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2023年4月 5日 (水)

オーストラリアは国ではない。カンガルーがいる米軍基地だ

2023年4月1日
ケイトリン・ジョンストン

この記事の音読(ティム・フォーリーによる)を聞く。

 オーストラリアがアメリカの軍と諜報機関の手先に過ぎないという実に多数の兆候の一つはオーストラリア国民ジュリアン・アサンジをアメリカ帝国による政治迫害から守るために介入するのをオーストラリア政府が首尾一貫して拒否している様子だ。

 「ジュリアン・アサンジ事件における画期的進展の期待を鈍らせるペニー・ウォンの動き」という題の新しい記事で「ガーディアン」はオーストラリア外務大臣が「我々は政府間でできる限りのことをしているが、外交が達成できることには限界がある」と言ったと引用している。二週間前アメリカ大統領とイギリス首相に会った際、アンソニー・アルバニージ首相が世界で最も有名な報道の自由の事件に関し彼らと議論したかどうか尋ねられてウォンはこう言ったのだ。

 ウォンは首相がアメリカとイギリスのトップにこの問題を提起したか否か言うのを拒否し、代わりに労働党が政権を取って以来、彼女がぼそぼそ言っている同じを繰り返した。アサンジ事件は「十分長期間続いており終わらせられるべき」ことだ。慎重にこの発言を聞けば、実際はウィキリークス創設者を解放したり、犯人引き渡しを阻止したりするのに賛成する声明ではない。事件は何らかの方法で早急に終結すべきだと言っているだけだ。

 これらの声明はアサンジ事件に対する労働党政府の「静かな外交」手法を批判した緑の党のデイビッド・ショーブリッジ上院議員の質問に答えたものだ。

 「静かな外交は実に無言なので、政府は国民や議会に首相が大統領に話をしたかどうかさえ言えないという考えは奇異だ」とショーブリッジは言った。

 

 ウォンは「我々はオーストラリア政府として他国の法律上あるいは司法過程に介入することはできない。」とショーブリッジに言って、称賛されているオーストラリア人ジャーナリストを保護するためオーストラリアが介入するには無力だと言った。

 アメリカの戦争犯罪をあばいたことに対し、アサンジの政治的投獄や迫害を終わらせるようオーストラリアがアメリカに強いることができないのは本当だが、明らかにオーストラリア国民を守るため同盟国と思われている国と外交することはできるはずだ。オーストラリアが同盟関係を結んでいない国にさえ、オーストラリア市民を投獄する際、キャンベラは声を上げて対決している。例えば中国系オーストラリア人ジャーナリストのチェン・レイの中国による拘留に関し外相が明示的かつ明確に「チェンさんはの家族と再会すべきだ。」とウォンが昨日発表した声明のように。

 昨日もウォンはチェンとスパイ活動の罪状でロシアで逮捕されたアメリカ人ジャーナリスト、エバン・ゲルシコビチに公正を要求する文をTwitterに投稿した。

 「オーストラリア国民チェン・レイが国家安全保障の罪で北京で非公開裁判に直面して以来一年だ」とウォンはTwitterで書いた。「彼女はまだ結果を知らない。我々の心はチェン女史と彼女の愛する家族とともにある。オーストラリアは子供たちと再会できるよう彼女を擁護し続ける。」

 「オーストラリアは「ウォールストリート・ジャーナル」モスクワ記者エバン・ゲルシコビチのロシアによる拘留を深く懸念している。我々はロシアに領事の接触と、法律上の支援を保証するよう要求する」とウォンと数時間後にTwitterで書いた

 ペニー・ウォンは一体何回「アサンジ」という単語をTwitterに投稿したか当てられるだろうか?

 答え:ゼロ

 この相違の基礎は何だろう? オーストラリア外務大臣はなぜジュリアン・アサンジに対しアメリカに同じ要求をせず、中国にはチェン・レイを解放し彼女の子供たちに返すよう公式に要求するのだろう? アサンジにも子供がおり、彼はチェンより四倍も長い時間投獄されている。逮捕前ロンドンのエクアドル大使館での恣意的拘留期間を数えれば10倍以上長い。我々はなぜ、規則に基づく国際秩序のリーダーと主張する我々が同盟しているはずの国への犯人引き渡しと戦っているオーストラリア人ジャーナリストを弁護するより、中国でのオーストラリア人ジャーナリストを擁護するオーストラリア政府の多くの動きを見ているのだろう?

 オーストラリアは本当の国ではないというのがその答えだ。アメリカ植民地なのだ。カンガルーがいる巨大米軍基地だ。

 それがアサンジを自由にするアルバネーゼ政府の「静かな外交」が実に静かで、それが実際に存在しているとは言えない理由だ。

 愛読者の皆様は我々がウォンとショーブリッジ議員のやりとりを議論した前回記事はオーストラリア政府が米軍に核兵器持ち込みを許しているかどうか確認する彼の努力をウォンが上から目線で却下した時だったのを思い出すかもしれない。核兵器をどこに置いているか「肯定も否定もしない」のがアメリカの立場で、オーストラリア政府はその見解を理解し、尊重するとウォンはショーブリッジに怒ったように言ったのだ

 我々は完全にワシントンの支配下にあるので、我々は我が国にアメリカ核兵器があるかどうかさえ知ることを許されず、良いジャーナリズムため犯罪で迫害されている自国民さえ我々の政府は擁護できないのだ。

 それに加えて、オーストラリアは中国との敵対的関係を増し我々の経済的および安全保障上の利益を傷つけるAUKUS協定と、我々を核の標的にするアメリカ核諜報サイトの存在、選挙で選ばれた指導者がアメリカの戦略的権益を脅かすと、アメリカは我が国政府の文字通りのクーデターを画策するという事実から、我々のいわゆる"国"は機能的に、たまたま大陸規模のアメリカ空母にすぎないことが明らかになる。

 これらろくでなしが第三次世界大戦で最前線と中心の役割を果たすよう我々を押しやっているのは実にまずい。アメリカ帝国への奴隷化や、我々の命がそれにかかっているのに連中は明らかにそうしているので我々政府内のペンタゴン傀儡と戦いを始めなければならない。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/04/01/australia-isnt-a-nation-its-a-us-military-base-with-kangaroos/

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 Duran 中国を訪問したジェフリー・サックス氏に中国の様子を問うと「いわれのない挑発・規制には当惑するばかり」と。フランス全土で反政府デモが続いているマクロンや、フォン・デア・ライエンまで中国詣の最中だ。

BRICS rising as neocons destroy the west w/Jeffrey Sachs (Live)

 『耕助のブログ』 の記事と、サックス教授の話はつながる?

No. 1748 なぜ中国が敵になるのか?

 《櫻井ジャーナル》 ケイトリン・ジョンストンさんと同じ意見。

自国が米英の植民地にすぎないことを世界に示したオーストラリア政府

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

OPEC、原油の自主的な減産を相次いで発表、減産量は、サウジが日量50万バレル。3月20日に1バレル64ドル台→主な七か国平均で84.8ドルに。米バイデン政権は2日、「このタイミングでの減産は賢明でない」と批判。→無視→西側へのインフレ要因。

 日刊IWJガイド

「金融破綻したシリコンバレー銀行は、5年連続で『アメリカのベストバンク』だった!? 米国のエコノミスト、マイケル・ハドソン氏が徹底分析!」

はじめに~欧米の金融危機のメカニズムを誰よりも早く深く分析! シリコンバレー銀行は5年連続で「アメリカのベストバンク」(フォーブス誌)だった! シリコンバレー銀行、シルバーゲート銀行、シグネチャー銀行の3行の破綻について、米国のエコノミストでミズーリ大学カンザスシティ校教授のマイケル・ハドソン氏が、シリコンバレー銀行の役割と財務省・FRBの性格を徹底分析!(第3回)

<IWJ取材報告 1>中露を敵国視したあげく、中露から輸入していた化学肥料が輸入停止に!「セルフ兵糧攻め」では? とのIWJ記者の質問に「モロッコからの輸入と鶏糞など国内肥料の備蓄で備える」と野村大臣が表明!~4.4野村哲郎 農林水産大臣記者会見

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