このようなニセ・ニュースが戦争を引き起こす可能性はないのだろうか?
2024年6月18日
Moon of Alabama
アジア・タイムズでスティーブン・バイレンはこう問うている。
これはかなり奇妙な疑問だ。NATOは協議機構だ。戦車や銃や核戦力を持っていない。そのような有形のものは全て加盟諸国が所有し、管理している。
NATOは核戦力を保有しておらず、現在、NATOも核戦力を保有する加盟諸国も核戦力拡大に関心がない。この疑問は、NATOが何かを拡大している事実を述べている。NATOは拡大していない。
バイレンはこう書いている。
NATO第13代事務総長イエンス・ストルテンベルグは、同盟は核兵器配備を増やし、その運搬システムを近代化するための協議を行っていると述べた。「核弾頭を何発運用し、どれを保管すべきかという運用上の細かい点には触れないが、これら問題について協議する必要がある。まさにそれが我々が行っていることだ」とストルテンベルグはイギリスのテレグラフ紙に語った。ストルテンベルグはNATOは「核同盟」であることを強調した。
ストルテンベルグ・インタビューに関する、このテレグラフ記事は書き起こしではなく記事だ。不正確だ。その内容は下記の通りだ。
ロシアと中国の脅威が高まっていることを受け、核兵器配備を増やす協議を行っているとNATO事務総長は述べた。
テレグラフ紙インタビューで、欧州連合は敵国に直接メッセージを送るため、核兵器を世界に公開する必要があるとイエンス・ストルテンベルグは付け加えた。
ミサイルを保管庫から取り出して待機させることについて加盟国間で直接協議が行われていることを彼は明らかにし、抑止力として透明性を活用するよう主張した。
「核弾頭をいくつ運用すべきか、どれを保管すべきかといった運用上の詳細は触れないが、これら問題について協議する必要がある」とストルテンベルグは述べた。
「それがまさに我々がNATOでしていることだ。例えば先週のNATOの防衛相会議で開かれた核計画グループでの会議などだ。」
上記は、あたかもストルテンベルグが積極的に何かしているように聞こえる。しかし、それは彼が言ったことではない。
マシュー・ハリーズ @harries_matthew - · 2024年6月17日 19:38 UTC
下記はストルテンベルグが実際に言ったことの書き起こしだ。予想通り、彼の言葉を解釈しすぎていると思う。
「運用」と「保管」の違いは、インタビュアーが紹介した。また「透明性」は演習に関するオープン性の文脈で述べられた。
インタビュー録音によれば、この問題は、ストルテンベルグ自身ではなく、インタビューアーの一人による誤解を招く発言によって引き起こされた。
テレグラフ:ヨーロッパの同盟諸国は、核弾頭を保管しておくのではなく、より多くの核弾頭を待機させておくというアメリカの先例に倣うべきだと思いますか?
テレグラフが質問している国、イギリスでは、通常、一隻の原子力潜水艦が哨戒中で、訓練中または改修中の他の数隻とともに、いつでも使用できる状態にある。哨戒中の潜水艦のみが核弾頭を搭載する。他の潜水艦の核弾頭は通常保管されている。より多くの核弾頭を「待機」状態にしておくことは、それが何を意味するにせよ、それらをすぐに発射する方法がないことになる。したがって、それは無意味だ。
ストルテンベルグへのインタビュアー質問に対し、彼は一般論を述べ、この問題について「継続的協議」を示唆しながら答えた。
誤解を招く質問と曖昧な答えは、非常にイライラさせるが、実際には何の意味もない。そして、確かに何ら新しいものではない。
(((ジェームズ・アクトン))) @james_acton32 - 2024年6月17日 21:48 UTC
この記録に基づくと、@Barnes_Joeによる@Telegraph記事はジャーナリストの不正行為だ。これは定型的なストルテンベルグの発言を完全に誤解を招く形で報じている。
緊張が高まった際には当局発言をメディアがかなり自由に「解釈」するようになる。これには結果があり、致命的になりかねない。
NATOの核警戒態勢に関する発言を、クレムリンはエスカレーションとみなしている
モスクワ、6月17日。/TASS/。最近、NATOのイエンス・ストルテンベルグ事務総長がNATO加盟諸国が核兵器の警戒態勢を敷くことを協議していると発言したことは、新たな緊張の兆しだとクレムリン報道官ドミトリー・ペスコフが記者団に語った。
「これは単なるエスカレーションに過ぎない」とペスコフは語った。
しかし実際には、ストルテンベルグはそのようなことは何も言っていない。
2日前に公開されたこの偽ウクライナ・ニュース記事も検討願いたい。
平和的解決に同意しなければ、ロシアは降伏を余儀なくされるはずだとジョルジャ・メローニは述べている。
ロシアが和平合意の条件に同意しない場合は降伏を余儀なくされるだろうとイタリアのジョルジャ・メローニ首相が述べた。
メローニはスイスで開かれた世界平和サミットでも同様声明を発表し、彼女の言葉はUNIAN通信社に引用されている。
彼女によれば、ウクライナを守るということは、国際ルールの体制を守るということで、したがって、ウクライナを守るために力を合わせることが重要だ。
「ロシアが条件に同意しなければ、我々は彼らに降伏を強制する」とメローニは述べた。
その引用はすぐに疑わしいものとなった。メローニも他の誰にもロシアに降伏を強制する手段はない。
上記が公開されてから数時間後に訂正が出た。
先週末スイスで開催された平和サミットでのイタリア首相の発言に関しウクライナ政治家アントン・ゲラシチェンコが投稿した記事は多くのコメントと動揺を引き起こした。
ゲラシチェンコはXのプロフィールでジョルジャ・メローニの言葉を引用し、「ロシアが条件に同意しなければ、我々は彼らに降伏を強制する」と述べたとしている。
Xは、ウクライナ政治家の投稿の下に注釈を付けた。その注釈とイタリア首相演説公式文章から、ゲラシチェンコが引用した言葉は会議中発せられたものでないのは明らかだ。
メローニはウクライナ側に立ち、ロシアに対し強い言葉を向けたが、意味は多少違っていた。
メローニはロシアが降伏するとは一言も言っていないが、ウクライナ政治家と確認もせずに彼の発言を引用した質の悪い報道機関が虚偽発言を流したのだ。
これは激しい紛争に関して読んだ全ての内容を確認、再確認するための良い助言だ。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/06/couldnt-such-fake-news-start-wars.html#more
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Scott Ritter Extra
It’s the end of the world as we know it
The American-NATO rush toward nuclear war with Russia
Scott Ritter
Jun 21, 2024
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