ミャンマーで釈放されたアメリカ人はアメリカの政権転覆機構の一員だった
2021年11月25日
Brian Berletic
New Eastern Outlook
アメリカ政治家ビル・リチャードソンとミャンマー政府との交渉後、アメリカ国民ダニー・フェンスターはミャンマーの刑務所から釈放され、11月中旬、この東南アジアの国を去ることを許されたと欧米メディアが報じた。
「ミャンマーで解放されたジャーナリスト、健康で元気だと言う」記事でロイターはこう報じている。
金曜日、フェンスターは煽動と移住と違法集会法律違反のかどで、11年の禁固刑を宣告され、国際非難を引き起こした。
ロイターも、フェンスターを「独立オンラインマガジン、フロンティアミャンマーの編集長」と表現している。だが、それは彼に対する告訴の焦点は、フロンティアミャンマーでの彼の仕事ではなかった。
フェンスターは禁止されていたメディア組織「ミャンマー・ナウ」で働いていた。
彼の釈放前に報じた「ミャンマーのアメリカ人ジャーナリスト事件で前の仕事が重要」という以前の記事でAP通信はこう報じていた。
フェンスターは、昨年7月まで、ミャンマー・ナウで記者と原稿整理編集者として働き、翌月フロンティアミャンマー入った。
軍の権力掌握に対する民衆の抵抗が増するにつれ、ミャンマー・ナウは、いくつかの他のメディアとともに、3月初旬に許可を取り消された。それはどんな場でも出版を禁止されたが、秘密裡にオンラインで活動し続けた。
これは、ダニー・フェンスターがフロンティアミャンマーで新しい仕事に移る前、ミャンマーの街頭で武装野党勢力が破壊的攻撃を実行していたさなかの数カ月間、禁止された内容を掲載する禁止された新聞で働いていたことを意味する。ミャンマーの移民法は、世界中の他の国々と同様、特定の職業や特定企業や組織には、労働許可証とビザが必要だ。フェンスターは明らかにこれらの法律に違反していたのだ。
ミャンマー・ナウは反政府テロリストとつながっている
、野党勢力として活動を禁止されている組織と接触し、連絡を取っていたことで、フェンスターはミャンマーの違法団体法違反のかどでも告発されていた。APによれば、彼は「虚偽あるいは扇動的情報を広める」の罪でも告発されている。
APは、このメディアが接触していた様々な市民的不服従運動を挙げているが、ミャンマー・ナウは、公共建築物と国家インフラに標的にした爆破実行に加え、頻繁に兵士や警官や公務員に対し破壊攻撃を実行したことを公然と認めている、いわゆる「国民防衛隊」(PDF)武装過激派戦士と連絡をとっていた(そして依然そうだ)と述べている。
ダニー・フェンスターがミャンマー・ナウを辞める前、ウェブサイトは反政府暗殺団と組織的に中央政府と「協力した」と告訴された地元行政官を殺す彼らの作戦を記述する記事やミャンマー政府に対するPDF武装テロの絶え間ない脅威を含めて記事を掲載している(依然そうだ)。
ミャンマー・ナウは、フェンスター勤務中も以降も、殺された当局者がどれほど「不人気」か「嫌われていた」か記述し、これらの殺人を正当化しようと試みているように思われることに過度の時間を使っている。全てうわさに基づく匿名情報源で。
ミャンマー・ナウは、このメディアが、明らかに残虐行為を実行したテロリストと直接連絡をとっていることを示す記事を掲載している。
「大胆な攻撃後、彼らの次の動きを考慮するPDF戦士」という題名の記事は、客車に乗っていた6人の鉄道警備員の殺人を書いている。ミャンマー・ナウは攻撃を実行したテロリストと接触し、「鉄道警察や消防士や赤十字社労働者さえ含め、軍事政権のために働き続ける誰でも格好の標的だ。」と主張する殺人者の一人、La Pyae Wunの言葉さえ引用している。
ミャンマー・ナウはアメリカ政府からも資金供給されている
ミャンマー・ナウは(ロシアで活動を禁止されている)アルカイダのようなテロ組織とつながるメディアと同様に記述することが可能だ。両方とも共有する政治目的を支持してテロリストの偉業を積極的に売り込んでいる。
ミャンマー・ナウは、あからさまな反政府で、決して客観的報道機関ではない。ミャンマー中で、武装テロリストが破壊攻撃を実行する中、常に、やりとりして協力するだけでなく、彼が2021年7月まで働いていたメディアやフェンスター事件に関し、最近の欧米報道から削除されているという事実がある。
コロンビア・ジャーナリズム・レビューに掲載された「ミャンマーの他の記者たち」という題の2019年記事が、ミャンマー・ナウが「全米民主主義基金から資金を受け取る」ことを明らかにしている。
全米民主主義基金(NED)は世界中における政治干渉のワシントンの資金部隊だ。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストのような卓越した欧米新聞は、世界中で政権転覆を実行する上で、NEDがアメリカCIAの役を引き受けていることを明らかにしている。
アメリカによるミャンマーでの政権転覆
ミャンマーにおける現在の政治危機の上で、NEDの役割は広範だ。
ミャンマー・ナウや、Mizzima、イラワジ川、Democratic Voice of Burmaなど他の卓越した反政府メディアへの資金供給に加えて、ほとんどあらゆる反政府派の幹部は、彼らの政治権力を増強し維持する上で、NEDや同類の組織的資金から直接恩恵を得ている。この支援は、そのメディア部門がNEDを通して送られるアメリカ政府資金から利益を得ている武装各派を含め、少数民族集団にも及んでいる。
ある時点で、アウン・サン・スー・チーは、ワシントンDCにさえ旅行し、2012年NED「民主賞」を受け取るため、NED理事長カール・ガーシュマンとNEDの下部組織、全米民主国際研究所所長マデレーン・オルブライトと会った。
2月に権力の座から追い出された、アメリカが資金供給され支援された反政府勢力は、今「国民統一政府」(NUG)のかたちで存在しており、種々の「大臣」を列挙するウェブサイトを維持してい。
彼らの中には、NUG「外務大臣」ジン・マー・アウンを含め、多くのNED資金受取人がいる。彼女の公式プロフィールはNUGウェブサイトで実際「全米民主主義基金プログラムの「レーガン・ファッセル記念民主主義フェローシップの特別研究員」だったことを認めている。ジン・マー・アウンはNED公式ホームページにもWebページを持っている。
ダニー・フェンスターは不当投獄された独立ジャーナリストではなかった。彼は全米民主主義基金を通してアメリカ政府から最高レベルの資金供給を受け、支援された野党勢力を支持し、外国で扇動を推進するアメリカ政府に資金供給されたメディアで働いていたアメリカ人工作員なのだ。
偶然の一致か計画的かにかかわらず、ビル・リチャードソンが、NDIと、その共和党の対応組織、国際共和党研究所と並ぶNED下部組織フリーダム・ハウスの委員長であることは指摘すべきだ。
フェンスター自身、アメリカ政府や欧米メディアとともに、非行に関係していなかったと主張しようと試みたが、それでもミャンマーに関する彼らの共同活動は、明らかに主権国家の内政に対する干渉で、国連憲章の違反でミャンマー主権侵害だ。別の国が、自身に対して行うことを、アメリカが決して許さない侵害だ。
フェンスター釈放で、ミャンマー政府は、反政府派を支持するワシントンから大幅な譲歩を得なかった可能性が高い。フェンスターはアメリカに戻る自由を享受するが、国を分裂させ、破壊し続け、この国の政治制度に干渉する巨大ネットワークの一員に過ぎなかった。
ミャンマーと、ミャンマーがその加盟国であるASEANと、アジア全体が、この種の妨害を根絶する、個別と地域の安全保障法を採択するまで、この地域は、まさにミャンマーが今経験している混迷を経験し続けるだろう。
Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
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岩上氏による田代秀敏氏インタビュー、毎回、眼からうろこ体験をさせて頂いている。
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