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2024年12月12日 (木)

アサドは去り、目覚めたアルカイダが台頭



またしても帝国が勝利を収めた。
ケイトリン・ジョンストン
2024年12月8日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 どうやらシリアのバッシャール・アル・アサド大統領政権は崩壊に向かっているようだ。シリアが現在の国境を維持するか、あるいは別々の国家に分割されるかにより、一つ以上のアメリカ傀儡政権に取って代わられる可能性が高い。またしても帝国が勝利を収めた。

 私は軍事評論家ではないが、通常、アサドを支持して楽観的なイライジャ・マグニエペペ・エスコバルなどの評論家たちは、これで終わりだと言っている。トルコが支援する戦闘員や、欧米諸国の支援を受けた歴史を持つアルカイダ系勢力が驚くべき速さ国中を席巻する中、アサドの所在は不明で、現在、ロシアとイランは、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、トルコなどのアメリカ同盟諸国政府と連携し、政治的解決のため戦闘を終わらせるよう呼びかけている。反政府勢力がアサドを捜してダマスカスに入ったと報じており、アサド軍が大統領の主な住居がある地域から撤退する様子が映像で示されているとCNNは報じている

 レバノンとウクライナにおけるアメリカ代理戦争は、今では戦略的にずっと意味を成している。ヒズボラとロシアを他の紛争で縛り付けることにより、ダマスカスへの再攻撃への道が開かれ、ヒズボラへの供給を更に断つ好機が生まれたのだ。私と同じ立場の評論家の多くは、こうした代理戦争を自滅的なものと呼び、死にゆく帝国の必死のあがきで、終焉を加速させるだけだと位置づけてきたが、今や我々は、帝国が何年も追求してきた勝利を収めるのを目の当たりにしており、中東における欧米諸国とイスラエルの締め付けはかつてないほど強まっている。

 一方、アルカイダは目覚めたという物語をマスコミが広め、この政権転覆を支持するため奔走している。

 シリア反体制組織ハヤト・タハリール・アル・シャムを率いる元ISISやアルカイダのメンバー、アブ・モハメド・アル・ジョラニの甘やかし気味のインタビューをCNNは公開したばかりだ。同組織はシリアのアルカイダから改名した分派だ。ジョラニは、過去の過激なやり方から改心したとCNNに語り、「時には現実に適応することが不可欠だ」と付け加えた。「柔軟性を持たず特定の考えや原則に固執する人は社会を効果的に導くことも、シリアで起きているような複雑な紛争を切り抜けることもできない」と補足した。

 CNNの「シリア反政府勢力指導者はいかにして過激ジハード主義者からブレザーを着た『革命家』になったか」や、イスラエル・タイムズの「シリア反政府勢力指導者ゴラニ:過激ジハード主義者から表向き実用主義者へ」、テレグラフの「シリアの『多様性に優しい』ジハード主義者は国家建設をどのように計画しているのか」といった見出しで、今や帝国主義報道機関は溢れている。

 元ISISやアルカイダのメンバーが、自分の名の横に好みの性別代名詞を添えて、リベラルな欧米諸国の対談番組で語り合う姿を見るようになるのも時間の問題だろう。

 幸運なことに「イスラエルを愛している」ので、イスラエルの利益を損なうようなことは決ししないと、この「多様性に好意的な聖戦主義者」はイスラエル報道機関に語った。従って、この「革命」は結晶メタンフェタミンと同じくらい有機的に成長したと言っても過言ではない。

 世界を支配する超大国の多くの特典の一つは時間的な余裕があることだ。政権転覆作戦が一つ失敗しても心配はいらない。チェスの駒を動かして再度挑戦すれば良い。中南米でクーデターが失敗しても心配することはない。クーデターはまた起こせる。シリア奪取の試みが失敗しても、制裁でシリアを粉砕し、油田を占領し、貧困化させ、他の場所での代理戦争で軍事同盟国を過度に手を広げさせてから、後で奪取すれば良い。

 優れたキックボクサーは、ほとんどのパンチが外れるか防御されるか、最小限の打撃しか与えないと理解して、最終的にはノックアウトの一撃を当てられると信じて、多くのコンビネーションを繰り出す。

 永遠に続く帝国などないが、この帝国が近い将来に消滅する証拠はない。この醜悪さは、おそらく何世代にもわたって続くだろう。
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 画像は、YouTube の CNN からのスクリーンショット (フェアユース)。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/12/08/assad-is-out-woke-al-qaeda-is-in/

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