「人権」を語る殺人国家アメリカの北京オリンピック・ボイコット
John Malvar
2021年12月8日
wsws.org
月曜日、バイデン政権は、アメリカは中国の「人権侵害」に抗議するため、2月北京で始まる予定の冬季オリンピックの外交的ボイコットをすると発表した。これはアメリカ選手が競技に参加するが、公式のアメリカ代表団はないことを意味するワシントンの実に挑発的な行動だ。
このボイコットは、中国の「新彊で進行中の大量虐殺と人類に対する犯罪や他の人権侵害」へのワシントンの反対表現だとジェン・サキ大統領報道官が述べた。
北京による新彊ウイグル族住民大量虐殺という主張が、ワシントンのホワイトハウスとアメリカ・メディアに実に多く繰り返され、今や基本的算術の事実と同じぐらい確立したことであるかのように広く扱われている。
来る2022年の冬季オリンピックの開催場所である鳥の巣として知られる国立競技場の外を歩く男性。(AP写真/Mark Schiefelbein)
大量虐殺という言葉は正確に非常に具体的な、歴史的に得られた意味を伝えている。無防備な住民の組織的絶滅と結び付いた、工業規模の殺戮イメージで、最も悪名が高いのはホロコーストだ。バイデン・ホワイトハウスとアメリカ・メディアは、北京がヒトラー規模の犯罪に関与しているとほのめかし、定義せずに、この言葉を言いふらしている。
バイデン・ホワイトハウスは、トランプ政権の国務長官マイク・ポンペオが作った根拠がない罪状を再利用しているのだ。しっかり調べると、ホワイトハウスの主張を見つけだせる。少数派イスラム教徒のウイグル族住民の大量拘留と宗教的行動に対する制限というものだが、それ自身ほとんど裏付けがない主張だが、ウイグル族文化を絶滅させる試みだという。これは「文化的大量虐殺」と呼ばれた。
大量虐殺という虚偽主張は、それ自身政治犯罪だ。ウソの規模が、背後に潜む犯罪意図の規模を表現している。ワシントンは、その帝国主義攻撃を正当化するため「人権」に訴える長い実績があるが、北京冬季オリンピック公式ボイコットは、偽善のかどで金メダルが獲得できるだろう。
バイデンは死体の山の頂上から、中国を指し示している。ホワイトハウスは「大量虐殺」の主張に証拠を提供できないが、中国に対する非難が、それから注意をそらすよう意図されている現代世界における大量死の本当の数がある。
2年以内に、80万人のアメリカ人がCOVID-19で亡くなった。(アメリカによる全ての国外戦争でのアメリカ人戦死者を完全に超える)この膨大な死者は完全に予防可能だった。彼らは、大量死を受け入れ、人命より利益を優先し、ウイルスの広がりを防ぐために必要な措置を拒否するトランプとバイデン政権が追求した意図的政策の産物なのだ。
この数値は中国の死亡者数とは恐るべき対照だ。コロナ大流行期間中、人口が四倍以上多い中国で亡くなる死者より多くの人々が、毎週、アメリカでCOVID-19で亡くなっている。中国政府による調整された封鎖、積極的検査、接触者追跡調査と検疫隔離という科学的「ゼロCovid」政策が何百万人もの命を救ったことは疑いようがない。
だが中国の政策は人命を救ったが、2020年初め以来、流行に対するアメリカ支配階級の対応は利益を貯めることでアメリカ人億万長者の富が60パーセント以上急騰した。
コロナ流行に加えて、アメリカは30年以上果てしない戦争を行い、何百万人もの死者をもたらしている。血まみれの「人権」の旗の下、それぞれの戦争を行い、アメリカ帝国主義は手が触れる全てを荒廃状態にする。唯一の関心はアメリカ資本の経済覇権を維持し、延長することだ。
アメリカによるイラク戦争は100万人以上のイラク人を死なせた。アメリカによる20年のアフガニスタン占領後、2000万人以上の人々が命にかかわる食料不足に直面し、戦争の残骸で餓死しそうだ。イエメンの人々はワシントンが供給した兵器でサウジアラビアに爆弾を投下され、餓死しそうだ。シリアとリビアは、アメリカ戦争機構に作られた灰の中で内戦が荒れ狂っている。
何百万人もの人々が彼らの家や共同体から追われて逃げた。中東や中央アジアの文明社会は根こそぎなくなり、歴史的建造物は荒廃し、文化や言語集団は風で四散した。アフガニスタン、シリアやイラクの残骸を調査すれば、ワシントンの文化的大量虐殺の非難は我が身に返ることがわかる。
アメリカ帝国主義戦争で家を追われた人々は敵対的な国境や奴隷化の可能性や絶望的状態に直面する。何千人も地中海で溺死し、移民の子供の死体が岸に打ち上げられる。
アメリカ国境を越え、「人権」の国で「民主主義国家」に入ろうと試みて集まる人々は、おそらく檻に入って終わるだろう。トランプが大統領の座を去った時と比べて二倍、三万人の移民が、現在アメリカ入国しよと努める「犯罪」のかどで投獄されている。
世界中で殺人株式会社として知られるCIAは、汚い戦争に資金を供給し、民主主義国家を打倒し、シャーからピノチェトに至る残忍な独裁者を就任させた。北京を非難しながら、今週末、ホワイトハウスは、フィリピンを率いるファシスト凶悪犯ロドリゴ・ドゥテルテを民主主義サミットに招待して、受け入れた。
これまで5年以上、ドゥテルテは、貧困に陥った30,000人以上のフィリピン人を殺した「麻薬撲滅運動」の見せかけの下で大量殺人作戦を監督した。バイデンのドゥテルテ招待は「全ての市民の繁栄を可能にする、民主的な、人権を尊重する社会を築く努力の上で、我々はあなたとの提携を認め、感謝します。」と宣言している。
余剰軍装備品が外国で人権を押しつぶすのに時代遅れになると、国内で民主主義を抑圧するため、アメリカ警察に供給される。装甲軍用車両が警官による殺人に対する集団抗議活動に応えて、アメリカ全土の都市に配備された。民主主義と人権の「丘の上の都市」で、警察は1980年以来、30,000人以上の人々を殺している。
今アメリカ・メディアという偽善と御託の巨大機構は中国に向けられている。台湾と香港では「民主主義」、新彊では「人権」、南シナ海では「自由」を訴えて、アメリカは国際関係を不安定化して、世界を危険なほど世界大戦に近づけている。
アメリカ帝国主義の地政学的命題と、中国の経済発展を封じ込める取り組みの他、このキャンペーンは、国内問題と政治的配慮が動機だ。800,000人が亡くなった!コロナ流行に対するワシントンの対応の驚異的犯罪は、中国のゼロのCovid政策によって完全に暴露されている。これは今後、彼らの政府が、彼らの命を奪おうと企てていることを国際的な労働者階級に明示している。
11月中、中国に「隔離」を終わらせ、「開く」よう要求する攻撃的キャンペーンが、ニューヨーク・タイムズが先頭に立ち、国際メディアに行われた。ゼロCovidは持続し得ないと、しつこく主張した。
科学的な根絶政策を採用するのを主要な資本主義大国が拒絶していることで世界に解き放たれた突然変異、オミクロン変異株の発見と急速な広がりは、このキャンペーンを一時的に沈黙させた。バイデン・ホワイトハウスは他の措置に変え、人権の名のもと、冬季オリンピック・ボイコットを発表し、中国を大量虐殺の罪で告発した。
もし中国がアメリカの命令に従って、ゼロCovid政策を終わらせて、ウイルスに国を開放したら、何万人ものウイグル族を含め、何百万人も確実に死ぬだろう。ホワイトハウスは、これには無関心だ。民主主義と人権について語りながら、ワシントンは全ての政府が大量死政策を採用するよう要求しているのだ。
記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2021/12/08/pers-d08.html
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アホノミックス隠しのウソがもう一つ。
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