新冷戦

2021年5月18日 (火)

アメリカによる中国包囲:進捗報告

2021年5月7日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 ワシントンと北京間の緊張は、ドナルド・トランプ前大統領在任中の結果というだけでなく、中国を封じ込める数十年にわたるアメリカの取り組みの最新の現実だ。

 実際、アメリカ外交政策は、何十年間も、明らかに中国の勃興を包囲して、封じ込め、インド-太平洋地域での優位維持を狙っているのだ。

 1969年に漏洩した「ペンタゴン・ペーパーズ」は、ベトナムに対する進行中のアメリカによる戦争に関し、こう認めていた。

北ベトナムに爆弾を投下するという二月の決定と、第1段階の派兵という七月の承認は、中国を封じ込める長年のアメリカ政策を支持する場合に限って意味がある。

 ペーパーはまた、中国は「世界における[アメリカの]重要性と有効性を損ない、より間接的ながら、より威嚇的に、アジアの全てを反[アメリカ]で組織して脅かす大国として迫っている。」と認めていた。

 ペーパーは、中国封じ込めのという長期的取り組みには、三つの戦線があった(そして依然存在する)ことも明らかにしていた。:(a)日本-韓国戦線;(b)インド-パキスタン戦線;そして(c)東南アジア戦線。」

 その時以来、日本と韓国二国での継続的なアメリカ軍駐留から、今や二十年に及ぶ、パキスタンと中国両国と国境を接するアフガニスタン占領や、中国に好意的な東南アジア諸国の政権を打倒し、それらをアメリカが支援する属国政権で置き換えることを狙ったいわゆる「ミルクティー同盟」まで、中国封じ込め政策が今日まで続いているのは明白だ。

 これら三つの戦線に沿ったアメリカの活動を評価すれば、ワシントンが直面している進歩と停滞や、ワシントンの継続的な好戦的態度がもたらす世界平和や安定に対する様々な危険が明らかになる。

 日本-韓国戦線

 「米軍を日本と韓国に配備しておく費用はこれだけかかる」というMilitary.com記事はこう報じている。

総計80,000人以上のアメリカ兵が日本と韓国に配備されている。日本だけで、アメリカは55,000人以上の兵士を配備しており、これは世界最大の前方展開アメリカ兵力だ。

 記事は、米国会計検査院(GAO)によれば、アメリカは「2016年から2019年までに、日本と韓国における軍駐留の維持に340億ドル」を使ったと指摘している。

 東アジアで、なぜこの膨大なアメリカの軍事駐留が維持されているかについて、記事はGAOを引用して説明している。

「アメリカ軍は、同盟を強化し、自由な開かれたインド-太平洋地域を推進するのに役立ち、緊急事態に対する素早い対応を提供し、アメリカの国家安全保障に不可欠だ。」

 実質的なアメリカ占領軍による物理的駐留によって「強化される」「同盟」は、「同盟」が、到底自発的でないことを示唆し、「自由な、開かれたインド-太平洋地域」という主張は、大いに主観的であり、インド-太平洋は、一体誰のために「自由で、開かれた」のかという疑問を提起する。

 アメリカの権力が、世界規模でも、地域的に、インド-太平洋でも衰えるにつれ、ワシントンは、対中国封じ込め戦略で、財政負担のみの支援ではなく、より積極的になるよう日本と韓国両国への圧力を増大している。

 日本は、アメリカに率いられる「クアッド」としても知られる四カ国戦略対話に徴募された三つの他の国(アメリカ自身、オーストラリアとインド)の一つだ。

 アメリカは、単に日本に駐留する軍隊や、日本を本拠とする自身の軍隊による支援だけでなく、インド軍とオーストラリア軍と日本軍も、南シナ海内や周囲で、軍事演習や作戦に参加すべく徴募している。

 インドをクアッドに包摂したのも、1960年代早々、ワシントンの対中国に封じ込め政策を構成するアメリカの三戦線戦略にも、ぴったり合う。

 インド-パキスタン戦線

 クアッド同盟へのインド徴募に加え、アメリカは中国とインドの様々な領土問題の政治支援やメディア選挙運動を通して、エスカレーションを促進している。

 アメリカは、パキスタンのバローチスターン州の武装反抗分子支援を含め、中国とパキスタンの親密な進行中の関係にも標的を定めている。

 最近、バローチスターンのクウェッタ、ホテルでの爆発は、駐パキスタン中国大使、Nong Rongを標的にしていたように思われる。

 「パキスタン・ホテル爆弾:致命的爆風、クウェッタの贅沢な場所を襲う」という記事でBBCは、こう報道している。

最初の報道は、標的が中国大使だったことを示唆していた。

Nong Rong大使は水曜日にクウェッタにいるが、攻撃時点にホテルに居合わせなかったと考えられている。

 記事はこうも報じている。

バローチスターン州は、アフガニスタン国境に近く、分離主義者を含め、いくつかの武装集団の所在地だ。

パキスタンからの独立を要求する現地の分離主義者が、ガスと鉱物資源のため、パキスタンの最貧州の一つバローチスターンを搾取したと、政府と中国を非難している。

 BBC報道で欠落しているのは、アメリカ政府が長年これら分離主義者に提供した大規模な、あからさまな支援だ。明らかに、これは単なる不正とされるものに対する局所的な蜂起を超えているが、ワシントンが中国に対して行なう「代理勢力による武力衝突」のもう一つの例だ。

 昔2011年、National Interestは「自由バローチスターン」という記事で、公然とパキスタンのバローチスターン州で分離主義に対するアメリカの支援拡大を擁護していた。

大企業と金融業が資金供給するアメリカを本拠とする国際政策センターの上級研究員だった)故セリグ・ハリソンが論文を書いて、こう主張している。

パキスタンは、バローチスターンの中心グワダル海軍基地を中国に与えた。だから独立バローチスターンは、イスラム主義勢力に対処するという喫緊の狙いの他、アメリカ戦略上の権益にも役立つだろう。

 もちろん「イスラム主義勢力」というのは、アメリカとペルシア湾岸諸国が資金援助し、欧米代理戦争を行なうために使われ、欧米介入の口実にもなる過激派戦士の婉曲表現だ。パキスタンのバローチスターンで「イスラム主義勢力」を引用するのは明らかに、後者の例だ。

 影響力のある政策シンクタンクに発表された記事に加えて、ダナ・ローラバッカー下院議員などのアメリカ議員が、以下のような決議を提案した(強調は筆者)。

「米国下院一致決議104(第112番):現在パキスタン、イランとアフガニスタンに分かれているバローチスターンの人々は、自己決定し、自身の主権を持った国家の権利を持っているという議会の同意を表現する。」

 アメリカ政府の全米民主主義基金(NED)ウェブサイトに列記されている通り、「パキスタン」という分類で、パキスタン、バローチスターンで分離主義を支持する隣接した、政治集団に資金が供給されている。「Association for Integrated Development Balochistan」などの組織がアメリカ政府に資金供給され、パキスタン内政に、アメリカによる明確な干渉をし、人々を政治的に動員するために使われる。

 グワダル港プロジェクトは、一帯一路構想の一環として、成長する中国インフラ計画のグローバルネットワーク中で重要な地点だ。アメリカは明らかに中国の勃興に反対で、それに対処するための明瞭に表現された確固とした戦略を述べている。ベトナム戦争に関するペンタゴン・ペーパーズで見られるように、開戦を含め、全てがあるのだ。

 パキスタン、バローチスターンでの最近の爆発は、この戦略が、中国-パキスタン協力に標的を定めるための現地の過激派戦士利用を継続しており、中国を包囲し、封じ込める広範な地域規模の戦略の一環であることを明示している。

 東南アジア戦線

 もちろんベトナムに対するアメリカの戦争は、東南アジアに対する欧米の優位を再主張し、この地域が中国の避けられない勃興に拍車をかけるのを阻止する、広範な取り組みの一環だった。

 アメリカが戦争で敗北し、東南アジア地域からほぼ完全撤退したことで、東南アジアは彼ら自身の間と、中国との関係を修復することになった。

 今日、東南アジア諸国は、中国を、最大の貿易相手国、投資国、インフラ整備の重要パートナー、地域の軍隊のための重要な供給元、地域全体への多数の観光客提供に加えて、と考えている。タイのような国では、西欧諸国からの観光客全てを合計したより多くが、中国からやってくる。

 既存の東南アジア諸国政府は、中国に対するアメリカのけんか腰に加わっても、得るべき利益は皆無なので、アメリカは、様々な傀儡を政権に据えるため、養成し、試みることが必要なことに気がついたのだ。これはベトナム戦争以来進行中のプロセスだ。

 アメリカは何年も、個々にそれぞれの国に目標を定めた。2009年と2010年、アメリカに支援された「追放された野党指導者」タクシン・チナワットは、次から次の暴動で、約300人の武装過激派闘士を含む彼の「赤いシャツ」抗議行動参加者を派遣し、バンコク中での放火や、90人以上の警察、兵士、抗議行動参加者や見物人の死で頂点に達した.

 野党を構築するため、アメリカは10年以上、何百万ドルもを注いだ後、2018年、アメリカに支援される野党がマレーシアで権力を掌握した。

 アメリカ全米民主主義基金NEDの下部組織、共和党国際研究所のダニエル・トワイニングは同じ年、国際問題研究所CSIS(56分から始まる)講演で、それを認めた:

15年間NED資源で活動して、我々はマレーシア野党を強化し、61年後、二カ月前に何が起きたかご想像願いたい。彼らは勝ったのだ。

 彼は、アメリカが支援する反対派人物をマレーシア政府の権力の座に送り込む上で、NEDのネットワークが、どのように直接役割をはたしたかを、こう述べている。

私はこの政府の指導者の多く、新指導者を訪問し、彼らと一緒になった。彼らの多くが我々が15年間働いてきた我々のパートナーだが、今政府を運営している人々の一人、彼らの最上級者が私に言った。「なんとまあ。あなたは我々を決してあきらめなかった。我々自身見限る覚悟をしていた時でさえ。」

 マレーシアで「自由を推進する」どころか、トワイニングはマレーシア内政に干渉する究極の目的は、マレーシアだけでなく、地域全体で、特に中国を包囲し、封じ込め、アメリカの権益を維持することだったのを明らかにしている。

 トワイニングは、こう自慢する。

新政府最初の一歩が一体何だったか当てられだろうか?中国のインフラ出資凍結だ。

 そして

[マレーシア]は、大いにアメリカ寄りの国というわけではない。実際のアメリカ同盟国になることは、おそらく決してないが、これは我々の利益に寄与するだろう、長期戦略の一例だ。

 NED資金で、数十年にわたり、国内に並行する政治制度を構築し、最終的に、2016年、アウンサンスーチーとアメリカに支援される彼女の全国民主連盟(NLD)の権力掌握をもたらしたミャンマーも、同じことの繰り返しパターンだ。

 ミャンマーにとって、現地の反政府派に対するアメリカ支援は実に根深く、本格的で、選挙で、毎回、事実上、アメリカが支援する候補者の勝利は保証されていた。アメリカ全米民主主義基金自身のウェブサイトだけでも、世論調査から、政党構築や、メディア・ネットワークや中国が始めたインフラ計画を阻止するために使われる「環境保護」団体への資金投入など、あらゆることのために、アメリカ政府資金を受け取る80以上のプログラムと組織を列記している。

 今年の2月、アウンサンスーチーとNLDを追放したミャンマー軍による動きは、これを是正することを意図していた。

 だが、街頭で抗議行動する政治団体の支持に加えて、アメリカは何十年も、全国的に反政府派民族を支持し、武装させてきた。これら反政府派は今アメリカが支援するNLDと連絡を取り「国際介入」に対する明示的要求を含め、2011年にアラブ世界に対し、リビア、イエメンやシリアなどの国で使われたアメリカが支援する政権転覆戦術を繰り返している。

 アメリカが画策した「アジアの春」

 2011年、アメリカが「アラブの春」の際にしたと同様、アメリカ国務省は、アジア中で様々な政権転覆キャンペーンの相乗効果を作り出そうと、アメリカが支援する個別政権転覆の企みをアジア地域規模の危機に転換するため「ミルクティー同盟」を導入した。

 BBCは「ミルクティー同盟:ツイッター、民主化運動活動家用絵文字を作成」という記事で、こう認めている。

この同盟は香港と台湾の反北京抗議者とタイとミャンマーの民主化運動活動家を糾合。

 BBCの「ミルクティー同盟」報道で(意図的に)抜けているのは、それを結び付けている本当の共通点だ。全米民主主義基金などを通したアメリカ資金供給と、アメリカ国務省自身が推進する趣旨に基づく中国嫌悪での統一だ。

 ペンタゴン・ペーパーズに戻って、アメリカが中国を包囲しようと画策した地域キャンペーンを想起し、トランプ政権のホワイトハウス・アカイブで公開されている「インド-太平洋の枠組み」のような最近のアメリカ政府政策報告書を見ることができる。

 政策報告書の最初の箇条書きは、こう問うている。

中国が新しい不自由な勢力圏を確立し、地域の平和と繁栄を推進する協力地域を育成するのを阻止しながら、いかにインド-太平洋地域で、アメリカの戦略的優位を維持し、自由な経済秩序を推進するか?

 この報告書は「世界中での中国の強制的な振る舞いや影響工作」に関し世界を「教育する」ことを意図した情報キャンペーンも論じている。これらキャンペーンは、中国新彊での「中国による大量虐殺」非難をでっちあげるプロパガンダ戦争、中国通信機器企業ファーウェイが世界規模の安全保障上の脅威で、アメリカではなく、中国が今日の世界平和と安定に対する最大の脅威だと主張している。

 実際は、中国包囲を目指すアメリカ政策は、世界舞台での、あらゆる戦争の継続や、それから生じる人道的危機虐待にも数十年にわたり、何のおとがめもなく済んでいるのを続けたいというにワシントンの願望に基づいている。

 中国とワシントンの「競争」全貌理解は、貿易戦争、ミャンマーで進行中の紛争や混乱、南西パキスタンでの爆発、タイの学生暴徒、香港での暴動や南シナ海を国際紛争に転換するアメリカの企み等展開している個々の危機を巡る混乱を解明する助けになる。

 これらの出来事が全てつながっていることを理解し、アメリカの取り組みの成否を評価すると、中国包囲におけるワシントン全体的成功の、より明確な構図が見える。それは、国家や地域や世界平和や安定を脅やかすアメリカの破壊活動から守る上で、各国政府や地域ブロックに、どのように政策を運営すべきかのより明確な構図にもなる。

 Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/05/07/us-encirclement-of-china-a-progress-report/

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 大本営広報部の洗脳白痴番組では、この記事のような話題はタブー

日刊IWJガイド・特別公開版「中国包囲網は世界大戦規模!? まともに報じられないクアッドプラス英独仏蘭の大演習! 平和と国民主権を守るため、真実を報じ続けるIWJにご支援をお願いいたします!」2021.05.18号~No.3169号

 デモクラシータイムスの下記話題も、本記事と、つながっている。

英仏独の欧州勢も 緊迫のインド太平洋へ【半田滋の眼 NO.33】20210511

 UIチャンネル 映画二本のお話。福島の話題の映画も、早く見たいと思っている。

鼎談 馬奈木厳太郎(弁護士)×井上淳一(映画監督)×鳩山友紀夫

 我々は、無能傀儡というより、その背後霊、ケケ中とアトキンソンに殺されつつあるのではあるまいか。AERAdot.

【独自】「誰でも何度でも予約可能」ワクチン大規模接種東京センターの予約システムに重大欠陥

2020年10月19日 (月)

中国との関係悪化に起因する困難な時代に直面するオーストラリア

2020年10月16日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 2020年10月13日、Russia Todayに掲載された最近のトム・ファウディーの記事は、オーストラリアの経済的健全性に影響を与えているいくつかの非常に重要な問題を提起している。中国とオーストラリアの重要な経済関係が加速する勢いで崩壊するにつれ、経済状態は急速に悪化している。18世紀末、オーストラリアがイギリスに植民地化されて以来、250年ほどにわたるのオーストラリアの輸出構造には、いくつか特徴がある。

 オーストラリアの最初の役割は、死刑にする程ではない犯罪を行ったイギリス人用の流刑植民地だった。この国で100,000年以上暮らしてきたオーストラリアの先住民の権利は考慮の対象ではなかった。実際、彼らの地位が、ようやく1960年代に認められるまで、彼らは公式に、人間としてさえ見なされていなかった。それまで、先住民の法律上の地位は、動植物と同じだった。

 1941年、シンガポールでの日本軍によるイギリスの敗北は、オーストラリアの安全保障をイギリスへの依存からアメリカへの依存への動きが始まることになった。アメリカ軍は1942年に到着し、以来、彼らは駐留している。

 1973年1月1日に、イギリスがヨーロッパの共同市場に加入し、経済的関係の再評価を強いられるまで、オーストラリアの貿易パターンは、同様にイギリスへの依存を示していた。その後、オーストラリアの貿易は、次第に、アジア近隣諸国へと移行し、この傾向は、1970年代以来、毎年加速している。現在、アジア諸国は、世界とのオーストラリア貿易の膨大な部分を占めている。

 2019年に、オーストラリア全輸出の3分の1以上を占めた中国は、二番目に重要な貿易相手国日本との貿易量のほぼ二倍で、圧倒的な最大貿易相手国だった。

 その地理にもかかわらず、主要貿易相手国のすぐ南の広大な大陸オーストラリアの政治精神は、英米の世界観に、しっかり固定したままだ。1945年の第二次世界大戦終焉以来終、オーストラリアは、少なくとも四つの大規模な軍事紛争で、アメリカに加わっている。韓国、ベトナム、アフガニスタンとイラクだが、これらの国々は、オーストラリアから地理的に遠いだけでなく、オーストラリアに目に見える大きな戦略的利益もなかった。

 四つの戦争全てが、誤った理由に基づいていた事実は、それらの正当性を強化するには何の役にも立たなかった。朝鮮戦争は、明らかに、当時中国で新たに政権に就いた共産党の打倒を狙っていた。これは軍事行動を認める国際連合安全保障理事会(ロシアが欠席し、まだ国民党が中国議席を持っていた)決議の条件に明らかに違反する同盟軍の行動から、容易に認識できた

 イラクの「大量虐殺兵器」や、2001年9月11日事件における彼の役割とされるもので濡れ衣を着せられているオサマ・ビンラディンを、アフガニスタンがかくまっているとされたウソは、ここで繰り返すのが不要なほど良く知られいる。現在重要なのは、アフガニスタンとイラク侵略と占領のためのウソと隠された動機が、オーストラリアに、当初関与することや、占拠軍としての役割を継続するのを思いとどまらせなかったことだ。

 オーストラリアは、同様に、オーストラリアにとって目に見える戦略的、軍事的利益が皆無なのに、アメリカがでっちあげたベトナム戦争にも参加した。アメリカ権益への追随を強固にしたのは、1972年-1975年、ベトナム戦争に対するホイットラム労働党政権の経験だった。

 ホイットラムはオーストラリア軍をベトナムから撤退させ、中華人民共和国を中国の合法政府として認めたのだ。この二つの動きに、野党自由党は猛烈に反対した。だが、ホイットラム政権の運命を決定したのは、オーストラリア、ノーザン・テリトリーのパイン・ギャップでアメリカが運営する諜報基地閉鎖の決定だった。ホイットラム政権は、ホイットラムがオーストラリア議会にパイン・ギャップ閉鎖を発表する予定の前日、ジョン・カー総督に解散させられた。基地がまだ機能している(オーストラリアの少なくとも8つの米軍基地の一つ)ことが、ホイットラム解任の地政学的結果を雄弁に物語っている。

 これらの激動の年月の間も、中国との貿易は繁栄し続けた。中国は同じく外国人学生の最大の源、外国人観光客の最大の源、海外投資の三番目に大きな源になった。2020年、この全てが変化した。明らかに、アメリカ政府の代弁者役を演じて、オーストラリアは、今年の初めのコロナウイルス発生について、中国の「説明」を要求したのだ。

 オーストラリア要求の詰問的な調子は、北京に歓迎されなかった。これで中国は、一連の経済措置をとり始めた。最初の、ワイン輸入禁止という比較的経済的影響が少ないものは、明らかに中国の意志を示す意図だった。

 そのシグナルは無視された。オーストラリアの反中国言説は、2020年中、次第にエスカレートした。中国の反応は、オーストラリア輸入品禁止を増大することだった。最新のもの(2020年10月始め)は、オーストラリアの石炭輸入禁止だった。これはオーストラリア経済にとって、130億米ドルの価値がある市場だ。それは禁止されたり、大いに制限されたりする最後の項目ではなく、既に7月以来、毎月17%減っている鉄鉱石(1000億米ドル以上)が、おそらく禁止される次の商品だろう。

 Covid危機も、中国人学生入国(最大の外国の源)や、何十億ドルもの価値の産業や、何千という仕事のほぼ完全停止をオーストラリア経済にもたらした。それらの数値が近い将来回復すると予想するのは考えが甘い。絶滅種で、再び以前の水準近くにも戻ることがありそうもない中国人観光客にもそれは言える。またもや何万もの仕事がなくなる。

 オーストラリア政府の理性的な対応は、政策と発言の両方を再検討することだ。モリソン政府は、そうした関心を示さなかっただけでなく、アメリカとの継続する親密な(従属的)関係に悪影響を与えずに、どのように都合よくそうできるか考えるのも困難だ。

 アメリカの要求に、あえて反する政策を追求した1975年のホイットラム政権の運命の記憶は、オーストラリア政治に、非常に長い影を投げかけ続けている。

 ファウディーは、オーストラリアの状況は「中国の勃興によってひき起こされた英語圏世界で最も明白で明示的な不快感の反応と言えるかもしれない」と示唆している。私は敬意を持って同意する。だが、解決策は、これまでの300年、そうであったように、欧米支配を維持しようと試みることではない。

 そうではなく、アングロサクソン支配は歴史的な異例であり、古い秩序がそれ自身組み換わりつつあるのを認識する必要があるのだ。オーストラリアの場合、かなり本格的な精神的適応が必要だろう。

 オーストラリアは、ここ数十年間、まさに、その地理と、オーストラリア人が「the near North」と呼ぶ国との間で増大する貿易や他のつながりのおかげで繁栄しているのだ。明らかに不足しているのは、地政学と貿易の現実に一致する、政治的態度と行為だ。不幸にして、その適応は、オーストラリア人の思考には達成困難な目標かもしれない。オーストラリアには、自分以外責める相手はいないのだ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/10/16/australia-faces-challenging-times-caused-by-deteriorating-relations-with-china/

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 日刊ゲンダイDIGITAL

菅首相は学術会議抱き込み高笑いか…和解ムードの拍子抜け

 現会長、2015年にノーベル物理学賞を受賞。ノーベル賞は「総合的、俯瞰的に」選考していない。研究が対象。ノーベル賞受賞者、全員が、湯川秀樹や益川敏英氏のような気骨があるわけではない好例。庶民にとって害悪でしかないが、竹中が奉じる格差あり放題の新自由主義を唱えたフリードマン、1976年にノーベル経済学賞を受賞している。そもそも経済学賞、本当に良い選択をしているかどうか、素人には不明。

 LITERA

欠陥だらけ GoToイートが飲食店よりグルメサイトを儲けさせる制度なのは、菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係が影響か

 彼の代表的迷案、「ふるさと納税」と根は同じ。一見、庶民に恩恵があるように見せ掛けて、支持率を確保し、その実、大金持ち、大企業を儲けさせる策略にすぎない。それにつられる庶民の存在が悲しい。それも、よいしょ忖度専門の大本営広報部あればこそ。学術会議について、とんでもないデマをとばす翼賛放送局の上級怪説委員は首にならない。

 明らかに不足しているのは、地政学と貿易の現実に一致する、政治的態度と行為だ。不幸にして、その適応は、日本人の思考には達成困難な目標かもしれない。日本には、自分以外責める相手はいないのだ。

 IWJインタビュー、今日は矢吹晋氏。

【IWJ_YouTube Live】18:30~
「岩上安身による横浜市立大学名誉教授・矢吹晋氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 矢吹氏は2015年9月9日に収録した岩上安身によるインタビューで、「第二次大戦後、パックスアメリカーナはベトナム戦争など失敗続き。かたや中国は、ここに来て成長してきた。その狭間にいる日本は、その両国とうまく付き合う道しかない。沈みゆくアメリカにしがみつくのは最悪の選択」と、訴えました。しかし、矢吹氏の訴えは届かず、安倍政権下の日本政府はその後も、衰退する米国にすがりつくかのように対米従属を深めてゆきました。

 以前の矢吹晋氏インタビューを拝見した者として、最新インタビュー、見落とすわけにはゆかない。彼の新刊を購入しようと思っても、最寄りの町中の書店には置いてない。嫌中本なら並んでいるのだが。

※「沈みゆくアメリカにしがみつくのは最悪の選択」──中国研究者の矢吹晋氏が岩上安身のインタビューで警告 「アメリカは中国とうまくやっていく」岩上安身によるインタビュー 第581回 ゲスト 矢吹晋氏 2015.9.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/262787

2020年5月20日 (水)

中国

2020年5月17日
Paul Craig Roberts

 アメリカは敵無しでは生きられない。敵が、アメリカ最大産業、軍事支出に資金供給し、敵が、バベルの塔のようなわが国を、ばらばらにならないよう維持する安全保障の目的になるのだ。

 オバマ体制の間に、ロシアは敵として再確立された。ロシアとの関係を正常化するというトランプの意図は、ロシアの敵としての地位を消滅させるので、軍安保複合体が、彼に地獄の責め苦を与えた。実際、CIA長官は選出されたアメリカ大統領を裏切り者と非難した。負けた民主党は、強力な軍安保複合体がトランプ反対で提携するのを見て、自分たちの政治的敗北を埋め合わせるため「ロシアゲート」を仕組んで加わった。トランプは生き残ったが、大統領の座から彼を追いだすためにでっちあげられたペテンのため、一期目の任期の三年を失った。

 トランプ任期四年目に、敵は変えられた。今や敵は中国だ。いくつかの進展が中国を敵に変えるのに貢献した。一つは、ワシントンの挑発に立ち向かい、反論する中国の意志が高まっていることだ。もう一つは、アメリカの大きな貿易赤字を誰かのせいにしなければならないワシントンの必要性だ。もう一つは中国の製造と産業の実力認識と、5Gでファーウェイが先行していることで実証されるように技術分野で獲得している中国の指導力だ。動揺するアメリカの通信技術企業、ネオコンの覇権野心や、中国を封じ込めるためのより多くの軍事支出の可能性が、トランプの中国との舌戦に勢いを与えた。この対立はCovid-19を中国の責任にする流れのおかげで、益々勢いづいている。

 アメリカ上院議員と右翼ラジオが、ワシントンは、中国にアメリカ国債を放棄させて、中国に、アメリカにCovid-19の費用を支払わせればよいと語っている。これ以上愚かな、あるいは、信じ難い考えを想像するのは困難だ。中国が国際市場で、国債を売ることができるから、ワシントンは中国の持ち分に対する識別番号リストを造り、利子と元金が支払われない証券として公表するが必要があるだろう。国債は市場で売買されるので、アメリカ財務省が、誰がどの債券を保有しているかを知っているかは明らかではない。

 この案が成功裏に実行可能だと想定しても、問題は起きる。債務無視は第三世界諸国の慣行だ。もしアメリカがこの慣行を採用すれば、他の国々が次は自分たち持ち分ではあるまいかと疑うだろう。連邦準備銀行だけ唯一の買い手として残り、財務省債券の市場は消滅しかねない。債券発行は無意味になるだろう。赤字資金を調達するため、お金が印刷されることになる。

 これは、次に、普通株のようなドル立て資産を所有する、他の国々の意志に影響しかねない。これは株式市場に悪影響を与えるだろう。米ドルが世界準備通貨としての役割を失いかねず、それは、ワシントンが、お金の印刷で、請求書を支払うことができないことを意味するだろう。

 さらに中国には様々な報復策がある。アップルのような多くのアメリカ企業の生産施設は中国にある。中国はアメリカ企業の海外生産で人気の国だ。これら施設は国有化されかねないのだ。多くの場合、製造施設はアメリカ企業が所有しているわけではない。そうではなく、アメリカ企業は中国企業に生産を外注しているのだ。中国はアメリカ企業向け商品の生産を止めたり、特許やブランド名を盗んだり、生産を続け、それに中国製品として商標変更したりできるのだ。アメリカは、他の国々の法律や国際法を尊重しないのだから、中国がアメリカ法を尊重すべき理由はない。

 中国がアメリカ国内で多くの資産を購入したのは失敗だった。もしこれら資産の額が中国にあるアメリカ資産に等しいか上回れば、報復政策は中国にとって引き合うまい。

 法律という点では、アメリカは決して公正に振る舞わない。ワシントンは、ファーウェイをブラックリストに載せ、NATO同盟国に、5Gのような同社のハイテク製品を拒絶するよう圧力をかけ、ファーウェイを身動きできなくしようとした。アメリカは、ファーウェイに対する複雑なIC部品販売をしているので、おそらく、この政策は、中国に対してより、アメリカ半導体企業に多くの損害をもたらしている。

 ファーウェイの国際事業を抑制するワシントンの取り組みは、グローバル・サプライチェーンに対する攻撃であり、グローバル企業各社を不快にさせてしまう。それはグローバル依存という考え方に対する攻撃だ。

 中国とのアメリカ貿易赤字は中国のせいではない。生産を中国に海外移転したアメリカのグローバル企業のせいだ。アップル・コンピュータやiPhoneなどの海外生産された商品が、販売のためアメリカに持ち帰られると輸入として扱われる。だから、アメリカの貿易赤字の責任があるのは、アップルやナイキやリーバイスなどのアメリカ企業であり、先進国の労働者を犠牲にするグローバリズムを称賛したネオリベ経済学者も同罪だ。

 グローバリズムが中国に製造能力を与えたのだ。中国はこの基盤を、自国の巨大な消費者市場を開発するために使うべきだ。グローバリズムは、もはや中国の利益に役立たない。世界最大の消費者市場があるのだから、中国は国内発展に焦点を移すべきなのだ。国内市場が非常に巨大なのだから、中国にとって輸出は重要ではないはずだ。中国は、ワシントンが否定すると恫喝している、ドル準備が有り余っており、外貨準備高の必要がない。中国の強みは経済力にある。この力こそ強化すべきだ。中国にとっての賢い道は、新自由主義のがらくた経済学を放棄して、中国経済を発展させることだ。

 私の人生前半で、これがアメリカのやり方だった。アメリカ経済は非常に大きかったので、アメリカ企業は、外国での販売に依存せず、利益は有り余っていた。国内消費のために国内生産するので、高付加価値、高生産性の雇用がアメリカ国内に残り、それが実収入増大を可能にし、更に総需要の増加を保証し、経済成長と出世の梯子を維持したのだ。海外移転が始まった途端、これらのはしごは解体され、今日、結果的に、アメリカ消費者には経済を駆動するための収入増が欠如しているのだ。

 中国はグローバリズムに勝利したが、アメリカは敗北した。アメリカの衰退を回避するため、中国はグローバリズムで得たもうけを放出し、自国内の経済を構築する必要がある。これは中国にとって非常に有利なだけでなく、アメリカと中国の対立点を減らすことで、平和の大義にも役立つだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2020/05/17/china/

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 とんちん官僚が書いたプロンプターの文章を読んでいる晋裸万障も、なんにも専門家の記者会見も、緑のコロナのワンボイスも音声を消し聞かずにいる。翻訳しながら切り換えるのは煩雑。本当の対策を語る番組は拝見する。

 コロナと闘う戦略図~見えてきたウイルスの正体と闘い方【新型コロナと闘う 児玉龍彦×金子勝】20200516

 LITERA記事指摘の通り。ゆ党異神の記者会見も、決して、見ない、聞かない。海堂尊の『スカラムーシュ・ムーン』、コロナ問題、厚生省、検察庁、警察の暗躍から、異神の末路まで、予言だらけ?書店で買えないのが不思議。

検察庁法案改正賛成でわかった維新と吉村洋文知事の正体! 安倍と同じ独裁思想、「コロナがんばってる」イメージもほとんどは詐術

2020年4月17日 (金)

アメリカ人のコロナウイルス恐怖につけこむ対中国タカ派

Dave DeCamp
2020年4月14日
Antiwar.com

 コロナウイルスは、世界の大半の国々より、アメリカに激しい打撃を与えた。対中国タカが構成するアメリカ最大の新しいシンクタンクが、民意を北京に敵対させるのに、この問題につけこんでいる。この問題への不安で暮らすアメリカ国民は、とりわけ反中国宣伝の影響を受けやすい。ウイルスが中国起源であることは、インド-太平洋地域での、存在感拡大を期待するペンタゴンにとっても、有益な道具になる可能性がある。

 去年、ネオコンのフランクギャフニーと、元ホワイトハウス戦略家スティーブ・バノンによって、冷戦期の集団が復活した。Present Danger: China (CPD)(現在の脅威関する委員会:中国)は僅か1年ほど前、2019年3月に立ち上げられた。新CPDは、この集団の4番煎じだ。最初のCPDは1950年代に、二番目は70年代に、ソ連と対決するのに利用された。三番目のCPDは、いわゆる対テロ戦争に対処するため2004年に設立された。

 CPDメンバーは、中国をアメリカに対する最も重要な「実存的脅威」と呼んでいる。「近い将来、アメリカは、アメリカを決定的に打ち破るために、非軍事的な形の戦争だけでなく、武力行使の用意があり、それをいとわない決然とした攻撃的な超大国敵国と対決する可能性が高い」とCPD「基本理念」の一つにある。もう一つの原則は「共産党が中国を支配している限り、中国と共存する希望がない」だ。Covid-19流行は、この集団がアメリカ人の不安を利用して、中国に対する一層タカ派の政策を要求する完ぺきな機会だ。

 スティーブ・バノンはトランプ大統領の選挙運動と、政権初期、影響力の大きな役割を果たし、首席戦略官として、つかのまの在職中、中国商品に対する関税を激しく要求していた。バノンの対中国野心は貿易戦争だけで終わらない。「究極の成功は[中国]政権転覆だと思うし、その点で私は急進派だ」とバノンは、2019年5月、NPRに述べた

 バノンは「Bannon’s War Room バノンの作戦指令室」というポッドキャストを運営している。発生初期の一月、バノンは題名を「War Room: Pandemic パンデミック作戦指令室」に変えた。この番組で、バノンは、ウイルスに対する中国の対応を激しく非難している。世界的流行を、バノンしばしば「生物学のチェルノブイリ」と呼び、武漢で「ニュルンベルグ風裁判」が行われるだろうと述べた。先週バノンは、フォックス経済ニュースに出演し「中国共産党の手は血にまみれている。」と述べた。

 CPD副会長で創設者のフランク・ギャフニーは、反イスラム教著作「Shariah: The Threat to America シャーリア:アメリカに対する脅威」などの本で良く知られている。ギャフニーは、ムスリム同胞団は欧米社会に潜入しているという理論を広め、オバマ大統領は隠れイスラム教徒だったと示唆した多くの著名人の一人だった。1997年、ギャフニーは悪名高いネオコン・シンクタンク、アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)の書簡への署名者の一人だ。ギャフニーは、2003年のイラク侵略を正当化し、サダム・フセインが9/11事件に関与していたと示唆するだけでなく、フセインは、最初のワールド・トレードセンター攻撃やオクラホマシティー爆破にさえ関係していたと示唆する役を演じた。

 CPD設立以来、ギャフニーは、中国脅威論のブリーフィング討論会主催に奔走している。北京の人権侵害の例として、ギャフニーは、しばしば西中国のイスラム教徒ウイグル人の苦境を指摘する。中国に対する、よくある主張は、彼らが新彊の再教育キャンプに、約百万人のウイグル人イスラム教徒を収容していることだ。2009年、ワシントン・タイムズのコラムで、不当にグアンタナモ湾に投獄されている17人のウイグル人集団を「オバマが、断固として、アメリカ人に向け解き放ったように思える、もう一つの危険な外国人集団」として解放すべきだとギャフニーは言った。

 ギャフニーは、イスラム恐怖を広め、イスラム教徒が大多数の国々に対する戦争への同意を作り出して生計を立てている。イラクだけでも死者数は百万人より遥かに多いと考えられている。ギャフニーと彼のお仲間にとって、ウイグル人イスラム教徒は、地政学上の道具以上の何ものでもない。

 バノン同様、ギャフニーの最近の活動はコロナ・ウイルスに対する中国の対応を非難することに注力している。CPDウェブサイトは、彼らが「武漢ウイルスに関する中国政府宣伝」と呼ぶ年表にリンクしている。中国政府は、ウイルスに対する初期対応を失敗したかもしれないが、アメリカ政府は、大流行を初期にとらえる機会を逃したのだ。

 1月21日、コロナウイルスの最初に確認された症例は、武漢から訪米している人が、ワシントン州で発見されたことが知られていた。シアトルのあるインフルエンザ診療所の医師は、ニュースを聞いた後、試料検査を始める準備ができていた。医師は州と連邦に、検査を行う許可を拒否された。 1カ月以上待った後、2月25日、医師は政府の許可なく試料を検査して、陽性症例を発見した。ワシントン州の大流行で、500人以上の人々が死亡したが、あの重要な時間に制限できていたはずなのだ。

 シアトルのインフルエンザ診療所は、ウイルスに対する国内対応を妨げているアメリカ政府の一例だ。国内の失敗だけでなく、アメリカ対外政策が、ウイルスに対する世界の対応を妨げている。トランプ政権は、イランやベネズエラ、シリアやキューバのような国々に対する害が大きい経済封鎖を維持している。ウイルスで最も強い打撃を受けている国の一つ、4,400人以上の死者で問題のさなかのイランに、アメリカは制裁を追加さえした。

 「武漢ウイルスは殺人犯で、イラン政権は共犯だ」とマイク・ポンペオ国務長官はイスラム共和国への新たな制裁を発表した三月に述べた。制裁は、医学インフラには影響を与えないというアメリカ当局者の主張にもかかわらず、研究は、制裁が医療用品の欠乏を起こすことを示している。ウイルスは中国から始まったのかもしれないが、アメリカは、大流行を武器化して利用している超大国だ。

 CPDメンバーの言説の多くは、独善的な道義的な高みからのものだ。2019年6月の演説で、バノンは中国の人権侵害リストをズラズラ列挙し、これら乱用のかどで、中国政府へのアメリカの財政支援を止めるのは「最高の道徳的要請」だと述べた。だが、ワシントン自身、対処すべき多くの人権侵害をしている。上に列記した経済戦争から、イエメンでの大量殺戮戦争への支援、ガザ封鎖、頻繁に一般人を死なせているソマリアでの影の戦争や、アフガニスタン、イラクやシリア占領。これらの戦争は、中国の乱用のように、自発的な投資家による間接的資金供給ではなく、アメリカ納税者に直接資金供給されている。アメリカ人にとっての「最高の道徳的要請」は、自身の政府による人権侵害を終わらせるのに焦点をあてることのはずだ。

 国防総省は、中国がワシントンの主要焦点であるべきだというCPDの理念を共有している。彼が2019年の夏、職務について以来、マーク・エスパー国防長官は、中国は国防総省の「第一優先事項」だと繰り返し呼んでいる2018年の国家防衛戦略は「アメリカ繁栄と安全のための中心的脅威」として中国とロシアを特定している。最近アメリカのインド-太平洋軍司令部は、地域で「中国侵略を阻止する」200億ドルの要請を提出した

 中国とアメリカ間の不和の種は、軍事的に、南シナ海と台湾海峡だ。北京は台湾を自身の領土だと考え、アメリカは台湾との公式関係を持っていないが、彼らは台湾の主要支援国の一人だ。ワシントンは兵器や他の軍装備品を台北に売り続けている。パンデミックのさなか、米国海軍は台湾海峡を通るパトロールを強化した。4月10日、誘導ミサイル駆逐艦バリーが海峡を突進した。3月25日に、アメリカは類似のパトロールを実施したが、北京が非難てし「非常に危険だ」と呼んだ。

 2015年以来、アメリカは係争中の群島、パーセル諸島と南沙諸島の付近の南シナ海で、航行の自由作戦(FONOP)と呼ばれるもの実施した。最新のFONOPは3月10日で、その際は、アメリカ海軍駆逐艦が、パーセル諸島付近を航行した。北京はこの行動を、国際法に違反する、南シナ海の平和と安定を脅かす覇権的行為と呼んだ。」

 中国と、ベトナム、シンガポール、マレーシアやフィリピンのような南東の近隣諸国は、全てパラセルやスプラトリー島に対し、重複して権利を主張している。島々は主に小さな砂洲で、たいした広さではないが、論争の多くは、一体誰が海域で漁業をする権利を持っているかを巡るものだ。アメリカは、この論争で、どの国の側にもついていないが、その代わり、北京を挑発する以外、明確な狙いがない、海軍の現地投入を決めた。対中国タカ派が、中国の帝国主義的拡張の狙いの証明として、これら海域で、北京が構築し、武装化した人工島を指摘する。中国は、それなりの形で、確かに拡張主義だが、南シナ海のごく小さな砂洲の軍事化は、アメリカに対する脅威ではなく、おそらく彼らの沿岸でのアメリカ海軍プレゼンスに対する防衛的対応なのだ。

 2016年3月の昔、スティーブ・バノンは、南シナ海での中国との戦争を予想していた。「我々は、5から10年で、南シナ海で戦争することになる」とバノンがブライトバート・ラジオショーで言った。「それは疑いようがない。連中は、砂洲を利用して、固定航空母艦を作り、そこにミサイルを配備している。面子がどれほど重要かは、誰でも理解しているが、アメリカにやって来て、連中は我々の顔を前に、古代の領海だと言うのだ。喧嘩をふっかけているのではないだろうか?」

 先月、フォックス・ニュース司会者タッカー・カールソンは番組の一部で、流行後、「明らかに、そうなっている中国を、冷戦レベルの危険な敵国として扱い始める必要がある」と言った。CPDメンバー同様、カールソンは、アメリカ企業が中国での事業をやめて、製造業雇用をアメリカに戻すことを望んでいる。中国の製造にアメリカが依存していることについては、すべき対話はあるだろうが、両国経済が緊密につながっている中、彼らを「冷戦レベルの敵国」として扱うのは、無謀で、更に多くの敵意を招くだけだ。

 中国にも、答えるべきことは多少あるが、アメリカ人は深呼吸して、マスコミを通して広がる反中国ヒステリーに巻き込まれない用にする必要がある。PNACネオコンが、9/11事件を、連中の戦争を中東でするために利用したと同じ方法で、CPDタカ派は、コロナウイルス流行を、連中の中国との戦争をするために利用しようとしているのだ。この世界的流行後に、世界にとって一番不要なのは、二大核大国間の戦争だ。

 注: 本記事はMedia Roots Radio調査を利用しており、Covid-19勃発後の、CPDや、他の反中国プロパガンダに関する、彼らの二部シリーズをご覧願いたい。

 Dave DeCampはAntiwar.com編集補佐で、アメリカ外国政策と戦争に焦点を当てているNYブルックリンを本拠とするフリージャーナリスト。@decampdaveでツイッターしている。

記事原文のurl:https://original.antiwar.com/Dave_DeCamp/2020/04/13/china-hawks-exploiting-americas-fear-of-coronavirus/

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 孫崎享氏の今朝のメルマガは、韓国総選挙。予想を越える圧勝。どこかの神の国とは対照的な、見事な合理的コロナ対策が勝因だろう。

韓国総選挙、与党6割確保。安定した議会運営へ。朝鮮日報社説「コロナウイルス問題が助け。感染者急増の欧米諸国との対比効果」中央日報「すべての案件を単独処理できる180議席(獲得)。海外メディアがコロナ防疫を好評、この雰囲気で文大統領支持率右肩上がり」

 昨日の、岩上安身氏による、前新潟県知事・医学博士・弁護士の米山隆一氏、興味深い内容に納得。医学と行政経験、両方あればこその分析。政府のコロナ対策の迷走、わけのわからない「ゆきすがりのおじさん」学者による死者推計批判など、実に具体的。深夜におよぶ超マラソン・インタビュー。一回ではおわらず、今日も続編!

日刊IWJガイド・簡易版「本日午後6時半より『岩上安身による米山隆一氏インタビュー第2弾』を生配信!」2020.4.17日号 ~No.2773号

<昨日の岩上安身のインタビュー報告と本日のインタビュー>本日午後6時半より「『「緊急事態宣言」で感染者は減らない!自粛・補償・感染モニタリングが継続可能な医療・社会体制を構築・維持せよ!』医師・弁護士・元知事の視点から鋭い発言を続けている前新潟県知事・医学博士・弁護士の米山隆一氏に岩上安身がインタビュー! 第2弾」を生配信します!

 LITERA

大分旅行どころでない昭恵夫人と安倍首相の新疑惑! 「桜を見る会」参加の悪質マルチ商法経営者が“安倍後援会のバス”に乗っていた

 日刊ゲンダイDIGITAL

結託か?“日本人42万人死亡”推計に潜む安倍政権の黒い思惑

コロナ対策で人命軽視の安倍政権…拡散防止や治療費は僅少

2018年10月12日 (金)

重要なディベートでジョン・ミアシャイマーとスティーヴン・コーエンが妄想的ネオコン-ネオリベ体制派と対決

Federico PIERACCINI
2018年10月10日
Strategic Culture Foundation

 2018年9月20日、ニューヨークで、世界という舞台で今我々が目にしている物の多くを理解するのに役立つ極めて重要なことに関する討論をIntelligence Squaredが主催した。

 討論は主要な三つの問題について行われた。一つ目はNATOの役割(“NATOは、もはや目的にかなっていない”)、二つ目はロシアについて(“ロシアの脅威は大げさだ”)、そして、三つ目はイランについて(“イランに対して強硬路線を取るべき時だ”)。

 こうした重要な問題を議論するため、5人の極めて特別なゲストが招かれた。つまりドイツ・マーシャル基金副総裁で元国防次官補のデレック・チョレット、ロシア研究・ロシア歴史のスティーヴン・F・コーエンニューヨーク大学名誉教授、民主主義防衛財団上級研究員で元CIAアナリストのリュエル・マーク・ゲレクト、アメリカ政治学者のジョン・J・ミアシャイマー・シカゴ大学政治学部教授と国際戦略研究所のコリ・シェイク次長だ。

 パネル・メンバーを見れば、アメリカ外交政策の介入主義を支持し、アメリカ合州国を必要欠くべからざる国と見ている他の三人に対し、議論に現実主義的な視点をもたらすべくコーエンとミアシャイマーが招かれたことにすぐ気がつく。ワシントンの覇権政策が、いかにアメリカの一極支配の終焉を促進し、世界に混乱を引き起こしているかを、アメリカ人や世界の人々に説明する上で、コーエンとミアシャイマーは、何十年ではないにせよ、何年も一緒に活動している。

 コーエンと、特にミアシャイマーは、純粋な現実主義者だ。攻撃的現実主義や防御的現実主義やオフショア・バランシングの差異詳細に立ち入ることなしに、二人はいったいなぜ、アメリカの行動が、ベルリンの壁崩壊以来、世界中で我々が目にしている結果を引き起こしたに関して首尾一貫した見解を示している。

 コーエンとミアシャイマーの活動をずっと見てきて、国際関係の分析で二人が現実主義者だと知っている人々にとって、この討論は見るに耐えず、いらだたしいが、現在の分裂を理解するには大いに有用だ。実際、他の三人のパネリストは入念な分析が必要だ。デレック・チョレットはオバマ政権で働いており、新自由主義陣営の一員だ。チョレットは、2003年、イラクでの大失敗後、他の手段を用いて、つまり、いわゆるアラブの春やカラー革命でなどにより画策されるクーデターで、主権国家を転覆させることを選んで、帝国主義者陣営に入った。民主主義を広めるという名目で、アメリカや同盟諸国の手によって、リビアやウクライナやシリアなどの国々は言語に絶する荒廃を被っている。

 アメリカ外交政策全般を代表すべく、ブッシュ時代彷彿とさせるネオコンの主張を繰り返す強硬論者として、元CIA職員リュエル・マーク・ゲレクトが招かれた。元G.W.ブッシュ顧問のコリ・シェイクは、NATOと、ヨーロッパで最もロシア嫌いで、イラン嫌いの国々立場を代表するネオコン-新自由主義の破壊的ささげ物だ。

 こうしたゲストと出された質問を見れば、全く正反対の立場が見られるのは明らかだ。コーエンとミアシャイマーは、事実上、共生関係で、少しだけ異なる視点からながら、同じ結論だ。ソ連崩壊と冷戦終了後、アメリカ合州国は自分が直接敵対する国がない唯一の超大国であることに気づいた。それ以降のワシントンの任務は、世界を自分のイメージと似たものに作り替え、世界の隅々に民主主義を輸出し、地政学的敵国をソフト・パワーやハード・パワーで攻撃することだった。ところが、こうした一連の行動が、皮肉にも、この一極支配の終焉を促進するのに役立っているだけだ。

 アメリカは、自身の愚かな考えと行動で、自らを損なうのに成功しているにすぎないことを、ミアシャイマーとコーエンワシントンはあらゆる答えで、繰り返そうとした。一番目のNATOについての疑問に対しては、ミアシャイマーもコーエンも、冷戦後のNATOの東方拡張が、ヨーロッパにおける不安定の主要因であることを強調した。三人の新自由主義-ネオコン連中は、便宜上“帝国主義者”と呼ぶことにするが、ロシアから自らを守る狙いで、ヨーロッパ内でのアメリカ駐留を要求したのは、実際、ヨーロッパ諸国だと応酬した。三人の帝国主義者は、ヨーロッパの同盟諸国は、自分たちの軍事支出を増やすのを避けるため、ヨーロッパ内のアメリカ駐留を望んだだけだという、オバマとトランプの選挙運動から借用した、単純で単刀直入、当意即妙のミアシャイマーの答えをはねつけるか無視した。ミアシャイマーが言ったことを、どうも聞いていないようで、三人は、ポーランドとバルト諸国が、アメリカ駐留を要求する限り、ワシントンは、それに答えざるを得ないと主張した。ロシア国境に向かってのNATO前進が、多くの戦線で、グローバル同盟国になるべき二国だと彼が考えているロシアとアメリカとの関係をいかに損なったか、今までに何度もしてきた説明をするのは、コーエンにとっても、もどかしかったろう。ミアシャイマーは、三人の帝国主義者連中に、モンロー主義を想起するよう促し、外国勢力が西半球に軍事的に根を下ろすなど、アメリカにとってどれだけ不愉快だろうとまで言った。彼は、ソ連によって、アメリカのすく近くにもたらされたキューバ・ミサイル危機も想起させた。

 不幸にして、三人の帝国主義者はコーエンとミアシャイマーの主張で窮地に追い込まれても、ただ無視したり、うまく言い抜けたりした。三人の中で、最も攻撃的な帝国主義者だったのは、当然ながら、ヨーロッパ内のアメリカ駐留は、ロシアを寄せ付けないためだけでなく、二つの世界大戦で起きたような、お互いが破壊しあう闘争というホッブズ的自然状態にヨーロッパが陥るのを防ぐためにも必要なのだと傲慢な主張した元CIA職員だ。

 ヨーロッパにおけるNATOに関して、元CIA職員が言った主張に、コリ・シェイクとデレック・チョレットが全面的に賛成したのは驚くべきことではない。コーエンが、会場の人々に、ウクライナ・クーデターは、欧米が画策し資金提供したものだったことを想起させても、ウソで、ばかげていると切って捨てられた。デレック・チョレットはこう断言した。 "マイダン運動の出現は自然発生的なもので、モスクワの手中にある独裁者を前にして、ヨーロッパへの近しさを訴えたものだ"。二つ目の疑問は、一つ目と関係しているロシアと、世界におけるその役割についての議論だ。またしても、コーエンもミアシャイマーも忍耐力を奮い起こし、一般大衆に、欧米による挑発に対して、プーチンがいつもどう行動しているかを説明せざるを得なかった。(ゴルバチョフに対する、NATOをドイツより先に広げないというブッシュの口約束にもかかわらず)NATOの東方拡張が、2008年のジョージアと、2014年のウクライナでの戦争原因なのだ。もちろん、三人の帝国主義者は、この主張を否定し、いわれのない攻撃だと、プーチンを非難し、国際的な舞台での悪役、ロシアに対抗するため、ヨーロッパ内のアメリカ駐留が必要な理由を確認した。ロシアと中国を分裂させるキッシンジャー戦略を、ミアシャイマーがまねて言っても、モスクワと北京に対する攻撃的姿勢は、アメリカ合州国を傷つけるだけで、一極支配の終焉を促進し、ワシントンを他の諸大国から孤立させることになる多極的現実の誕生を醸成することを、出席していた人々を説得できなかった。

 独裁者は、常にお互いに同盟を結ぶものなので、ロシアと中国とイランの間の協力は驚くにはあたらないと、三人の帝国主義者は認めた。おまけに連中は、アメリカには、複数の戦線で同時に対応する能力があるので、アメリカ合州国はこの状況でおびえるにはあたらないと言った。幸い、そのような妄想的な希望的観測を駄目にしたアフガニスタンやイラクやシリアやリビアの大惨事を想起させるコーエンの言葉が聴衆の笑いを引き起こした。そうした瞬間は、帝国主義者連中の主張が、いかにばかばかしいかを浮き彫りにするのに役立った。帝国主義者連中による主張に反対することに慣れていない聴衆の目を開けるのには、二、三のそうした議論で十分だ。

 二つのそうした教訓的な瞬間が傑出している。一つは、アメリカ合州国は、いかにしてそうしたことを成功させるか知っていると言って、イラン国内でのクーデターを主張した元CIA職員への反論だった。ところが、イラクやリビアやシリアやアフガニスタンでの失敗を想起させるミアシャイマーの反論が聴衆の大喝采を引き起こした。こうした主張が、オバマやトランプの選挙運動中、当選するために、どのように使われたかを、ミアシャイマーは思い出させた。もう一つ、一層効果的だったのは、イランについてのものだった。多くの近隣諸国(シリア、イラク、レバノン、イエメン)に対する影響力を高める狙いの、地域に対するイランの影響力とされるものゆえ、イランに対する更なる圧力を主張したコリ・シェイクに答えて、ミアシャイマーは、政権転覆と多国内政への介入という点では、アメリカ合州国が世界チャンピォンだという途方もない偽善を指摘した。その直後の大喝采が、この見解の議論の余地ない真実さを証明している。

 不幸なことに、討論は、聴衆の大半が、NATOは根本的に重要で、ロシアは悪役で、アメリカはイランに更に圧力をかける必要があると考え続けるだけに終わった。討論前と後で考え方を変えた人々の人数は重要だが(ミアシャイマーとコーエンは、最初の二つの疑問に関して、約10%の聴衆の考え方を変えた)、全体に比べれば、依然ごくわずかだ。

 オンライン観客として、私は違う感覚を味わった。私が一番いらだったのは、出席している三人の帝国主義者によって増幅され、繰り返される主流マスコミのありとあらゆるウソの山と、コーエンとミアシャイマーの主張が闘うという討論のダビデとゴリアテ的な性格にある。一般の人々は、帝国主義者の主張を聞くことにずっと慣れているのは確実だ。条件付けられた聴衆を説得するのに、コーエンとミアシャイマーに十分な時間があったとは言い難い。それでも、参加していた人々の一部は討論後、考え方を完全に変えた。NATOは必要不可欠で、ロシアは侵略的だという信念で会場に来た一部の人々は、NATOは今や陳腐化しており、ロシアは侵略者ではないという考えになって帰宅することとなった。

 この討論全体から、導きだせるのは、ミアシャイマーとコーエンの二人は、一般通念に対決し、分解し、破壊するのを恐れない素晴らしい人物だということだ。現在、我々の暮らしの上で、情報に通じていることはかかせない。適切に情報を得ていなければ、投票して、議員を選出する準備がで出来ているとは言えない。その場合、民主主義と思い込まされている中で、物事の成り行きを適切に方向づけたり、決定したりすることができなくなる。

 この討論は、アメリカ帝国主義者の世界が、現実世界から、どれほど遊離しているか、そして、特にこのネオコン-新自由主義の物の考え方が、どれほどの損害を実際にもたらしたかを示し、皮肉なことに、狙ったものと逆の、アメリカによる世界支配の終焉を促進させるのにしか役立たない結果を生み出すのに成功している。こうした情報が広がり、益々多くの人々に伝われば、ヨーロッパ-アメリカ支配体制の破滅的な行動についての理解が増すだろう。アメリカ合州国が向かっている方向は、世界におけるアメリカの役割にとって有害な結果しかもたらさないと警告して、コーエンとミアシャイマーは、国のために活動しているのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/10/10/john-mearsheimer-stephen-cohen-take-delusional-neocon-neoliberal-establishment-vital-debate.html

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 戦争への道をまっしぐらに進んでいると、常々感じている。違いは一つ。昔は、大本営によってだったが、今は、宗主国の戦争屋によって。宗主国の戦争屋が指揮した戦争が、この二人の碩学が指摘しているとおりの悲惨結果になっていることからして、次の戦争も、今の宗主国の侵略戦争と似たような結果になるだけだろう。

加藤周一はいかにして「加藤周一」となったか 『羊の歌』を読み直す』 を読んでいる。目からうろこ。

「まえがき」の8ページ

つまり、『羊の歌』に描かれる「戦前」に、今日の状況がきわめて似てきたということである。その意味では『羊の歌』を「いま」読みとくことは、「いま」を歴史の中で考えることにほかならない。

195ページ

「事件や出来事」と「馴化」の繰りかえしによって「既成事実の積み重ね」が進む。誰もが気づいたときには、はるかに遠くに来てしまっていて、取り返しがつかない。21世紀初めに日本社会で起きている趨勢もこういうことではなかろうか。

2018年1月22日 (月)

政権転覆を呼びかける帝国“左翼知識人”“進歩派”と反戦運動の役割

Prof Michel Chossudovsky
Global Research
2018年1月9日

今北米と西欧で展開されているのは、既成大企業支配体制に管理され、資金提供されている似非社会運動だ。この操作された動きが、本物の反戦、反人種差別、社会的不公正反対の大衆運動形成を妨げている。

反戦運動は死んでいる。対シリア戦争は“内戦”というレッテルを貼られている。

対イエメン戦争も内戦として描かれている。爆撃はサウジアラビアによるものなのに、アメリカの陰湿な役割は、軽視されるか、平然と無視されている。“アメリカは直接関与していないのだから、反戦運動をする必要はない”のだ。(言い換えて表現すれば)

戦争と新自由主義は、もはや社会運動の最重要事項ではない。非政府組織ネットワーク経由で、大企業から慈善寄付を受ける社会運動は断片的になりがちだ。統一された反グローバル化・反戦運動は存在していない。経済危機はアメリカが率いる戦争と関係があるとは見なされていない。

逆に、反体制派は細かく分裂させられている。個々の“主題別”抗議運動(例えば、環境保護、反グローバル化、平和、女性の権利、LGBT)が奨励され、グローバル資本主義に反対する凝集力のある大衆運動とは対照的に、たっぷり資金提供を受けている。

既に1990年代の反G7サミットや、People’s Summitや、意味ある反戦姿勢をとることが稀な世界社会フォーラムが2000年に創設されて以来、この寄せ集め状況は優勢だった。

大企業財団からたっぷり資金提供を得ているNGOによる支援を受けて仕組まれた抗議行動を通して、既存社会秩序や軍事計画を支持するのに役立つ深い分裂を欧米社会内部に生み出すのが暗黙の狙いだ。

シリア

アメリカ-NATOの軍事的狙いに口先で賛同する上での、いわゆる“進歩派”知識人の役割は強調する価値がある。これは決して目新しいものではない。

2003年のイラク侵略に反対した反戦運動の一部の人々は、周到に準備した化学兵器攻撃、毒ガス攻撃で死亡させる“自国民殺害”に関与したとされるシリア“アサド政権”に対するトランプの懲罰的空爆を暗黙のうちに支持した。トランプによれば “アサドは、無力な男女や子供たちの息を止めて殺したのだ”。

(トランプによる2017年4月の対シリア懲罰的空爆二日前に放送された)2017年4月5日の“デモクラシー・ナウ”インタビューで、アメリカ人ノーム・チョムスキーは、交渉によるバッシャール・アル・アサド“排除”は平和的解決に至る可能性があることをほのめかして、“政権転覆”を支持した。

チョムスキーによれば“アサド政権は道徳的なつらよごしです。彼らはロシアとともに恐るべきことを行っています。” (強調は筆者)裏付ける証拠や文書皆無の強い主張だ。トランプによる戦争犯罪の言い訳だろうか? 帝国主義の犠牲者たちに、平然と、帝国主義犯罪をなすりつけているのだ。

こう言うことはできません。“我々はあなたを殺害するつもりだ。交渉しよう。”これではうまくゆきません。しかし何らかの形で、[ロシアとの]交渉の過程で、… 彼[バッシャール・アル・アサド]は排除され、何らかの解決ができたでしょう。欧米は、それを受け入れようとしませんでした…  当時、彼らはアサドを打倒できると思っていました、それで彼らはそうしたがらなかったので、戦争は続いています。これは機能し得たでしょうか? はっきりしたことはわかりません。しかし、それは追求できたはずです。一方、カタールと サウジアラビアはISISとまったく変わらない聖戦集団を支援しています。あらゆる当事者が酷いことをしているのです。シリア国民は殺されつつあります。

(2017年4月5日、デモクラシー・ナウでのノーム・チョムスキー、デモクラシー・ナウによるチョムスキー・インタビュー・ビデオをここで見る

ノーム・チョムスキー: "髪の毛の縮れた"連中です。ほとんど同じです。しかし我々にはっきりわかっている事があります。深刻な化学兵器攻撃があったのです。 これを疑う人は誰もいません。シリア政府だった可能性があり得ますが、それでいくつか疑問がわきます。アサド政権は、戦争で、かなり優勢で、彼らが直面している最悪の危機は、対抗勢力が入ってきて、彼らの進捗をむしばむことだという時期に、一体なぜアサド政権が化学兵器攻撃を行ったのかは、それほど明らかではありません。そこで、いくつか疑問がわきます。一体なぜ、極めて残忍で容赦ない政権、アサド政権がそんなことをしたのかについて、いくつか理由を思いつけるかも知れませんが、一体なぜロシアが、それを許したのかという別の疑問もあります。いいですか、これは、空軍基地は、ロシア-シリア共用基地です。ロシアは、シリアで、かなり影響力を持っています。だから彼らにとって、これは大惨事です。ロシアには、シリア国内のみの関心事だけではなく、世界的な関心事があります。いくつも関心事があるのです。

更新、2017年4月26日 チョムスキーのデモクラシー・ナウ・インタビューの一部

同様にイギリスでは、ベトナム戦争までさかのぼるイギリス反戦運動の左翼主要指導者とイギリス・マスコミによって、されているタリク・アリも、バッシャール・アル・アサド大統領排除を主張している。彼の主張はワシントン・タカ派のそれと少しも違わない。

“彼[アサド]は排除されるべきです… [そのために]シリア国民は最善を尽くしています… 圧倒的大多数のシリア国民はアサド家の退陣を望んでいるのが事実で - それが我々が理解すべきで、彼[アサド]も理解すべき重要な点です。

シリアには新憲法を準備する非宗派的国家政権が必要です… もしアサド家が、彼らの牙城を放棄することを拒否すれば、遅かれ早かれ、何か大惨事が起きるでしょう…それが彼らに迫っている未来です、他の未来はありません” ”RT 2012年インタビュー

イギリスStop the War Coalitionの広報担当タリク・アリは、アメリカ-NATOと、その同盟諸国が、(大半が外国の)テロリスト傭兵軍兵士の徴募、訓練と武装に積極的に関与していることに触れ損ねていてる。

イギリス反戦運動という“進歩派”的隠れ蓑で、“対テロ戦争”やら、いわゆる“保護する責任”(R2P)という旗印のもと、人道的理由での欧米軍事介入に、アリは、暗黙の正統性を与えている。アルカイダもISIS-ダーイシュも、(秘かに)アメリカ-NATOによって支援されている事実には触れない。

イギリス人著者ウィリアム・ボウルズによれば、タリク・アリは、北アメリカと西欧で反戦活動を歪める役割を果たしている多くの帝国左翼知識人の一員だ。

国内で社会主義者を演じながら、帝国知識人エリートの特権を享受し、シリアに、何をすべきで、何をしてはならないと命じ、たっぷり報酬をもらう矛盾の典型例だ。アサドは退任すべきだと、全く同じことを要求するアリの傲慢さと、欧米の傲慢さの違いが私にはわからない。

既存の反戦運動

反資本主義運動に資金提供するグローバル資本主義: 不条理で矛盾した関係。

抗議運動の標的とまさに同じ大企業権益組織から寛大な資金供与を得ていては、意味ある反戦運動でありえない。フォード財団理事長のマクジョージ・バンディ(1966年-1979年)はこう述べていた。“[フォード]財団が行うあらゆることは‘世界を資本主義にとって安全にする’ものと見なすことができる”。一部“左翼知識人”は戦争屋のために“世界を安全にする”役割を演じているのだ。

現在の反戦抗議行動は、抗議をしている連中の正統性を問わない。現段階では、主要財団に資金供与され、主流マスコミに支持されている“進歩派”は、国内と国際で活動する意味ある明快な草の根反戦運動形成にとって障害だ。

首尾一貫した反戦運動は、メンバーが様々な形で取り込まれてしまうこと、つまり、いわゆる“進歩派”世論のかなりの部分が、国連/NATO後援のもとでの“人道的介入”を含むアメリカ外交政策を暗黙のうちに支持している事実にも立ち向かわなければならない。

主要大企業財団から資金を得ている反戦運動は、問題の解決策というより原因だ。戦争屋から資金を提供されては、首尾一貫した反戦運動にはなり得ない。

今後

必要なのは、戦争に関する権限と意思決定のパターンを無力化することを狙った広範な草の根ネットワークの発展だ。

このネットワークは、社会、町や村、職場、教区のあらゆるレベルに作られるべきだ。労働組合、農民団体、職能団体、経済団体、学生団体、在郷軍人会、教会団体に、反戦組織構造と一体化するよう呼びかけるべきだ。この運動を、軍人の間で戦争の正当性を打ち砕く手法として、国軍の中にも拡張すすることは極めて重要だ。

マスコミの虚報に対する効果的キャンペーンによって、戦争プロパガンダを無力化することが最初の課題だ

虚報をニュース連鎖へと流し込む責任を負っている主要報道機関をボイコットして、商業マスコミに直接異議申し立てをすることになるはずだ。この取り組みには、草の根レベルで、国民を、戦争や世界的危機の本性に、敏感にし、教育する並行する過程と、同時に、先進的なネットワークで、インターネット上の代替メディアなどを通じて、効果的に“話を広める”ことが必要だろう。最近の展開では、まさにインターネット上の反戦活動を損なう狙いで、独立オンライン・メディアが操作と検閲の標的になっている。

政治権力構造の正当性に対し異議を強力に申し立てる、そうした運動を作り出すのは容易なことではない。世界史上比類無いレベルの連帯と結束と献身が必要なはずだ。社会の中の政治的、イデオロギー的障壁を打ち壊し、統一した主張で活動することが必要なはずだ。最終的に、戦犯を公職から追放し、戦争犯罪のかどで起訴することも必要なはずだ。

Global Researchs出版社に直接注文する。
The Globalization of War: America’s “Long War” against Humanity

Michel Chossudovsky

original

9/11後時代におけるアメリカの覇権プロジェクト、秘かな諜報作戦や経済制裁や“政権転覆”猛攻と一体になった、アメリカ-NATO軍事機構による“戦争のグローバル化”が、世界中のあらゆる重要な地域で展開されている。諸国に屈伏を強要するのに先制核攻撃戦争の威嚇も利用されている。

この“人類に対する長い戦争”は現代史上最も深刻な経済危機の真っただ中で行われている。

これは国家経済の崩壊と世界中で多くの人々の窮乏化をもたらした世界的金融再編過程と密接に関連している。

究極的な目的は“人権”と“欧米民主主義”を隠れ蓑にした世界制覇だ。

本記事の初出はGlobal Research
Copyright  Prof Michel Chossudovsky, Global Research、2018年

記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/the-empires-lefty-intellectuals-call-for-regime-change-the-role-of-progressives-and-the-antiwar-movement/5625333
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ファシスタたらんとした者』が手元にある。読了後、知人にさしあげるつもりで郵送しそこねていた。購入したのは、表紙が中学生時代から気になっているヒエロニムス・ボッシュの「快楽の園」で、非常に目についたのが一つの理由。色々感じる表記がある。

帯に、

長き人生と
思想が紡ぎ出した
最後のメッセージ

とある。

また、例えば、結語に代えて 386ページの後ろの方には、こうある。

 生をじきに終えるものとして、次のように断じるのに躊躇を筆者は感じることがない。

以下略。

そして、あとがき389ページには、こうある。

 利き腕である右手が動かせなくなり、これが私の書記としては最後のものになると思われるので、この際、私のあれこれの著作に目を通して下さってこられた読者諸賢に「有り難いことでした」と挨拶させて頂く。

ケインズとヴェブレンについての興味深い著作『経済倫理学序説』が、初めて拝読した著書だろう。文庫になる前、1983年刊行の本。何度か読み直した。

今日の日刊IWJガイドにも触れられている。

日刊IWJガイド「橋下徹氏からの不当な捏造に応訴する決意をした岩上さんが、本日13時から司法記者クラブで、16時から自由報道協会で記者会見をします/大阪府の松井一郎知事が新潟県の米山隆一知事を『提訴』! 米山知事は『スラップ訴訟』だとして断固反論!/いよいよ今日から国会開幕!『働き方改革』は!? モリカケは!? そして憲法改正の発議はどうなる!? 今国会の焦点をあぶり出す!/西部邁氏死去、多摩川で自殺か? 政権批判も辞さない保守論客の突然の訃報/現在、IWJはスタッフを緊急募集中!」2018.1.22日号~No.1956号~

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2017年7月10日 (月)

閣僚とマスコミが関係改善に反対する中、トランプはロシアとの関係を改善できない

2017年7月9日
Paul Craig Roberts

トランプ大統領は、彼には反対で、ヒラリー・クリントンへの支持で、民主党全国委員会、軍安保複合体とネオコンのために働くロシア嫌いの売女マスコミと連携した彼自身の閣僚に反論されている。

The Sakerとフィニアン・カニンガムが正しいのではあるまいかと私は恐れている。カニンガムが言う通り“トランプには、自由も本当の権限も無いのだから、トランプとプーチンとの会談からは何も生まれようがない。アメリカの陰の実力者連中は、欧米民主主義を破壊すためのモスクワによる干渉という更なるでっち上げで、ロシア嫌いキャンペーンを必ず継続させるだろう。トランプはマスコミが推進する疑惑の雲の下で生き続けるだろう。だから、シリア政権転覆と、ロシアとの対決という政策は継続するだろう。こうした問題やウラジーミル・プーチンに関するトランプの個人的意見は、陰の権力者連中にとって取るに足らず、実際、拘束力が無い”

https://www.rt.com/op-edge/395782-trump-putin-meeting-media-syria/

http://www.informationclearinghouse.info/47392.htm

アメリカ・マスコミは、会談を二核大国間で高まった緊張緩和プロセスの始まりと称賛するのではなく、トランプが会談で、プーチンに丁寧すぎると非難していると、カニンガムは指摘している。

欧米世界全てのマスコミと、おそらくロシアのマスコミでも欠けているのは、危険な緊張は、ヒラリーや民主党全国委員会やネオコンやアメリカ軍安保複合体や売女マスコミのみならず、トランプ大統領自身が任命した連中によっても画策されているという認識だ。

トランプ自身の国連大使ニッキー・ヘイリーも、トランプ自身の国務長官レックス・ティラーソンも、ヒラリー・クリントンや、民主党全国委員会やネオコンや、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、CNNやその他の信用を完全に失い、核戦争になる程までアメリカとロシア間の緊張を高めると断固決めている売女マスコミと全くそっくりだ。

ドナルド・トランプ大統領が“ロシアと建設的な形で前進するべき時期だ”と述べたその日、そして“昨日、プーチン大統領と素晴らしい会談をした”翌日、トランプがアメリカ国連大使に任命した無知で愚かなニッキー・ヘイリーは“我々はロシアを信じることはできないし、ロシアを信じることもない”と力強く述べ、大統領に公式に反論した。 https://www.rt.com/usa/395814-us-trust-russia-haley/?utm_source=spotim&utm_medium=spotim_recirculation&spotim_referrer=recirculation&spot_im_comment_id=sp_6phY2k0C_395814_c_rDCXsj

無知で愚かなヘイリーが依然その職にあるのがトランプの無力さの完全な証明だ。

無知で愚かなヘイリーは、二つの核大国間の正常な関係の可能性を破壊するため、出来る限りのあらゆることをしたオバマの狂った国連大使のネオコン、サマンサ・パワーを遥かに超えている。ニッキー・ヘイリーは、一体なぜ、地球上のあらゆる生命を破壊する核大国間の対立を支持して動いているのだろう? ニッキー・ヘイリーはどこがおかしくなっているのだろう? 彼女は認知症なのだろうか?彼女にはもともと正気があったと仮定して、正気を失ったのだろうか?

彼が指名した閣僚全員が核戦争に至るほどにまで、関係を悪化させたがっているのに、トランプ大統領は、一体どうやってロシアとの関係を正常化するのだろう?

国連大使に叱りつけられてもトランプ大統領が無力なままなのに、トランプ大統領は、一体どうやってロシアとの関係を改善するつもりだろう? 明らかに、トランプは無力で、ただの取るに足りない人物なのだ。

ニッキー・ヘイリーに加わったのが、トランプの国務長官レックス・ティラーソンだ。ロシアの友人とされるティラーソンは、トランプは取るに足りない人物ですらないことを明らかにして、あからさまにアメリカ大統領に反論して、二つの核大国の関係を悪化するのに懸命だ。人の顔に泥を塗るティラーソンは、アメリカ選挙に介入して、トランプが当選するようにしたのを認めるのをプーチンが拒否したのは“アメリカとロシアとの関係を改善する我々の能力に対する障害になっており、アメリカで、ロシア、あるいは他のどこかによるアメリカ選挙への干渉が決して起きないことをどのように担保かという点で、対処が必要だ”と述べた。https://www.rt.com/usa/395814-us-trust-russia-haley/?utm_source=spotim&utm_medium=spotim_recirculation&spotim_referrer=recirculation&spot_im_comment_id=sp_6phY2k0C_395814_c_rDCXsj

彼の指名でトランプの無能さは明らかだ。“彼の”閣僚の中に彼を支持する者は皆無だ。連中全員が彼を攻撃しているのだ。そして、彼はそこにいて、ツイッターしている。

だから、プーチン大統領は、一体なぜ、これからワシントンとの間でまとめられる合意に価値があると思っているのだろう? 何の価値もありはしない。トランプは“彼の”閣僚に対して何の権限もないのだ。彼自身が任命した連中が好きなように反論されている。アメリカ大統領はお笑い種だ。我々は彼をツイッターで見ることができるが、他のどこにもおらず、大統領執務室で外交政策や軍事政策を立ててはいない。大統領はツイッターをして、それが政策だと思っているのだ。

トランプ政権は、軟弱なドナルド・トランプが、国家安全保障顧問のフリン元中将をネオコンが排除するのを許した時点で破壊された。トランプは決して回復していない。“彼の” 閣僚は猛烈なロシア嫌い連中に満ちている。戦争だけが、あり得る結果だ。

トランプ/ヒラリー大統領選挙におけるロシアの干渉とされるものについて我々は二つ知っている。一つはオバマのCIA長官ジョン・ブレナンと、オバマのFBI長官コミーが、トランプはロシア選挙干渉のおかげで選ばれたと、繰り返して、それとはなしに言っているのに、CIAもFBIも、何であれ、そのような干渉が行われたいかなる証拠も提示していない。実際この件を何カ月も調査している特別検察官の元FBI長官は何の証拠も見つけられていない。すべてがごまかしなのに、続いているのだ。これは、彼を選んだ人々から、トランプ大統領が信頼を失うよう仕組まれているので、決して終わらない。連中が言いたいのはこうだ。“トランプはアメリカのために働いていない。トランプはロシアのために働いている。”

これはびっくり仰天だ! 国家安全保障局NSAはあらゆる通信データを盗聴している。もしロシアがアメリカ大統領選挙に干渉していれば、証拠は明らかで、即座に入手可能だ。

ブレナンやコミーがついた明白なウソにもかかわらず、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストやCNN、MSNBCやその他のクズ連中は、選挙で選ばれたアメリカ大統領を打倒しようという取り組みのかどで、誰も逮捕され裁判にかけられていない。これがアメリカ大統領が取るに足らない人物であることを疑いの余地もなく証明している。彼を支配している陰の政府から自立して行動することができない名前だけのトップなのだ。

もし、ウラジーミル・プーチンが、トランプとの会談で、ロシアに対する画策されたあらゆるエセの非難が取り除かれて、正常な関係が回復すると本気で信じているのであれば、プーチンは陶酔郷にいるのだ。ニッキー・ヘイリー国連大使は、アメリカは決してロシアを信じないと言った。もし、プーチンがワシントンを信用すれば、ロシアは破壊されよう。世界もロシアもろともだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/09/trump-cannot-improve-relations-russia-trumps-government-us-media-oppose-improved-relations/
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子供時代、切手収集のまねごとをしていて、耶馬日田英彦山という切手があったのを覚えている。入手しそこなったままだ。そこが今回の集中豪雨被害の現場のようだ。

高嶋哲夫著『富士山噴火』読み始めたら止まらなかった。
富士の大噴火の際、御殿場の女性市長や、女性火山学者や元自衛隊員、自衛隊が活躍する。一方、本の中の官房長官や総理発言、今の九州の被害対応や、加計問題答弁を痛烈に皮肉っているのではないかと思えて、その部分だけはわらってしまう。

今放送されている官房長官発言と小説は対照的。

全市民の避難完了まで撤退しない御殿場の女性市長が小説の中で描かれている。
被害の最中、のうのうと外遊を続け加計問題閉会中審査を逃げるトップ。
事実は小説より奇なり。

大本営広報部バラエティー番組、寿司友氏だけでは、エセ反論に弱いので、共謀法賛成の弁護士も政府支持に回っている。

国営放送は、そもそもそういう話題を扱わない「くさいものに蓋」。時事問題を扱わないバラエティーや夜の呆導。民放大本営広報部バラエティー番組と、どっこいか。

2017年6月18日 (日)

例外主義に酔いしれるアメリカ支配層を怒らせたストーンのプーチン・インタビュー

John Wight

公開日時: 6月16日 2017年 13:59
編集日時: 6月16日 2017年 16:38
RT


©SHOWTIME / YouTube

オリバー・ストーンのウラジーミル・プーチンについてのドキュメンタリー・シリーズは、ロシア大統領に関するがさつな風刺を超えて、彼の世界観に対する洞察を得ようとする欧米の人々にとって必見だろう。

ヨーロッパ最大の国、主要核大国、地政学的な違いから生じる緊張が激化しており、近年、ワシントンとのライバル関係にあるロシアについて、そうした洞察は、確かになくてはならない。

ところが、欧米のリベラル評論家にとっては、理解ではなく、糾弾こそが当たり前で、ストーンのロシア大統領についてのドキュメンタリー・シリーズが、欧米の主流メディアから受けている雨あられの批判がその証拠だ。

ストーンが彼のインタビュー・プロジェクトについて、リベラルなアメリカのトークショー司会者スティーヴン・コルベアとしたインタビューが典型例だ。

コルベアの一連の質問は、彼の育ち、家族歴、経歴、指導者という地位についての考え、1990年代の暗い日々にロシアが直面した難題の山、様々なアメリカ大統領との関係、NATO、その他諸々実に様々な話題での、プーチンとの20時間を越えるインタビューで、ストーンが超えて先に進もうと試みたことを反すうする戯画にも等しいものだ。

ところが、コルベアのような連中にとって、インタビュー最初の質問にあるような公式言説に沿うのがずっと気楽なのだ。“あなたの[オリバー・ストーンの]は残虐な独裁者にへつらうインタビューだという人々に対して、どうお考えでしょう?”質問自体のみならず、のんきで無頓着な質問のし方が、アメリカ合州国で、何十年にもわたって進行中のニュース報道、分析や論評の知的レベルの低下を裏付けている。

その結果が、知的に余りに浅薄で、無知が軽蔑されるのではなく称賛され、わが国は例外だ論やら傲慢さが、否定されるのではなくあがめられる、見るのも恐ろしい文化だ。一方、アメリカの文化的価値観をひどく腐食した、この無知の霧や、アメリカ例外論にあえて切り込もうとするオリバー・ストーンのようなあらゆる人々には災難が降り懸かる。

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‘ロシアは、決してカリフ国にさせない’ - シリアでのISISに対する戦いについて、プーチン

プーチンは、アメリカ・マスコミによって、不当に扱われ、酷評されているというストーンの発言に対し、コルベアのスタジオにいる観客たちが笑うのを聞いて、私は古代ギリシャの哲学者ソクラテスに対する扱いを思い浮かべた。このような比較は、一見して、人が思うほど突飛なものではない。

お考え願いたい。通説、一般に真実と認められたもの、支配的なものの考え方に、あえて疑問を投じたことで、哲学者は当てこすられ、あざ笑われ、最終的には、現在ワシントンがそうである - あるいはより正確には、そうだと主張しているのと同様、当時、民主主義と自由の故郷と見なされていたアテネの権力者連中によって死刑宣告された。

興味深いのは、ソクラテスを有罪にしろという叫びが、ペロポネソス戦争(BC431-404)終結からわずか数年後、アテネと、そのライバルで敵のギリシャ都市国家スパルタとの間の緊張がまだ高かった時期に起きたことだ。

誰でも知っていることだが、まさにそういう時にこそ、反対意見が必要であるにもかかわらず、冷戦であれ熱戦であれ、戦時には、あえて文化的風潮に逆らう反対意見に対する国民の寛容は消えてなくなる。結局、最近ロシアとアメリカ間で目にしているような緊張が高まる中、万一そうした緊張が燃え上がり、直接の軍事紛争になった場合、戦闘に送られるのは、スティーヴン・コルベアのような連中ではないのだ。

これを念頭におけば、戦闘を経験し、まさに上述の例外的な国の大義で解き放たれた壊滅的な戦争を自身で直接体験している人物、オリバー・ストーンの話をじっくり聞いたほうが、おそらく、ずっと、トークショー司会者のためになっていたはずだ。

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戦略的均衡を維持すべく、NATO拡大にロシアは対応する - プーチン

1980年代にまでもさかのぼる映画監督オリバー・ストーンの一連の作品は、芸術家として、そして人間としての彼の品格の証しだ。エルサルバドルの右翼暗殺部隊に対する、アメリカによる秘密支援のひるむことのない暴露である1986年の『サルバドル』から、アメリカ諜報機関の内部告発者エドワード・スノーデンについて語る2016年の最新映画『スノーデン』に至るまで、この映画監督は真実の追求に強い情熱をもっている。だから、今後長い間にわたり、彼の作品が尊敬を集め、真面目に分析されるだろうことは、まず確実だろう。スティーヴン・コルベアの一連の作品にも、同じことが言えるだろうか?

質問をすることは、それに答えることだ。

‘Carthago delenda est’ - ともあれ、カルタゴ滅ぶべし。ローマ政治家で雄弁家の大カトが彼のあらゆる演説の最後に必ず繰り返して言っていたとされるこの言葉は、欧米文化生活の特徴たるウラジーミル・プーチンを悪者として描くキャンペーンの背後にある心情だ。

そうしたキャンペーンが大いにまん延し、強迫的なので、様々な国々、つまりアフガニスタン、ユーゴスラビア、イラクやリビアを丸ごと破壊したのはロシア大統領で、第二次世界大戦以来、どの時期よりも、より多くの人々を殺害し、より多くの混乱を招いたのは彼の外交政策だったと考えかねない。

何十年にもわたり、世界中で、アメリカがこれまでにもたらし、今ももたらしている損害に、アメリカ人を目覚めさせようとしたオリバー・ストーンは称賛に値する。彼がそうしているのを攻撃し、あざ笑う連中は、智恵ではなく、全くの無知を基盤に構築された文化の退廃を裏付けるに過ぎない。

John Wightは、Independent、Morning Star、Huffington Post、Counterpunch、London Progressive JournalやForeign Policy Journalなどの世界中の新聞やウェブに寄稿している。RTやBBCラジオの常連解説者でもある。彼は現在、アラブの春における欧米の役割を探る本を書いている。@JohnWight1で、彼のツイッターをフォローできる

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/392566-oliver-stone-putin-colbert-us/
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IWJの築地問題インタビューに驚いて、インタビューに出演しておられる方々の著書『築地移転の闇をひらく』を早速拝読した。
まるで東京都版モリ・カケ共謀。国も都も劣化の極み。
大企業ファースト、間もなく、移転を発表するだろう。

築地移転の闇をひらく』99ページの二行が目をひいた。

水谷:しかし、仮にですが、小池都知事が新しい「村」をつくったとしたら恐いことになりそうですね。
中澤:それは恐い村になりそうだ。都民の信任を得ているからよけい恐いことになりそうです。

100%そうなる。国からも都からも逃げられない奴隷。共謀罪強行で、不評になった自民党、公明党に対する、真正の新自由主義ネオコン、第二自民党の受け皿を用意しておいて、東京を第二の大阪にするという長年仕組んだ壮大な計画だろう。

今日の孫崎享氏メルマガ、お説の通りと思うが余りに悲しい現実。題名が全てを物語っている。

戦後トルーマン米国大統領「日本人は軍人をボスとする封建組織の中の奴隷国。一方のボスのもとから他方のボス(占領軍)の切り替えに平気」・タゴール「明治政府下の日本国民は精神的奴隷制度を快活と誇りをもってうけいれ」。今も続く精神的奴隷

2017年6月 3日 (土)

ヴァン・クライバーン:アメリカで最も偉大な外交官

2017年5月30日
Paul Craig Roberts

1958年、ヴァン・クライバーンがモスクワのピアノ・コンクールで優勝した際に、冷戦は終わらせることができていたかも知れない。ヴァン・クライバーンは、ロシア人の圧倒的な拍手を受け、ステージは花束であふれた。

審査員たちは、フルシチョフに、アメリカ人に授賞しても良いかと尋ねた。フルシチョフは尋ねた。“彼が最高だったのか?”“はい”と審査員は答えた。“それなら、彼に授賞しろ”と、ソ連指導者は言った。

フルシチョフは、ロシアの非スターリン化を実現し、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディと協力して、キューバ・ミサイル危機を和らげた。二人の協力が冷戦終焉への道を開いた。ところが、両国の強硬派が、この二人の指導者を権力の座から排除し、核のハルマゲドンの絶えざる危機を世界に押しつけた。レーガン以降時代の狂ったアメリカ政府のおかげで、この危機は今までになく高い。

モスクワでのヴァン・クライバーンによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の演奏をお楽しみ頂きたい。ヴァン・クライバーンの1958年演奏はここで見られる。https://www.youtube.com/watch?v=yV4wyxHMY9I

後のモスクワでの演奏はここで見られる。https://www.youtube.com/watch?v=6qROema2MD 私は彼の手の動きに注目した。これほど難しい楽曲が、いずれの場合も、一度の打鍵ミスもなしに演奏されたのは驚くべきことだ。

ダン・ラザーが、1958年の演奏の重要性を語ったものがここにある: https://www.youtube.com/watch?v=zPRNx9GaplY

レーガン大統領が冷戦を終わらせようとしていた際、ソ連指導者ゴルバチョフをホワイト・ハウスに招き、引退していたヴァン・クライバーンに、1958年緊張緩和演奏の精神で、演奏するよう説得した。ゴルバチョフは魅了された。

レーガンは最後のアメリカ大統領だった。彼の後継者たちは、例外の可能性があるジョージ・H. W. ブッシュを除き、軍治安複合体のただの傀儡だ。ところが、左翼はレーガンを憎悪している。アメリカ左翼は、アイデンティティー政治という愚劣なものに一体化し、ネオコン戦争/警察国家の共犯にまで成り下がった。

シオニスト・ネオコンと軍治安複合体は、レーガンとゴルバチョフの業績を破壊するのに成功し、核ハルマゲドンの可能性をよみがえらせた。

P

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/05/30/van-cliburn-americas-greatest-diplomat/
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このピアニスト、知っているのは名前だけ。

全国刑務所作業製品展示即売会御訪問の様子を、洗脳広報で拝見した。
前大統領が刑務所に入っている韓国がうらやましい。

我々自身が、刑務所投獄状態にあるのかも知れないと、ふと思いついた。
共謀罪で、徹底監視され、自由を拘束される。
刑務所に差し入れられる新聞、関連する部分は黒塗りされるという話をどこかで読んだ記憶がある。洗脳番組、肝心な部分に触れないのは、被拘留者向けとして、看守の方々に「忖度」しているためと思えば納得。

大本営広報部でないIWJが昨日アップした記事は下記。

「報道機関は政府の影響下ではなく、独立した無党派でなければならない」~国連特別報告者デイビッド・ケイ氏が来日!「会社に忠誠を誓い、ジャーナリスト同士の連帯はない」と懸念!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/381568

「政府は説明しないと言っているのに等しい!」財務省が隠す森友学園交渉記録の証拠保全を却下されたNPO法人「情報公開クリアリングハウス」理事長・三木由希子氏に緊急インタビュー!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/381405

1・2号機排気筒の耐震安全性の評価を発表~東電「基準地震動Ss-1(水平450Gal 鉛直300Gal)に対し、倒壊には至らないことを確認した」――東京電力定例会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/381302

山尾しおり議員「ニセモノのテロ対策の安全のために、私たちの自由のラインを引き下げるわけにはいかない!」~国会議員、弁護士、市民団体代表らがスピーチ――5・31共謀罪法案の廃案を求める市民の集い
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2017年4月30日 (日)

グローバル主義支配体制は、ポピュリスト-民族主義反乱を打ち破ったのか?

James George JATRAS
2017年4月27日
Strategic Cultural Foundation

昨年、イギリス国民が欧州連合離脱賛成投票をした際、ヨーロッパとアメリカ合州国の支配者連中は唖然とした。あらゆる世論調査が残留派陣営の勝利を予言していた。ヒラリー・クリントンやバラク・オバマを含む重要人物全員が、許される選択肢は、益々機能不全化するEU内に留まることだけであるのを明らかにしていた。

ポンド、つまり、大西洋両側のグローバル・エリート、あらゆる賢く、見目良く、裕福な人々の親切な助言が、イギリス人、イングランド人とウェールズ人に拒絶された。ありえない、あるいは不可能と見なされていたことが、それにもかかわらず起きたのだ。イギリスは、まだ死んではいないように見えた。

次はアメリカ合州国の番だった。あらゆる専門家がヒラリー・クリントンの勝利は既定の結論だと言っていた。重要な問題は、一体どれほどの大差で勝利するのか、議会や州議会に出馬している他の共和党議員たちが、ドナルド・トランプによる歴史規模大失敗の渦から逃れられるのか、彼女は閣僚に誰を選ぶのか、第三次世界大戦は一体いつ始まるのかだった。(実際、これほど酷い民主党の旗手に、うまく敗北できる唯一の共和党員として、ヒラリーのホワイト・ハウス入りを確実にする支援のため、トランプが出馬したのだと本気で言うむきさえあった)。だがアメリカのラストベルト地域 - ペンシルヴェニア州、オハイオ州、ウィスコンシン州、ミシガン州 -の労働者階級有権者flip支配体制rude gestureトランプを選んだ。アメリカも、まだ死んではいないように見えた。

大西洋の両岸で反乱が解き放たれた! ダボス支配階級から権力を取り戻すという普通の市民の要求が行進をはじめたのだ! 2016年に始まったことは、2017年にも確実に続く。

そうは問屋がおろさなかった。

実際、支配体制の反撃は、既に2016年に始まっていた。オーストリアのオーストリア自由党(FPO)ノルベルト・ホーファー、年頭には、当初、僅差で何とか勝利すると言われていて、不審な不在者投票で逆転され、憲法裁判所によって、結果は無効とされ、12月の再選挙で、体制派候補に敗れた。FPOとホーファーに対する(お好きなものをどうぞ)人種差別主義者、反ユダヤ、反イスラム、ファシスト、ナチスなどなどと中傷する、予想通りのキャンペーンの後での敗北だった。

一部の人々が“トランプ効果”というものの最初の実験は失敗だった。

次がオランダだ。3月15日投票で、オランダをEUから離脱する“Nexit”のため、Brexit風国民投票を実施すると公約したヘルト・ウィルダースの自由党が敗北した。イスラム教徒移民の悪影響と、イスラム教徒が、オランダ社会に溶け込み、オランダの社会基準を受け入れるのを拒絶していることに強く焦点を当てたウィルダースは、ヨーロッパ構想として、ヨーロッパの伝統的個性の廃絶も考えている連中にとって、ホーファー以上に魅力的な標的となった。世論調査では、大半のオランダ有権者が国民投票を望んでいたにもかかわらず、結果はまたしても“極右”の敗北だった。(一体なぜ“極左”は存在しないのだろう?)

お次はフランスだ。第一回投票では、EU (“Frexit”)、あるいはNATOからも、フランスの関係を、再交渉するか、終わらせて、ロシアとの関係を回復することを多かれ少なかれ望んでいる候補者に、フランス国民の四分の三が投票した。そのような主張をしなかった唯一の最有力候補エマニュエル・マクロン、卑屈なマスコミが欺瞞的に“部外者”と称する支配体制の候補者が、(ご明察通り)“人種差別主義者”“極右”“ファシスト”“イスラム教徒嫌い”“外国人嫌い”国民戦線のマリーヌ・ルペンに勝利すると大いに喧伝されている。マスコミは、彼女の勝利を確実にするためのロシアの策謀に関して、既にゾッとする言葉で警告して、もし彼女が何とか勝利できた場合のために事前に評判を傷つけたり、あるいは、少なくとも“疑念/不和/混乱”の種を蒔いたりしている。

そこで話はアメリカ合州国に戻る。トランプは当選したものの、アメリカ政府を完全支配しているのとはほど遠い。選挙と彼のチームに対するロシアの影響についての議会調査now suggestマイケル・フリン元中将、トランプの最初の国家安全保障顧問マイケル・フリンは刑事起訴されかねなかった。アメリカ国境監視や違法外国人の強制送還というトランプの取り組みを却下するため、連邦裁判官たちは法律や憲法をあからさまに無視した。

彼にとって一番反対が少ないように見える路線を選び、トランプと彼が任命した連中は、オバマ、あるいはヒラリーが当選していれば、行っていたであろうものとほとんど変わらない国家安全保障政策を開始した。

- ロシアを貶め、経済制裁を維持し、結局は“陳腐化”していないことになったNATO拡大継続(モンテネグロ、ようこそ!)する。

- シリアを爆撃し、ダマスカス“政権交代”を要求する

- “あらゆる爆弾の母”の投下を含むアフガニスタン内での軍事作戦を拡大する

- 北朝鮮とイランを軍事行動で威嚇し

- 貿易上で譲歩をして、北朝鮮と南シナ海で、中国に圧力をかける  - トランプの取り引きなるべきものの真逆。

まずい人選も一因だ。必要に迫られた計算ずくという理由もあろう。一歩前進二歩後退だ。(スティーブン・バノンは自らレーニン主義者と称していたではないか。) シリアに対する針で突いたような攻撃が、あれがただの見せ物だった可能性を示唆している。

だが我々が目にしているのは、何よりも当選しようとしまいと、トランプの立場がいかに弱いかということだ。競争相手候補と選挙運動が余りに酷かったせいもあり、支配体制側は投票箱では止められなかったのだろう。だが連中は最終的勝利を得る可能性がある。

もし実際ルペンが敗北すれば、腐敗した、金権政治、反キリスト教、反国家的な似非エリートが、ともあれ当面、権力の座を恒久的に確保する手法を見出したことを意味しよう。とはいえ、それは、連中による失政の特徴である政治的、経済的、人口統計的、そして何より精神的危機に対処するには全く役だたない。手遅れになる前に、進路を変えようという、まともな市民たちによる、規則を重んじる平和的取り組みに、連中が反撃したという意味しかない。もし本当にそうであれば、崩壊が実際到来した場合、崩壊は更に酷いものとなるのを意味しよう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/04/27/has-globalist-establishment-defeated-populist-nationalist-revolt.html
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「国粋主義小学校」を作る狙いのアッキード疑獄事件ということになっているが、正しくは「奴隷根性養成小学校」の実例を作るのが狙いだったに違いないと『「国富」喪失』を読んで思う。
子供の時から教育、正しくは「洗脳」しておくのが、奴隷国家運営の要。
そうした教育を受けずに育った、ぐれた大人は、共謀罪で恫喝する。

グローバル主義支配体制が日本をがんじがらめにしようとしているのが悲しいほどわかる。
東京ファーストなるもの、与党別働隊というご指摘ももっとも。
不思議なことに、残念ながら、この本、ベストセラーになっていない。

自民党、公明党、維新、隠れ自民の民進党員と支持者こそ共謀罪対象。

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