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2023年7月19日 (水)

世界が秘密に包まれている限り、本当の変化は不可能だ

2023年7月15日
ケイトリン・ジョンストン

この記事の英語朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 2010年にロンドンで講演しているジュリアン・アサンジのビデオクリップを見たが、そこで彼はウィキリークスの仕事の背後にある哲学を説明しながら重要な発言をした。全ての政治理論は、我々の制度が秘密に包まれているため、世界で実際何が起きているかさえ知れないので、現在の状況はある程度「破綻」していると彼は述べた。

 「我々は皆、自分たちの政治問題について書け、我々が信じている特定のことを推し進められ、我々は皆、特定ブランドの政治を持てるが、実際は全て破綻していると私は言いたい」とアサンジは言った。「そして、全てが破綻し、現在の全ての政治理論や、特定の政治方針が破綻している理由は、実際何が起きているのかわからないためだ。様々な機関の基本構造を知るまで?実際どのように運営されているか、これらの巨大組織が、公式見解だけでなく膨大な量の内部文書を通じて、内部でどのように振る舞うか?それを知るまで、どうして診断を下せるだろう? 自分がどこにいるかを知るまで、どうして進むべき方向が決められるだろう? 我々は自分がどこにいるかの地図さえ持っていない。だから我々の最初の仕事は我々がどこにいるかを説明する一種の知的遺産を構築することだ。そして我々がどこにいるのかがわかれば別の方向に進路設定する希望がある。それまでは全ての政治理論は、もちろん多かれ少なかれ破綻していると思う。」

 考えてみれば、それは非常に重要な点だ。政府が現在どう運営されているかわからない時に、政府がどう運営されるべきかに関する理論をどうして形成できるだろう? 診断を下していないのに医師はどうして正しい治療法を処方できるだろう?

 政治理論は、何が起きているのか、何がうまくいかないのかを正確に見られず、暗闇の中で形成されているため、この意味で「破綻」している。

 社会機関の本質は我々から隠されており、それは政府機関だけでなく、社会の多くを支配する政治やメディア、企業、金融機関も含む。彼らの本質は透明性の完全な欠如だけでなく、プロパガンダやインターネット検閲、シリコンバレーのアルゴリズム操作の類いや、社会で最も声高に増幅される全ての声は多かれ少なかれ現状維持政治を支持する連中だという事実によって隠されている。

 文明活動の最も重要な側面が全て権力者によって隠され、操作され、曖昧化されている事実は、民主主義という考え方そのものを冗談にしている。世界に対する理解に関する全てが権力者の利益のために積極的に歪められている時に、人はどうやって何に投票するか知ることができるだろう?

 国民が当てずっぽうに暮らしていれば民主主義は不可能で、既存の権力構造に国民が自分達の意志を課せるかもしれない他の手段も同様だ。全て基本的に好調で、もし事態が気に入らなければ投票で変えられるという支配的な考え方が全ての人の心に押し込まれている時、大衆が支配者に対して集団蜂起することは決してない。もしアメリカ帝国の内部構造から秘密のベールが引き裂かれ、誰もがその犯罪性丸ごとを日光の中で見られれば、おそらくワシントンで即座にあからさまな革命が起きるはずだ。だからこそベールが存在するのだ。

 全てが隠されている間、我々は確固たる政治理論を形成できないし、できたとしても同じ理由でそれら理論を実行に移す手段を組織できない。世界の本質が我々の視点からは非常に積極的に曖昧化されている事実は、我々は何を変える必要があるか正確に知れず、我々が変化をもたらすことを妨げているのだ。

 このため、文明としての我々の最も緊急な優先事項は全ての秘密と曖昧化を押し返すことだと私はしばしば主張している。もちろん私にはイデオロギー的偏向があるが、非常に多くの明かりが消されている世界で何が起きる必要があるか懸命に推測している一人にすぎない。我々の社会が実際に世界をありのまま見られるようになるまでは、アサンジが言う通り「異なる方向への進路を設定する」能力を持てないのだ。

 そして社会の現行路線で恩恵を受けている連中は、これをはっきり認識している。それが秘密のベールの陰で、連中が何をしようとしているのか見ることが許されない理由で、文明全体がひっきりなしのプロパガンダで飽和している理由で、インターネットが益々検閲され操作される理由で、ジュリアン・アサンジが刑務所にいる理由なのだ。

 我々は今いる場所からのみこれと戦い始められる。我々は個人として誰も帝国から秘密のベールを引き裂く力を持っていないが、我々はそれぞれ、それが見られる場所でウソを非難し、我々がだまされ操られている事実に人々が目覚めるのを助ける力を持っている。皆様が目覚めるのを手助けする二つのまぶたは、何が起きているかを正確に把握するのに役立つもう一つの二つの目と、他人の目を開くのに役立つもう一つの二つの目なのだ。

 一度十分に目をあけさえすれば、我々は実際に行動する可能性がある。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/07/15/real-change-is-impossible-while-our-world-is-shrouded-in-secrecy/

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 マグレガー氏youtube、下記を拝聴。

Douglas Macgregor: RUSSIANS DESTROYED WHOLE UKRANIAN COMPANY IN A SURPRISE ATTACK! 14:42

The Arrival Of Russian Troops On The Polish Border 27:37

  地続きのヨーロッパの方が、イギリスやアメリカより早く目が覚める。ショルツもマクロンも消えると。

 耕助のブログ

No. 1859 台湾の最大の弱点はエネルギー供給

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ウクライナ産穀物の黒海経由の輸出合意、ロシアは停止を発表。ウクライナによるクリミア大橋への攻撃が多分影響。このルート利用は個別の国について言えば中国(ほぼ4分の1)、トルコ(9.9%)、伊 (6.3%)、スペイン(6.3%)、蘭(5.9%)。

 日刊IWJガイド

「岩上安身による哲学者・鵜飼哲氏インタビュー報告!『戦争の社会化』が起きた今日、ロシア・ウクライナの外の人々も『戦争の中にいる』!?」

はじめに~<昨日の岩上安身によるインタビュー報告>「戦争」や「勝利」の概念が変質し、「戦争の社会化」が起きた今日、ロシア・ウクライナの外の人々も「戦争の中にいる」!? 岩上安身による哲学者・一橋大学名誉教授・鵜飼哲氏インタビューを配信しました!
「【IWJ号外】ジョン・ミアシャイマー教授の最新論文『前途の闇:ウクライナ戦争の行方』全文仮訳! 第2回『ロシアの勝利は核戦争の脅威を大幅に減らす』! 『消耗戦の勝利は、覚悟、人口、減損数比で決まる』」! を出しました。

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