これまでで最もジョー・バイデンらしいこと:言説のマトリックスの端からのメモ
2022年5月4日
ケイトリン・ジョンストン
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ロシア国境に広がる敵対的軍事同盟は挑発ではなく、アメリカ諜報機関に支援され、CIAに訓練された戦士が使うために兵器を送るのは代理戦争ではなく、これらのナチはナチではなく、皆様は皆様自身のためになるよう検閲されている、メディアを信頼せよ、政府は皆様の友人だ。
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さもなければ、依然、堕胎禁止を違憲とした判決ロー対ウェイド事件が、まな板の上に載せられていて、移民がまだ不当に扱われ、イラン合意が機能を失い、軍事予算がつり上げられ続けていたはずだから、トランプが負けたのは良いことだ。あの男は、おそらく今頃我々を第三次世界大戦の瀬戸際に追いやっていたはずだ。
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彼に投票した全員が女性の生殖権を懸念する中、ジャベリン・ミサイルのために生でコマーシャルするジョー・バイデンは、今まで起きたことの中でも最もジョー・バイデンらしい。
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アメリカ二大政党は単一の寡頭権力構造の一部だと皆様が悟った瞬間、対立する党派間の戦いには見えなくなり「左の握りこぶしで、おまえを殴らせろ、あるいは右の握りこぶしでおまえを殴る。」と言って、有権者の前に立っている一人の巨大ないじめっ子に見えてくる。
そういうことが起きた場合、正しい対応は一体何だろう? 主要政党が、決して皆様を助けることは何もしないが、とにかく自分たちを支持しろとか、あるいは、もう一つの主要政党の友人たちに、皆様の権利を奪い取らせると伝え続けている場合、正しい対応は一体何だろう? 「ああ、左握りこぶしは、それほど痛くないから、明らかにより小さな悪だ」と言うことだろうか、それとも、年々皆様を両方の握りこぶしで殴り続ける専制君主に反対する姿勢をとることだろうか?
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世界に関する悪いことを知るのは、ずっと反復的で予測可能であることを除いて、60年代の、くだらないアニメ・シリーズ「スクービー・ドゥー」を延々見るようなもので、マスクの下の悪党は、常にアメリカ帝国だ。
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もしその存在が脅かされていると感じたらロシアが核兵器を使うだろうことが何か秘密であるかのように、欧米政権も、同じ理由でロシアに核攻撃を加えないかのように、欧米メディアはロシアの核の脅威について金切り声を上げ続けている。
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This is the American way of life the US government spends so much effort starting wars and toppling governments to promote.pic.twitter.com/4RQqCUACQy
— Caitlin Johnstone ⏳ (@caitoz) May 1, 2022
アメリカ政府が戦争を開始し、他国の政権転覆推進にひどく努力するというのがアメリカ式の生き方だ。
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アメリカ/NATO/ウクライナの権力構造は低コストの僅かな外交的譲歩で、この戦争を容易に妨げたはずだという意見に反対する唯一の議論は「実際彼は理由なしで不快なことをする漫画的超悪玉だから、プーチンは、とにかく侵略したはずだ」だ。
戦争は、皆様が標的に定めた国の人口を掛けた個々人に起き得るこる最悪のことだ。皆様が外交を遮断する時、皆様は全ての都市に想像できない苦しみを宣告しているのだ。
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誰も実際には「中国支持派」が危険だとは思っておらず、自分が世界に関して教えられた全てがウソである可能性を考えるより楽なので、アメリカ帝国の最も厳しい批判者は間違いであって欲しいという深い心理的必要性が一部の人々にあるのだ。
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現在様々なニュースがあるが、そのどれも、世界支配を望む少数のばか者によって、もっともな理由なしで、我々が核戦争に押しやられている事実ほど重要ではない。
繰り返そう。核戦争の本当の危険は、どちらかが意図的に開始するからではなく、事態がエスカレートするにつれ、事故、誤解、計算違い、あるいは故障によって、配備されている核兵器で「相互確証破壊」の明示的合意が作動することだ。最後の冷戦中、このような偶然の核攻撃応酬は、何度も、すんでのところで起きるところだった。核対決が緊張すればするほど、このような事が起きる可能性は大きくなる。
我々は、技能や能力によってではなく、全く、まぐれで最後の冷戦を生き伸びたのだ。我々が再び幸運に恵まれると想定する論理的理由はない。
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だから、そう、冷戦策略で、競争相手を打倒し、単極世界覇権を確保しようと奮闘する中、最有力言説の強権支配を保証すべく、人々が世界に関する情報を頼るシステムをアメリカ帝国は急速に再構築しているのだ。
ウクライナ、ロシア、Covid、過激派のような主題などに関する検閲とプロパガンダを拡大する主要な狙いは、特にそれらの主題について言説を支配することではなく、検閲とプロパガンダを拡大し、当たり前にすることだ。言説支配は、それ自体が目的で、あらゆる帝国権力が、それを基盤に作られるので、それは絶対最高の優先事項なのだ。
寡頭政治帝国が、それ自体を目的に、言説支配を推進しているのを理解している人々はごく少数のようだ。連中は、必ずしも、ある話題ゆえ、所定の話題に関し、検閲とプロパガンダを強化しているわけではない。往々にして、検閲とプロパガンダを当たり前にし、拡大したいと連中が望んでいるのが主な理由だ。確かに、帝国が我々に信じさせたい言説が存在しているが、未来に世界中の全ての言説に対する進行中の、絶えず拡張する支配を確保することが、第二の戦略上の重要性だ。
全ての権力者連中が、同じ言説を支持するわけではないが、全ての権力者連中は言説支配を求めている。言説支配は力だ。最も強力な寡頭制支配者から、職場の自己陶酔的なゴシップ女王に至るまで、あらゆる巧みな操縦者は、これを理解している。
あらゆるレベルの、あらゆる巧みな操縦者は、自分たちや他の人たちに関して、人々が話す言説を支配することに並外れたエネルギーを費やしている。これは連中が、人が言説を語る生きものだと知っているためで、人々が話す言説を支配できれば人を支配できるのだ。これは特にアメリカを中心に集権化した地球規模の権力構造に当てはまる。商業ニュース・メディア、ハリウッドとシリコンバレーによる言説支配は完全に比類なく、歴史的に未曾有だ。
検閲、プロパガンダとシリコンバレー・アルゴリズム操作は言説支配の違う側面に過ぎない。アメリカに中央集権化した帝国と、その管理者連中ほど、これをしている連中はいない。今まで誰も、そうしたことはない。
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とうとうと「ジャベリン宣伝」する姿で、チャップリン『独裁者』が地球の風船を弄ぶ姿を連想。独裁者というより傀儡だが。
寺島メソッド翻訳NEWS
UIチャンネル 久しぶりに高野氏。
日刊IWJガイド からコピーさせて頂こう。
英『フィナンシャル・タイムズ』、バーンズ米CIA長官が「習近平は、ウクライナ紛争から台湾に対して『どのような教訓を引き出すべきか』を注意深く見ている」と語ったと報道! 中国の楽玉成外務次官は台湾問題を煽り続ける米国を「NATOの東方拡大のアジア太平洋版」と批判!「ウクライナ危機をアジア太平洋地域で『コピー&ペースト』するのは『失敗する運命にある』」と警告!!
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