John Pilger

2023年9月16日 (土)

ロシアと中国に対するアメリカ戦争挑発に関する2016年のジョン・ピルガー警告再訪

 「まるで致命的間違いを犯そうとしている過去の人々に、タイムトラベラーが警告するのを聞くようなものだ。」

ケイトリン・ジョンストン
2023年9月6日

 この英語記事の朗読を聞く(Tim Foleyによる朗読)。


 2016年3月、オーストラリアの有名ジャーナリストで映画製作者ジョン・ピルガーがロシアと中国に対するアメリカ帝国の攻撃的エスカレーションに関する緊急警告「世界大戦が始まった。沈黙を破れ」という記事を公開した。2023年にその一部を再読するのは、今世界が直面しているそびえ立つ問題へと最終的に成長する植物の最近植えた種子の横に目印の旗を立てるようなものだ。

 それは、致命的な間違いを犯そうとしている過去の人々に、タイムトラベラーが警告するのを聞くようなものだ。ウクライナにおけるアメリカの挑発や、NATOの軍国主義、中国包囲を指摘し、核戦争の急増する危険を警告し、核弾頭用の支出は「どのアメリカ大統領よりオバマ下で増加した」とピルガーは指摘している。

 「過去18か月間、第二次世界大戦以来最大のアメリカ主導による軍事力増強がロシア西部前線沿いに行われている」とピルガーは書いている。「ヒトラーがソビエト連邦に侵攻して以来、外国軍がロシアにそのような明白な脅威を与えたことはかつてなかった。」

 「かつてソビエト連邦の一部だったウクライナは、CIAのテーマパークになった」とピルガーは書いている。「キーウでクーデターを画策したワシントンは、隣国ロシアに敵対する政権、文字通りナチス腐敗政権を実質的に支配している。ウクライナの著名国会議員連中は、悪名高いOUNやUPAファシストの政治的子孫だ。彼らはヒトラーを公然と称賛し、ロシア語を話す少数派の迫害と追放を主張している。」

 「ロシアの隣国ラトビア、リトアニア、エストニアに米軍が戦闘部隊、戦車、重火器を配備している」とピルガーは述べていた。「世界第2の核保有国に対するこの極端な挑発に、欧米では沈黙で対応している」

 「核戦争の可能性を更に危険なものにしているのは、中国に対する並行作戦だ」とピルガーは続けていた。「アメリカは、弾道ミサイル、戦闘群、核武装爆撃機を備えた基地のネットワークで中国を包囲している。この致命的円弧は、オーストラリアから太平洋の島々、マリアナ諸島、マーシャル諸島、グアム、フィリピン、タイ、沖縄、韓国、そしてユーラシア大陸を越えてアフガニスタンとインドにまで広がっている。アメリカは中国の首に縄を掛けた。これはニュースではない。メディアによる沈黙。メディアによる戦争だ。」

 ピルガーは、母国オーストラリアがワシントンの対中戦争準備に巻き込まれている様子を強調したが、この傾向は、陣太鼓が大きく鳴るにつれて以来一層悪化している

 「2015年、極秘に、アメリカとオーストラリアはタリスマン・セイバーとして知られる史上最大の空海軍事演習を実施した」と彼は書いている。「狙いは、マラッカ海峡やロンボク海峡などのシーレーンを封鎖し、中東やアフリカからの石油、ガス、その他の重要な原材料の中国の入手を遮断する空海戦闘計画の予行練習だった。」

 ピルガーは、その年後半に公開された彼の素晴らしい映画「The Coming War on China 来るべき対中国戦争」の公開準備をする中で、これら全てを書いた。その中で、彼は、アメリカがアメリカ海岸近くで起きた場合には戦争行為と見なす方法で、中国をどのように戦争機械で包囲しているかを示し、核戦争の可能性の深刻さを強調している。

 ピルガーが警告したこと全て、彼が言ったこと全てが事実だと判明した。2014年、アメリカが支援したクーデターという火花と、益々拡大主義的で軍国主義的なNATOに対するロシアの恐れから、ウクライナで戦争が勃発し、二つの超大国間の敵対行為が限界点に向かって加速する中、少なからず、オーストラリアとして知られる大陸規模の軍事基地のおかげで促進されてアメリカ軍の中国包囲は急速に増大している。2016年には背景記事にすぎなかったものが、今や見出しを支配している。</p

 私がこれを持ち出すのは、何年にもわたり大国間の世界的な紛争に向けて我々がこの軌道に乗ってきたこと、それが遙か遠くから来る形で展開しているのを示すのに役立つと思うためだ。ピルガーの仕事の多くは予言的と呼べるが、ピルガーは予言者ではない。彼は何十年にもわたり帝国の行動を批判的に精査し、社会動向に注意しているジャーナリストにすぎない。彼は他の誰よりも早く世界が進む軌跡を正確に示せるが、それは以来、恐ろしい速度で同じ軌道に沿って動き続けている。

 物体が乗っている軌道が見える場合、その針路を妨害するため、どこに立つ必要があるか判断できる。ここ数年、核保有国間の世界紛争に向かう直線軌道に我々が乗っている事実は、その軌道に反対することが地球上の全生物にとって実存的に重要なことを示している。それでも依然メディアは、我々が有名人ゴシップや政党政治やドナルド・トランプに焦点を合わせるのを望んでいる。

 世界大戦は依然我々に接近している。我々は依然として沈黙を破り、それに反対する必要がある。支配者連中は長い間、我々をこの方向に導いてきた、我々が連中にそうさせるまで、連中は進路を変えるつもりはない。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/09/06/revisiting-john-pilgers-2016-warnings-about-us-warmongering-against-russia-and-china/

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 The New Atlas ファーウェイ新型スマホのチップは強力。制裁を強化しても自力開発。

China's Technological Edge, Ukraine's Insurmountable Odds, Tensions in Korea, & NATO Posturing 13:45

 Alex Christoforou ウクライナ軍、女性採用を強化。金正恩総書記、ウクライナ政府の暗殺対象者リスト「ミロトヴォレツ」に載った。

US trip for Elensky. ATACMS, $24B for Ukraine. Biden Cafe Milano. Kim Jong Un, peacemaker list. 33:31

 植草一秀の『知られざる真実』

国と裁判官がグルという現実

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

引用:神宮外苑再開発に「全員がショックを受けた」イコモス(ユネスコ諮問委員会、)、「世界の主要都市で、こういう開発は聞いたことがない。そもそも都市の公園は大きく不足。その公園の土地を、再開発事業に回すという事例は知りません」ヘリテージアラート発出

2023年5月 7日 (日)

来たるべき戦争:今こそ声を上げよう。


米空軍ボーイングB-52Dストラトフォートレスから投下した爆弾、ベトナム

アリーナ・オンライン

ジョン・ピルジャー

2023年5月2日

 1935年、アメリカ作家会議がニューヨーク市で開催され、三年後にも開催された。彼らは「何百人もの詩人、小説家、劇作家、批評家、短編作家、ジャーナリスト」に「資本主義の急速な崩壊」と次の戦争の手招きについて話し合うよう呼びかけた。ある説明によると、それは電気的な催しで、3,500人の一般市民が参加し、1000人以上入れなかった。

 アーサー・ミラー、マイラ・ペイジ、リリアン・ヘルマン、ダシール・ハメットは、しばしば偽装されたファシズムが台頭しつつあり、作家やジャーナリストに発言する責任があると警告した。トーマス・マン、ジョン・スタインベック、アーネスト・ヘミングウェイ、Cデイ・ルイス、アプトン・シンクレア、アルバート・アインシュタインの支援電報が読み上げられた。

 ジャーナリストで小説家のマーサ・ゲルホーンがホームレスや失業者や「暴力的な大国に脅かされている人々全員」のため声を上げた。

 親友になったマーサは恒例の有名なGrouse・ソーダを飲みながら言った。「ジャーナリストとして感じた責任は計り知れなかった。私は大恐慌でもたらされた不正と苦しみを目撃し、私は知っていた、沈黙を破らなければどうなるか我々全員知っていた。」

 彼女の言葉は今の沈黙に対して響き渡る。それらは我々が読んだり、見たり、聞いたりするほとんど全てのものを汚染するプロパガンダによる同意で満たされた沈黙だ。一例を挙げよう。

 3月7日オーストラリアで最も古い二つの新聞シドニー・モーニング・ヘラルドとエイジは中国の「迫り来る脅威」に関するいくつかの記事を掲載した。彼らは太平洋を赤く塗った。中国の目は好戦的で行進し威嚇的だった。黄禍論は重力で潰れそうだった。

 中国によるオーストラリア攻撃の論理的理由は示されていない。「専門家パネル」は信頼できる証拠を示さなかった。そのうち一人はオーストラリア戦略政策研究所元所長で、キャンベラの国防総省、ワシントンのペンタゴンやイギリス、日本、台湾の政府や欧米戦争産業の隠れみのだ。

 「北京は3年以内に攻撃しかねない」と彼らは警告した。「我々は準備ができていない」アメリカ原子力潜水艦に数十億ドル費やすことになっているが、それだけでは十分ではないようだ。歴史的にオーストラリアの休日は終わった」それが何を意味するにせよ。

 オーストラリアへの脅威はない。皆無だ。遠く離れた「幸運な」国には敵がおらず、とりわけ最大の貿易相手国、中国は敵ではない。しかし長年のオーストラリアのアジアに対する人種差別の歴史を利用した中国バッシングは自称「専門家連中」にとってスポーツのようなものになっている。これを中国系オーストラリア人はどう思うだろう? 多くの人々は混乱し恐れている。

 奇怪な特定集団しか理解できない、この文章、アメリカ権力への卑屈な記事の筆者はピーター・ハーチャーとマシュー・ノットで二人は「国家安全保障記者」と呼ばれているはずだ。私はハーチャーがイスラエル政府に支払った遠足から覚えている。もう一人のノットはキャンベラ幹部の拡声器だ。いずれも戦争地帯やその極端な人間の堕落や苦しみを見たことがない。

 「どうしてこんなことになったの?」とマーサ・ゲルホーンがここにいたら言うはずだ。「いったい、ノーと言う声はどこにあるの? 同志はどこにいるの?」

 そういう声は、このウェブサイトや他のウェブサイトのサミズダート(地下出版)で聞ける。文学では、ジョン・スタインベックやカーソン・マッカラーズ、ジョージ・オーウェルのような連中は時代遅れだ。今やポストモダニズムが仕事を任されている。自由主義は政治的はしごを引き上げてしまった。かつて眠ったような社会民主主義国オーストラリアは秘密主義的で権威主義的な権力を擁護し、知る権利を妨げる新しい法律網を制定した。内部告発者は無法者で秘密裏に裁判にかけられる。特に邪悪な法律は、外国企業で働く人々による「外国の干渉」を禁止している。これはどういう意味だろう?

 民主主義は今や名目に過ぎない。国家と合併した企業の全能エリートと「アイデンティティ」要求がある。アメリカ人提督は「助言」のためオーストラリア納税者から一日数千ドル支払われている。欧米全体で我々の政治想像力はPRで鎮静され、腐敗した超ふしだらな政治家連中の陰謀に気をそらされている。ジョンソンまたはトランプまたはスリーピー・ジョーまたはゼレンスキー。

 2023年の作家会議は「崩壊する資本主義」や「我々の」指導者連中の致命的挑発について懸念していない。これら指導者中最も悪名が高いのはニュルンベルク基準では明白な犯罪人トニー・ブレアで自由で金持ちだ。読者に知る権利があることを証明するため敢えてジャーナリスト活動をしたジュリアン・アサンジは投獄されて10年を越える。

 ヨーロッパにおけるファシズム台頭は議論の余地がない。または「ネオナチ」または、皆様のお好みで「過激民族主義」。現代ヨーロッパのファシスト蜂の巣ウクライナは、1万人のウクライナ系ユダヤ人を虐殺したヒトラーの「ユダヤ人政策」を称賛した情熱的反ユダヤ主義者で大量殺戮者ステパン・バンデラ・カルトの再出現を見ている。「我々はヒトラーの足元にお前たちの首を置く」とバンデラ主義者パンフレットがウクライナ・ユダヤ人に宣言した。

 今バンデラは西ウクライナで英雄崇拝されており、彼と仲間のファシストの何十もの彫像がEUとアメリカに資金提供され、ナチスからウクライナを解放したロシアの文化的偉人や他の人々の像に取って代わった。

 2014年の「親モスクワ」と非難された選挙で選ばれた大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチに対するアメリカが資金提供するクーデターでネオナチは重要な役割を演じた。クーデター政権には著名な「過激民族主義者」つまり事実上のナチスが含まれていた。

 当初、これはBBCとヨーロッパとアメリカのメディアが詳細に報告した。2019年、タイム誌はウクライナで活動する「白人至上主義民兵」を特集した。NBCニュースは「ウクライナのナチス問題は現実だ」と報じた。オデーサの労働組合会館における人々の焼き殺しは撮影され文書化された。

 ドイツSSで悪名高い記章「ヴォルフスアンゲル」をつけたアゾフ連隊率いるウクライナ軍は、ロシア語を話す東部ドンバス地域に侵入した。国連によると東部では14,000人が殺された。七年後、アンゲラ・メルケルが告白したようにミンスク和平合意は欧米に破壊され、赤軍が侵攻した。

 こういう形の状況説明は欧米では報じられない。それを口にすることさえ(私のような)著者はロシア侵略を非難したかどうかにかかわらず「プーチン擁護者」だと虐待・鎮圧される。NATOが武装した国境地帯、ヒトラーが侵略した同じ国境地帯ウクライナがモスクワに対する極端な挑発だという考え方は忌み嫌われる。

 ドンバスを訪問したジャーナリストは自国で沈黙させられたり追い詰められたりした。ドイツ人ジャーナリストのパトリック・バーブは職を失い、若いドイツ人フリーランス記者アリナ・リップは銀行口座を差し押さえられた。

 イギリスでのリベラル知識人の沈黙は脅迫の沈黙だ。ウクライナやイスラエルのような国が支援する問題は大学の職や在職期間を維持したい場合避けるべきなのだ。2019年にジェレミー・コービンに起きたことが、アパルトヘイト・イスラエルに反対する人々が反ユダヤ主義だと気軽に中傷されることがキャンパスで繰り返されている。

 皮肉なことに、現代プロパガンダに関する第一人者デビッド・ミラー教授は、イギリスにおけるイスラエルの「手先」とその政治ロビー活動が、世界中に不釣り合いな影響を及ぼしたと公に示唆したため、ブリストル大学に解雇された。

 大学は、事件を独自に調査するため一流の女王の顧問を雇った。彼の報告書は「学問的表現の自由の重要な問題」についてミラーを免罪し、「ミラー教授の発言は違法な言論にあたらない」と認定した。それでもブリストル大学は彼を解雇した。言いたいことは明白だ。どんな罪を犯してもイスラエルは免責され、批判者が罰せられるべきなのだ。

 数年前、当時マンチェスター大英文学教授だったテリー・イーグルトンは「二世紀で初めて、西洋の生活様式の基礎に疑問を呈する準備ができている著名イギリス詩人、劇作家、小説家がいない」と考えた。

 貧しい人々のために語るシェリーはおらず、ユートピアの夢を語るブレイクはおらず、支配階級の腐敗を非難するバイロンはおらず、資本主義の道徳的災害を明らかにするトーマス・カーライルやジョン・ラスキンはいない。今日ウィリアム・モリス、オスカー・ワイルド、HGウェルズ、ジョージ・バーナード・ショーに並ぶ人々は皆無だ。ハロルド・ピンターは当時生きており「声を上げた最後の人」だとイーグルトンは書いた。

 ポストモダニズム(実際の政治の拒絶と本物の異議申し立て)はどこから来たのだろう。1970年、チャールズ・ライクのベストセラー「緑色革命」出版は手がかりになる。当時アメリカは激動状態にあった。ニクソンがホワイトハウスにいて「運動」として知られる市民的抵抗は、ほとんど全ての人に触れた戦争の真っ只中、社会の片隅から飛び出した。公民権運動と同盟し、一世紀間でワシントン権力に対する最も深刻な挑戦だった。

 ライヒの本の表紙にはこういう言葉がある。「革命がおきつつある。それは過去の革命とは違う。それは個人から生まれる。」

 当時私はアメリカ特派員だったが、イェール大学の若い学者ライクが一夜にして教祖の地位に昇格したのを思い出す。ニューヨーカーは彼の本を扇情的に連載したが、その内容は1960年代の「政治的行動と真実を語ること」は失敗し「文化と内省」だけが世界を変えるというものだった。まるでヒッピー族が消費者階級になったように感じた。そしてある意味そうだった。

 数年のうちに「自己中心主義」カルトは、多くの人々の協同行動や社会正義や国際主義の感覚をほとんど圧倒した。階級、性別、人種は分裂した。個人は政治で、メディアはメッセージだった。金を稼げと言っていた。

 この「運動」や希望や歌は、ロナルド・レーガンとビル・クリントンの時代がそれらすべてに終止符を打った。警察は現在、黒人と公然戦争をしている。クリントンの悪名高い福祉法案は、それが刑務所に送った主に黒人の数で世界記録を破った。

 9/11が起きた時(アメリカ新世紀プロジェクトが世に呼びかけた)「アメリカのフロンティア」での新たな「脅威」の捏造は、20年前なら激しい反対を形成したはずの人々の政治的見当識障害を完成させた。

 それ以来アメリカは世界で戦争をしてきた。社会的責任を果たすための医師団、グローバルサバイバルのための医師団、ノーベル賞を受賞した核戦争防止のための国際医師団によるほとんど無視された報告によると、アメリカの「対テロ戦争」でアフガニスタン、イラク、パキスタンで殺された人の数は「少なくとも」130万人だった。

 この数字にはイエメン、リビア、シリア、ソマリア、その他でのアメリカが主導して煽った戦争の死者は含まれない。報告書によると、真の数字は「一般市民、専門家、意思決定者が認識し、メディアや主要NGOに広められている数値の200万人を遙かに超えるか、約10倍の可能性がある」。

 イラクでは「少なくとも」100万人または人口の5%が殺害されたと医師たちは言う。

 この暴力と苦しみの巨大さは欧米の意識には存在しないようだ。「誰にも何人かわからない」というのがメディアの口癖だ。ブレアとジョージ・W・ブッシュ、ディック・チェイニー、コリン・パウエル、ドナルド・ラムズフェルド、ジャック・ストロー、ジョン・ハワードらは決して起訴の危険にさらされなかった。ブレアのプロパガンダの巨匠アリステア・キャンベルは「メディアパーソナリティ」と称賛されている。

 2003年ワシントンで、私は高く評価されている調査ジャーナリスト、チャールズ・ルイスとのインタビューを撮影した。我々は数ヶ月前のイラク侵攻について話し合った。「もし世界で憲法上最も自由なメディアが粗雑なプロパガンダだと判明したものを広めるのでなく、ジョージ・W・ブッシュやドナルド・ラムズフェルドに真剣に異議を唱え、連中の主張を調査したらどうなったでしょう?」と私は彼に尋ねた。

 彼は答えた。「我々ジャーナリストが仕事をしていればイラク戦争はしなかった可能性が非常に高い。」

 有名なCBSアンカー、ダン・ラザーにも同じ質問をすると同じ答えをした。サダム・フセインの「脅威」を宣伝したオブザーバーのデビッド・ローズと当時BBCのイラク特派員だったラゲ・オマールが同じ答えをした。「だまされた」ことに対するローズの見事な悔悟は、そう言う勇気にかけている記者連中について多くを物語っていた。

 彼らの主張は繰り返す価値がある。ジャーナリストが仕事をしていれば、プロパガンダを増幅するのでなく、疑問を呈して調査していれば、百万人のイラク人男性、女性、子供たちは今でも生きていたかもしれない。何百万人もの人々が家から逃げなかったかもしれない。スンニ派とシーア派間の宗派間戦争は起きなかったかもしれず、イスラム国も存在しなかったかもしれない。

 アメリカとその「同盟諸国」に始められた1945年以来の強欲な戦争全体にその真実を投げかけて頂きたい。結論は息を呑むほどだ。これはジャーナリズム学校で育てられたことがありますか?

 今日メディアによる戦争は、1945年にニュルンベルク検察官が説明したことを彷彿とさせる、いわゆる主流ジャーナリズムの重要な任務だ。「それぞれの本格的侵略の前に、いくつかのご都合主義的例外を除き、彼らは犠牲者を弱体化させ、ドイツ国民を心理的に準備させるために計算した報道キャンペーンを開始した...プロパガンダ・システムで最も重要な武器は毎日の新聞とラジオだった。」

 アメリカの政治生活における永続的障害の一つはファシズムに接近するカルト過激主義だ。トランプはこれで高い評価を得たが、アメリカ外交政策がファシズムと本気で浮気したのはオバマの二期目の任期中だった。これはほとんど報じられなかった。

 「私は全身全霊でアメリカ例外主義を信じている」とオバマは言い、最初の冷戦以来、決して他の大統領がしなかった「特殊作戦」として知られる大統領のお気に入りの娯楽である爆撃、暗殺部隊を拡大した。

 外交問題評議会の調査によると、2016年にオバマは26,171発の爆弾を投下した。それは爆弾一日72発だ。彼はアフガニスタン、リビア、イエメン、ソマリア、シリア、イラク、パキスタンで最も貧しい人々と有色人種を爆撃した。

 ニューヨーク・タイムズが報じたが、毎週火曜、彼はドローンから発射されるヘルファイア(地獄の火)ミサイルで殺害される人々を自ら選んだ。結婚式、葬式、羊飼いが攻撃され「テロリスト標的」を飾りにするため人体部分を集めようとした連中も攻撃された。

 オバマの無人機が4,700人殺したと共和党有力上院議員リンゼー・グラハムは満足げに推定した。「罪のない人々を殺すこともあるが、私はそれが嫌いだ」と彼は言った「だが我々はアルカイダの高級幹部を何人か殺害した」。

 2011年、リビアのムアンマル・カダフィ大統領が自国民に対する「大量虐殺」を計画しているとオバマはメディアに語った。「あと一日待てば、(ノースカロライナ州)シャーロットほどの規模の都市ベンガジが地域全体響き渡り、世界の良心を汚す虐殺に見舞われるはずだと知っている」と彼は言った。

 これはウソだった。唯一の「脅威」はリビア政府軍による狂信的イスラム主義者の来るべき敗北だった。その全てがリビアの石油に資金提供される独立した汎アフリカ主義、アフリカ銀行、アフリカ通貨の復活という彼の計画で、カダフィはリビアが二番目に近代的な国家であった大陸での西側植民地主義の敵として描き出された。

 カダフィの「脅威」と彼の近代国家を破壊するのが狙いだった。アメリカ、イギリス、フランスの支援を受けて、NATOはリビアに対し9,700回の出撃を開始した。三度<目はインフラと民間標的を狙っていたと国連は報告した。ウラン弾頭が使用された。ミスラタとシルテは絨毯爆撃された。赤十字は集団墓地を特定し、ユニセフは「(殺された子供の)ほとんどが十歳未満だった」と報告した。

 オバマの国務長官ヒラリー・クリントンが、カダフィが反乱軍に捕らえられ肛門にナイフを突っ込まれたと聞かされた際、彼女は笑ってカメラに向かって言った。「我々は来た、我々は見た、彼は死んだ!」(訳注:Veni, vidi, vici 「来た、見た、勝った」というカエサル発言の卑劣なもじり)

 2016年9月14日、ロンドンの庶民院外交委員会は、ベンガジ虐殺の話を含む「一連のウソ」と表現したリビアに対するNATO攻撃に関する一年にわたる調査結論を報告した。

 NATO爆撃はリビアを人道的災害に陥れ何千人もの人々を殺し、更に数十万人を避難させ、リビアをアフリカで最高生活水準の国から、戦争で荒廃した破綻国家に変えた。

 オバマ政権下で、アメリカは秘密「特殊部隊」作戦を138カ国、つまり世界人口の70パーセントに拡大した。最初のアフリカ系アメリカ人大統領はアフリカへの本格的侵略を開始した。

 19世紀のアフリカ分割を彷彿とさせるアメリカ・アフリカ軍(Africom)は、以来アメリカの賄賂と兵器に熱心な協力的なアフリカ政権の中に懇願者ネットワークを構築してきた。アフリコムの「兵士から兵士へ」教義は将軍から准尉まで、あらゆるレベルの指揮官にアメリカ将校を組み込んでいる。欠けているのは探検帽だけだ。

 それはまるで、パトリス・ルムンバからネルソン・マンデラに至るまでのアフリカの誇り高い解放の歴史が、新しい白人ご主人の黒人植民地エリートによって忘却の彼方に消え去られるかのようだ。このエリート連中の「歴史的使命」は、ものを知るフランツ・ファノンが警告した通り「それと分からぬよう偽装されているが、すさまじい資本主義」の推進だ。

 NATOがリビアを侵略した2011年、オバマは「アジア基軸」として知られるようになったものを発表した。国防長官の言葉を借りればメリカ海軍のほぼ三分の一が「中国の脅威に立ち向かう」ためアジア太平洋に移される。

 中国の脅威はなかった。アメリカからの中国に対する脅威があった。約400の米軍基地が中国の産業中心地の縁に沿って弧を描き、国防総省当局は「首つり縄」と肯定的に表現している。

 同時にオバマはロシアを狙うミサイルを東ヨーロッパに配備した。ノーベル平和賞で列福された受賞者は核弾頭支出を冷戦以来どのアメリカ政権より高水準に増しながら、2009年プラハ中心での感動的演説で「核兵器の世界をなくすのを支援する」と誓った。

 オバマと彼の政権は、2014年にウクライナ政府に対するクーデターを監督するためヴィクトリア・ヌーラントを派遣したことが、ロシアの反応を引き起こし戦争につながることを十分に知っていた。そしてそうなった。

 私がこれを書いているのは、私が報じた20世紀最長のベトナムでの戦争最終日の記念日、4月30日だ。サイゴンに到着した時、私はとても若く実に多くを学んだ。私は雲の上から大虐殺の爆弾を投下し、何も誰も容赦しない巨大なB-52エンジンの独特のうなりを識別することを学んだ。私は人体部分がこびりついた焦げた木に直面した時に背を向けないことを学んだ。私はかつてないほど優しさを大切にすることを学んだ。見事な「キャッチ22」でジョセフ・ヘラーが正しかったことを学んだ。戦争は正気の人々には相応しくない。そして私は「我が国の」プロパガンダについて学んだ。

 あの戦争中、ベトナムの勝利は共産主義病をアジアの他地域に広め、北の黄禍の到来を可能にするとプロパガンダは言っていた。諸国は「ドミノ」のように倒れるはずだと。

 ホーチミンのベトナムは勝利したが、上記のどれも起きなかった。その代わり、彼らが支払った代償にもかかわらず、ベトナム文明は驚くべきことに開花した。300万人が亡くなった。そして傷ついた人々、奇形になった人々、麻薬中毒になった人々、毒をもられた人々、亡くなった人々。

 今のプロパガンダ屋が中国との戦争を実現した場合、これは今後起きることのほんの一部になるだろう。今こそ声を上げて頂きたい。

著者について

ジョン・ピルジャー
ジャーナリスト、作家、映画監督のジョン・ピルジャーはジャーナリズムの英国最高賞を2回受賞し、アメリカの「エミー賞」と英国アカデミー賞など、作品で多くの賞を受けている。彼の完全なアーカイブは大英図書館に保管されている。彼はロンドンとシドニーで暮らしている。

@johnpilger

記事原文のurl:https://arena.org.au/the-coming-war-speak-up-now/

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 奥永茂氏の『私の闇の奧』の最新記事

ジョン・ピルジャーが声を上げた

 全く同じ記事の翻訳。遅ればせながら枯れ木も山の賑わい?で拙訳を公開させていただく。

 Alex Christoforou ハリコフ在住のゴンザロ・リラがロシア宣伝のかどで逮捕された。

Lavrov, Elensky is a 'puppet.' Zaporozhye evacuation. NATO in Japan. Blackrock in Kiev. 30:35

 The Guardian報道 戴冠式に合わせて反対運動を企画する人々もいる。

The people against King Charles: how protesters are getting ready for the coronation 11:12

 スコット・リッター サンクトペテルブル講演 38分あたりで、アメリカ人はロシアを理解するためソ連映画を見るとよいと発言し色々映画を挙げたが、分かったのとは『誓いの休暇』だけ。

Scott Ritter Waging Peace in Russia 51:33

 9年前の2014年5月7日下記記事を公開した。記事は今もそのままだが、もちろん隠蔽エンジンは表示しない。どこか大手マスコミ、この事件を報じただろうか?全く報じずに、一方的にロシアが悪いという宗主国・属国大本営広報部、全く見る気になれない。見ても人生と電気の無駄。

キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)

 肝心な悲惨な元画像リンクが消えてしまっている。幸なことに、下記魚拓で元画像もご覧いただける。

https://web.archive.org/web/20140515000559/http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-4bc4.html

2022年7月18日 (月)

ウクライナの戦争に関する三人の明快な言葉

2022年7月12日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く

ノーム・チョムスキー、ジョン・ピルジャーとクリス・ヘッジズは、ウクライナでの戦争について、しばしば紛らわしく、常に論争的なこの問題に、彼らの学識で大いに必要な明快さをもたらすのに役立つ発言をしている。以下がそうだ。

 「私は主流メデイアで働いて人生を過ごし、おそらく7回、8回か9回、武力戦争を報道した。全くの熱狂的愛国心、巧みに操作された熱狂的愛国心だらけの報道を見たことがない。」
~ジョン・ピルジャー

 この発言は、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)による著名オーストラリア人ジャーナリストとの最近のインタビューのもので、今我々が状況を理解しようとして苦闘している情報生態系について、実に多くを物語っている。

 侵略の最も初期の日々以来、今までに見たことがあるあらゆることと違い、欧米世界がプロパガンダ大洪水で破壊されていたのは明確だった。紛争最初の一ヶ月、アメリカTV局は、ウクライナの戦争を、アメリカがイラクやベトナムを含め直接関係した他のいかなる戦争より多く報じた。主流報道機関による紛争分析のため最初にかり出された評論家の一部は、イラク戦争を設計した当の連中で、ロシアに対する狂気のエスカレーションの主張が、許容される議論を、外交的解決への支持から遠ざけ、戦争挑発過激派の方向へとオーバートンの窓を押しやるのに成功した。

 そして、ロシアゲートとして知られる長年の大規模心理作戦の結果、ロシア・ヒステリーで、道が既にならされていたので、これが全て大多数の人々の意識に易々と流し込まれた。クレムリンが、アメリカ政府最高レベルに潜入しているという陰謀理論と、ウクライナ侵略は表向き何の関係もないにもかかわらず、長年のアメリカの最も危険な対立には、長年メディアが作り出したロシアに関するパニックが先行していた。もう、どうでもいい。偶然の一致だ。

 「アメリカの談話で、この侵略を「いわれのないウクライナ侵略」と呼ぶことが、ほとんど義務的なのは非常に興味深い」。Google検索すれば、何十万もヒットする。もちろん、それは挑発されたのだ。さもなければ彼らは常に、それを、いわれのない侵略だとは呼ばないはずだ。」
ノーム・チョムスキー

 ラムジー・バロウドとの先月のインタビューからのこの言葉は、自明で本当で、より頻繁に指摘されるべきだ。

 認知される方法を操作するつもりがなければ、繰り返し何度も根拠のない形容詞や修飾語を連中が加えるはずはない。もし皆様の隣人が、常に妻を「私が確実に決して打擲していない妻」と呼んだら、普通の人々の普通の話題の話し方ではないから、皆様はすぐ怪しく思うはずだ。我々は「丸い地球」やら「本当に起きたホロコースト」とは言わず、それらの基本的性質は深刻に論争されておらず、我々は、それに関する人々の理解を操作したり、わかりにくしたりするため何もせず、単に、その言葉だけ言っている。

 政治/メディア支配層が、絶えず何度も、「いわれのない侵略」という言葉を繰り返すのは、それ自身彼らが偽りのない真実を話していないのを知っている自白だ。この典型的なTweetの帝国版プロパガンダだ。

 

 アメリカ/NATO権力構造が紛争前に行った多く挑発をチョムスキーは説明しているが、それは多くの欧米評論家が長年警告していた、帝国が既に行っていた挑発行動の結果おきたのだ。この侵略は、多少の外交と、ミンスク合意を尊重し、ウクライナに中立の保証を提供するなど、若干の低コスト、高報酬の譲歩で、容易に防ぐことができたはずだが、彼らはそうではなく、挑発とエスカレーションを選択した。これに、侵略前、キーウによるドンバスへの急激に増加した砲撃を加えて頂ければ、なぜ「いわれのない」説を推進すべく、帝国スピン・ドクターがそれほど懸命に働いているか皆様はご理解されるはずだ。

 ロシアは、この戦争で責を問われないと言っているわけではない。もし私が誰かを殴るよう誰かを挑発すれば、彼らは殴ったことに道徳的責任があるが、私もそれを引き起こしたことに責任がある。ロシアはその行動に対して責任があり、アメリカ/NATO/ウクライナ支配層はその行動に対して責任がある。プーチンは侵攻したことに責任があり、欧米帝国はその侵略を引き起こしたことに責任がある。複雑ではない。

 同じインタビューでチョムスキーは、この戦争に関して「アメリカでの検閲は私の人生におけるあらゆるものを越えるレベルに達した」とも言っている。その評価に加えて、今までに見たことがあるどれとも異なる戦争プロパガンダというピルジャー証言は、帝国の物語支配が、史上最高であることを示しており、帝国が今後数年内に導入したいと望んでいる、いくつかの主要な思惑を持っていなければ、これは起きていないはずだ。

「キューバミサイル危機を含め、これまで我々は核戦争危機にこれほど近づいたことはない。」
 クリス・ヘッジズ

 

 スティーヴン・コーエンが人生末期に言っていた緊急警報に共鳴して、ヘッジズの新記事は、モスクワに対し絶えずエスカレートする代理戦争で、帝国が核保有超大国としている非常に危険なゲームを説明している。

 この戦争に対する人々の理解を操作すべく、どれほどの取り組みがなされているかに関するピルガーとチョムスキーによる観察は、今ロシアに対し、次に中国に対し、帝国が展開しようとしている狙いが、世界を貧困と飢餓に陥らせるのみならず、我々を地表から消し去ることを狙っているのを皆様が悟ってこそ意味をなす。

 状況はこのようでなくてよいはずなのだ。世界最強力な政府が世界支配を確実に維持しようとして地球上の全員の命を危険にさらすのが必要な正当な理由などない。全ての国と民族が仲良くし、共通の利益のために協力することは可能なのだ。起きる必要があるのは、完全覇権という、これら思惑の放棄だ。

 不幸にして、帝国運営者連中は、近いうちに世界征服という連中の狙いを断念する計画を持っているように思われず、この世界の我々普通の人々は、我々の生存そのもののために、いつかの時点で、彼らに対決を迫らなければならないことになるかもしれない。

 生きて行くには大変な時だが、それは状況を興味深くし続けている。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/07/12/three-illuminating-quotes-about-the-war-in-ukraine/

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 日本の知識人には、彼らのような発言をしている人々は一体何人いるのだろう。おられても、もちろん、テレビという大本営広報端末には登場されない。

 統一教会の浸透度は驚くべきもの。案の定、野党を装う与党連中にも浸透。某一家のよからぬ行動を批判するアルカリ党員youtube、案の定、当選した人物と統一教会の問題には全く触れず、明治天皇やしゃご非難を続けている。自分の頭のハエは追えない。

 デモクラシータイムス 残念ながら今回落選した有田氏の下記映像は必見。1時間21分

肌感覚で知る永田町の統一教会 有田芳生さん 【The Burning Issues vol.23

 日刊IWJガイド

「片山さつき議員、安倍元総理銃撃での奈良県警の情報の出し方で、後輩の警察庁長官に『国益を損なうことがあってはならない』と『要請』!」

<本日のタイムリー再配信>本日午後7時から、2010年収録「CIAに取材したピューリッツァー賞受賞のジャーナリスト、ティム・ワイナー氏は、日米関係は『娼婦とヒモ』の関係と断じる!~岩上安身によるインタビュー 第78回 ゲスト 映画『ANPO』リンダ・ホーグランド監督」を、公共性に鑑み全編フルオープンで再配信します!

2020年9月10日 (木)

ジュリアン・アサンジのスターリン裁判。あなたはどちらの側?

2020年9月7日
ジョン・ピルジャー

johnpilger.com

 10年以上前、私が最初にジュリアン・アサンジに会った時、私は彼に、なぜウィキリークスを始めたのか尋ねた。彼は答えた。「透明性と説明責任は、国民一般の生活とジャーナリズムの本質であるべき道義的問題です。」

 私は発行人や編集者が、このような形で倫理観を引き合いにだすのを一度も聞いたことがなかった。アサンジは、ジャーナリストは、権力ではなく、人々の代理人だと信じている。我々は、我々の名において行動していると主張する連中の最も暗い秘密について知る権利があるのだ。

 もし権力者たちが我々にウソをつくなら、我々は知る権利を持っているのだ。彼らが内輪では、あることを言い、人前では反対のことを言うなら、我々には知る権利がある。ブッシュとブレアがイラクを巡ってしたように、彼らが我々に対して共謀し、それから民主主義者であるふりをするとき、我々は知る権利があるのだ。

 この倫理観が、世界の多くを戦争に陥れたいと願い、ジュリアンを生きたまま、トランプのファシスト・アメリカに埋葬したいと願う権力者の共謀を大いに脅かすのだ。

 2008年、極秘のアメリカ国務省レポートが、アメリカが、この新しい道義的脅迫といかに戦うか詳細に記述していた。ジュリアン・アサンジに対して密かにしかけられた個人中傷工作で「暴露[と]刑事訴追」を起こすのだ。

 狙いはウィキリークスと創設者を黙らせ、犯罪化することだった。次々と、たった一人の人間と、まさに言論の自由と思想の自由と民主主義の原則に戦争がしかけられた。

 帝国の突撃隊は、自身をジャーナリストと呼ぶ連中だ。いわゆる主流メディアの強打者、特に、反体制派の周辺をマークして、パトロールする「リベラル派」だ。

 そしてまさにそれが起きたのだ。私は50年以上記者だったが、このような中傷工作を私は全く知らない。クラブに加入するのを拒否した男に対する、でっちあげの人身攻撃。ジャーナリズムは、決して権力者ではなく、大衆に対するサービスだと信じた男。

 アサンジは彼を迫害する連中に恥をかかせた。彼は次々とスクープを報じた。彼はメディアや、アメリカの戦争殺人癖に促進された戦争、独裁者たちの腐敗、グアンタナモの悪の詐欺をあばいたのだ。

 彼は欧米の我々に鏡を見るよう強いたのだ。彼はメディアで公式の真実を語る連中が協力者であることを暴露した。私がビシー・ジャーナリストと呼ぶ連中だ。彼の生活が危険にさらされていると警告した際、これら詐称者の誰もアサンジを信じなかった。スウェーデンでの「セックス・スキャンダル」は、ワナで、アメリカの地獄のような場所が最終目的地だった。彼は正しく、繰り返し、正しかった。

 今週ロンドンでの犯人引き渡し審理は、ジュリアン・アサンジを葬る英米キャンペーンの最終行為だ。それは適法手続きではない。それは当然の復讐だ。アメリカの起訴は明らかに不正操作されており、明らかな見せ掛けだ。これまでのところ、審理は、冷戦時代のスターリン主義者の裁判を思い出させる。

 我々にマグナ・カルタを与えてくれた国イギリスは、今日、自身の主権を放棄し、悪意ある外国の影響力が司法を操ることや、ジュリアンに対する邪悪な心理上の拷問を可能にしたことで際立っている - それがその犠牲者をブレークすることに最も効果があったから、ナチに洗練された国連専門家が、外に、向けた、ニルスMelzerとしての、ある形式の苦悩。

 私がBelmarsh刑務所にアサンジを訪問した時は、いつも、この拷問の効果を見た。私が最後に彼に会った時、彼は10キロ以上体重が減っていた。彼の腕には筋肉がなかった。信じられないことに、彼のひねくれたユーモアのセンスは損なわれていなかった。

 アサンジの祖国オーストラリアは、国民的英雄として称賛されるべき自国民に対し、政府は密かに共謀し、縮み上がった臆病しか示さない。ジョージ・W・ブッシュは、オーストラリア首相を彼の「副保安官」に無駄に選んだわけではないのだ。

 今後三週間、ジュリアン・アサンジに何が起ころうとも、欧米の報道の自由を何ら減少させず、破壊もしないと言われている。だが、どの報道機関だろう? ガーディアン? BBC、ニューヨーク・タイムズ、ジェフ・ベゾスのワシントン・ポスト?

 いや、これら組織のジャーナリストは自由に呼吸できる。ジュリアンをもてあそび、彼の画期的な仕事を利用し、財を成し、それから彼を裏切ったガーディアンのユダどもには、何も恐れるべきものはない。彼らは必要とされているので、安全なのだ。

 報道の自由は、今や高潔な、ごくわずかな人々にしか残っていない。例外だ、どのクラブにも所属せず、金持ちでも、ピューリッツァー賞を獲得してもいないが、素晴らしい、従順でない、道義的なジャーナリズムを進めるインターネット上の反体制派分子、ジュリアン・アサンジのような人々だ。

 当面、まだ自由が可能だと信じている我々全員を彼の勇気で鼓舞してくれる正真正銘のジャーナリストを支持するのが我々の責任だ。私は彼に敬礼する。

 @johnpilgerのtwitterで、ジョン・ピルジャーをフォローする。

記事原文のurl:http://johnpilger.com/articles/the-stalinist-trial-of-julian-assange-whose-side-are-you-on-

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 大本営広報部、後継首相ヨイショ番組か、俳優の大麻の話題しか報じない。アサンジ問題を深く追求する番組、記事あったのだろうか?ジャーナリリズムの報道の自由の根幹の問題なのに。アメリカの戦争犯罪を推進している連中が、自分たちの巨悪を暴露したアサンジを、100年以上の禁固刑にしようという信じがたい暴挙を見て見ぬふりをしているメディアは、アメリカ帝国主義の犬。

 「ゆるきゃら」着ぐるみをつけての演技の重労働を見たことがある。温かい季節は特につらそう。小柄な人が交代で入って演技するのを見学したのだ。後継首相を見ていると、「着ぐるみ」そのものが、疲れてか、あきてかして、放り出した後、中に入っていた人物が現れたように見える。ア然とはせず当然と思っている。そもそも大本営広報部呆導、最近見ていない。クーラー連続運転の電気代を多少でも補填できるだろうか。

 論座

菅政権なら「安倍家の生ゴミのバケツのふた」 田中真紀子氏が語る自民総裁選

 日刊ゲンダイDIGITAL

国民総のけぞりスカスカ菅演説 原稿棒読みまで継承のア然

 LITERA

菅官房長官がテレビ討論でもポンコツ露呈!『news23』では失言に加え放送事故寸前の質問、『報ステ』では徳永有美に陰険クレーム

 昨日、用事で見ることができなかったIWJインタビュー、本日いっぱい見られる。

※フルオープン「立憲・国民民主等が合流して野党第1党となる新党代表に立候補! 枝野幸男氏と一騎討ち! 岩上安身による衆議院議員泉健太氏インタビュー」
https://www.youtube.com/watch?v=rbuANcBdltc

 更に、今日は放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビューもある。

【IWJ_YouTube Live】20:00~「岩上安身による放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 岩上安身による放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた高橋和夫氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%ab%98%e6%a9%8b%e5%92%8c%e5%a4%ab

2019年12月 3日 (火)

世界を戦争に追いやっているアメリカ例外主義 - ジョン・ピルジャー

Finian Cunningham
2019年11月27日
Strategic Culture Foundation

 オーストラリア生まれのジョン・ピルジャーは世界中で戦争や紛争を報道する記者、ドキュメンタリー映画製作者として50年以上間働いている。受賞実績のあるこのジャーナリストは下記インタビューで、世界は、おそらく、1962年冷戦の絶頂、キューバ・ミサイル危機の時期より一層危険な地政学的状態にあると言う。これは(ナチスドイツのそれを反映していると彼が指摘する)アメリカ「例外主義」が超ならず者段階に発展したためだ。アメリカと西欧メディアによるロシアに対する容赦ない侮辱は、過去の冷戦時にあったような、モスクワに対する侵略を抑制するため引かれた越えてはならない一線がほとんどないことを示している。ワシントンの命令に屈するのをロシアと中国が拒否していることが、自称アメリカ覇権国と、そのゼロサム世界支配に対する願望を激怒させているのだ。

 ジョン・ピルジャーは、権力と大企業利益のための、むき出しの宣伝マトリックスとして機能している欧米主流ジャーナリズムの組織的劣化に対する彼の広範な意見を語っている。更に、通常、大量殺人犯や有罪判決されたテロリストの拘留に使われる最高警備のイギリス刑務所に拘束されている同国人、オーストラリア人発行人ジュリアン・アサンジに対して進行中の迫害と拷問も彼は非難している。アサンジは真実を語ることに対し、巨大な犯罪をあばくことに対し、アメリカとイギリスに迫害されているとピルジャーは言う。それは独立したジャーナリズムと言論の自由に対して行われている秘密の戦争の厳しい警告で、一層不吉なことに、いわゆる欧米民主主義国家の警察国家ファシズムへの落下を示しているのだ。

インタビュー

質問:あなたのドキュメンタリー映画 The Coming War on China 来るべき対中国戦争(2016)で、アメリカ合州国はアジア太平洋支配のため、中国との戦略的衝突コースにあると評価しておられます。依然戦争の脅迫がこの二大国間に迫っていると思われますか?

ジョン・ピルジャー:戦争の脅威は差し迫っていないかもしれませんが、出来事が急速に変化しかねないのを我々は知っておくべきです。出来事や失策の連鎖が予測不能に広がり得る戦争に火をつけかねないのを知っておくべきです。計算は論争ではありません。「敵」が核報復をするか、どこにすべきか決めるのに、わずか12分しかないのです。

質問:最近アメリカのマイク・ポンペオ国務長官が「アメリカの権益に本当に敵対的だ」と中国を非難しました。一体何が中国に対するアメリカの懸念の動機と思われますか?

ジョン・ピルジャー:かつて国務省は「圧倒的な権力以下のものを追求するのは、敗北を選ぶことだ。」と宣言しました。多くの人類不安定の根源には、驚くべきことに、あるの国の自信と自己欺瞞があるのです。アメリカ合州国です。アメリカの自己認識は、我々、他の人々にとって理解するのは困難です。テディ・ルーズベルト大統領の時代から、脅迫と贈収賄でできなければ、暴力によって、人類と重要な資源を支配することが「神聖な使命」でした。1940年代、外交官で歴史家ジョージ・F・ケナンのようなアメリカの「戦争知識人」たちは、世界、特にユーラシアと特に中国の大部分である「グランド、エリア」をアメリカが支配する必要性を語っていました。アメリカ人以外の人々は「アメリカのイメージ」通りに鋳造されるべきだとケナンは書きました。アメリカが模範でした。ハリウッドは、驚くほどの正確さで、これを反映したのです。

 1945年に、この理念、あるいはそう病はナチスドイツの敗北で道義的な改造を与えられた。今日、多くのアメリカ人が彼らの国が2回目の世界大戦で勝った、(彼・それ)らが「例外的な」人間だと信じる。(ナチの宣伝を思い出させる)この神話は長い間福音主義信奉者が合衆国で持ちこたえるようにして、支配するために必需品の中央中心人物だ、それは敵と恐れを必要とする。アジアに向かっての人種差別のアメリカの長い歴史と中国人のその歴史的な屈辱は現在の敵として中国を完ぺきな相性にする。

私は「例外主義」が単にアメリカの右翼によって受け入れられるだけじゃないと付け加えるべきだ。彼らがそれを認めないかもしれないけれども、多くのリベラル派が彼ら自身を「左」だと説明する人たちと同様に、その中に、それを信じる。それは地球の上の最も強欲なイデオロギーの子だ:アメリカ主義。この言葉がめったに口に出されないことはその力の一部だ。

質問:トランプ政権が中国に対しては攻撃的政策を採用しながら、アメリカ大統領がロシアとは、より友好的関係を求めているように思われるのは奇妙な変則と思われますか?

ジョン・ピルジャー:両国とも弱める目的で、中露を分裂させるのは由緒あるアメリカの規則です。ヘンリー・キッシンジャーはそうしました。トランプが何を考えているか知るのは不可能です。プーチンに対する彼の提案にかかわらず、アメリカは積極的にウクライナを転覆し、ロシア西国境を武装化し、中国に対するより、ロシアに対し、遥か喫緊の脅威です。

質問:トランプに対し進行中の弾劾プロセスは、ロシアに対する彼の比較的穏やかな姿勢ゆえに、闇の国家が彼を追い出すためのクーデターに等しいと思われますか?

ジョン・ピルジャー:それは一つの理論です。私には確信はありません。2016年のトランプ当選は、民主党が支配する部族のもたれ合いというマフィア体制を乱したのです。ヒラリー・クリントンが選ばれた人物でした。よくトランプは彼女の王位を横取りできるな。多くのアメリカ・リベラル派が、堕落したヒロインを、ウォール街と戦争屋の旗手、乗っ取られたジェンダー政治の象徴として見るのを拒否しています。クリントンは賄賂体制の権化で、トランプは、その漫画です。

質問:あなたはアジア、アフリカや中南米や他の所で、ベトナムで、戦場記者やドキュメンタリー映画製作者として50年以上の働いておられます。アメリカと中露間の現在の国際緊張を、あなたはどのようにご覧になっていますか? 戦争の危険は以前より大きいと思われますか?

ジョン・ピルジャー:1962年、キューバ・ミサイル危機の際、アメリカ戦艦に核魚雷を発射するのをソ連海軍士官ワシーリー・アルヒーポフが拒否したことで、我々全員救われたのかもしれません。今日我々はより大きい危険にあるのでしょうか? 冷戦時代には、相手側が、あえて越えない一線がありました。現在は、そういうものが、もしあるとしても、ごくわずかです。アメリカは400の軍事基地で中国を包囲し、中国領海で低喫水の船を航行させ、中国領空で無人飛行機を飛ばしています。ナチが越えた同じロシア国境に、アメリカ率いるNATO軍が大量駐留しています。ロシア大統領は年中侮辱されています。冷戦を冷たいまま維持していた自制も外交も皆無です。欧米の我々は、ポストモダニズムの見かけ倒しの「アイデンティティ」で気を散らす罠から抜け出すのではなく、自国で目をそらす(かスマートフォンを見つめる)のを好む傍観者として黙従しているのです。

質問:あなたは冷戦時代、アメリカを広範囲に旅行されました。1968年には大統領候補ロバート・ケネディ暗殺を目撃されました。「悪としての共産主義」に対するアメリカ冷戦のこだわりが、現代ロシアに対する、同様に激しいロシア嫌悪に置き換えられたように思えます。冷戦時代から今日まで恐怖症が、続いていると思われますか? 一体何が、この固定観念の原因なのでしょう?

ジョン・ピルジャー:ロシアはアメリカに屈服するのを拒否しており、それが許せないのです。彼らは中東で、独自の大半肯定的な役割を、アメリカの猛烈な破壊の対照を、演じていて、それが許せないのです。中国同様、彼らは全世界で、人々と平和で実り多い同盟を作り出しており、それがアメリカ・ゴッドファーザーには許せないのです。アメリカ合州国は、世界は自分のものだという考え方に取りつかれていて、21世紀を去って、19世紀に帰るかのような、ロシアのあらゆることに対する絶え間ない中傷は凋落とパニックの徴候です。そういう状況で、あなたがおっしゃる恐怖症は驚くべきものではありません。

質問:あなたの職業人生で、ニュース・ジャーナリズムは、特に欧米諸国で、どう変化したのでしょう? 執筆活動や映画製作に対し複数の賞を獲得されましたが、それでも現在も、あなたは、ご自分のウェブサイトなどで積極的にジャーナリストとして活動しておられますが、主流メディアでは、めったに、あなたの記事を読めないようですが?

ジョン・ピルジャー:ジャーナリズムは、私が始めた頃は大企業ではありませんでした。イギリスの大半の新聞は、既成体制として知られていたものの権益を忠実に反映していましたが、独自でもあり得たのです。私が1960年代初期、当時「新聞のメッカ」として知られていたロンドン、フリート街に来た頃、時代は楽観的で、最右翼の新聞が、往々にして最良ジャーナリストである一匹狼を許し、奨励さえしていたのです。人民日報を除いて地球上最大部数の新聞デイリー・ミラーは、第二次世界大戦中は兵士の新聞で、何百万というイギリス人にとって、彼らの新聞になりました。ミラー紙で働いた我々にとって、権力ではなく、人々の代理、擁護者でいるのは、ちょっとした理想のようなものでした。

今日、正真正銘の一匹狼は、主流メディアには余計なのです。現代ジャーナリズムにおいては、企業広報こそが本当の権力です。ニュースの書かれ方をご覧なさい。率直なものは、ほとんどありません。私は何年もガーディアンに書きました。私の最後の記事は五年前で、その後電話がきました。私は他のフリーのライターと一緒に粛清されたのです。現在ガーディアンは取りつかれたように、ロシアに関する宣伝をしています。イギリス諜報機関、イスラエル、アメリカ民主党の権益、ブルジョアのジェンダー原則や、お世辞たらたらの見解。かつては右翼のマードック報道機関と結び付けられていた種類のでっちあげを含むジュリアン・アサンジに対するガーディアンの魔女狩りは、拷問についての国連報告者が「モビング、つまり仲間で襲う集団暴挙」と呼んでいるキャンペーンの一環です。確かに、アサンジに対する残酷さは、ガーディアンがその上に立っていると主張するリベラルな価値観に対する不敬です。

質問:あなたは、スパイ活動の罪で、来年アメリカへの犯人引き渡し審理を待って、イギリスで現在投獄されているウィキリークスの創設編集者ジュリアン・アサンジの著名な支援者です。アサンジ監禁の背後には一体何が本当にあるのでしょう?

ジョン・ピルジャー:ジュリアン・アサンジは、ジャーナリストが、そうあるべきながら、めったにそうではない存在なのです。彼は根気強く、恐れず真実を語る人物です。彼は、巨大権力の秘密犯罪の実態を大規模に暴露したのです。"我々の"政府、我々の名において、彼らが嘘をつき、暴力をふるうことを。10年前、ウィキリークスは、調査ジャーナリズムが、秘密主義の権力に対する最大の脅威だと記述したイギリス国防省文書を漏洩しました。調査ジャーナリストは「ロシア・スパイ」や「テロリスト」よりも脅威の程度が高いと評価されていたのです。アサンジとウィキリークスは、栄光の象徴、月桂冠に価します。もしアメリカが彼を捕らえ、地獄のような場所に投獄できるなら、彼らは、ジャーナリストとしてしっかり仕事をする人々を、他の人々も捕らえるはずです。アメリカは編集者も発行人も捕らえに来ます。

質問: 主流メディアは、そうした犯罪を無視したり、ごく僅かしか報道しなかったりする一方、ウィキリークスは、イラクやアフガニスタンや他の場所でのアメリカやNATO同盟国がおこなった巨大戦争犯罪をあばく非常に不都合な情報を公表して、アサンジは主流欧米メディアに恥をかかせたとあなたは主張しておられます。それが、これらメディアが、アサンジの窮状を無視している理由なのでしょうか?

ジョン・ピルジャー:少なくとも、アサンジに対して行われている甚だしく不当な措置は、他の人々にも起きる可能性が高いという認識は高まっています。イギリス全国ジャーナリスト組合の最近の声明は変化の兆しです。ジャーナリストが名誉を取り戻したいなら、沈黙を破らなければなりません。

質問:あなたは最近、彼が独房監禁に拘束されているイギリス最高警備のベルマーシュ刑務所でアサンジに面会しました。彼の健康と精神状態を、どう思われますか? あなたは彼が見せしめ裁判を受けさせられているとおっしゃいます。彼の虐待は、欧米メディアが、独裁国家での迫害と非難するものに相当するのでしょうか?

ジョン・ピルジャー:10月21日のジュリアン最新の出廷は、検事の後ろに座り、彼に書面指示を手渡したアメリカ大使館の四人のアメリカ人に事実上支配されていました。裁判官はこの非道を見ていてがら、それを続けるのを許したのです。彼女はジュリアンの弁護士も、こばかにしていました。病気のジュリアンが自分の名を言おうと苦闘しているのを、彼女は冷笑していました。冷戦時の見せしめ裁判との違いは、これが国営テレビで放送されなかったことです。BBCが報道管制したのです。

質問: ジュリアン・アサンジや、ベネズエラでの、ワシントンによる政権転覆犯罪をあばいた、アメリカのマックス・ブルメンソールのような他の独立したジャーナリストの逮捕や、欧米メディアが沈黙して無関心でいることで、アメリカは警察国家ファシズムに向かって滑り落ちて行くのを懸念されます?

ジョン・ピルジャー:実際滑り落ちていると主張する人々もいるでしょう。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/11/27/american-exceptionalism-driving-world-to-war-john-pilger/

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 昨日の短歌番組、思わず見入ってしまった。

 今年の流行語なるものが決まったという。世間の注目を本当に重要な話題から逸らすための企画なのでは?。免許は返納予定だが、他の候補のどれも、ほとんど知らない。

 この頃都に流行るもの、サクラ、反社の皆様、消費税、前夜祭、ジャパンライフ、シンクライアント、FTA、海外派兵、F-35。

植草一秀氏の『知られざる真実』消費税廃止は実現不能の政策課題でない

2019年4月14日 (日)

アサンジ逮捕は歴史からの警告

ジョン・ピルジャー
2019年4月13日
johnpilger.com

 この暴挙が、マグナ・カルタの国で、ロンドンの中心で起きたことは「民主的」社会を案じる全員恥ずかしい思いをし、怒るべきなのだ。アサンジは国際法に保護された政治亡命者で、イギリスも署名者である厳密な契約の下の亡命受益者だ。国際連合はこれを恣意的拘留に関する作業部会の法律上の裁定で明確にした。

 だがそれもくそくらえだ。凶悪犯にやらせろだ。エクアドルのレニン・モレノ、中南米のユダ、嫌な支配体制を粉飾しようと努めているうそつきや、イギリスのエリートと一緒になったワシントンはトランプ政権内の準ファシストに指揮されて、帝国最後の神話、公正と正義を放棄したのだ。

 ハーグ裁判所の被告席に送られるべく、ロンドンはコノートスクエアにある数百万ポンドもするジョージ王朝形式の家からトニー・ブレアが手錠をかけられて引きずり出されたと想像願いたい。ニュルンベルグ裁判の基準によれば、ブレアの「主要犯罪」は、百万人のイラク人の死だ。アサンジの犯罪はジャーナリズムだ。強欲な連中の責任を問うこと、彼らの嘘を暴くこと、全世界の人々に真実によって力を与えることだ。

 アサンジの衝撃的な逮捕は、オスカー・ワイルドが書いたように、「[それがなければ]文明に向かう前進がないだろう不満の種を蒔く」全員にとっての警告なのだ。この警告はジャーナリストに対して明らかだ。ウィキリークス創設者・編集者に起きたことは、新聞やラジオやTVスタジオやポッドキャストで活動している人にも起こり得る。

 アサンジを苦しめるている主要マスコミで、闇の国家協力者であるガーディアンは、今週、新しい逃げ口上論説で極度の緊張を見せた。ガーディアンは同紙の元編集者が「これまでの30年で最大のスクープ」と呼んだもので、アサンジとウィキリークスの仕事を利用した。同紙はウィキリークスの暴露から甘い汁を吸い、彼らの称賛と富を横取りした。

 ジュリアン・アサンジやウィキリークスには、一銭もわたらずに、誇大宣伝されたガーディアン本は、儲かるハリウッド映画になった。著者のルーク・ハーディングとデイビッド・リーは彼らの情報源を攻撃し、虐待し、漏れたアメリカ大使館電報を含むデジタルファイルを守るよう意図されて、アサンジが信用して新聞に与えた秘密パスワードを明らかにした。

 アサンジがエクアドル大使館に閉じ込められているのに、ハーディングは、外の警察に加わり、ブログで「ロンドン警視庁が最後に笑うかもしれない」とほくそえんだ。「ガーディアン」は以来、アサンジについての一連のウソ、とりわけ、ロシア人グループとトランプの手先ポール・マナフォートが大使館のアサンジを訪問したという覆された主張を報道した。会談は決してなかった。それはウソだった。

 だが今調子は変化した。「アサンジの事件は道徳的にもつれたクモの巣だ」と新聞は述べた。「彼(アサンジ)は出版されるべきでないことを出版する正しさを信じていた。だが彼は常に決して隠されるべきではなかったことに光をあてた。」

 これらの「こと」とは、アメリカが植民地戦争を行う際の殺人癖や、チャゴス島民のような弱い人々の権利を否認するイギリス外務省の嘘や、中東での聖戦主義の後援者・受益者としてのヒラリー・クリントンの暴露や、シリアやベネズエラの政府をどうすれば打倒できるかというアメリカ大使による詳細な記述、その他多くのものに関する真実だ。そうした全てがウィキリークス・サイトで入手可能なのだ。

 ガーディアンが神経質になるのはもっともだ。秘密警官がすでに同紙を訪れ、ハードドライブの儀式的破壊を要求し破壊させた。これに関し、同紙には前歴がある。1983年、外務省の事務員、サラ・ティズダルがアメリカの巡航核兵器がいつヨーロッパに到着するかを示す英国政府文書を漏らした。ガーディアンは称賛を浴びた。

 法廷命令で情報源を要求した際、情報源を守る基本原則で、編集者が刑務所に入る代わりに、ティズダルは裏切られ、告訴され、6カ月投獄された。

 もしガーディアンが真実の「もの」と呼ぶものを公表したかどで、アサンジがアメリカに引き渡されるなら、何が現在の編集者キャサリン・バイナーや前編集者アラ・ラスブリッジや多作の宣伝屋ルーク・ハーディングが彼の後に続くのを止められよう?

 ウィキリークスやスペインのエル・パイスやドイツのデア・スピーゲルやオーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルドの編集者から始まった一片の真実を、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの編集者が掲載するのを一体何が止めるのだろう。このリストは延々長い。

 ニューヨーク・タイムズの弁護団長デイビッド・マクローがこう書いた。「私は[アサンジの]起訴は、発行人たちにとり極めて良くない先例だと思う。私が知っていること全てからして、彼は言わば典型的発行人の立場にあり、ニューヨーク・タイムズとWilLeaksを区別する上で、法律は非常な困難を味わうだろう。」

 たとえウィキリークスの漏えいを発表したジャーナリストがアメリカ大陪審に召喚されないにせよ、ジュリアン・アサンジとチェルシー・マニングへの脅迫は十分だ。本物のジャーナリズムが悪漢に違法とされているのが丸見えだ。反体制は放縦になったのだ。

 オーストラリアで、のぼせあがった現アメリカ政府は、ティモール海のごく小さな貧困に陥った国から石油とガス資源の適切な分け前をだまし取るはっきりした目的のため、キャンベラのスパイが、東ティモール新政府の閣僚会議を盗聴したのを明らかにした2人の内部告発者を起訴している。彼らの裁判は秘密裏に開催されるだろう。太平洋の島のナウル島とマヌス島に子供たちが自傷し自殺する難民用強制収容所を設立したことで、オーストラリアのスコット・モリソン首相は悪名が高い。2014年、モリソンは30,000人のための大規模拘置所を提案した。

 これら悪漢連中にとって、本物のジャーナリズムは敵だ。10年前、ロンドンの国防省が社会秩序に対する三者で構成される「主な脅威」を記述した秘密文書を作成した。テロリストとロシア・スパイと調査ジャーナリストだ。後者は重大な脅迫に指定された。

 文書類は適法にウィキリークスに漏らされて、ウィキリークスそれを出版したのだ。「我々は他に選択肢はありませんでした」とアサンジは私に言った。「実に単純です。人々には知る権利や、質問し権力に異議を申し立てる権利があります。それが本当の民主主義です。」

 もしアサンジとマニングや、彼らの後で他の人々が沈黙させられたら、「知り、質問し、異論をさしはさむ権利」は剥奪されるのだろうか?

 1970年代、その映画で、ナチがドイツを魅了するのを助けたアドルフ・ヒットラーの親友、レニ・リーフェンシュタールに会った。

 彼女は私に、彼女の映画のメッセージ、宣伝は「上からの命令」にてはなく、大衆の「従順な空虚さ」と彼女が呼ぶものに依拠していたと言った。

 「この従順な空虚さはリベラルな知的ブルジョアジーも含んでいたのですか?」と私は彼女に尋ねた。

 「もちろん」と彼女は言った、「特に知識人。人々がもはや真面目な質問をしない時には、彼らは従順で影響されやすいのです。何でも起き得ます。」

 事実そうだった。

 その続きは言うまでもありません、と彼女は付け加えたかもしれない。

記事原文のurl:http://johnpilger.com/articles/the-assange-arrest-is-a-warning-from-history

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 外国のまともなサイト、筆者、一斉にアサンジ逮捕を非難している。翻って、属国の大本営広報部、一体何分、この事件を報じてきただろう。提灯持ちによる夜の「ニュース」も見る気力を失いつつある。電気代節約には役に立つ。

 写真は記事と全く無関係。祖父が育てていたヒマラヤユキノシタ、もう80年以上咲いている。

20190322

2019年3月11日 (月)

ジュリアン・アサンジの迫害は真実の迫害だ

2019年3月6日

皆様のウェブサイトをご支援願いたい。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

ジュリアン・アサンジの迫害は真実の迫害だ

欧米の道義的破産

Paul Craig Roberts

 「ジュリアン・アサンジの迫害は、我々の全てに対する征服だ。我々の独立、我々の自尊、我々の知性、我々の思いやり、我々の政治、我々の文化。」 ジョン・ピルジャー

 次回、アメリカ人やイギリス人やオーストラリア人が、自国の自由や民主主義や博愛主義について、とりとめもなくしゃべったら、連中にこれを見せてやろう。http://www.informationclearinghouse.info/51204.htm

 ワシントンを困らせる真実を語ったジャーナリストに復讐すること以外いかなる起訴もなしに、イギリスとアメリカ政府に恣意的抑留に拘束されていると国際連合が裁定した自国民ジュリアン・アサンジを弁護するのをオーストラリア政府は拒否している。

 結果的に、まさに無法な中世の盗っ人成金の振る舞いをする政府によって、アサンジは地下牢中に投げ込まれた。

 ジョン・ピルジャーが言うように、我々の政府の行動は、我々自身の性格に影響を及ぼす。政府の無法状態を受け入れる我々は一体どういう種類の人間だろう? アメリカ、イギリス、オーストラリアの政府は、国民の支持に値しない。政府は犯罪組織だ。連中は犯罪を行っている。彼らは「大量破壊兵器」や「化学兵器の使用」のような嘘を基に膨大な人数の人々を殺害し、他民族の土地を盗む。連中は、どの裁判官にも陪審にも、起訴もせずに、アサンジをロンドンのエクアドル大使館の一部屋に拘束している。彼らは嘘をつき、口を開く時は常に偽証する。彼らはベネズエラから210億ドル盗み、彼ら自身ではなく、マドゥロを、盗みと汚職の罪で告発している。彼らは違法に自国民を秘密に調査している。連中は、国民の最悪の敵なのだ。

 女性だと主張する男性と競争しなければならないことに抗議する女性運動選手の主張を、欧米の識者を構成する、ばか者連中が嘆く中 ( https://www.lewrockwell.com/2019/03/no_author/fury-as-ex-olympian-sharron-davies-says-trans-women-should-not-compete-in-womens-sport/ )本物の英雄は、裁判も有罪判決もなしで7年間投獄されているのに、自身を地の塩と見なす賢者たちは、この不正行為に抗議する言葉を見つけることができないのだ。

 囚人は「ビッグ・ブラザー」にノーと言う

ジョン・ピルジャー

2019年3月4日

「Information Clearing House」

 私がジュリアン・アサンジを訪問する時は常に、彼があまりに良く知っている部屋で会う。むき出しのテーブルと壁の上のエクアドルの写真がある。本が決して変わらない本箱がある。常にカーテンが引かれていて、自然光はない。空気は淀んでいて悪臭がする。

 これは101号室だ。

 101号室に入室する前、私はパスポートと電話をあずけなくてはならない。私のポケットと所有物が調べられる。私が持って来る食品は点検される。

 101号室を警備する男は昔の公衆電話ボックスのように見えるものの中に座っている。彼はジュリアンを監視し、画面を見ている。目に見えない、監視し聞いている他の政府工作員がいる。

 101号室のいたるところにカメラがある。それらを避けるため、ジュリアンは我々二人を隅で壁に向かって並ぶようにする。こうしてお互い最新情報を知るのだ。ささやきメモを書き、それを彼がカメラから隠す。時々我々は笑う。

 面会時間は限定されている。時間になると、101号室のドアが突然開き、見張りが「時間です!」と言う。大晦日には、時間が30分延長され、公衆電話ボックス中の男は、ジュリアンではなく、私に新年を祝ってくれた。

 もちろん、101号室というのは、ジョージ・オーウェルの予言的小説『1984年』の中で、思想警察が、囚人がその人間性と主義を放棄し、「ビッグ・ブラザー」に従うまで、彼らを監視し、苦しめる部屋だ。

 ジュリアン・アサンジは決して「ビッグ・ブラザー」に従わないだろう。彼は健康を維持しようと苦闘しているが、回復力と勇気は驚くほどだ。

 ジュリアンは二枚舌政府に関する多くの人々の考え方を変えた著名なオーストラリア人だ。彼はそれにより国際連合が「恣意的拘束」と呼ぶものを受けている政治亡命者だ。

 国連は彼には自由通行権があると言うが、否定されている。彼は逮捕の恐れなしで医学的治療を受ける権利があるが、否定されている。彼は補償を受ける権利があるが、否定されている。

 ウィキリークス創設者・編集者としての彼の罪は暗い時代を解明したことだ。ウィキリークスは、いかなる新聞も、テレビ局も、ラジオ局も、BBCも、ニューヨーク・タイムズも、ワシントン・ポストも、ガーディアンもかなわない正確さと信ぴょう性の完ぺきな実績がある。実際、それが彼らに恥をかかせているのだ。

 それは彼がなぜ罰せられているかの説明だ。

例えば:

 先週、国際司法裁判所は、1960年代と70代、チャゴス諸島民を、秘密裏に、インド洋のディエゴ・ガルシアの故国から追い出し、追放と貧困においやった、イギリス政府に正当な権限がなかったと裁定した。無数の子供たちが亡くなったが、その多くは悲しみからだった。これは、ごくわずかの人々しか知らな途方もない犯罪だった。

 ほぼ50年間、イギリスは、島民に故国に戻る権利を与えるのを拒否し、島を大規模軍事基地用として、アメリカに与えていた。

 2009年、イギリス外務省はチャゴス諸島周辺を「海洋保護区」に設定した。

 環境へのこの感動的配慮は、「もしチャゴス諸島全体が海洋保護区になれば、旧住民が、島への再定住にという主張を推進することが(不可能ではないにせよ)困難になるだろう」と言ってアメリカを安心させるイギリス政府の秘密電報を、ウィキリークスが公表して、欺瞞が暴露された。

 陰謀の事実は、国際司法裁判所の重大な決定に明らかに影響を与えた。

 ウィキリークスは同様に、アメリカがどのように、その同盟者を秘密裏に調べているかをも明らかにした。CIAが、iPhoneを通して、どのように人を監視しているか、彼女が選出されたら、彼らの友人になると、銀行家に確約する秘密講演をして、大統領候補ヒラリー・クリントンがウォール街から膨大な報酬を得たかも。

 2016年、ウィキリークスは、中東でのクリントンと組織的聖戦、言い換えれば、テロリストとの間の直接のつながりを示した。一通の電子メールが、クリントンが国務長官だった時、サウジアラビアとカタールがイスラム国に資金供給していたのを知っていたのを明らかにしたが、彼女は両国政府から彼女の財団への莫大な寄付を受けとっていた。

 彼女はサウジアラビアの寄贈者に対し、世界の最大の武器販売を承認した。現在災厄を受けているイエメンの人々に使用されている武器だ。

 これが彼がなぜ罰せられているかの説明だ。

 ウィキリークスは、この国の策謀について、ワシントンのロシア・ゲート茶番の見かけ倒しのヒステリーより遥かに多くを我々に語る、クレムリンも含めロシアからの800,000以上の秘密ファイルを公開した。

 これは本物のジャーナリズムだ。今や珍しいと考えられる種類のジャーナリズムだ。民衆の敵を代弁し、ナチのためにフランスを占拠したヴィシー政権に、あだ名が由来するヴィシー・ジャーナリズムの正反対だ。

 ジュリアン・アサンジに、オーストラリア国民としての権利を与えるのを拒否し、彼を沈黙させるためのオーストラリアとアメリカ政府の共謀という秘密のスキャンダルのようなことを、ヴィシー・ジャーナリズムは、報道を省略して検閲しているのだ。

 2010年、ジュリア・ジラルド首相は、何の罪も犯されていなかったことを、AFPに知らされるまで、オーストラリア連邦警察に、アサンジとウィキリークスを調査し、できれば起訴するよう命じさえしたのだ。

 先週末、シドニー・モーニング・ヘラルドは、3月10日のシドニー・オペラ劇場での「Me Too」祝典を宣伝する豪華付録を発行した。主な関係者に最近引退した前外務大臣ジュリー・ビショップがいる。

 ビショップは、最近、国内メディアの番組に登場し、政治上の損失だと称賛された。彼女のことを、称賛すべき「崇拝の的」だと呼ぶむきもある。

 ビショップほど政治的に幼稚な人物をフェミニズム名士に格上げしていることは、いわゆるアイデンティティ政策が、極めて重要な客観的な真実を、どれほどむしばんでいるかを示している。なにより重要なのは、人の性別ではなく、所属階級であることを。

 政治に入る前、ジュリー・ビショップは、石綿肺で亡くなった人々の家族による訴えと戦った、悪名高いアスベスト企業ジェームズ・ハーディ社に仕える弁護士だった。

 ピーター・ゴードン弁護士は、ビショップが「なぜ、単に死に瀕しているがゆえに労働者は、法廷の待ち行列の順番をとばす権利を与えられるべきか、法廷で大げさに尋ねた」ことを覚えている。

 ビショップは「指示に従って、専門的、倫理的に行動した」と言っている。

 去年、ジュリアン問題を取り上げ、できれば彼を帰国させる外交プロセスを開始したいと示唆していた大臣首席補佐官と共に、オーストラリア外務大臣がロンドンとワシントンに飛んだ際、おそらく彼女は、ただ「指示に従って行動して」いたのだ。

 当時の首相マルコム・ターンブルに、ジュリアンの父親は、息子を自由にするため、政府に外交的に介入するように依頼する心を打つ手紙を書いていた。ジュリアンが大使館を生き出られないかもしれないことが心配だったと、ターンブルに言ったのだ。

 ジュリー・ビショップは、イギリスでも、アメリカでも、ジュリアンを帰国させるための外交的解決をするためのあらゆる機会があった。だが、それには、属国ではなく、主権ある、独立国家の代表を務めることを誇りに思う勇気が必要だ。

 ところが、ジュリアンは「重罪に問われる」と乱暴にも述べたイギリスのジェレミー・ハント外務大臣に、彼女は反論しようとしなかった。一体どんな罪だろう? 何の告訴もなかったのだ。

 何の起訴もされておらず、何の告訴もされておらず、何の罪もないオーストラリア国民のために堂々と弁護する任務を、オーストラリア外務大臣は放棄したのだ。

 来週日曜、オペラ・ハウスでこの「似非崇拝の的」のご機嫌を取るフェミニスト連中は、その仕事で、強欲な軍国主義が、多くの国で、何百万人もの普通の女性の生活を打ち壊したことを明らかにした人物であるオーストラリア人ジャーナリストを懲罰する外国勢力と共謀する彼女の役割を分かっているのだろうか。オーストラリアが参加した、アメリカ率いるイラク侵略だけでも、700,000人の未亡人を生み出したのだ。

 そこで何ができるだろう? バーレーンでの拷問と迫害から難民フットボール選手アキーム・アル・アライビを救出する社会運動に応え、行動する用意があるオーストラリア政府はジュリアン・アサンジを帰国させることが可能だ。

 ところが、ジュリアンが「恣意的拘束」の被害者で、基本的自由の権利があるという国連宣言の尊重をキャンベラの外務省が拒絶しているのは国際法精神の恥ずべき違反だ。

 オーストラリア政府は、一体なぜアサンジを自由にする本気の取り組みをしないのか? ジュリー・ビショップは、なぜ二つの大国の願望に屈服したのだろう? 一体なぜ民主主義が、卑屈な関係に愚弄され、違法な外国勢力と一体化するのだろう?

 ジュリアン・アサンジに対する迫害は、我々の全てに対する征服だ。我々の独立、我々の自尊、我々の知性、我々の思いやり、我々の政治、我々の文化。

 画面をみるのやめよう。まとまろう。占拠しよう。主張しよう。固執しよう。声を上げよう。直接行動しよう。勇敢に、勇気を持ち続けよう。思想警察に反抗しよう。

 戦争は平和ではない、自由は奴隷ではない、無知は力ではない。ジュリアンが独裁者に立ち向かうことができるなら、あなたもできる。我々全員そうすることができる。

 ジュリアン・アサンジのためにSocialist Equality Partyが計画したシドニーでの集会で、ジョン・ピルジャーはこの演説を行った。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/03/06/the-persecution-of-julian-assange-is-the-persecution-of-truth/

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 属国大本営広報部、何かアサンジについて報じているだろうか?不倶戴天の敵である本物のジャーナリズムを、偽ジャーナリズムが好意的に報じるわけはないだろう。マニングについても同様。

 3/11以降の東北についてはドキュメンタリーを続々流す大本営広報部、死者10万人、罹災者100万人を超えた3/10東京大空襲に関するドキュメンタリーは放映したのだろうか?

 無差別爆撃の指揮者空軍司令官カーチス・ルメイ大将、勲一等旭日章を受けている。

 東北のドキュメンタリーに登場される方々、愚劣な復興五輪を支持するご意見ではないようだ。

日刊IWJガイド「震災から8年、福島県内だけでも東京ドーム11個分の汚染土の処理が進まぬまま、「復興五輪と銘打って、福島が復興したことを世界に発信していきたい」とアピールする安倍総理の底なしの無責任さ」 2019.3.11日号~No.2370号~(2019.3.11 8時00分)

 昨日、下記を拝見した。大阪の方々、こういう情報を把握した上で、異神に投票しているのだろうか?

【タイムリー再配信 331・IWJ_Youtube Live】18:00~「学者の会シンポジウム 『大阪都構想』の危険性を考える~都構想が万博の『障害』となるリスクを見据えて~」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 今日のIWJガイド、異神生みの親によるスラップ訴訟の裁判に備える作業におわれて、ガイドは告知中心のものになっているという。何とも迷惑な話。このスラップ訴訟の件も、大本営広報部報じている様子はない。無視は加担。週刊金曜日では、一度、記事を拝読したが。

2019年1月22日 (火)

本物のジャーナリストは、権力ではなく、人々の代理人役を務める

ジョン・ピルジャーとのインタビュー
エレシ・オマール・ジャマル
2019年1月16日

thedailystar.net

 ジョン・ピルジャーは海外特派員として、バングラデシュ解放戦争を担当した。「国の死」という彼の第一面記事はベンガルの人々の生と死の争いに関して世界に警告した。彼は従軍特派員、イギリスのジャーナリズムの最優秀賞を2度勝ち取った著者で、ドキュメンタリー映画製作者。

 彼のドキュメンタリー映画に対し、アメリカのテレビ・アカデミー賞、エミー賞と、イギリス映画テレビ芸術アカデミーよるイギリス・アカデミー賞を勝ち取った。彼は国際連合協会平和賞と金メダルを受賞した。彼の1979年のドキュメンタリー『ゼロ年:カンボジアの沈黙の死』は20世紀の最も重要な10のドキュメンタリーの1つとしてイギリスの映画研究所にランク付けされている。彼は、 Heroes、A Secret Country、The New Rulers of the WorldやHidden Agendasを含め、多数のベストセラー本の著者。ザ・デイリー・スター紙のエレシ・オマール・ジャマルとの独占(電子)インタビューで、ピルジャーはバングラデシュ解放戦争報道や、今日のジャーナリズムの状態や、欧米で起きている現在の政治的変化について語っている。

***

 2008年の「ガーディアン」記事で、あなたが1971年にバングラデシュ解放戦争を担当するためにこられた際、ムジブル・ラフマン・バンガバンドゥ・シェイクの妻のファジラトゥンネサ・ムジブ・シェイクが、あなたに「カラスさえ我々の家の上を飛ぶのを恐れているのに、あなたはなぜ来られたのですか?」と聞いたと書かれました。しかしあなたは答えは書きませんでした。それが一体何だったかお話しいただけますか?

 当時の東パキスタンから来る700万人の難民を報道するため、私はコルカタに本拠地を置いて、1971年の多くを費やしていました。彼らの旅は、我々記者が「痛みの回廊」と呼んだものに沿っていました。前年私は無防備なベンガル湾を包み込んだ高潮で破壊が起きるのを目撃していました。頭に閃いたのは、東ベンガルの人々に戒厳令を課すため陸軍を送ったイスラマバード政府による本当の懸念の欠如でした。

 普通の人々や、彼らの人生に触れる植民地権力に反対する分子にとって、世界の中でも危険場所でした。それはまた、インスピレーションを与えてくれる場所でもあり、自由なバングラデシュが生まれるのに苦闘していたことは、私にとって明確でした。

 私はベンガルの人々が好きです。私は彼らの回復力と暖かさと機知を称賛しました。1971年夏、若い理想主義の弁護士(バングラデシュで後に高い地位を得た)モウドド・アーメドが、夜東パキスタンとインドを分けるラドクリフ・ラインを通って、私を導いてくれました。我々は緑と赤のバングラデシュ国旗を持った武装ガイドの後ろを行進し、我々は人々からパキスタンによる残虐行為の心を打つ説明を聞き、破壊された村を見ました。

 ロンドン「デイリー・ミラー」の私の次の記事と同僚エリック・パイパーの写真がイスラマバード政府がベンガルで大量殺戮戦争を行っていた重要な証拠になりました。

 1971年、バングラデシュで何が起きているのを見られたか、後に1974年バングラデシュ飢饉報道のために再度来られた際、ご覧になった全体像を説明いただけますか?

世界中の「本物のジャーナリズム」に対する恫喝と、それが意味すること

我々が、ジェット戦闘機が通過するのを待って、村から村へと移動していた際、証拠は明らかでした。東ベンガルのイスラム教民族の中に、分割後、繊細に、しかし平和敵に維持されていたヒンズー共同体があったところに、今はひと気のない残骸がありました。パンジャブ人が攻撃した時は常に、ベンガル人も、イスラム教徒も、ヒンズー教信徒も大虐殺される同じパターンでした。ある村では人々が生きたまま泥に埋められました。時折、この苦難の最中、私は挑戦的な言葉を聞きました。「ジョイ・バングラ!」

 解放の後に続く年月は極めて困難でした。バングラデシュは、戦争と資源の意図的な否定によってはだか状態でした。地方を壊滅させた飢饉という人間行為の結果を撮影し、記事では、なぜかを問いました。

 当時のニクソン大統領の強力な国務長官だったヘンリー・キッシンジャーは、ワシントンで、バングラデシュを「でくのぼう」と見なしましたが、世界を「成功」と「破綻国家」に分ける過激なイデオロギー的見解でした。アメリカは、当時、世界の食物貿易の大部分を支配していたことを想起ください。ワシントンにとって「破綻国家」は犠牲にしてよい、余剰物を捨てる場所でした。食品輸出は文字通り、アメリカ政権が好まない政府を「こらしめる」ための政治的武器として使用されたのです。

 独立を主張しようとする国々、例えば、国連でアメリカの動議に反対投票するか、棄権した国々は、食品輸入と国際的な政府機関支援供与を拒否されたのです。バングラデシュのような新しい、問題を抱えた国家が直面したジレンマは数え切れませんでした。私がムジブル・ラフマンに会った際、こうした状態で、民主主義が生き残ることができたかどうかと彼は声を出して言いました。確かに、最近の選挙はそれが生き残れなかったことを示しています。投票の水増し、武装凶悪犯派遣、野党候補に対する残忍な脅迫は、解放闘争や、その叙事詩的な時代に亡くなった人々に対する面汚しです。 

 バングラデシュ解放戦争の他にも、あなたはベトナム、カンボジアやナイジェリアでも戦争報道もされました。ジャーナリストとマスコミは、戦争のために苦しむ人々に手を貸すためにどんな役割を満たすことができるでしょうか?

 ジャーナリストは、真実を、あるいは自分たちが見いだすことができる限り多くの真実を話すことにより、権力の代理人としてではなく、人々の代理人として動くことで、人々を助けることができます。それが本物のジャーナリズムです。それ以外は見かけ倒しで、インチキです。

 あなたは何十年もの間ジャーナリストでした。あなたのお考えでは、ジャーナリズムがこれまでにどのように変わったのでしょうか?

 私がジャーナリスト、特に海外特派員として、仕事を始めた時、イギリス報道機関は保守的で、強力な支配体制に所有されていました。けれども今日と比較した相違は、当局の一般通念と意見を異にする独立したジャーナリズムのための余地があったのです。その余地は今、すべてを完全に閉じられ、自立したジャーナリストはインターネットに移行し、比喩的に言えば、地下に潜ったのです。バングラデシュには独立したジャーナリズムの豊かな伝統があります。あなたには是非それを維持して頂きたい。

 この職業の中で現在存在する最大の課題や問題は一体何で、それに対する最も良い解決として、あなたは何をお考えでしょうか?

 最大課題の一つは、強大な権力の速記者として盲従する役割から、ジャーナリズムを救出することです。アメリカは憲法上、地球の上で最も自由な報道機関を持っているはずですが、実際は、権力の原則や詐欺に対し、メディアは追従的になっています。それが、イラクとリビアとシリアや多数の他の国々への侵略で、アメリカがメディアによる承認を事実上得られた理由です。

 何年もの間あなたは、ジュリアン・アサンジとウィキリークスの素晴らしい支援者でした。現在の世界マスコミの枠組み中で彼らはどういう立場にあると思われますか?

 ウィキリークスは、多分私の生涯で、最もわくわくするジャーナリズムの進展です。調査ジャーナリストとして、私はしばしば内部告発者の勇敢な道義的な行為に頼らなければなりませんでした。ダニエル・エルズバーグがペンタゴン・ペーパーを漏洩して、ベトナム戦争の真実が語られました。ウィキリークスが内部告発者発表して、イラクやアフガニスタンやサウジアラビアや多くの他の発火点に関する真実が語られました。

 ウィキリークス漏えいの100パーセントが本物で、正確だと考えると、隠し立てしている強力な権力者の中で生まれた衝撃と激怒を理解することができます。ジュリアン・アサンジは、ただ一つの理由で、ロンドンでの政治亡命者なのです。ウィキリークスは、21世紀最大の犯罪に関する真実を語ったのです。彼はそれゆえに許されないわけで、あらゆる場所で、ジャーナリストにより、人々により、彼は支援されるべきなのです。

 あなたはなぜアメリカとヨーロッパのポピュリズムが突然勃興していると思われますか?

 「ポピュリズム」はマスコミの軽べつ的用語です。我々が目にしているのは大衆の階級反乱です。人々は、彼らの政府の極端な経済政策によってひき起こされる貧困や、彼らの生活をすっぽり包んでいる雇用権崩壊や不安定さにうんざりしているのです。

 もちろん他にも理由はありますが、欧米、特にアメリカ、イギリス、フランス、ギリシャやイタリアでは、基本的に普通の人々は、彼らが得ていた貴重なものが次第に消えつつあるのを目にしているのです。それが、フランスの「黄色いベスト」に、このような広範囲にわたる支持がある理由です。また、リビアやシリアのように強欲な欧米政策によって壊滅的打撃を与えられた国からの難民の殺到が、身代わりになっています。

 あなたは、なぜそれらの国で、自由主義勢力が、極右分子と言われるものによって置き換えられていると思われますか?

 リベラル勢力は、極右を勃興させた責任がおおいにあります。彼らは対立を可能にしているのです。アメリカでは、ヒラリー・クリントンに「惨めな連中」と表現した、民主党に虐待され裏切られた多数の普通の人々がいます。いわゆる「アイデンティティ政治」のうわべの陰で、欧米のリベラル派は現在、階級問題で頭がいっぱいのことが多いのです。普通の人々は、それに目覚めつつあるか、少なくとも、そうしようとしているのです。

記事原文のurl:https://www.thedailystar.net/opinion/interviews/news/real-journalists-act-agents-people-not-power-1687921

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 彼氏の別のインタビュー、昨年末、RTでも拝聴した。やはり聞き応えがあった。この文章の末尾に貼り付けておこう。

 FNN世論調査 安倍内閣を「支持する」47.9% という記事に、目の前真っ暗。本当だろうか。ヒェロニムス・ボッシュの絵の題名『愚者の船』を思い出す。愚者の国。偏狭な小生におつきあい下さっている極少数の方々の中には、売国政権支持者は一人もいない。ご本人、飛んで火にいる冬の虫害交におでかけ中

 有名なプーチン大統領マラソン記者会見、何度か見ている。最新の会見では、日本との領土問題についても語っている。相当事前準備はしているのだろうが、アンチョコを読んでいるようには見えない。すごいものだと思わさせられる。一方、劣等トップ。アンチョコなしでは対応できない。その事実、残念ながら、国際的に知られている。以下、今日の日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただく。

 2013年4月28日に行われた安倍総理とプーチン大統領との首脳会談後の記者会見では、あらかじめ決められていた質問をする記者に安倍総理が用意されていた原稿を読み上げて答え、それを見たプーチン大統領が「私が今注目したのは、質問を紙から読み上げていたことです」と強く安倍総理と随行記者団の「談合八百長会見」に半畳を入れました。

 安倍総理は、まともにアドリブの記者会見もできず、あろうことか官邸の官僚たちが事前に記者に質問とりして原稿を用意し、約束通りにその原稿を読むだけという「八百長」会見以外に会見に臨めない 戦後史上初の総理です。このことは岩上さんが一番早く首相会見において指摘してきました。

※【岩上安身のツイ録】「安倍政権下の記者会見は完全な茶番」~台本ありきの総理会見に岩上安身が参加!どの記者も「アシスト質問」に終始し、大手メディア以外の記者はまたも指名されず! 2017.6.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/384439

 

2017年10月 4日 (水)

歴史の抹殺

John Pilger
2017年9月21日
johnpilger.com

アメリカ・テレビ界で、最も大宣伝されている“イベント”の一つ『ベトナム戦争』が、PBSで始まった。監督はケン・バーンズとリン・ノヴィックだ。南北戦争、大恐慌や、ジャズの歴史のドキュメンタリーで称賛されているバーンズは自分のベトナム映画について、“ベトナム戦争について、わが国に、全く新しい形で、語り、考え始めさせるものだ”と語っている。

歴史的記憶を失い、アメリカ“例外主義”プロパガンダのとりこになっていることが多い国で、バーンズの“全く新たな”『ベトナム戦争』は“壮大な歴史的事業”として提示されている。気前の良い宣伝活動では、1971年、カリフォルニア州サンタ・バーバラで、憎悪されていたベトナム戦争の象徴として、学生に焼き討ちされた、この映画最大の支援者、バンク・オブ・アメリカを宣伝している。

バーンズは“わが国の退役軍人を長年支援している”“バンク・オブ・アメリカの全員”に深く感謝すると述べている。バンク・オブ・アメリカは、おそらく400万人ものベトナム人を殺害し、かつては豊かな土地を荒廃させ、汚染した侵略の支援企業だ。58,000人以上のアメリカ兵士が死亡し、ほぼ同数の人々が自ら命を絶ったと推測されている。

第一話をニューヨークで見た。冒頭から意図は明らかだ。ナレーターは、戦争は“重大な誤解、アメリカの自信過剰、冷戦の誤解から、まっとうな人々により、誠意で始められた”と語る。

この発言の不誠実さは、驚くべきものではない。ベトナム侵略へと招いた身勝手な“偽旗事件”のでっちあげ、記録に残る事実 - バーンズが真実だとする、1964年のトンキン湾“事件”は、その一つに過ぎない。ウソが大量の公式文書、特に、偉大な内部告発者ダニエル・エルズバーグが、1971年に暴露したペンタゴン・ペーパーを満たしている。

誠意などなかった。誠意は腐敗し、不治のものになっていた。私にとって - 多くのアメリカ人にとっても、そうに違いないが - 映画の“赤の危険”地図の寄せ集めや、インタビューされる正体不明の人々や、不適切に切り取られた公文書や感傷的なアメリカの戦闘場面を見続けるのは困難だ。

イギリスでの、このシリーズのプレスリリースは -- BBCがこれを放映する -- アメリカ人死者にだけふれ、ベトナム人死者への言及皆無だ。“この恐ろしい悲劇の中で、我々全員何らかの意味を探っています”とノヴィックが言ったとされている。何ともポスト・モダンなことだ。

アメリカ・マスコミや、巨大大衆文化企業が、20世紀後半をいかに修正し、提供しているかを見てきた人々にとって、これは皆お馴染みだ。『グリーンベレー』や『ディア・ハンター』から『ランボー』に至るまで、そして、そうすることで、続く侵略戦争を正当化した。歴史修正主義は決して止まることはなく、血は決して乾くことはない。侵略者は哀れまれ、罪を清められ、“この恐ろしい悲劇に何らかの意味を捜そうとする”。ボブ・ディランを思い出す。“どこに行っていたのか、青い目の息子よ?”

ベトナムでの若い記者としての自分自身の直接体験を思いだしながら“品位”と“誠意”について考えた。ナパーム弾攻撃を受けた農民の子供たちの皮膚が、古い羊皮紙のようにはがれ落ち、次々と投下される爆弾で、人肉を貼り付けたまま、木々を石化するのを催眠術にかかったように見つめていた。アメリカ司令官のウィリアム・ウェストモーランド大将は、ベトナムの人々を“シロアリ”と呼んだ。

1970年始め、ソンミ村で、347人から、500人の男性、女性や幼児がアメリカ軍に殺害された(バーンズは“殺人 killings”という表現を好んでいる)クアンガイ省に私は行った。当時、これを逸脱行為と装っていた。“アメリカの悲劇”(Newsweek )。この一省だけでも、アメリカの“自由発砲地帯”だった時代に、50,000人が虐殺されたと推計されている。大量殺人。これはニュースにならなかった。

北のクアンチ省には、第二次世界大戦中にドイツ全土に投下されたよりも多くの爆弾が投下された。大半アメリカが“守る”と主張した“南ベトナム”で1975年以来、不発弾で、40,000人以上の死者を出しているが、フランスが、唯一の帝国主義策謀と見なされている。
ベトナム戦争の“意味”は、アメリカ先住民に対する大量虐殺作戦、フィリピンにおける植民地主義虐殺、日本への原爆投下、北朝鮮のあらゆる都市を真っ平らにしたことの意味と何らかわらない。その狙いを、グレアム・グリーンが『おとなしいアメリカ人』の主人公で依拠した有名なCIA職員、エドワード・ランスデール中佐が語っている。

Robert TaberのThe War of the Fleaを引用して、ランスデールはこう言った。“降伏しようとしない武装反抗勢力連中を打ち負かす手段は一つだけで、皆殺しだ。レジスタンス勢力を匿っている領土を支配する手段は一つだけで、そこを砂漠に変えることだ。”
何一つ変わっていない。9月19日に、ドナルド・トランプが、 - 人類を“戦争の災い”から救うべく設立された機関 - 国連で演説した際、彼は北朝鮮と、その2500万人の国民を“完全に破壊する”“用意があり、進んで、実行が可能だ”と宣言した。聴衆は息をのんだが、トランプ発言は聞き慣れないものではない。
大統領選挙での彼のライバル、ヒラリー・クリントンは、人口が8000万人以上の国イランを“跡形もなく破壊する”用意があると自慢した。これがアメリカのやり方だ。今回足りないのは婉曲表現だけだ。

アメリカに戻って、街頭でも、ジャーナリズムでも、芸術でも、かつては“主要マスコミ”でも許されていた反対意見が、反体制派に退行したかのように、沈黙と反対派の不在に衝撃を受けた。地下運動も同然だ。

おぞましき人物、“ファシスト”トランプについては、がやがやわやわや、すさまじいが、トランプ現象や、征服と過激主義の体制永続という下手なマンガ状態に対しては、がやがやわやわやも、ほとんど皆無だ。

1970年、ワシントンを埋め尽くした偉大な大規模反戦抗議行動の亡霊はどこに行ったのだろう? 1980年、マンハッタンの街頭を埋め、レーガン大統領に、ヨーロッパから戦術核兵器を撤去するよう要求した核兵器凍結運動のようなものはどこに行ったのだろう?
これら偉大な運動のエネルギーと道徳的なこだわりは、かなり成功した。1987年、レーガンは、ミハイル・ゴルバチョフと、中距離核戦力全廃条約(INF)をとりまとめ、それで事実上、冷戦は終わった。
最近、ドイツ新聞ジュートドイッチェ・ツァイトゥング(南ドイツ新聞)が入手した秘密NATO文書によれば、この重要な協定は、“核標的計画が増強された暁には”廃棄される可能性が高い。ドイツ外務大臣シグマール・ガブリエルは、こう警告した。“冷戦の過ちを繰り返すこと … ゴルバチョフとレーガンによる素晴らしい軍縮協定は、ことごとく深刻な危機にある。ヨーロッパはまたしても核兵器用軍事教練場となる脅威にさらされている。我々はこれに反対の声をあげねばならない。”

アメリカでは、そうではない。昨年の大統領選挙戦で、バーニー・サンダース上院議員の“革命”に参加した何千人もの人々は、これらの危機に団体で沈黙している。世界中でのアメリカによる暴力の大半が、共和党やらトランプのような突然変異体やらによってではなく、リベラルな民主党によって行われている事実は、タブーのままだ。
バラク・オバマは、近代国家リビアの破壊を含め、七つの同時並行する戦争で、大統領記録の極致を示した。選挙で選ばれたウクライナ政府を、オバマが打倒し、望んでいた結果を得た。1941年、そこを経由し、ナチスが侵略したロシア西国境地域の国へのアメリカが率いるNATO軍の集中だ。
2011年のオバマによる“アジア基軸”は、中国と対決し、挑発する以外の何の目的もなしに、アメリカ海軍と空軍の大半をアジア太平洋に移行する合図だった。ノーベル平和賞受賞者による世界中での暗殺作戦は、まず間違いなく、9/11以来最大規模のテロ作戦だ。

アメリカで“左翼”として知られているものは、実質的に、組織権力最悪の深奥部、つまり、何の証拠もなく、2016年大統領選挙への介入とされるものを理由に、トランプとウラジーミル・プーチンとの間の平和協定を見送らせ、ロシアを敵として復活させたペンタゴンとCIAと組んでいる。
本当のスキャンダルは、アメリカ人の誰も投票していない、戦争を起こす邪悪な既得権益による陰険な権力掌握だ。オバマのもとで、ペンタゴンと監視機関が、急に支配力を掌握したのは、ワシントンにおける歴史的な権限移行だ。ダニエル・エルズバーグは、適切にも、これをクーデターと呼んだ。トランプを動かしている三人の将軍が証人だ。
ルシアナ・ボーネが印象的に述べたように、こうしたことの全て“アイデンティティ政治というホルムアルデヒドにすっかり漬かったリベラル連中の脳味噌”には貫通し損ねている。性や肌の色とは無関係に所属する階級ではなく、商品化され、マーケティング実験済みの“多様性”が、リベラル派の新ブランドだ。全ての戦争を終わらせるための残虐な戦争を止める全員の責任ではなく。
ブロードウエイでの、トランプをビッグ・ブラザーとして描いた背景幕前で演じる、不満を抱く人々向けのヴォードビル・ショー、Terms of My Surrender(私の降伏条件)で“一体どうして、こんなことになったのだろう?”とマイケル・ムーアは言った。

彼の故郷、ミシガン州フリントの経済的、社会的破綻に関する『ロジャー&ミー』や、アメリカ医療の堕落を探る『シッコ』などのムーアの映画には敬服している。

私が彼のショーを見た夜、喜んで乗る観客たちは、彼が“我々は多数派だ!”と請けあい“ウソツキで、ファシストのトランプ弾劾!”を呼びかけると大喝采した。彼が言いたいのは、もし鼻をつまんで、ヒラリー・クリントンに投票していたら、人生は先が読めていたはずだということのようだ。

彼は正しいのかも知れない。トランプがしているように世界に向かって暴言を吐く代わりに、偉大な絶滅屋だったら、イランを攻撃し、彼女がヒトラーになぞらえたプーチンにミサイルを撃ちこんでいた可能性がある。ヒトラー侵略で亡くなった2700万人のロシア人のことを考えれば、とんでもない不敬だ。

“聞いて欲しい”ムーアは言った。“わが政府がしていることは別として、アメリカ人は、実際世界に愛されている!”

客席は静まり返った。

記事原文のurl:http://johnpilger.com/articles/the-killing-of-history
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マイケル・ムーア監督で、今の時点で思い出すのは、『ボウリング・フォー・コロンバイン』。

孫崎享氏の今朝のメルマガ・タイトル、今行われていることの的確な要約。

衆議院選挙で「希望の党」に担わされた課題。「リベラル」潰し。立憲民主党が立ち上げメンバーには対立候補。野田、岡田、安住、江田の選挙区には、候補者立てず。要するに改憲反対派を潰す役割を希望の党が実施

本文も一部コピーさせていただこう。

9:日刊スポーツは、「百合子氏のホントの腹は「自民と連立組む」/地獄耳」という記事を掲載した。たぶんそういうことであろう。

10:「希望の党」の動きを見れば米国の影が見える。

11:集団的自衛権、つまり米軍戦略のために自衛隊を海外に派遣するシステムに対して、共産党以外の議員は徹底的に排除しようとしていtる。反対勢力が共産党にだけなれば、「共産党がり」はそう難しい事でない。

決して大本営広報部が歪曲して呆導する、モリカケ対、緑のタヌキ 対、リベラルの三項対立ではない。大本営広報部、本当に罪深い組織。かつて、太平洋戦争をあおり、今、宗主国侵略戦争派兵を推進する。

IWJの岩上安身氏による福島瑞穂氏インタビュー、「希望の党」はリベラル派排除し「大政翼賛会」を作ろうとしている!? 改憲による「緊急事態条項」絶対阻止!「共闘」で3分の1議席数を!~岩上安身による社民党 福島みずほ参議院議員インタビュー! 2017.10.2もうおっしゃる通り。必見。
大本営広報部の歪曲呆導と全く違う。大本営広報部歪曲呆導にあらわれるファシストの有象無象のウソ発言、音を消しても字幕がでたりするので、テレビに向かって怒鳴っているが、このインタビュー、じっと同意するばかり。

「リベラル」潰しの狙いは、大本営広報部大政翼賛会が決して言及しない今回の選挙の本当のテーマ、「緊急事態条項」導入と直接つながる。

そこで、IWJ岩上安身氏による早稲田大学教授長谷部恭男氏インタビューがある。

自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー 2017.9.25

こちらも必見。良く理解するためには、ご著書の事前拝読をお勧めする。
ナチスの「手口」と緊急事態条項 (集英社新書) 長谷部恭男、石田勇治著

この緊急事態条項、岩上氏は、以前から問題を指摘しておられる。
前夜[増補改訂版] 梓澤和幸, 岩上安身, 澤藤統一郎 (著)

今日は下記にあるインタビューを拝見予定。

日刊IWJガイド「本日15時から『「日米指揮権密約」の研究 自衛隊はなぜ、海外へ派兵されるのか』著者・末浪靖司氏インタビュー! 自衛隊の指揮権が米軍にあるという『指揮権密約』の実態に迫る!/日本に戦争をさせたい米国にとっては安倍も小池も同じ!? 『緊急事態条項』阻止のための勝敗ラインは156議席!!/川内博史氏、辻元清美氏、池田まき氏ら『立憲民主党』参加表明者が続々!! ツイッター公式アカウントは24時間でフォロワー6万人突破!!IWJの枝野代表街宣中継はサーバーダウン寸前!?」2017.10.4日号~No.1846号~

2017年8月11日 (金)

2017年版『渚にて』戦争の手招き

John Pilger
公開日時: 2017年8月4日

アメリカ潜水艦艦長が言う。“人はみな遅かれ早かれいずれ死ななければならない。ただ問題は、心の準備をしてその時を迎えるというわけには決していかないこと。なぜなら、いつそのときがくるかわからないから。ところが今このときにかぎっては、およそいつ死ぬかをだれもがわかっていて、しかもその運命をどうすることもできない。”

彼は9月までには死ぬだろうと言う。誰にも確信はないが、死ぬまで、あと一週間程度だ。動物はもっと長生きする。

戦争は一カ月で終わった。アメリカ合州国とロシアと中国が主役だった。戦争が事故で始まったのか、間違いで始まったのかは明らかではない。勝者はいなかった。北半球は汚染され、今や生物はいない。

放射能のカーテンが、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカや南アメリカに向かって南に移動している。9月迄には、最後の都市、町や村々も死ぬだろう。

北半球同様、大半のビルは無傷のまま、一部は電気の最後の瞬きで照らされている。

    こういうふうに世界は終わる
    爆発音ではなく、すすり泣きで

T.S.エリオットの詩「空ろな人間たち」のこの行が、ネビル・シュートの小説『渚にて』の冒頭にあり、目頭が熱くなった。表紙にある推薦の言葉も同じだった。

余りに多くの作家が沈黙したり、怯えたりしていた冷戦絶頂期の1957年に刊行されたこの小説は傑作だ。一見、表現は気取った感じがする。とは言え、核戦争について私が読んだものの中でこれほど揺るぎない警告はなかった。これほど差し迫った本はない。

静かな形のない恐ろしいものが最後の生きた世界に降りてくるのを待つべく、潜水艦をオーストラリアに着けるアメリカ海軍司令官を、グレゴリー・ペックが演じるモノクロのハリウッド映画を覚えておられる読者もあろう。

『渚にて』を先日初めて読み、アメリカ議会が、世界で二番目の最も強力な核大国ロシアに対し、経済戦争をする法律を成立させた時に読み終えた。この狂った投票は、強奪の約束以外、正当化のしようがない。

“経済制裁”はヨーロッパ、主にロシアの天然ガスに依存しているドイツも、ロシアと正当な事業を行うヨーロッパ企業も標的にしている。連邦議会での討論とされるものでの多弁な上院議員たちから、通商禁止が、ヨーロッパに高価なアメリカ・ガス輸入を強いるように計画されたものであることは明らかだ。

連中の主目的は、戦争、本物の戦争のように見える。これほど極端な挑発は、他の何も示唆しようがない。アメリカ人は、戦争が一体何かについてほとんど何も知らないのだが、連中は戦争を熱望しているように見える。 1861年-5年の南北戦争が本土で最後の戦争だった。戦争というのは、アメリカ合州国が他国にしかけるものなのだ。

人類に対して核兵器を使用した唯一の国は、以来、その多くが民主主義である何十もの政府を破壊し、社会丸ごと荒廃させた。イラクでの何百万人もの死は、レーガン大統領が“高貴な大義”と呼び、オバマ大統領が“例外的な国民”の悲劇と改訂したインドシナでの大虐殺のほんの一部だった。彼はベトナム人のことを言っていたわけではない。

昨年、ワシントンのリンカーン記念堂で撮影をしていた際、国立公園局のガイドが、若い十代の学生の団体に説教するのをたまたま耳にした。“御聞きなさい”彼は言った。“ベトナムで58,000人の若い兵士を失いました。彼らはあなたたちの自由を守って亡くなったのです。”

真実が一気にひっくり返された。自由など全く守られなかった。自由は破壊されたのだ。農民の国が侵略され、何百万人もの国民が殺害され、四肢を奪われ、立ち退かされ、汚染された。60,000人の侵略者連中は自ら命を絶ったのだ。本当に、お聞きなさいだ。

それぞれの世代に、ロボトミー手術が施されているのだ。事実は取り除かれる。歴史は切除され、タイム誌が“永遠の現在”と呼ぶもので置き換えられるのだ。ハロルド・ピンターは、こう表現している。“一方で普遍的な善のための力を装いつつ、世界中で権力の臨床操作を行って来たのです。それは、頭のいい、機知にさえ富んだ、すばらしい成功を積み上げた催眠術でした。[つまり]だからそれは起きなかったのです。なにひとつ、起きなかったのです。それが起きつつある時でさえ、それは起きなかったのです。どうでもよかったのです。何の関心もなかったのです。”

自らをリベラル、あるいは宣伝的に“左翼”を称する連中は、現在、一つの名「トランプ」に帰着するこの操作と洗脳の熱心な参加者だ。

トランプは狂っている、ファシストだ、ロシアの傀儡だ。彼は“アイデンティティー政治のホルムアルデヒドに漬け込まれたリベラルな頭脳”にとっての贈り物でもあると、ルシアナ・ボーンが巧みに表現している。不朽の体制の症状と戯画としてのトランプではなく、人物としてのトランプに対する執着は、我々全員に、大きな危険を招く。

連中の時代遅れの反ロシア策略を推進しながら、私の人生で思い出せないほどの規模で、戦争を挑発する中、ワシントン・ポスト、BBCやガーディアンなどの自己愛的マスコミは、現在最も重要な政治的話題の本質を握りつぶしている。

8月3日、ロシア人がトランプと共謀したというたわごと(極右が、ジョン・ケネディを“ソ連の手先”と中傷したのを思い出させる)にガーディアンが割いた紙面と対照的に、同紙は、アメリカ大統領がロシアに経済戦争を宣言する議会法案への署名をしいられたというニュースを16面に隠した。

トランプによる他の署名と異なり、これは事実上、秘密で行われ、“明らかに違憲だ”というトランプ自身による但し書き付きだ。

ホワイト・ハウスの住人に対するクーデターが進行中だ。これは彼が唾棄すべき人物だからではなく、彼がロシアとの戦争を望まないとはっきり言い続けているためなのだ。

この正気のわずかな兆候、単なる現実主義が、戦争、監視、軍備、威嚇と極端な資本主義に基づく体制を守っている“国家安全保障”管理者連中にとっては受け入れがたいのだ。マーチン・ルーサー・キングは、彼らを“現在、世界最大の暴力広め屋”と呼んだ。

連中はロシアと中国をミサイルと核兵器備蓄で包囲した。ヒトラーがそこを通って侵略し、2700万人の死をもたらしたロシアの“境界地方”に、無責任で攻撃的な政権をしつらえるため連中はネオナチを利用した。連中の狙いは現代のロシア連邦をばらばらにすることだ。

これに対し、アメリカ合州国における福音主義者による戦争の意欲を止める可能性があるものとして、ウラジーミル・プーチンが絶えず繰り返している言葉が“パートナーシップ”だ。今や、ロシアの疑い深さは、恐怖と、おそらくある種の決意に変わっている可能性がある。ロシアが核報復攻撃を模擬演習しているのはまず確実だ。防空演習は珍しいことではない。ロシアの歴史が、ロシアに身構えよと告げているのだ。

脅威は同時だ。最初はロシア、次に中国だ。アメリカはオーストラリアと、タリスマン・セーバーとして知られている大規模軍事演習を終えたばかりだ。彼らは中国の経済的ライフラインが通るマラッカ海峡と南シナ海封鎖の予行練習をしたのだ。

アメリカ太平洋艦隊を指揮する大将が“もし必要なら”中国を核攻撃すると言った。現在の誠実さに欠ける雰囲気の中で、彼がそのようなことを公に発言するということからして、ネビル・シュートのフィクションが現実になり始めているのだ。

こうしたもののいずれもニュースとは見なされていない。一世紀前のパッシェンデールの戦いにおける流血の惨事を想起させるようなことは決してなされない。大半のマスコミでは、もはや誠実な報道は歓迎されていない。評論家として知られているおしゃべり連中が権勢を振るっている。編集者連中は、娯楽情報番組か党公式見解の管理者だ。かつての編集に代わって、隠された狙いをもった決まり文句が解放されている。従わないジャーナリスト連中は窓から放り出される。

この切迫感には多くの前例がある。私の映画『来るべき中国との戦争』で、沖縄駐留アメリカ空軍ミサイル部隊要員の一人だったジョン・ボードネが、1962年のキューバ・ミサイル危機の際に、彼と同僚が、ミサイル格納庫から“全てのミサイルを発射するよう命じられた”様子を説明してくれた。

核搭載ミサイルは中国とロシアに向けられていた。ひとりの下級士官がこれに異議を唱え、最終的に、命令は撤回された。業務用リボルバー銃を配給され、もし“警備態勢を解”かなかった場合、他のミサイル要員を撃つよう命じられた後に。

冷戦絶頂期、アメリカ合州国における反共産主義ヒステリーは実に強烈で、中国と公式に仕事をしているアメリカ人幹部は反逆罪と非難され、首にされた。1957年、シュートが『渚にて』を書いた年、世界で最も人口の多い国の言葉を話せる国務省幹部は皆無だった。今、ロシアを狙って成立したばかりの議会法案で繰り返されている制限の下で、北京官話話者たちは追放された。

法案は超党派だった。民主党と共和党との間には根本的な違いはない。‘左翼’と‘右翼’という言葉は無意味だ。現代のアメリカ戦争の大半は、保守派によってではなく、リベラルな民主党によって始められたのだ。

オバマが大統領の座を去った際、彼はアメリカ最長の戦争や、裁判なしの殺害、無人機による殺人という未曾有の作戦を含め記録的な七つの戦争を統轄していた。

任期最後の年、外交問題評議会の研究によれば“不本意なリベラル戦士”オバマは26,171発の爆弾、一日24時間、一時間に三発投下した。核兵器を“世界から無くす”ようにすると誓ったノーベル平和賞受賞者は、冷戦以来どの大統領より多くの核弾頭を製造した。

それと比較すればトランプは意気地なしだ。現代国家としてのリビアを破壊し、ヨーロッパへの人々の殺到を起動したのは、ヒラリー・クリントン国務長官を従えたオバマだった。彼はアメリカ国内では、移民団体には“強制送還最高司令官”として知られている。

大統領としてのオバマ最後の行動の一つは、アメリカ合州国支配におけるファシスト軍国主義の圧倒的優位を反映した、記録的な6180億ドルをペンタゴンに与える法案の署名だった。トランプは、これを是認したのだ。

詳細の中に埋もれているのは‘Center for Information Analysis and Response’設置だ。これは真理省だ。核戦争の本当の可能性に我々を備えさせる“事実の公式説明”を提供するのがこの組織の業務だ。もし我々がそれを許せば。

ツイッターで、ジョン・ピルジャーをフォローする @johnpilger

記事原文のurl:http://johnpilger.com/articles/on-the-beach-2017-the-beckoning-of-nuclear-war
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2017/8/14更新
ブログ『私の闇の奥』の8月12日記事で、まさに本記事について触れておられる。
John Pilger (ジョン・ピルジャー)

防衛省、オスプレイの飛行再開容認=自粛要請から一転
一体どこの国の防衛省なのだろうと、考える必要皆無の属領状態。

『ワルチング・・マチルダ』という歌がはやったのを覚えている。この映画の中でつかわれていたものが流行したのだろうかと、ふと思ったが、映画の中では、楽器演奏のようだ。陽気なメロディーなのだが、歌詞は実は陰惨だ。各自ご確認願いたい。

渚にて』創元SF文庫新訳冒頭に、書かれているT.S.エリオットの詩「空ろな人間たち」の部分は、この筆者が挙げている部分とは違う。

タワーズ艦長発言は、訳書の205ページを引用させていただいた。

「渚にて」原題は、On the Beach。
辞書で成句を調べると、
1 陸上勤務で、退職して
2 零落して、落ちぶれて
3 失業して、破産して、困って
などとある。

核戦争といえば、「原子力発電」は、核兵器材料製造の副産物。

お二人がそれに間に合うよう、昨日のIWJ下記インタビューを早めに切り上げられた、東芝記者会見を思い出す。

NTTと東電を「家長」とする東芝倒産危機の構造に迫る~半導体や原発で勝負する気など最初からなかった!? 『東芝解体電機メーカーが消える日』著者・大西康之氏に岩上安身が訊く、第二弾! 2017.8.10

今日の日刊IWJガイドにはこうある。

■「東芝 原子力敗戦」の大西康之氏インタビューに、なんと、当の東芝の決算報告がバッティング!! 

 昨日は、東芝が2017年3月期の決算を遅れに遅れて報告した日でしたが、そんな日にドンピシャのタイミングで岩上さんが『東芝 原子力敗戦』の著者である大西康之氏に二度目のインタビュー! 終了後、大西さんとIWJスタッフは東芝の会見に急行して取材。会見の中継後には大西氏にこの決算の持つ「意義」について解説していただく、というリレー中継を行いました。詳しくは、後段で報告していますので、ぜひご一読ください!

※NTTと東電を「家長」とする東芝倒産危機の構造に迫る~半導体や原発で勝負する気など最初からなかった!? 『東芝解体電機メーカーが消える日』著者・大西康之氏に岩上安身が訊く、第二弾!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395048

※東芝 2017年3月期決算 監査意見は「限定付き適正」―国内製造業で過去最大の赤字9656億円!半導体事業売却の難航・内部統制問題で上場廃止・倒産の足音が!! 2017.8.10
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395068

『ワルチング・・マチルダ』のメロディーが頭の中で聞こえるような気がする。

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