「我々は戦争を求めない」と言う、まさに戦争を始めた大統領
2020年1月4日
ケイトリン・ジョンストン
CatlinJohnstone.com
トランプ大統領は、アメリカ合州国政府がイランの最高将官を暗殺して既に始めた戦争を、始めるたいとは望んでいないと世界に断固保証している。
「我々は平和を愛する国で、私の政権は固く世界中の国々の間で、平和と調和を確立すると固く決心している」と金曜日、彼の豪奢なマー・ア・ラゴ保養地での演説でトランプは言った。「我々は戦争を求めない、我々は国造りを求めない、我々は政権交代を求めない、だが大統領として、アメリカ人の安全を守るのを私は決してためらわない。」
「昨夜我々は戦争を止めるために行動した。我々は戦争を始めるためには行動しなかった」と大統領は付け加えた。
誤解のないよう言っておくが、このどんな部分も全く意味をなさない。ある国の最上級軍人を暗殺しておいて、その国と戦争を始めるのを望まないと主張するのは意味をなさない。
アメリカは現在イランに対して戦争を行っている。その戦争が一体どういう形になるのかは今は誰にも分からないが、戦争が始められたことは疑いがない。もしある国が、空爆でアメリカの最高将官を暗殺して、公然とそれを認めたら、アメリカは即座にその国に対し戦争するはずだ。確実に。発表の瞬間、極端な武力報復が進行途上にあるだろう、政治/マスコミ体制全てが、どんな形であれ、アメリカが行う報復を完全に支持するはずだ。
一部のアメリカ人は驚くかもしれないが、同じ原則は、他の国にもあてはまる。
「彼が亡くなったことが彼の道や活動の終わりではないが、昨夜、連中の汚れた手を、彼と、彼の迫害された仲間の血で塗った犯罪者連中を厳しい報復が待ち受けている」と金曜日イラン最高指導者アリ・ハメネイが声明で述べた。
だから、私は言いたい。もちろんイランの「厳しい報復」があるだろう。実に奇怪なアメリカ例外主義者の精神的歪曲以外にとって、これは火を見るより明らかだ。疑問は、イランが極端な力で報復するかどうかではなく、いつ、どこでだ。脳味噌がある人なら誰でも、それ以外の何も期待するまい。
我々はイランと戦争をしている。それはもはや可能性ではない。それはまさに起きたのだ。それに応じて、考え方の基準を調整されたい。
- マイケル・トレーシー(@mtracey) 2020年1月3日
もちろんアメリカ政府は今、ガーセム・ソレイマーニー少将について全く根拠がない主張をまくしたてており、もちろんマスコミは無批判に、それらの主張を事実として繰り返しており、もちろん洗脳された大衆は、彼らの認識枠が信じろと言うものを鵜呑みにしている。トランプ政権の高官は、いかなる証拠もなしで、ソレイマーニーが「アメリカ外交官と軍人に対する差し迫った攻撃」をたくらんでいたと主張し、彼を9/11攻撃や多数の他の確証がない口実と結びつけようとさえしている。
これのいずれでも信じる人は全員洗脳された低能だ。先に存在している軍事的な狙いに対する支持を作り出すために嘘をつくアメリカ政府の膨大な実績があるのだから、標的に定められた国に関する根拠のないアメリカ政府の主張に対する唯一健全な対応は、絶対的な懐疑心だ。なされた主張に対する、独立して検証可能な証明の山ができるまでは、ずっと懐疑心を維持するべきなのだ。これが、イラク侵略後の世界で、批判的思考法が許容する唯一の証拠のレベルだ。
これは誰にとっても極めて明らかなはずだ。それがそうではない事実は、戦争について、戦争とは一体何か、戦争がどのように機能するか、人々が考える方法を操作する、何世代にもわたる益々洗練されたプロパガンダの結果だ。今私のソーシャル・メディアへの通知は、ソレイマーニーは「悪人」だったので、トランプは「善人」で、主権国家の軍トップ暗殺は、政府がすべき、全く分別ある、容認できることだと請け合うトランプ支持者で溢れている。
「私は干渉主義には反対だが」だがも何もない。無料奉仕のCIA宣伝屋になるのはやめてほしい。去年、トランプの戦争挑発を擁護する連中に対して、これを書いたが、今「だがソレイマーニーは悪人だった!」というプロパガンダをおうむ返ししている連中にも当てはまる。https://t.co/GICxN6pzVW
- ケイトリン・ジョンストン⏳(@caitoz) 2020年1月4日
こういうことをしてはいけない。アメリカ政府のために戦争プロパガンダ言説を推進しないで欲しい。
戦争プロパガンダを広めた人々は、実際現地行って、そこで戦う人々と同じぐらい、そうした戦争に参加しているのだが、彼らは遥かに安全な、遥かに臆病な、遥かに恥ずべき役割を果たしている。イランに飛んで、兵器でイラン人を殺す男は、少なくとも、その後生涯を通じて実存的に取り組まなければならない形で戦争に従事している。ツイッターで、フォックスニュース・プロパガンダをおうむ返しする男は、それからピザを食べ、自慰をし、赤ん坊のように眠るのだ。だが彼らはいずれも、ウソに基づいた大量殺人と、アメリカ至上主義帝国主義を推進しているのだ。
トランプが始めた戦争に、力強く積極的に反対しなくてはならない。起こっていることで人々を目覚めさせるために皆様ができるあらゆることをして頂きたい。これは非常に非常に醜悪になり得るのだから。
事態が展開するにつれて、私はこの重要な話題を追って定期的に更新を続けるつもりだ。私はほかの方々にも同じ様に、綿密な注意を払うようお勧めする。トランプのイランとの戦争には、人間性のことを気にかける人々全員真正面から対峙するべきだ。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2020/01/04/we-do-not-seek-war-says-president-who-just-started-a-war/
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昨夜、大本営広報部の呆導番組をいくつか、ちらりと見た。イラン情勢について何を言うか見るため。驚いたのは、某番組で「何が今年のリスクか」という問いに、ジャーナリストなる人物が「トランプ失墜」というような表現をしたこと。「彼は世界を安定させ、平和を与え、経済を良くしてくれている。彼がいなくなったら大変」というもの。正気だろうか。思わず、テレビに向かって怒鳴った。もっと驚いたのは、元外務省高官が「湾岸への自衛隊派遣は保留すべき」と言ったことだ。トランプ評価も全く違っていた。まさかの正論に目を疑った。まるでプロレス。
上記の元外交官高官氏、当然、悪名高いリバティー号事件をご存じだろう。カモになりにでかけて行くのを知っているのではと想像してしまう。リバティー号事件に関するポール・クレイグ・ロバーツ氏の記事をいくつか翻訳してあるのだが、今の緊急事態にもかかわらず、閲覧数驚くほど少ない。記事「ソレイマーニー殺人:次に何が起きるだろう?」の中でも触れられている重要話題なのに。その大きな理由は、検索エンジンではなく、実質、隠蔽エンジンで、検索しても表示されないよう加工されているためだろう。そして、隠蔽している理由は、まさに、これから類似偽旗作戦を実行するためだろう。皆が似たような悪事の歴史実績を知っていては困るのだ。ウソだと思われるなら、各自検索を試して頂きたい。隠蔽エンジンの本質をご理解頂けよう。
- イスラエルによる、アメリカ艦船リバティー号攻撃 2018年6月9日掲載 検索リスト外
- イスラエルによるアメリカ海軍軍人虐殺 2017年6月5日(現時点では隠蔽されていない。)
- アメリカ艦船リバティー号に対するイスラエルによる攻撃 2016年8月8日 検索リスト外
下記記事も、是非お読み願いたい。
アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の、239年中、222年間が戦争
密出国氏、日本人記者をほとんど締め出しての記者会見?だが、日本の司法権を一番無視し続けているのは米国だ ということは、大本営広報部は伝えない。在日米軍兵士出入りは放置の放置国家。
昨日の田村智子参議院議員インタビュー、再配信されるという。追及本部ヒアリングでの、官僚の忖度説明、見たくなどないが、見ないわけにはゆかない。餅を食べても七草がゆを食べても、サクラ連中を見る会は忘れまい。
【タイムリー再配信 507・IWJ_Youtube Live】20:10~「1月20日通常国会召集! 国民は正月の餅を食べても『桜を見る会』問題を忘れていない! 岩上安身による 日本共産党・田村智子参議院議員インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi【タイムリー再配信 508・IWJ_Youtube Live】21:30~「立民会派・山井和則衆院議員『「桜を見る会」すべてが、安倍総理と昭恵夫人のお友だち優遇?業者も毎年、昭恵夫人の知人の会社が入札し、入札前に打ち合わせ!?』~1.7 第20回 総理主催『桜を見る会』追及本部ヒアリング」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
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初めてコメントさせていただきます。
つい1年ほど前までは海外サイトはおろか日本のニュースサイトもよくわからない情報弱者でしたが、
こちらのブログ記事のおかげで世界情勢が見渡せるようになり、海外記事を見る手掛かりもつかめました。
現在起こっている事態も自分なりに把握できるようになり、本当に助かっております。
ありがとうございました。
私もSNSなどでわかる範囲で短い自分の訳文を流すようになりました。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: 尉鶲 | 2020年1月 8日 (水) 19時47分