アメリカの軍事支出削減は常に抵抗に会う。支出増は決して抵抗に会わない
2021年4月10日
ケイトリン・ジョンストン
昨年、バーニー・サンダース上院議員は、途方もなく膨れ上がったアメリカ軍事予算を、わずか10パーセント減らそうと奮闘した。彼の奮闘は、彼を徹底的阻止する超党派の固い鋼鉄の壁に、頭からぶつかった。
サンダース議案は、上院で、23対77の票で、共和党議員が、それを踏み殺すのを、上院民主党議員の半数が、支援し強化し、上院で潰された。コンパニオン議案は、下院で、大多数の下院民主党議員(92対139)の反対投票で、93対324の差で潰された。
この数を、昨年12月、トランプの7410億ドル軍事予算承認投票の数と比較願いたい。下院は、335対78で、米国国防権限法(NDAA)予算を承認したが、そのうち195票は、民主党のものだった。上院は、84対13で、同じ予算を成立させた。前年予算からの大きな増加だったが、これは長年途切れない傾向だ。
Macrotrendsから:
- 2019年の合衆国軍事出費/防衛予算は7317.5億ドル、2018年から7.22%増だった。
- 2018年の合衆国軍事出費/防衛予算は6824.9億ドル、2017年から5.53%増だった。
- 2017年の合衆国軍事出費/防衛予算は6467.5億ドル、2016年から1.08%増だった。
- 2016年の合衆国軍事出費/防衛予算は6398.6億ドル、2015年から0.95%増だった。
そして、それは公式「防衛」予算に直接当てられる公式数値だ。「アメリカ国防予算は皆が考えるより大きい」という題のNation記事が2019年に説明したように、アメリカ戦争の全部原価、戦争準備と、それら戦争の影響を合計すると、年間予算は1兆ドルを遥かに超える。
そして今「危害低減」候補ジョー・バイデン下で、それは更に増大しようとしている。
BREAKING: Biden proposes a $753,000,000,000 Pentagon budget, a significant increase from last year's budget.
— Public Citizen (@Public_Citizen) April 9, 2021
速報:バイデン昨年予算からの著しい増加で753,000,000,000ドル国防総省予算を提案。
- パブリック・シチズン (@Public_Citizen) 2021年4月9日
ホワイトハウスは「国防総省の最大課題である中国の脅威に対処する必要性を最優先して」国防総省予算を組むと述べ、「バイデン大統領は、国防総省向けに、7150億ドル、次期会計年度、7530億ドルの国防予算を要求している」とThe Hillの新報告書にある。
非営利団体パブリック・シチズンは、声明で、この動きを批判し、「トランプ大統領の任期中、1300億ドル以上はね上がったペンタゴン予算は、機能しない高過ぎる兵器への支出、民間請負業者の、ぼったくり契約、無意味や旧式や兵器システムへの膨大な投資や、会計監査を通せないほど酷い浪費と、ずさんな管理に満ちている。それは実際、軍産複合体権力への献上品だ。」と主張している。
「国防総省予算の適切な削減で何千億ドルも節約できる」とパブリックシチズンは付け加えている。「FY22予算で最も重要なのは、我々がとうとう正しい方向に動き、資源を国防総省から人への支出に移動している兆しを表すため、FY21より減らすことだ。」
物事は常にそのように機能しているので、バイデン政権が要求している支出増加を得るのは確実かもしれない。続く10カ国合計を超える軍事予算を10パーセント削減するための精力的活動があると、その動きは狂人、過激派として切って捨てられる。法外な軍事予算を増やすための動きの場合、常に「もちろん、大統領、あなたがご希望のことは何であれ、大統領用に全ての書類ができています」なのだ。何の勢いもつけずに、まるでアストログライド・ゼリーを塗ったように、すっと入る。
病的に肥大した軍事予算を10パーセント減らす動きを狂人で過激派だと考える政治権力の確立は、狂人で過激派の政治権力の確立だ。病的に肥大した軍事予算を増やすのが正気で穏健だと思う政治権力の確立は、狂人と過激派の政治権力の確立だ。
戦争不当利益者に奉仕し、世界に対する一極覇権を確保するため、市民からの略奪や、海外での人々の殺戮という軍事介入主義の絶え間ない行為が、さほど大変な事でないように思わせ、この残虐行為に対する大衆の正義の怒りを静めるため、許せない行為を正常化するため、金権政治メディアは存在している。だが、それは大変な事だ。それは実に実に大変な事だ。
果てしない大虐殺と盗みを、正常で許せると認めるように、我々が、まんまと洗脳されている限り、我々は健全な世界に進むことはできない。我々は自分を危険にして、殺人精神病者に率いられるのを許し続けているのだ。
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米軍基地むけ支出や、軍事支出削減は常に抵抗に会う。支出増は決して抵抗に会わない。
ダム建設支出削減は常に抵抗に会う。支出増は決して抵抗に会わない。
原発建設支出削減は常に抵抗に会う。支出増は決して抵抗に会わない。
とんでもないというか、当然のニュース。
IAEA「国際的な慣行」 原発処理水の海洋放出を歓迎
あたりまえの話。IAEAというのは原発推進組織。原発を稼働すれば出るトリチウム放出を禁じれば原発は成立しない。原発事故でも、汚染水放出を認めなければ、日本の原発推進方針が潰れるのがこわいだけの話。泥棒に、あなたの窃盗は認めると褒められたのと同じ。自慢にならない。昼の洗脳痴呆番組、非難する韓国を熱心に非難している。民呆。
不要不急の用件で東京にはこないでもらいたい。テレワークをお願いする。
選手もこないで頂きたい。役員もこないで頂きたい。世界発のバーチャル・オリンピックを、コロナに破れた証として提案します。と続けて言えば偉い。
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