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2024年1月29日 (月)

バイデン政権による対イエメン戦争の馬鹿げた正当化

 この正当化の背後にある暗黙の前提は、イスラエルにとっても、他の誰にとっても、いかなる種類の経済的影響も与えずに、積極的ジェノサイドが継続することが許されるべきだというものだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年1月23日

 この英語記事の朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 月曜日、「ポセイドン射手作戦」と名付けた、イエメン軍に対する新たな戦争で、今やアメリカは正式に第八波空爆を開始した。この攻撃は、イスラエルとその同盟諸国に、ガザでの大量虐殺の猛攻撃を止めるよう圧力をかけるため、事実上のイエメン当局が実施した紅海の航行封鎖を打破するのを目的としている。

 月曜日の記者会見で、戦争がエスカレートし、米軍を現地派遣することになるかと問われた際に、ヴェダント・パテル国務省首席副報道官は、今やお馴染みのバイデン政権のセリフを言った。

 上記のパテル副報道官は「まず、フーシ派に関し、いかなるエスカレーションにもアメリカは関心がないが、悪意ある行為者が国際船舶を標的にし紅海を流れる合法的通商を標的にするのは決して容認できない」と述べた。「世界のコンテナ輸送の30%、海上貿易の15%が流れる国際水域だ。これは重要な水路だ。従って合法的な商取引、民間人、米軍要員などに危害を加えた者の責任を問うため常に適切な措置を講じる」と述べたのだ。

 バイデン政権がイエメン爆撃を開始して以来、バイデン政権公式の情報歪曲専門家連中は、爆撃を正当化するため、通商と国際コンテナ輸送を喧伝してきた。この正当化の背後にある暗黙の前提は、イスラエルにとっても、他の誰にとっても、いかなる種類の経済的影響も与えずに、積極的ジェノサイド継続が許されるべきだというものだ。

 金は流れ続けなければならず、何万人ものパレスチナ民間人をイスラエルが虐殺し始める前よりも資本主義の歯車は速くはならないまでも、同じ速度で回転し続けるのは当然だと帝国管理者や擁護者連中は受け止めている。世界の他の地域に、ガザで解き放たれたテロは、いかなる物質的影響も与えるべきではないと言うのだ。

 ガザの虐殺に関して、自分の頭の中で、密かに静かに考えたり感じたりすることや、条件さえそろえば、親パレスチナ・デモに参加したり、ソーシャルメディアで自分の意見を共有したりすることさえ帝国は許すだろう。しかし、帝国機械の歯車に物理的に干渉すれば、彼らは即座に、あなたを踏み潰す。

 もちろん、これはばかげている。ガザの惨状は全世界に影響を及ぼしているはずだ。私たちの生活が普通に進んでいるはずはなく、進んでいるのはおかしいし、不愉快だ。ガザの悪夢が展開し続ける中、欧米諸国の人々の多くが、くだらない娯楽に夢中になり、笑い、お菓子を食べて、街に出かけられるのは、文明がひどく病んでいる印だ。

 ガザは我々の動きを止めるべきなのだ。我々自身が経済を混乱させるべきで、貧困にあえぐイエメン人が我々のためにしてくれるのを待つ必要はない。我々はゼネストをし、船舶を止め、破壊しうるあらゆるものを破壊し、我々がガザで支援していることに欧米文明の目を向けさせ、金切り声を上げてこの大規模残虐行為を停止させるべきなのだ。それどころか、我々のために中東の最貧国の人々が勇敢に戦う中、我々はいつものように夢遊病のように人生を歩んでいる。

 積極的に大量虐殺をする中、全ての商業が正常に流れ続けるよう期待する権利など帝国にはない。イスラエルは、その行動に対して何の影響を受けずに済む権利などなく、貿易相手国は、そうした結果の影響を受けない権利などない。イスラエルの残虐行為が、新たなアメリカの戦争を始めることも含め、通商に重大な影響を与えるのを防ぐため、ありとあらゆる手段を講じるのが当然で適切だという考えは明らかに馬鹿馬鹿しい。

 この100日間、ガザでの出来事を追ってきた我々にとって信じられないほど消耗するものだった。太陽が輝いているのが信じられない日もあった。この狂気の結果、わずかな景気後退さえあってはならないし、そうならないように戦争を始めても問題ないという前提は、徹底的に軽蔑し、切って捨てるのが相応しい。

 商業的利益のために人間の利益を傷つけ、富と利便さのために何万人もの命を焼却炉に投げ込むことが完全に常態化しているディストピア世界に我々は暮らしている。大量殺人の道具をジェノサイド政府に売って、戦争の不当利益者が膨大な富をかき集め、戦争で人命を犠牲にして輸送コンテナを守ると歴史上最強力な帝国が宣言する世界に。

 これが正常だなどと、これら病んだ変人連中に人々を説得させてはならない。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/01/23/the-biden-administrations-absurd-justification-for-its-yemen-war/

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 西欧にも、まれに、イスラエルによる虐殺へのEU加担を批判する政治家がいる。
 アイルランドのClare Daly議員とMick Wallace議員。

The Irish MEPs who call out EU's role in genocide 23:16

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

WP記事「植物は危険にさらされた時、どの様に相互に通信するか」、木が「話す」という考えは 1980 年代に実験の上に根付き始めた。30~40メートル互いに離れた場所、昆虫の侵入の際、損傷した木と同種の健康な木も備えるために同じ防御を実施:「Ca2+」

 日刊IWJガイド

「能登半島沖ではM8.1の地震が予測されていたのに、谷本前石川県知事は『震災が少ない地域』と企業や新幹線誘致を優先していた!」

はじめに~昨日朝、東京や神奈川を襲った震度4の地震! 東京湾が震源! 能登半島沖では2012年に石川県がM8.1の地震が起こると予測していたにもかかわらず、谷本正憲前知事は石川県を「震災が少ない地域」とアピール! 企業や新幹線誘致を優先か!? 政府も南海トラフばかりを強調し、他地域が安全であるかのような「地震動予測地図」を発表していた!! 巨大地震は日本全国どこでも発生する!!

2024年1月早々、IWJはピンチです!! IWJへの緊急支援をお願いいたします! 1月は25日までに、112件、132万9400円のご寄付をいただきました。この金額は月間目標額400万円の33%であり、1月のあと3日間で67%が必要です! 新年早々ピンチに見舞われましたが、IWJは独立メディアとして、市民の皆さまに真実を伝え続けていきます! そのためには、皆さまのご支持とご支援が何よりも必要です! 1月こそ月間目標額400万円に届きますように、どうぞよろしくお願い申し上げます!

最悪のタイミングで、新型コロナウイルス感染症第10波! 9週連続で患者数が急増! 新変異株「JN.1」が猛威! コロナ感染拡大と同時に呼吸器感染症も急増! 理研・京大の共同研究グループは、感染が長引くことで「心不全パンデミック」が起きる懸念もあると警鐘! 厳寒の能登半島地震による避難所でも感染の「アウトブレーク」が始まりかけている!? 国家的対応が必要! ウクライナに50億円出している場合か!?

国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに対して「パレスチナのガザ地区でジェノサイドを防止するためにあらゆる措置を講じる」よう命じる仮処分命令! 17人の裁判官のうち米国や日本を含む15人の裁判官が支持! ただし「停戦」は盛り込まれず、「ジェノサイド」判断は保留! それでも、ガザのアル・アクサ大学のハイダル・イード准教授は「新しい世界秩序が作られつつある」と、暫定判決の影響に期待! 上川陽子外務大臣もICJの判決を支持すると表明!

<【IWJ号外】を出しました>「ミアシャイマー教授が、国際司法裁判所がガザにおける虐殺をめぐる南アフリカとイスラエルの裁判について下した暫定判決に『ICJの命令は、イスラエルの評判に深く永続的な汚点を残すだろう』!」また、南アフリカがICJに提出した84ページの申請書の、IWJによる仮訳へのボランティア募集に、2名の方からご応募がありました!

<復刻連載>岩上安身が1988年に、志賀原発(当時の名称は「能登原発」)建設着工直前の能登半島を取材していた! この重要なレポート『能登原発”闇の開発史”~原発に勝者なし。ともに滅びるのみ』を、5回に分けて日刊IWJガイドで復刻連載!(第2回)「幻の住民投票とデッチ上げ換地総会」「海洋調査に立ちはだかった西海漁協」

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