サウジアラビア・湾岸諸国

2024年12月11日 (水)

シリア崩壊

2024年12月9日
Moon of Alabama

 シリアが崩壊した。

 シリア - 勝者なのか敗者なのか、それとも、その両方なのか

 この国が崩壊する可能性は今や非常に高い。国外および国内関係者は、それぞれ可能な限り遺骸の多くの部分を捕獲したり支配したりしようとするだろう。

 そこから何年にもわたる混乱と争いが続くことになるだろう。

 イスラエルはシリア領土を更に広範囲に奪取している。シリアの都市クネイトラを制圧し、クネイトラ地域のアル・カハタニヤとアル・ハミディヤの町も制圧した。またシリアのヘルモン山にも進攻し、現在シリア首都から僅か30キロ地点(上空)にいる。

 また、イスラエルは射程圏内のシリア軍備貯蔵施設を爆撃して、シリアの非武装化を更に進めている。主な標的は防空陣地と揚陸艦だ。今後何年もシリア、あるいはシリアから発展する国は、外部からの攻撃に対して完全に無防備状態になるだろう。

 今のところイスラエルは、シリアで大勝利を収めている。だが落ち着きのないジハード主義者連中が今や国境に迫っており、この状況がいつまで続くかはまだ分からない。

 シリアの中央砂漠をアメリカは爆撃している。ISISを攻撃していると主張しているが、本当の標的は、アメリカが支配するシリア東部とイスラエルが支配する南西部とのつながりを阻止する可能性がある全ての現地(アラブ)抵抗勢力だ。このつながりを更に強化して、川から海までシオニストが支配するエレツ・イスラエル国家を建設する計画のる可能性は十分にある。

 シリア攻撃において、トルコはこれまでも、そしてこれからも大きな役割を果たし続ける。トルコは「シリア国民軍」(旧自由シリア軍)に資金提供し、支配しており、主にシリア国内のクルド人分離主義者との戦いに利用している。

 トルコには300万から500万人のシリア難民がいるが、国王志望者のエルドアン大統領は国内政治的理由から彼らがシリアに帰国するのを望んでいる。だが混乱が拡大しているため、それは許されないだろう。

 トルコはアルカイダから派生したハヤト・タハリール・アル・シャムを育成し、アレッポを占領するよう圧力をかけてきた。この組織がこれほど成功するとはトルコは予想していなかった。シリア陥落は、アメリカがシリアを支配しつつある今、トルコにとって問題となっている。トルコが何をしようと、控えめに言っても、ワシントンは必ずしも両立しない国益のためにHTSを利用しようとするだろう。

 トルコにとって主目的は、トルコ国内のクルド人反乱軍と、彼らを支援するシリアのクルド人だ。クルド人はシリア民主軍として組織されており、アメリカが支援し、支配している。SDFは既にエルドアンのSNAと戦っており、シリアにトルコが更に侵入すれば、彼らは対抗することになるだろう。

 シリア東部でアメリカ占領軍の支援を受けているSDFは、シリア東部の主要石油、ガス、小麦産地を掌握している。ダマスカスで支配したいと望む者は、国家財政を支えるため、これらの資源を自由に得ちれる必要がある。

 HTS指導者アブ・モハメド・アル・ゴラニは、1,000万ドルの賞金が懸けられているにもかかわらず、現在、シリア統一と寛容の新指導者として欧米メディアに取り上げられている。だが彼のHTS自体は様々な国々の強硬派ジハード主義者の連合体だ。略奪できるものがシリアにはほとんど残っておらず、それら資源が尽きれば、すぐにHTS内で戦闘が始まるだろう。ダマスカスのシーア派やキリスト教の聖地を略奪し始めた同志の宗派的衝動を、アル・ゴラニは制御できるのだろうか。

 ここ数年、ロシアはアサド政権に見かけほど注力していなかった。アサドがほとんど役に立たないパートナーになったのをロシアは知っていた。ラタキア県フメイミムにあるロシアの地中海基地は、ロシアにとってアフリカへの足掛かりとなっている。シリア新指導者には、ロシアを追い出すようアメリカから圧力がかかるだろう。だが、シリア新指導者は、賢明なら、ロシアを留めておきたいと思うはずだ。いずれ必要になった時に代わりの選択肢を持つことは決して悪いことではない。ロシアは今後何年もラタキアに留まるかもしれない。

 シリア陥落により、イランはイスラエルに対する抵抗枢軸の主要部分を失った。レバノンのヒズボラが提供していた前線防衛は今や崩壊している。

 かつてペンタゴンでした会話について、元将軍ウェズリー・クラークは以下のように報じていた。  
「これは、イラクから始まり、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイランまで、7カ国を5年で、どう排除するかを記したメモだ。」
 現在までに、あの有名なメモに記された7カ国中6カ国は混乱に陥っている。イランは、これまでのところ、その計画から唯一生き残っている。イランは緊急に国内防衛力を更に強化する必要がある。今こそ、イランが本物の核兵器を手に入れるべき時だ。

 トランプ新政権は中国を最大の敵とみなしている。退任するバイデン政権は、シリア(とウクライナ)を混乱に陥れて、確実にトランプが中東(と東ヨーロッパ)に関与し続けるようにした。

 アメリカの大規模「アジア回帰」は再び待たねばならない。これにより中国は勢力圏を築くための時間が増える。中国はおそらくこの件で勝利を収めた唯一の大国だろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/12/syria-winner-and-losers-or-both.html

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 ノーベル賞受賞の演説を見ながら、大昔、オスロに出張したことを思い出した。
 グランド・ホテルに宿泊した。
 顧客にホルメンコーレン・スキー・ジャンプ場のレストランで鹿肉ステーキをご馳走になった。
 翌日、ムンク美術館に行った。「叫び」を含むムンク作品を鑑賞したが他の訪問者皆無。

 The Chris Hedges Report
Letter to Refaat Alareer
 A year ago on Dec. 6, 2023 Israel murdered Palestinian poet Refaat Alareer in Gaza. His poems, however, remain, condemning his killers and beseeching us to honor our shared humanity.

 Chris Hedges
 Dec 11, 2024

 藤永茂氏の「私の闇の奥」最新記事
シリア哀悼
 ≪櫻井ジャーナル≫
シリア全土でHTS戦闘員による虐殺が行われていると報告され始めた
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米国の対中禁輸措置に対抗し、中国はガリウム、ゲルマニウム、黒鉛、アンチモンの対米禁輸を決め、第三国が輸入し米国に回すことも禁止。中国の重要鉱物禁輸措置は予想以上に厳しい。但し中国側は交渉で妥協を図る余地も残す。米国の同盟国にも厳しい状況がくるであろう(NYT)

2024年12月 9日 (月)

クレイグ・マレー - 中東における多元主義の終焉

2024年12月7日
Moon of Alabama

クレイグ・マレーcraigmurray.org.ukから転載

 中東では本当に劇的な変化が実に急激に起きているようだ。核心にあるのは悪魔の取引だ。シリアとレバノンのシーア派少数派の絶滅と東アラブ世界へのサラフィー主義の押し付けと引き換えに、パレスチナ国家の絶滅と大イスラエル創設をトルコと湾岸諸国は受け入れている。

 これはまた、レバノンとシリアのキリスト教共同体の終焉を意味するもので、現在アレッポではクリスマスの飾りが全て破壊され、アルコール飲料が全て破壊され、女性にベールが強制的に着用させていることからもそれがわかる。

 昨日、シリア政府の要請でイラクからシリアへ向かっていた増援部隊を米軍のウォートホッグ(イボイノシシ)空対地戦闘機が攻撃し大幅に消耗させた。シリア軍事施設に対するイスラエルの何ヶ月にもわたる毎日の絶え間ない空爆がシリア政府のシリア・アラブ軍の士気低下と戦力低下の大きな要因で、アレッポとハマでシリア・アラブ軍は完全消滅した。

 シリアで情勢が好転するとは到底考えられない。今、シリアの基地を地上部隊で大規模増強するか撤退するかのどちらかをロシアは迫られている。ウクライナの緊急事態に直面して、ロシアは後者を選択する可能性があり、ロシア海軍は既にタルトゥースを出港したと報じられている。

 シリア崩壊の速度には誰もが驚いている。状況が安定しなければ、ISISの進撃の速度と移動距離の短さを考えれば、一週間以内にダマスカスが包囲され、ベカー高原の丘陵地帯にISISが戻ってくる可能性がある。

 そうなれば、サラフィー主義者のベッカー高原侵攻と同時期にイスラエルが南レバノンに新たな攻撃を仕掛けるのは避けられないように思われる。タリバン式のシリア領土を持つ新たな隣国との国境をできるだけ北にしたいとイスラエルは明らかに望んでいるためだ。既に、アメリカが一体誰がそこを得るか画策していない限り、ベイルートを巡る争いになるかもしれない。

 対シリア攻撃がレバノンとイスラエル停戦の日に始まったのは偶然ではない。ヒズボラは、イスラエルから執拗な空爆を受け、イスラエルとの戦いで疲弊しているいるにもかかわらず、ジハード勢力は、イスラエル共に戦っているとは見られたくないのだ。

 イギリス・メディアと異なり、言ってはならないことを言うのに、タイムズ・オブ・イスラエルは何の躊躇もしない。



 実際、イスラエル・メディアは今のところ、シリア反政府勢力についてイギリスやアメリカのメディアより、ずっと多くの真実を伝えている。これはイスラエル・タイムズの別記事だ。  
HTSは2016年に正式にアルカイダから離脱したが戦闘員数万人を擁し、アメリカ、EUや他の国々でテロ組織に指定されているサラフィー主義ジハード組織であり続けている。

 突然の増派によってシリアが占領されればイスラム主義のタリバンのような政権に変貌し、南西国境のイスラエルに影響を及ぼすのではないかという懸念が生じている。だが、この攻勢は、イスラエルにとっては前向きな展開で、地域におけるイラン枢軸への更なる打撃となると見る者もいる。
これを、テレグラフ紙やエクスプレス紙からガーディアン紙に至るイギリス・メディアが、欧米諸国のジャーナリストを含む非スンニ派の大量拷問や処刑に関与した同じ組織だけでなく、同じ人々が、今や甘やかされたリベラル派だという公式見解を広めてきたことと比較しよう。

 このことは、現在欧米メディアで穏健派指導者として持ちあげられているアブ・モハメド・アル・ジョラニ(アル・ジュラニ、アル・ゴラニとも表記される)の場合ほど明白な例はない。彼はISIS副指導者だったが、CIAは実際彼の首に1000万ドルの賞金をかけている! そう彼に資金と装備を提供し、航空支援を与えているのも、まさにCIAだ。

 イスラエルとアメリカの支援を受けていることを、シリア反政府勢力支持者は、いまだに否定しようとしている。しかし、ほぼ10年前に、その時点で5億ドル以上が、シリア反政府勢力支援に費やされ、ジハード主義者に、医療やその他のサービスや効果的航空支援をイスラエルは公然と提供してきたというアメリカ議会の公開証言があった。

 シリアの聖戦集団に対するNATOとイスラエルの共同支援の興味深い結果の一つは、国内法の更なる歪曲だ。イギリスを例に挙げれば、テロ対策法第12条では、禁止された組織を支持する、または、他者にその組織を支持するよう導く可能性がある意見を述べることは違法だ。

 イギリス警察が、この規定を悪用し、禁止されている組織ハマスとヒズボラへの支援を奨励したとしてパレスチナ支持者を迫害しているのは有名で、ほんの少し言及しただけでも逮捕につながっている。サラ・ウィルキンソン、リチャード・メドハースト、アサ・ウィンスタンリー、リチャード・バーナード、そして私自身、いずれも著名な被害者で、この迫害はキール・スターマー首相により大幅に激化している。

 しかし、ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)もイギリスでは禁止されている団体だ。しかし、イギリスの主流メディアやイギリスのイスラム系メディアは、どちらも、一週間にわたりHTSを公然と宣伝し賞賛してきた。率直に言って、イギリスでハマスやヒズボラを支持する人を見たことがある人よりも遙かに公然とだ。そしてイギリス警察に逮捕された人や警告を受けた人は一人もいない。




 それ自体、欧米諸国の治安機関がシリアに対する現在の攻撃を全面的に支援していることを示す最も強力な兆候だ。

 念のため言っておくが、私はこれはひどい法律だと思うし、どちらにせよ、意見を表明したからといって、誰も起訴されるべきではない。しかし、この法律の適用が政治的に偏っていることは否定できない。

 欧米諸国の商業メディアと国営メディア全体が、HTSによりアサド政権の圧政から解放されてシリア国民が大喜びしているという統一した報道を展開し、それに伴うシーア派の拷問や処刑、クリスマスの飾りや聖像破壊については一切言及しないのだから、これがどこから来ているのかは誰の目にも明らかなはずだ。

 しかし、これはイギリス国内でのもう一つの反響だが、イギリスでは相当数のイスラム教徒がHTSとシリア反政府勢力を支持している。これは、サウジやアラブ首長国連邦のサラフィー主義者からイギリスのモスクに資金が注ぎ込まれているためだ。これは承認された宗教指導者に利益をもたらす公的支援プログラムや「シンクタンク」や忌まわしい強制的なPreventプログラム両方を通じて、モスクを通じて行使されるイギリス治安当局の影響力と結びついている。

 ミドル・イースト・アイやファイブ・ピラーズなど、表面上親パレスチナ派のイギリス・イスラム系メディアは、パレスチナ人虐殺への抵抗勢力の壊滅を確実にするイスラエルのシリア同盟国を熱烈に支持している。アルジャジーラは、パレスチナでの恐ろしい虐殺の詳細を伝える記事と、イスラエルと同盟を組んだシリアの統治をシリアにもたらしているシリア反政府勢力を称賛する記事を交互に放送している。

 彼らがこの問題を解決するために採用している手段の一つは、イランからヒズボラへの武器供給を可能にするシリアの重要な役割を認めないことだ。この供給は今やジハード主義者に遮断されており、イスラエルにとって非常に喜ばしいことに、イスラエルとアメリカの空爆と連携して行われている。

 結局、中東と西洋の多くのスンニ派イスラム教徒にとって、パレスチナ国家の最終的破壊を防ぐことよりも、シーア派に対する宗派的憎悪とサラフィー主義の押し付けの方が強いように思われる。

 私はイスラム教徒ではない。イスラム教徒の私の友人は、ほとんどスンニ派だ。千年以上も前の宗教指導者を巡って分裂が続いていることは何の役にや立たず、不必要な憎しみの根源だと私は個人的に考えている。

 だが、何世紀にもわたり、スンニ派とシーア派の分裂を、西洋植民地勢力が意識的に、明示的に利用して分割統治をしてきたことを私は歴史家として知っている。1830年代、シインドにおけるシーア派支配者とスンニ派住民の分裂をイギリス植民地拡大に役立てる方法についてアレクサンダー・バーンズが報告書を書いていた。

 1838年5月12日、アフガニスタンへの最初のイギリス侵攻を開始する決定を述べたシムラーからの手紙の中で、イギリス総督オークランド卿はインドとアフガニスタン両国におけるシーア派とスンニ派の分裂を利用してイギリス軍の攻撃を支援する計画を盛り込んだ。

 何世紀にもわたり、植民地勢力はこれを行っており、イスラム教共同体はそれに騙され続けており、中東の改造を進めるためにイギリスとアメリカは現在これを行っている。

 簡単に言えば、ガザ地区の圧倒的多数を占めるスンニ派住民に対して現在大量虐殺を行っている連中よりもシーア派イスラム教徒を憎むよう、多くのスンニ派イスラム教徒は洗脳されているのだ。

 私がイギリスに言及したのは、ブラックバーンの選挙運動中に、これを直接目撃したからだ。だがイスラム世界全体でも同じことが言える。パレスチナ人の大量虐殺を阻止するために、スンニ派イスラム教徒主導の国々は指一本動かしていない。

 彼らの指導部は、反シーア派宗派主義を利用して、実際抵抗の実際的支援をパレスチナ人に与えようとしている唯一の集団であるイラン、フーシ派、ヒズボラに対抗し、イスラエルとの事実上の同盟に対する国民の支持を維持しようとしている。そして物資供給を容易にしたシリア政府にも対抗している。

 暗黙ながら、非常に現実的な合意は次の通りだ。パレスチナ国家全体の消滅と大イスラエルの形成をスンニ派勢力は受け入れるが、その見返りとして、イスラエルとNATOに支援される軍隊(トルコを含む)がシリアとレバノンのシーア派共同体を絶滅させるのだ。

 もちろん、この大同盟には矛盾もある。イラクにおけるアメリカのクルド人同盟者が、シリアのクルド人集団をトルコが破壊したのを喜ぶ可能性は低い。これは、トルコがシリア打倒で非常に積極的な軍事的役割を果たしたことで、エルドアン大統領が得た利益で、油田に対するトルコの支配を更に拡大したことによるものだ。

 イランに友好的なイラク政府は、自分たちが次の標的だと認識しており、自国の大部分をアメリカが占領し続けるのを受け入れるのは更に困難になるだろう。

 レバノン軍はアメリカ支配下にあり、イスラエルとの悲惨な停戦に合意するには、ヒズボラは大きく弱体化していたに違いない。伝統的にイスラエルと同盟を結んでいたキリスト教ファシスト民兵はベイルート各地で益々目立っているが、彼らが北のジハード主義者と手を組むほど愚かかどうかは疑問かもしれない。だがシリアが完全にジハード主義者の支配下に陥れば ― それはすぐに起きるかもしれない ― レバノンもすぐ、それに追随し、サラフィー主義の大シリアに統合される可能性も否定できない。

 ヨルダンのパレスチナ人がこの悲惨な事態にどう反応するかは定かではない。大イスラエル計画のもと、民族浄化されたヨルダン川西岸のパレスチナ人の行き先として指定されているのは、イギリス傀儡のハシミテ王国だ。

 これら全てが意味するのは、レバントにおける多元主義の終焉と、それが優越主義に置き換わることだ。民族優越主義の大イスラエルと宗教優越主義のサラフィー主義の大シリアだ。

 多くの読者と違い、私はアサド政権のファンだったこともなければ、その人権侵害に目をつぶったこともない。だがアサド政権が確実に成し遂げたのは、スンニ派(多くのスンニ派はアサドを支持している)、シーア派、アラウィー派、初期キリスト教徒の子孫や、イエスの言語であるアラム語話者を含む最も素晴らしい歴史的宗教と共同体の伝統が全て共存できる多元主義国家の維持だ。

 レバノンも同様だ。

 我々が目撃しているのは、その破壊とサウジアラビア式支配の押し付けだ。クリスマスツリーから語学教室、ワイン醸造、ベールを脱ぐ女性まで、多元主義を示すあらゆる小さな文化的物事がアレッポで破壊されたばかりで、ダマスカスからベイルートまで破壊される可能性がある。

 アサド反対派の中には真の自由民主主義者はいないと私は言わない。だが彼らの軍事的重要性は無視できるほど小さく、彼らが新政府に影響力を持つという考えは妄想だ。

 多元主義国家を装っていたイスラエルで、仮面は剥がされている。イスラム教徒の礼拝の呼びかけが禁止されたばかりだ。ネタニヤフ首相と大量虐殺を批判したためクネセト(議会)のアラブ系少数派議員は議員資格を剥奪された。不法占領地域だけでなく「イスラエル国」自体でもアパルトヘイトを強制するための壁や門が日々建設されている。

 告白するが、かつて私はヒズボラ自体、宗教至上主義の組織だという印象を持っていた。指導者の服装やスタイルは神政主義的に見えた。その後、私はここへ来て、数十年ヒズボラが選出した地方政府下にあったティルスなどの場所を訪れ、海岸で水着やアルコールが許可され、ベールが任意な一方、そこには全く妨害されないキリスト教徒共同会があると知った。

 私はもうガザに行くことはないだろうが、ハマスの支配にも同じように驚いたかもしれないと思う。

 中東全域で宗教的過激主義を推進し、欧米の規範に似た社会的多元主義の終焉を推進しているのはアメリカだ。これはもちろん、イスラエルとサウジアラビアという二つの宗教至上主義の中心地とアメリカが同盟を結んでいる直接的な結果だ。

 多元主義を破壊しているのはアメリカで、多元主義を守っているのはイランと同盟諸国だ。ここに来なければ、私はこれをはっきり見ることができなかっただろう。しかし、一度見れば、目もくらむほど明白だ。

ベイルート 2024年12月6日

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 クレイグの活動をご支援願いたい

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/12/craig-murray-the-end-of-pluralism-in-the-middle-east-.html#more

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2024年4月22日 (月)

イランとサウジアラビア - 東を見据えた共通の未来

2024年4月17日
Moon of Alabama

 2023年3月、イランとサウジアラビアは国交を回復した。この合意には中国が仲介していた。

 私は当時こう述べた

 これはすごい!
...
 サウジアラビアとイランの関係回復により、多くの新しいことが可能になるだろう。

 イランとサウジアラビアが中国の仲介を受け入れたのは、世界政策上、中国の新たな立場を認めたことになる。それだけでもホワイトハウスがこの協定を嫌う十分な理由だ。

 後に私は、中東における、この外交行動を、こう要約した

 過去30年間、アメリカは中東を自分の裏庭と考えていた。20年前、イラクに不法侵略し、10万人の死者と数十年にわたる混乱を引き起こした。今や中国は平和的手段によって、わずか1か月以内に中東の精力バランスを変えた。
...
 現在、習とプーチンが多極世界の采配を振っている。バイデンと周囲の、あわれな「一極」連中は排除されている。

 全てをペルシア語、アラビア語、英語に翻訳するAmwaj.mediaは、イランとサウジアラビアの二人の学者が書いたに記事を公開した。このような協力は希なことだ。この記事は、この二国の世界政策の半公式説明および/または構想と見なせる。

 この記事は中東におけるアメリカの影響力喪失と中国の役割の台頭を裏付けている。

 ガザ戦争が、この地域を、いかに東方に押しやりつつあるか

 イスラエルの対ガザ戦争へのアメリカの揺るぎない支援は、この地域に悪い印象を与えている。イスラエルの継続的猛攻撃に対する欧米の二重基準と見なされるものに対して、アラブ世界だけでなく、グローバル・サウス全域で怒りが高まっている。一致した停戦要求と、歯止めの利かないイスラエル侵略と見なされているものに対する鋭い批判がある。
...
 近年の地域力学の主な傾向の一つは東方への方向転換だ。イランとサウジアラビアは2023年3月、中国の仲介による歴史的協定で外交関係を再開する協定を結び、この変化を浮き彫りにした。特に、この飛躍的進展における中国の役割は、アメリカがこの地域における唯一の外交上の有力者ではないという明確なメッセージをワシントンに送った

 イランもサウジアラビアも近隣諸国との関係改善を優先するそれぞれの理由がある。テヘランにとって、リヤドへの接近は、 経済的・政治的提携を多様化し、長年にわたるアメリカ制裁に耐えた後、経済的孤立から脱出する、またとない好機なのだ。 ...
 サウジアラビアにとって、東に目を向けることは、経済の多角化を目的とした広範な改革計画である野心的なビジョン2030の一環だ。リヤドとの広範な貿易関係を考慮すると、中国、インド、ロシアはこのビジョンを実現するための重要パートナーだ。 [...]

 全体として、ビジョン2030の成功、特に観光面での成功は、地域の安全性に部分的に依存していることをリヤドは理解している。2019年のサウジアラビア石油施設への攻撃はイラン政府の仕業とされたが、フーシ派として知られるイエメンのアンサール・アッラーが実行を主張して、転機となった。

 アメリカによる行動の欠如にサウジアラビア王国は衝撃を受けた

 アラブ諸国とイスラエルを反イラン連合に結集させるアメリカの計画は、アメリカが二国家解決を追求するようイスラエルに圧力をかけなかったため拒否されたと学者らは書いている。

 その結果

 この地域諸国内で安全保障パートナーとしての地位をアメリカは失いつつある。多くの人々にとって、イスラエルに対する欧米諸国の本格的支援は理解不能で、諸国の安全を危険にさらす。

 全体として、アジアに軸足を移すことが、アメリカ覇権に対抗しようとする地域諸国にとって魅力的な選択肢になっている。非欧米諸国は ワシントンのゲーム・ルールに従うのにあまり積極的ではなく、特に主要諸国が互いに違いより類似点を見いだす中、この傾向は地域内関係を一層強化するだろう。

 アメリカの二重基準に対する認識は新しいものではないが、世界秩序が変化しつつある中、これに異議を唱える非欧米諸国の意欲が高まっている。以前は、アメリカが唯一の超大国とみなされていたために地域諸国は現状を黙認していた。しかし東側での新たな世界大国の台頭により、ロシアの対ウクライナ戦争に関するアメリカの道徳的主張を受動的に受け入れながら、ガザの苦しみについて沈黙を守る理由はないと、これら諸国は考えている。現在の傾向が続けば、この地域において長年支配的だった欧米の影響力は減少するだろう

 これは、サウジ・イスラエル合意を仲介することで、イランを孤立させることが可能だと未だに夢想しているバイデン政権にとって、かなり痛手だ。

 アメリカが中東に対して独裁できる時代は確実に終わった。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/04/iran-and-saudi-arabia-see-their-common-future-in-the-east.html

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 属国大本営広報部洗脳テレビで御用評論家のホラ話を聞く暇をお持ちなら、例えばマグレガー氏の評論を聞いて頂きたい。

Douglas MacGregor's Warning: U.S. Arms Production in Peril—The Unseen Shockwaves in Ukraine! 11:41

 長周新聞

日本に軍拡迫るアメリカの政策命令書 第6次アーミテージ・レポートの中身とは 自衛隊を統合し米軍下請けに

 今朝の孫崎享氏のメルマガ題名

随想⑰花を愛でる:経済学者・金森久雄氏の言葉、1990年代ロシア経済どん底の時ロシア経済視察に出かけた。ハバロフスクで物資がない時、人々は花を買うため長い行列。これを見て金森氏は「花を愛する国民なら経済は必ず立ち直る」現にその通りになった。

 日刊IWJガイド

「世界史上最大規模のインド総選挙は、モディ首相と、与党の優位が報じられる一方、野党に対する弾圧、イスラム教徒への差別・迫害疑惑も!」

はじめに~インドで、10億人近い有権者による世界史上最大規模の総選挙が始まった! インド選管は「世界最大の民主主義の祭典」と自賛! 現政権であるモディ首相と、「ヒンドゥー至上主義」「ヒンドゥー教ナショナリズム」を掲げて、インド国民の8割を占めるヒンドゥー教徒を取り込んだ与党・インド人民党の優位が報じられる! 他方、野党に対する弾圧、イスラム教徒への差別・迫害疑惑も! イスラム憎悪のために、シオニスト・イスラエルを支持! アーリア人の優越性を主張し、英国と対立したナチスとヒトラーに今も共感! ガンジー、ネルーの流れを汲む名門インド国民会議のラーフル・ガンジー氏は、もはや最後の灯火か?

2024年4月 8日 (月)

サウジアラビアはイスラエルとの関係正常化に向かっているのか?

2024年3月31日
Abbas Hashemite
New Eastern Outlook

 最近の声明で、サウジアラビア王国とイスラエルの国交正常化交渉で「良い進展」があったとアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は述べた。この声明は、ブリンケン国務長官がカイロを訪問し、その後、サウジアラビアを訪問した際に発表された。更に「両国にとってだけでなく、地域全体にとっても歴史的機会となる合意に達せられると信じている」と述べた。時期は明らかにしなかったが、2024年のアメリカ大統領選挙前に大きな突破口が開かれると予想されている。

 イスラエルとサウジアラビアの関係正常化の噂は、アブラハム合意以来、広まっている。しかし世界中のイスラム教徒の強い圧力により、王国は性急な動きを控えていた。サウジアラビアは、イスラエルと秘密の関係にあると非難されることが多い。2017年、ワシントン近東政策研究所の湾岸・エネルギー政策プログラム責任者サイモン・ヘンダーソンは、両国の秘密関係を公然の秘密と呼んだ。

 アメリカが支援する交渉は、サウジアラビア政府とイスラエルの間で既に始まっていたが、ガザでのイスラエル大量虐殺は、この過程を妨害した。中東地域におけるイランの急激な影響力は、イスラエルと湾岸諸国間協力の背後にある主要な推進力だ。双方ともイランを共通の敵とみなしている。イランが支援する代理人は、中東におけるイスラエルとサウジアラビアの利益を等しく侵害している。イランとサウジアラビアの権力闘争は、地域を破壊した。両陣営の対立は、リビアやイエメンやシリアやイラクに大混乱をもたらした。両陣営は、宗派間の断層を利用して、この地域で影響力を得ている。サウジアラビアは、イランが支援するイエメンのシーア派過激派組織フーシ派と長年戦ってきた。

 一方、イスラエルはイランを自国の主権に対する最大の地域的脅威とみなしている。イランはハマスとヒズボラの主要支援国だ。この二つの組織は、長年にわたりイスラエル軍と戦ってきた。イランの核開発は、イスラエルと湾岸諸国の利益を更に危険にさらしている。サウジアラビアは、アメリカによるサウジアラビアへの武器販売制限の緩和とともに、独自核開発への支援を含むアメリカとの防衛協定を模索している。現在のイスラエル・ハマス戦争におけるハマス支援により、地域およびイスラム世界におけるイランの影響力拡大は、王国にとっての脅威を増大させ、後者の行動から発せられる明白な切迫感を引き起こしている。イスラエル国防軍によるガザ地区の無辜の民間人虐殺に対するサウジアラビアの反対がなくなったことは、イスラエルと関係を確立するサウジアラビア当局の意欲と、独立したパレスチナ国家の樹立要求を放棄する用意があることを示している。

 トランプ前大統領のアブラハム合意の締めくくりとして、バイデン政権は、2024年の大統領選挙前にサウジアラビアとの正常化合意の仲介を急いでいる。ガザ地区での大規模抗議行動にもかかわらず、ガザでのイスラエルによる大量虐殺をバイデンが支持したことは、彼の政治的地位に悪影響を及ぼしている。イスラエル・ハマス戦争に対するバイデンの対応にアメリカ人の約57%が不満を表明している。民主党内の人々はバイデンのイスラエル政策を認めていない。最近の予備選挙では、バイデン政権がガザに平和を確立できないことに抗議して、民主党有権者40,000人が「支持なし」を選んだ。アメリカ国民は、ロシア・ウクライナ紛争のバイデンのやり方にも批判的だ。外国への介入は、アメリカの国益に反するとアメリカ国民の大多数は見ている。こうした中、サウジアラビアとイスラエル国交正常化合意は、バイデンの人気をある程度回復させるのに役立つだろう。

 しかし、ガザにおけるイスラエルの最近の戦争犯罪が、それを困難な課題にしている。毎年恒例のアラブ世論調査によると、サウジアラビア・イスラエル国交正常化という考えにアラブ国民の大多数は反対しており、89%はあからさまに敵対している。パレスチナ問題解決なしの両国間和平合意は、独裁政権ゆえに、国内的にはサウジ政府に影響を与えないかもしれない。だが、それは地域レベルと世界レベルで有害と証明されるだろう。

 サウジのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、リベラルな政策により、既に世界中のイスラム教徒から批判されている。国交正常化協定は、王国の多くの経済的利益に資する。また王国の技術進歩にも役立つ。しかし、サウジ政府がパレスチナ問題で何らかの妥協をすれば、イランが支援する代理人を強化し、地域におけるイランの影響力を更に高めることになる。更に、サウジアラビア・イエメン国境での緊張も高まる可能性がある。フーシ派やヒズボラのような代理集団は中東におけるサウジアラビアの権益を脅かすことができる。他方、そのような合意の結果、パレスチナの人々の窮状は更に悪化するだろう。サウジアラビアとの関係正常化後、パレスチナ人に対し、イスラエル国防軍は、より激しく残忍な攻撃を仕掛けるだろう。

 アッバス・ハシミテは地域および世界の地政学的問題の評論家、調査分析専門家。現在フリーの研究者・ジャーナリストとして活動中。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/03/31/saudi-arabia-heading-towards-normalizing-ties-with-israel/

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 The New Atlas  ロシア憎悪の小国が在庫弾薬を送る予定とは言え、ウクライナ軍は弾薬不足で危機状態。弾薬で要員不足は補えない。

Ukraine's Ammunition Crisis Persists as Western Desperation Grows 37:10

 植草一秀の『知られざる真実』

川勝知事総攻撃の醜悪な顔ぶれ

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

随想⑮東京に出るのを勧めますか:私の母校は金大付属高校。数年前講演。この高校はかつて、東大に20名位の合格者し全国でも20位の時もあった。高校の先生は次の依頼をした。「最近高校生が東京の大学を受けようとせずに、地元に残る。何とか東京に出る魅力を生徒に話していただけませんか」

 日刊IWJガイド

「ガザ難民への食糧支援の米NGOへのイスラエル軍の攻撃で米国側の姿勢が急変! その理由は、死亡者のうち6人が白人だったから!?」

【本日のニュースの一撃!】

【第1弾! エルサレムで大規模デモ! 総選挙実施や兵役平等化を要求!】ネタニヤフ政権の支持者でイスラエル社会の変化を鍵を握る超正統派ユダヤ教徒たちは、徹底した徴兵拒否者!(『ニューヨーク・タイムズ』、2024年4月2日ほか)

<IWJ取材報告 1>岡本厚氏「パレスチナの即時停戦については市民運動も平和運動も大体一致するが、ウクライナの停戦についてだけは、なお賛成・反対入り乱れている」~4.1 今こそ停戦を Cease All Fire Now!「停戦をためらう構造について」シンポジウム5

<IWJ取材報告 2>政府がウクライナへ1492億円を拠出!「最終的に対ロシア戦争まで覚悟しているのか?」とのIWJ記者の質問に「自らの安全保障問題として対露制裁とウクライナ支援を行ってきた」と上川大臣!!~4.5上川陽子 外務大臣 定例記者会見

2024年2月 8日 (木)

中東でのアメリカ駐留を終わらせる

2024年2月3日
Moon of Alabama

 全く愚かにもバイデン政権は中東全域で(もう一つ)本格戦争を始めようとしている。

米国、ヨルダン基地への致命的攻撃で報復攻撃開始 - Washington Post - 2024年2月3日
この作戦は、イラン軍と関連組織が使用しているイラクとシリアの多数の拠点を標的とし、先週末の米軍兵士の殺害に続くものだ

>金曜日、アメリカ軍は、イラクとシリアのイランの強力な軍事部門と関連民兵組織に対する広範な攻撃を開始し、ヨルダンでのアメリカ兵士殺害と、中東全域での暴力急増に対し、ワシントンが非難している武装集団に打撃を与えた。<

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ダニエル・マクアダムス @DanielLMcAdams - 2024年2月3日 11:01 UTC

バイデン政権は、ISISと戦っていたイラク旅団の武器を文字通り全て爆破した!
少し考えて見よう...

  Hawkeye1812Z @Hawkeye1745 2024年2月2日 22:09 UTC

  🇺🇸💥🇮🇶映像はイラク・アンバール州で米軍攻撃の標的となったアンバール作戦司令部と第13ハシュド・アル・シャアビ旅団司令
  部の爆発を映している

  つまり、ISISと戦っている部隊だ...🤔
  埋め込み動画

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アントニー・ブリンケン国務長官 @SecBlinken - 2024年2月2日 21:01 UTC

私は来週中東に戻り、イスラエル人とパレスチナ人双方に永続的な安全を確保し、この地域で永続的平和を達成する方法についてパートナーと引き続き協力する。

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バイデン大統領 @POTUS - 2024年2月2日 22:45 UTC

今日、私の指示で、米軍はイラクとシリアの標的を攻撃し、IRGCと関連民兵が米軍を攻撃するために使用しました。

我々は、中東や世界の他の場所での紛争を望んでいない。

しかし、我々に危害を加えようとする全ての者に対し、それに応える。

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エリアフ・J・マニエ @ejmalrai - 2024年2月3日 14:11 UTC

アメリカ:中東での戦争をエスカレートさせたくはないが、イエメンを爆撃し、10人のイエメン人を殺害し、シリアとイラクを爆撃し、16人のイラク人、7人のシリア人を殺害したが、今後数日中に更に爆撃するので、エスカレートを緩和しろ。その間、我々はガザを爆撃するためイスラエルに爆弾を送っている。

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 2020年、アメリカがガセム・ソレイマニ司令官を暗殺した後、その結果、中東におけるアメリカのプレゼンスは終るとイラン指導部が発表した。以来、イランと同盟諸国は、その目的を達成するため熱心に準備してきた。

 このプロセス自体のホットな段階は、主に10月7日にハマスにより開始された(10月2日のシオニスト入植者によるアル・アクサ・モスク冒涜の後)。第2段階と第3段階は、イエメンのアンサール・アッラーとイラクのカタイブ・ヒズボラにより開始された。

 いずれの場合もアメリカと代理人イスラエルは厳しいエスカレーションで対応した。

 それは彼らが犯し得る最大の過ちだった。

アジトパパ @agitpapa - 2024年2月3日 15:07 UTC

ハラカット・アル・ヌジャバPMFは、アメリカ空爆に敗北したり、鎮圧されたりすることはないと宣言し、武力でアメリカに謙虚さを教えると誓っている。
添付画像

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シリア軍声明:アメリカ占領は持続できない - アルマヤディーン - 2024年2月3日
シリア軍は声明の中で、シリアとイラクでアメリカがISIS復活に取り組んでいると強調している。

> 声明はまた、シリア軍は、シリアの領土と国民を守り続け、彼らのスポンサーや支持者がこの目標をどれだけ妨害しようとも、全てのテロ集団リスを攻撃すると確認した。更に、シリア全土を、アメリカによる占領を含むあらゆるテロや占領から解放する決意を固めていると付け加えた<

 抵抗枢軸は中東全域に存在する。独自の経済的、社会的ネットワークがある。独自の武器を生産し、その戦闘員は現地の状況下で戦うために良く訓練されている。これはアメリカが打ち負かせない敵だ。

 アーロン・マテは次のように説明している

ガザ大虐殺に対抗して米軍を攻撃するというこれら集団の決定は、アメリカとイスラエルの共同攻撃に抵抗する、あるいは中東における「アメリカとイスラエルの影響力を押し返す」取り組みと本誌が表現する定着したパターンに従っている。レバノンのヒズボラ、イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)、イラクのPMU、パレスチナのハマス/イスラム聖戦、シリア政府など、イランの主要地域同盟者は、全て単なるイランの「代理人」に過ぎないというアメリカの主張に反し、これら集団は「独自の国内目標を持ち、ある程度自治権を持って活動している」と同紙は指摘している。アメリカ人諜報専門家ブライアン・カッツも同意見だ。イランの同盟者は「もはや単なるイラン代理人ではない」とカッツは書いている。「むしろ、イデオロギー的に連携し、軍事的に相互依存し、相互防衛に献身する成熟した政治的・軍事的当事者の集合体となっている」

 この対立は、ここしばらく、弱火で沸騰している。

ワシントン・ポスト紙が指摘している通り、この地域のイラン同盟者は「最大限の圧力」というタカ派的政策の一環として、「2018年、当時のドナルド・トランプ大統領がテヘランとの画期的核合意からアメリカを離脱させた後、アメリカ権益を標的にし始めた」。2021年1月の大統領就任後、バイデンはイラン核合意に戻るのではなく、トランプの思惑を継続し、その過程で故意に米軍を危険にさらしている。

2021年8月、ワシントン・ポスト紙が報じたところでは、バイデンがシリアの民兵組織への「空爆を命じた」際、米軍を収容する施設に民兵が発砲し、米軍が砲撃で応戦する相互暴力の新たな連鎖を引き起こした」という。イスラエルのシリア侵略に対するバイデンの支持も同じ結果をもたらした。ニューヨーク・タイムズ紙が報じたところでは、2021年10月にシリア南部の米軍基地が無人機攻撃を受けた際、アメリカとイスラエル当局は「シリアにおけるイスラエル空爆に対するイランの報復」だと認めた。

2021年8月、アメリカとイスラエルが「単一の劇的攻撃ではなく、軍事的、外交的両方に及ぶいくつかの前線にわたり多くの小さな行動の組み合わせを通じてイランに対抗する」「なぶり殺し」戦略を追求するよう当時のイスラエル首相ナフタリ・ベネットはバイデンに促した。」とAxiosが報じた。狙いは、アメリカ-イスラエル覇権への抵抗の婉曲表現だがイランの「地域侵略」を「元の箱に戻す」ことだ。その目標に向けて、ベネットの重要な要求の一つは「バイデンはイラクとシリアから米軍を撤退させない」ことで、イスラエル代表団はこれに関してかなり「楽観的」に感じた。ベネットはバイデンに「イスラエルを愛し、自分が何を望んでいるのか正確に知っており、我々のニーズに同調する指導者を見いだした」とまくしたてた。

 これら計画とは反対に、中東におけるアメリカのプレゼンスを時間をかけて排除するため、抵抗勢力は少しずつ益々大きな削減を行っている。実に本気だ。

 Black Mountain AnalysisのAleksは次のように書いている

私は今皆様に次のことを理解していただきたいと思う。それは私が望むものでも私の意見でもない。10月7日、抵抗枢軸により戦争が始まった。イスラエルと欧米の中東占領両方に対して始まった。上記通り、全占領軍が中東から撤退したり、イスラエルで二国家解決が実施されたり、中東の全ての人々が死んだりするまで終わるまい...以上、終わり。

私はここに何の感情もこめていない。私はこの地域に投資しているわけではない。これは、この地域で今起きていることの論理的評価だ。シナリオの一つが実現されるまで停止することはない。

 他の諸大国は、既に中東の新たな状況に備えつつある

 2年、3年、あるいは5年、時間をかけて。しかし、思い描いた結果は実現される。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/02/ending-us-presence-in-middle-east.html

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 Scott Ritter Extra

Tucker Madness is Good for America
Scott Ritter
2024/02/08

 Judging Freedom Phil Giraldi対談 ネオコン批判他 17:00あたりにネタニヤフの妄想演説(英語同時通訳)

Phil Giraldi: US Wants to Starve Palestinians 29:12

 《櫻井ジャーナル》

タッカー・カールソンがロシアのプーチン大統領にインタビュー

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

韓国、対中貿易が31年ぶりの赤字、米中貿易摩擦で生じたサプライチェーン(供給網)の大転換と中国製造業の競争力向上が重なった結果だ。韓国は米国主導の対中包囲網に入り対中貿易を抑制したが、中国はこれを乗り切り自国製で確保。結果として韓国の対中貿易減を招く。

 日刊IWJガイド

「米国の独立キャスター、タッカー・カールソン氏、プーチン大統領独占インタビューへ!」

はじめに~タッカー・カールソン氏、プーチン大統領独占インタビューへ! 米国の主要メディア各社が行ったゼレンスキー大統領へのインタビューに対しては、「あれはジャーナリズムではありません。政府のプロパガンダです。もっとも醜悪なプロパガンダです。人々を殺すプロパガンダです」と痛烈に非難! アメリカとウクライナのプロパガンダに、自分の頭で何も考えず、追随してきただけの日本の大手新聞テレビは、タッカー・カールソン氏の「自分の頭で考える」発言に耳を傾けるべき!

2023年10月31日 (火)

中東におけるアメリカ支配に新たな打撃を与えたガザの悲劇

2023年10月24日
Veniamin Popov
New Eastern Outlook

 パレスチナ人を無視しながらの、イスラエルに対するアメリカの揺るぎない支援は、グローバルサウス全体、特にイスラム世界で怒りを引き起こした。

 いくつかの国が反米抗議行動をしたが、それにはアメリカ議事堂も含まれる。数時間、500人の普通のアメリカ人(その多くはユダヤ人だった)が国会議事堂を支配し、パレスチナを救うよう要求した。

 アメリカ政府の行動が非常に悪質だったので、ジュネーブの人権理事会に出席した人々のほとんどが、発言したアメリカ特使に背を向けた。

 これには多々例がある。バイデン政権の「近視眼的で、破壊的で、不当で、我々が公式に支持する価値観と矛盾する」政策決定に至った「一方への無批判な支持」に抗議して、国務省政治軍事局の議会・広報部長を務めていたジョシュ・ポールが辞任した。

 今年10月16日の国連安全保障理事会で、パレスチナとイスラエルの紛争地帯、ガザ地区での人道的停戦に関するロシアの決議草案をアメリカはイギリスとフランスとともに阻止した。

この文書は、民間人の大虐殺や苦しみを止め、捕虜を解放し、飛び地での人道的災害を回避し、紛争が地域の他の国々に広がるのを防ぐための多くの具体的かつ即時の措置を規定していた。非常に微妙な状況を考えると、早急な行動が必要だった。

 ロシア発議を17カ国のアラブ諸国を含む約30カ国が共同提案した。

 その結果、国際の平和と安全の維持を担当する主要機関は、流血に終止符を打ち現在の未曾有の状況に対する解決策の舞台設定に役立つ選択ができなかった。

 アメリカや他の西側諸国の姿勢は、合理的で自然な決定の妨げになった。現在の状況を考えると、この提案は道徳的で、人道目的のため絶対必要だ。

 数百人のパレスチナ人の死をもたらしたアルアハリ病院への壊滅的空爆またはミサイル攻撃は、国連安全保障理事会がガザ地区での人道的停戦に関するロシア提案を支持していれば、おそらく回避できたはずだ。行動を起こさずに過ぎ去る日々は、死者と負傷者数の増加をもたらし、封鎖された地域に閉じ込められ、イスラエルとパレスチナ間の長引く未解決の紛争の人質である民間人の継続的な苦しみをもたらす。

 現在の悲劇的な出来事は、同盟諸国の助けを借りて、中東和平の取り組みをアメリカが独占しているため、アメリカの行動または怠慢の結果だ。

 10月17日、ガザへの人道援助を許可するため戦闘の一時停止を求めながら、イスラエルに対するハマスの攻撃を非難するブラジルが提案した国連安全保障理事会決議(UNSCR)をアメリカは拒否した。アメリカ代表によると草案はイスラエルの自衛権を無視している。決議の文言は安全保障理事会の他の15人のメンバー全員に反対なしに受け入れられた。

 このように、アメリカは、緊張緩和や、状況緩和や、民間人保護を犠牲にして、パートナーのイスラエルを「保護」することが主な関心事であることをまたしても示した。中東中の人々を激怒させたイスラエルとハマス間の紛争に対するアメリカの対応に言及して、「イスラエルに対する断固たる支持がアメリカの偽善への非難を引き起こした」とニューヨーク・タイムズ紙が述べたのは当然のことだ。

 トルコのハカン・フィダン外相によれば、アメリカはこの地域と最後の決別をしようとしているのかも知れない。

 ガザ住民への攻撃は「残酷で凶悪な犯罪」だとサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン・アル・サウード皇太子は表現した。

 2023年10月16日のアルジャジーラ・ウェブサイトによると、ガザのパレスチナ人に対してイスラエルが大量虐殺戦争を繰り広げる中、アメリカは中東で地域警官を演じるのに戻った。その声明を支持するため、バイデン政権は一隻ではなく二隻の空母を派遣し、主要同盟国を攻撃しないように他の国々に警告した。

 アントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官がイスラエルを訪問し、続いて10月17日にバイデン大統領がイスラエルで数時間過ごした。

 10月12日のエジプトのアル・アハラム紙によると、バイデン大統領の「斬首されたイスラエルの赤ん坊」に関するウソは証拠がなかったが、イスラエルを支援するためにアメリカ政府が利用した最も汚い戦術の一つつだった。その結果、アメリカはイスラエルと提携し、「ガザ・イスラエル双方の無辜の民間人に対して地獄の扉を開いた」。

 サウジアラビア・アラブ・ニュースによると、中東での紛争はイスラエル人の命が重要でアラブ人やイスラム教徒の命は重要ではないという欧米道徳の歪んだ理解によって引き起こされている。何千人ものパレスチナ人が殺され、数万人が負傷し、何千もの民間アパートが破壊されたガザ地区で起きている大虐殺をバイデン政権は本当に気にしていない。

 10月19日、更に1000億ドルの援助をイスラエルとウクライナに提供するようバイデン大統領は議会に要請した。二つの紛争をバイデンが人為的に組み合わせたとルモンドは主張している。全ての問題を解決するため武力を行使するというアメリカの飽くなき要求にアメリカ国民は、しかるべく対応してはいない。最近の調査によると、アメリカ人の半数以上が更なる軍事援助に反対しているのは偶然ではない。

 フォーリン・ポリシー誌記事「30年間のアメリカ政策はいかにして大惨事に終わったか」で「アメリカ指導部は、イラク、シリア、スーダン、イエメンで壊滅的戦争をもたらし、レバノンは虫の息で、リビアは無政府状態で、イスラエルに安全はなく、パレスチナ人には安全も正義もない。彼らの狙いが何であれ、アメリカ指導者連中は前向きな結果を達成するのに必要な洞察力や客観性に欠けていることを常に示してきた。」とハーバード大学ロバート・ベルファー・レネー・ベルファー国際関係学のスティーブン・M・ウォルト教授は述べている。

 ヴェニアミン・ポポフはロシアの外務省モスクワ国際関係大学MGIMOの「文明パートナーシップセンター」所長、歴史科学博士候補、オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2023/10/24/the-tragedy-in-gaza-has-dealt-a-fresh-blow-to-us-dominance-in-the-middle-east/

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 Alex Christoforou YouTube 冒頭、戦争女王ヒラリー・クリントン 「今停戦すれば、ハマスが武装強化するだけ」

IDF scales back operation. Dagestan airport PSYOP. Kiev ends gas transit. Scholz Nigeria stream. 45:23

 植草一秀の「知られざる真実」

大増税 隠しきれない岸田首相

 日刊IWJガイド

「10月最終日! 累積赤字と金融機関への返済をあわせた目標額まであと180万8400円必要です! どうかIWJをご支援ください!」

タッカー・カールソン氏によるダグラス・マクレガー元大佐インタビュー「イランとの戦争になると、アメリカはどうなるか?」(前半)「行きつく先は、まさにハルマゲドンだ」、米軍は「最近の歴史の中で、最も弱い位置」にあり、ミサイル戦でもサイバー戦争でも非常に先進的なイランと戦争を始めれば不利な要素も!「イスラエルがガザで計画しているような集団的懲罰を許さない」ロシアとトルコも参戦し、「地域戦争以上のものになる」!

<号外を出しました>昨夜、「BRICSの主要国、インドがイスラエルに対して連帯表明! 長年対立してきたパキスタンはパレスチナを支持! 両核保有国の関係はパレスチナ問題へどのような影響を及ぼすのか!?」を出しました。

2023年8月10日 (木)

岸田首相、ペルシャ湾岸諸国を歴訪し脱炭素化について議論

2023年8月4日
ウラジーミル・テレホフ
New Eastern Outlook

 今年7月16日から18日まで、サウジアラビア王国、アラブ首長国連邦、クウェートの三つのアラブ湾岸諸国を岸田首相が訪問した。2021年秋に就任して以来、世界地政学グレートゲームの現段階で、全ての主要大国にとって戦略的重要性が高まっている地域への彼の初訪問だ。

 炭化水素燃料の燃焼に依存する現在の「炭素依存」経済を、いわゆる「グリーン」経済に置き換える必要性に関するあらゆる話にもかかわらず、主要大国は相変わらず化石燃料の世界の主要供給者である湾岸地域に政治的影響力を確保することに関心を持っている。歴訪について評論家たちが指摘している通り、サウジアラビアとUAEは日本の炭化水素輸入のほぼ80%を占めている。さらに10%は、この地域の他の国々から来る。そして岸田首相歴訪の主な焦点は(「中・長期的に」)炭化水素供給の安定した入手をいかに維持するかという問題だった。

 日本の首相が各国との政治交渉で使うため持参した「贈り物」も、いささか顰蹙をかった。どうやら、交渉の中で、日本は製造過程で使われる革新的「脱炭素技術」を利用できるようにすることを申し出たようだ。しかし炭化水素供給国が長年にわたり炭化水素輸出へのほぼ完全な依存を減らしたい願望は、いくつか誤解があるようだ。

 実際彼らの主な関心事は製造技術の脱炭素化ではなく、より競争力ある製品を製造するため常に最新生産施設を開発することだ。結局、今日、炭化水素の大部分は生産国から遠く離れた場所で燃やされる(そして結果として生じる温室効果ガスが排出される)。したがって、実際の生産者には、行うべき脱炭素化はほとんどない。

 この同じ主題は、世界の大気温度が近年上昇している(明らかに証明された)事実を糧にする国際的「グリーン」運動によって大いに推進されている。しかしこの有害な過程否において、家畜農業を含む様々な人間活動が果たす(とされている)支配的役割は起源が不明な数学モデルによって実証されている。

 この「脱炭素問題」は現代のメディアや政治の場で「新常態」という概念と「公正でない」価値観の背後にある同じ声に推進されているように見える。更に、この両方の思惑の推進は、ヨーロッパや日本の代理人を通じて動く今のアメリカの民主党政権加盟以来、劇的に加速している。実際、これが両方とも実施された場合、世界中の人々に壊滅的結果をもたらす可能性がある。

 しかし日本の首相が訪問先首脳との会談中、脱炭素問題に焦点を当てたのは、実際は単なる隠れ蓑で、湾岸諸国訪問の本当の狙いはかなり違っていたようだ。その狙いは上記要因、つまりこの地域での有利な地位を巡り益々激化する闘いに完全に関連していた。経済的利益だけでなく、政治的利益も、この二つは概して密接に関連している。

 現在、東京の主要地政学的ライバルである北京は、最近何十年にもわたり和解できない敵対者に見えたイランとサウジアラビア間の仲介に成功し、この成果は、より広範な中東地域全体でその地位を大幅に高めた。そして北京も同様にこの地域の経済に関与している。今年6月、中国国営企業CNCPは、カタールエナジーと二度目の長期(27年)契約を締結し、その下で年間400万立方メートルの液化天然ガスを購入する。

 東京は「この地域における地位を中国に譲りつつある」と感じ、中東で存在感を示すため緊急措置を講じる必要があると感じ、これは本来、現代日本で最も著名な指導者の一人、行動的な安倍晋三が最初の任期(2007-2020)に開始した過程だ。安倍晋三のアラブ湾岸諸国への最後の訪問は、首相としての二期目が終了する6か月前の2020年1月に行われた。

 その訪問から3年半の間、安倍晋三の後継者たちはより広範な中東湾岸諸国を訪問しなかった。だから、その間この地域の様々な進展は日本の明白な関与なしに行われた。そして東京が北東アジアという「地元」地域で継続的配慮を必要とする多くの問題を抱えているのは事実だが、遙か遠くにある国々、特に主要炭化水素供給国を無視する余裕はない。

 今回の岸田歴訪の目的は、日本の外交活動におけるこの「ギャップ」を埋めることだった。地理と主題の両方の観点から、彼の歴訪は2020年の安倍晋三の歴訪とほぼ同じ地域だった。歴訪の最後の国所だけ異なっていた。三年半前はオマーンだったが、今年はカタールだった。訪問した三か国で署名された二国間文書の範囲に鑑みて、日本は既に述べた通り極めて重要な地域で日本の存在感を示す過程を再開したと言って過言ではない。

 事実「再開」という言葉が、これらの文書中、最も重要な文書(少なくとも筆者の見解で)、つまり日本の全権代表とアラブ・ペルシャ湾岸6カ国で構成される湾岸協力会議の共同声明で実際使用されている。したがって、共同声明署名国には、岸田率いる日本代表団が最近の訪問で訪問しなかった3か国が含まれている。

 この文書の主な焦点は、日本と湾岸協力会議の六つの加盟国全てとの間の自由貿易協定を締結するための交渉の計画された開始(2024年)にある。この問題は15年前に安倍晋三が最初に提起したもので、これが本文で「再開」という言葉を使用している理由のようだ。

 最後に、日本のペルシャ湾地域への新たな幅広い関与は、経済分野に限定されておらず、決して局所的や地理的な範囲に限定されていない事実に注意する必要がある。実際、これは東京の外交政策における最近の多くの構想の一つに過ぎず、この地域は多かれ少なかれ相互接続された政治的、地理的地域連鎖のリンクとして機能する。これには北東アジア、台湾、東南アジア、インド、ペルシャ湾を含むより広い中東、アフリカ、ヨーロッパが含まれる。

 今年3月、岸田首相はインドを訪問し、その後ヨーロッパを短期間訪問し、その一か月後アフリカ諸国を訪問した。そして、これまで見てきた通り、彼の最近の外交政策活動はペルシャ湾に焦点を当てている。そして彼の政権の他のメンバーも同様に活発だ。特に林義正外務大臣がアジア(インドを含む)やアフリカの多くの国を訪問した。

 上記の通り日本が各国で新たな国際活動を行う大きな理由の一つは「中国要因」だ。

 ウラジーミル・テレホフは、アジア太平洋地域問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/08/04/the-japanese-prime-minister-tours-the-persian-gulf-states-to-discuss-decarbonization/

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 耕助のブログ Pepe Escobar記事翻訳

No. 1879 まずモスクワを目指し、それから北京をとる

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

多くの人は日本は研究で世界のトップにいると思っている。だが違う。科学論文上位10%の順位。中国、米国、英、独、伊、印、豪、加、仏、韓、スペイン、イラン、日。 日本の上に他のG7+中国、インド、韓国、西、イラン。しかも日本は本年順位落とす

 日刊IWJガイド

「ハンター・バイデン氏のビジネスモデルの原型はデヴォン・アーチャー氏が作った! 両氏の関与した3つの投資ファンドの外部資金調達の流れ」

【本日のニュースの連撃! 5連弾!】

【第1弾! 共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出)がバイデン政権のウクライナ支援金のありかたを根本批判!「外国の戦争にこれ以上資金を送り、これ以上人々を殺すために投票するのはごめんだ!」「これは間違っており、あってはならないことだ」】国防総省の経理ミスで数十億ドルのウクライナ援助を過大評価していたことが発覚し、バイデン政権は62億ドルの支援資金を配り始めている! さらに彼らは、緊急洪水対策費と組み合わせて、議会で別のウクライナ追加支援予算を可決させようとしている(マージョリー・テイラー・グリーン議員の8月9日のツイッター)

2023年6月16日 (金)

シリアの政治的解決に取り組むサウジ皇太子

スティーブン・サヒオニー
2023年6月14日
Strategic Culture Foundation

 戦争を引き起こしテロリストを支援したアメリカと同盟諸国はシリア国民の復興過程への参加を拒否している。

 シリアのファイサル・メクダッド外相は、6月11日と12日に開催される会議のためサウジアラビアを訪問しており、過去三か月で三度目の王国訪問となる。彼は4月に初訪問し、5月19日のアラブ連盟理事会サミット出席のためアサド大統領に同行してジッダを訪れた。

 MbSとして知られるサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は5月のアラブ連盟サミット主催者としての立場を通じてシリアの援助と復興を推進した。MbSはシリアをアラブ諸国の兄弟連盟に戻すアラブ諸国の判断を求めたがアメリカは、その計画を非難した。

 「これは『我々は、あなた方抜きで我々の関係を再形成し再び描く』というアメリカへの強力な合図だ」とガルフ・リサーチ・センター会長アブドゥルアジズ・アル・セイガーは述べた。

 MbSは世界最大の石油輸出国の舵取りで指導的役割を果たし、国益を最優先し、MbSについて語る際、非外交的とは言えない言葉で、サウジアラビアに対して公然と恫喝するアメリカ、バイデン政権の圧力に屈していない。

 2011年に始めた政権転覆のためのオバマ-バイデンによる対シリア戦争に参加するようアメリカはサウジアラビアに要求した。アメリカの計画はカタールとサウジアラビアから資金提供を受けながら、シリア全土で性的暴行をし、不具にし、殺害したテロリストを利用していた。このプロジェクトは失敗し、シリア国民はムスリム同胞団と過激イスラム教に反撃し、中東唯一の世俗国家であり続けている。

 4月、メクダッドとサウジアラビアのファルハン外相は、シリア危機の包括的な政治的解決とアラブ世界におけるシリアの役割の回復について話し合った。

 シリア・サウジアラビア空港間の直行便再開にサウジアラビアが合意し、6月末開始予定だとシリアは発表した。5月28日サウジアラビア技術チームがダマスカスのサウジアラビア大使館再開準備のためシリアに到着した。

 アメリカサウジ関係

 昨年7月にバイデン大統領がMbSを訪問した際、彼はアメリカの石油価格を下げるために石油生産の増加を要求したが、彼は手ぶらで去った。6月8日、ブリンケン国務長官はMbSと会談し、この訪問中にMbSは7月に石油生産を削減し、アメリカ消費者へのガソリン価格を引き上げると発表した。

 ブリンケン国務長官はシリアのアラブ連盟復帰を許したことに対するアメリカの非難を表明しており、アメリカはシリア国民の家やインフラや生活の再建に、あえて参加するサウジ王国や他のアラブ諸国への復讐を積極的に計画している。

 アメリカが仕組んだシリア紛争の平和的解決を模索する代わりに、アメリカの「優先事項」であるアブラハム合意を通じて、イスラエルとサウジアラビアとの正常化を強要することだけにブリンケンは焦点を当てている。

 ファイサル・ビン・ファルハン外相はブリンケンの要請には動じず、「パレスチナ人にとっての平和の道を見つける」ことなしには、イスラエルとの正常化は「限定された利益」しかないと述べた。

 MbSは、ヨルダン川西岸、東エルサレム、ガザにパレスチナ国家を創設し、既存の国連決議を満たすよう繰り返し求めている。しかし、現在のベンヤミン・ネタニヤフのユダヤ過激派政権下のイスラエルで、そのような動きは不可能だ。

 MbSは、中東の平和と繁栄を求めるビジョン2023の真っ只中にいる。ブリンケンは中東に対する構想を持っておらず、彼の優先事項は、600万人を残忍な軍事独裁政権下に置いて、パレスチナの現状を維持することだ。ブリンケンは、シリア国民とその隣人パレスチナ人の苦しみには無関心だ。

 ブリンケン国務長官のリヤド訪問中、彼はイスラム国(IS)と戦う世界連合の外相会議を共催し、シリアとイラクでの取り組みに約150億80万ドルを約束した。連合には80か国以上が参加しており、このプログラムへの新たな資金は600億ドルを超えている。この資金はシリアのアメリカのパートナー、北東部のクルド共産党政権を通じて流れる。

 新たな道を開くムハンマド・ビン・サルマーン

 彼が支配者となる時代より前のシリア破壊はMbSの責任ではない。彼のビジョン2030は、シリアを含む地域の平和と繁栄のための計画だ。彼はワシントンに束縛されないグローバル・プレーヤーとして浮上しつつある。彼は、観光、スポーツ、娯楽、教育、商業、投資にまたがる大規模な経済的、社会的改革を開始した。

 近隣諸国のイエメン、カタール、イラン、シリアとの関係修復は彼の外交努力の基礎だ。ワシントンの批判に関係なく、MbSはシリアでのアラブ主導の政治的解決に向けて取り組むことを主張し、国連決議2254をロードマップとして使用しようとしている。

 水曜日MbSはロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、ブリンケンの到着前にベネズエラのマドゥロ大統領がMbSを訪問した。皇太子はサウジアラビアの国益を追求しながら様々な指導者との協力と外交を求め、アメリカ大統領執務室の指示には拘束されない。

 アメリカ制裁、制裁、更なる制裁

 アメリカが支援するテロリストが破壊、損傷した家、学校、病院、インフラをシリア国民が再建するのを阻止する更なるシリアに対する制裁をアメリカ議会は検討している。

 新法案は2023年シリア反正常化法と呼ばれ、既に麻痺している2020年のシーザー法への追加だ。新法案はシリア国民の再建と回復をあえて支援する国に重い罰金を科そうとしている。シリアとの関係を正常化するアラブ諸国は再建支援を阻止されるのだ。

 制裁はシリア国民を傷つけ、彼らの回復を遅らせ、仕事や生計の回復を妨げるだけである事実を専門家は指摘している。法律は、国が最大の領土を保持し、ダマスカス、アレッポ、ホムス、ハマ、ラタキアのすべての主要都市を含め、ダマスカス政権が支配するシリアの部分に50,000ドルを超える価値の投資、助成金、契約または寄付を行った場合、いつでも金銭的罰則を科すと規定している。アメリカはイドリブと北東部の共産党支配地域のテロリストを保護しているが、これら地域のどれにも大都市がない。シリア民間人の最大集団は、ダマスカスにある中央政府の管理下で暮らしているのだ。

 オクラホマ大学のシリア専門家ジョシュア・ランディスは、ダマスカスに対する制裁はシリア国民に正義をもたらすのでなく、彼らを更に貧しくすると考えている。アメリカ制裁により交換部品注文が阻止されているため医療機器は病院で休眠状態になっている。外国の製造業者がダマスカスへの製品輸出に対する罰則に直面するのを恐れているため、シリアでは時折化学療法薬品が入手できないことがある。シリアで家を建築するには木枠から始まるが、シリアには広葉樹林がないため木材を輸入する必要がある。カナダ、スウェーデン、ノルウェーなどの国は罰則を恐れシリアの商人に木材を販売しない。

 EU首脳会議

 「シリア及び地域の将来の支援に関する会合」が7月14日と15日ブリュッセルで開催される。この会議は中央政府下で暮らす1500万人のシリア人の必要性に対処したり検討したりするのではなく、イドリブでテロリストに人質にされている民間人と、トルコ、ヨルダン、レバノンなどシリア難民を受け入れている諸国の必要性にのみ資源を投入する。

 この会議はダマスカス政権下で暮らしていないシリア人に寄付するための2023年の主要な催しだ。しかし大多数のシリア人は、この会議により暮らしを助けられたり改善されたりすることは決してない。これはイドリブで300万人を拘束しているテロリスト指導者を支援し、トルコ、ヨルダン、レバノンでのテント暮らしのシリア難民は飢餓から守るが、彼等のシリア帰国を阻止する駒としてしっかり確保する欧米民主主義の優先事項を示している。

 アメリカと欧州連合の同盟諸国はシリアで暮らす1500万人の暮らしは考慮していない。彼らは戦争を起こし、国を破壊し、分割したテロリストを支援したが、シリア国民の復興過程に参加するのを拒否しているのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/06/14/saudi-crown-prince-is-working-towards-a-political-solution-for-syria/

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 東京新聞朝刊国際面に驚いた。

 オラフ・ショルツ正気だろうか? 初の安保戦略策定で「ロシアは最大の脅威」明記。
 ドイツ産業の大動脈ノルドストリームを爆破した宗主国は最大の脅威ではないのだ。

 マグレガー氏最新youtube ロシアを見くびっている欧米指導部の錯覚・誤解を批判。

War events - Conflicts between America and Russia 22:02

 耕助のブログ

No. 1826 不当な影響力、21世紀型

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

講演での反応:私の講演を聞かれる人は、多くの場合方向性が一致している。従って肯定的になるのは自然である。しかし、私の論特にウクライナ関係は今日の日本では左右両グループにとり異端である。この中どういう反応があるか、一会場の例をみてみたい。

 日刊IWJガイド

「改悪入管法が9日に可決、成立! 本日午後3時から、岩上安身による社民党党首・福島みずほ参議院議員インタビューをフルオープンで生配信!」

はじめに~<本日の岩上安身によるインタビュー>難民を「死刑」が待つ地へと送り返す改悪入管法が9日に可決、成立! どうやって難民の命を守っていくのか!? 改悪入管法の廃止法案提出や政権交代が必要! 本日午後3時から、岩上安身による社会民主党党首 福島みずほ参議院議員インタビュー

【IWJ_YouTube Live】15:00~
難民を「死刑」が待つ地へと送り出す入管法改悪法が9日に可決! どうやって難民の命を守っていくのか? 入管法改悪法の廃止法案提出や、政権交代が必要! 岩上安身による社会民主党党首 福島みずほ参議院議員インタビュー
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

2023年5月24日 (水)

アラブ連盟とダマスカスを団結させたジェッダ会議

スティーブン・サヒオニー
2023年5月21日
Strategic Culture Foundation

 現在カタール・シリア間には分裂があるかもしれないが、彼らはパレスチナの自由を求めるのを支持する上で団結している。

 アラブ連盟サミットに先立ち、5月18日、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領はサウジアラビアのジェッダ空港でバドル・ビン・スルタン・ビン・アブドゥルアズィーズ王子と会談した。

 メッカ州の副首長であるバドル王子はアル・アサドと応接室に入り座って歓談した。これは政権転覆のためシリアに対するアメリカ-NATO攻撃が始まった後、シリアのメンバー資格が中断された2011年以来アル・アサドが出席する最初のアラブ連盟サミットだ。

 5月19日、首脳会談開始前に、アサド大統領は握手でサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子に温かく迎えられた。皇太子は会議主催者でアサドをアラブ諸国の兄弟同盟に戻すため働いていた。アル・アサドを含む首脳会談後、二人は短時間会談した。

 サウジアラビアは「我々の地域が紛争の場に変わるのを許さない」と皇太子は述べ、「苦痛な長年の闘争」のページはめくられたと述べた。

 紛争を終わらせ、苦難から目を背けないようシリアを関与させる必要性に関する合意が中東全体で構築されつつある。シリア紛争はアラブの問題で、アラブ世界によって解決されるべきだという意見を指導者たちは形成し始めた。

 イラク、リビア、エジプト、チュニジア、イエメン、シリアなど、中東は西欧の介入とアメリカ主導の政権転覆の冒険に長い間苦しんできた。その結果は壊滅的で、これらの国々を荒廃させ、特にアメリカ侵略と占領から決して回復していないイラクで著しい。シリアが回復するには数十億ドルと、おそらく数十年必要だ。

 アラブ連盟は、湾岸協力会議(GCC)のようなシリアを支援するための金を持った人々をまとめるネットワーキングツールとして使用される単なる出会いの場だ。シリア経済は崩壊しており、アメリカと同盟諸国に支援された武装テロリストとの長年の戦いで損傷し、台無しにされたインフラを再建するため現金流入が必要だ。

 オバマ-バイデンのシリア政権転覆プロジェクトは、トルコ、カタール、サウジアラビアと湾岸首長国連邦の大規模参加に依存していた。皇太子が王国の指導的地位に就くと方針を変更し、政治イデオロギーである過激イスラム教に従うテロリストへの資金提供を撤回した。

 アメリカとEUの対シリア制裁は、シリアが海外から難民を帰国させるのを含め、人々の苦しみを再建し終わらせるのを助ける上で障害だ。シリア国民の回復を支援するため、制裁解除や緩和に向けて取り組みたいとUAEとサウジアラビアは望んでいる。

 皇太子は独立した指導者で、彼の国最善の利益のため決定を下すが、それはアメリカ大統領執務室からの指示と常に一致するわけではない。彼はバイデン米大統領がアメリカ消費者のためにガソリンの価格を下げるため、より多くの石油を汲み上げるよう要求した後、石油生産量を増やすのを拒否した時など、王国の暮らしこそ一番大事であることをワシントンに知らせるため,いくつか措置を講じている。

 現在のサウジアラビア政権は、1973年10月の戦争中に、ニクソン大統領がイスラエルに22億ドルの支援を行った後、アメリカへの石油供給を遮断したファイサル国王時代を彷彿とさせる権力の頂点にある。

 ファイサル国王の息子で元サウジアラビア諜報部長トゥルキ・アル・ファイサル・ビン・アブドゥルアズィーズ・アル・サウード王子はムハンマド・ビン・サルマン皇太子の右に立っているのがよく見られる。トゥルキ王子は王国は数十年前にイスラエルに対し厳格な姿勢をとっており、パレスチナ・イスラエル紛争が解決するまでイスラエルとの関係を正常化しないとインタビューで述べた。

 サウジアラビアはかつてはアメリカの影響を強く受けており、これがシリアに対する政権転覆攻撃への関与につながった。アメリカが中東を去り、代わりにアメリカが支援するウクライナでの戦争によっててロシアを弱体化させることに焦点を合わせたため、アメリカの影響力は衰えた。

 アメリカが他の地域に焦点を当てる中、中国は和平工作者として介入し、イエメンでの戦争を終わらせる可能性のあるサウジアラビア・イラン合意を仲介し、シリアをアラブ連盟に招待し、サウジアラビアとの関係を回復する道を開いた。

 サウジ・ビジョン2030は、サウジアラビアの石油依存を減らし、経済を多様化し、健康、教育、インフラ、レクリエーション、観光などの公共サービス部門を開発する戦略的枠組みだ。

 これはムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の発案によるもので、実現には、この地域の平和、安定、繁栄が必要だ。

 彼は、この地域で強力な指導者が必要だが、アサドはアメリカ、NATO、EU、およびアメリカ同盟諸国が2017年以上にわたりシリア破壊に兵器を供給し資金提供し支援していた間、国際規模の戦争地帯に安全を回復する能力があるのを証明した。トランプ大統領は最終的にシリアの武装戦士を訓練し支援したCIAプログラム、ティンバー・シカモア資金を削減した。

 カタールとモロッコはシリアとの関係正常化に抵抗している。主な理由はアメリカとの同盟と、ワシントンが書いた指令に従うという連中のパターンだ。

 カタールは、シリア国民、社会正義、草の根運動の側にあり、独裁的アラブ政権に反対しているとして、強硬な反アサドの立場を紡ぎ出そうとしている。しかしカタールは選挙も民主的制度もない権威主義的指導者の王子に支配されている。

 カタール首長シェイク・タミム・ビン・ハマド・アル・タニはジェッダに到着し、皇太子と握手した後、サミットに参加する前突然去った。彼が去る前、アサドと握手したとシリア国営通信社は述べた。

 サミットでのアサド演説は「拡張主義的なオスマン帝国思想の危険性」を指摘し、それはムスリム同胞団の影響を受けていると説明した。これはトルコのエルドアン大統領とシリア・テロリストへの彼の支援、トルコによるシリアの継続的占領への言及だ。

 ムスリム同胞団はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、シリア、エジプトで非合法化された世界的テロ集団だが、それでもトルコとカタールに支援されている。

 国務省報道官ヴェダント・パテルは、2012年にシリアで行方不明になった元米海兵隊員のオースティン・タイスを帰国させるなど「多くの共通目的がある」と述べた。アラブ世界によるシリアに対するあらゆる平和構築の努力にアメリカ公式見解は反対している。

 アメリカ制裁は過去に化学療法薬がシリアに入るのを阻止し、最近ではラタキアとアレッポの地震犠牲者へのアメリカとEU援助到着を阻止したにもかかわらず、制裁は政府を排除するのでなく無辜の民間人を苦しめるだけと知りながらアメリカは制裁維持を主張している。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がサミットに出席し、ムハンマド皇太子はリヤドがロシアとの戦争を調停する用意があるとを改めて述べた。サミットで演説したゼレンスキーは代表団にウクライナの和平案を支持するよう求め、昨年の捕虜釈放調停におけるリヤドの役割に感謝した。

 欧米の圧力にもかかわらずアラブ湾岸諸国はウクライナ紛争で中立を保とうとしている。ロシアは、石油豊富な湾岸君主国とプーチンを結びつけているOPEC+の仲間だ。

 現在カタールとシリア間は分裂しているかもしれないが、少なくとも70年間アラブ世界の紛争と過激主義の原因となっているパレスチナの自由を求めるのを支持する上で団結している。新たな指導部、新たな構想、新たな目標の下、アラブ世界は黄金時代に入っているのかもしれない。

 スティーブン・サヒオニーはシリアを拠点とする受賞歴あるシリア系アメリカ人ジャーナリスト。中東専門。彼はカナダやロシア、イラン、シリア、中国、レバノン、アメリカのテレビやラジオにも出演している。

記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/05/21/jeddah-meeting-unites-the-arab-league-with-damascus/

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 属国大本営広報部大政翼賛会 G7戦争賛美サミット、政府・アメリカ主張の垂れ流し。

 その点George Gallowayはさすが。G7馬鹿騒ぎと切って捨てている。

G7 TUMULT - MOATS Episode 240 with George Galloway

 11:45から広島でのバイデンの白痴的言行や原爆投下を批判。
 17分からは沖縄占領問題。日本そのものが占領常態だと。

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

驚き、伊達判決は生きてる。」砂川事件裁判国家賠償等請求事件、現在訴状東京地検に提示され訴訟中。伊達判決「当然日本区域外に(米)軍隊を出動し得る→その際提供の施設はこの軍事行動に使用される。わが国が直接関係のない武力紛争の渦中に巻き込まれ戦争の惨禍に」台湾問題だ!。

 植草一秀の『知られざる真実』

解散総選挙なら政権組換えの可能性

 日刊IWJガイド

「広島サミットに参加したブラジルのルラ大統領が会見で『ウクライナ問題はロシアと敵対するG7の枠組みでなく、国連で議論すべき』と主張!」

はじめに~「ウクライナ支援での結束」即ち「即時停戦ではなく紛争の長期化」がテーマのG7広島サミット後の会見で「ウクライナ問題はロシアと敵対するG7の枠組みでなく、国連で議論すべきだ」と主張したブラジルのルラ大統領!「バイデン大統領がロシアへの攻撃をけしかけている」「和平を見出したいが、ノース(北=欧米日)はそれを実現しようとしない」と批判!! ゼレンスキー大統領も参加したセッションでも、ルラ大統領は「ヨーロッパ以外にも平和と安全の課題がある」と演説!

2023年5月22日 (月)

アラブ人の再結成で孤立するイスラエル

2023年5月19日
Moon of Alabama

 ちょうど10週間前私は畏怖を感じていた。「これはおおごとだ!」私は中国(とロシア)の調停後、サウジアラビア・イラン関係が復活した驚くべきニュースについて書いた。

 それで、シリアやイラクやイエメンで、イランに友好的な軍隊とサウジアラビアが支援する軍隊間の紛争が終わりに近づいているのは明らかだった。しかし、それが今起きている速度は誰も予測していなかった。

 今日シリアのアサド大統領はサウジアラビアでアラブ連盟首脳会議に歓迎された。

 シリアのアサドがアラブ連盟サミットで、かつての敵と握手し頬にキスをする

 全ての握手が重要で、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領は金曜のアラブ連盟サミットで、この地域のかつての敵から抱擁やキスと、多くの握手をした。

 金曜午後、サウジアラビアの都市ジッダのサミット会場を散歩する笑顔のアサドが、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子に手を差し出し、サルマン皇太子は両手を握り、アサドの両頬にキスをした。

 それは彼に反対する抗議行動の取り締まりをめぐり、アラブ連盟から排除され、地域のほとんどの国から孤立した後、アサドのアラブ集団への再統合を示す象徴的な瞬間だった。

 アメリカとネオコンのドイツのアナレナ・ベアボック外務大臣によるこれを阻止する企みは失敗した。シリアに対し依然多少敵対的な国々、カタールやアラブ首長国連邦、モロッコさえ、この措置を拒否するのを控えた。彼らにとってアラブ統一は地域外の利益より重要なのだ。

 フアン・コールは下記のように要約している

 ワシントンは今や外交官パーティーのスカンクだ。イランはアメリカを仲介者として信頼する可能性は全くなかった。サウジアラビアは別のヘルファイア・ミサイルに相当するものが発射されないよう、交渉について彼らに話すのを恐れていたに違いない。
...
 サウジアラビアとイランがそうだったように双方が紛争にうんざりしているところで北京は明らかに今や公正な仲介者役を果たす準備ができている。しかし、これらの国々の関係を回復する驚くべき外交的偉業は中東で台頭する大国としての立場よりも、そこにいた、あれをしたという地域で30年間の偽りの約束(オスロ)や大失敗(イラク)や気まぐれな政策立案後、アメリカの信頼性の驚くべき低下を反映している。

 アラブ人が団結して、イスラエルは今や孤立した外れ者だ。サルマン・ラフィ・シェイクがイスラエルが置かれている新しい状況を分析している。

 アメリカとイスラエルの当局者は、イランとサウジアラビアの合意は政治に影響を与えず、アブラハム合意延長の可能性に影響を与えないと述べたが、様々な協議にもかかわらず、合意延長は依然実現していない。主な理由の一つはアメリカの政権交代で、バイデン政権は中東和平とサウジアラビアとの深い関係の両方に対するトランプ政権の熱意を共有していないがサウジアラビアもこの合意に熱心ではない。言い換えれば、中国主導の中東における「新しい」和平プロセスは、イスラエルにとって後退に他ならない。
...
 皮肉なことに、アメリカの立場をさらに複雑にする可能性があるため、中国は最近、現実的な和平計画を策定するためイスラエルとパレスチナ間の仲介を申し出た。アメリカがサウジを説得できない場合、孤立の増大を恐れるイスラエルは、最終的に新しい和平プロセスのために中国に向かう可能性がある。

 サウジアラビアはアメリカが「テロ集団」だと宣言したパレスチナ・ムスリム同胞団組織ハマスとの関係を再構築している。

 イスラエルにとって、この動きは二つの基本的理由から大きな後退だ。第一に、それはサウジアラビアがイスラエルとの交渉をむやみに追求していないことを示している。実際、サウジアラビアの動きは、イスラエルに難しい選択を強いるため、イスラエルの地域スペースを圧迫するのを目的としている。第二に、報告は、サウジアラビアが中東でアメリカに積極的に対抗していることを示している。ハマスとの関係確立は、サウジアラビアが少なくともワシントンやエルサレムが明らかにそうしているのと同じ意味でハマスをテロ集団と見なさない限り、アメリカと直接対峙する。

 イスラエルにとって、これは困難な状況だ。伝統的な地政学のやり方に固執し、積極的に利益を追求し、より広範な紛争のリスクを冒すか、「新しい」和平プロセスのため中国に頼ることも可能だ。しかし後者の選択肢は、中東におけるアメリカの立場をさらに弱体化させるだろう。

 イスラエルは合理的な解決策を約束できないため、イスラエルとの交渉にはあまり期待できない。イスラエルは崩壊しつつあるとジョナサン・クックは言っている。

 驚いたことに、イスラエルの苦境は何世代にもわたり指導者たちが恐れていたように、アラブ諸国からの複合攻撃や国際社会からの圧力である外部勢力からでなく、イスラエル自身の内部矛盾から生じているのだ。
...
 イスラエルの長期的問題は、いわゆる司法見直しのためのネタニヤフ計画をめぐる現在の激しい対立によって強調されている。イスラエルのユダヤ人国民は真っ二つに分かれており、どちら側も後退するつもりはない。当然ながら双方がゼロサムの戦いの観点から対立を見ている。

 そしてこの背後には、ほぼ一定の麻痺状態にある政治体制があり分裂のどちら側も議会で安定過半数を獲得できない。イスラエルは現在恒久的な低レベル内戦に陥っている。

 イスラエルの問題は、建国以来シオニズムの屋根の下で団結しようとした二つの異なる集団だ。より世俗的でリベラルなヨーロッパ・アシュケナージが主に国を率いており、中東のミズラヒムや超正統派ハレディムは脇役を演じてきた。しかし彼らは出生率が高く多数派になる途中だ。これら異なるグループの目的は両立せず永続的対立を助長する。

 何十年間も、アシュケナージ指導部は、宗教的権利、特にミズラヒムとハレディムが、パレスチナ人に対する特権で買収される限り、イスラエルのユダヤ人階層における彼らの劣った地位を受け入れるだろうと想定していた。

 しかし宗教右派は今やパレスチナ人を抑圧する権利以上のものに貪欲だ。彼らはイスラエルのユダヤ人の性格を形作する権利も望んでいる。

 アシュケナージ支配層が、特に入植事業を通じて、パレスチナ人に対し武器化することを望んでいた宗教的熱意は、しっぺ返しを食らわせている。ネタニヤフによってさえ、ますます飼いならせない怪物が作り上げられたのだ。

 新しい中東には、新しい時代精神の流れに逆らって泳いでいる国が一つだけある。その国はまとまりがなく、何も決められない。イスラエル側には中国や他の誰かとパレスチナを巡り継続する合意をできる人は誰もいない。

 ミズラヒムとハレディムが勝利した場合、最終的にそうなるだろうが、より世俗的なアシュケナージは去り始めるかもしれない。イスラエルの能力は彼等と共に去るだろう。そうなれば能力が低下した豊かなイスラエルをより広い中東が再吸収するのが可能になるかもしれない。

 それは驚くべき進展の筈だ。

 だが現在のものもそうだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/05/the-arabs-are-reunited.html#more

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 Alex Christoforou ゼレンスキーG7参加は空振り。日本で記者にバフムートについて問われ失言。バイデン、オーストラリアでの対談時に記者質問に答えられず。ザルジニー重傷の噂。

Elensky; Russia does/does not occupy Bakhmut. G7 shifts to China. Medvedev invites Musk. 37:43

 耕助のブログ

No. 1801 プリゴジン・ファイル:神々の黄昏か、欺瞞作戦か?

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

福田赳夫首相の「一人の生命は地球より重い」→人質身代金として600万ドル(約16億円)、服役勾留中の9名の釈放。他方オルブライト国連大使、国務長官、対イラク制裁で50万人死亡の犠牲払う価値がある行為かを問われ、その代償、思うに、それだけの値打ちはある

 日刊IWJガイド

「岸田総理が自画自賛する『核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン』に原水協が『「核抑止力」論を公然と宣言するサミットとなった』と批判!」

はじめに~G7広島サミット終了! 発表された「中国を害することを目的としていない」との首脳声明に、中国側は「中国からの完全なデカップリングは、現時点では非現実的であることを認識している」と分析! 一方でG7を「国際平和を妨げ、地域の安定を損ない、他国の発展を抑制している」と非難!! 岸田総理が自画自賛する「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」に原水協は「『核抑止力』論を公然と宣言するサミットとなった」と批判!

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