった」という発言が引用されている。

 ほら、俺たちがクソテロリストだって。俺たちだ。欧米諸国の勢力圏に住みながら、この大量虐殺への支援を政府に止めさせなかった俺たち全員が。

 「テロリスト」という言葉は、何よりもまず、人類にこの悪夢をもたらしている巨大な地球規模の権力構造に当てはまらなければ何の意味も重要性もないだろう。





 民主党は中東でこの悪行を本気でやり、カマラが負けたらジル・スタインとチャペル・ローンを責めるつもりだ。



 普通の人:イランとの戦争は悲惨なものになるだろう。

 狂った人: ああ、あなたはアヤトラを愛し、神政政治は良いことだと考え、同性愛者を憎み、全ての女性にヒジャブを着用してほしいと思っているのだな。



 イランはイラクではない。イランは反撃できる。イランとの直接戦争は悪夢になるだろう。イラクは公園を散歩するくらい楽勝に見えるだろう。イランとの戦争は遙かに致命的で破壊的で不安定なものになるだろう。

 イランは敵ではない。敵はこの戦争を煽ってきたアメリカとイスラエルの嫌な連中だ。



 確認石油埋蔵量上位10カ国は全てアメリカ戦争挑発の標的になっているか、アメリカの戦争挑発により既に破滅しているか、あるいはアメリカに中央集権化した権力構造の一部になっている。

  1. ベネズエラ
  2. サウジアラビア
  3. カナダ
  4. イラン
  5. イラク
  6. クウェート
  7. アラブ首長国連邦
  8. ロシア
  9. リビア
  10. ナイジェリア


 過去1年間、イスラエルの虐殺で引き裂かれた人間の死体の映像を毎日見てきた人は、イスラエルに対する態度が、見ていない人と大きく違う。それは映像が人々の見方を形作するからだけでなく、イスラエル支持者がそれを見るのを避けているためだ。



 女性や子どもやジャーナリストや医療スタッフや人道支援活動家をイスラエルが誤って殺しているとは誰も本気で信じていない。故意に殺しているとわかっていてそう言っているか、故意に殺しているとわかっていながら政治的目的を守るため、決して認めないかのどちらかだ。





 「私以上にイスラエルを支援した政権は存在しない。誰も、誰も、誰もいない」 と記者会見で述べたのをバイデンは嘘つきだと共和党は非難している。

 これは、「イスラエルを再び偉大にする」という言葉をトランプが公然と言い、大統領時代、親イスラエル派の裕福な寄贈者連中にホワイトハウスを頻繁に訪問させ、連中の政治的要求を速やかに受け入れていたと認めた後のことだ。また最近、トランプは、イスラエルはイラン核施設を攻撃すべきではないと述べたバイデンを非難し、核施設攻撃を支持すると述べた。

 今回の選挙周期は、共和党と民主党が主に「第三次世界大戦を始めるためイスラエルに更なる大量虐殺兵器を与えるのは誰か」を競っているに過ぎない。



 アメリカの主流政治言説が民主党と共和党の違いを極端に誇張する一方、民主党と反戦左派の違いを軽視していることから、多くの対立と混乱が生じている。どちらの陣営もそうしている。共和党の政治メディアは民主党を極左マルクス主義集団として描くが、民主党の政治メディアは自分たちと反戦左派の違いを非常に些細なものとして描き、左派が自分たちに投票するのは当然だと見なしている。

 実際は、民主党と共和党は、どちらも本物の左翼と共有しているより遙かに多くの共通点を持っている。たとえ党内で許される最も極端なものを含めたにせよ。バーニー・サンダースとドナルド・トランプは、資本主義とアメリカの戦争機構を解体したい人のバーニー・サンダースとの近さより、思想的に遙かに近い。

 主流政治メディアによるこれらの点の曖昧化は完全に意図的なもので「人々を受動的かつ従順に保つ賢明な方法は、受け入れられる意見の範囲を厳しく制限しながら、その範囲内では、非常に活発な議論を許すことだ」というノーム・チョムスキーの言葉で説明できる。この言葉を完全に理解して、それを全ての主流政治言説を理解するレンズにしない限り、決して欧米政治をはっきり見ることはできない。

________________

 これらの記事を音声で聞きたい場合、SpotifyApple PodcastsSoundcloud、またはYouTubeで聴取できます。私の記事は完全に読者に支えられているので、この記事を気に入っていただけた場合、ご希望に応じてチップ入れにお金を入れられる選択肢がここにいくつかあります。記事の映像版を見るには、こちらをご覧ください。毎月の記事のペーパーバックを購入するには、こちらをご覧下さい。私の記事は全て、海賊版を作成したり、あらゆる方法、形状、形式で自由に使用したりできます。再配布、翻訳、商品への使用など、ご希望どおり使用可能です。私が公開する記事を確実に読む最良の方法は、Substackのメーリングリストに登録することです。これにより、私が公開する全ての記事についてメール通知が届きます。全ての記事は、夫のTim Foleyとの共著です。



ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/10/05/were-the-fucking-terrorists/

----------

 Judging Freedom スコット・リッターが語る中東展望。
Scott Ritter : The Middle East One year after October 7th 2023. 32:34

2024年9月13日 (金)

討論は、自分こそ帝国殺人狂だという二人のろくでなしの自慢大会



ケイトリン・ジョンストン
2024年9月12日

物語のマトリックスの端からのメモ

この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



ドナルド・トランプとカマラ・ハリスの大統領選討論会を見逃した人のために言っておくと、討論会の雰囲気はだいたいこんな感じだった。

トランプ:彼女は共産主義者だ。文字通りマルクス主義者だ。

ハリス:実はゴールドマン・サックスは私を愛している。

トランプ:彼女が猫を食べるのを見た。テレビで。

ハリス:ディック・チェイニーも私を愛している。

トランプ:彼女はパレスチナ人を一切殺せないだろう。

ハリス:私は彼が殺すよりも、ずっと多くのパレスチナ人を殺す。

トランプ:私は最も多くのパレスチナ人を殺す。私が誰よりも多くのパレスチナ人を殺す。

ハリス:あなた方は一人のパレスチナ人も殺せなかった。あなたは弱い。

トランプ:私は弱くない、私は強い。私は最強だ。

ハリス:あなたは弱い少女だから、中国を勝たせてしまう。

トランプ:彼女はロシアと核戦争を始めるつもりだ。

ハリス:私は自らロシアに侵攻し、プーチンを素手で殺す。私が最強で、あなたは最弱だ。

トランプ:それは真実ではない。真実ではない。

ハリス:私は、もっと多く水圧破砕法を実施し、もっと多くの石油を掘削する。多くの共和党員が、私が最強だと言っている。



トランプ:いや、いや、彼女は移民問題に弱い。 ハリス:私は気晴らしに、移民の睾丸を蹴る。

[コマーシャル]



 大統領選討論会は最悪で、二人とも最悪だったが、ハリスは明らかにより首尾一貫しており、冷静に見えた。言い換えれば、ハリスはトランプと討論する誰もが初日からできるはずのことをしたのだ。基本的な大統領選討論会で候補者がトランプを圧倒するまでに、選挙3回も必要だった事実は、民主党が、これまで何年間も、どんなに愚かなバカを輩出してきたかを示している。

 論客として、彼女は仕事をやり遂げた。大統領候補として、なぜこれほど多くの好戦的な共和党員が彼女を熱心に支持するのかを彼女は示した。中国に対してどれほど強硬な姿勢を取るか、水圧破砕法や石油やイスラエルをどれほど愛しているか、そしてどれほど多くの共和党員が彼女と彼女の政策を支持しているか彼女は語り、自分が共和党員であることを示した。

 これが世界最強力な政府における「左翼」の姿だ。アメリカ政治は実に愚かだ。



 もし私がしていることを、ディック・チェイニーが支持したり、漠然とでも肯定的に話したりしたら、私はすぐそのことをやめる。



 先週ヨルダン川西岸でイスラエルの残虐行為に抗議していたアメリカ人活動家の頭部を自軍狙撃兵の一人がおそらく撃ったとイスラエル軍は主張しているが、それは「間接的で、意図的ではなかった」と主張している。

 そして、もちろん、彼らはそう言っているのだ。そう言うか、彼女の頭の中にハマスの拠点があると言うか、どちらかだ。



 「反戦派なら、なぜトランプを支持しない?」

 彼が大統領だった時に、本当に私は注目していたからだ。

 よだれを垂らす馬鹿のように右翼メディアを無意識に摂取する代わりに、彼の政権が展開する戦争挑発と軍国主義を私は観察した。

 イエメン、ベネズエラ、イラン、シリアなどの国々で彼がした邪悪な行為を私は見た。

 ロシアに対する冷戦攻撃を彼が強化しウクライナでの戦争の道を準備するのを私は見た。

 ソレイマニを彼が暗殺しイラン合意を破棄するのを私は見た。

 アサンジを彼が監禁するのを私は見た。

 イエメンを救う試みを彼が拒否するのを私は見てきた。

 「石油を確保するため」シリアに軍隊を駐留させていると彼が言うのを私は聞いた。

 歴史上最も露骨な外国によるクーデター未遂事件を起こしながら、彼がベネズエラ人を餓死させるのを私は見た。

 エリオット・エイブラムスジョン・人殺し・ボルトンなどの血に飢えたPNACネオコンを、彼がアメリカ殺人組織の高官に任命するのを私は見た。

 内戦を引き起こすことを期待して、飢餓制裁でイラン民間人を圧迫しているとマイク・ポンペオが言うのを私は聞いた。

 アメリカ制裁により北朝鮮の人々が餓死したため、亡くなった北朝鮮人を乗せた船が日本海岸に打ち上げられたとレックス・ティラーソンが自慢するのを私は聞いた。

 ワシントン最悪のネオコンや戦争狂連中が長らく推進してきた政策を、彼が恥も外聞もなく推進するのを私は見てきた。一方、今「なぜトランプを支持しないのか」と私に聞いてくるあなた方阿呆連中は、アレックス・ジョーンズやタッカー・カールソンに考え方を指図されているのだ。

 私がトランプを支持しないのは、皆様のように、一群のゴミ評論家に私の偏見を確認させるのではなく、彼が率いる政権を見つめ、政党政治というフィルターをかけずに見たものを書いて四年の人生を過ごしたからだ。それが私たちが彼を違った目で見る唯一の理由だ。



 トランプが2020年に再選されれば地上に地獄をもたらすだろうと民主党は述べ、その後バイデンが選出され、地上に地獄をもたらした。11月に敗北すれば、民主党は、自分以外の全員を責めるだろうが、それは誰の責任でもない、自分の責任だ。

___________________

  これらの記事を音声で聞きたい場合、SpotifyApple PodcastsSoundcloud、またはYouTubeで聴取できます。私の記事は完全に読者に支えられているので、この記事を気に入っていただけた場合、ご希望に応じてチップ入れにお金を入れられる選択肢がここにいくつかあります。記事の映像版を見るには、こちらをご覧ください。毎月の記事のペーパーバックを購入するには、こちらをご覧下さい。私の記事は全て、海賊版を作成したり、あらゆる方法、形状、形式で自由に使用したりできます。再配布、翻訳、商品への使用など、ご希望どおり使用可能です。私が公開する記事を確実に読む最良の方法は、Substackのメーリングリストに登録することです。これにより、私が公開する全ての記事についてメール通知が届きます。全ての記事は、夫のTim Foleyとの共著です。



ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 画像はNBCニュースのYoutubeスクリーンショットから(フェアユース)。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/09/12/the-debate-was-two-assholes-bragging-about-what-murderous-empire-sluts-they-are/

----------

 Alex Christoforou YouTube イギリス外務大臣とキーウを訪問したブリンケン国務長官、ウクライナNATO加盟論。兵器製造大国化を奨励。ロシアの武器市場を奪え!と。長距離ミサイルでのロシア攻撃許可を示唆?

Blinken, NATO inevitable for Ukraine. UK provokes Russia. Iran denies missiles to Russia 38:34

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプはハリスを軽視。簡単に打倒できると判断、だが選挙参謀達がトランプにあざけり、非難、嘲笑的ワン・センテンスを浴びせる様ハリスをを訓練。ハリスは演じた。これにトランプは事前準備なく即興で対応できるとして、ハリスのジャブに応戦、ハリス側戦術引きずりこまれた。結果としてハリスの勝利(POLITICO)

 日刊IWJガイド 2024.9.12号

「トランプ氏とハリス氏がテレビ討論会で直接対決! 世論調査では、ハリス氏が圧倒的に有利! テイラー・スイフト氏もハリス氏支持表明!」

はじめに~トランプ氏とハリス氏がテレビ討論会で直接対決! 討論会直後の世論調査では、ハリス氏が圧倒的に有利! 人気歌手のテイラー・スイフト氏もハリス氏支持表明! シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、バイデン氏やハリス氏やトランプ氏が大統領候補者として出てくるのは、米国の政治システムが壊れているからだと本質的な洞察を投げかけている!

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

エチオピア 911事件関連 Andre Vltchek Caitlin Johnstone CODEPINK Eric Zuesse Finian Cunningham GMO・遺伝子組み換え生物 ISISなるもの James Petras John Pilger Mahdi Darius Nazemroaya Mike Whitney Moon of Alabama NATO NGO Pepe Escobar Peter Koenig Prof Michel Chossudovsky Saker SCO Scott Ritter Stephen Lendman Thierry Meyssan Tony Cartalucci/Brian Berletic TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA Unz Review Wayne Madsen WikiLeaks William Engdahl wsws アフガニスタン・パキスタン アメリカ アメリカ軍・軍事産業 アルメニア・アゼルバイジャン イギリス イスラエル・パレスチナ イラク イラン インターネット インド イーロン・マスク ウォール街占拠運動 ウクライナ オセアニア・クアッド オバマ大統領 オーウェル カジノ カナダ カラー革命・アラブの春 ギリシャ クリス・ヘッジズ グレート・リセット サウジアラビア・湾岸諸国 シェール・ガス・石油 シリア ジーン・シャープ ソマリア ソロス タイ チベット チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア テロと報道されているものごと トヨタ問題 トランプ大統領 トルコ ドイツ ナゴルノ・カラバフ ノーベル平和賞 バイデン政権 バングラデシュ パソコン関係 ヒラリー・クリントン ビル・ゲイツ フランス ベネズエラ ベラルーシ ホンジュラス・クーデター ボリビア ポール・クレイグ・ロバーツ マスコミ ミャンマー ユダヤ・イスラム・キリスト教 レバノン ロシア 中南米 中国 中央アジア 二大政党という虚構・選挙制度 伝染病という便利な話題 北朝鮮・韓国 地球温暖化詐欺 地震・津波・原発・核 宗教 憲法・安保・地位協定 授権法・国防権限法・緊急事態条項 文化・芸術 新冷戦 新自由主義 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪 旧ユーゴスラビア 映画 東ヨーロッパ・バルト諸国 東南アジア 民営化 無人殺戮機 田中正造 英語教育 読書 赤狩り 通貨 選挙投票用装置 難民問題 麻薬 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ