イギリスは封建制から脱却できるのだろうか、チャールズ国王のグレート・リセットはまかり通るのだろうか?
マシュー・エレット
2022年9月9日
Strategic Culture Foundation
イギリスの次期国王は寡頭制の最悪の特徴と傾向を受け継ぎ、おそらくどんな肯定的変更も意図的には実行するまい。
「ロンドン橋が落ちた」というのがエリザベス2世女王逝去後に女王秘書官エドワード・ヤングが政府高官に送った暗号だった。
筆者のいかなる想像力も越える理由から、イギリスとイギリス連邦の新王としてチャールズ皇太子選出で頂点に達する行為を開始する暗号として、実に奇妙なことに「ユニコーン作戦」と名付けられたより大きなプロトコルの一環として、これが選ばれたのだ。
首相が奴隷のように忠誠宣誓(そして秘密の宣誓)を宣言するのを見るのを我慢するよう強いられることはもうないだろうと思っていたカナダ人は、海の対岸に座している近親結婚の君主に、2017年に起きたように、大いに失望するだろう。1866年カナダ議会宣誓法は、全ての現職君主の死後、議会両院は忠誠の誓約をするよう要求している。そう、カナダの「選出された、民主的」政府の全メンバーが、国民や実在しない憲法にではなく、世界の反対側の一部の近親結婚血統に忠誠宣誓を宣言しなければならないのだ。
類似の宣誓が他の全イギリス連邦UKUSA協定加盟国の選挙で選ばれた公務員に読まれるだろう。
だからチャールズが相続した世襲権力というこの制度は背後に本物の実体や影響力がない儀式なのだろうかと尋ねる価値がある。
イギリス臣民を含め、大多数の市民がこれを事実と信じているが、事実は非常に異なる現実を示している。私がここでこの問題に対処する中、ここで、そしてここで、下記のいくつか重要な追加発言を加えなければならない。
チャールズ皇太子は世界最大の不動産所有者になったばかり
皆様は驚くかもしれないが、イギリス王室はオーストラリア、ニュージーランド、北アイルランド、カナダ、イギリスとフォークランド諸島の66億エーカーの所有地で世界最大の不動産所有者なのだ。
「王室御料地」と法的にイギリス君主が所有する「王室企業」に加えて「クラウン・エステート」と呼ばれる組織は世界最大の不動産集団の一つだ。毎年所得の25%を直接国王の財布に送る制度を記述して「ディ・ヴェルト」ビジネスはこう書いている。
「クラウン・エステートは、イギリス中で、城や小屋から農地や森林や大型ショッピングセンターやショッピングセンターに至る不動産を所有している。イギリス海岸全体の半分より多く所有し風力発電施設のような沖合商業活動の非常に貴重な入札権をもたらしている。」
王室は、イギリス周辺のほとんど海底全体(と海岸の半分)を支配し、グリーンニューディールの一環として沖合風車建築を望むどんな企業もクラウン・エステートから海底を賃借するよう強いられる。最近明らかにされた「グリーン革命」10項目計画と2050年までの完全脱炭素化計画で、王室が「イギリスの環境重視の取り組み最大受益者」になる立場にあるとByline Timesが指摘した。イギリス中での非能率的なエネルギー源の爆発的価格で困惑している誰も、納税者の助成金を支給される集合型風力発電所の無益な浪費事業を評価するまい。
チャールズ皇太子自身は王室を象徴的組織として見ないことを明示し、2013年に(「ブラック・スパイダー・メモ」と呼ばれる)議員や首相当ての多数の私信が、それを秘密にしておく激しい法廷闘争後公表された時「自制できないロビー活動」のかどで告発された。2013年チャールズの公式伝記作者ジョナサン ディンブルビーは、チャールズが王位を継承すれば、より陣頭指揮を執るようになり「静かな憲法革命が進む」とさえ書いた。
チャールズ皇太子とグレート・リセット
2020年6月3日、彼が世界経済フォーラムのグレート・リセットの公式支援者になり、公式に#TheGreatResetをTwitterで書いてプロジェクトを開始した際、チャールズは統治の「陣頭指揮」手法を実践した。
公式ホームページで、皇太子は「今日、持続可能な市場イニシアティブと世界経済フォーラムを通して、プリンス・オブ・ウェールズは新しい世界的イニシアティブ、グレート・リセットを開始した」と言って、このプロジェクトを開始した。
2020年6月3日、ダボスでのグレート・リセット演説での王子発言の一部がここで聞ける。
新十字軍のエコ戦士王
聖地のイスラム教徒の代わりに、ダボスとつながる我々の新エコ十字軍兵連中は二酸化炭素や工業文明社会や農業や、それをもたらす役に立たない大食漢を破壊すべき有害な脅威として標的にしたのを除いて、チャールズは君主エコ戦士、新興宗教の改革運動王として自身を設定し、宗教的狂信者にしか見られない傾向がある世界脱炭素化のための熱狂を実証した。チャールズは自身、世界経済フォーラム・グリーン支配聖職者下での社会完全変換の新主席広報官として(周知のように人口過剰を解決するためウイルスとして生まれ変わりたいと望んだ)世界自然保護基金創始者の足跡に習っているように思われる。
2022年7月版のオーストラリアのSpectator誌が下記表現で王子の厭人的積極行動主義を適切に表現した。
「王位継承の待機期間中、王子が没頭すると決めた環境保護は無害な種類の非政治的な植林や雨林救助活動ではない。彼はパンダを抱いたり野生生物保護区域に資金供給したりしない。それどころか、彼は自身が監督するはずの政治制度の存続を脅かすハイブリッド・ビジネスや政治暴動に関与した。一般市民に対する裏切りに加えて、彼の行動は、増大する気候ファシズムとグローバリズムから立憲君主政体を守る未来の国王としての唯一の義務を果たせなかったことを示している。」
もちろん、チャールズが「すべての栄誉の泉」と呼ばれる王室周囲を徘徊するハンドラーや侍従やビザンチン風大戦略家の軍団を無視する主体性を持った人物だと信じるのは愚かだ。「すべての栄誉の泉」というのは公的、個人的問題の全権威が、途切れない王室の血統という単一の源から生じるという法律上の考えを意味する公式用語だ。
連続性は帝国にとって全てで、個々の人生を越えて組織を維持する重要性は常に懸念の核心だった。
自治、自由と民主主義を自己組織化の新しい形の味を覚え始めた1776年アメリカ独立後の世界で、世襲制度の「安定性」は深刻な脅威を受けている。過去250年間、社会を構成するこれら二つの対立するパラダイムの衝突で形成されてきたと言って誇張ではあるまい。一方のパラダイムは、全ての人々の不可侵の権利の存在を自明と考え、もう一方のシステムは、唯一不可侵の権利は、より容易な支配のため臣民(別名「無駄食い連中」の)の人口水準を周期的に間引かねばならないと願う寡頭政治支配階級にあると考えている。
たとえ、庶民や彼らの代表に現実に対して本当に有意な影響を与える手段を何も許さないよう意図された民主主義の装いで隠して一般庶民をなだめても、上位の血統家系が権利を認めたり保留したりは出来ないという考え方は、どんな寡頭制体制にとっても実に呪うべきものなのだ。
イギリス次期国王は寡頭制の最悪の特徴と傾向を受け継ぎ、おそらく首根っこを捕まえられない限り、どんな肯定的変化も意図的には実行しない(あるいは実社会のいかなる有用な技能も習得しない)のは明白だ。
王室プロパガンダを何世代も吹き込まれてきたイギリス国民も、おそらく最終的にはイギリス連邦中での大量飢饉や寒さによる死を前に、新しいグリーン戦士王にうんざりして、21世紀に追いつき、本当の国民になると決めるだろう。
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The Strategic Culture Foundationというサイト、多くの興味深い記事を読んでいたが、数ヶ月前DOD攻撃かなにかでアクセス不能になった後、閉鎖状態だった。ようやく最近再開されたようだ。
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