ホンジュラスの「左翼」次期大統領、台湾支持でワシントンに屈服
Bill Van Auken
wsws.org
2021年12月8日
選挙での地滑り的勝利から一週間後、商業メディアとエセ左翼両方に広く「左派」「社会主義者」として描かれるホンジュラスのシオマラ・カストロ次期大統領はヤンキー帝国主義に強いられたリトマス試験に見事合格した。
次期副大統領サルバドル・ナスララを含め彼女の政権閣僚は、テグシガルパ新政権は、台湾との関係を絶ち、北京の中国政府と「即座に外交、商業関係を開始する」というカストロ選挙公約を実行する意図はないと宣言した。
選挙運動集会のシオマラ・カストロ次期ホンジュラス大統領(Facebook)
カストロ当選を公式に受け入れたバイデン政権は、彼女と彼女の自由と復興党(リブレ)が世界中の政府の圧倒的多数が、人口2350万人の島、台湾政権ではなく、14億人を統治する中華人民共和国が中国政府だという自明な事実を認めるのに加わる、いかなる動きも止めるよう強烈な圧力をかけた。
西半球問題担当国務次官補ブライアン・ニコルスは、ワシントンの長年の傀儡フアン・オーランド・エルナンデス大統領の腐敗した右翼麻薬政権に、不正選挙を思いとどまらせ、カストロに彼女の中国政策を放棄するよう説得する二重の目的で、奇妙なタイミングで選挙直前にテグシガルパを訪問した。
この問題でホンジュラスを「いじめた」かどで、北京はワシントンを非難し、この地域において、長年の「覇権行動」を継続しているとワシントンを責めた。
ホンジュラスは、台湾を独立国として認める、中米の大半と、カリブ海と南太平洋の小さな島嶼諸国、15カ国の一つだ。人口1000万人もないホンジュラスは、これら諸国中では、グアテマラに続いて、二番目に大きい。
1979年に、ワシントンは中華人民共和国を中国の合法政府と認めた。「一つの中国」政策を採用し、儲かる資本主義投資のため、中国開放を利用すべく、北京での新大使館開設を前提条件として台北の大使館を閉鎖した。国際連合が、1949年革命での敗北後、台湾支配を掌握していた国民党独裁の主張を終わらせ、国連議席で北京を中国の合法的代表と認める決議を採択して以来半世紀たった。
それでもアメリカ帝国主義は、依然、台湾を認めている、ひと握りの国々が、40年以上前にワシントン自身がとった行動に習うのを阻止すべく、引き延ばし作戦を維持、エスカレートさせた。中米以上に、これが激しい場所は他にない。
近年コスタリカ、パナマ、エルサルバドルとカリブの国ドミニカ共和国は、全て台北から北京へ承認を変えたが、ホンジュラスとグアテマラは台湾と外交関係を維持している。
1979年に権力の座に着いたサンディニスタ政府は、ニカラグア大使館を北京に移転させた。ヴィオレータ・チャモロ下で右翼が1990年選挙に勝ち、大使館は台北に戻った。2007年、サンディニスタ指導者ダニエル・オルテガはキリスト教再生派として権力の座に戻ったが、ワシントンをなだめようとして、台湾関係には手を触れずにいる。
台湾が支援を提供し、ワシントンが台北政権の継続的な認識に対する圧力をかけているが、北京との外交的関係の方が、貿易と投資の点で、中米諸国にとって恩恵は遙かに大きい。中国との正常な関係の確立するという主張は、卑屈な中米の寡頭政治家連中による自己決定行為というよりも、その方が遙かに利益があると考える中産階級の打算的私利の表現だ。他の連中は、どんな利点もアメリカ制裁の懲罰で相殺されると恐れている。
ワシントンにとって、中央アメリカは、躍進する中国との世界戦争準備の戦場だ。アメリカ帝国主義が一世紀以上の間「自身の裏庭」と見なしている場所での北京の増大する影響力に対抗する決意は固く、ホンジュラスを従わせ続けるため、経済的、政治的、軍事的と、使える限り、あらゆる手段を使う用意を調えている。
アメリカ軍部隊が、この島で活動しており、台湾海峡では挑発的なアメリカ海軍の作戦継続が明らかで、台湾は中国との戦争準備の上で、最も危険な発火点だ。台湾を巡る中国との軍事対決の可能性に関するワシントンの軍と情報機関内部での率直な議論と、米国議会による40年にわたる「1つの中国」政策を巻き戻す動きが組み合わさっているのだ。
ホンジュラスにとっては、中国の合法政府として台湾政権を認めるという時代錯誤の認識を維持するのは、アメリカ帝国主義に対する継続的な惨めな屈服という屈辱的表現だけでは済まないで。それはこの服従を強いて、中央アメリカの強奪と、貧困に陥った大衆の超搾取を推進するために使われるクーデターや、残忍な軍事独裁や、ほぼ大量殺戮のような汚い戦争の苦い歴史と堅く結びついている。
この地域と台湾とのきずなは、1949年の中国革命と朝鮮戦争の余波の中、ワシントン指導下で作り出された。反中華人民共和国で、アメリカ帝国主義に同調するのと引き換えに、台湾を恐怖政治で支配する蒋介石の国民党政権は、この地峡地域で、中米諸国の政権が類似の作戦を実行するの支援した。
この多くは1966年に、国民党政権と韓国の軍事独裁権とCIAに作られた世界反共連盟(WACL)を通して行われた。その最重要メンバーの中には、パラグアイのアルフレード・ストロエスネルから、ニカラグアのアナスタシオ・ソモーザや、フィリピンのフェルディナンド・マルコスに及ぶ独裁者や、元ナチ、戦争犯罪人、暗殺団指導者、反ユダヤ主義者や白人優越論者集団がいた。
ホンジュラスの主要メンバーは、CIAとアルゼンチンで教育された3-16暗殺大隊団を設立し、ホンジュラス領に米軍に永久軍事基地を与えた責任がある、極端な反共産主義の将軍グスタボ・アルヴァレス・マルティネスもいる。
グアテマラでは、マリオ・サンドバル・アラーコンがWACLの主要人物だった。彼はCIAが計画した1954年クーデター指導者の一人で、副大統領にる前に、何万人もの自国民殺害に責任がある悪名高いマノ・ブランコ(白い手)を創設し、中米暗殺団の「ゴッドファーザー」と呼ばれた。
エルサルバドルでは(彼好みの拷問手段から「火炎放射器発少佐」として知られた)ロベルト・ドービュッソンが世界反共連盟のメンバーで、大量殺人に関係した多くの他の中米軍将校同様、台湾、北投の政治作戦学校の訓練コースに参加していた。
1980年代、世界反共連盟と台湾は、ホワイトハウスの地下室からオリバー・ノース大佐が運営し、世界反共連盟アメリカ支部長のジョン・シングラウブ(退役)大将と協力して、ニカラグアのコントラ・テロリスト用非合法資金工作で中心的役割を果たした。
最近2015年、2009年、アメリカに支援されたクーデターで権力の座についた政権への反対派抑圧に使えるよう、台湾政府は、ホンジュラス軍に5機のアメリカ・ブラックホーク・ヘリコプターを再度寄贈した。
ホンジュラスが、台湾政権を認め続けるためのワシントンの圧力キャンペーンにシオマラ・カストロが屈服したのは、彼女の政府が、一世紀に及ぶアメリカ帝国主義に対するホンジュラスの従属からの離脱ではない最も明白な表示だ。
ホンジュラス労働者と抑圧された人々の勝利として彼女の当選を描こうと試みるのは、エセ左翼分子の悪事を証明する反論で、主要なものには、アメリカ民主社会主義者(DSA)の半公式機関誌ジャコバン誌がある。
12月3日の記事で、ジャコバン誌は、ホンジュラス選挙を「アメリカの敗北」と宣言した。カストロを「社会主義者」と描写し、最近ペルーでのペドロ・カスティリョ当選を引き合いに出し、彼女の勝利を「現在中南米を風靡している劇的変化」だと宣言した。
これは意図的なねつ造だ。カストロの勝利はアメリカの「敗北」ではなかった。それが4年前にそうしたように、ワシントンは右翼エルナンデス政権が不正選挙をするのを阻止するため直接介入した。弟が麻薬取り引きのかどでアメリカで終身刑を宣告されたエルナンデスは、アメリカの権益にとって、深刻な負担になっていたのだ。
カストロの選挙運動は反汚職に集中していたが、この冷笑的な旗は、ワシントン自身が、この地域の政府に対する掌握を強化し、移民を押さえ、中米の安価労働搾取のために最も良い条件を保証する政策を実施させるために使われたのだ。
民主党の一派として、中南米でのアメリカ民主社会主義者の介入とジャコバン誌は、アメリカ帝国主義の利益のために行われている「国務省社会主義者」のものだ。彼らの指導者のポピュリスト言説が何であるにせよ、それは小数独裁政治家集団の利益と外資を守ると固く決めたブルジョア政府の幻想の推進に向けられているのだ。
中南米の歴史の苦い教訓は、労働者階級による本物のマルクス主義指導体制のための戦いに対する選択肢として長年奨励されている、あらゆる資本主義支持の国家主義傾向が表している行き詰まりだ。これらの教訓は、ホンジュラス、ペルーそして地域じゅうの戦いにかかわる青年、労働者に理解される必要がある。唯一進むべき道は労働者階級の独立した戦い、新しい革命指導体制、世界トロツキー派運動部門、第四インターナショナル国際委員会の構築にある。
記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2021/12/07/hond-d07.html
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民主主義サミット主催国が認めた政権が、まともなわけがない。
西部戦線異状なし。
あまりにくだらず衝撃的@nftyニュースに唖然。見出しに驚いて、中身は読んでいない。
「あまりにくだらず衝撃的」金正恩の“自慢話”に国民が唖然
「あまりにくだらず衝撃的」ア○の“自慢話”に国民が唖然という記事、決して属国大本営広報には載らない。日本版金正恩の自慢話、年中報じられる。北朝鮮、日本をうらやんでいるだろう。新聞社やテレビがいくつもあり、全て同じプロパガンダの「新しい資本主義」を。
最大ニュース、大本営広報部「マスコミの死」を宗主国が保障する判決を意図的に無視しているだろう。(アサンジ問題判決を報じたのか否か断定しないのは、テレビを真面目に見ていないのでわからないためだ。見るだけ電気代と人生の無駄。相撲とのど自慢は見る。
「ウィキリークス」創設者 アサンジ被告の身柄 米に引き渡しへ
テレビは見ないがyoutubeは見ている。
デモクラシータイムス
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