イスラエルの完全な狂気
2024年10月21日
The Unz Review
イスラエル財務大臣ベザレル・スモトリッチ
メディアは強力なマインド・コントロールの道具として機能していると私はよく言ってきた。これは古典的SFの筋書きに見られるものとあまり変わらない。何週間も何ヶ月もそのような支配的言説に浸っていると、完全に自由になるどころか、独立した考えを持つことさえ非常に困難になる。ほとんどの人にとって、頭蓋骨の奥のささやきが論理的思考を圧倒し、感情的な反応は、まるでスイッチでオンかオフに切り替わる。
その完璧な例が、1967年の悪名高いリバティー号事件だ。国際水域を平和的に航行していた我が国の海軍艦艇がイスラエル軍の攻撃を受け、イスラエル空軍と海軍は200人以上の米兵を死傷させたが、生存者を一人残さず沈没させようとする試みは偶然失敗した。これは、第二次世界大戦の大規模戦闘以来、アメリカ海軍にとって最悪の人命損失で、他の国が責任を負っていたとしたら、我が国の迅速かつ圧倒的軍事的報復により、その国の主要都市は爆撃で瓦礫と化し、何千人もの市民が殺害されていたはずだ。おそらく、このいわれのない攻撃を命じた敵の指導者全員を追跡して処刑していたはずだ。
しかし、アメリカ政府は事件発生当時、事件を完全に隠蔽し、その結果、ユダヤ国家に毎年納める貢納金が着実に増加しただけだった。12年後にようやく事実が明らかになった時でさえ、憤慨したのは国民のごく一部に限られ、その話を聞いた大多数の人々は、「ここには何も見るべきものはない」とメディアが伝えたので、気に留めず、先に進まなければならないと漠然と考えた。通常であれば大規模懲罰戦争を引き起こすと予想される出来事は、不快で肩をすくめる反応しか得られなかった。
アメリカは、広大な国土と先進的兵器により、1960年代の世界舞台で物理的巨人として立ちはだかっており、他のどの国も我々の力には直接挑戦できなかった。しかし我々を攻撃した国の前で、我々は依然無力だった。なぜなら少数の親イスラエル派ユダヤ人が、メディアによるマインド・コントロール手段を駆使し、我々を目に見えない糸で揺さぶられる無力な操り人形に変えたためだ。
私は数年前その奇妙な歴史的事件について論じた。
- アメリカのプラウダ:リバティー号を想起する Ron Unz • Unz・Review • 2021年10月18日
事件から半世紀以上経過したが、そのうちの大半の期間、メディアによる国民に対するマインド・コントロールの力は依然大きく、着実に極端さを増している。
ほんの数週間前、イスラエルのモサドがレバノンで何千もの爆弾を仕掛けたポケベルを突然爆発させ、それらの同時爆発により、子どもを含む約500人の民間人が死亡または重傷を負い、何倍もの人が負傷した。これは明らかな戦争犯罪であるだけでなく、攻撃の規模と、国全体で普通の電子機器を致死的爆弾に改造したことによる恐ろしい社会的影響を考えると、おそらく世界史上最悪のテロ攻撃の一つで、アメリカを含む他の国々に対する将来の攻撃の極めて危険な前例となった。もしアメリカ・メディアがこの事件をあるがままに伝えていれば、確実に、憤慨したアメリカ人が、これを実行したテロ国家を地球上から一掃するよう要求したはずだ。ところが、その代わり、メディアが違う物語を報じたため、アメリカ国民はただ肩をすくめるか、時に歓声を上げるかのどちらかだった。
最近の記事で、寄稿者の一人が:保守的なカトリック教徒の友人との夕食会で遭遇した反応について述べたが、彼の経験談は長々引用する価値があると思う。
南レバノンで、ポケベルやラジオやソーラー・パネルをイスラエルが攻撃した今や悪名高い事件直後に、現地のカトリック司祭の家で、私は友人や知人のグループと夕食を共にした。食事を終え、お決まりの世間話をした後、会話は自然に政治や中東情勢に及んだ。この一年、この集団とは数回会っていたので、イスラエル/パレスチナ問題や国際的ユダヤ人勢力に関し、出席者の大半が、どのような立場を取っているか良く知っていた。イスラエルはアメリカにとって欠かせない同盟国で、非文明的で野蛮な中東における神聖な「ユダヤ・キリスト教」価値観の擁護者だと彼ら全員考えている。(おそらく、いつの日か、自分たちの主であり救世主であるキリストを、キリスト教徒が拒絶し、その拒絶に基づき、神学的建物全体を築き上げ、中東で同信者を殺害したり傷つけたりしている人々を熱烈に支持する理由を調査する研究が実施されるだろう。)最後の点について、これらキリスト教徒たちは、彼らの宗教を伝統的ユダヤ教が忌み嫌っていることにおそらく気付いていない。今年初めベツレヘムのキリスト教牧師へのタッカー・カールソンによる長時間インタビューの、この短い動画で示唆されている通り、聖地からキリスト教を根絶すると、多くのユダヤ教指導者が誓っている。
同じ夕食会での会話は、現在のガザ紛争と爆発する電子機器の利用に移った。🇺🇸🇵🇸 Tucker Carlson On Christians Supporting Israel
— Censored Men (@CensoredMen) April 9, 2024
"If you wake up in the morning and decide your Christian faith requires you to support a foreign government blowing up churches and killing Christians, I think you've lost the thread." pic.twitter.com/K5xMAwexD0
会話は、2023年10月7日のハマスによる攻撃に対して自衛し、それに応じた対応をとる権利がイスラエルにはあるという、いつもの空虚な決まり文句の応酬で始まった。権威あるイギリスの医学雑誌「ランセット」によると、イスラエルによる完全に非対称な対応により、既に20万人近くのパレスチナ人が殺害されており、少なくとも夕食会に出席していた信者の一人にとって、十分に強力とは言えなかった。レバノンでのポケベル攻撃の話題になると、ユダヤ人による国際法の甚だしい違反を称賛する声を、司祭を含む数人の男性があげ始めた。このような攻撃の不道徳さと広範囲にわたる影響について、私は長々語り始めたが、わざと鈍感な対話者連中はすぐに私を非難した。10月7日にハマスが犯した大量レイプや他の残虐行為を考えれば、これは実に見事な攻撃で、結局かなり釣り合いが取れていると彼らは私に言った。彼らの議論の明らかな非合理性はさておき、イスラエル諜報機関が、おそらく何年も前にこの作戦を計画し、ハイテク産業への深い浸透を利用して製造段階で爆発装置を仕掛けたという主張を私はすることにした。主要産業へのこのような浸透は世界中の全ての人々に大きなリスクをもたらし、この新しい攻撃は危険な前例となる可能性があると私は彼らに言った。イスラエル諜報機関は消費者向け製品に爆発物を事前に仕掛ける能力を持っているという私の示唆は嘲笑の渦を引き起こし、いわゆるホロコーストに関する短いが同様注目すべき論議の後、会話はより日常的問題に移った。こうした酷く歪んだアメリカ人の反応は、決して新しい現象ではない。1941年12月7日、日本軍が我が国の軍に奇襲攻撃を仕掛けた。夕食会に出席していた保守派連中の両親や祖父母は、この攻撃を戦争史上最も恐ろしい攻撃の一つとみなし、日本の悪行の永久的証拠としたに違いない。その後、広島と長崎の民間人を原爆で絶滅させたのは、1941年のこの予期せぬ軍事攻撃に対する正当な報復だと多くのアメリカ人は考えた。
だが、一世代後、イスラエルがほぼ同じことをした。1967年の奇襲攻撃で、エジプトとシリアの空軍を地上で壊滅させ、イスラエル国防軍が易々と戦争に勝利し、両国から領土を奪取できるようにした。しかし、メディア報道のおかげで、勇敢な小さなイスラエルの輝かしい軍事的成功を当時のアメリカ人のほぼ全員が称賛した。
第二次世界大戦後、アメリカと同盟諸国は国際法を施行し平和を維持するため国連を設立した。熱烈な親イスラエル派メディアは、1948年のイスラエル建国は国連の初期の最も誇らしい瞬間の一つで、長らく苦しんできたユダヤ人に、この国際機関が国家として祖国を与えたとしばしば報じてきた。
そして今年初め、国連総会はパレスチナを加盟国として承認すると決議し、それにより長い間苦しんでいたパレスチナの人々に同様の祖国を与え、その結果、激しい復讐心で、イスラエルは国連に反抗した。イスラエル国連大使は、痛烈な演説で、他の加盟諸国の前で、公然と(文字通り!)国連憲章をズタズタに引き裂き、国連を非合法かつ「反ユダヤ主義的」だと非難し、それにより自国の激しい敵意を全世界に宣言したようだった。国連のおかげで存在してきた国による同様光景が国連演壇で起きたことがあったかどうか私にはわからない。
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今月初め、イスラエルが国連事務総長の入国を禁止する前例のない事態が起きた。その後、ここ1、2週間で、イスラエルによる国連攻撃は、象徴的なものから軍事的なものへとエスカレートし、イスラエル国防軍はレバノンの国連平和維持軍に繰り返し砲弾を発射し、国連平和維持軍駐留を認める長年の安全保障理事会決議にもかかわらず、イスラエルからの撤退を要求した。これらの事件で国連軍兵士数名が負傷し、イスラエルによる何らかの化学兵器と思われる攻撃で15名が負傷した。
過去12か月にわたり、ガザ地区で200人以上の国連援助要員をイスラエルは殺害しており、レバノンの国連平和維持軍にも同様な運命を辿ってほしいと一部著名人は考えている。イスラエルに暮らし学んだユダヤ人の元ホワイトハウス顧問マシュー・ブロツキーは、長年議会や行政府に中東問題について説明してきたが、最近「イスラエルはアイルランド担当地域を絨毯爆撃し、更にナパーム弾を投下すべきだ」と宣言し、国連派遣団を全滅させるようイスラエルに促した。元アメリカ政府高官の態度とは到底思えない。
イスラエルは国連により創設されたのだが、その法的関係の驚くべき側面が、中東で豊富な経験を持つスイスの元軍人として高く評価されているジャック・ボー大佐の一、二週間前の長時間インタビューで取り上げられた。
ボーの説明によると、イスラエル建国直後、イスラエル過激派がパレスチナとの紛争を解決するため派遣されていた国連和平交渉官フォルケ・ベルノドッテ伯爵を暗殺し、国連安全保障理事会はこれを非難する決議を出した。このテロの実績を踏まえ、当初、イスラエル国連加盟は、イスラエルが国境を確定すること、逃亡または追放されたパレスチナ人に帰還の権利を与えること、エルサレムを国際化すること、という三条件を付帯するものだった。しかし、これまで、どのイスラエル政府も、これら条件を遵守したことがないため、厳密に法的観点からは、イスラエルは国連から追放され、ならず者国家と宣言されるべきだとボーは指摘した。
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建国当初から、近隣諸国の併合による大規模領土拡大をイスラエル指導者たちが常に夢見てきたため、国連が要求していた国境確定にイスラエル政府が応じなかったのも、そのためだとボーは強調した。
数日前に欧州の公共放送局アルテが公開したドキュメンタリーは、ボーの主張を裏付けるとともに、領土拡大の考えが放棄されたわけでないことを示しているようだ。インタビューの一つで、イスラエル国境を徐々に拡大して、全て神からユダヤ人に与えられた土地であるヨルダンやレバノンやエジプトやシリアやイラクやサウジアラビア領を含むようにすべきだとイスラエルのベザレル・スモトリチ財務大臣が宣言した。このような攻撃的発言は、中東の安定や平和に、明らかに、ほとんど寄与しない。
実際、過去数世代にわたり、近隣諸国全てを征服し、その領土を併合する意図を気軽に発表するトップ政治指導者など私は聞いたことがない。In a recent interview, far-right Israeli Minister of Finance Bezalel Smotrich, claimed that Israel would expand “little by little” and eventually encompass all Palestinian territories as well as Jordan, Lebanon, Egypt, Syria, Iraq, and Saudi Arabiahttps://t.co/grN3ioJmg1 pic.twitter.com/yYQLUD5u18
— Middle East Eye (@MiddleEastEye) October 11, 2024
このような発言をアドルフ・ヒトラーの発言とみなし、まさにこのような大胆な公的征服計画こそ、ナチス・ドイツを倒し滅ぼした世界同盟の形成を正当化したと洗脳された多くの欧米人は信じているに違いないが、これは全く、たわ言だ。ドイツが弱体化していた時期、95%がドイツ人である都市ダンツィヒをポーランドが違法に支配し、ヒトラーがドイツの他の国境紛争を全て平和的に解決した後、唯一残った要求はダンツィヒをドイツに返還することで、その小さな火種が第二次世界大戦の引き金になったのだ。この重要な歴史は、2011年にドイツの軍事専門家で歴史家のゲルト・シュルツェ・ロンホフが出版した『1939 - The War That Had Many Fathers(1939年 - 多くの父親がいた戦争)』で詳しく論じられている。
しかし、たとえ我々無知な国民が第二次世界大戦のこのような完全に誤った歴史物語を受け入れたにせよ、ナチス・ドイツを滅ぼすための世界同盟創設は、シオニスト・イスラエルを滅ぼすための同様同盟の完璧な前例になるのは確実だと思われる。だが、メディアのマインド・コントロールの力が、被害者たちが思考上、論理的一貫性を維持するのを阻止している。
スモトリッチが宣言した中東の大半を征服して大イスラエルを建設する計画は極端に思えるかもしれないが、実際の信念そのものより、公の場での率直さこそ異例に思える。実際、2012年にシュロモ・サンド教授が著した素晴らしい著書『The Invention of the Land of Israel(イスラエルの地の発明)』で述べている通り、そのような考えは常にシオニスト運動の本当の狙いを表してきた。
同様に、数ヶ月前、200万人のパレスチナ人全員をイスラエルが根絶するのは「正義で道徳的」だとスモトリッチが公言したが、現時点では、世界世論が政府にその重要措置を取らせないようにしているとも率直に語った。またしても、スモトリッチの立場は、イスラエル政府同僚大半の私的見解を代弁したものと思われる。
長年、世界中で何百万人もの非ユダヤ人を虐殺しようとしているとイスラエル著名人が頻繁に公の場で宣言して悪名を馳せてきた。2018年に、将来の首相アリエル・シャロンが1980年代初頭、イスラエルを代表する文学者の一人アモス・オズから長時間インタビューを受けた際にした劇的発言に私は注目した。その後、オズは匿名を装い、これら発言を1983年の随筆集『In the Land of Israel イスラエルの地にて』の一章として発表した。"No one in the world will allow us to starve to death 2 million citizens, although it may be just and moral."
— Palestine Highlights (@PalHighlight) August 8, 2024
Far-right Israeli minister Bezalel Smotrich expresses his frustration that Israel isn't allowed to starve 2 million Palestinians to death in Gaza. pic.twitter.com/SuBI8DXOSm
2018年に私が説明した通り、自らを「ユダヤ・ナチ」とシャロンは誇らしげに宣言していた。
彼が自らをそのような言葉で表現したのは、ほとんど誇張ではない。彼はむしろ、イスラエルの敵数百万人の虐殺や、近隣諸国の征服や、住民追放によるイスラエル領土の大幅拡大や、彼らや他の誰かがそのような取り組みに強く抵抗した場合、核兵器の自由な使用を喜んで主張していたからだ。彼の大胆な意見では、イスラエル人とユダヤ人は、一般的に余りに軟弱で従順なので、おそらく憎まれ、確実に恐れられる征服民族になることで、世界で地位を取り戻す必要があったのだ。彼にとって、サブラとシャティーラでの最近のパレスチナ人女性と子どもの大虐殺は全く重要ではなく、この事件の最も不幸な点は、殺人者がイスラエル兵士自身ではなく、イスラエルのキリスト教ファランヘ党同盟者だったことだ。
今や政治家の間で、過激な言辞はごく普通に見られ、匿名さえ守られれば、口が滑るのは明らかだ。だがアメリカ人や他の欧米諸国の公人、ましてや政治上層部で活躍する人物が、そんな言葉を口にするなど誰が想像できるだろう。最近では、午前2時にドナルド・トランプがつづりを間違えた下品な侮辱をツイートすることがあり、アメリカ・メディアは恐怖で愕然としている。だが彼の政権は漏れやすいので、何百万人もの人々を虐殺するかもしれないと彼が側近に日常的に自慢していれば、確実に我々はそれを耳にしているはずだ。その点、ジャーナリストが注意深くメモを取っている間はもちろんのこと、個人的にも、元祖ドイツ・ナチスが、そんなふうに話した証拠は些かもないようだ。だがイスラエル「ユダヤ・ナチス」はまた別の話だ。
- アメリカのプラウダ:ユダヤ人とナチス
Ron Unz•Unz Review• 2018年8月6日
我々は数百の核弾頭とロケットを保有しており、あらゆる方向の標的に発射できる。ローマにさえ。ヨーロッパの首都のほとんどが我が空軍の標的だ。モシェ・ダヤン将軍の言葉を引用しよう。「イスラエルは狂犬のようなもので、あまりに危険で、手を出すには危険すぎる」。現時点では絶望的だと思う。我々は、可能な限り、事態がそうなるのを防ぐよう努めなければならない。だが我々の軍隊は世界で30番目に強いのではなく、むしろ二番目か三番目だ。我々と共に世界を滅ぼす能力を我々は持っている。そして、イスラエルが陥落する前に、それが実現すると断言できる。崩壊しつつあるイスラエルが核兵器を使って世界の大半を破壊するというこの教義は「サムソン・オプション」と呼ばれ、著名調査ジャーナリスト、シーモア・ハーシュによる1991年の同名ベストセラーで広く知られるようになった。しかし、その本は出版当時も、その後数十年も、大きな注目を集めたにもかかわらず、数年前に私が読んだ際、最も驚くべき要素の一つが、メディアで読んだ様々な書評や概要のいずれにも一度も取り上げられていなかったことに気がついた。
ほとんどの観察者と同様、イスラエルが核兵器を開発したのは、近隣アラブ諸国が通常軍事力で優位に立つ寸前になった場合、その国々に対して使える切り札だと私は考えていた。実際、1973年の戦争で軍事的大打撃を受けた際、イスラエルはまさにその通りのことをした。イスラエルがカイロとダマスカスを核兵器で殲滅すると脅したことで、ニクソン政権は未曾有の軍事装備を供給せざるを得なくなり、テルアビブは戦況を一変させて勝利を収められたのだ。
しかしハーシュの本は、1980年代にイスラエル核兵器と熱核兵器の主標的が実はソ連だったという驚くべき事実に20ページ近くを割いている。イスラエルが密かにアメリカの諜報情報を入手しており、モスクワやレニングラードや他のソ連の主要都市を効果的に殲滅できると彼は説明した。この核攻撃能力は、イスラエルの直接の敵対国であるアラブ同盟諸国に、ソ連が過剰支援をしないよう強力に抑止するのが狙いだった。当時、ソ連は軍事力の絶頂期にあり世界最多の核兵器を保有していた。イスラエルは地理的に非常に小さいため、世界最大の国を攻撃して破壊するための本格的戦闘計画をイスラエルが立てていたのは非常に衝撃的だった。
さらに、ハーシュによれば、イスラエルは普通のスーツケースに詰め込める小型核兵器開発にも力を入れており、モサドはそれをソ連や潜在的に敵対的とみなされる他の国に簡単に密輸でき、そのような目立たない運搬方法に対し、防御手段が全くないという。長年、インターネット上の多くの興奮した投稿者連中は、世界中のイスラエル大使館には、おそらく核兵器があり、危機の際、爆破し全ての主要国の首都を破壊できると主張してきたが、私は常にそのような考えを不合理な妄想として退けてきた。しかし、1991年のハーシュ著書の一部を読み返し、最近のポケベルの爆発攻撃を考慮すると、今ではそのことに、あまり確信が持てなくなっている。
こうした極めて大胆、あるいは極めて愚かな態度は、現在のイスラエル指導者の間でも依然根強く残っているようだ。昨年、ハマス攻撃後、ロシアの支援が不十分だと考えて激怒したイスラエル有力政治家は、RTに出演し、イスラエルがハマスを壊滅させた後、ロシアを標的に厳しい報復を行うと宣言した。これは世界最大の核兵器保有国に対する驚くべき恫喝だった。
これまで中南米の様々な国とアメリカはしばしば拙い関係を築いてきたが、キューバやベネズエラやニカラグアの指導者がアメリカのテレビに出演し、激怒して口角泡を飛ばす勢いでアメリカを脅すのは聞いたことがない。
通常の状況なら、近隣諸国全てを征服し、敵対的とみなす何百万人もの民間人を絶滅させ、最終的に核兵器を使ってヨーロッパの全都市を破壊する意図を公言する指導者がいる国は、確実に国際的に多大な懸念をもたれるはずだ。もしそれら恐ろしい言葉が、中東と欧米諸国の指導者に対する何世代にもわたる比類のない暗殺の歴史を含む、同様に恐ろしい行為と頻繁に一致すれば、そのような懸念は明らかに拡大したはずだ。ごく最近では、イスラエルが敵指導者を暗殺しようとして、レバノンの首都ベイルートの1区画全体を80発余りの2,000ポンドのバンカーバスター爆弾で破壊して成功した。また、過去一年、数多くの記事で、連中の恐ろしい戦争犯罪の一部を私は頻繁にまとめてきた。
実際、イスラエル人はそれらビデオのために、心をつかむコンテンツを雪崩のように作り続けている。イスラエル活動家の暴徒は頻繁に食料トラックの通行を阻止し、数週間以内に、100万人以上のガザ地区の人々が致命的飢餓の危機に瀕すると国連高官が発表した。絶望し飢えたガザ地区の人々が、通行を許された数少ない食料配達車列の1つに群がった際、イスラエル軍兵士が「小麦粉虐殺」で100人以上のガザ地区の人々を射殺し、後に同じことが繰り返された。これらの死や意図的飢餓の恐ろしい光景は全てソーシャル・メディアで世界中に放送され、最悪の例のいくつかは、パレスチナ人の子どもの遺体が飢えた犬に食べられる映像など、大喜びするイスラエル兵の証言によるものだった。別の画像には、イスラエル戦車に生きたまま押しつぶされた縛られたパレスチナ人囚人の遺体が映っていた。ヨーロッパ人権団体によると、イスラエル人は頻繁にブルドーザーで多数のパレスチナ人を生き埋めにしている。数カ所の病院近くで集団墓地が見つかったと国連が報告した。犠牲者は縛られ、裸にされ、処刑のように射殺されていた。インターネットの扇動屋アンドリュー・アングリンが指摘している通り、イスラエルのユダヤ人の行為は単に邪悪なのではなく「漫画のように邪悪」で、彼らの露骨な犯罪全てが大げさなプロパガンダ映画の脚本に基づいているようだが、実際、現実に起きているのだ。だが、このような極端な事実にもかかわらず、ごく最近まで、イスラエルや現地の政治同盟諸国が展開したほぼ完全なメディアのマインド・コントロールは、大多数の欧米諸国民をイスラエル陣営に留め、イスラエルの行動を強く支持させるのに十分だった。
しかし、このようなメディアによるマインド・コントロールには情報源のほぼ独占が必要だ。2、3世代にわたり、それはほぼ事実で、精力的な親イスラエル派門番連中が、反対の情報がアメリカ国民の目や耳にほとんど届かないようにしていた。しかし、インターネットの台頭により、伝統的メディアの力は急速に弱まり、特にソーシャル・メディアの効果的な配信チャネルにより、その力は脅かされている。ソーシャル・メディアを従わせるための大きな取り組みがなされてきたが、TikTokやイーロン・マスクのTwitterなど比較的検閲の少ないプラットフォームでは、破壊されたガザの恐ろしい画像が依然広く流布され、アメリカの若者の考え方を大きく変えつつある。
YouTubeの検閲は遙かに厳しくなっているが、数十年前には考えられなかった重要コンテンツの配信チャネルも提供されている。
たとえば、カタールが設立し、イラク戦争中に国際的名声を得たグローバル・ニュースネットワーク、アルジャジーラを考えてみよう。その後、全大手ケーブルTV企業が一致団結してブラックリストを作成し、アメリカ家庭で視聴できなくなり、アルジャジーラはアメリカ情報環境の中で目立たない存在に追いやられたように見えた。しかしインターネットの台頭により全てが変わり、最終的にアルジャジーラの強力な専門家たちが制作したコンテンツはCBSやFoxNewsの制作物とほぼ同等の土俵で競争できるようになった。
一方、グレイゾーンのような小規模メディアも、YouTubeを効果的に利用して動画コンテンツを配信しており、YouTube上で検閲されることもあるが、15年や20年前には誰も彼らの活動に気付くことはなかっただろう。
10月7日の攻撃から一年経ったのが数週間前で、アルジャジーラとグレイゾーンはそれぞれ過去12か月間の重要な側面を扱った迫力あるドキュメンタリーを発表した。これらは焦点こそ多少異なっていたが、話題の完全に補完的側面を提供している。内容のほとんど全てが主流メディアには完全に無視されていた。これらのドキュメンタリーは合わせて二時間以上あり、放送や印刷物を問わず、これまで主流情報源からしか情報を得ていなかった人々にとって、これらを観れば、かなり衝撃があると思う。
アルジャジーラの80分間ドキュメンタリーはイスラエル戦争犯罪に焦点を当てており、二週間も経たないうちにYouTubeで100万回以上視聴され、Twitterや他プラットフォームでもおそらく更に数十万回視聴されており、非常に順調なスタートと思われる。
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太古の昔から軍隊は戦争犯罪を行ってきたが、これほど徹底的に記録されたことはかつてなかった。証拠の多くは、おそらく友人に感心させるため、嬉々として撮影し動画をアップロードしたイスラエル兵士のソーシャルメディア・アカウントから得られたものだ。イスラエルほど自らの犯罪を自慢したがる軍隊は世界中どこにもなかったろう。おそらく、数十年にわたるほぼ完全な政治とメディアの免責が、イスラエル政府や軍隊や国民の傲慢さを、未曾有のレベルにまで高めたためだろう。
経験豊富な人権問題担当者や退役イギリス軍将軍など、映像を評価するため数人の知識豊富な人物をアルジャジーラは雇ったが、カメラの前でのインタビューで、目の前で目撃した国際法の明らかな違反行為の全てに彼らは完全に愕然としていた。
捕虜となったパレスチナ人のほとんどは明らかに無辜の民間人だったが、彼らはひどく虐待され、不法に人間の盾として使われ、時には無差別に殺害された。民間家屋や私有財産は略奪され、破壊され、現地の病院や他の民間施設も全て破壊された。ある軍事専門家は、先進国の軍隊がこのような完全に規律のない行動をとれることに驚きを表明した。これは、現代の正規軍というよりも部族民兵や盗賊団に予想される行動だ。
ドキュメンタリー終盤は、パレスチナ人囚人に対する組織的レイプや性的虐待についても触れており、これはイスラエル最高指導部にも容認されているようで、ユダヤ人国民の大多数が強く支持している政策だ。また多数の欧米人医師による報告で、多数のパレスチナ人の子どもや幼児が、イスラエル人狙撃兵に正確に狙い頭部や胸部を撃たれて殺害されていることも軽く触れられている。
このドキュメンタリーの内容は非常に陰惨であるにもかかわらず、欧米の専門家たちがイスラエルの違法行為や戦争犯罪の実に長いリストを冷静に列挙するのを聞いて私は不条理を感じた。ティムールや仲間の中央アジア部族が都市を略奪した後、人間の頭蓋骨の巨大な山を喜々として築いているが、そのような行為は、いくつかの国際法の様々な番号付き項の明らかな違反だと数人の国際法専門家が指摘して舌打ちするモンティ・パイソンの寸劇を私は想起した。この欧米からの批判が、イスラエル兵や連中の最高政治指導者に与える影響は、同じ程度だろうと私は思う。例えば、イスラエル国防軍の集団強姦犯首謀者は起訴の脅威を受け、身元が明らかにされた後、即座に国民英雄になった。
アルジャジーラのドキュメンタリーは、無力なパレスチナ民間人に対するイスラエルの戦争犯罪と残虐行為の証拠を大量に記録したものに80分を費やしたが、この資料のほとんど全てが我が国の主流メディアには完全に無視されている。一方、グレイゾーンの40分ドキュメンタリーは、物語の裏側、つまりハマスによる残虐行為と戦争犯罪に関する欧米メディアの大規模で圧倒的な報道を取り上げており、そのほとんどがプロパガンダの作り話か、少なくとも確固とした裏付けとなる証拠が欠けているようだ。残念ながら、このビデオはYouTubeでは禁止されており、ここには埋め込めない。
ハマス襲撃の数日後、イスラエル人の赤ん坊40人がハマスに斬首されたと、信じやすい欧米諸国のジャーナリスト連中が報道し始めた。そして、その話が誤りだと証明され撤回された後、同様に捏造された丸焼きにされた赤ん坊の話が即座にそれに取って代わり、その後、残忍な性的切除や集団レイプの話が続いた。これらの主張には証拠がなかったが、バイデン大統領をはじめとする欧米首脳は、これら馬鹿げた捏造に信憑性を与えた。
残念ながら、ハマスによる様々な残虐行為に関する記事の撤回は、当初の衝撃的見出しほどの注目を集めることはなく、アメリカや欧米諸国の人々の記憶に深く刻み込まれているに違いない。知識がある人は「首を切られた赤ん坊40人」をばかげた残虐行為の作り話とみなすかもしれないが、5倍から10倍のアメリカ人が未だそれら記事は真実だと信じているのではないかと思う。そして感情的になりやすいイスラエル社会では、おそらくその傾向は更に強いだろう。
これらビデオ・ドキュメンタリーで語られた何気ない発言から判断すると、一般イスラエル人の大多数は、未だこれら残虐行為の物語を信じていると私は思う。ハマス戦闘員は、赤ん坊の首をはねて焼き、少女を輪姦し、身体を切断する男の姿をした悪魔で、彼らを支援しているパレスチナ民間人もほぼ同じ範疇に入るとされている。従って、イスラエル人の少女や女性に対する明らかに架空の輪姦は、捕らえられたパレスチナ人に対しイスラエル人が復讐行為として非常に現実的な輪姦を行う決定的要因になっていると思われる。アルジャジーラ・ドキュメンタリーで紹介された他の残虐行為や拷問や殺人もそうだ。
ハマスによる架空の残虐行為に関するユダヤ人の奇怪な主張は現実に恐ろしい結果をもたらした。これは私が他のいくつか主要な歴史的出来事で指摘してきたパターンだ。2018年の記事で歴史的反ユダヤ主義に関するアルバート・リンデマン教授の非常に長い研究を参考に、特定の文化的傾向の存在と、それが時に不幸な結果をもたらすことを私は指摘した。
ロシアで急激に増加しているユダヤ人人口と統治当局との間の緊張関係を率直に描写する中で、賄賂や汚職や全般的な不正行為で知られるユダヤ人の悪名にリンデマンは触れずにいられない。法廷で偽証するユダヤ人の顕著な性癖が、司法の有効な運営に深刻な問題を引き起こしていると、あらゆる政治的背景を持つ多くの人物が指摘している。1913年に東欧系ユダヤ人の通常の行動を、非常によく似た言葉でアメリカの著名社会学者 E・A・ロスが表現している。「ユダヤ人の恥知らずな嘘や大げさな誇張の悪名高い傾向は、時として人間に恐ろしい結果をもたらすことがある。」
- アメリカのプラウダ:反ユダヤ主義の本質
Ron Unz • Unz Review• 2018年7月30日
これらの出来事について異なる視点を提供する数少ない欧米の主要YouTubeチャンネルの一つが、アンドリュー・ナポリターノ判事のチャンネルだ。このチャンネルは、主流メディアから完全に排除されているアメリカの一流学者や国家安全保障専門家やジャーナリストを招いている。彼らは多種多様なイデオロギー的、職業的視点を代表しているが、出来事の基本的現実については全員同意している。現実は、いわゆるメディアで伝えられているものとは大きく異なるのだ。
常連出演者の一人に著名政治学者ジョン・ミアシャイマー教授がいる。同教授は中国など数カ国への海外旅行から戻ったばかりだ。先週のインタビューで、アメリカや欧米諸国は依然メディア統制下にあるが、他の国々のメディアは、自分や他の出演者が主張する内容と非常に近い全く異なる物語を伝えていると教授は強調した。
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数十年前は、アメリカの世界メディアや強力なマインド・コントロール体制が地球を支配していたが、現在その影響力は急速に縮小しつつある領土の一部となり、イスラエルとガザの紛争に関する極めて不誠実な描写が、残された信頼性を著しく損なっている。
最後に、トルコのメディア企業が、2040年と、ほぼ全世界が傍観して何もしなかった間に起きたガザ民間人虐殺の25周年記念式典を描写した短いながら感動的映像を公開したことを指摘しておかなければならない。
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ローレンス・ウィルカーソン大佐はコリン・パウエル国務長官の首席補佐官を長年勤め、アメリカ政府のトップに近い立場で長年過ごしたが、インタビューでその映像を見せられた際、言葉に詰まり、冷静さを取り戻すのに数分間かかり、それから話を続けた。
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Bibliography記事原文のurl:https://www.unz.com/runz/the-total-madness-of-the-state-of-israel/
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イスラエルのイラン攻撃を報じるCNN見出しは偽りだ。
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そもそも紛争を始めたのは、イスラエルだ。
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