ジーン・シャープ

2024年11月11日 (月)

混乱を解き放つ



ローラ・ルジェリ
2024年11月4日
Strategic Culture Foundation

 アメリカ覇権の最初の危機に対する対応は最終的にその権力を蝕む力を解き放った。

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 カラー革命のゴッドファーザーとして広く知られるジーン・シャープは、1973年に最初の著書、全3巻の『The Politics of Nonviolent Action(非暴力行動の政治学)』を出版したが、当時アメリカは経済、政治、軍事の一連の危機に陥り、国内では政府への信頼が損なわれ、地政学的野望も阻まれていた。これらの危機への対応、すなわち非国家主体に外注されることが多い通常戦およびハイブリッド戦による覇権拡大や、経済の金融化や、ドルの兵器化は、その後数十年の方向を決定づけた。50年経った今、これらの対応が戦後世界秩序を混乱させ、アメリカ「一極化」をもたらしたにもかかわらず、体系的かつ構造的問題に対処することが全くなかったのは極めて明らかだ。むしろ、これら「解決策」は覇権国にとって、より多くの、より手に負えない問題を生み出し、アメリカが現在直面している正当性の危機に至っている。

 『The Politics of Nonviolent Action(非暴力行動の政治学)』はアメリカ国防総省の資金援助を受けた研究に基づいている。ハーバード大学在学中の1960年代後半に、シャープは、冷戦期の知識人体制の中心地であった同大学で、ヘンリー・キッシンジャー、サミュエル・ハンティントン、ズビグニュー・ブレジンスキーらが教鞭をとっていた時代に、アメリカ国防総省の資金援助を受けてこの研究を行った。一見すると、ジーン・シャープの研究テーマが国防総省とCIA両方の関心を引くのは矛盾しているように思えるかも知れない。実際はそれは全く驚くべきことではない。ベトナムでの敗北と被った損失は、アメリカ人の心に深い傷を残し、この残忍な帝国主義侵略は、国際的に強い反米感情を煽っていた。更に、アメリカ覇権が失墜し始めると、モスクワとの軍拡競争の経済的コストに対する懸念が高まっていた。

 シャープの理論と、それを実行するための実際的指針は、ワシントンが自国の力を強化し、地政学的、イデオロギー的、軍事的ライバルであるソ連を弱体化させるために求めていた解決策を提供するように思われた。

 後に「非暴力戦争のクラウゼヴィッツ」と呼ばれることになるシャープは、安全保障と防衛は国家が担わなければならないという支配的考え方に代わる考え方を提示した。1960年代初頭から、行政機関は本来政府でない機能を民間企業に外注することを奨励していた。この慣行は徐々に増加し、最終的には軍事機能にまで拡大した。冷戦の終わりには軍事契約業者が爆発的に増加した。これがあまりに普及したため、請負業者をニューヨーク・タイムズは政府の第4部門と呼んだ[1]。

 シャープが概説した戦略と戦術により、アメリカは軍事衝突を引き起こさずに、鉄のカーテンの向こうの社会勢力を兵器化できるようになるが、ソ連が何千もの核弾頭を保有していたため、これはあまりにも危険だと考えられていた選択肢だ。だが最も重要なのは、知識人エリートを獲得し、分裂を煽り、イデオロギー浸透を行う仕事は、NGOやメディアや、ロビー団体や宗教団体や援助機関や国境を越えるディアスポラ・コミュニティなどの非国家主体に外注できることだ。利害関係者の数や、その思惑が増すにつれ、アメリカ国家政策と外交政策形成への彼らの関与も増えた。だが諺が言う通り、台所に料理人が多すぎるとスープは台無しになる。

 当時、ワシントンは覇権的野望に対するもう一つの大きな挑戦と戦っていた。国際収支の赤字、ベトナム戦争中に生じた公的債務の増大、連邦準備制度による通貨インフレにより、ドルは益々過大評価されるようになった。アメリカ金準備の枯渇は、1968年3月のロンドン金プール崩壊で頂点に達した。1970年までに、アメリカの金保有率は55%から22%に低下した。1971年には、ワシントンで印刷されるドルは海外に流出するドルを上回った。聞き覚えがおありだろうか?

 アメリカ指導部は金本位制のドルを廃止し、ブレトンウッズとして知られる通貨管理システムに革命を起こすと決定した。

 ブレトンウッズ体制は20年以上にわたり経済成長と金融危機の相対的な少なさを保証していたが、1960年代の大半を通じてドルは金ペッグを維持し、ドイツと日本の経済力の台頭を抑えるのに苦労していた。1971年11月のローマG10会議で、ジョン・コナリー米財務長官は同僚に「ドルは我々の通貨だが、問題はあなた方にある」と語った。この露骨な傲慢さの表現が雰囲気を決定づけ、後に法外な特権となるものを的確に表現していた。

 1973年にドルが変動相場制に切り替わると、ドルの価値は10%下落した。数年後、ジョージ・ソロスは著書『金融の錬金術』でこの「革命」にほくそ笑んだ。「為替レートは1973年まで固定されていたが、その後は投機の肥沃な土壌となった」。ちなみに、この本の序文は、1969年から1974年まで財務次官(国際問題担当)を務め、ニクソン大統領によるドルの金兌換停止の決定に重要な役割を果たしたポール・ボルカーに書かれた。

 ブレトンウッズ体制を崩壊させるという一方的決定により、米ドルは多くの中央銀行で国際準備金の第一選択通貨として確固たる地位を築き、アメリカ債務は事実上の国際通貨にまで昇格した。世界的な変動為替レートに基づくこの新体制は資本移動を増加させたが、主要諸国の政策選択を制限した。資本移動の巨大な圧力の下、主要諸国は保守的金融政策を受け入れ、ケインズ派の拡張的財政政策を廃止せざるを得なかった。

 新しい体制のもと、アメリカは他の国々と異なり、経済危機を乗り切るため巨額債務を負い、紙幣を印刷することが認められ、過剰流動性によって世界的にインフレが加速すると、FRBは金利を引き上げ、金融政策を引き締めた。この動きは他の国々との金利差を拡大し、結果的に国際資本をウォール街に引き寄せた。1973年以降、アメリカは世界の主要準備通貨を発行する特権を濫用し、ドルを武器として使ってきた。避けられない反動が起こるのは時間の問題だった。

 魔法使いの弟子

 学問分野がそれぞれ独自の研究対象を持つ明確な専門分野に分かれているため、私が簡単に概説した一連の出来事が同時に起こる奇妙な現象には、これまで誰も気づいていない。ジーン・シャープ最初の著作は、ハイブリッド戦争の野戦教本と形容されるが、ブレトンウッズ体制の終焉と同時期に出版された。これはアメリカ経済の金融化に新たな刺激を与える転換点だった。金融は実体経済との機能的つながりから「解放」され、投機による巨額の富の源泉となったが、国内および世界経済の大きな不安定要因にもなった。

 この「経済解放」に既得権益がある連中は「共産主義からの解放」と、東側諸国の統制された経済と政治に終止符を打つ新エリート層育成に何百万ドルも投資した。ベルリンの壁崩壊は、ジョージ・ソロスが彼のヘッジファンドにとって「爆発的成長期」と呼んだ時期をもたらした。

 一つの偶然は偶然として片付けられてしまうかも知れないが、複数の偶然が重なると、根本的パターンが示唆される。それに気づけば、相互の原因と結果の連鎖である強化ループを発見できるかも知れない。

 ブレトンウッズ体制の崩壊によって可能になった既存国際通貨秩序の崩壊は、経済構造、富の分配、権力の分配が劇的に変化した転換点となった。大規模多国籍企業や金融資本が政治権力の乗っ取りを組織する一方、労働者と中流階級の利益は脇に追いやられた。世界金融体制におけるドルの優位性は、規制緩和と民営化が従者として機能し、株主資本主義の優位を特徴とするハイパー・グローバリゼーション時代をもたらした。

 抑制されないまま放置されると、資本は本来自由奔放で拡張主義的になり、常に利益の最大化を追求する。お金が事実上無料になり、投資リスクが簡単に相殺できるようになると、資本は海外に投資機会を探し、生産とサプライチェーンを移転し、社会経済的荒廃の長い痕跡を残した。

 1世紀以上前にウラジミール・レーニンは次のように指摘した。「金融資本とその政治、イデオロギーに基づいて成長する非経済的上部構造は植民地征服の欲求を刺激する。」

われわれが資本主義帝国主義の時代の植民地政策について語っている以上、金融資本とその対外政策、すなわち世界の経済的、政治的分割をめぐる列強間の闘争が、国家への従属のさまざまな過渡的形態を生み出していることに留意しなければならない。(中略)帝国主義のもっとも本質的な経済的基盤のひとつである資本の輸出は、さらに完全に地主を生産から孤立させ、海外のいくつかの国の労働力を搾取して生きる国全体に寄生の印を押している。」

 ジョヴァンニ・アリギはレーニン主義の帝国主義理論を批判的に扱い、その曖昧さのいくつかを解消し、それが非マルクス主義経済学者が真剣に考慮する事実上唯一のマルクス主義理論だと指摘した。アリギ[3]は、商業/産業資本主義の拡大以前の段階が頭打ちになると、金融資本主義の優位性が繰り返される長期的現象だと説明した。20世紀半ばまでに、産業企業は銀行システムに代わって成功の主要な経済的象徴となっていたが、20世紀後半のデリバティブと新しい銀行モデルの発展は金融資本主義の新時代を先導した。

 1970年代のアメリカ覇権と中核経済の相対的衰退は、明らかにアメリカ・エリート層を警戒させた。金融資本の操作と世界的拡大による利益創出は、アメリカ覇権を強化することで国家と資本両方の危機を解決すると期待されていた。しかし金融資本が経済の最大かつ最も利益の高い部門になったため、その利益のために政府を人質に取ることになった。金融政策の成功により、金融政策は政策立案者が経済問題に取り組む主な手段となった。これは、アメリカ経済の金融化の進行とアメリカ資本の海外への移動を促進し、アメリカ内での容赦ない産業空洞化をもたらした。

 ジーン・シャープの話に戻ろう。ジーン・シャープは「公民的不服従」に関する独創的な研究を発表した10年後、ピーター・アッカーマンと手を組んでアルバート・アインシュタイン研究所を設立した。名前はアインシュタインだが、物理学者とは全く無関係だ。アッカーマンは、ドレクセル・バーナム・ランバートの国際資本市場を率いていた時にジャンク債で財産を築いた銀行家だった。ドレクセル・バーナム・ランバートは、80年代半ばにウォール街で最も収益性の高い企業となり、倒産するまでに40億ドルを超える収益に対して5億4500万ドルの利益を上げていた。

 アルバート・アインシュタイン研究所(AEI)は、間もなく、同盟国の情勢に干渉し、秘密作戦を隠蔽し、英米資本と、その新自由主義イデオロギーの世界的拡大の障害とみなされるあらゆる国々で政権転覆作戦やカラー革命を指揮するアメリカのステイ・ビハインド・ネットワーク(残置ネットワーク)機構に統合される。

 2005年、ティエリー・メイサンはAEIを調査し、これら作戦への関与について概説した。AEIはそれ以来、政府転覆や主権国家の不安定化に成功した、あるいは失敗した全てのカラー革命において積極的役割を果たし続けている。

 AEIは独立した非営利団体だと主張しているが、アメリカの防衛および諜報機関とのつながりが深い。AEIの著名コンサルタントの一人は元国防情報大学学長のロバート・ヘルベイ大佐だ。AEIの定期的寄付者には、アメリカ平和研究所、国際共和党研究所、および AEIと同じ1983年に設立された全米民主主義基金 (NED) など、アメリカ政府が資金提供する組織が含まれる。

 NEDの目的は、全米民主研究所 (NDI)、国際共和党研究所 (IRI)、国際民間企業センター (CIPE)、国際メディア支援センター (CIMA) などの民主主義推進NGOネットワークの統括団体として機能することだ。

 上記集団や、それ以降に急増した多くの集団には多くの共通点がある。それらはアメリカ帝国主義と非常に密接に関係しており、2001年にコリン・パウエル統合参謀本部議長は人権団体やNGOを「戦力増強の担い手で、我々の戦闘チームの重要な一部」と呼んだ。

 NGOは、ハードパワーとソフトパワーのグレーゾーンで活動している。これはもはや並置されているものではなく、単一の枠組みに統合された連続体として概念化されている。そして、政府からの資金援助に加えて、企業金融集団から(多くの場合、彼らが管理するシンクタンクを通じて間接的に)税控除可能な寄付を受けている。NGOと政府の境界線は、広く行き渡った「回転ドア」の力学により曖昧になっているため、メンバーは国内および外交政策を形成する力を持っている。

 ジョージ・ソロスがカラー革命の流行に乗ったのは、共産主義とソ連に対する本能的憎悪だけではない。1973年、ブレトンウッズ体制と固定為替レートが終焉を迎えると、ソロスはソロス・ファンド・マネジメント(後にクォンタム・ファンドに改名)を共同設立した。1973年から1980年にかけて、ポートフォリオは4,200%上昇し、S&Pは約47%上昇した。1987年に出版した著書『金融の錬金術』で、「再帰性理論」をソロスは詳しく説明し、市場参加者は情報に反応するだけでなく、信念、偏見、欲求、行動によって市場の「現実」に影響を与えられ、その結果、市場だけでなく好況/不況サイクルを動かすフィードバックループを生み出すと強調した。「金融市場では、将来に対する期待が現在の行動に影響を及ぼす。しかし、参加者のバイアスが市場価格だけでなく、市場価格を決定するとされるいわゆるファンダメンタルズにも影響を及ぼすには、何らかのメカニズムが作動する必要がある。参加者の思考は、まさに現実に支配されていないからこそ、理論の影響を受けやすい。自然現象の分野では、科学的手法は理論が妥当である場合のみ有効だが、社会、政治、経済の問題では、理論は妥当でなくても有効な可能性がある。錬金術は自然科学としては失敗したが、社会科学は錬金術として成功する可能性がある。私が見る限り、歴史的プロセスには終わりがない。主な原動力は参加者のバイアスだ。」 [4]

 市場の動きの背後にある心理学は感情的バイアスと認知的バイアスの複雑な相互作用であることはよく知られているが、ソロスは単にこれらバイアスを利用して市場を操作したのではなく、「社会的錬金術」を通じて歴史的過程を操作することを切望していた。いくつかのインタビューで、東ヨーロッパでの「慈善活動」も金融市場と全く同じ哲学に導かれているとソロスは説明した。

 この目的のために、彼はカラー革命に参加する社会・政治活動家の軍団に資金を提供し、政党やメディアに資金提供し、NGOを通じて教育機関、政府、超国家組織に潜入してロビー活動を行った。人権の武器化、国内不満の搾取、超自由主義進歩的勢力への支援は社会の亀裂を深め、党派的、イデオロギー的二極化をもたらし、ワシントンが政権交代を求めた国々だけでなく、アメリカでも混乱を引き起こした。この魔術師の弟子の「社会錬金術」の結果は、誰の目にも明らかだ。

 だが、ソロスのような寄生的金融家にとって、危機は権力を拡大し、懐を肥やすための単なる機会に過ぎない。ヘッジファンドは地政学的不安定性と株式市場の変動から利益を得る。政治的混乱や好況と不況のサイクルこそ彼らの稼ぎ頭だ。投資家が不安に陥ると、彼らはヘッジを望むためだ。  
因果応報

 通貨秩序の不安定化と、カラー革命による1945年以降の世界秩序の不安定化は、アメリカ主導のグローバリゼーションの基盤を築き、アメリカ経済の金融化に弾みをつけた。1970年代と1980年代には、世界中の国家政府による資本規制の撤廃が進み、アメリカでは、銀行危機への対応として商業銀行と投資銀行の分離を義務付けたグラス・スティーガル法(1933年)が徐々に崩壊した。この法律は最終的に1999年に廃止された。

 新自由主義への転換は、シャープやソロスや他の同類連中が支持する国家の地方分権化をもたらした。資本主義社会において、主要政府機能の権限と責任を「市民社会」と民間部門に移譲すると、民主主義は強化されず、実際は多国籍企業、様々な超国家的寡頭政治の一族やロビー団体に権力が移譲されることになる。

 マルクスの言葉を借りれば、資本主義的関係の圧力下で、堅固なものは全て溶けて空気となり、神聖なものは全て冒涜される。益々市場化され商品化が進む社会において、人間関係の全てが「冷たい現金のつながり」に還元されることは、人々が頼りにしてきた、あるいは非商業的観点から価値を置いてきた慣習や慣行や制度が存在しなくなるか、それ自体のパロディまたは空虚な抽象概念としてのみ残ることを意味する。やがて、この体制は新しい種を生み出す。マルクスはそれを「新しい金融貴族、プロモーター、投機家、名目上の取締役の形をした新しい種類の寄生虫、企業の促進、株式発行、株式投機による詐欺とごまかしの全体的体制」と名付けた。マルクスは1860年代に、資本主義的蓄積の一般法則は多くの状況により修正される可能性があることを知っていた。しかし、いずれの場合も「資本が蓄積されるにつれ、労働者の状況は、賃金が高くても低くても、必ず悪化する」ことになる。 [5] そして、それが今我々が置かれている状況だ。

 ピーター・ゴーワンの定義を借りれば、新しいドル・ウォール街体制[6]は、あらゆる危機を利用して権力を拡大する立場にあったため、混乱から利益を得る寄生的レンティア階級を生み出した。この階級は、新自由主義とそのイデオロギー基盤の長い行進に抵抗する政府を不安定化させ、打倒することに既得権益があった。そしてこの目的のため、彼らは英米諜報機関と手を組み、狙いを推進し、顧客を築き、恩恵を与えるため、NGOとシンクタンクの驚くべきネットワークを作り上げた。

 ソ連が崩壊すると、ドル・ウォール街体制は、国民国家を資本主義世界帝国への新たな障害とみなし、アメリカが指揮権を握り、ルールを押し付け、それを無視したり、自国利益に合うように適応させたりした。

 紙幣増刷と持続不可能な債務に支えられたアメリカは、表面的には裕福に見えるが、実際は瀬戸際で揺れ動いている。好景気と不景気の表れの下で腐敗と衰退が始まり、寄生的地主階級が宿主を弱体化させている。もちろん、アメリカは依然、実力以上の成果を出そうとしているが、世界の勢力バランスは既に変化している。

 多国間条約がアメリカの利益に干渉するたびにアメリカがそれを無視するのは強さではなく弱さの表れだ。二重基準とあからさまな偽善がアメリカの正当性を損なっている。

 アメリカ企業、金融機関、NGO、メディアは、社会のあらゆる分野に及ぶ多面的な統治パラダイムを発展させ、アメリカ主導のグローバリゼーションに不可欠な存在となった。100年以上前、マルクス主義と自由主義経済学者によるレントシーキング資本主義分析を基に、レーニンは次のような結論に達した。「資本主義下の独占は、世界市場における競争を完全に、非常に長期間排除することは決してできない。独占の特徴である停滞と衰退の傾向は引き続き作用し、一部の産業部門、一部の国では、一定期間、独占が優位に立つ。帝国主義の最も重要な経済基盤の一つである資本輸出は、さらに完全に利潤追求者を生産から孤立させ、海外の複数国の労働力を搾取して生きる国全体に寄生の印を押す。」

 皮肉なことに、権力や独占やドル支配の表れに見えたものは、その同じ権力の衰退を招いた。民間団体とその利益は国家政策と外交政策を形成するのを許されているが、衰退しつつあるアメリカ覇権を支えられるような大戦略を策定することはできない。

 アメリカは、経済の金融化、工業生産の非地域化、通常戦争とハイブリッド戦争による地政学的拡大、ドルの兵器化を通じて1970年代の危機を克服した後、現在、新たな危機を経験している。その戦略は限界に達しており、台頭する大国諸国はアメリカが想像していたより強い回復力と吸引力を発揮している。2008年の世界金融危機は、アメリカ覇権の弱さを明らかにしただけでなく、中国経済が獲得した相対的強さも示した。この強さは、社会的結束、管理や支配ではなく外国パートナーとのウィン・ウィン協力の重視、恣意的ルールの押し付け、イデオロギー的命令と相まって、特に魅力的であることが証明された。2008年金融危機の翌年、ブラジル、ロシア、インド、中国はBRICの名称でロシアで初の首脳会議を開催し、2010年には南アフリカが参加した。BRICSの当初の焦点は、世界経済の状況改善と金融機関の改革にあった。これら5カ国は、不干渉の構想と、各国が対等なパートナーとなる真の多国間主義への取り組みを共有し、徐々に協力を強化し、グローバルガバナンス改革とより公正な世界秩序を主張する新興諸国をこの集団に引き付けた。

 自国の利益を守ろうと決意した主権国家のこの新たな現実は、相互依存と統合されたグローバル・チェーンが国家間対立を克服するという、国境を越えた資本主義の欠陥がある新自由主義テーゼと対照的だ。南半球の国々がこのテーゼを拒否しているのは、主権の希薄化は平和ではなく、むしろ新植民地主義、つまり欧米諸国の金融と多国籍企業の利益への従属につながることを理解しているためだ。新自由主義が全体主義的性質を示し、旧覇権国がドルを武器化し、二重基準、強制、戦争、混乱に頼って自らのルールと反価値観を押し付けて、自らの足を撃ってしまったため、アメリカが国際的なリーダーシップを主張し続けられるとは考えにくい。

 現在の正当性の危機は、アメリカがこれまで経験した危機より遙かに深刻だ。脱ドル化はアメリカ権力の主柱の一つを揺るがし、世界経済のあり方を変えつつある。影響はアメリカで深刻に感じられるだろう。脱ドル化はアメリカ金融資産の広範な価値下落と、他の国々に対するアメリカ金融資産のパフォーマンス低下につながる可能性が高い。

[1] マーサ・L・フェルプス「A History of Military Contracting in the United States(アメリカにおける軍事契約の歴史)」The Routledge Research Companion to Outsourcing Security、2016年

[2] ウラジーミル・レーニン『帝国主義、資本主義の最高段階』 1916年

[3] ジョヴァンニ・アリギ『長い20世紀――資本、権力、そして現代の系譜』1994(翻訳は2009年)

[4] ジョージ・ソロス『The Alchemy of Finance』1987年

[5] カール・マルクス『資本論』第1巻

[6] ピーター・ゴーワン『The Globalization Gamble: The Dollar-WallStreet Regime and Its Consequences』1999年

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/11/04/unleashing-chaos/

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 当ブログで、ジーン・シャープに触れた一番古い翻訳記事は2008年8月。
グルジア大統領サアカシュヴィリの背後にいる人形遣いたち
 The Chris Hedges Report
The Politics of Cultural Despair - Read by Eunice Wong 10:22

It is despair that is killing us. It fosters what Roger Lancaster calls “poisoned solidarity,” the intoxication forged from the negative energies of fear, envy, hatred and a lust for violence.

Chris Hedges
Nov 11, 2024
 日刊IWJガイド
「『ウクライナ紛争を24時間で終わらせる』と宣言してきたトランプ氏の政権で、米国の外交戦略を担う国務長官は誰になるのか!?」2024.11.11号

■はじめに~第2次トランプ政権は、ホワイトハウスと上院・下院が揃って共和党になる「トリプル・レッド」体制へ! 磐石の体制が確立!「ウクライナ紛争を24時間で終わらせる」と宣言してきたトランプ氏の政権で、米国の外交戦略を担う国務長官は誰になるのか!? バイデン政権下の国務省は、ロシアへの憎悪を隠さないヴィクトリア・ヌーランド氏、アントニー・ブリンケン国務長官など、東欧系ユダヤ人がトップを占めた! トランプ政権は「脱ユダヤ」をはかり、この歪んだ国務省人事を刷新できるのか!?

■トランプ氏とウクライナのゼレンスキー氏の電話会談には、イーロン・マスク氏も同席!『ウォール・ストリート・ジャーナル』が暴いたトランプ政権移行チームの停戦案は「ロシアがウクライナ領土の約20%を占領している現状の固定化」「ウクライナが少なくとも20年間はNATOに加盟しないこと」「800マイル(約1287キロ)の非武装地帯への同意」、さらに平和維持部隊は「米国はやらない。ポーランド人、ドイツ人、英国人、そしてフランス人にやらせるべきだ」とも! ゼレンスキー氏は「急激な停戦はウクライナにとって損失」と主張! 一方、ロシアのプーチン大統領は、トランプ氏との停戦協議に『準備はできている』と表明!

2019年2月 4日 (月)

フアン・グアイド誕生裏話:アメリカの政権転覆研究所によるベネズエラ・クーデター指導者の作り方

 フアン・グアイドはワシントンの政権転覆エリート訓練士に仕込まれた、10年にわたるプロジェクトの産物だ。民主主義の旗手になりすましてはいるが、彼は激しい不安定化運動の最前線で長年過ごした。

ダン・コーエン、マックス・ブルメンソール
2019年1月29日
Grayzone

 1月22日という決定的な日の前、ベネズエラ国民の5人に1人以下しかフアン・グアイドを知らなかった。わずか数カ月前、35歳の人物は、ぞっとするような街頭暴力行為と関連する政治的に取るに足りない極右集団の目立たない人物だった。グアイドはベネズエラ憲記事一覧法により無視されている野党が多数派の国民議会内で自党でも中堅人物どまりだった。

 だがマイク・ペンス副大統領から電話を一本受けた後、グアイドは自らベネズエラ大統領だと宣言した。ワシントンによって、ベネズエラ指導者に選ばれ、これまで未知の政治的底辺生活者が、アメリカによって選ばれた世界最大の油脈を持つ国の指導者として国際舞台に飛び出したのだ。

 ワシントン・コンセンサスをおうむ返しにして、ニューヨーク・タイムズ編集委員会は「すがすがしいスタイルで、国を前進させる構想を持った」グアイドは、マドゥロに対する「信用できるライバル」だと称賛した。 彼が「民主主義の回復」を求めるのを、ブルームバーグ・ニュース編集委員会は拍手喝采し、ウォールストリート・ジャーナルは、彼を「新しい民主的リーダー」だと宣言した。一方カナダや多数のヨーロッパ諸国やイスラエルやリマグループとして知られる中南米の右翼政府集団は、グアイドを、ベネズエラの正当なリーダーとして認めた。

 グアイドは、どこからともなく出現したように思われているが、実際はアメリカ政府の政権転覆エリート製造工場での、10年以上の入念な教育の産物なのだ。グアイドは、右翼学生活動家幹部と共に、社会主義志向のベネズエラ政府を傷つけ、不安定化し、ある日権力を奪取するため育てられたのだ。彼はベネズエラ政治では取るに足らない人物だったが、長年、ワシントンの権力の殿堂で、彼の値打ちを、静かに実証していた。

 「フアン・グアイドはこの状況のために作りだされた人物です」とアルゼンチン人社会学者で、一流ベネズエラ政治年代記編者のマルコ・テルッギがGrayzoneに語った。「それは実験室の論理です - グアイドは正直に言って、滑稽と厄介の間を行ったり来たりする性格を作る要素をいくつか混合したもののようです。」

 ベネズエラ人ジャーナリストで調査マスコミMision Verdadの記者、ディエゴ・セクエラは同意した。「グアイドは、ベネズエラ国内より、国外、特にエリート・アイビーリーグとワシントン政界で人気が高い」とセクエラはGrayzoneに述べ「彼はそこでは周知の人物で、予想どおり右翼で、計画に忠実だと考えられます。」

 現在グアイドは民主主義回復の顔として売り出されているが、彼は次々と不安定化キャンペーンの最前線に身をおき、ベネズエラの最も急進的な野党の、最も暴力的な党派で政治家として生きてきた。彼の党はベネズエラ国内では信頼されておらず、ひどく弱体化している野党をばらばらにした責任も部分的にある。

 「これらの急進的指導者は世論調査で20パーセント以上の支持はない」とベネズエラの主要世論調査員ルイス・ヴィンセント・レオンが書いた。レオンによれば国民の多数が「戦争を望んでおらずグアイドの党は孤立している。「国民が望んでいるのは解決だ。」

 だが、これこそまさにグアイドがワシントンに選ばれた理由だ。彼はベネズエラを民主主義に導くようにではなく、過去20年、アメリカ覇権に対する抵抗の防波堤だった国をつぶすよう期待されているのだ。彼の思いも寄らない出世は、強固な社会主義の実験を破壊する20年にわたるプロジェクトの頂点を示している。

「独裁政治のトロイカ」に標的を定める

 1998年のウゴ・チャベス当選以来、アメリカはベネズエラと膨大な石油埋蔵の支配を復活させようと戦ってきた。チャベスの社会主義プログラムは、国の富を再分配し、何百万人も貧困から引き上げるのを助けたかもしれないが、背後を狙われることにもなった。2002年、支持する大衆の大規模デモ後に、軍が彼を大統領職に復帰させる前、ベネズエラ右翼野党は、アメリカによる支援と承認を得て、ごく短期間彼を追放した。ジョージ・W・ブッシュとバラク・オバマ大統領の政権を通じ、2013年にガンで亡くなるまでチャベスは多数の暗殺計画を生き延びた。後継者ニコラス・マドゥロは三度殺害の企てを生き残った。

 トランプ政権は即座にベネズエラは「独裁政治のトロイカ」のリーダーだと烙印を押し、ワシントンの政権転覆標的リストのトップに格上げした。去年、トランプの国家安全保障チームは、軍事政権をしかけるべく、軍幹部をリクルートしようと試みたが失敗した。ベネズエラ政府によれば、アメリカは2017年7月、ミラフロレス大統領官邸で、マドゥロを捕捉する「憲法作戦」とコードネームを付けられた陰謀と、軍事パレードで彼を暗殺する「ハルマゲドン作戦」と呼んだもう一つの陰謀に関与していた。一年以上後、追放された反対勢力指導者が、カラカスでの軍事パレードの際に、無人飛行機爆弾でマドゥロを殺そうとして失敗した

 これら策謀の10年前、アメリカに資金供給されるエリート政権転覆訓練アカデミーによって、ベネズエラ政府を倒し、新自由主義秩序を復活させるため、反政府右翼学生集団が抜擢され、育てられたのだ。

 多くのカラー革命の種をまいた「革命輸出」集団による訓練

 2005年10月5日、チャベス人気のピークで、彼の政府が全面的社会主義プログラムを計画する中、反乱のための訓練を開始すべく、5人のベネズエラ人「学生指導者」がセルビアのベオグラードに到着した

 学生は、応用非暴力行動・戦略センター(CANVAS)のおかげでベネズエラからやって来たのだ。この集団は政権転覆を促進するアメリカ政府の主な手段として活動するCIAの隠れ蓑、全米民主主義基金や、共和党国際研究所や全米民主国際研究所などの分派を通して資金供給されている。「影のCIA」として知られる諜報企業ストラトフォーから漏れた内部電子メールによれば「[CANVAS]は、1999年/2000年の反ミロシェビッチ闘争の際、CIAから資金供給と訓練を受けていた可能性がある」。

 CANVASは、1998年に、ベオグラード大学のスルジャ・ポポビッチが設立したセルビアの抗議集団オトポールの副産物だ。セルビア語で「抵抗」を意味するオトポールは、最終的にスロボダン・ミロシェビッチを倒した抗議行動を準備することで、国際的名声とハリウッドレベルの出世を得た学生集団だ。政権転覆専門家の、この小さな細胞は、いわゆる「非暴力闘争のクラウゼビッツ」故ジーン・シャープの理論に従って活動していた。ワシントンの一極支配に抵抗する国に向け、ある種のハイブリッド戦争として抗議を武器化する戦略の青写真を考え出すべく、シャープは元国防諜報局アナリスト、ロバート・ヘルヴィー大佐と働いていた。


1998年、MTVヨーロッパ・ミュージック・アワードでのオトポール

 オトポールは全米民主主義基金USAIDと、シャープのアルバート・アインシュタイン研究所に支援されていた。オトポール主要講師の一人、シニサ・シクマンは、かつてグループは直接CIA資金を受けさえしたと述べたことがある。

 ストラトフォー職員から漏れた電子メールによれば、ミロシェビッチを権力の座から追放した後「オトポールで活動していた学生は成長し、スーツを着て、CANVAS、言い換えれば、多くのカラー革命の種をまいた革命輸出集団を作った。彼らは依然アメリカ資金とつながっており、基本的に、独裁者と独裁的政府(アメリカが好きではないもの)を倒そうと世界中で活動している。」

 東ヨーロッパ中で親NATO政権転覆を率いた反対運動を訓練した後、2005年にCANVASは「ベネズエラに注目した」ことをストラトフォーは明らかにした。

 CANVAS研修プログラムをモニターしながら、ストラトフォーは率直な言葉で、極めて印象的にその反乱計画を概説した。「成功は決して保証されていないが、学生運動は、ベネズエラで革命を起こすために長年続く取り組みの始まりに過ぎず、だが講師自身は「バルカンの殺りく者」で経験を積んだ人々だ。彼らは狂った技能を得ている。ベネズエラ大学五校の学生が同時にデモを開催するのを見れば、訓練は終わり、実際の仕事が始まったことがわかる。」

「2007世代」政権転覆要員の誕生

 「実際の仕事」は、二年後の2007年、グアイドが、カラカスのアンドレス・ベジョ・カトリック大学を卒業して始まった。彼は中南米のトップ新自由主義経済学者の一人、ルイス・エンリケ・ベリスベイティア指導下、ガバナンスと政治経営プログラムの授業をジョージ・ワシントン大学で受けるため、ワシントンDCに引っ越した。ベリスベイティアはチャベスに追い出されたオリガルヒ政治旧政権下で、ベネズエラのエネルギー部門で働いて10年以上過ごした国際通貨基金元専務だ。

 その年、ベネズエラ政府が、ラジオ・カラカス・テレビジョン(RCTV)の免許更新を拒否した後、グアイドは反政府集会を率いるのを支援した。この私営放送局は、ウゴ・チャベスに対する、2002年のクーデターで主導的役割を果たした。RCTVは、反政府的デモ参加者を動員するのを助け、野党議員が行った暴力行為の責任を、政府支持者になすりつけ、情報を偽り、クーデターのさなか政府支持の報道を禁止した。失敗したクーデターの企みを推進するRCTVや他のオリガルヒ支配者が所有する放送局の役割は、高く評価されるドキュメンタリー『革命はテレビ放送されない』として残されている。

 同じ年、「21世紀の社会主義」を約束する「新経済システム開発のための必要条件として、組織された地域社会に直接の権力を与え、法的枠組みを、ベネズエラの政治的、社会的再編成のために準備」するチャベス憲法に関する国民投票を妨害した功績を、学生は主張していた。

 RCTVや国民投票を巡る抗議行動から、アメリカに支援される政権転覆活動家の専門要員が生まれた。彼らは自らを「2007年世代」と呼んだ。

 ストラトフォーとCANVASのこの集団の講師は、グアイドの同盟者ヨン・ゴイコエチェアという名の街頭行動組織者が、憲法に関する国民投票をくじく上で「主要因」と認めた。翌年ゴイコエチェアは自由推進の取り組みに対し、ケイトー研究所のミルトン・フリードマン賞と500,000ドルの賞金という栄誉を与えられ、それを彼自身のリバティー・ファースト(プリメロ・フスティシア)政治ネットワーク構築に即座に投資した。

 もちろんフリードマンは、独裁的暫定政府大統領アウグスト・ピノチェトに、急進的「ショック・ドクトリン」風の緊縮財政政策を実行すべくチリに輸入された悪名高い新自由主義シカゴボーイズのゴッドファーザーだった。ケイトー研究所は、中南米右翼の積極的な支持者になった二人のトップ共和党寄寄付者、コッホ兄弟に設立されたワシントンDCに本拠を置くリバタリアン・シンクタンクだ。

 「政治課題を設定するのに慣れているベネズエラ大統領に(過剰)反応するように強いた」ことで「07年世代」を称賛して、アメリカ駐ベネズエラ大使ウィリアム・ ブラウンフィールドが、国務省、国家安全保障会議と国防省南方指令部に送った2007年の電子メールをウィキリークスが公にした。ブラウンフィールドが認めた「新興指導者」の中にはフレディ・ゲバラと、ヨン・ゴイコエチェアがいた。彼は「最も理論整然とした市民的自由擁護者学生の一人」として、ゴイコエチェアに拍手喝采した。

 リバタリアンのオリガルヒと、アメリカ政府のソフト・パワー組織から現金をどっさりもらって、急進的なベネズエラ人幹部は、彼ら版の下記ロゴを使い、オトポール戦術で街頭に繰り出した:

「世情不安を駆り立て、利用し、チャベスに向ける」

 2009年、「2007年世代」の青年活動家は、政権転覆マニュアルでジーン・シャープがに概説した法外なゲリラ劇場戦術をまねて、街頭でズボンをずり下ろし、これまでで最も挑発的なデモを繰り広げた。抗議参加者は、もう一つのJAVUと呼ばれる最新の青年集団仲間の逮捕に対して動員した。学者のジョージ・チカレロ・マーの著書「Building the Commune」によれば、この極右集団は「様々なアメリカ政府筋から資金を集め、たちまち反政府派街頭運動の強硬路線派として、悪評を獲得することが可能になった」。

 この抗議行動ビデオは見ることはできないが、多くのベネズエラ人が、グアイドは主要参加者の一人だと認めている。この主張は確認されてはいないが、下記に見られるようなトレードマークの「抵抗! ベネズエラ」Tシャツを着た、尻出し抗議行動者たちがグアイドが所属する2007年世代の中核メンバーだったというのは確かにありそうなことだ。

 


これがトランプがベネズエラの権力の座に据えたいと望む阿呆だろうか?

 その年、グアイドは「2007年世代」が育成した反チャベス・エネルギーを取り込む政党設立という、もう一つの形で彼自身大衆の前に登場した。ボルンタード・ポプラールと呼ばれるものの中心人物レオポルド・ロペスは、全米民主主義基金プログラムに深く関与し、ベネズエラで最も裕福な地区の一つ、カラカス市長として選出された、プリンストン大学で教育を受けた右翼扇動者だった。ロペスはベネズエラ初代大統領の直系子孫で、ベネズエラ上流階級の生き写しだった。彼は、ワシントンによって政権転覆の目標に定められた国で、アメリカに支援される反政府活動家のために事実上の広告代理店役を演じるアメリカに本拠を置く「人権財団」創設者トール・ハーヴァーソンのいとこでもある。

 ロペスの利害関係はワシントンとぴったり足並みが揃っていたが、ウィキリークスに公開されたアメリカ外交公電が、ボルンタード・ポプラールが究極的には社会的疎外に至るだろう狂信的傾向を強調していた。ある電報は、ロペスが「反政府派の中で対立を引き起こす人物で、しばしば横柄で、報復的で、権力欲が強いと言われている」と認めていた。他の電報は、統一と国の民主的団体への参加を優先する他の野党指導者たちとの緊張の原因として、彼の街頭紛争に対する固執と、彼の「譲歩しない手法」を強調していた。


妻リリアン・ティントリとバイクに乗るボルンタード・ポプラール創設者レオポルド・ロペス

 2010年までに、ボルンタード・ポプラールとその外国支援者は、ベネズエラを襲った数十年で最もひどい干ばつを利用しようとした。水力発電所を稼動させるために必要な水の欠乏のおかげで、大規模な電力不足が国を襲った。世界的景気後退と下落する石油価格が危機を悪化させ、公衆の不満を増大させた。

 グアイドと彼の反政府的運動幹部の重要な助言者、ストラトフォーとCANVASが、ボリバル革命の心臓に短剣を刺す衝撃的に身勝手な計画を考え出した。この計画は、2010年4月という早い時期、ベネズエラ電力系統70%の崩壊に依存していた。

 「電力系統の失敗から、貧しい人たちを守るためにチャベスができることはほとんど何もないので、これは重大な転機的出来事になり得る」とストラトフォー内部メモは宣言していた。「おそらく、これまで反政府派が生みだすことを望めなかった形で、世情不穏を駆り立てる影響力があるだろう。その時点で、状況を利用し、チャベスに、そして彼らの必要に向けるのに、反政府派が最も役立つはずだ。」

 当時スペインのシンクタンクFRIDE研究所報告によれば、ベネズエラ野党はUSAIDやや全米民主主義基金などのアメリカ政府機関から驚異的な年4000-5000万ドルを受け取っていた。主に国外においた自前の口座にも、大規模な保有していた。

 ストラトフォーが構想したシナリオは実現しなかったが、ボルンタード・ポプラール党活動家と同盟者は非暴力主義のあらゆる見かけを投げ捨て、国を不安定化する急進的計画に加わった。

暴力的不安定化に向かって

 2010年11月、ベネズエラ治安機関が入手し、前裁判官ミゲル・ロドリゲス・トレス、グアイド大臣によって提出された電子メールによれば、ゴイコエチェアと数人の他の学生活動家がメキシコシティーのフィエスタ・メヒカーナ・ホテルで秘密の5日間の訓練に出席した。セッションはアメリカ政府に支援されるベオグラードを本拠とするオトポールの政権転覆講師に行われた。狂信的反カストロのキューバ亡命者がジョージ・W・ブッシュの国務省と右翼コロンビア人アルヴァロ・ウリベ前大統領と働く状態で、この会議は伝えられるところによればオットー・ライヒの祝福も受けていた

 フィエスタ・メヒカーナ・ホテルで、グアイドと彼の仲間の活動家は、長引く街頭暴力の麻痺を通して混乱を生みだし、ウゴ・チャベス大統領を打倒する計画を企てたと電子メールは述べている。

 伝えられるところでは石油業界の大物3人、グスタボ・トラール、エリヒオ・セデニョとペドロ・ブレッリが、会議を行うために52,000ドルの費用を負担した。トラールは、弟のレイナルド・トヴァル・アロヨが、ベネズエラ国と契約があるメキシコ私企業、石油・ガス会社Petroquimica del Golfoのベネズエラ代表で、自称「人権擁護運動家」で「知識人」だ。

 セデニョは亡命を主張してアメリカ逃亡したベネズエラ実業家、元JPモルガン幹部で、ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)の前取締役ペドロ・ブレッリ。ウゴ・チャベスが権力の座についた時に、彼は1998年にPDVSAを去り、ジョージタウン大学の中南米指導者プログラムの諮問委員会にいる。

 ブレッリは彼の参加を詳述する電子メールがでっち上げだとを強く主張し、それを証明するため私立探偵を雇いさえした。調査者はグーグルの記録が彼のものと主張されている電子メールが決して伝達されなかったことを示したと宣言した

 現在、ブレッリはベネズエラ現大統領ニコラス・マドゥロが退位させられるのを見たいという彼の願望を隠そうとしない - 道路を通って引きずって行きさえされて、リビア指導者ムアマル・カダフィがNATOに後援される国民兵のそばにいたから、銃剣で異常性行為を強いられた。

@ NicolasMaduro、お前は俺に全く配慮しなかった。お前は俺を鞭打ち/追いかけた@chavezcandanga俺は恐れない。聞け、お前には24時間に二つしか選択肢がない。

    1. ノリエガは麻薬密売で罰を受け、更に人権で国際刑事裁判所で @IntlCrimCourt

    2.あるいはカダフィ風

    今選べ! pic.twitter.com/pMksCEXEmY  2019年1月17日、ペドロ・マリオ・ブレッリ (@pburelli)

 更新:  本記事公開後、ブレッリがGrayzoneに連絡をしてきて、“フィエスタ・メヒカーナ”策謀への彼の関与を説明した。

 ブレッリは会議はメキシコの“違う名のホテルで開催された合法活動だ”と言った。

 オトポールがこの会議を統括したのかと問われると、彼はただオトポール/CANVASの創設者ではないが、その仕事が「好き」で、「様々な国の活動家に、様々な国で、彼らが行う活動を追いかけ、参加するように勧めた」と述べた。

 ブレッリは更にこう述べた。「アインシュタイン研究所はベネズエラで何千人もの人々を公然と訓練した。ジーン・シャープの哲学は広く研究され、奉じられている。そしてこれが、おそらく戦いが、内戦になるのを防いでいる。」

 フィエスタ・メヒカーナ陰謀とされているものは、ベネズエラ政府が提出した一連の文書で明らかにされたもう一つの不安定化計画だ。2014年5月に、カラカスはニコラス・マドゥロ大統領に対する暗殺計画を詳述する文書を公表した。漏洩情報はマイアミを本拠とするマリア・コリナ・マシャドが、この計画のリーダーだと認めていた。極端な言説を好む強硬論者マシャドは、野党の国際連絡役を演じ、2005年にジョージ・W・ブッシュ大統領を訪問していた


マシャドとジョージ W. ブッシュ 2005年

 「私は皆で協力する時期だと思う。必要な呼びかけをして、マドゥロを壊滅し、残りをばらばらに壊すための資金調達をするのだ」マシャドは2014年に元ベネズエラ外交官ディエゴ・アリアに電子メールを書いた。

 別の電子メールで、マシャドは暴力的な策謀は、駐コロンビア・アメリカ大使、ケビン・ホイテカーに祝福されていたと主張した。「私は既に決心した、この政権が打倒され、我々が世界中の友人に伝えるまで、この戦いは続くだろう。もし私がサン・クリストバルに行って、米州機構OASに私自身を曝しても、私は何も恐れない。ケビン・ホイテカーは既に支持を再確認し、新しい段階を指摘した。我々には政権より強い、国際防衛リングを破る小切手帳がある。」

 グアイド、バリケードに向かう

 2月、追放された寡頭政治家のための突撃隊を務める学生デモ参加者が野党に支配される区域をグアリンバ(街頭暴力)として知られる暴力的バリケードに変え、全国的に暴力的バリケードを築いた。国際マスコミは、反乱をマドゥロの残虐非道な支配に対する自然発生的な抗議として報じたが、ボルンタード・ポプラールが出来事を画策していた十分な証拠があった。

 「大学での抗議行動参加者のいずれも大学Tシャツを着ておらず、すべてボルンタード・ポプラールあるいは「公正ファースト」のTシャツを着ていた」とグアリンバ参加者が当時語っていた。「彼らは学生グループだったかもしれないが、学生自治会は野党と協力関係にあり、野党は彼らに対して責任がある。」

 首謀者が誰だったか尋ねられて、グアリンバ参加者は「まあ、もし全く正直に言えば、連中は今は議員だ。」と言った。

 2014年のグアリンバ(街頭暴力)の間に、およそ43人が殺された。3年後、彼らは再び沸き起こり、公共インフラの大規模破壊、政府支持者や、多くがチャベス主義者の126人を殺害した。いくつかの場合、政府支持者は暴力団に焼き殺された。

 グアイドは2014年のグアリンバ(街頭暴力)に直接関与していた。実際彼は警察と激しい衝突で、道路を封鎖し、マスクをつけ武装した分子に囲まれている、ヘルメットとガスマスクを着けた本人が映ったビデオをTwitterに投稿していた。2007年世代に対する彼の参加にそれとなく言及し言明した「私は2007年、我々は「学生だ!」と主張したことを覚えている。今我々は叫ぶ「抵抗! 抵抗!」

 グアイドは明らかに民主主義の旗手としてのイメージへの懸念で、Tweetを削除した。

 

 

 2014年2月12日に、その年のグアリンバ(街頭暴力)最高潮時、グアイドはボルンタード・ポプラールと「公正ファースト」の集会でステージ上のロペスと並んだ。政府に対する長い痛烈な批判の中で、ロペスは群衆にルイザ・オルテガ・ディアス検事総長の事務所に行進するよう強く促した。すぐ後にディアスの事務所は全焼しようと試みる暴力団の攻撃を受けた。彼女は「計画され周到に準備された暴力」と呼ぶものを非難した。


決定的な2014年2月12日の集会でロペスと並ぶグアイド

 2016年のテレビ出演で、グアイドは、オートバイ運転者に怪我をさせるか殺すため、道路を横断して鋼線を張るグアリンバ戦術グアヤスに起因する死を「神話」だと片づけた。彼の発言は、サンティアゴ・ペドローサのような非武装の一般人を殺したり、エルビス・デュランという名の男性の首を切ったりした致命的な戦術を糊塗するものだ。

 この冷淡な人命無視は、マドゥロ反対者の多くを含め、大衆から見たボルンタード・ポプラールの定義になるだろう。

 ボルンタード・ポプラール弾圧

 暴力と政治的な分極化が全国的にエスカレートするにつれ、政府はそれを煽るのを助けたボルンタード・ポプラール指導部に対する行動を開始した。

 国民議会副議長でボルンタード・ポプラールの副党首のフレディ・ゲバラは2017年の道路暴動の主要リーダーだった。暴力上の役割のかどで裁判に直面し、ゲバラはチリ大使館に避難し、そこに留まっている。

 ズリア州のボルンタード・ポプラール議員レスター・トレドはテロに資金供給し、暗殺をたくらんだ罪状で、2016年9月にベネズエラ政府に指名手配された。計画はコロンビアのアルヴァロ・ウリベ前大統領が協力して作られたと言われた。トレドはベネズエラから逃れ、ヒューマンライツ・ウォッチや、アメリカ政府が支援するフリーダム・ハウスや、スペイン議会や欧州会議など、いくつかの講演ツアーをした。

 ボルンタード・ポプラールを導いた、オトポールで教育された2007年世代のもう一人のメンバー、カルロス・グラッフェは2017年7月に逮捕された。警察によれば、彼は、くぎ、C4爆薬と起爆装置で一杯の袋を持っていた。彼は2017年12月27日に釈放された。

 ボルンタード・ポプラール長年の党首レオポルド・ロペスは、2014年グアリンバ(街頭暴力)の際の13人死亡について重要な役割のかどで告発され、現在自宅拘禁されている。アムネスティー・インターナショナルは「政治犯」としてロペスを称賛し、刑務所から家へ彼の移送を「十分ではない」と酷評した。一方グアリンバ被害者の家族はロペスの更なる罪に対する請願書を提出した

 コッホ兄弟の広告塔で、アメリカに後援される「公正ファースト」創設者ヨン・ゴイコエチェアは彼の車の中で一キロの爆発物が発見されたと主張する保安部隊に2016年逮捕された。ニューヨーク・タイムズ論説で、ゴイコエチェアは「でっちあげ」告訴に抗議し、「共産主義から自由な民主的社会の夢」のために投獄されていたと主張した。彼は2017年11月に釈放された

今日はカリクアオにいる。私は@jguaidoと15年一緒に働いている。私は彼を信じている。自らを鍛え上げた彼の節操と知性を知っている。彼は思いやりを持ってことを行うが、決してだまされやすくはない。ここには自由に向かう可能性がある。pic.twitter.com/Lidm8y5RTX (@YonGoicoechea)2019年1月20日

 2013年、同じくオトポールで教育された2007年世代のメンバー、デイビッド・スモランスキーは、彼がエル・アティージョという裕福な郊外で選出された際に、ベネズエラでこれまでで最も若い市長になった。だが彼が猛烈なグアリンバ(街頭暴力)を引き起こしたかどで有罪であることがわかり、最高裁判所に地位を剥奪され、15カ月の禁固刑を宣告された。 

 逮捕に直面して、スモランスキーはあごひげをそり、サングラスをかけ、首にロザリオをかけ、手に聖書を持ち、司祭姿に変装してブラジルにこっそり入った。彼は今ワシントンDCに住み、そこで彼は米州機構ルイス・アルマグロの書記に抜擢され、ベネズエラ移民と難民危機の作業部会を率いている。

 昨年7月26日、スモランスキーは、トランプにアメリカのベネズエラ特使に任命された、以前有罪宜告されているイラン・コントラ重罪犯エリオット・エイブラムスと「暖かい再会」をした。1980年代、エイブラムスは、ニカラグア、エルサルバドルとグアテマラで、右翼暗殺団を武装させるアメリカの秘密政策を監督したことで悪名高い。ベネズエラ・クーデターにおける彼の主導的役割が、またもう一つの血まみれの代理戦争が前途に待ち構えているかもしれないという恐れをかき立てている。

アメリカ政府ベネズエラ特使エリオット・エイブラムスとの国連での暖かい再会。@jguaidoが統括する暫定政府の優先事項は食料と医薬品の不足で苦しむ何百万人ものベネズエラ国民に対する人道支援だと私達は繰り返し言った。pic.twitter.com/vHfktVKgV4 デイビッド・スモランスキー (@dsmolansky)2019年1月26日

 4日前、マシャドは、もしマドゥロが「自分の命を救いたいと望むなら、時間がなくなっているのを理解するべきだと宣言し、彼に対して更なる暴力的脅迫を放った。

連中のゲームの駒

 連中が行なった不安定化を狙う暴力作戦の重みの下、ボルンタード・ポプラールは崩壊し、大多数の大衆を遠ざけ、指導部の多くを、追放や拘留で失った。グアイドは、alternate federal deputyとして、国民議会における9年の経歴の大部分を過ごし、比較的マイナーな人物に留まっていた。ベネズエラで人口が最も少い州の一つの出身者グアイドは、2015年の議会選挙で、国民議会の彼の場所を確保するため、票のわずか26%を得て、二位だった。実際、彼の顔より、お尻の方がよく知られているかもしれない。

 グアイドは野党が多数派の国民議会議長として知られているが、彼は決して選出されて議長になったわけではない。議会の4野党が団結した民主統一会議が輪番制議長を設立することに決めていた。ボルンタード・ポプラールの順番だったが、党創設者ロペスは自宅拘禁されていた。一方彼の「副司令官」ゲバラはチリ大使館に避難していた。フアン・アンドレス・メヒアという人物が、その次のはずだったが、今明確な理由でフアン・グアイドが選ばれたのだ。

 「グアイドの出世を説明する階級的な理由があります」とベネズエラ人評論家セクケラが述べた。「メヒアは富裕層で、ベネズエラで最も高い私立大の一つで学んでおり、グアイドでできたようには大衆に簡単に売り込めなかったのです。一つには、グアイドは大半のベネズエラ人に共通の混血という特徴もあり、大衆の味方のように思われやすいのです。また彼はマスコミで露出過剰していなかったので、何であれ自由に作り上げることが可能です。」

 2018年12月、グアイドは国境の向こう側にこっそり動いて、マドゥロ大統領就任式時に集団デモを行う計画を調整するためワシントンとコロンビアとブラジルに遊山旅行した。マドゥロ就任式前夜、マイク・ペンス副大統領とカナダのクリスティア・フリーランド外務大臣両方が彼らによる支援を確認するため、グアイドに電話した。

 一週間後、全員フロリダ出身の亡命右翼キューバ人ロビー議員、マルコ・ルビオ上院議員、リック・スコット上院議員と、共和党のマリオ・ディアス・バラート下院議員が、ホワイトハウスでトランプ大統領とペンス副大統領に並んだ。彼らの要請で、もしグアイドが彼自身大統領だと宣言すれば支持することにトランプは同意した

 ウォールストリート・ジャーナルによれば、マイク・ポンペオ国務長官は1月10日個人的にグアイドに会った。ところが彼を「フアン・グイド」と呼び、1月25日に報道関係者への説明会で彼に言及した時、ポンペオはグアイドの姓を発音できなかった。

    マイク・ポンペオ国務長官はワシントンが大統領に据えようとしている人物をベネズエラ大統領「フアン・グイド」と呼んだ。グイドはイタリア系アメリカ人に対する人種差別表現の単語だ。アメリカ国務長官は自分の操り人形の姓の発音さえ学ぼうとしなかった。pic.twitter.com/HsanZXuSPR  ダン・コーエン(@dancohen3000)2019年1月25日

 1月11日までに、グアイドのウィキペディア・ページが37回も編集されたのは、今やワシントンの政権転覆野望の活人画モデルになった、かつて無名の人物のイメージを作り上げる苦闘を実証している。結局彼のページ編集管理はウィキペディアのエリート「司書」評議会にまかされ、彼はベネズエラの「紛争中の」大統領と表現された。(訳注:現在は、「大統領」になっている。)

 グアイドは無名だったかもしれないが、彼の急進主義と日和見主義の組み合わせはワシントンの要求を満たした。「このピースが不足していた」とトランプ政権はグアイドについて述べた。「彼は我々の戦略を一貫した完全なものにするのに必要なピースだ。」

 元駐ベネズエラ・アメリカ大使のブラウンフィールドがニューヨーク・タイムズにまくしたてた。「初めて、軍隊と、法執行機関に、明らかに、天使と善人の側に、彼らを引き留めたいと望んでいると表明する野党指導者が現れたのです。」

 だがグアイドのボルンタード・ポプラール党は、警官や一般市民の死を招いたグアリンバ(街頭暴力)攻撃集団も組織していた。彼は街頭暴動に対する彼自身の参加を得意げに語ってさえいた。今、軍と警察の心をつかむため、グアイドはこの血まみれの歴史を消さなければならなくなった。

 1月21日、クーデターが本格的に始まる一日前、グアイドの妻は、軍にマドゥロに反乱を起こすことを求めてビデオ演説を行った。彼女のパフォーマンスは、夫の限定された政治的可能性を強調する無表情なもので、感銘を与えなかった。

 4日後、支援者を前にした記者会見で、グアイドは危機に対する解決策を発表した。「人道介入を認めろ!」

 直接援助を待ちながら、グアイドは彼が常にそうだったもの、身勝手な外部勢力のお気に入りのプロジェクトであり続けている。「こうした全ての不運な出来事の後、もし彼が崩壊し、燃えても重要ではありません」とセクエラはクーデターの表看板について述べた。「アメリカにとって、彼は消耗品です。」

 マックス・ブルメンソールはジャーナリスト、ベストセラーのRepublican Gomorrah, Goliath, The Fifty One Day War, The Management of Savageryを含め数冊の受賞本の著者。彼は一連の出版物に記事を書き、多くのビデオ報告や、Killing Gazaを含めいくつかドキュメンタリーを作った。ブルメンソールは、アメリカの絶え間ない戦争状態と、国内へのその危険な影響にジャーナリズム的な光をあてるため、2015年にGrayzoneを設立した。

 ダン・コーエンはジャーナリストで映画製作者。彼はイスラエル-パレスチナに関し、広く流通するビデオ報告と記事を作成した。ダンはRTアメリカの記者で@ DanCohen3000で、Twitter に投稿している。

記事原文のurl:https://grayzoneproject.com/2019/01/29/the-making-of-juan-guaido-how-the-us-regime-change-laboratory-created-venezuelas-coup-leader/

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 またしてもジーン・シャープ。彼の著書の翻訳『武器なき民衆の抵抗』は1972年、れんが書房から刊行されている。今とんでもなく高価な古書。原書 Exploring Nonviolent Alternativesは 1970年刊行。それに先立つCivilian Defense: An Introductionは1967年に刊行されている。著書の刊行時期と、運動勃興時期からして、ジーンの政権転覆作戦、最初日本で実験されたのではないかと妄想。ジーン・シャープ、天安門事件にもからんでいる?ジーン・シャープのカテゴリーの翻訳記事、結構数がある。お読みいただければ幸い。

 暴力的街頭行動のボルンタード・ポプラール党幹部連中、日本で、仲間で殺し合うに至った過激集団が大衆から完全に乖離したのを連想する。日本学生運動家諸氏の中にはグアイドほどまで出世せずとも、著名政治家になった御仁もおられるようだ。

 衆院予算委国会中継、自民党茶番質問はもとより、コネズミ・ガス抜き質問は見ない。

 大本営広報部で、俳優の暴行事件をうれしそうに語る阿呆面太鼓持ちタレント連中。毎回ながらうんざり。悪の権力には決して抵抗しない。安全な水に落ちた犬だけを叩く。

 月刊誌『噂の真相』編集発行人だった岡留安則氏が亡くなった。楽しみにしていた雑誌が廃刊になったのは残念だった。これから気になる見出しの下記記事を拝読する。

 日刊IWJガイド「橋下徹氏が司会役のAbemaTVの冠番組『NewsBAR橋下』に、国民民主党の玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表がゲスト出演 小沢氏が熱心に橋下氏を誘った!? その真相をスクープ!」 2019.2.4日号~No.2335号~ (2019.2.4 8時00分)

2016年11月16日 (水)

北朝鮮はペンタゴンの属国

F. William Engdahl
2016年11月1日

手ごわい軍隊と核ミサイル技術を持った、あの国の絶対的独裁者だという事実がなかったら、北朝鮮の最高指導者の金正恩、130キロ、32歳の支配者は、道化師人形のようなものだろう。世界平和にとって不幸なことに、金正恩がロケットと戦争の脅威ゲームで遊んでいるのは、アメリカ、特に軍産複合体と、その優先事項が、中華人民共和国とロシアを封じ込め、孤立化させるためのアジア基軸という軍事力投射をすることに益々向かっているペンタゴンと国務省の長期的権益に役立っているのだ。

1990年代末、私は偶然に、故ジェィムズ・R・リリーとおしゃべりする機会を得た。リリーは、ダボス世界経済フォーラムに参加していて、中国人民解放軍の代表団と一緒の、私がいた夕食テーブルに偶然座ったのだ。テーブルでは私が唯一の欧米人だったので、彼は会話を始め、私が世界政治に大いに精通していると見てとって、彼は、おそらく見知らぬ相手にすべき以上のことをはなし始めたのだ。

ジェィムズ・R・リリーは部外者ではなかった。親しい友人、ジョージ・H・W・ブッシュとともに、名うてのエール大学、スカル& ボーンズ秘密結社メンバーで、リリーは、ブッシュと一緒に約30年、CIAで働いた。リリーもブッシュもアメリカ中国大使経験者だ。

リリーの北京大使任期は、1989年5月-6月、天安門広場学生抗議行動の時期と重なっている。アメリカ政府による初期カラー革命の企みの一つとして、ソ連不安定化におけるCIAの役割と同時に、共産中国を不安定化させるために、何千人もの抗議行動参加学生と中国政府との衝突を画策する上で、彼が重要な役割を演じていたと信じる十分な根拠が私にはある。

天安門抗議行動当時、カラー革命教本を開発した人物、アルバート・アインシュタイン研究所のジーン・シャープは、中国が出国するように言うまで北京に滞在しており、ジョージ・ソロスの中国NGO、Fund for the Reform and Opening of China「中国改革・開放財団?」は、天安門事件後、中国治安機関が、財団はCIAとつながっていることを発見して、禁止された。

この背景は、リリーとは一体誰だったのかをより良く理解する上で重要だ。世界を連中の好きな形に作り替えようとしていた、ジョージ・ブッシュのCIA“陰の政府”ネットワークの究極のインサイダーだった。ダボスで話した際、天安門の直後for決して起きなかったことを彼が知っていた虐殺のかどで、北京政府をより強烈に非難するのを拒否した、G.H.W. ブッシュ大統領には憤慨したと、リリーは言っていた。

ダボスでのやりとりで、我々はアジアでの出来事や北朝鮮の核計画に対するアメリカ政府の注目に触れた。リリーは不意に驚くべきことを言った。彼はこう言った。“早い話、冷戦終焉時に、もし北朝鮮が存在していなかったら、地域で第七艦隊を維持する口実として、我々は北朝鮮を作り出す必要があったろう。”ダボスでのこのやりとりの少し前、北朝鮮は、日本越えのミサイルを発射し、アジア中で大きな懸念を引き起こしていた。

金正恩とは一体何か?

彼は一体何者か、というより、金正恩とは一体何なのか?という方が適切だろう。父親が2011年に死亡して以来、金正恩は絶対的独裁者として権力基盤を固めた。2011年12月、金は朝鮮人民軍の最高指導者となった。彼の若いころの経歴は入念に隠されている。彼がヨーロッパ、ベルン近くのケーニッツにあるリーベフェルト・シュテインヘルツリ校に通っていたことが確認されている。彼は偽名で、1991年から、2000年までスイスに暮らしていたと言われている。金正日の専属料理人、藤本健二によれば、そこで彼は、フランスのボルドー・ワイン、イブ・サン・ローランのタバコ、スイスのエメンタールチーズや、豪勢なメルセデスの車を好む途方もない趣味を養ったのだとされている。

ヨーロッパに金が長期間、滞在している間に、アメリカ諜報機関が何らかの接触を育む機会があったのか無かったのかは分からないが、支配権を掌握して以来の金の行動は、北朝鮮と韓国の両国、および日本との中国とロシアとの関係を粉砕する上でのアメリカの役割にとって天の恵みだ。

北京から離れるという金正恩の外交政策大転換の一番古い兆しの一つは、2013年12月、反逆罪のかどで、叔父の逮捕を命じたことが。張成沢は最高指導者に次ぐ国防委員会副委員長で、金の父親が死亡した際、政治的に経験不足の金正恩にとっての“主要政策顧問”だった。より重要なのは、張が平壌における中国の最高の友人として有名だったことだ。

アメリカ政府が、新たな対中国アジア基軸軍事包囲政策の実施に動く中、北朝鮮国内で、北京の最も影響力のある友人の排除は、控えめに言っても、極めて好都合なはずだ。

金正恩は、張を処刑したのみならず、張の妻、北朝鮮の元最高指導者金日成のたった一人の娘、北朝鮮の元最高指導者金正日のたった一人の妹で、金正恩の叔母、軍の大将で、朝鮮労働党中央委員会委員の金敬姫が、いかなる確認も不可能だが、金の命令で、毒を盛られたと報じられている。分かっているのは、金が全ての直系親族の子どもや孫を含め張一家の他の家族全員の組織的な処刑を命じた。金の粛清で殺害されたと報じられている人々には、張の姉Jang Kye-sun、彼女の夫で、キューバ大使、全英鎮、and張の甥でandマレーシア大使、Jang Yong-cholと、甥の二人の息子。張を排除した際、金政権は“張集団の発見と粛清によって、わが党と革命集団はより純粋になった”と発表した。

明らかに、金正恩はまさにワシントンの戦争屋が“取り引き”できる独裁者だ

戦争という金の脅し

韓国や日本を含む地域の他の国々諸国に対して戦争をしかけるという金正恩のとっぴな脅しや、2013年以来の、アメリカ西海岸の都市を攻撃するという口先の脅しの時期と効果は、ワシントンの地政学的思惑と余りにぴったり合っているが、それは北朝鮮に対するものではない。ワシントンの思惑は、中国とロシア極東に向けられている。

2013年3月、北朝鮮の金は、何とも愚かしいことに、アメリカ合州国を“先制核攻撃”をすると威嚇し、金正恩は、朝鮮戦争以来、国連軍司令部と韓国の支配下にあり、過去の海軍紛争の現場である白ニョン島を“殲滅”するという詳細な脅しまでした。金正恩の下で、北朝鮮は、ロサンゼルスやワシントンD.C.を含むアメリカの都市に核攻撃を行う計画を自慢している。軍事専門家は、脅しはただの虚勢にすぎず、金の核能力は、少なくとも現段階では、ハッタリだと言っている。アメリカ政府を平壌の主要な敵として描き出す効果があり、ワシントンにとって、都合の良い隠れ蓑、ワシントンが、実際は平壌ではなく、中国とロシア両国を狙った、アジアにおける軍事拡張推進のための背景になる。

1950年代の朝鮮戦争以来、共産主義北朝鮮は北京の傀儡政権だと広く考えられてきた。中国が北朝鮮最大の貿易相手国であり、食料、武器とエネルギーの主要な源だというのは事実だ。中国は、金正恩政権を支援し、歴史的に、北朝鮮に対する厳しい国際経済制裁に反対してきた。ところが、関係は、北京にとって、心地よいものとは程遠い。北京の主な思惑は、隣国北朝鮮が混乱で爆発しないようにしておくことだ。

中国は一定の影響力を維持しており、北朝鮮を、中国とアメリカに連合する韓国との間の緩衝と見なしているとは言え、これまでの金王朝独裁者たちからは重大な変化をしている、一貫性のない金正恩に対して影響する北京の能力は、あるとしても、極めて限定されているように見える。金正恩の好戦的行為で利益を得るたった一つの大国は、日本と特に韓国を、反中国に変えたがっている地政学的覇権国としてのアメリカ合州国だ。

今年2月、国連安全保障理事会決議に違反して長距離ロケットを発射したと北朝鮮が発表した後、中国とロシア両国も賛成して可決された。ロケット発射は、即座に日本と韓国とアメリカが非難した。北朝鮮のロケット発射直後、韓国政府は北からの脅威に対抗するものだと主張して、アメリカ政府のTHAADミサイル防衛システム購入交渉の本格的交渉を開始したことは注目に値する。中国は声高に抗議した。

同時に、日本もアメリカによるTHAADインフラ設備を強化した。両国の配備は、韓国に対するミサイルの脅威を排除している北朝鮮を狙ったものではない。いずれも、韓国政府と日本の安倍晋三を、反中国姿勢強化を促進するのを狙ったものだ。わずか数カ月前、韓国と日本の関係は冷え込んでおり、中国は、韓国に平和的な経済提案をしていた。THAADミサイルを受け入れるというソウルの決定は、こうしたつながりを冷え込ませた。

ロシアも敗者

金正恩による最新の核実験とロケット発射の挑発の戦略的な敗者は中国だけではない。冷戦以来、北朝鮮とは概して前向きな関係を維持してきたロシアも、金による最近の軍事的挑発に対し、2016年3月に成立した非常に厳しい国連安全保障理事会経済制裁のおかげで、影響力を大いに損なわれることとなった。ロシアは国連経済制裁に合意はしたが、中国同様、実に渋々とだった。

この結果、モスクワも、北朝鮮で大規模商談と影響力を失うことになる。より重要なのは、ドルではなく、ルーブル建てのこれら商談が経済制裁によって禁じられるだろうことだ。アメリカ合州国が草案を書いた安全保障理事会決議は、ロシアと北朝鮮間の取り引きを促進するための新金融決済機関計画も潰すことになる。

更にアメリカが草稿を書いた経済制裁は、まさにロシア-北朝鮮経済プロジェクトを標的にしている。制裁は、ロシアの投資と、発電所や、冶金工場を含むロシア・プロジェクトの代金を支払うために使用されるはずだった北朝鮮の鉱物-具体的には、石炭、鉄や鉄鉱石、金、チタン、バナジウムや、希土類鉱物の輸出をきつく制限する。ロシアは、北朝鮮石炭の再輸出と、北朝鮮の羅津港と、ロシアのハサン間のロシア鉄道路線再建への資金提供を計画していた。

2013年11月、アメリカ政府が、ロシアを欧州連合から切り離すため、別名ユーロマイダンとして知られているウクライナ・クーデターを開始する前、プーチン大統領ソウル訪問時、ロシアと北朝鮮と韓国は覚書に調印していた。協定は、二つの朝鮮の関係安定化に向けた重要な前向きな前進である、南北縦断鉄道全体の将来における復興に、韓国も参加する予定だった。

現時点では、アメリカ政府が、32歳のスイスで学んだ一貫性のない金正恩の支配を、韓国と日本を脅して、対ロシア、そして対中国の軍事・経済圧力を最大化するべく、アメリカ政府の方針を奉じさせるための完璧なこけおどし用怪物と見なしていることは明らかだ。ジェイムズ・R. リリーがダボスで私に言ったことが、北朝鮮最高指導者、金正恩最近の軍事、外交政策上の行動で起きている。アメリカ合州国は“北朝鮮を作り出す”必要すらなかったように思える。アメリカ政府は、金正恩の子どもじみた性格を育みさえすればよかったのだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://www.williamengdahl.com/englishNEO1Nov2016.php
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この筆者によれば、常々感じていることは、妄想ではなかったようだ。

日本と韓国を、あやつる道具として最高に便利な手段。下記記事を思いだした。

北朝鮮が偽100ドル札の黒幕である証拠はほとんどない 2008年1月17日

そして、TPP
昨日の国会議論、共産党紙智子議員と、社民党福島みずほ議員の鋭い質問のみ音声を出して拝聴した。あとは全て音声を消していた。音声をけせば、頭の劣化防止と、多少の電気代の節約になるだろう。
大本営広報部は、決してこのお二人の追求を深堀することはない。彼等には幼児殺害事件や、老人による交通事故がより重要。

植草一秀の『知られざる真実』
トランプ氏TPP離脱公約破棄は絶対許されない

財政上の理由から、年末のイベント『饗宴』を中止するとIWJは決断。
TPPについても画期的インタビューなど報じておられるIWJには是非とも存続して頂きたいもの。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2016年9月29日 (木)

ジョージ・ソロスの偽旗工場

Wayne MADSEN
2016年9月26日
Strategic Culuture Foundation

世界的なヘッジ・ファンドの大物で、政治煽動家のジョージ・ソロスは、無数の非営利団体によって、世界中で、宗教的、人種的、民族的緊張をかき立てるため、旗とバナーをよみがえらせたり、呼び起こしたりするシンポル戦争を率いている。世界中の反政府抗議団体が採用したセルビアのOTPOR!運動と握り拳のシンボルから、ソロスが支援した“アラブの春”反乱の際に、初めて登場した恐ろしい白黒「イスラム国」旗に]至るまで、ソロスの“偽旗”工場は異常に早い製造速度で稼働していた。

ソロスと、彼の見習い連中は、マサチューセッツ州ボストンにあるアルバート・アインシュタイン研究所のジーン・シャープの著書にある記号論の重要性を理解している。いかにして、非暴力的抵抗と革命を行うかに関するシャープの教義問答は、一部の政治学者によって、モハンダス・ガンジーや、マーチン・ルーサー・キングのものにたとえられているが、政治的現状をひっくり返すという彼の概念は、むしろ毛沢東、カール・マルクスや、アドルフ・ヒトラーから借用しているように見える。

シャープの政治行動をするために必要な小道具の中には“旗と象徴的な色”、“スローガン、戯画とシンボル”、と“バナー、ポスターと、目につく表現”がある。“象徴的な色”は、ソロスと中央情報局(CIA)が資金提供した、ウクライナ (オレンジ)やキルギスタン(ピンク)の“カラー革命”、そして、イラン(緑)、クウェート(青)と、ミャンマー (サフラン色)で、成功しそこねたカラー革命で使われた。

シャープのひな形と、ソロスとCIAとつながる全米民主主義基金(NED)からの資金供給を利用して、チュニジア(ジャスミン)と、エジプト(蓮)でのアラブの春革命と、ジョージア (バラ)、レバノン(杉)、ウズベキスタン(綿)と、モルドバ(ブドウ)での革命未遂で、シンボルが用いられた。

ソロスと、“パラサイト(寄生虫)”の巧みな語呂合わせである“ソロサイト”として知られる彼の手先が、リビアとシリアでの蜂起で使う旧政権の旗を大量生産するため、バルカン半島で国旗工場と契約したことは、今では明白だ。2011年、リビアで、リビア指導者ムアマル・カダフィに反対して立ち上がった反政府派が、カダフィが1969年に打倒した政権、旧リビア王政が用いた赤-黒-緑の三色横縞に白い三日月と星の、新品の、折りじわが残った旗を振り回した。

ほぼ同時に、バッシャール・アル・アサド大統領に反対するシリア反政府派は、国際連盟のフランス委任統治時と、1961年にシリア共和国で、シリア用いた新品の緑-白-黒三色の横縞に三つの赤い星の旗をもって、シリアの主要都市の街頭に繰り出した。いずれの場合も、ソロスやNEDが資金提供している、リビアとシリアの反政府集団が、1969年に打倒されるまで封建主義的なイドリス王の下で存在していたような親欧米リビアや、1961年、ガマール・アブドゥル=ナーセル寄りのダマスカス政権を打倒したドゥルーズ教徒のアブド・アルカリーム・アルテフラウィ中佐の親欧米政権と大して変わらないシリアへの回帰を見越していたのは明らかだ。だが、ソロスやアメリカのヒラリー・クリントン国務長官のもとで、政権転覆を唱道する連中にとっては、失望する結果となった。

リビアとシリアでは、親欧米政権が権力を掌握するのではなく、領土の主な部分は、主として「イスラム国」に忠誠を誓う聖戦戦士勢力と、アルカイダに忠誠を誓う少数の聖戦戦士勢力の手に落ちた。どのような聖戦戦士集団を連中が支援するのかとは無関係に、こうした反政府集団は、サウジアラビア、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン・イスラム主義政権や、湾岸の首長国カタール、アブダビ、ドバイ、シャルージャとクウェートからの支援を受けていたのだ。

リビアやシリアの建物上に旧親欧米傀儡政権の旗が翻るかわりに、新品の白黒のイラクとレバントのイスラム国(ISIL)国旗が、ベンガジやシルテから、トリポリやデルナにいたるまで、旗ざおや窓やバルコニーではためいた。シリアでは、新しいISIL国旗が、ラッカやマジブから、イドリブやパルミラに至るまでで掲げられた。東のイラクでは、ISIL国旗が、アメリカがしつらえたイラク政府やクルディスタン地域政府の旗と置き換わった。

2014年10月7日、新品ISIL国旗の源の一つ、北イスラエルの町ナツラト・イリトをユダヤ通信社が報じた。町の工場地域の庭師が、トラックから道路に落ちた袋を発見した。袋の中から、25枚の新品の白黒ISIL国旗が見つかった。

この発見で様々な疑問が提起された。国旗は、ユダヤ人の町にある工場で製造されたのだろうか? イスラエル軍が、ゴラン高原を越えてシリアで戦う聖戦士に兵站や他の支援を行っていることが知られている。ISIL国旗は、聖戦戦士支援のイスラエル・プロパガンダの一環だったのだろうか? さらに、ソロスとNEDは、リビアとシリアで配布するため、ISILや旧アラブ政権の国旗製造をイスラエルに外注したのだろうか?

国連総会開会式で、ソロスの非政府組織とのつながりがある人々を含め一部の人権擁護主義者が、国際刑事裁判所(ICC)に、ISIL指導部を告訴するよう要求した際、ソロスのISILとのつながりが非常にあからさまになった。ソロスの組織の影響を強く受けているICCは、ISIL幹部や工作員を告訴するという考えに躊躇した。

シリアもイラクも、それで裁判所を設置することになった1998年のローマ規定の当事者ではなかったので、ISIL司令官や現地の兵士は、こうした国々における人類に対する連中の犯罪の責任を取るべく、国際法廷に引きずり出されることはないとICCは主張した。ICCは、バルカン半島やアフリカの指導者や軍当局者を起訴するのは何の問題もないのに、ISILは聖域と見なされているのだ。

ICCは、リビアにおける犯罪とされるもののかどで、カダフィ家のメンバーを裁判にかけようと準備していたにもかかわらず、ISILやリビア国内の系列集団は、裁判所の興味の対象ではなかった。ICCが、ISILを横目でにらむだけでいる主な理由は、この集団指導者のいかなる裁判も、サウジアラビアや、イスラエル、トルコ、首長国、ソロス組織やアメリカによる、ばかげた“偽旗”騒ぎを、世界にあらわにしてしまいかねないためだ。

ソロスのばかげた偽旗騒ぎは、中東に限定されるものではない。主にアフリカ系アメリカ男性を標的にした警官暴力への反撃の、アフリカ系アメリカ人による暴力事件では、“黒人の生命は大切だ”というスローガンが描かれた新たな旗が、アメリカ合州国中の市や町で掲げられる。ソロスが「黒人の生命は大切だ」運動と旗に資金提供していることは良く知られているが、これも、シャープのひな形と、彼のテーマ革命モデルに従った、バナー、スローガンとシンボルの利用であるように見える。

“黒人の生命は大切だ”旗は、アメリカ中で見られるが、アメリカ革命時の、星が13の“ベッツィー・ロス”国旗や、ベンジャミン・フランクリンがはやらせた“俺を踏みつけるな”という座右の銘を書いたガズデン・フラグのような歴史的な旗、更に、南部連合のいかなるシンボルが描かれたあらゆる旗も、ソロスが資金提供する圧力団体によって“人種差別主義”だと非難されている。これらの歴史的なアメリカの旗を、墓地、公園、歴史的戦跡や、他の場所で使用禁止にしろという要求もあった。これは、ソロスや、実際に、アメリカ史を変えて、アメリカ憲法の言論の自由条項を侵害して、極端な政治的公正政権を押しつけたがっている連中による、もう一つの“偽旗”攻撃だ。

シャープによる革命工程のおかげで、旗とシンボルは強力な武器だ。スペイン警察は、「イスラム国」がキリスト教から“解放”すると誓ったいにしえのアル・アンダルス・カリフ領だった場所、南スペインの町々で、ISIL国旗を発見した。ドイツの一部の地域では、トルコ国旗の方が、ドイツ国旗より、ずっと多くみかける。共和党大統領候補ドナルド・トランプに抗議するヒスパニック系集団は、新品のメキシコ国旗を振っている。ジョージ・ソロスとCIAによる不安定化工作の証拠となり得る兆候は、抗議行動参加者集団で使われる旗で分かる可能性がある。旗章学諜報工作(Vexint)、つまり旗諜報工作は、世界中のあらゆる主要諜報機関の一分野となるに違いない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/09/26/george-soros-false-flag-factories.html
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TV国会中継、たまたま共産党志位質問だけ、音を出してみた。消費税、南スーダン派兵、TPP、介護改悪、実に的確な指摘ばかり。幸い所要があったので、呼吸をするようにウソしかつかない御仁の怪答は見ていない。録画する気力も皆無。

不気味な与党の起立・拍手は、南スーダンでの有事に備えた予行演習だというブログもあるようだ。小生も、見た瞬間そう思った。こうして侵略戦争にひきずりこまれてゆくのだと。ひたすら死の商人の利益のために。

日本の武器ビジネスの現場はいま――「死の商人」国家へと舵を切った安倍政権の実態に迫る!『武器輸出と日本企業』著者・望月衣塑子氏に岩上安身が訊く(前編) 2016.9.26

この記事に直接関連するものを多数訳している。ごく一例をあげておこう。

「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」: またはジーン・シャープの妄想
 2016年3月23日

ヨーロッパ不安定化を計画するソロス / CIA 2015年9月25日

カラー革命: 戦争の新手法 2014年10月20日

ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"?第一部 2011年12月31日

2016年8月 5日 (金)

民主党: マッカーシーとリンドン・ジョンソンの党

Wayne MADSEN
2016年8月3日
Strategic Culture Foudation

フィラデルフィアでの民主党全国大会演壇で発せられた言辞は、不気味なお馴染みのものに聞こえた。次から次の民主党員が、wax onロシアと、共和党大統領候補ドナルド・トランプが、ロシアに対処できないことによる“脅威”。こうした新冷戦戦士の中での大物は、 アメリカ史上二番目に酷い国務長官、マデレーヌ・オルブライト元国務長官だ。

一方、民主党の歪曲報道装置は、トランプを“クレムリンのボス”、“赤のボス”と呼び、ソ連と、ヨシフ・スターリンまで蒸し返して言及して、プロパガンダを繰り出していた。もちろん、これらの言辞は、アメリカ合州国における共産主義者“魔女狩り”の暗い日々の主要“共産主義者非難”政治家、悪名高いウィスコンシン州出身共和党上院議員ジョセフ・マッカーシーのものを直接借用したものだ。マッカーシー同様、またしてもクリントン政治王朝に掌握された民主党には“良識の感覚”は皆無なのだ。

民主党は、フィラデルフィアでの四日間のプロパガンダ集会で、これまでの大会では、ほとんど無視されていた名前まで引き合いにだした。リンドン・ベインズ・ジョンソン大統領だ。ベトナム戦争の創始者で、偏執的なまでに、うぬぼれ屋の冷戦戦士がよみがえらされて、過去の民主党栄誉者の殿堂に加えられたのだ。フランクリン・ルーズベルト、ハリー・トルーマン、ジョン・F・ケネディ、ビル・クリントン、そしてバラク・オバマ。仲間外れにされているのは平和の大統領ジミー・カーターだ。これは、ヒラリーとビル・クリントンによって改造された民主党だ。寄生的ネオコンを、連中が共和党を出た後、大歓迎している党だ。ネオコンは、ジョンソン政権時代に彼らを養成してくれた宿主に戻ったのだ。

ジョージ・W・ブッシュとディック・チェイニーのかつての共和党と酷くよく似た新民主党は、実際、マッカーシーとLBJの党になった。クリントンの下の民主党は、戦争政党と化した。ヒラリー・クリントンのアメリカ合州国史上最悪の国務長官としての実績を考えれば、 中東とヨーロッパで、ロシアと、東アジアで、中国と、そして、数少なくなりつつある中南米の進歩的政府との、軍事的対立を求める無謀さの上で、クリントン政権は、オバマ政権の倍賭けにるだろうことが予想される。

クリントン女史の国務長官時代、アメリカ合州国は、ホンジュラスのマヌエル・セラヤ大統領、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領に対するクーデターと、エクアドルのラファエル・コレア大統領と、ボリビアのエボ・モラレス大統領に対するクーデター未遂を支援した。WikiLeaksによる、クリントン女史の個人電子メール・サーバーで送信・受信した電子メールの暴露は、セラヤを打倒した後、彼への支持を差し控えるよう、米州機構に、彼女の指揮下、国務省が、どのように圧力をかけたを示している。クリントンが大統領になれば、クリントンや連中の介入主義者チームが実践するグローバル主義の秘教に反対するあらゆる中南米やカリブ海の諸国に対し、似たようなごまかしが行われることになろう。

ヨーロッパにとって、クリントン政権の新マッカーシー主義は、ワシントンとモスクワとの間の分裂をより大きくするのみならず、NATOに対して、おそらくは歓迎すべき悪影響をもたらすだろう。全員が、ジョージ・ソロスとジーン・シャープの“新時代帝国主義”戦略の読者である、クリントンとお仲間の熱狂的グローバル主義者は、東ヨーロッパ、中東、アフリカや南アジアにおける、アメリカの冒険主義をNATOが支持するのを期待していよう。だがBrexit推進の立て役者だったイギリス外務大臣ボリス・ジョンソンは、クリントン連中にとって、決してちょろいかもではない。そして、もしマリーヌ・ルペンが、2017年のフランス大統領選挙で、社会党と保守党のライバルを打ち破り、フランスを欧州連合から離脱させれば、アメリカ合州国は、敵対的なイギリス、フランスとロシア、更にはハンガリーとオーストリア、そして、あるいはイタリアとも対決する状況になり得る。実際、クリントン大統領と、ヨーロッパの大衆寄り反グローバル主義政府台頭の組み合わせで、我々はヨーロッパでの、アメリカ影響力の押しつけ終焉を目にする可能性がある。

民主党とクリントンが、トランプを、ロシアの影響力の代理人として描く露骨なマッカーシー風戦術を用いていることに関し、重要な疑問が投じられている。クリントン、民主党全国委員会や、民主党議会選挙対策委員会(DCCC) 電子メールのWikiLeaksによる漏洩を、公式アメリカ国家プロパガンダ用のお馴染みの道具である、ニューヨーク・タイムズもワシントン・ポストも、ロシアが“アメリカ選挙に干渉”しているとして非難している。ところが、こうしたプロパガンダ・メディアは、ロシア選挙へのアメリカの干渉、特に、ソロスが資金提供している非政府組織が、ロシア全土で行っている露骨な“影響工作”を非難したことは皆無だ。中央情報局(CIA)による“暗黙の了解”以上のものを得て、こうした工作が行われてきたのだ。

かつて機密の“ペンタゴン・ペーパーズ”公表や元ペンタゴン・コンサルタントのダニエル・エルズバーグによる漏洩を擁護して戦ったワシントン・ポストも、ニューヨーク・タイムズも、今や民主党電子メール漏洩の背後に“ロシア諜報機関”がいると激しく非難している。もし両紙が現在示しているようなマッカーシー風ジャーナリズム基準を、1970年代初期に維持していれば、エルズバーグは反逆罪ハノイ工作員として描かれたろう。

クリントン女史が、極秘電子メールを、ニューヨークの自宅地下の個人サーバーに保管し、送受信することを許した御用官僚、連邦捜査局 (FBI)長官ジェームズ・コミーは、クリントンと民主党のサーバーに侵入したとして、ロシアを非難して、今やFBIでの彼の先駆者、悪名高い“赤狩り人”J. エドガー・フーバーの魂と霊界通信をしている。コミーは矛盾したことを言っている。クリントンの電子メール・サーバー侵入は、国家安全保障侵害のかどで刑事告発するほどのレベルではないと彼はいった。ところが、コミーは同時に、機微な電子メールを入手すべく、クリントンのサーバーのありもしないセキュリティーを破って、犯罪的に侵入したと、ロシアを非難している。コミーは、FBIが正当な法執行機関ではなく、クリントンやブッシュのようなエリート政治家連中と、公安国家の権益を守るためにのみ存在している政治警察部隊だということの醜悪な見本だ。

クリントン女史の外交政策綱領に関して言えば、これほどのタカ派的民主党綱領は、LBJ時代以来、かつてなかった。ジョンソンが、臆面もない親イスラエル派であったのと同様、クリントン女史の綱領は、エルサレムとニューヨークのプロパガンダ工場で書かれたスローガンに習っているのを含めイスラエルからの資料に満ちている。“イランは主要なテロ支援国家だ。”クリントン女史は、イスラエル・ロビーに迎合する上で、これ以上良い仕事はやりようがなかろう。しかも彼女は、1967年、アメリカ情報収集艦リバティー号に対する故意の軍事攻撃で、イスラエルを罰し損ねたLBJの忌まわしい言葉に同調している。ジョンソンは、1968年の再選のための出馬計画があったので、ユダヤ人有権者の票と選挙資金を犠牲にしたくないばかりに、民主党の政略のため、アメリカ海軍艦船を犠牲にした。クリントン女史は、イスラエルという腹話術師にあやつられる人形として動いて、同じことをしているのだ。

クリントンの綱領項目には、アメリカ合州国とサウジアラビアとの“安全保障上の協力を強化する”のが彼女の意図だとある。最近公表された、これまで機密扱いだった9/11攻撃に関する議会報告の28ページは、サウジアラビア政府は、疑いようもなく完全に、アラブ人ハイジャッカーや、彼らを支援するアメリカ合州国内の工作員への資金提供や他の物質的支援に関与していたことを示している。クリントン女史側近で、ムスリム同胞団とのつながりで定評のあるフーマ・アベディンとの疑わしい関係は、クリントン女史がリビア、シリアと、短期間、エジプトの世俗政府の破壊を統轄したことを考えれば問題がある。

クリントン綱領は、現在ありもしないイランによるハマース支援を激しく非難し、テヘランを軍事行動で威嚇しながら、イスラエルのパレスチナ人弾圧は黙認し、トルコのアルメニア人虐殺には触れていない。フィラデルフィアでの、民主党綱領委員会会議の間、レジェップ・タイイップ・エルドアンのロビイスト連中は多忙だったようだ。

もし2017年1月20日に、クリントン女史が、大統領として就任すれば、あそび人の夫の背後には“後部銃手”ジョー・マッカーシー、血まみれの手のLBJ、女装したJ. エドガー・フーバーの微笑む幽霊たちが立つことになる。是非とも、アメリカ史の悲惨な過去に賛成投票をしようではないか。

記事原文のurl:h.strategic-culture.org/news/2016/08/03/the-democrats-party-of-joe-mccarthy-attp://wwwnd-lyndon-johnson.html

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マッカーシーという名前ですぐ思い出す記事に下記がある。

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』と、ハリウッド・ブラック・リストの歴史

9/11後のマスコミにおける、現代版赤狩り

オリンピックが始まるという。恥ずかしながら極端に運動神経が欠如しているので、何も見ずに終わるだろう。

日本人にとって、深刻な影響があるのは、大々的に報じられるオリンピックではなく、高江。

■■■ 日刊IWJガイド「本日、高江で抗議行動テントの強制撤去か!?高江で浮き上がる悪しき差別構造をIWJは徹底的に可視化!/本日20時より、岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(前編)を再配信!安倍政権が『学ぶ』『ナチスの手口』とは何か?どうぞお見逃しなく!」2016.8.5日号~No.1421号~ ■■■
(2016.8.5 8時00分)

 いよいよリオデジャネイロオリンピックが本日開幕!遠くブラジルに思いを馳せている、城石エマと申します。

 以前にもちょこっとお話したことがありますが、我が家には2011年頃からテレビがないため、私が最後にオリンピックをテレビで観たのは、2008年、北京オリンピックのときです・・・。

 当時、高校1年生だった私は、夏休みに自宅でテレビをつけ、水泳の北島康介選手が100m・200m平泳ぎで金メダルを獲り、日本人唯一の競泳2種目2連覇を達成し、「チョー気持ちいい!」を言い放つ瞬間を目撃しました。

 北京五輪から8年。今年はなんと、NHKや民放のネット中継に力が入っているそうなので、8年ぶりに私も五輪を観てみようかと思います!

 さて一方、本日は、沖縄・高江で抗議行動テントの強制撤去が行われるとされている日です。本土が沖縄に基地負担を押しつけ続けてきた結果、高江では今、抗議の村民が500人もの機動隊によって暴力的に排除されています。まさに、本土による沖縄差別の実態が、高江で浮き彫りになっているのです。

 間違いなくこの国の中で起きている、参院選後のこの信じがたい現実に、既存大手メディアはほとんど力を入れて報じません。まるで国による暴力的な権力行使を「黙認」するかのようです。

 IWJは、権力やスポンサーによる横並びの圧力に決して屈しません。当たり前に報ずべきことを、当たり前に報じます。

 昨日より、この差別の実態を可視化すべく、IWJの東京本部から原佑介記者、阿部洋地(ひろくに)カメラマンを、現地へ派遣しました。さらに、京都からは中継市民の北野ゆりさんが現地入りしてくださいます!北野さんは、一市民で一女の母ながら、IWJに関わりを持つ前から、高江への本土からの支援活動に携わってきました。現地では、沖縄の大姉御・沖縄中継市民のKEN子さんもご協力くださいます!

 総力体制で臨む高江取材、あますところなくお伝えするために、IWJでは機材の追加購入、航空券、レンタカーなどの費用など、急な出費に見舞われています。電波の悪い高江でもつながるようにと、新たに沖縄チャンネル用としてソフトバンクのWi-Fiの回線も契約しました。

 8月から新たな決算期が始まったばかりですが、どうぞ、この期を乗り越えるためにもぜひ、みなさまの会費でIWJをお支えください!

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 また、高江取材だけでなく、これから来る改憲の国民投票に向け、IWJは改憲の中身のおぞましさについて、多くの人々に伝えるべく、できることをあますところなくやっていく予定です。改憲勢力が3分の2をとり、安倍内閣が「超」のつくタカ派議員らで閣僚を固めた今、「自由に口のきけるうちに」、IWJがみなさまに大事な問題の一つ一つをお伝えできるよう、どうぞ、みなさま、IWJを改めてお支えいただけますよう、伏してお願い申し上げます!

 IWJは、会員の会費だけでは活動規模を支えきることはできません。IWJの収支の2~4割は、皆様方からのご寄付・カンパによって支えられています。

 言いかえると、皆様のご寄付が低迷すると、IWJはたちまち赤字に転落してしまいます。

 前期の決算については、7月末にしめたものを9月末までに数字を確定させ、会計法人の監査を受けて、皆様にご報告することができると聞いております。

 一時期、このままではIWJは3千万円の赤字になる見通し、と危機感を弊社代表・岩上安身がお訴えさせていただきましたが、多くの人から善意と励ましのカンパが寄せられ、なんとか前期の苦境は乗り越えられることになりました。

 詳しい数字は代表の岩上安身が後日、報告いたしますが、少し悩ましいのが、一時的なピンチがしのげても、その後また、皆さま、ご寄付・カンパによるご支援をお忘れになってしまうこと。会員が8000人くらいまでに増えればもっと安定するのですが、それまでは皆さまからのご寄付・カンパによるご支援が欠かせません!なにとぞよろしくお願いします!

※ご寄付・カンパをどうぞお願いいたします!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 第3次安倍第2次改造内閣の「タカ派」ぶりについては、後ほど平山茂樹記者よりお伝えします。

 刻一刻と改憲にむけ準備を整えつつある安倍政権。その改憲のやり方は、まさしく麻生太郎副大臣が述べた通り、「ナチスの手口」に学んでいると言わざるをえません。

 おりしも、都知事選の終わり間近で、民進党の岡田代表が代表選に出ないことを表明。にわかに共産党との野党共闘路線を見直す(つまり共産党との協力を解消し右へとシフトする)自民党が主導する改憲論議に積極的な姿勢をみて長島氏、細野氏ら党内右派が勢いづいており、彼ら、「歴史にまったく学ぶアタマのない」民進党右派勢力が、これまでの野党共闘を実現させてきた市民の運動の結実を台無しにする可能性があります。

 民進党を右にシフトさせれば保守票を獲得できるなどと主張する民進党の右派は、そんな保守層はとっくに自民党に身を寄せており、民進党の右派は、民進党が与党との違いを見せることもできなくなった、存在価値がなくなり、雲散霧消することになるのを、まったく理解していません。そうさせてしまっていいのか。ぜひナチスの台頭を許したドイツの歴史から学んでいただきたいと思います。

 そんな「ナチスの手口」を徹底批判したのは、7月1日、岩上さんのインタビューに答えた、石田勇治・東京大学教授でした。石田さんは、「緊急事態条項」によってあっという間に独裁体制へと変わっていったヴァイマル体制末期・ナチス台頭期のドイツと、現在の日本があまりに似ていることを指摘してます。特に共産党と社会民主党(日本でいえば民進党)が、手を結べばナチスの台頭を防ぎえたのに、アインシュタインら当代随一の知識人が呼びかけたのにもかかわらず、両者はいがみあいを続け、「野党共闘」を実現させられず、ナチスが独裁権力を手に入れるのを防げませんでした。痛恨の極みです。

 必見・必読のインタビューです。

 その石田さんへのインタビューを、本日20時よりチャンネル1番で特別再配信いたします!本日の配信は前編です。後編は明日、再配信いたしますので、そちらもどうぞ合わせてご視聴ください!

【チャンネル1】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

 また、石田先生へのインタビューは、最新号の「岩上安身のIWJ特報!」でテキスト化、掲載していますので、ぜひ、こちらも合わせてご利用ください!

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 原発、集団的自衛権、TPP、歴史認識、中東情勢など、現在の日本や世界が抱えている政治的課題について、より深く掘り下げて知りたい方には、毎号必読の内容となっています。ぜひ、ご購読ください!

 「まぐまぐ」では、「岩上安身のIWJ特報!」のバックナンバーを購入することもできます。5月には、「緊急事態条項」に詳しい永井幸寿弁護士インタビューを、6月には、同じく「緊急事態条項」に強い警鐘を鳴らしている升永英俊弁護士インタビューを敢行しました。ぜひ、あわせてバックナンバーもチェックしてみてください!

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2016年3月23日 (水)

「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」: またはジーン・シャープの妄想

2011年12月3日 reedによる投稿    
アサド・アブハリル
2011年12月2日金曜
Angry Corner

ルアリド・アローによる「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」が、おそらく他でも上映されているのだろうか、ブランダイス大学中東研究シオニスト・センターで上映された。「フォーリン・ポリシー」誌が、ジーン・シャープが“アラブの春抗議行動参加者をかきたてた”と決めた後の上映だ。これは全て、何の証拠も無しに、ジーン・シャープが、アラブ世界中で非暴力革命をかきたてたと決めつけたニューヨーク・タイムズの一面記事から始まった。

もちろん、アラブの反乱は決して非暴力ではなかった。エジプト国民は、スエズや他の場所で暴力的に反乱し、国中で政府庁舎や警察署や、ホスニ・ムバラクの政党事務所も攻撃された。リビアの蜂起は、NATO介入で悪化し、リビア国内での複数戦争になった。チュニジアでは、反政府派は政府庁舎も攻撃した。シリアでは、状況は、いまや必ず“内戦”とレッテルを貼られる。だから、今頃は、むしろアラブの秋のようだが“アラブの春”の非暴力でない性格を強調して、ジーン・シャープ理論による、いわゆる鼓舞を、はねつけのは容易だ。しかし、ドキュメンタリー「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」は一体何を語っているのだろう?

映画を見終えるのは困難だ。実際、何の筋もない。いささか不穏でもある。映画は、マサチューセッツ州の自宅の、年老いたジーン・シャープに焦点を当てる。家の地下室で、アルバート・アインシュタイン研究所事務局長が働いている。映画はこの両方に焦点を当てる。しかし、監督は主張の正しさを証明するのに苦闘しており、映画には、カルトのプロモーション映画の雰囲気がただよう。

シャープは、気味が悪いほど平然と自らを売り込み、称賛し、それどころか自分の影響力の誇張までする。彼の考え方の広がりという頻繁に使われる証拠について語って映画が始まる。彼の本は、30以上の言語に翻訳されている。著書の一冊の(映画の中で際立って紹介される)アラビア語翻訳について、彼らは語り続ける。だがこれは誠実ではない。シャープは、彼の著書が、アラブ人ファンの主導で翻訳されたわけではないことを知っている。著作は、彼の組織に対する外部からの資金援助のおかげで、彼自身のアインシュタイン研究所によって翻訳されたのだ。

ジヤミラ・ラキブ(映画の中では、彼の信奉者として紹介される)は、研究所が著作の翻訳に資金を出した数年前に私に連絡してきました。彼らに、翻訳過程を監督し、正確さを確認するよう依頼されました。けれども本には、私は興味がもてず、仕事を断りました(彼らのことを友人と呼びますが)。自身が自分の著作翻訳を発注しているのを知りながら、彼の著作が複数の言語に翻訳されたのが、彼の影響力の証拠だと、シャープは一体どうして納得できるのだろう?

政治的に言えば、シャープは、主として、アメリカ外交政策目標と協調して活動してきた。彼はその非暴力行動を、冷戦中、共産主義政府に対して推進しており、彼のパートナー(元アメリカ陸軍大佐)が、共和党国際研究所庇護下での彼の仕事について語っている。しかし、もしシャープが非暴力推進に熱心なのであれば、一体なぜ彼は、世界の大半の国々よりずっと暴力を行使するアメリカ政府に、非暴力を説かないのだろう? シャープは一体なぜ、パレスチナ人には非暴力を説くが、イスラエルには説かないのだろう? 彼の非暴力プロジェクトは、現在世界で最も暴力的な政府には関心が無いようだ。

映画はシャープの影響力のいかなる証拠も提示できないので、シャープが革命を鼓舞したことを確認するため、四人の男性を招いている。一人はセルビアから、もう一人はジョージアから、もう一人はエジプトから、四人目は、ロンドンのシリア人だ。四人はそれぞれが、そう、シャープが“彼の”革命を触発したという趣旨の証言(明らかに、カメラの背後にいるインタビュアーに催促されて)をする役目が課されている。そして、まさにそうだった。映画は、革命と抗議行動の映像を、自宅にいるジーン・シャープの顔のクローズアップと対比する荒削りなものだ。しかし、この方法では、もし革命の画像を、ジャガイモの画像と対比すれば、ポテトが革命をかきたてたのを証明することになるだろう。

また映画は、彼の影響力ゆえに、世界中の政府がジーン・シャープの著作を攻撃していると偽って主張している。シャープ自身、何の証拠も無しに、ロシア政府が彼の著書を印刷していた二台の印刷機に放火したと主張した。映画は、イランの抗議行動参加者が、シャープの指示に従ったかどで有罪判決されたと主張するが、またしても何の証拠も提示されない。

映画の後半は、エジプトとシリアの例が中心だ。エジプトの例では、男性を映し“エジプト革命の指導者”だと我々に紹介する。私は個人的に、この男性のことを全く聞いたことがないが、彼は革命指導者だと信じなければならない。彼は、もちろん、シャープが“彼の”革命を鼓舞したのだと語る。シリア人男性のウサマ・ムナジッドは、より奇妙だ。彼はロンドンに住んでいるが、映画は彼を - 皆様はお気づきだろう - シリア革命“指導者”として紹介した。事務所で、彼が国中に“設置した”と映画が主張するカメラからの画像をアップロードするのを見る。だが、この男性の証言では十分でないとなると、ボストンまで飛行機でやって来て、シャープの助言に耳を傾けている所を撮影された。

もちろん、シャープの著作を笑い物にするのは難しいことではない。シャープの功績とするには、彼の革命にむけての指示は、余りに基本的過ぎて常識的だ。映画は、シャープの本が(彼自身が主導して)スペイン語に翻訳されるよりずっと昔から、中南米では、この手法の抗議行動を、何十年も行ってきたのに、セルビアで鍋やカマを叩くのは彼の発想であるかのようにさえ言う。例えば、彼はまるで抗議行動参加者が、シャープの著書が刊行される前に、それを考えなかったかのように、彼らは旗をふるべきだと示唆する。

様々な点で、映画には違和感がある。シャープのメッセージは恩着せがましく、上から目線で、自分の国際的影響力に対する彼の確固とした信念は自己欺瞞の雰囲気を帯びている。彼 - 白人 - だけが世界中の人々にとって、何が最善の行動かを知っていると彼は信じている。彼はアラブ人に、指導者の辞任を主張するのは間違っていると説教する。あたかも、アラブで良く使われるスローガンはそれを狙っていないかのように、そうでなく、政府の崩壊を強調するように強く促す。シャープ(あるいは映画の中の一人のエジプト人ファン)は、イスラエル向けのエジプト・パイプラインが9度も爆破されたのを聞いていないようだ。これはシャープのどの著書にも書かれていない。

記事原文のurl:https://revolutionaryfrontlines.wordpress.com/2011/12/03/how-to-start-a-revolution-or-the-delusions-of-gene-sharp/
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花に水 人に心 ムネオ オフィシャルブログ 2016年3月22日記事後半に唖然。「北海道民を思う政治家」と尊敬したことを反省している。

文章から判断して、戦争法案、TPP、憲法破壊、属領化推進ということ。あきれるの一言。

放送記念日特集 激動の時代を越えて を見た。

ラジオは国家の方針?を伝え続けました。

アメリカ人女性の発言「GHQの方針は?民主主義を広めるというかたちをとった、いわばプロパガンダだったのです。」

といっていた。あれは、実は

激動の時代に突入して
問わず語りに、現状はあの当時と全く同じになっています。きをつけてください。ということを、現場の方が言外に伝えたがって制作されたのではないか?と勝手に理解した。

前回、トランプ選挙運動集会に入り込んで妨害している連中と、ソロスや、この主人公のジーン・シャープらの悪辣さに関する記事「ソロスによる妨害: アメリカ風」を翻訳した。何といまでもこの洗脳番組、ネットで見ることができる。たまに制作するまともな番組がネットに転載されると文句を言って削除させているはずの大本営広報部、洗脳番組を広めたいので放置しているとしか思えない。

この古い記事を翻訳したのは、参加し損ねた新宿でのAEQUITAS集会ロゴを見たため。
紙を握る?「握り拳」マーク。些細なことに文句を言うなと思われるむきは、いささか長い下記記事をお読み頂きたい。

ウォール街占拠と“アラブの春”: 誰が抗議運動に資金提供しているのか? 誰が背後にいるのか? 2014年2月22日

ソロス、シャープらが推進する「アラブの春」他のエセ運動、共通して「握り拳」がロゴ。

昨年、原発再稼働反対集会で「握り拳」マークを見て愕然とした。左右逆転しただけ。
取りまとめの方々まさか宗主国の走狗ではあるまい?ロゴは体を表すのではと不安。

何とも驚いたことに、大本営広報部電気洗脳箱が垂れ流した「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」の批判記事、見つからない。驚くほど圧倒的大多数の方々が、映画も著書も大絶賛。もしあれば、ご教示いただければ補足・リストさせていただく。

ジーン・シャープの本、文庫は最近刊行されたが、1972年、別本翻訳が刊行されている。この年を見た瞬間、70年代学生運動背後の資本とイデオローグの正体に出会った気がした。

ジーン・シャープや、ソロスらが画策する、インチキ運動を批判しているのは、かろうじて、下記記事。手前味噌で恐縮だが、上記チョスドフスキー記事にも触れて、そうした運動のインチキさを指摘しておられる。

リビア問題からわかる日本左翼の欠陥2

先程ようやく購入した『小説外務省II 陰謀渦巻く中東』 孫崎享著 を拝読中。

丁度、IWJで、待望のインタビューが見られる。読んでから見るか?見てから読むか?

2016/03/21 『小説 外務省II~陰謀渦巻く中東』刊行企画! 岩上安身による元外務省 国際情報局長孫崎享氏インタビュー(動画)

2016年3月22日 (火)

ソロスによる妨害: アメリカ風

Wayne MADSEN
2016年3月20日

東ヨーロッパ人とアラブ人は、世界的“かく乱工作員”ジョージ・ソロスと手先連中の支援を受けた政治的街頭フーリガン行為は、嫌というほどお馴染みだ。最近、中産階級アメリカ人は、現在のアメリカ大統領選挙運動中に、かつてマケドニアから、モルドバ、シリアやリビアに至るまでの各政府を見舞った暴力的な抗議挑発を味わうはめになっている。

最近、ドナルド・トランプ選挙運動集会では、シカゴ、クリーブランド、セントルイス、デイトンや他の都市などで、非常に協調し、良く計画された政治デモが見られる。集会は、待ち構えるテレビ・カメラの前で、出来立てのプラカードを振る、良く合った、良く計画された抗議行動者によって妨害される。そうした“動員した群衆”行動は、通常の政治活動を妨害する上で、ジョージ・ソロスと、政治的街頭暴力行動の“ゴッドファザー”、ジーン・シャープが関与していることを示す商標のようなものだ。

シャープが提案し、ソロスが資金提供している団体が奉じる良く使われる手法の一つは、相手をやじることだ。演者をやじれというシャープの助言が、アメリカ大統領選挙活動で展開されている。“主に、静かで、尊厳のある振る舞いではなく...一定の場所か、しばらくの期間つきまとって、相手をからかい、馬鹿にする”。大統領候補などの相手をやじることと、解散を要求されたり、命令されたりした際、それを拒否することと組み合わせるようシャープは示唆している。シャープはこうした手法は“非暴力”だと主張する。ところが、大統領候補を暗殺や肉体的危害から守るのが任務のアメリカ大統領護衛官たちが、抗議行動参加者に選挙運動会場から去るよう命じた後、そうするのを拒否すれば、暴力沙汰になるのは確実だ。

ソロスとシャープは、2000年10月5日に、セルビア大統領スロボダン・ミロシェビッチを打倒したブルドーザー革命の際、ベオグラード街頭で連中の街頭革命戦術に磨きをかけていた。ソロスに資金提供され、シャープ触発された二つの団体、オトポールOTPOR!と、応用非暴力行動・戦略センター(CANVAS)と、連中の指導者、スルジャ・ポポビッチ、いわゆる“親民主主義”扇動者は、全てアメリカ諜報機関の手先であることが暴露されている。ポポビッチは、最初セルビアで見られ、間もなく、ウクライナ、ジョージア、エジプト、ベネズエラ、ロシア、マケドニアや、の国々にも広がった一種の非民主的な街頭での政治的混乱を推進すべく、CIAとつながるネオコンが作り出した、アメリカ平和研究所から資金を得ていた。現在、ソロスに触発された政治的暴力がアメリカ合州国全土でのトランプ集会を標的にしている。

ポポビッチは、まずオキュパイ・ウオール街運動を支援するという名目で、アメリカ政治への侵入を始めた。CIAとゴールドマン・サックスと彼との繋がりが後に示す通り、彼と彼の資金提供者の意図は、反資本主義大衆運動を頓挫させることだった。

オキュパイ・ウオール街運動の一部のベテラン“挑発工作員”は、トランプ集会を妨害するために、移民人権団体のアンバウンド・フィランソロピーのような団体に参加して、現在、バーニー・サンダース大統領選挙活動に加わっている。ソロスが資金提供する団体のブラック・ライブズ・マターとともに、こうした職業街頭フーリガン連中は、シャープ・モデルに従って、最大のマスコミ報道を実現し、予備選挙過程で最大限の妨害を実現するよう、入念に連中のデモを行っている。

アンバウンド・フィランソロピーは、オバマの資金潤沢な友人で、ハワイ・バケーション時に主人役を務め、今はブルークレスト・キャピタルを率いる、元JPモルガン幹部のウィリアム・リーヴズが創設したものだ。時に、政治抗議行動参加者は、トランプ支持者を装い、トランプ選挙運動会場に入りこむためにトランプ支持のシャツと帽子を着る。この妨害戦術は、正体をごまかすという、もう一つのシャープ戦術を駆使しているのだ。相手を“非暴力的にいやがらせする”戦術で、トランプ集会に入り込めるよう正体をいつわり、その後、プラカードを振るという形で“スタンド・イン”抗議行動するというのは、ソロスと、リーヴズや、移民支持派のヒスパニック集団や、ブラック・ライブズ・マターなどを含む彼の仲間からの資金提供を得て、シャープ戦術が実施されている典型例だ。反トランプ街頭行動の多くは、主にソロスとシカゴ・ハヤット・ホテルのプリツカー家から資金提供されているもう一つの集団MoveOn.orgが企画している。プリツカー家の一員、ペニー・プリツカーは、オバマ政権の商務長官だ。

サンダースを支持するMoveOn.orgは、実際、トランプ集会での抗議行動を、資金集めのための戦術として利用しているのだ。彼らは今後のトランプ選挙運動集会を混乱させると約束しており、シャープ/ソロス教科書にある、あらゆる手を使うはずだ。

トランプに対して使われている、もう一つのシャープ/ソロス戦術は“スピーク・イン”だ。デイトンでのトランプ選挙遊説中に、バーニー・サンダース支持の抗議行動参加者が、障壁を飛び越え、トランプからマイクを奪い取ろうとして、舞台めがけて走った。大統領護衛官が抗議行動参加者にタックルし、彼は警官に逮捕された。この抗議行動参加者は、2015年に、デイトンのライト州立大学での抗議行動に参加したことがあり、そこで彼はアメリカ国旗を地面で引きずった。アメリカ国旗を含む物件の破壊は、シャープが提案する妨害戦術のもう一つの顕著な特徴だ。

シャープによる“スピーク・イン”の定義は“活動家が集会や...直接その機会とは関連していたり、しなかったりする問題について、見解を表明する目的で、他の集会を妨害する、非暴力的介入の特別な形”だ。ソロスは行動を“心理的・肉体的観点”での“社会的介入”と分類しいる。シャープが、そのような行動を“非暴力”と定義しても、大統領護衛官が、大統領候補に突進しそうな人物を非暴力扱いする可能性はない、特に1968年、ロサンゼルスでの、ロバート・F・ケネディ候補者暗殺後と、1972年のジョージ・ウォーレス候補者銃撃と暗殺未遂後はそうだ。ソロス工作員は、そうした暴力性を帯びた街頭抗議行動戦術を、アメリカ大統領選挙の場に持ち込んで、危険な火遊びをしているのだ。

ウオール街の“自由貿易協定”と、ネオコンの“選択の戦争”を激しく非難しているトランプに対する街頭工作でのポポビッチとソロスの悪臭は、街頭抗議団体と、ゴールドマン・サックスのような巨大企業との間のつながりとして見ることができる。

ポポビッチと彼のCANVAS非政府組織(NGO)は、ムニール・サッターという名の元ゴールドマン・サックス幹部から資金を得ていた。

サッターは、たまたま、ゴールドマン・サックスで、トランプの敵の共和党大統領候補指名、テキサス州のテッド・クルス上院議員の妻、ハイジ・クルスと幹部仲間として働いていた。サッターは、ゴールドマン・サックスを2012年に退職したが、依然、ゴールドマン・サックス財団の副会長を務めている。サッターがゴールドマン・サックスを退職した2012年、会社は、クルスのテキサス州アメリカ上院議員選挙運動に、100万ドル以上、融資した。

またサッターは、たまたま、バラク・オバマ大統領と反トランプ GOP工作員カール・ローブとも近い。サッターは、オバマと、ローヴのクロスローズ・政治活動委員会に寄付をした。サッターは、ミット・ロムニーの2008年と、2012年の大統領選挙活動の全国募金の共同議長でもあった。

今年、サッターはイリノイ州募金委員会共同議長として、上院議員マルコ・ルビオの選挙運動に参加した。ハイジ・クルスや彼女のゴールドマン・サックス時代の友人サッターや、ローヴ、ロムニー、リーヴズ、ソロス、プリツカー家や、ポポビッチ - 中央情報局(CIA)とつながるアメリカ合州国政治体制への外国人侵入者 -などの背後で動いている連中が、アメリカ大統領選挙の背後で、実際に動かしている主体だ。連中やポール・シンガー、ハイム・サバン、シェルドン・エーデルソン、マイケル・ブルームバーグ、サム・ゼルやノーマン・ブラマンなどの他の資金潤沢な政治資金援助者連中の仕事は、“検閲済みでない部外者”が決してアメリカ大統領にならないようにすることだ。あれやこれやの裕福な舞台裏の政治大物連中が、ワシントン、ペンシルバニア通り1600番地に住まうインサイダー政治家に対して、非民主的ながら、強大な政治的影響力を持っている。“検閲されない”候補者が、次期アメリカ大統領になるのを防ぐため、彼らはできる限りのあらゆることをするだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/03/20/soros-disruption-american-style.html
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勝つためならどんなことでもする傀儡与党の姿と、横綱の姿が重なって見えている。「かちあげ」活用と駄目押し。不快きわまりない。傀儡与党は、ソロス風の莫大な資金とジーン・シャープ風の狡猾な群衆操作を駆使してダブル選挙に勝利し、日本の庶民を地獄に落とす工作を推進中。「マスコミ」なるものは、もう制覇したので黙っていても思い通りに動く。庶民としては、今後電気洗脳箱の視聴を大幅に減らし、心身の健康維持と電気代節約に励む予定だ。紙媒体も速読に拍車がかかるだろう。残念ながら、能力向上ではなく、内容の劣化から。

Paul Craig Roberts氏、コラムには、コメント欄もリンクもおかない理由を、宗主国諜報機関にやとわれた、あらし屋連中による無意味な妨害書き込みを避けるためとしておられる。全く賛成。

当ブログにも、そうした宗主国諜報機関にやとわれたのであろうあらし屋による無意味な英語リンクの妨害書き込みがある。おかしな薬品販売。始めからゴミに分類され、放置すれば30日で消滅する。

迷惑ではあるが、支配層の皆様がどういう記事をいやがっているのか良くわかるという利点がある。最近しつこく、いやがらせリンクの書き込みがある記事の一つが、まさに全く同じ話題を扱った記事であるのは、決して偶然ではなく、多くを物語っているだろう。下記がそれだ。

"カラー革命"手法の完成-幼児期に退行する欧米指導部 2012年8月17日

2015年3月 7日 (土)

アメリカのカラー革命支援の歴史を書き換えるケリー国務長官

Wayne MADSEN | 06.03.2015 | 00:00
Strategic Culture Foundation

アメリカのジョン・ケリー国務長官は、過去15年間のアメリカ外交政策に対して盲点がなければ、ジュネーブで、とんでもない大ぼらは言えなかったろう。ケリー国務長官は、ウクライナにおけるアメリカの行動を定義して、“我々[アメリカ合州国]は、複数のカラー革命”に関与していないと述べたのだ。ケリー国務長官の様な立場の人物はもっとよく考えるべきだろう。結局、彼はアメリカ合州国の外交政策最高幹部であるのみならず、2009年から2013年まで、上院外交委員会の委員長をつとめて、セルビア大統領スロボダン・ミロシェビッチを打倒した、2000年10月5日革命から始まるアメリカの“テーマ”あるいは“カラー”革命のそもそもの発端から上院外交委員会のメンバーだったのだ。

ロシア安全保障理事会理事長、ニコライ・パトルーシェフが、アメリカ合州国は、ロシアの反政府集団に資金提供しており、ウクライナを巡る経済制裁を利用して、市民社会の不満を醸成し、ロシアでカラー革命をおこそうとしていると指摘したのは正しい。世界中のカラー革命をアメリカが支援している憂慮すべき実績が、全てを物語っている。

ケリーが、様々な政権の打倒を目指すアメリカの工作を否定していて、なにより腹が立つのは、1987年から、1989年、ニカラグアのサンディニスタ政権を打倒するための秘密の中央情報局(CIA)戦争に関する一連の上院外交委員会聴聞会の委員長をしていたのが彼に他ならないことだ。25年間で、ケリーは、CIAクーデターや不安定化工作に対する過激な反対者から、こうした活動に対する完璧な隠蔽専門家へと変身したのだ。

街頭抗議行動から転じた革命で、2000年に、ミロシェビッチを打倒した後、寸分のすきもない、ジーン・シャープ/CIAマニュアルが作られ、あらゆるNGO抗議行動集団の元祖、オトポールOTPOR!の支援をうけて、約20のテーマ革命が矢継ぎ早に続いた。これにはチュニジア、エジプト、リビア、シリアやイエメンでの“アラブの春”テーマ革命が続いた。ソロスと彼のNGOの指紋は、ホンジュラスから、モルジブまでのより小規模の革命の企みでも発見されている。OTPOR工作員は、アメリカ国際開発庁(USAID)や、全米民主主義基金 (NED)のご厚意により、反乱の醸成を支援する為に、こうした国のいくつかに派遣までされていた。

ケリー国務長官は、ワシントンは“複数のカラー革命”に関与していないと言う。彼ら一体なぜ“複数のカラー革命”という表現を使うのだろう?下記のリストで分かるように、複数のカラー革命を、アメリカが何度となく支援してきたからだ。

アメリカ合州国は、グルジアのバラ革命、ウクライナのオレンジ革命、レバノンのスギ革命、パレスチナのオリーブの木革命(これで、ハマースが権力を掌握し、効果的に、パレスチナ独立運動を分裂させた)、キルギスタンのチューリップ革命、イラクのパープル革命(シーア派支配のイランに友好的な政府が権力を掌握し、統一したイラク国家の終焉を告げることになった)、クウェートのブルー革命、ビルマのサフラン革命(軍隊によって壊滅された)、チベットのクリムゾン革命(中国治安部隊に鎮圧された)、そして、失敗に終わったイランのグリーン革命を支援した。モルドバ (ブドウ革命)、モンゴル (部分的に成功したキイロ革命)、ウズベキスタン(綿革命)、バシコルトスタン・ロシア自治共和国(オレンジ革命)、エクアドル (警察革命)、ボリビア (4つの分離主義の天然ガス生産諸州でのガス革命)や、ベラルーシ(デニム革命)等の未遂のテーマ革命もあった。

オレンジ民主運動の指導者、ライラ・オディンガが連立政権で首相になるまでに、数千人が殺害された、ケニヤのオレンジ民主運動反乱も見落とすわけにはゆかない。これらのカラー革命に続いたのが、アメリカとソロスが支援するチュニジアのジャスミン革命、エジプトのロータス(蓮)革命、シリアのツィッター革命や、イエメンでの反乱だ。中東から、革命策略家連中は、モルジブ(キイロ革命)、インドネシア (失敗した“サンダル革命”)や“ベネズエラのナベ・フライパン革命というクーデターの企みにうってでた。ソロスの "キイロ革命" モルジブ政権は、副大統領と警察による反クーデターで打倒された。

民主的に選出されたホンジュラス大統領のマヌエル・セラヤに対して、CIAが画策した2009年のクーデターの後、軍が支援したクーデター政権は、裕福なエリートから支持され、エリート連中は、クーデター政権を支持して街路を行進し、軍が据えつけたロベルト・ミチェレッティ大統領を支持して、「白」を利用した。当時のケリー上院議員は一体なんと言っていただろう。オバマ政権によって遂行されたこのテーマ・クーデターについて、セラヤは民主的に選出されたホンジュラス大統領なので、ケリーは、権力の座に復帰するというセラヤの目標を支持していたのだ。現在、ケリーは、彼も民主的に選出され、違憲な形だ追い出されたにもかかわらず、ウクライナ大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチがキエフで権力の座に復帰することを支持していない。連邦議会法律図書館が、セラヤ排除は違憲だと結論を出した際、所見を変更するよう要求したのはケリー上院議員だった。確かに、ケリー国務長官は、イェールと、ボストン・カレッジに通学していた間に“偽善者”という言葉の意味を学んだに違いない。

アメリカのテーマ革命支援の歴史は、アラブの春の後も続いている。ヤヌーコビッチ大統領に対する第二次ウクライナ・テーマ革命、いわゆる “ユーロマイダン革命”後、ロシア(“青バケツ革命”) やマケドニアでも、テーマを謳った反乱の企みがあった。

ケリー国務長官はどうやっても、アメリカが資金援助している反乱のテーマ・カラーという特徴を否定しようなどないだろう。2004年に、絶対にソロスとCIAが資金提供した革命である、キエフで初めて見られたオレンジ革命では、大統領選挙勝者ヤヌーコヴィッチが大統領になるのを止めて、親アメリカ派のヴィクトル・ユシチェンコと、腐敗したユリア・ティモシェンコを権力の座につけ、旗とオレンジのバナーを、キエフの中央広場にずらりと並べていた。アメリカのヨーロッパ専門家でパン配給の達人、ビクトリア・ヌーランドが明らかにした様に、最近のウクライナ“ユーロマイダン”革命では、アメリカ納税者に、50億ドルを負担させ、工場から出荷したての赤と黒のウクライナ武装反抗勢力軍(UPA)の旗を、マイダン広場と改名されたキエフの中央広場や、キエフ中にあふれさせたのだ。

NEDやUSAIDが資金提供するリビアとシリアのテーマ革命では、工場から出荷されたばかりの旧政権の旗、リビアのイドリース国王政権と、植民地後、フランス後の“シリア共和国”の旗が、それぞれ、文字通り、一夜にして、ベンガジやトリポリや、アレッポ、ホムスや、ダマスカスの街路に現れた。かつてのリビア王国国王旗が、今や、トリポリと、トブルクの対抗する政権に分裂して機能不全の "リビア共和国"国旗なのだ。シリアの場合、アサド前の旗が、今やサラフィストと連携する自由シリア軍によって使用され、アメリカ合州国、NATOと欧州連合によって、シリア国旗として認められている。

中国とて、アメリカ・カラー革命から免れてはいない。そうした工作に対する中国による防衛は、最初の実験は、チベットで、つい最近では、香港だ。ソロスの娘、アンドレア・ソロス・コロンベルは、トレース財団創設者で理事長であり、夫とともに、ツァドラ財団の共同創設者だ。両方の組織は、亡命チベット政府を直接支援しており、両者の指紋は、2008年チベットでの残虐な反乱にもあった。ソロスのOSIビルマ・プロジェクト/東南アジアも、ビルマでの2007年仏教僧反乱、いわゆるサフラン革命に指紋を残しており、同じテーマが2008年のチベット反乱でも使われた。2011年、アメリカを基地とする中国語ウェブサイトBoxun.comから、ジャスミン革命の呼びかけだなされた。

カラー革命の概念は、アルベルタ州カルガリーで、保守派のイスラム教徒ナヒード・ネンシ、が市長の座につくという、いわゆる“パープル革命”にも現れている。クーデターではないが、ネンシの市長就任は、外国人嫌いの人種差別政党でありながら、偉大な“多文化”の成功としてもてはやされている。ネンシは、キーストーンXLパイプラインの支持と、先住民部族領とオタワの関係を支配するファースト・ネーションズ協定への軽蔑の念をあからさまにしている。ネンシと、保守派連中は、ファースト・ネーションズとの協定を廃止し、彼らの炭化水素資源を手にいれようとしているが、これはある種、部族主権に対するクーデターの様なものだ。

2009年以来、ケリーの国務省幹部全員が、オバマ政権のR2P (保護する社会的責任)という旗印の下、カラー革命を支援してきた。ヌーランドや、部下で人権責任者のトーマス・メリアや、ジェフリー・フェルトマン(長国務省で、アラブの春の主要責任者をつとめた後、国連事務総長潘基文の下、政治担当国連事務次)を含む介入主義者の多くは、信用を落としたジョージ・W・ブッシュ政権の留任者か、有名ネオコン連中だ。連中に、更に“ネオリベラル”なR2P設計者連中、特に注目すべき顔ぶれとして、国家安全保障顧問スーザン・ライスや、国連大使サマンサ・パワー等が加わっている。

ジョン・ケリー国務長官は、複数のカラー革命に対するアメリカの支援はなかったと主張している。ケリー国務長官には、ベオグラードでの10月5日革命以来、少なくともそれだけの数の、アメリカ合州国が生み出したか、計画したカラー革命があったことを思い出させる為に、クレオラ社クレヨンの64色セットを送りつけるべきだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/03/06/kerry-re-writes-history-of-us-support-for-color-revolutions.html
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例外的な、選ばれた国は、思うがまま、自由に歴史を書き換える権利を持っている。
属国が書き換えようとすると、間髪をいれずに文句を言う。文句だけですまないだろう。

ミシェル・チョスドフスキー教授の記事を以前訳してある。

他のカラー革命や、クーデターと比較して、ホンジュラスでの暴挙、セラヤ追放のクーデター、日本の大本営広報部は全くと言って良いほど報じなかった。仕方がないので、自分でいくつかの記事を訳した。下記はその一例。

上の記事にある様に、米軍基地問題がからんでいたので、日本でも、より穏健な姿で追い出されるようになるのではと想像した。杞憂ではない結果になった。

2014年10月20日 (月)

カラー革命: 戦争の新手法

Andrew Korybko

2014年10月12日 "ICH"

アメリカ戦略の世界的転換が現在進行中で、アメリカは‘世界の警察官’から、陰で操る首謀者へと変身中だ。この根本的な移行は、本質上、アメリカが、多数の前線部隊を、防衛的な後衛部隊へと変えることを伴う。この転換の一環が、通常戦力を削減し、それを特殊部隊と、諜報部隊で置き換えることなのだ。アメリカの基本戦略中で、民間軍事企業(PMC)も大きな役割を占めている。もちろん、アメリカがはもや、先に進む能力や意思を失ったと言いたいわけではなく、決してそういうことではないが、進化しつつあるアメリカ戦略は、大規模侵略や爆撃に加えて、戦力を投射する為のより直接的で、極悪非道な手法を好むのだ。そういうやり方で、アメリカが、“戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり”と書いた孫子の助言に従った結果が、アメリカ戦闘部隊の直接使用を避けながら、現地同盟者代理の関与に大きく依存する、カラー革命と、不正規戦と、傭兵による介入の組み合わせだ。アメリカ政策を、間接的手法で推進する結果、相対的に、一見もっともらしく反証する余地が維持できる。ここで重要なのは、通常戦力を使用していない為、アメリカと、こうした代理戦争の主要標的であるロシア、中国やイランとの直接対決の危険が低減できると見なされていることだ。

全ユーラシア規模での戦略的不安定化計画と、国家破砕の起源は、ズビグニュー・ブレジンスキーと彼のユーラシアのバルカンという概念だ。アメリカは、この概念を実践する上で融通無碍で、もし不安定化が障害にぶつかり、先に進めなくなっても行き詰まることはないのだ。そのような場合は、ウクライナ、シリアとイラクでそうなり、おそらく間もなく南シナ海でもそうなるだろうように、戦略は、ユーラシア諸大国の戸口に位置する足掛かりとなる国で、混乱を最大化するものへと進化している。モスクワ、北京とテヘランで、全くの無秩序という‘ブラック・ホール’を作り出し、“介入すれば困ったことになるし、介入しなくても困ったことになる”ようにして、進退窮まらせるのが狙いだ。理想的には、アメリカは、ブレジンスキーが30年前に企てたソ連-アフガニスタン戦争の例に習って、標的とした国家が、骨の髄までしゃぶられる泥沼に落ち込み、国内が不安定化するのを狙っているのだ。広大なユーラシア・バルカンから遠く離れ、‘アフガニスタン・アナーキー’というルーツに逆戻りすることが、逆ブレジンスキーの本質で、これがユーラシア大国にとって、究極の板挟みの罠になるのだ。

ムジャヒディンを訓練し、武器を与え、ソ連・アフガニスタン戦争を引き起こし、操作したアメリカの経験は、「陰で操る戦略」への最初の取り組みと見なすことが可能だ。アメリカは、アフガニスタン(国際傭兵組織アルカイダ創設を含め)で混乱の種を蒔くべく、パキスタンや、他のイスラム教国家と連携して動き、介入したいという衝動をソ連が抑えられなくなる程、誘惑的な戦略的不安定化を作り出した。これは最初からの目標であり、しかも大成功だった。当時の国際的な勢力バランスとも、びったりかみ合った、冷戦時代の代理戦争の頂点でもあった。これが余りに成功したので、1991年のソ連解体に貢献した一つの要素だとされている。これが世界的な力のバランスを変え、アメリカ一極の時代をもたらした。アメリカには、今や、世界中で、武力を直接、強力に投射する力と、意思と、機会があるので、この期間、アフガニスタン式の陰で操る戦略方式は、もはや必要とは見なされなくなった。

衝撃と畏怖という一極支配の瞬間:

冷戦に大勝利して、浮上し、権力に酔いしれたアメリカは、第一次湾岸戦争から始まる一連の軍事介入に着手した。多国籍作戦として売り込まれてはいたが、アメリカが戦争同盟の主役だった。数年のうちに、アメリカは、一方的なNATO戦争を始める前に、ボスニア セルビアのコソボ州で、セルビアの要地を爆撃した。ロシアの最高権力者達は、セルビア爆撃で、更なる脅威から自分達の国を守る必要性に目覚め、ロシア権益に対する、アメリカ/NATOの直接攻撃を防ぐべく、軍需産業の近代化を本格化した。それでもなお、これによっても即座の変化はおきず、一方アメリカの力は、まだ頂点に達していなかった。

9/11テロ攻撃後、アメリカは、地球の裏側、ユーラシアの中核地帯近くに位置するアフガニスタンで軍事作戦と占領を行った。このアメリカ軍事力の大規模な拡張と大陸内への進出は未曾有のものだったが、それでも冷戦後時代の最高潮ではなかった。一極大国という時代の典型例は、実際は2003年、イラクでの衝撃と畏怖作戦だ。その間、アメリカは世界中の国々に、アメリカが唯一超大国の立場であることを思い知らせようと、武力を誇示する為、大規模にイラクを爆撃した。アメリカは、信じられない程の量の軍隊と兵器を中東に配備した。実に皮肉にも、それに続いた戦争と占領の財政的費用・機会費用が、アメリカの力を減少させ、ロシアや中国等の他の国々が追い上げ、自らの勢力圏の中で、アメリカに挑戦し、防衛することを可能にする上で、重要な役割を演じることになった。

ユーラシアのバルカン諸国:

一極時代さなかの1997年、ブレジンスキーは“グランド・チェスボード(邦訳:ブレジンスキーの世界はこう動く)”を書き、その中で、彼はユーラシアにおける、アメリカの地政学的優先順位と、いかにしてそれを実現するのが最善かを明らかにした。ユーラシアを巡る支配的影響力を維持することが、アメリカにとって必須であり、そして、そうする為の最善の方法の一つが、ロシアと中国との結託を防ぐことだと彼は主張した。ユーラシア大陸中の社会の戦略的‘バルカン化’は、全大陸を不安定化させる上で、中枢的な手段なのだ。必然的な結末まで考える、ロシア、中国やイランといった、様々な文明と衝突し、それを寸断しかねない、民族的、宗教的、政治的無政府状態のうねりを生み出すことも想定されている。いくつかの点で、アメリカのアフガニスタンとイラクでの戦争と、その混沌とした余波は、この原理の哲学的指令に従ったものと見なすことができる。アメリカは、大陸の不安定化を進め、欧米権力をユーラシアの奥深く押し込む手法として、歴史的に、政権転覆作戦も実施してきた。

政権転覆:

政権転覆は、遡ること1949年のシリア政権の非公然転覆にも見られたように、常にアメリカ外交政策の特徴である。以来、CIAは50以上の政権を打倒した、あるいは打倒しようとしたと推測されているが、そのうち、わずか7件しか認めていない。政権転覆は、直接的にも、間接的にも行い得る。前者については、例として、1989年のパナマ、あるいは2003年のイラクがあり、一方、後者の例としては、1953年のイラン・クーデターや、一連のカラー革命に見ることができる。

最近のウクライナ・クーデターで明らかなように、現代の政権転覆は、わずかの50億ドルという安さで、ヤヌコーヴィチを直接打倒し、ウクライナに侵略した場合かかったであろう経費のごく一部で済んでいる。おまけに、国際的状況と、ロシアの軍事力と意思の復活もあり、アメリカは、本格的な戦争の危険をおかさずに、そうすることは不可能だったろう。それゆえ、特に他の大国の権益がかかっている際には、秘密の政権転覆作戦は好ましいものは見なされるのだ。クーデター後、国際社会で正当性を認められることが、新指導部にとって極めて重要だ。欧米民主主義が、正統な統治の標準として見なされていることを考えれば、親欧米派カラー革命は、現在そうした形の政権運営ではない、標的として狙った国々で、政権を転覆する為の最適手法となる。

カラー革命:

カラー革命は、国外勢力が支援する親欧米クーデターだ。社会に浸透し、兵卒を増やし、政権転覆作戦が始まった後で、効率を拡大する為、彼等は特にソーシャル・メディアや、NGOという手段を駆使している。彼等は典型的に人々の大きな集団を操作するので、不満を抱いた大衆が圧制な独裁政権に対して立ち上がる広範な草の根運動という幻想を連中は作り上げる。この惑わせる認識のおかげで、クーデター欧米社会に受けいれられる広範な支持を得ようとしいう企みが可能になり、そうすれば、違法な打倒工作を押さえようとしている正当な当局の評判も傷つけられる。主に、社会的抗議運動を出来る限り巧みに、最大規模にまで増幅することを狙った、ジーン・シャープによる戦術の結果、踊らされやすい大衆が、街頭運動におびき出されるのだ。

攻撃される国家にとって、驚くべき板挟みをもたらすので、この戦争の新手法は極めて効果的だ。つまり、過激な右派セクター風の中核部隊を攻撃する為、(自分達が政治的に踊らされているとは気がついていない連中による、事実上の人間の盾である)抗議行動に参加している一般市民に、指導部は武力を行使するべきだろうか? 進展を報道する欧米マスコミの目を前に、もし、その国が合法的に、自らを守った場合、そうした国際社会から、政府は孤立していられるだろうか? かくして、カラー革命は、標的とされた政府にとって、戦略的キャッチ-22となり、それゆえ、旧ソ連のあらゆる国々、そして更にそれ以外の国で、一体なぜこれが実施されてきたのか理解するのは困難なことではない。これが‘伝統的な’CIAクーデター行動に取って代わり、秘密の政権転覆の手口となった。

アンドリュー・コリブコは、ボイス・オブ・ロシアのアメリカ人政治特派員で、現在モスクワで生活し、研究している。ORIENTAL REVIEW独占記事。

記事原文のurl:http://www.informationclearinghouse.info/article39938.htm
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カラー革命のうさんくささの背景に関連する記事は、いくつか訳している。例えば下記。

政治資金問題で、トンデモ女性閣僚中では、相対的には、ましに見えた人物が沈没。

大悪が任命し、ご本人平然と居すわっているのだから何の意味もない。日本にあまねく阿呆の支配の確立を目指し、リーダーシップを発揮したいという主張通り、阿呆の支配は強化されている。

大本営広報部、政治資金問題を追いかける暇があるなら、将来もずっと、この国の庶民を苦しめることになるTPPを追いかけるべきだろう。いっても無駄だが。

そういう、政権や、スポンサーに不都合な話題は追求したくないので、大本営広報部毒にも薬にもならない、スキャンダルや奇行を穴埋め記事にしているに違いない。

大本営広報部ではない雑誌『表現者』、米ロ対決と題して、ウクライナ関係の記事満載。英語教育の愚を批判しているのも大いに同感。だめな従米政府をなんとかするには、庶民が従米に対して、異義を言い立て続けるしかないという説もごもっとも。茹でガエル日本では、本当の反米抗議行動、沖縄以外では未来永劫おきないだろう。ウクライナや、香港のようには、宗主国は支援してくれない。宗主国、自分が気に入らないものを倒す時しか庶民を動員しない。

原発再稼働反対デモに参加する元気がある知人に、「TPP問題の方が、原発問題より深刻だ。TPPが実現すれば、原発は止められなくなる」といったら、「何故か説明せよ」という宿題をいただいた。TPP問題、それほど完全に隠蔽されている。大本営広報部が報道しないから、大問題ではないと考えるのは大間違い。大問題だから、大本営広報部は報道しないのだ。宣伝すればするほど、実施された後の悪影響、自分達の虚偽宣伝だったことが、ばれるので報道せずに、隠蔽しているのだ。だから、TPPに関する報道、大本営広報部には全く期待できない。本格的に報じているのは農業新聞とIWJ。

その知人には、以前から、IWJを購読、視聴するよう勧めているのだが、手元不如意ということで、料金を払って購読していない。素晴らしい記事には、無料で拝読できるも多々あるのだから、一部を印刷して、読ませようと思っている。

【特集】IWJが追ったTPP問題

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

TPP問題に触れない原発再稼働反対にはどうも気が進まないので、そういう運動の関係者が話す講演会切符もいただいたまま聞きにゆきそびれた。孫崎さんも登場されたのだったが残念。

講演会の切符をくださった方、たまたま昆虫研究者と会ったという。そして、生物の中で人間ほど悪辣なものはないと痛切に感じたとおっしゃる。確かに、昆虫も人間以外の生き物も、兵器も原爆も開発せず、植民地も、新自由主義も、TPPもない。収入格差も、さほどないだろう。もちろん、カラー革命もない。

ジーン・シャープ、翻訳著作、二冊しか手にしたことがない。うさんくさく、本気で読めない。

  • 『独裁体制から民主主義へ―権力に対抗するための教科書』 (ちくま学芸文庫)
  • 『武器なき民衆の抵抗』(れんが書房新社)絶版

彼について、『武器なき闘い「アラブの春」―非暴力のクラウゼヴィッツ、ジーン・シャープの政治思想』という本も出ているが、読む気力は全くおきない。

ジーン・シャープ、カラー革命にからんで、大本営広報部洗脳番組で放映されたのを見た記憶がある。『非暴力革命のすすめ』。愚劣なプロパガンダ番組だった。下記のティエリー・メイサン記事を翻訳した記事の末尾で、それについて触れた。

"カラー革命"手法の完成-幼児期に退行する欧米指導部 2012年8月17日

2014年6月25日 (水)

オーウェル『1984年』のページから: 対ユーラシア非正規戦争

Wayne MADSEN
公開日時 2014年6月23日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

‘オセアニアはユーラシアと戦争状態にある。それゆえオセアニアはいつもユーラシアと戦争をしてきた。当面の敵は、常に絶対悪であり、従って、その相手とは、いかなる過去、あるいは将来の、協定は不可能だというものだった’。これは、ジョージ・オーウェルの空想的小説で、地政学から、プライバシーの喪失、監視国家の勃興に至るまで、未来の出来事の薄気味悪いほど正確な予言である『1984年』からの一節だ。オセアニアは虚構的に、イギリス諸島、北アメリカと南アメリカ、南アフリカとオーストラレーシアで構成されていた。オーウェルの世界では、ユーラシアは、ロシアとヨーロッパで構成され、他の大国イースタシアは、中国、韓国と日本を含んでいた。

現代、ワシントン、ロンドン、ベルリンやパリを中心とするオセアニア軍が、ユーラシアを決して侵略しないようにする為、ロシアと中国が益々経済的、政治的、軍事的に協力につれて、オーウェルの反ユートピア的な未来の世界地図を改変した形のものが現実と化しつつある。

先月のロシア国防省が後援したモスクワでの実力者会議、第三回Military and Political Aspects of European Securityで、第一国防次官兼参謀総長のワレリー・ゲラシモフ将軍は、ウクライナで二度、グルジアで一度実施された類の、欧米が資金援助し、組織した‘カラー革命’は、ユーラシアに対する一種の非正規戦争だと述べた。オーウェルのオセアニアによく似た北大西洋条約機構(NATO)諸国が、ユーラシアに対する非正規戦争の開始したという、ゲラシモフの発言は『1984年』のページからはぎ取ったものであってもおかしくないものだ。情報戦、経済制裁や‘欧米の非正規戦争の一環としての代理犯罪組織’や、過激派集団の支援を、ゲラシモフは、ユーラシアに対して向けられて構築されたものとして言及した。

ゲラシモフは、カラー革命は、非軍事的作戦が実施された後、政権転覆をなし遂げる為に、続いて軍事力が利用されることが多いので、欧米の対ユーラシア軍事戦略のかなめだとも述べている。これは現在、東ウクライナの連邦主義者に対する、NATOが支援するウクライナ政府の軍事攻勢や、シリアのバシャール・アル-アサド大統領政権に反対して戦っているイスラム教原理主義叛徒へのNATOの支援にもあてはまる。東リビアで、イスラム教原理主義者の蜂起の後、最終的に、リビアの指導者ムアマル・カダフィを権力から追い落としたNATOによって、空爆を含む軍事介入も行われた。

ゲラシモフのカラー革命に関する発言を、他ならぬ中央情報局(CIA)やアメリカ国務省の見解を反映することが多い非営利的シンク・タンク、戦略・国際問題研究センター(CSIS)の、アンソニー・コーズマンが支持している。コーズマンは、欧米が資金援助するカラー革命は、ロシアと中国に対する新種の戦争だと述べている。

ベラルーシ国防相ユーリー・ジャドビンは‘ゴッドファザー’ジョージ・ソロスと、ボストンのアルバート・アインシュタイン研究所所長、ジーン・シャープを、ヨーロッパや中東で見られた、CIAが資金援助した色や花の名を付けられた蜂起・革命の主要な要因だとして挙げた。ロシア、中国とベラルーシの国軍は、現在、カラー革命を利用した、欧米による政権転覆支援を、アメリカ合州国とNATOの軍事教義の一環と見なしている。モスクワ、北京とミンスクの軍事立案者達は、旧ブラックウオーター、現アカデミ等の、欧米民間軍事契約業者、傭兵を、カラー革命が起きた後の、欧米の政権転覆シナリオの一環と見なしている。

ユーラシアに対する欧米のカラー革命と政権転覆プロジェクトの理由は明確だ。ロシアと中国が、天然ガスや、いにしえのシルク・ロードの記憶を呼び起こす新たな輸送経路を含む、新たなユーラシア・エネルギー・スキームを開発する最前線にいるので、欧米は、ダイナミックな新市場を持ったユーラシアの登場は、単なるライバルであるのみならず、欧州連合や、ワシントンが提案している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が失墜させられる脅威を感じているのだ。

新たなユーラシアというものの独自性登場が、事実上のオセアニアの政治指導者達を警戒させた。ユーラシアは、ポップ・カルチャー、同性愛、社会的セーフティー・ネットの破壊、宗教軽視、伝統的な家族の破壊、過酷な緊縮財政を推進する放逸なハゲタカ資本主義を強調するロシア、中国、カザフスタン、ベラルーシや、地域内の他の国々で多くの人々が欧米‘文化’と見なしているものよりも、経済発展と伝統の尊重を重視する。

モスクワでの安全保障会議とほぼ同時期に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席は、上海で開催された第四回アジア信頼醸成措置会議(CICA)で会合した。そこで、習主席は、アジアが21世紀に入った今、冷戦感情は廃棄されるべきだと強調した。アジアの各代表団が、バラク・オバマ大統領による軍事的冷戦‘アジア回帰’や、安倍晋三首相の、東アジアにおける、失地回復論者的軍事力増強を容赦なく否定するのを日本やアメリカ合州国からのオブザーバー達は傍観していた。多くの点で、アメリカ合州国の太平洋軍と、日本、フィリピンと、韓国は、オセアニアと一時的に連合を組む組織である『1984年』の軍事的‘イースタシア’と良く似ている。

上海で合意された通り、2018年に、天然ガスをシベリアから中国へ送り出す‘シベリアの威力’天然ガス・パイプラインのみならず、かつてのシルク・ロードを復活させ、中国とヨーロッパを、主要なトランス・ユーラシア・ハイウェイ、トランス・シベリア・ハイウエイとヨーロッパのE-30ハイウエイで結びつけるという計画がある。最終的に、アムステルダムと北京を、アジア・ハイウエイ・ネットワークで、A級自動車専用道路が結びつけるのだ。この現代ハイウェー・ネットワークは、アジア古代のシルク・ロードを復活し、商品や乗客をユーラシア中移動させ、その過程で、ユーラシア・ハートランドのはるか僻地に、新たなインフラストラクチャーを建設する。こうした展望を、金融宝くじから締め出されてしまうことになる為、ヨーロッパとアメリカの銀行は懸念している。

プーチン大統領や習主席から、イランのハッサン・ロハニ大統領やアフガニスタンのハミド・カルザイ大統領に至るまでのユーラシアの指導者達は、ウクライナ、グルジアやキルギスタンを破壊したカラー革命は、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー研究所と財団によって資金援助されており、しかもソロスのヘッジ・ファンド帝国など、ロスチャイルド金融カルテル国際組織の隠れ蓑にすぎないことを十分承知している。ソロスとロスチャイルド家の権益を代表するNATOとオバマ政権は、ユーラシア構想を破壊する為なら、どんなことでもやりかねない。欧州連合との連帯を拒否し、ユーラシアとの絆を築く用意があるように見えたウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の‘ユーロマイダン’による、打倒は、欧米の(あるいは‘オセアニア’の)最初の対ユーラシアの軍事力による間接的侵略の一環だ。

ユーラシアの指導者達の一部は、欧米が発展しつつあるユーラシア連合を挫折させようとしていることに気がついている。カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、アジア信頼醸成措置会議CICAを、ユーラシアにおけるNATOの等価物に極めて近い、新たなアジア安全保障開発機構(OSDA)へと転換することを提案した。ユーラシアが欧米の‘価値観’を拒否することを強調して、ナザルバエフは、OSDAはアジアの‘伝統と価値観’の上に構築されることになろうと述べた。ナザルバエフは、ロシア、ウクライナや、他の国々における宗教崇拝の代わりの、‘プッシー・ライオットやFEMENによる、下品さや、いわれのない裸体の表出で見られるような、欧米文化の下卑た寛大さを否定するユーラシア指導者達の多くを代表して演説しているように見えた。

アメリカ版オセアニアに対する新たな競争相手が、オーウェルのユーラシア中に今や登場しつつある。ハルフォード・ジョン・マッキンダーの論文‘Geographical Pivot of History’で信奉されている‘ハートランド理論’は、ヴォルガ河と揚子江と、北極海とヒマラヤに囲まれたユーラシアのハートランドを支配する大国が、世界の運命を支配すると主張していた。もしユーラシア連合が政治的・経済的連合として成功すれば、アメリカ合州国、イギリス、西ヨーロッパと日本は、僅かに残された資産が、ウオール街、ロンドンのシティーや、フランクフルトの銀行という飢えたジャッカルによって争われる、経済的に活力がなく、社会的衰退に向かいつつある、沿岸‘リムランド’に閉じ込められることになる。シリア、ウクライナやイラクにおける戦争の勃発は、‘オセアニア’と‘ユーラシア’間で差し迫っている戦争の最初の一発にすぎない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2014/06/23/from-pages-of-orwell-and-1984-irregular-warfare-against-eurasia.html

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芝居を見終わって外に出るとにわか雨。傘もなく濡れて帰ったが、雹でないだけまし?

ナチス発言氏のいじめ発言。こういう痴性連中が日本を支配している。金目男。セクハラ男。三代目。ナチス・イジメ男。

アジアの別の属国から、ボンボン政治家が侵略戦争参戦を慶賀にやってきた。

宗主国支配層や、アジアの別の属国傀儡から評価される解釈変更、属国庶民にとって為になることは永遠にないだろう。属国庶民に、子々孫々まで、大いに害をなすだろう。

夢の国から悪夢の国へ』/増田悦佐著/東洋経済新報社/2300円+税
を、森永卓郎氏が、日本の正確な未来予想図と評しておられる。

小生も一読、「これはたまらない」と思った。増田悦佐氏の力作を「たまらない」と思ったのではなlい。描かれている宗主国の実態だ。

外部に対しては侵略戦争、不平等条約の押しつけ、自国民に対しては略奪・貧困化推進という、宗主国支配者の新自由主義政策の何に、属国傀儡政治家・経営者は魅力を感じるのだろうと思うのだが。

米国の金融資本が一番望んでいるシナリオは、戦争を起こすことによる戦時インフレと、その後のバブル発生だという著者の予言で、納得。

属国支配層も全く同じことを計画しているがゆえの、参戦、砲弾の餌食提供推進だ。

両与党、そして一見、野党を装い、憲法解釈変更を容認する別動隊連中、人の顔をした悪魔だと本気で思う。

そして、彼等に投票をする皆様も。

マドリッド、プラド美術館で見た『我が子を食らうサトルヌス』を思いだした。そして、ヒェロニムス・ボッシュの地獄絵図。

日本なら、人ごみのなかで観覧することになるだろうが、ボッシュの部屋、誰もいなかった。ということで、現実世界のひどさ加減に目を向けよう。

2014/06/22 【京都】Xバンドレーダー基地建設工事をただちに中止せよ!10月レーダー搬入反対!6.22京都集会(動画)

2014/06/20 「集団的自衛権と新自由主義はリンクする」 99%の民衆がテロリスト扱いに!?~岩上安身による孫崎享氏インタビュー (動画)

2014/06/20 集団的自衛権行使容認をめぐる安倍総理の「嘘」 米艦による邦人輸送を米国は想定せず ~岩上安身による辻元清美・衆院議員インタビュー ※ 公共性に鑑み、非会員の方にも、6月26日まで特別公開!

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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