マドレーン・オルブライトの遺産は偽旗攻撃として生き続け、フェイク・ニュースはユーゴスラビアの戦争教本に直接由来する
マーティン・ジェイ
2022年4月17日
Strategic Culture Foundation
ウクライナ紛争の現地での出来事や外交界の出来事は実に良く似ている。
元アメリカ国連大使で初の女性国務長官は、中東にいないのを淋しく思われるまい。ユーゴスラビアとイラクでの彼女の遺産とウクライナとの間のつながりから、湾岸の石油豊富な諸王国が、こぞって彼女の追悼を書くことはあるまい。
マドレーン・オルブライトの逝去は多くの欧米メディアに報道され、サラエボ包囲攻撃記念日が来て、我々は旧ユーゴスラビアでの彼女の遺産や、リチャード・C・ホルブルック、ウォーレン・クリストファーやピーター・ガルブレースとともに、彼女が最終的にどのように、ビル・クリントンにNATO空襲を実行するよう説得したかを思い出す。
ゼレンスキー大統領が絶えず、欧米指導者連中に、おそらく後に空爆作戦に至る飛行禁止区域を課すよう頼み、熱弁を振るっているのを見るにつけ、ウクライナ紛争の現地での出来事や外交界の出来事は印象的なほど似ている。違いは、バイデンが弱く、プーチンを余りにも恐れているのに対し、ミロシェビッチを戦場でいじめるのが容易だったクリントンには同じジレンマがなかったことだ。
1994年に、ボスニアのハリス・シライジッチ首相が、ウォーレン・クリストファー国務長官に、NATOはセルビア陣地に対し空爆作戦を進めなければならないと言って頻繁に電話したのと全く同様、ゼレンスキーも非現実的な飛行禁止区域を求めて電話している。
旧ユーゴスラビアで空襲を始めるという決定は、戦争の進路を変え、2003年のイラクと同様、その基盤がウソであるにもかかわらず、最終的に1995年末に署名されたデイトンアコードをもたらした。興味深いことに、オルブライトがクリントンでするのに成功したのは、多くの場合、解決というより、問題の一部である役に立たない国連兵士たちを、署名一つで消し去れるアメリカ部隊の大規模地上侵攻の脅威同様、NATO空襲は、反撃する方法がない反抗的なセルビア指導者に対処する唯一の方法だと彼を説得したことだった。結果的に、ボスニア・セルビア人へのNATO爆撃が非常に効果的だったから、ミロシェビッチに言うことを聞かせるためアメリカ軍を投入する必要はなかった。
だが、これは90代だった。現在、中東指導者とアラブ世界全般は、国連とNATO両方がウクライナでどれだけ無力か観察し、おそらくユーゴスラビアの戦争とは、ほとんど比較するまい。しかしながら、両方の戦争には、依然共通テーマの要素がある。
今日ウクライナでは、現地には、国連軍がおらず、欧米メディアや、TVに頻繁に登場する評論家連中にもめったに取り上げられない点だ。オルブライトがアメリカ国連大使だった間(後にコソボ紛争中は国務長官として)ユーゴスラビアでの戦争は、しばしば文字通りボスニア人セルビア兵士に振り回されていた国連軍の、卑屈ではないにせよ、ちっぽけな役割を考えた場合、このような先例を作ったのだろうか?
言うのは困難だが、ぞっとする、熟慮の価値があるユーゴスラビアからの他の教訓とオルブライト/クリストファー遺産があるのだ。
善人と悪人
オルブライトのような外交官に解決を見いだすわかりやすい方法を与えるために、ミロシェビッチの対処に関して、事実や歴史状況の過度の単純化や放棄は、憂慮すべきことだ。ミロシェビッチは、アメリカ覇権を喜んで受け容れようとせず、それで即座に悪人ですべての問題の根源として切り捨てられたが、それはアメリカ・メディアやアメリカ人や西洋全般に、歴史と状況を更に良く知っていたヨーロッパ人にとってさえ、とても効果的な言説だった。クロアチア人は、20世紀最大のファシストという人騒がせな実績があり、第二次世界大戦中に何十万人ものセルビア人を殺したにもかかわらず、オルブライト(かつて「クリントン・タカ派」と呼ばれた)のような仲裁人の自我が損なわず、重要と見なされるよう、早々にアメリカ同盟国として歓迎された。この言説は非常に多くのレベルで欠陥があったので、オルブライト/ホルブルック/ウォレンの考え方をメディアが受け入れ、いかに、なぜ、95年夏、サラエボにおける二度のイスラム教徒迫撃砲虐殺が、セルビア人のせいにされ、もう一つのレベルに移行することが完全に受けいれられた理由だ。映像にとらえられた恐ろしい市場爆撃は、実際は今日我々が「偽旗」攻撃と呼ぶもので、ミロシェビッチ、あるいは具体的には、特に彼に仕えるボスニア・セルビア人攻撃の集中作戦をクリントンがNATOに激しく要求する口実だった。
ウクライナでも、我々は似たような見方でだまされているのだろうか? 怠け者で共謀している欧米メディアは、グレー領域のもので、最善の場合でも疑わしく、最悪の場合二枚舌だと知っている攻撃について従順に報じ、状況を過度に単純化してついて行くのだろうか? マリウポリ劇場爆撃は、欧米の金銭ずくの連中が、自身で不足分を埋めたいと望んで、世界中の謙虚な読者に、ロシアの残虐行為として提示する同じ外注ジャーナリズムの被害者だ。だが、どうやら何百人も地下室に避難する状態で、ロシアの精巧な兵器で劇場を攻撃し、一人の一般人も殺さずに全員攻撃から生き残るのか? ロイターさえ報道で「被害者に関する情報はまだ確認中」と認めなければならなかった。
この報道を検討すると、それが残酷な軍(ロシア)による標準的攻撃だと示す既存大手マスメディアのパターンを見るが、一部の鍵となる疑問が答えられないままで、見過ごすことができない一つの理論が得られる。この爆撃は、1995年にクリントンが持っていたのと同じ考え方に引き込むため、ゼレンスキーとつながる極右グループによってあらかじめ手配されて演じられたのだろうか? 言い換えれば、このような大虐殺は、バイデンに一線を越えるよう押しやり、残虐行為を止めるため欧米が介入しなければならないという結論にさせることができるのだろうか?
世界中でジャーナリストが加工しているフェイク・ニュース、一例を挙げれば、攻撃者を言葉で侮辱し、ロシア人によるウクライナ兵(後に生きて捕虜にされた)「ヘビ島殺人」から、架空のウクライナ人パイロットまで、ウクライナ国内の広報業者が制作しており、中にはBBCの「フィクサー」役さえしている連中もいる。最近、親ロシアだと主張して放送局を閉鎖しながら、「国家主義」[極右と読め]メディアは継続させているウクライナ大統領のために、偽画像や映像を作成する連中の軍団が欧米メディアのニュース編集室に吹き込んで、情報戦争に勝ちつつある。
イスラム教徒は血で代償を払う
そう、今日より大規模に、ウクライナで繰り返されるのを我々が見ている、ユーゴスラビア紛争の現実に関する壮大なウソには、彼女のいい加減な党派外交遺産に責任があるのだから、我々はマドレーン・オルブライトを称賛すべきではない。何百万人もの生活に影響を与え、しばしばイスラム教徒が最も重い代償を払わされたにもかかわらず、どんな犠牲を払ってでも、アメリカ覇権を押し付けるアメリカ介入主義政策を彼女は支持した。1995年8月サラエボのような偽旗攻撃には、彼女はホルブルックと一緒に、ほとんど問題を感じず、アメリカの主要同盟国クロアチアが、ツジマンの兵士が、終戦時、ボスニア・セルビア軍が、クロアチアのセルビアの飛び領土クニンに戻る際、劣勢だったのにつけこんでセルビア人を追い出し、留まると決めた高齢女性を殺害し、彼女らの家を全焼し、恐ろしい大量虐殺行為を実行した際、見て見ぬ振りをしていた。それからいわゆる同盟者イスラム教徒に対するボスニア・クロアチア人の裏切りがあり、何千人もの虐殺を招いた。
後にイラクに関し、番組60ミニッツでジャーナリストに問われて、イラクの子供50万人の死について「その価値がある」といった彼女の発言を誰が忘れることができるだろう?
欧米や、オルブライトのようなアメリカが率いる考えを擁護する人々は、それが敵に向かって実行される限り、大虐殺を何とも思わないのだ。ロシアの影響力を妨害する有益な手段として、アメリカは世界中で極右集団を支援し、資金供与してきたが、今のウクライナは、もはや誰にとっても、中東でさえ、役に立たず、最善でもオルブライトのような旧式の不正なイデオロギーに支払う代償なのだ。UAEが最近、彼の訪問を歓迎して示したように、アサドを受け入れる現地指導者たちの新しい刺激は、アメリカ覇権や、爆撃、シャトル外交、極右集団支持や、無辜のイスラム教徒に対する偽旗攻撃推進というオルブライトの概念は終わったか、あるいは一部がロシアに支援を求めるかもしれない、この地域での次の紛争で再演されようとしている兆しなのだろうか? オルブライトの遺産は、アメリカを、クロアチアでネオ・ナチを支援し、ユーゴスラビアでの彼らの恐ろしい殺人の戦争に引き込み、後にはイラクでの約400,000人の一般人大虐殺(アメリカ兵4,550人は言うまでもなく)という偽情報共謀で、歴史本に汚点を残すだろう。中東指導者が自分の戦争のためにアメリカを使う方法を学びながら喜んで見守る中、この紛争にバイデンを引き込むため、ウクライナ指導者に同じ手口が使われている。
マーティン・ジェイは、イギリスのデイリー・メイル記者として、モロッコ本拠とする受賞したイギリス人ジャーナリストで、CNNやユーロニュースのため、アラブの春について報じた。2012年から2019年まで、彼はベイルートを本拠とし、BBC、アルジャジーラ、RT、DWなど多くの国際メディアや、イギリス・デイリー・メイル、サンデー・タイムズやTRT Worldでフリーランス・ベースで働いた。彼は多数の主要メディアのため、アフリカや中東やヨーロッパのほぼ50カ国で働いた。彼はモロッコ、ベルギー、ケニアとレバノンで暮らし、働いた。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
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ウクライナの話題を読んでいると、益々次は日本ではと思えてくる。西南諸島基地、敵基地攻撃能力、軍事予算拡大。近隣諸国全てと不仲。
バイデン息子のラップトップ、なぜか修理に出したまま取りに来ず、ハードディスクの内容が漏れた。何でも記録する習慣だった。大統領選挙で酷く不利な話題だったが、諜報関係者が、これは偽情報だと証言して、押さえ込まれた。おかげで勝利できたのだが。今では、本人の物であることが判明している。内容について書いた本Laptop from Hellの著者が、Foxニュースで詳しく語っている。
This is why the Biden family corruption matters: Miranda Devine | Will Cain Podcast 36分
『百々峰だより』 大本営広報部と全く違う実情!
~西側メディアがまったく触れない真実! ウクライナ難民はロシアへ56万人以上、自分の意志で出国している! 全ウクライナ難民の10%以上!
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