東ヨーロッパ・バルト諸国

2023年4月14日 (金)

東欧の視点

多くの人々がロシアの敗北を見たいと思っている
フィリップ・ジラルディ
2023年4月11日
The Unz Review

1970年代に私はバージニア州ウィリアムズバーグ近くのキャンプ・ピアリーにあるCIA中央情報局の主要訓練施設で、新しい作戦要員のための実践スパイ技術コースに参加していた。ピアリーは昔も今も「農場」と呼ばれているが最も基本的な意味でのみ畜産に従事していた。教官の一人はラドヤード・キップリングの詩の一部を教官室のドアに飾っていた。それにはこうあった。

鋤の下のヒキガエルは知っている

それぞれの刃先が落ちる正確な場所を

路上の蝶

ヒキガエルに満足を知れと説く

 一部の学生は自分たちを「ヒキガエル」と呼び始め、当局の期待に添うべく教官からの最悪事態を予想していたが、この教官は、海外に行く資格を得たいなら黙って一緒に付き合うよう言う蝶だと特定した。誰もがそれは自分の役割や地位の認識の問題で、学生は罰で辞任するか、更に酷い場合、ヒキガエルのように更に酷い目にあうと知っており、視点と期待が全く異なる教官は全て順調に進んでいると犠牲者たちに快く請け合った。

 国家安全保障問題には関与するヒキガエルや蝶が常にいるのは当然だが、何が重要か重大かについての認識は個人の生活や文化的経験によって異なる。別の言い方をすれば基本的見解はあらかじめ決められておらず塀のどちら側に立っているかに大きく依存する。

 ところで私は最近東ヨーロッパ7か国に立ち寄った3週間旅行から戻ってきた。旅の準備として私は様々な国の多数の現地ジャーナリストや政治家や学者との出会いを手配した。私が選んだ人々は一般的に、それぞれの国のより保守的な政党で活動している私自身の傾向を考えて私自身心地よくいられる範囲の人々を私が選んだ。私が本当に知りたかったのはウクライナでの戦争が国家エリートと一般市民両方に実際どう認識されているかということだった。

 私は自分の見解と同期する反応、つまり、戦争は回避可能だったが、ロシアと指導者ウラジーミル・プーチンを弱体化させるためイギリスとアメリカ両方から要求されたという反応を期待していた。紛争のあらゆるレベルに関与する全当事者が停戦と、戦闘を終わらせるための交渉を要求すべきことを。そしてこの瞬間も軍事力の使用を非難しながらも、ロシアには対処しなければならない正当な国家安全保障上の懸念があることを。

 私の対話者の反応にはいくつか差違があったが、ウクライナでの戦争は、人気がないにせよ、泥棒政治ではなくとも必要に応じ軍事力を使用して旧ソビエト連邦を再現したいプーチンの願望、独裁的だと繰り返し説明されたものを制限するため必要な措置だと考えられているとすぐに知った。私は二つのレベルで、この主張に精力的に反論した。第一に、ウクライナとの戦いが示したように、ロシアにはそのような狙いを楽しむための資源がないこと、第二に、ソビエト連邦の「悲惨な」崩壊に関連するプーチンのしばしば引用される発言はボリス・エリツィン下でその後起きたロシア資源の壊滅的略奪に明確に言及しているのだ。プーチンはワルシャワ条約機構を再現する憧れには言及していない。

 確かに、紛れもなく紛争の最前線にいて、通常関与を警戒すべき人々の反ロシア感情は私を驚かせた。ロシアと深い歴史的、文化的、宗教的つながりを持つセルビアでだけ、ウクライナ紛争に対する彼の同胞の見解は「五分五分」で、国の半分と指導者の何人かさえウクライナ防衛を支持していると主要ジャーナリストが私に言った。他の東ヨーロッパ諸国では視点は遙かに決定的に親ウクライナだった。あるチェコ共和国の学者はポーランドとスロベニア大統領が加わりウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領への個人的支持を誓約し始めキーウフを訪問したため彼の国の指導者を「英雄」と表現した。

 いくつかの出会いでウクライナへの傾倒の一層もっともらしい理由を聞かされた。彼らは、モスクワの中央集権的支配への復帰と、第二次世界大戦の結果、クレムリンが設立した共産主義政権下で採用された形の国政採用につながる可能性のある、この地域でのロシア支配復帰を阻止したかったのだ。彼らはロシアが東ヨーロッパやバルカン半島で支配的役割を果たせなくなるよう何であれロシアを弱体化させたいと考えているのだ。

 更に言えば、彼らは僅か30年以上前のソビエト連邦の崩壊以来経験している繁栄を手放したいのだ。東ヨーロッパのほとんどの国は現在高価なレストランや瀟洒なホテル、繁華街地域でイタリアやフランス・ブランド店舗が並んで目に見えて繁栄している。巨大なスターリン様式アパートが多くの都市部を汚しているのを見ながら、1990年代の問題にさかのぼる廃墟となった建物や正面の銃弾痕の証拠を農村部で見ても、印象は間違いなく高級だった。私は旅の途中あちこちでメルセデスやBMW、そして遙かに高級なマセラティスやランボルギーニ、更に何台かのベントレーやロールスロイスを含む他の場所で見たことのないほど高価な自動車を見た。住民が300万人未満のルーマニアの首都ブカレストでは150万台の自動車が登録されている。東欧中の通りや道路はジョー・バイデンのアメリカの多くの地域より良く維持されているのに私は気がついた。

 現在東ヨーロッパに暮らす多くの人々はソビエト共産主義の代理人が軍事介入(ハンガリー、チェコスロバキア)に支えられて支配した時代にさかのぼる経済的、社会的失敗の直接的な、ほとんど好ましくない記憶を持っているのに留意願いたい。そして若い世代は自由市場と比較的自由な選挙しか知らず両親が説明するような古い姿に戻りたいという傾向はさらに減る。これら全てがおそらく不可逆的なロシアに対する懸念につながるのだ。

 だから私には「ヨーロッパに出没する亡霊」共産主義のようなものへの復帰への恐れが優勢で、態度や視点を形作っているように見えたが、歴史的に言えば好む好まざるにかかわらず、共産主義はロシアを意味する。私は確かに特に現在、ロシアは選挙の自由やその他の基本的自由の点で少なくとも東ヨーロッパにほとんどに匹敵するので、破棄された社会経済的概念と関連する罪悪感の基準によって今のロシアを判断するのには反対だ。あるスロバキア知識人が仲間同胞の宗教を「彼ら全員異教徒だ」と私に説明したにせよ、この地域のほとんどの国で多数派の信仰である正教という共通の絆もあるのだ。

 したがってネオコンが主導する敵対的軍事同盟が世界最大の核保有国と対峙する取り決めより、ある種友好的な多国間関係が好ましいと示唆するのは合理的だ。しかし、とはいえ私の旅行は東ヨーロッパ人が歴史的現実に基づいてロシアが一体何なのかについて正当な懸念を持っている現実に目を開かせた。それは紛れもなく、NATO/西側の介入支持が増加している要因で、その文脈で、ポーランド、チェコ、スロバキア政府が、自国の兵器庫から引き出した武器をウクライナに提供する先導者だったことに注意する必要がある。ある時点で、誰もが正気を取り戻し、何万人ものウクライナ人やロシア人を殺すのは避けられない交渉による紛争解決を遅らせるだけの無意味な行為だったことに気が付くよう期待する必要がある。

 Ph.D.のフィリップ・M・ジラルディは、中東での、より権益にかなうアメリカ外交政策を検討する501(c)3の課税控除対象教育財団Council for the National Interest(連邦ID番号#52-1739023)事務局長。ウェブサイトはhttps://councilforthenationalinterest.orgで、アドレスはP.O. Box 2157, Purcellville VA 20134、電子メールは[email protected]

記事原文のurl:https://www.unz.com/pgiraldi/perspectives-from-eastern-europe/

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 The Jimmy Dore Show マクロンのもっともな発言。女性ドイツ議員はもっとまとも。

BOMBSHELL! French President Says France Is Done “Following” The United States

Since the end of World War II the United States has had a near stranglehold on Western European policymakers — compelling countries like the U.K., Germany and France to go along with American imperialist efforts in Africa, the Middle East and Asia. Now those virtual vassal states may be reconsidering their adherence to U.S. foreign policy as the U.S. empire begins to disintegrate while China merely gains in stature and influece on the global stage.

Jimmy and Americans’ Comedian Kurt Metzger talk to British politician and talk show host George Galloway about what will likely happen as the U.S. traditional European allies seek a better deal elsewhere.

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ウクライナにブラジルですら和平の動き。ロシアとウクライナの間の和平交渉を仲介するために、中国、インド、インドネシアを含む国のグループの創設を提案。更に元外相をモスクワに送り打診。日本って平和国家じゃないのか。間接的に戦争ヤレヤレ側についてる。

 日刊IWJガイド

「日本の新聞・テレビが今も取り上げないタブー! 元ジャニーズJr.の岡本カウアン氏がFCCJ会見でジャニー喜多川氏の性的虐待を告発!」

はじめに~日本の新聞・テレビが今も取り上げないタブー! ジャニー喜多川氏による性的虐待を元ジャニーズJr.の岡本カウアン氏がFCCJ会見で告発!『NHK』ディレクターの「もし大手メディアが報じていれば、ジャニーズ事務所に入らなかったか?」との質問に「大問題になっていれば、親も行かせなかったし、なかった」と回答!

【IWJ号外】を発行しました! シーモア・ハーシュ氏の新記事を仮訳! 米国と同盟国からのウクライナへの支援のうち、ゼレンスキー政権による横領は4億ドル以上! ゼレンスキー大統領を無条件で支援するバイデン政権と米情報機関の信頼関係は崩壊、さらに、米国内でもほとんど知られていない事実として、ウクライナの国境近くに米軍2個旅団(約2万人)がすでに集結!! NATOと手を組んで、ロシア軍と対峙するのか、米国政府と米軍の意図は不明!!

2023年3月15日 (水)

ジョージアで混乱を起こしてロシアに対する新たな戦線を開くアメリカ

2023年3月10日
Brian Berletic
New Eastern Outlook


 ワシントンがウクライナで対ロシア代理戦争を仕掛ける中、ロシア周辺の他のおなじみの紛争頻発地域が再び発火したのは偶然ではない。コーカサス地域の国ジョージアで、現政権を標的に、抗議行動を推進しているまさにその種のアメリカとヨーロッパの干渉を暴露し管理するこの目的とする透明性法案を妨害しようとする抗議行動が始まった。

 BBC記事「ジョージアの抗議行動:警察は抗議行動参加者を議会から押し戻す」で下記のように主張している。

 警察は、ジョージアの首都トビリシのデモ隊に対し2日目の夜、放水銃と催涙ガスを使用した。非政府組織やメディア組織が資金の20%以上を海外から受け取った場合「外国代理人」に分類する物議を醸しているロシア風の法律に群衆は怒っているのだ。

 記事はこうも言う。

 ロシアでも同様の法律が、報道の自由を厳しく制限し、市民社会を抑圧するため利用されてきた。「政府はロシアの影響下にあり、我々の将来にとって非常に悪いと思う」と抗議に参加した多くの学生の一人、リジーは言った。

 しかしBBCの「市民社会」は、ソ連崩壊以来、欧米の支援でジョージアで活動する反政府勢力のことを言っているのは極めて明白だ。欧米が支援する野党集団が自身アメリカ-ヨーロッパの影響力の産物なのに「ロシアの影響力」に不平を言うという皮肉を超えて、この抗議行動は、ワシントンやロンドンやブリュッセルの不当な影響力からジョージアが主権を守ろうとする試みを妨害しようとしているのだ。

 ジョージアのメディアや政治の場で外国からの資金提供を暴露するのを目的とした法律を可決するジョージア政府の動機に、BBCは疑問を投げかけようとしているのだ。

 記事はこう主張している。

 ジョージア・ドリームのイラクリ・コバヒゼ議長はロシアの抑圧的法律に似ているという法案批判は誤解を招くと述べた。「結局、騒ぎは消え、国民はNGOへの資金提供に透明性を得るだろう」と彼は述べた。

 しかしトランスペアレンシー・インターナショナルのエカ・ギガウリは、NGOは既に10の異なる法律の対象となっており、財務省は既に口座や資金、その他の情報を完全に入手できるとBBCに語った。

 一見して「トランスペアレンシー・インターナショナル」と呼ばれる組織が特に外国からの資金提供のような微妙なものに関し透明性の向上に反対するのは奇妙に思えるかもしれないが、アメリカ国務省、EU委員会、イギリス外務省を含むトランスペアレンシー・インターナショナル自身の資金提供先を見ると、この組織は具体的には実際の透明性を犠牲にして、欧米外交政策目的を推進するために存在していることが明らかになる。

 BBCが実際描写しているのは、2014年にウクライナを標的とし、その後ロシアが介入した進行中の紛争を引き起こした、アメリカが支援した政権転覆の取り組みの繰り返しというだけでなく、ジョージア自身へのアメリカ干渉行為の繰り返しでもある。

 繰り返される歴史

 早くも2003年、アメリカ政府はジョージアの政権転覆を支援した。

 ロンドン・ガーディアンによる2004年記事「キーウ混乱の背後にあるアメリカの活動」で、ガーディアン紙は、いわゆるオレンジ革命でのアメリカによるウクライナ干渉だけでなく、セルビアとジョージア両国のことについても語っている。

 記事はこう認めている。

...このキャンペーンはアメリカの創作で、欧米のブランド戦略とマスマーケティングで洗練された見事に考え出された行動で、四年間に四か国で不正選挙を行い、不都合な政権を打倒するために使用された。

 アメリカ政府に資金提供され組織され、アメリカのコンサルタント会社、世論調査員、外交官、アメリカ二大政党やアメリカ非政府組織を展開したこの作戦は2000年にベオグラードでヨーロッパでは最初に使用され、選挙でスロボダン・ミロシェビッチを打倒した。

 ベオグラードのアメリカ大使であるリチャード・マイルズが重要な役割を演じた。昨年までトビリシのアメリカ大使として、ジョージアでこの策略を繰り返し、エドゥアルド・シェワルナゼを打倒する方法をミハイル・サアカシュビリに指導した。

 2003年以降、アメリカはジョージアに兵器を注ぎ込み軍を訓練した。2008年までにジョージアは、2014年以降のウクライナに関するモスクワの国家安全保障上の懸念を多くの点で正当化する、不運で短い代理戦争でロシアを攻撃する。

 欧米諸国政府とマスコミ双方の多くが、2008年の紛争を"ロシアの侵略"として描き出そうとしているが、ロイターは2009年の記事「ジョージアがロシアとの戦争を始めた:EUが支援 報告」で次のように報じている。

 「委員会の見解では2008年8月7日から8日の夜ツヒンバリ(南オセチア)を重砲で攻撃して戦争を引き起こしたのはジョージアだった」と調査を主導したスイス外交官ハイジ・タグリアヴィーニは述べた。

 記事は更にこう書いている。

 ...調査結果はミヘイル・サアカシュヴィリ大統領下のアメリカ同盟国ジョージアの行動に特に批判的で、彼の政治的立場をさらに傷つける可能性がある。

 「アメリカ政府が組織した」政治干渉後に権力を握ったのはミヘイル・サアカシュヴィリだったとガーディアン紙が2004年の記事で認めている。

 再び代理になるジョージア:ワシントンはロシアに対し新たな戦線を模索している

 トビリシの多くの抗議行動参加者が抗議していると思っていることにもかかわらず、現実には、ワシントンは、ウクライナで推進している代理戦争の可能性を改善するためロシアに対して第二戦線を開こうとしているのだ。

 憶測とはほど遠く、まさにこの目的のためジョージアを利用することは「ロシアに手を広げさせる」と題する2019年のランド研究所の論文で詳細に説明されている。

 「ウクライナに致命的支援を提供すること」を含むロシアに手を広げさせ疲弊させるのを意図した他の措置の中には「南コーカサスの緊張利用」があった。

 論文は次のように説明している。

 ...アメリカは、ジョージアとアゼルバイジャンとのより緊密なNATO関係を推進する可能性があり、ロシアは南オセチア、アブハジア、アルメニア、およびロシア南部での軍事駐留を強化する可能性がある。

 ロシアが南オセチアやアブハジア、アルメニアや南ロシアでの軍事駐留強化を強いられれば、ウクライナから資源をそらせるとワシントンは期待している。

 この論文は更にこう説明している。

 ジョージアは長年NATO加盟を求めてきた。独立直後の1992年に北大西洋協力評議会に参加し、1994年に平和のためのパートナーシップ・プログラムに参加した。理論的に連合国はジョージアを加盟への軌道に乗せたが、2008年のロシア・ジョージア戦争はこの努力を無期限に保留した。しかしジョージアはNATOの野心を決してあきらめず、地中海、コソボ、アフガニスタンなどでのNATO作戦に参加している。ヨーロッパの反対がジョージアの同盟加盟を阻止した場合、アメリカは二国間安全保障関係を確立する可能性がある。

 もちろん、これは全てジョージアが従順なアメリカ傀儡政権に運営されていることに依存しており、それ自体がロシア国境沿いに不安定を生み出し、ロシアに圧力を加えるという同じ目的を果たしている現在の抗議行動を必要としているのだ。

 最近のBBC記事はジョージの抗議行動参加者が彼らの利益のために戦っていると示唆しているが、ランド研究所はアメリカによるロシアに対するジョージアの利用がどれほど壊滅的だったか明らかにしている。

 論文は次のように述べている。

 2008年8月分離主義者との和平協定破綻後、ジョージアは2つの半独立親ロシア州、南オセチアとアブハジアの飛び地をめぐり短期戦争を戦った。戦争はジョージアにとり悲惨な結果になった。ロシアは即座に介入し、最終的に両地域、間もなくジョージアの他地域も占領した。ジョージアはロシア介入からわずか8日後の2008年8月14日停戦協定に署名した。しかしロシア軍は南オセチアとアブハジアに留まり、いずれも独立を宣言している。

 同紙はトビリシがNATO加盟を追求すれば「ロシアが再び介入するかもしれない」とも警告している。

 アメリカ外交政策が国家、国民、政府と軍を乗っ取って完全な自滅への軌道に乗せたウクライナ同様、アメリカは、アメリカ政策文書が文字通り題名で述べている通り「ロシアに手を広げさせ」ようとロシア周辺沿いの他の国々を火をつけ焼き払おうとしている。これにはジョージアも含まれる。

 これに加えて、アメリカが支援する抗議行動参加者が「ロシアの影響力」について不平を言っているが、外国からの資金提供をより透明にするのを意図した法律に熱心に反対している事実は、アメリカと同盟諸国が国際法を支持しているのではなく、国際法に違反して連中の外交政策目標を推進する単なる煙幕にすぎないことを示している。

 Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/03/10/us-sparks-turmoil-in-georgia-to-open-new-front-against-russia/

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 クリス・ヘッジズ氏もハーシュのノルドストリーム爆破暴露について書いている。

The Chris Hedges Report Podcast with Seymour Hersh on how the U.S. blew up the Nord Stream pipelines and why the p…

 植草一秀の『知られざる真実』

警察検察断罪した大善文男裁判長

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

本年夏以降、下院を掌握の共和党がウクライナ支援に消極的なため、ウクライナの戦闘能力は後退するとみられる。この中、戦闘現場取材のWPはウクライナ兵の死傷者(12万人)の増大と武器不足でU軍は劣勢と報ずる。4月下旬―5月上旬U軍攻勢成果に疑義

2023年2月24日 (金)

NATO分裂を予兆するアメリカ主導「有志連合」

マイク・ホイットニー
2023年2月15日
Unz Review

 ノルドストリーム・パイプライン破壊は「ルールに基づく秩序」の中核にある癌を明らかにするギャング行為だった。世界最強の国が熟考や司法手続きなしで他国の重要インフラを破壊するのが可能な時に、どうして平和や安全があり得るだろう? ハーシュ報告が信頼できる場合、私は信頼できると思うが、バイデン政権の上級顧問と大統領自身が長年の友人で同盟国ドイツに対し意図的に産業テロ行為をしたと考える必要があるのだ。この行為へのバイデン関与が意味するのはアメリカは現在どの国がどの国と商取引できるか恣意的に決定する権利を主張していることだ。そして何らかの理由でエネルギー供給売買がワシントンの広範な地政学的な狙いと矛盾すれば、アメリカはそのような貿易を可能にするインフラを抹殺する権利があると考えているのだ。これがノルドストリーム爆破を正当化するため使われた理論的根拠ではないだろうか?

 シーモア・ハーシュはノルドストリーム破壊行為の加害者を暴露して世界に貢献した。彼の暴露は当事者を特定するだけでなく、彼らがその行為に対し責任を問われるべきだと考えている。しかし近い将来徹底的調査が行われるとは期待できないが、攻撃の規模は、一極モデルが道徳的に受け入れられる結果を生み出せるという信念に固執する人々にとって「目覚め」の呼びかけだったと考えている。事件が示しているのは一方的行動は必然的に弱者や無防備な人々に対する犯罪的暴力につながるということだ。バイデンの秘密作戦はヨーロッパの全ての男性、女性、子供を傷つけた。それは本当の悲劇だ。ハーシュの最近インタビューの引用は次のとおりだ。

 「この物語は、アメリカ人を戦争支持に結集する大統領の能力を破壊する可能性があると思う。なぜならそれは実に暗く非アメリカ的なものだから。これは我々ではない。我々は我々のことを話しているのではない。諜報機関員とCIA連中の集団だ」 シーモア・ハーシュ 2:29分

 彼は正しい、そうだろう? バイデン政権は、これら暴露が国民に与える影響を大幅に誤算している。評判への打撃だけでも甚大だろうが、多くの批判者が戦争を見るプリズムとしても利用される。実際それが既に起きているかもしれない兆候がある。日曜ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ワシントンの戦争の本当の狙いは単にロシアを"弱体化"させ最終的にロシアを細かく分裂させることではなく、ドイツとロシア間の分裂を強制することだと確認した。彼が土曜日に言ったことは下記のとおりだ。

 ラブロフによれば、ロシアとドイツが過去20-30年間「あまりに良く」協力し、ロシアの資源とドイツの技術に基づいて強力な同盟を確立したとアメリカは判断したのだ。

 「それは多くのアメリカ企業の独占的地位を脅かし始めた。したがって、なんとかそれを台無しにする必要があったのだ。文字通り」と外務大臣は述べた。

 「ここにはロシアとドイツ間で起きたような国家間の友情や国家間の和解や、世界のどこであれ自ら宣言した主要覇権国アメリカと競争する国が決してあってほしくない人々にとって目障りだという事実と関連する側面がある。」とラブロフは付け加えた。 (「ラブロフは、アメリカ当局は本質的にノルドストリーム爆破がアメリカの仕業だったと認めていると言っている」タス)

 この紛争はドイツとロシアの経済統合が世界秩序におけるアメリカの支配的役割に深刻な脅威をもたらすことに気づいたワシントンの外交政策専門家によってでっち上げられたという我々の見解をラブロフ発言は補強する。パイプラインは二つの大陸を結びつけ、最終的に世界最大の自由貿易地域になる経済コモンズをもたらす重要な動脈だったのでノルドストリームがアメリカによる攻撃の主要標的になったのはそのためだ。これがワシントンが最も恐れていたことで、それがバイデンと仲間がドイツとロシア間の経済関係強化を防ぐためにそうした必死の措置を講じた理由だ。要するにノルドストリームは一極世界秩序の終わりを意味したのでノルドストリームは破壊されなければならなかったのだ。


 この精巧な理論を拡張する代わりに、少々時間を取って、ハーシュの影の「情報源」について何か理解できるかどうか見てみよう。質問形式でさせて頂きたい。

 なぜシーモア・ハーシュの情報源はバイデン政権によるノルドストリーム・パイプライン破壊行為について詳細で極秘な情報を彼に提供したのだろう?

  • a. 情報源は戦争努力を覆しアメリカに深刻な損害を与えたかったクレムリンの手先だ。
  • b. 情報源は民主主義と自由を嫌うアメリカ嫌いの「共産主義者」だ
  • c. 情報源は自分自身、家族、彼のキャリア、彼の自由を危険にさらすのを楽しんでいるアドレナリン中毒者だ。
  • d. 情報源はノルドストリーム破壊に関する情報を明らかにすることでネオコンがアメリカをロシアとの壊滅的戦争に導くのを防げると考えた憂慮するアメリカ人だ。

 「d」を選択された場合は、正しい解答なのでご自分を褒めて頂きたい。正しい心を持つ人の誰であれ国が重大な危険にさらされていると思わない限り、ハーシュの情報源が取ったようなリスクを冒すことはない。そしてネオコンが計画している将来のエスカレーションがわからないので、その危険が何かさえまだわからないことに留意願いたい。たとえばロシア領をより深く攻撃するため使用されるF-16と長距離ミサイルを提供するアメリカ計画が既に進行中の可能性があるネオコンは"偽旗"作戦の一環として、ウクライナで核兵器を爆発させたがっているかもしれない。あるいはバイデンはウクライナ東部の戦闘作戦でアメリカ特殊部隊と一緒に戦う「有志連合」(イギリス、ポーランド、ルーマニア)を組織することを計画している可能性がある。これらの進展はいずれも核武装したロシアとの直接衝突の可能性を高める敵対行為の深刻なエスカレーションだ。ジョー・バイデン自身の言葉を借りれば「それは皆が第三次世界大戦と呼ぶものだ」。

 彼は正しく、それは第三次世界大戦で、それがハーシュの情報源が彼にノルドストリームに関する不都合な情報を提供する勇気を奮い起こした理由を説明するかもしれない。彼は世界が核絶滅への道を進んでいると信じていたのかもしれず、彼は我々のために自分の命を危険にさらしたのだ。「彼ほど偉大な愛はない」。

 そして自分自身を危険にさらしたのは情報源だけではない。ハーシュ自身も起訴されかねないのだ。実際ハーシュが彼ほど広く尊敬されていなかったら彼はおそらく今ジュリアン・アサンジと独房を共有していただろうと私は主張したい。結局アサンジがしたこととハーシュがしたことの違いは一体何だろう?

 ハーシュの輝かしい評判が彼を「手出しできない」人物にしている(と我々は願う)事実以外はさほど多くはない。

 いずれにせよ、記事の背後にある動機が核ハルマゲドンを防ぐことであった場合、我々は彼らの勇気と無私無欲に非常に感謝する。

 それでも記事を推進する我々が検討する価値がある他の動機があったのかもしれない。少々の間ハーシュの情報源が近い将来のネオコン計画に関する情報を持っていると想像してみよう。言い換えれば、ノルドストリーム破壊行為だけがハーシュ報告の主な原動力ではなく、水平線上にある他の不吉な計画、つまり未曾有な深刻さの大惨事を引き起こす可能性がある軍事的エスカレーションであった可能性は十分にある。

 先に述べた通り、そのような計画にはF-16と長距離ミサイル、または核の「偽旗」作戦が含まれる場合もあれば、バイデンがウクライナ東部での戦闘作戦でアメリカ特殊部隊と共に戦う「有志連合」を組織する可能性もある。ウクライナでのアメリカ戦闘部隊はロシアとの直接の衝突を事実上避けられないものにするだろう。それはネオコンが望んでいる次の世界大戦への軌道にアメリカを乗せるだろう。残念ながら、これが最も可能性の高い短期的シナリオだと私は思う。ウクライナでロシアと直接交戦すべく組織されたアメリカが支援する連合の形成だ。バイデン大統領のポーランド訪問に関するカリーヌ・ジャン・ピエール報道官の声明は下記の通りだ。

 2月20日から22日までジョセフR.バイデン Jr.大統領がポーランドを訪問する。彼はポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領と会談し、二国間協力と、ウクライナを支援し、NATOの抑止力を強化するための共同の取り組みについて話し合う。彼はまた我々の東側のNATO同盟国集団であるブカレスト・ナイン(B9)指導者と会い同盟の安全に対するアメリカの揺るぎない支持を再確認する。さらにバイデン大統領はロシアの残忍でいわれのないウクライナ侵攻の一周年に先立ち、ウクライナの人々が自由と民主主義を守るためアメリカが世界をどのように結集させたか、我々がウクライナの人々を支持する方法について話す。(ワシントンDC、ホワイトハウス)

 公式声明で述べている通り、バイデンはポーランド大統領と「ウクライナを支援するための集団的努力」について話すだけでなく、アメリカとポーランドの「二国間協力」についても話し合う予定だ。しかしバイデンはより多くの武器以外に一体どのような二国間協力を望んでいるのだろう? 戦闘部隊? それがバイデンが求めているものだろうか? ウクライナの大きな犠牲者を穴埋めするため連合は現地に兵士を送るのだろうか? ここにNotes From Polandと呼ばれるウェブの記事がある。ポーランドは採用目標の急激な増加を発表した。当然ながら、この記事はポーランドが一年以内に軍隊規模を2倍以上にするつもりの理由を説明していない。

 来年ポーランドでの軍事演習に最大20万人が集められる可能性があり、その中には軍務に申請したことは一度もないが「有用な技術」を持っていると見なされる人もいる。演習は最大90日間続く可能性があり、参加しなかった場合懲役または罰金が科せられる。

 召集される対象の人々は19歳になった全ての男性が義務的に健康状態と兵役の適合性が判断されるいわゆる軍事資格に合格した55歳以下の人々だ。

 ポーランドは来年「貪欲な帝国ロシア」から守るため防衛費をNATO最高レベルのGDPの3%に増やす予定だ。

 新しい国土防衛法は軍隊に服務する兵士の数を二倍以上にする https://t.co/KlEA1cHOo Notes from Poland(@notesfrompoland) 2022年3月19日

 2009年までポーランドは男性に兵役を義務付けていたが完全に専門的な軍隊のため兵役は廃止された。しかし近年ロシアの脅威の高まりにより政府は軍隊規模と強さを増やそうとしている。

 2017年、新しい領土防衛軍が設立された。今年の国土防衛法は現在の143,500人の軍隊から兵士規模が倍増することを見越している」(「来年最大20万人のポーランド人が軍事訓練に召集される」Notes From Poland)

 このポーランド軍の突然の拡大は単なる偶然として見過ごすよう期待されているのだろうか、それともウクライナへの将来の軍隊配備に関し、ワシントンと既に合意がなされている可能性が高いのだろうか?

 ホワイトハウス声明によると、バイデンは冷戦終結後にアメリカ主導軍事同盟の一部となった東ヨーロッパのルーマニア、ポーランド、ハンガリー、ブルガリア、チェコ共和国、スロバキア、およびエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国が含まれる9つのNATO諸国の集団「ブカレスト・ナイン(B9)の指導者とも会う」予定だ。9カ国全てかつて崩壊したソビエト連邦と密接に関係していたが後に民主主義の道を選んだ。ルーマニア、ポーランド、ハンガリー、ブルガリアはソビエト連邦が率い現在は解散しているワルシャワ条約機構の軍事同盟の元加盟国だ。確認願いたい。

 B9の全メンバーはNATOの一部で(全て)2014年以来ウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ侵略に批判的だった。昨年NATOは新たな戦略概念を採択したが、全ての同盟国がロシア連邦は同盟国の安全とユーロ大西洋地域の平和と安定に対する最も重大な直接的脅威であることに同意した。今ビリニュス・サミットに向かう中、同盟がこの脅威に立ち向かう準備を十分に整えていることを確認する必要がある。」 (「ブカレスト・ナインとは誰か、NATOの東部側面部隊?」インディアン・エクスプレス)

 反ロシア軍。それが彼らが作りたいものだろうか?

 確かにそう見える。

 我々は「モグラ塚の山」を作っているのかも知れない。確かにその可能性がある。だがロシア軍が接触線に沿ってあらゆる前線で前進している今、絶望的なネオコンが何か巨大なことをするに違いないと我々は考えている。実際我々はそう確信している。ラリー・ジョンソンのウェブ「The Son of a New American Revolution」の記事からのクリップを確認願いたい。

 さて悪いニュースだ。バイデン政権とヨーロッパ同盟諸国はウクライナ戦争で大規模軍事行動の準備をしているか、何か悪いことが起きるのを知っているのだ。おそらくベラルーシで。外国人がベラルーシとロシアから素早く立ち去るよう警告が出されたばかりなので。

 フランス外務省は国民にベラルーシから遅滞なく去るよう促した。

 カナダは現地法の国民に恣意的適用のリスクやウクライナでの戦争のためベラルーシを直ちに離れるよう奨励する。カナダ外務省。

 月曜日、特にアメリカ人に対する嫌がらせと不法拘留のリスクを理由に、隣国ウクライナに対するロシアの戦争が続く中、アメリカはアメリカ市民に直ちにロシアを離れ、同国への旅行をやめるよう指示する最高レベルの勧告を出した。

 「ロシア軍によるウクライナへのいわれのない本格的侵略の予測不可能な結果、ロシア政府治安当局による嫌がらせの可能性や拘留のためのアメリカ市民選出や現地法の恣意的執行やロシアに出入りする飛行便制限があり、ロシアのアメリカ市民を支援する大使館の能力が限定されておりテロの可能性のためロシアに旅行せぬように。」と警告にある。

 私は偶然を信じない。これは協調行動でロシアとベラルーシの状況が近い将来危険になることを示している。もしかしたらアメリカがロシアとベラルーシでテロ攻撃を実行するためイスラム過激派を訓練しているのと関係があるかもしれない」(「シーモア・ハーシュが話し、NATOはウクライナ戦争エスカレーションを警告?」Son of a New American Revolution)

 それが実現するかどうかわからないが何かが進行中だ。しかし留意願いたい。公式言説が実際本当で、ウクライナ軍が戦争に勝っている場合、テロ攻撃や偽旗攻撃または追加戦闘部隊は必要ないはずだ。しかしそれは起きていることではない。ウクライナ軍はひどく負けている。実際彼らは長期戦闘を維持するのに十分な弾薬備蓄さえない。ロイター記事は下記のとおりだ。

 「NATOは加盟諸国にウクライナでの戦争でひどく枯渇した弾薬備蓄を増やすよう要請すると予想されている。キーウ軍が毎日最大10,000発の大砲を発射しているウクライナへの送付のペースは欧米の在庫を枯渇させ、サプライチェーンの効率、速度、人員の穴を露呈させた。

 「ヨーロッパがロシアと戦えば数日で弾薬を使い果たす国もある」とあるヨーロッパ外交官がロイターに語った。ウクライナでの紛争により備蓄は更に減少している。何十年にもわたる政府注文の減少により多くの生産ラインが消滅した後、生産を迅速に増やすために必要な産業能力の不足に戦争は脚光を当てた

 「来年中に備蓄レベルが大幅に増加するとは必ずしも思わない」とNATO当局者は述べた。「我々が持っている追加備蓄はウクライナに向かうだろう。」(「戦争が備蓄を使い果たすにつれNATOは軍需品備蓄目標を引き上げると予想される」ロイター)

 敵と戦う十分な弾薬なしで、どうやって国をロシアと戦争させるのだろう?

 無能さは気が遠くなるほどだが、短期的な問題ではない。欧米諸国は「大規模高強度戦争」に必要な物資と装備を提供するための産業基盤をもはや持っていない。能力構築には何年もかかる。その間戦争は装備の整ったロシア戦闘部隊に決定され、彼らは、あらゆる場面で益々人数で負け、武器の量でも負けているのに気づいて意気消沈しているウクライナ人を粉砕し続けるだろう。これはイギリスのテレグラフ記事からのものだ。

 「2022年後半にハルキウとヘルソン周辺でウクライナの主要戦闘が成功した後、ロシアが攻撃に戻ったため、これまでも血なまぐさい戦争だが、過去数週間更に血なまぐさいもので、双方非常に大きな犠牲者を出した。事態は更に悪化すると予想願される

 ロシアは30万人以上の「遙かに多く」、おそらく最大50万人の兵士を動員しており、彼らは今後数日から数週間で大規模攻撃になると予想されるものに備えウクライナに流れ込んでいるとウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相は述べている。キーウも軍隊を増強し、欧米から送られた最新装備を配備しているが、プーチンは一年前に侵略した時より兵員数で遙かに大きな優位がある。ロシアが砲弾が不足しているという楽観的報道が繰り返されているにもかかわらず、この紛争の戦いの勝者、プーチンの戦争備蓄は膨大で、彼の工場は更に多く大量生産するため24時間稼働している。

 昨年末の時期には、圧力下で、ロシアは東部のウクライナ人を粉砕して抵抗力を弱め、計画している強烈な一撃のため資源を大量に集め、軍隊を強力な陣地に撤退させ、来る攻撃のため占領地と時間を交換した。

 今まで欧米の物語はウクライナがこの戦争に楽々勝っているというものだ。現実はもっと複雑だ。真実はウクライナに対する新しい戦闘装備、特に長距離ミサイルや戦車や他の装甲車両の最近の約束は、キーウが予想する日程でプーチンが攻撃を開始した場合、この戦闘に影響を与えるのに間に合うよう実現する可能性は低い。

 したがって今後数週間ロシアのかなりの前進に備える必要がある。我々は物事がどれほど悪いことになり得るかについて現実的になる必要がある。さもないと衝撃は欧米の決意をそぐリスクがある。昨年の夏と秋にはウクライナの成功によってヨーロッパとアメリカの一部で支持が活気づけられたため逆のことが起きた。」(「ウラジーミル・プーチンは衝撃的前進をしようとしている」、イギリス、テレグラフ)

 そしてこれはニューヨーク・タイムズのものだ。

 疲弊したウクライナ軍はロシアが新たに動員した約20万人の兵士の大部分を投入する前でさえ既に員数で負け、兵器の量で負けていると不満を漏らしている。そして病院の医師は恐ろしい怪我をした兵士の世話で苦労しており損失が増えていると語っている。
...
 ロシア攻撃の最初の段階は既に始まっている。ウクライナ軍はロシア軍が夏以来占領しようとしているウクライナ東部の都市バフムートが間もなく陥落する可能性が高いと述べている。他の場所でもロシア軍は小集団で前進しウクライナの弱点を探して最前線を偵察している。

 12か月近くの激しい戦闘で既に疲弊しているウクライナ軍にこの取り組みは負担をかけている
...
 ウクライナ軍の損失は深刻だ。ネフスケの近くに配置されたカルパティア・シーチと呼ばれる志願兵部隊は、彼らの集団の戦闘員約30人がここ数週間で死亡したと述べ、兵士たちは、冗談でほぼ全員脳震盪を起こしていると言った。

 ドンバスのある最前線の病院の霊安室は白いビニール袋に入ったウクライナ兵の遺体で一杯だった。別の病院では金色の防寒用毛布で覆われた負傷兵を乗せた担架で廊下が一杯で、ほぼ一日中救急車が正面に絶え間なく到着した。」(「人数で負け、疲弊した東部のウクライナ人、ロシア攻撃に備える」ニューヨークタイムズ)注:Moon of Alabalaから借用

 そして、ニューヨーク・タイムズからのもう一つの抜粋だ。

 問題はウクライナが戦争に負けていることだ。我々が知る限り兵士の戦い方が拙かったり人々が失望したりしているためでなく、戦争が第一次世界大戦風の消耗戦となり、入念に掘られた塹壕と比較的安定した前線になっているためだ。

 そのような戦争は実際第一次世界大戦がそうであったように人数と産業資源が最も長く持ちこたえる側が勝つ傾向がある。ロシアはウクライナの3倍以上の人口と無傷の経済と優れた軍事技術を持っている。同時にロシアには独自の問題がある。最近まで兵士不足とミサイル攻撃に対する武器庫の脆弱性により西方への進撃が遅くなっていた。双方に交渉のテーブルに着く動機がある」(ロシアとウクライナには交渉する動機がある。アメリカには他の計画がある」ニューヨーク・タイムズ)

 おわかりだろうか? 戦争は間違いなくしばらく続くだろうが結果は今や確実だ。そして東部で締めなわがきつく締まり、成功の見通しがますます遠くなるにつれ、ネオコンは更に絶望的で無謀で暴力的なことをするに違いないと思う。次の動きはウクライナの戦場でロシア軍に対しその場しのぎのアメリカ主導の軍隊を戦わせて、消極的なNATO同盟国を限界点に押しやる有志連合(イギリス、ルーマニア、ポーランド、アメリカ)を構築する試みだと予想する。あらゆる無謀な行動でアメリカ政府はNATO内での重大な分裂の可能性を高め、ヨーロッパに対するワシントンの完全支配を終わらせ新秩序の基礎を築くだろう。

記事原文のurl:https://www.unz.com/mwhitney/a-us-led-coalition-of-the-willing-foreshadows-the-splintering-of-nato/

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 さすが中国国際電視台英語TV、ノルドストリーム爆破問題を取り上げている。

The Point Special: U.S. behind Nord Stream sabotage 29:06

 属国民洗脳工作の見事な結果、世論調査に現れる。

反撃能力保有 74%が肯定的

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

プーチンへの支持。西側はロシア国民の支持が減と指摘するが、事実は逆。反プーチン発言には厳しい罰。「プーチン戦争に対するロシアの支持は強まっている」(ブルムバーグ)。早期終結が敗北を意味するなら、戦争の早期終結を望む者は.5分の1だけ。

 日刊IWJガイド

「シーモア・ハーシュ氏が新記事で米国とノルウェーの秘密共同作戦史を暴露! ノルドストリーム爆破の起源はベトナム戦争のトンキン湾事件!」

はじめに~米国によるノルドストリーム爆破を暴露したシーモア・ハーシュ氏が、新たな記事で米国とノルウェーの秘密共同作戦の歴史を暴露! ノルドストリームの爆破は、ベトナム戦争の開戦時の口実である偽旗作戦のトンキン湾事件が起源だった! 歴史は繰り返すのか!?、とすれば再び米国政府は自らの「罪」を認めることになるのか!

2022年12月 4日 (日)

ウクライナ戦争-論争の的になっているポーランドの墓地

2022年11月28日
Moon of Alabama

 独立したポーランド・ニュースサイト、Niezaleizny Dziennik Politycznyにウクライナでの戦争におけるポーランドの損失についての興味深い記事がある。

 私はこの報道の信憑性を確認できないが、少なくとも2014年以来、このサイトは規則的に毎日1いくつかのニュースや論評を発表している。それは現在ポーランドの保守的な法と正義党率いる政府に反対のように思われる。

 下記はポーランド語文章を機械翻訳したものだ。

 恥ずべき最期。ポーランド人傭兵用のアメリカ区画

 11月初旬に地域メディアはオルシュティンにアメリカ戦没者墓地に似た墓地を作る計画を発表した。この報道はこの都市の住民にも全国的にもポーランド人の憤慨の波をひき起こした。「これがポーランド人共同墓地か? 我々は文化が違う」市議会の奇妙な発想に憤慨したソーシャル・メディア・ユーザーはこう反応した。
・・・
 ディヴィティ市営墓地はオルシュティンの主要共同墓地で面積35ヘクタールだ。まもなくそれがアメリカの戦没者墓地のようになるため今やポーランド中大騒ぎだ。それはアメリカ映画のものと同じでなければならない。同じ墓石が並ぶ広い芝生。樹木もベンチも故人にかがむ天使もない。墓石は同じで色が違うだけだ。業者は三色しか用意していない。黒、灰色、赤褐色。

 オルシュティンでアメリカ墓地を作る主な理由はこの地域での埋葬が主に兵士の墓で劇的に増加しているためだ。

 この状況は第16ポメラニア機械化旅団が駐屯しているオルシュティン市当局にとって大問題となっている。弔砲が伴うほぼ毎日の軍葬が住民をいらだたせ始め市当局や第16旅団司令部への多数の問い合わせをもたらしている。この問題が更に広まるのを避けるため、当局は別途「アメリカ風」墓地を作ることに決めた。
・・・
 今年2月ウクライナで戦争が始まった後アンドレ・ドゥダ大統領とマリウシュ・ブワシュチャク国防大臣は公式に傭兵に合流しキーウ政権側で戦うようポーランド人に呼びかけた。出征兵の中には第16機械化旅団の職業軍人や地域に暮らすこの部隊の退役軍人がいた。

 公的な情報によれば10カ月の血まみれの戦いで第16機械化旅団の兵士や退役軍人を含め1,200人以上のポーランド人がウクライナで亡くなった。負傷したり体が不自由になったりした人々の数は数千人にのぼる。

 戦争状況次第で変化する可能性はあるが負傷者数はおそらく死者数の3倍だ。それはウクライナでポーランド分遣隊の総計約4800人の兵士が負傷したか死亡したことを意味する。それはウクライナにいるポーランド「傭兵」軍の3分の1だろうか? それ以上だろうか? あるいはもっと少ないのだろうか?

 我々には分からないがオルシュティンの第16機械化師団の非常に多くの正規兵が参戦するよう「要求された」と私は思う。師団は一つの機甲旅団と二つの機械化旅団と補助員で構成されている兵士15,000人の部隊だ。

 ポーランド墓地のスタイルはヨーロッパのカトリック国に典型的だ。樹木、個別の墓、精巧な墓石、ろうそくと花。


情報源 拡大する

 ポーランド人々が「アメリカ」風戦没者墓地計画が気に入らないのは理解できる。

 彼らのために当局は「特別な名誉」を用意した。オルシュティンには統一区画が作られている。墓石の大きさは二種類ある。より大きいもの(1メートル×1メートル)は士官の墓、より小さいもの(60センチ×60センチ)は兵士の墓だ。墓石を立体で覆ったり小石を撒いたり花を植えたりはできない。墓の周囲に芝だけ植える予定だ。このような不名誉な最期がウクライナで死んだ傭兵を待ち受けている。

 オルシュティンだけでこのような埋葬場所が1,700ある。政府プロパガンダの虚偽の約束を信じた多くのポーランド人は法と正義党政権の挑発的外交政策の犠牲になるだろう。

 ポーランド兵士死者数1,700人という計画で1,200人が既に埋葬されたが一層強化された長びく戦争に兵士が参戦するのをポーランド政府は期待しているように思われる。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2022/11/ukraine-war-a-contentious-graveyard-in-poland.html#more

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

米中は「技術経済冷戦」。半導体規制が主戦場。対中規制でファーウェイのスマートフォン出荷で世界第2位から第10位に落ち込む。中国は自国製造能力を強化策が次第に効果を持ってきている。中国の自国能力拡大で長期的に米企業は販売先を減少させる

 宗主国による命令で醜の御楯化が益々急速化。自国民の命より宗主国軍事政策優先。

 デモクラシータイムス

ミサイル増税という戦争準備 逆噴射始めた岸田政権 WeN20221203 1:43:05

 The Duranも石油価格設定という理不尽な方針を批判している。

EU bad moves, oil price cap. Russia big moves, gas union 27:25

 日刊IWJガイド

「EU、G7によるロシア産原油価格上限措置は1バレル=60ドルで合意! 中国、インドの参加見通せず穴だらけ! サハリン2は適用除外!」

はじめに~EU、G7、オーストラリアによるロシア産原油価格上限措置1バレル=60ドルは12月5日から発効! 最後まで30ドルにしろと粘ったポーランドはこっそり地上パイプラインでロシア産石油を供給するようロシア企業に申請、ロシア副首相は「馬鹿げた演劇」と揶揄! 米財務省は「プーチンの主要な収入源を制限し、世界のエネルギー供給の安定性を維持する」と鼻高々、しかし、専門家は「ロシアの石油収入を削減する効果は薄い」と低評価。中国、インド、インドネシアなどのアジア諸国の価格上限への参加が見通せず、抜け穴だらけ! そんな中、日本がロシアから輸入する唯一の「サハリン2」は原油価格上限措置から除外

2022年7月11日 (月)

元ポーランド大統領、ロシア人口削減を示唆

欧米はロシア「政治制度」を変えるか大衆蜂起を扇動すべきとレフ・ワレサは考えている

2022年7月10日
RT

 金曜日、フランス放送局LCIに、ロシアは本質的に「帝国」であり、常に「人々を併合し続けよう」と努めているので、現代ロシアが存在する限り世界は決して安全ではない、と元ポーランド大統領レフ・ワレサが述べた

 たとえ欧米諸国がモスクワとの進行中の紛争で勝つべくウクライナを支援しても、それだけでは世界を安全な場所にするのに失敗すると言い、ワレサは、国際社会は、更に「5年でロシアが関与する紛争を見るはずだ」と付け加えた。彼は欧米当局者やメディアに、益々独裁的指導者として描かれるロシア大統領ウラジーミル・プーチンに言及して、「10年で、もう一人のプーチンが出現するだろう」と付け加えた。

 そのような進展を避けるためには、欧米はロシアでの政治体制変化を強制しなければならない」と元ポーランド大統領は考えている。もしそれが不可能と分かったら「蜂起を計画する」ことが、もう一つの選択肢だろうと彼は述べた。

 更に読む ロシア-ポーランドの不和を、ヨーロッパはアメリカは利用すると、冷戦後、初代ポーランド大統領ワレサがRTに語る

 ワレサによれば、ロシアには依然「今のウクライナ人のように併合された[併合されている]60の民族がいる。」ロシア国民を「5000万人以下に」減らすためには「それらの人々を行動にかき立てる必要がある」と元大統領が、現代ロシアの強制的崩壊の可能性を指して述べた。2021年に行われた最近の人口調査によると、ロシア人口は現在約1億4700万人だとロシア連邦国家統計庁Rosstatが4月に述べた。

 ポーランドの社会主義政府を崩壊させた連帯運動の共同創設者だったワレサは、欧米は「ロシアを崩壊させる」べきだったが、それは最終的に、最後のソ連指導者ミハイル・ゴルバチョフの肯定的イメージのため失敗し、機会を無駄にしたと主張した。

 「我々はロシアを崩壊させるべきだった。だが、ゴルバチョフはあまりに賢明だった。当時、我々は言っていた。「スターリンやブレジネフがいたが、ゴルバチョフは良い」。ワレサが「それは我々の当時の過ちだった」と補足して言った。元ポーランド大統領によれば、ロシアは困難な時期を「過ぎ去るまで待ち」「彼らが何世紀もしたように乗り切り、彼らの帝国に人々を併合し続ける」ことが可能だった。

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 反共産主義者でノーベル平和賞受賞者の元ポーランド大統領ワレサ、共産党秘密警察とのつながりを否定して投獄に直面

 欧米には、それ自身の権益があり、影響力と権力を行使しようと努めているが、「民主的な方法で」そうするといって、元ポーランド大統領はNATOとEU拡大を擁護した。

 「今二つの体制がある。人々の承認を得ることで拡大を望む民主主義国とNATOと、旧来の併合という古い方法を行使するロシアと中国だ」と彼は述べた。

 1990年から1995年まで大統領だったワレサは、最近ロシアの最も厳しい批判者の一人になった。2月初旬、ウクライナでのロシア軍事作戦開始前でさえ、元ポーランド大統領は、ウクライナに対するロシア攻撃に対する「即座の対応」として、世界に「動員」を求めた。当時彼はロシアによるキエフ攻撃には「モスクワ攻撃」で対応すべきだと述べていた。

 2月初旬、ワレサはまだロシアを「問題がある」「偉大な国」と呼んでいた。彼は「大変プーチンを尊敬し、彼を支持していた」とも認めた。

 皆様、ソーシャルメディアでこの記事を共有願いたい。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/558739-walesa-russia-uprising-reduce-population/

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 Sakerが復活した。この種攻撃、新たな形の戦争の一環だと書いてある。

 デモクラシータイムス

現地報告 専制国家と民主主義国【米中のはざま どうする!日本】20220706

 習近平支配下の香港政治の様子を聞いていると、まるで我が身。金融窓口としての香港には及びもつかないが。

2021年10月12日 (火)

サアカシュヴィリは今なぜジョージアにいるのか?

2021年10月6日
ウラジーミル・プラートフ
New Eastern Outlook

 様々な犯罪のかどで2度有罪を宣告されたジョージアから逃亡し、8年亡命生活をした後のミヘイル・サアカシュヴィリの劇的帰国は、このカフカスの国だけでなく、多くの注目を引き付けた。40以上の政党が参加する現地の選挙直前、彼がジョージアに現れた瞬間-この政治家の逮捕と、ジョージアの首都近くにあるルスタヴィ拘置所への移送が、この事件に趣を添えた。

 ジョージア検察当局によれば、違法に国境を越えたかどで、法執行機関は、サアカシュヴィリを捜査している。サアカシュヴィリは銀行家サンドロ・ギルグヴリアニ殺人事件とヴァレリー・ゲラシビリ議員殴打のかどで、不在のまま有罪宜告されたことが知られている。彼は前者の事件で三年、後者の事件で六年の禁固刑を宣告された。サアカシュヴィリは反政府集会を追い散らし、Imedi TVを潰し、国家予算財源を横領した事件でも被告だ。ミヘイル・(ミへコ)サアカシュヴィリは、これら有罪判決のため合計9年の禁固刑に直面している。だが他の刑事事件はまだ未決で、提訴されておらず、彼は更に多くの判決を受けるかもしれない。

 サアカシュヴィリは旧ソ連での「カラー革命」における積極的関与で良く知られている。この国がワシントンの要請でロシア国境で武力挑発を実行するミへコの試みに続いて、不名誉な「ロシアとの戦争」をした際、2004年から2013年までジョージアを率いていた。退職後、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチが2014年に打倒された後、ウクライナで政治に関与する前、サアカシュヴィリは、しばらくの間ブルックリンに住んでおり、彼は決して徹底的なアメリカ支援で、キエフで要職についた唯一のジョージア政治家ではなかった。

 10月1日、ジョージアのサロメ・ズラビシュヴィリ大統領は、ミヘイル・サアカシュヴィリの拘留に関し声明を発表し、彼を恩赦する可能性を排除した。彼女は、決してサアカシュヴィリ支配下で苦しみ「公正に裁かれる日を待ちながら、それを見るまで生きられなかった」人々の目を忘れないことを認めた。彼女は自身が「人権や自由な事業や法律を踏みにじり、権力を維持するため人の健康と生活を犠牲にした」サアカシュヴィリ政権と戦っていたことを想起した。

 ジョージアのへのサアカシュヴィリの帰国は、彼の在職当時同様、「政治的演劇」のように見えたとニューヨーク・タイムズさえ指摘した。特に、前大統領は、今彼の政敵に支配されているジョージア政府を公然と馬鹿にして数日を過ごした。

 サアカシュヴィリが差し迫った逮捕に気付いていたことには疑いがない。だから、ジョージアへの彼の公然の芝居がかった帰国の背後にある理由と現在のジョージア当局に対する軽蔑的な、ばかにしたような態度は、昔ジョージア大統領への彼の指名と同様、彼の全ての行動の背後にワシントンとアメリカ諜報機関がいると考えれば推測は困難ではない。彼らは「ミへコ・カード」を使って、選挙期間に、この国の内政に直接影響を与えると決めたのだ。

 これはジョージア当局が前日、欧米諸国から受けた「民主政治から外れ、外国政策路線を変えた」という非難で確認できる。ワシントンとブリュッセルの声明は、トビリシの態度の変化は「価値観を変えている」とほのめかしている。ジョージアとアメリカや同盟諸国間関係のこの突然の悪化は、主として、国内の政治的危機を終わらせるため与党「ジョージアの夢」(GD)が、チャールズ・ミシェル・アコードから脱退した結果だ。

 ワシントンは「民主政治の原則の道から外れた「ジョージアの夢」に非常に腹を立てている」とジョージアのアメリカ大使館は述べた。いつものように、二大政党の下院議員と上院議員の集団が、ジョージアが民主政治に戻るのを助ける願望と準備があるという文句を散りばめてGDを非難した。最終的に、トビリシを特命で訪問した欧州会議議員ヴィオラ・フォン・クラモンは「GDの決定は、クレムリンのためにしかならない」と発表した。政権についているGD党に対する明確な圧力と、欧米に有利な政策を追求するよう彼らに強いる試みとして、欧州連合は10月13日、ジョージア国民のビザなし旅行をしばらく見合わせることを計画している。

 その間も、欧米によってサアカシュヴィリ・ショーは公式に演じ続けられている。「我々はジョージア法とジョージアの国際的人権約束と義務に従ってサアカシュヴィリ氏が公正な取り扱いを与えられることを保証するようジョージア当局に促す」とアメリカ国務省は述べた。

 ミヘイル・サアカシュヴィリに関するワシントンの芝居じみた言動に対するキエフの積極的参加可能性を明らかにほのめかし「元オデッサ知事の運命に天に任せはしない」とウクライナのドミトロ・クレーバ外務大臣は誓った。ミへコは既に、慌ただしく、自身は故国で普通の犯罪者ではなく、政治犯だと宣言し、更に芝居がからせるべく、ハンガーストライキ開始を発表した。そうする上で、彼は明らかに、1991年-1992年からジョージアにしっかり腰を据え、トビリシに巨大大使館を建て、そこで非常にくつろいだ気持ちになっているアメリカの支持に期待している。多くのジョージア政治家同様、元大統領ミヘイル・サアカシュヴィリを育てたのはアメリカだった。加えて、ヨーロッパと共に、ワシントンは非政府組織をジョージアにもたらし、それは、このコーカサスの国を長年支配しようとしている。一方、アメリカ大使のケリー・コリーン・デグナンは、ジョージアに、アメリカの外部管理を課し、「彼女の鉄の手」の中に、この国の内部勢力を支配し、ワシントンが望ましくないと評価する政治運動の活動への厳重な監督を確立しようとしている。

 ウラジーミル・プラートフは中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/10/06/why-is-saakashvili-in-georgia-now/

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 ネット書き込みの大半が信じられないほど下劣な理由がわかった気がする。もちろん基本的に全く読んでいない。youtube番組を見る際、チャット表示を止めている。

 LITERA

野党をフェイク攻撃してきた有名ネトウヨ「Dappi」の正体は自民党が主要取引先のウェブ制作会社だった!

 落ちぶれると、ひがむのだろうか?

 今日の孫崎享氏メルマガ題名

転載 日本の「没落」を国民は気付いているか…平均賃金、個人当たりGDPともに韓国を下回る 孫崎享日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ)

 日本に来る外国人に対しては、ウィシュマさん事件。外国に取材に出ようとする日本人ジャーナリストに対してはパスポート取り上げ。見たくないものは、こばむ鎖国社会。そうそうたるメンバーのシンポジウムを拝聴した。次回は十一月。

 Choose Life Project

10/11 日本ペンクラブ主催・緊急オンラインシンポジウム:危機に直面する報道の自由~アフガニスタン取材の問題点

 日刊IWJガイド なんとも強引な政治家がいるものだ。

2021年6月30日 (水)

ハンガリーが結婚と出生で復活を享受する中、ブリュッセルは(とうとう)オルバーン・ヴィクトルをまともに評価するのだろうか?

ロバート・ブリッジ
2021年6月27日
Strategic Culture Foundation

 オルバーン・ヴィクトルは、EUを運営するには、ブリュッセルの「一つだけで、どんな場合にも有効な」手法より良い方法があることを示し続けている。

 ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相は、人口減少を相殺するため国境を開放するのではなく、国内成長に拍車をかける方法として核家族に期待したが、それが今かなりの成果をもたらしている。なぜ保守派フィデス=ハンガリー市民同盟党首は、依然ヨーロッパ政治家に非難されつづけているのだろう?

 実に多くのEU指導者に彼らの国々を最終的な破滅の道を辿らさせているのは一体どのような狂気だろう? 好例:ヨーロッパ大陸海岸を侵略し続ける大規模な移民への開放。

 もし純粋な狂気が現代政治の背後にある主要動機でなければ、ブリュッセルが、歴史を通じて、国民国家に使われた長年の実績がある安全保障対策であるEU国境強化で移住問題に対処するのではなく、むしろ障壁を下げ、EUという温室に見知らぬ人々を招き入れたのは奇妙に思われる。

 そうした移民は、国家の平和や安全に対する脅威ではないと、西洋人は、いやになるほど聞かされた。むしろ、彼らは大陸の低下した出生率と、減少する労働予備軍を埋め合わせるのを支援するのに不可欠なのだ。言い換えれば、各国政府は、この群衆に、ドアを開ける以外、選択肢がなかったのだ。移民侵入に5億ドルにのぼる資金供給をしたハンガリー生まれの博愛主義者ジョージ・ソロスに問うて頂きたい。

 「移民と難民のために、適切な物理的、社会的インフラを作り、維持して、各国政府はこの問題に対処する上で主導的役割を果たさなければならない」と2016年、ウォールストリート・ジャーナルの論評でソロスは書いていた

 もしハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相が、億万長者金融業者で、民主的に選ばれた東欧国家の単なる指導者でなかったら、集団移動を阻止する防壁建設を呼びかける彼の個人的計画が、多少のはずみがついて、受け入れられない移民であふれることからEUを救っていたかもしれない。実際、主要な西洋首都が増大する犯罪とホームレスで苦しむ中、ハンガリーは余り人の通らない道をとったことで恩恵を得ていることを示している。

 移民が人口を支えるかめに必要だという疑わしい議論はさておき、人口減少と戦う上で、重要な結婚を考慮願いたい。ハンガリー中央統計局データによれば、オルバーンが首相として活動を始めた2010年から、ハンガリー人の結婚数は89.5%増加し、他方離婚数は57%下がった。当時、結婚数が、23%減少していたハンガリーの左翼支配期間(2002-2010)との顕著な対照だ。

 さらに、夫婦の90%が、子どもが欲しいと言う。43%が少なくとも子供二人、18%が三人以上欲しいと望んでいる。2020年、出生率が2010年の1.25から1.55に増加し、1996年以来最高の率を報じられて、彼らがその点で成功を享受しているように思われる。出生数は既に2.1%増加し、他方妊娠中絶は、ほぼ50パーセント下がった。

 一方、ハンガリーの女性労働者雇用が、2010年の54.6%から2020年、67%となり、全体的失業率は、わずか4.2%、EUで6番目に低い数値になっている。

 この肯定的ニュースは偶然ではない。若いハンガリー人が結婚生活に入るよう促進する誘因の提供に加えて(多くの特典の中には、親が仕事に集中するのを可能にする託児所の巨大ネットワークや、初回購入者への国家による住宅と自動車ローンがある)、オルバーン・ヴィクトル政権は、ハンガリーの未成年の子供を、公然の性的メッセージのやりとり、特に性的少数派コミュニティーのものから守る措置をとった。

 今月、ハンガリー議会は感受性が強い未成年者への同性愛や性転換を積極的に促進する情報の普及を違法にした。想像願いたい!思春期前の学生の性的アイデンティティーよりも、成績の優秀さに注目する学校環境を。ところが、このニュースは南部国境のハンガリー障壁建設を歓迎した同じヨーロッパ議員の想像通りのヒステリーで迎えられたのだ。

 今月欧州理事会の会議で、オランダのマーク・ルッテ首相と、ハンガリー首相に「性的少数者の権利を尊重するか、欧州連合を去るかだ」と述べ、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は「同性愛嫌悪の法律に対する戦いは個人の自由と人間の尊厳を守るためだ」と述べた。

 議論は親子でするのが最善だとだと信じる性的なくらし方に関する授業がない公教育を子どもが受けているのか親は知る権利を持っているのを、EUの指導者たちが理解し損ねているは悲しく悲劇的だ。大陸が人口問題で苦しむ中、学童の違う生活様式を慶賀するのが、EU指導者にとって、本当に優先事項であるべきだろうか?この論議には、ほとんどの人々が直面するのを望まない固有の深刻な食い違いがある。いずれにせよ、個人の性的傾向にかかわらず、人権は人権だ。法律は等しく皆を守るよう意図されている。

 だが肝心なことは、オルバーン・ヴィクトルは、「一つだけで、どんな場合にも有効な」(ちなみに、これはBrexitをあおった要素でもある)方法より、EUを運営する良い方法をブリュッセルや主要な西洋の首都に示し続けているのだ。西ヨーロッパは「宗教」や保守的な考え方をとうの昔に失ったかもしれないが、ハンガリーやポーランドのような国々はそうではないのを念頭におくべきだ。歴史的に西洋諸国と遥かに異なる東ヨーロッパ諸国は依然ブリュッセルが無視したいと望んでいるキリスト教的な教えと保守的生活様式を守っている。

 更に(安定のために移民の大規模流入を必要としなかった)ハンガリーの人口と経済状態に関する肯定的データから判断して、オルバーン・ヴィクトルは、ブリュッセルの官僚連中に教えられる多くの貴重な教訓を持っているように思われる。だが、それを認めるには、西ヨーロッパ指導者連中は、空虚な美徳茶番をやめて、実際に人々の重大関心事を擁護すること必要だ。だが、舞台裏に潜む強力な勢力、膨大な影響力を持った多くの非政府組織があり、連中は決してこのような180度の転換を許すまい。

 悲しいことに、弱く、買収されやすい指導者が、EUをまとめていた脆弱な絆を破壊し続け、オルバーン・ヴィクトルのような実際称賛に値することを実現している賢明で勇敢な指導者を排斥し、ヨーロッパ大陸のダイナミックな政治指導力の日々は終わっている。EUを救えたはずのトラは檻に入れられ、問題を抱えたこの時代の用語を使えば、排除されて、今や臆病で小心な連中が采配を振るっている。欧州連合は、そのような嘆かわしい調子を終わらせる必要があるが、他のいかなる選択肢も、ほとんど見えない。

ロバート・ブリッジはアメリカ人作家、ジャーナリスト。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/06/27/as-hungary-enjoys-resurgence-in-marriages-and-births-will-brussels-finally-give-viktor-orban-some-credit/

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  大本営広報の記事は、彼を非難する記事ばかり。ソロスが作ろうとした大学を許さなかったのを非難する先生がたの記事を昔読んだこともある。

 今朝の東京新聞朝刊一面記事

 「接種加速」一転失速 政府の見通し甘く

 公道聖火リレー、東京もとりやめ

 日刊ゲンダイDIGITAL

ペルー発のコロナ「ラムダ株」“五輪上陸”の恐れ ワクチン効果5分の1の衝撃

 ぼったくり男爵、福島でなく広島に行くという。意味不明。

 羽田の抗原定量検査を視察した御仁「PCR検査にしろ」と一喝しない目は節穴。
 五輪終唯一の効用、世界の目の前での壮大な人間モルモットで無策による医療、経済、政治、社会的影響大惨事を起こす愚行の手本になることだろうか?

2021年6月10日 (木)

「三海洋イニシアチブ」は中国の一帯一路に対する欧米の答えか?

2021年6月8日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 中国の一帯一路構想(BRI)のみならず、西ヨーロッパとロシアの増大するつながりにも対処するため、「代替」インフラの動きが提案されており、ワシントン、ロンドンとブリュッセルは、これが完成した場合に、ロシアを更に封じ込め、中国をヨーロッパ市場から切断することを望んでいる。

 「三海洋イニシアチブ」と呼ばれるものは「これが、ヨーロッパが、中国とロシアを押し返す方法だ」という題のブルームバーグ論説で、こう説明している。

 バルト海とアドリア海と黒海の、物理的、デジタル・リンクを更新するための欧州連合中の東欧12カ国による共同の取り組み。

 この論説は、このイニシアティブは「ロシアのいじめと中国の干渉」を撃退する唯一の方法だと論じている。

 だが綿密に精査すると、著者アンドレアス・クルスの言うセールスポイントさえ、貿易とロシアと中国とのつながりと貿易がもたらすだろう明白な機会を犠牲にして、ヨーロッパをいじめ、干渉する見え透いた試みのように読める。

 クルスの議論には、ソ連が東ヨーロッパ諸国をないがしろにしたのが、彼らが今日、近代的インフラなに欠けている理由だと主張する非難もある。

 経済的には活気に満ちてはいるが、この地域の大部分が、インフラの点で、ブロックの他の国々に後れをとっている。EUの他の国々と比較して、道路と鉄道での旅行は、平均して、二から四倍時間がかかる。

 特に欠如しているのは、南北に走る良い道路、鉄道とガス・パイプラインだ。これは冷戦の遺産だ。覇者ソ連は、ロシアのガス、戦車と兵隊が容易に東西を動けるようにしていたが、彼らが占領していた国々の他の接続には、全く関心がなかった。

 だが、ソ連は1991年に崩壊した。30年前だ。もし東ヨーロッパが、現在、まだ近代的インフラに欠けてるなら、改良を成し遂げることについて「関心がなかった」のはブリュッセルだと述べるほうが、より適切だろう。

 提案されたインフラも不思議だ。論説は、こう主張する。

 プロジェクトには、例えば、アメリカからの液化天然ガス輸送船を歓迎できるクロアチアの港や、このガスを北のパートナー諸国に送るパイプラインもある。ポーランドには既にLNGターミナルがある。

 だが、これは必要なインフラではない。ヨーロッパは既存パイプラインを通して、ロシア・エネルギーのかたちで、炭化水素を入手可能で、それは、アメリカから大西洋を横切ってLNGを送るより、ずっと安い。

 この「例」の包含は、クルスの意図と、この主張の本当の性質を明らかにしている。これは、想像上の「ロシアのいじめ」を止めるものではなく、これは堂々とした、まさに本物のアメリカのいじめだ。

 言い換えれば、高価なインフラが、更に高価なエネルギー輸入のために整備され、それには、ロシア・エネルギーより遥かに多くの政治的ヒモがついているのだ。これらのヒモには、論説も特に言及しているが、モスクワと北京両国との関係断絶も含まれよう。

 北京については、インフラ投資と建設計画のお返しに、政治的便宜を求めたと言って、クルスは中国を非難している。北京との関係によって「圧力に屈した」パートナー国の例として、ハンガリーを挙げている。クルスは、中国による「人権侵害」に対するEU非難をハンガリーが阻止したと主張する。そもそも、この非難自身が、北京の敵国によって、政治的動機で、鼓舞されている可能性を決して考慮していない。

 クルスは、三海洋イニシアチブは「いじめて、干渉する」のを避ける手段だと記述した後、プロジェクトに対するアメリカとEU投資には、政治的なヒモつきであることを明らかにして、こう書いている。

EUは、その期待について明確にするべきだ。第一に、ハンガリーを含め、関係する全ての国は、地政学サブテキストを認め、北京との戯れをあきらめて、ブリュッセルに対する彼らの忠誠を明瞭に宣言しなくてはならない。第二に、このイニシアティブは、EUの他の国々に対し、自身を定義する東ブロックの胚芽になってはならない。

 ロシアの「いじめ」と中国の「干渉」は、直接政治的動機に鼓舞された非難のままだが、クルスは公然と、無視されてきた東ヨーロッパに投資するワシントンとブリュッセルの意図が、断固とした服従と、国家主権の全面降伏を獲得することが狙いだと宣言している。何の意図的皮肉もなしでされた提言だ。

 三海洋イニシアチブ:進歩ではなく、優位が狙い

 アメリカ外交政策は、世界的優位の維持に基づいてる。何のお咎めもなしで、世界舞台で行動を起こすワシントンの能力に挑戦するどんな国であれ、地球の上のどこであれ、敵に指名され、政治的、経済的、軍事的強要の組み合わせを通して、標的に定められる。

 何十年間も、この標的リストにあった二つの国が、ロシアと中国だ。

 ソ連崩壊後の巨大グローバルパワーとしてのロシアの再出現と、地域的にアジア、そして世界的規模での中国勃興は、明らかに、ワシントン最悪の衝動を阻止している。

 ワシントンはロシアと中国両国を世界平和と安定に対する脅威と描写するが、アメリカの手でシリアがリビアやイラクと類似の運命を経験するのを阻止したのはロシア介入だった。

 最近トランプ政権が出版した「枠組み」ペーパーにも示され、いまだ公然とアメリカ外交政策の一部と見なされている観念であるアメリカのインド・太平洋「優位」の影の下から、今抜け出そうとしているアジアじゅうの国々にとって実行可能な代替案を生み出したのは、次第に増加する中国の勃興だった。

 「ロシアのいじめ」と「中国の干渉」という考え方は、ロシアや中国や、その周辺諸国に対するだけでなく、東西間の絆を多様化しようと努めるドイツのような同盟国に対する、強要作戦の継続を正当化するため、欧米政策当局が作り出した地政学的投影で、ロシアとのノルドストリーム2パイプライン・プロジェクトに関与しているドイツ企業に標的を定めたアメリカ制裁は、最近の例に過ぎない。

 多分、すべての中で究極の皮肉は、ワシントンとブリュッセルが、東ヨーロッパの指導者たちに、近代的インフラの約束をちらつかせる中、ブルームバーグのクルス自身が、ハンガリーには、中国が既に入り込んでおり、ロシアはソ連崩壊以前から東・西ヨーロッパに安いエネルギーを注ぎ込み、もちろん以来ずっと、そうしているのを認めていることだ。

 他の国々に非難の矛先を向けながら、またしても、アメリカ合とEUパートナーは、彼ら自身が平和と繁栄に対する中心的脅威であることを明らかにしている。実際、アメリカ-EU投資とロシアからの安いエネルギーと相まって、中国のインフラ計画は、東・西両ヨーロッパの国々にとって、最も有益だが、明らかに、大陸にとっての最大利益は、ワシントンのものとは食い違い、ロシアと中国は、一度もヨーロッパとの排他的経済的な結びつきを要求したことはないが、ワシントンはそうしている。

 Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/06/08/is-the-3-seas-initiative-the-west-s-answer-to-china-s-belt-and-road-2/

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 信じられるわけがないだろう。健全なる精神は宿らない見本。

青学大・原晋監督、五輪開催で見解「出来ない理屈ばっかり…どうしたら出来るんだと政府を信じてみたら」

 日刊ゲンダイ 健全なる精神の稀有な見本。

 山口香理事が米紙に語った“正論”の説得力 五輪村は真っ青

 予想通りの不毛答弁。野党がどんなまともな質問をしようと、はなから答えるつもりがないのだから討論と呼ぶべきではない。植草一秀の『知られざる真実』の通り。野党党首質問、恫喝男ぬらりひよん朗読会。

不毛なぬらりひょん党首討論

 昨日のインタビュー、しっかり拝聴した。

 日刊IWJガイド

ついに、6月9日参院憲法審で国民投票法改悪案可決! メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」より、国民投票法「改悪」案がいかにひどい欠陥法案かをテーマにした「岩上安身による小西洋之参議院議員インタビュー」4本をすべて、IWJサイトで期間限定で特別公開! 改憲による緊急事態条項を止めるためにも、ぜひご一読を! お知り合いにも拡散してください! またこの機会にぜひ、まぐまぐでご購読の登録を! あるいはサポート会員に登録するとバックナンバーを含めてすべて読むことが可能です! サポート会員登録も、ぜひ、ご検討ください!

2021年5月26日 (水)

よくもまあ我々を真似したな!ベラルーシの強制着陸を巡る欧米の激怒

Finian Cunningham
2021年5月24日
Strategic Culture Foundation

 ヨーロッパ諸国政府の全面的な沈黙の共謀を得て、ワシントンは世界中でハイジャックをしている。もしヨーロッパが、世界中でのアメリカによるハイジャック反対を表明すれば、彼らにもベラルーシ事件に関して発言する多少の道義的権威があるかもしれない。

 ベラルーシが指名手配中の反政府活動家を逮捕するため商用航空機の強制着陸を強いた後、アメリカとヨーロッパ諸国では憤激と非難が爆発した。

 欧米メディアの見出しは「ハイジャック」や「air piracy 飛行機乗っ取り」や「国家テロ行為」とレッテルを貼られたことに関する「衝撃」と激怒の表現が圧倒多数だ。

 月曜日にサミットで会っていたヨーロッパ指導者たちは、ベラルーシに対する新たな制裁を要求した。アメリカのジョー・バイデン大統領は、旧ソビエト共和国のベラルーシとモスクワとの友好的な関係ゆえに、ロシアのウラジーミル・プーチンに、この飛行機問題を持ち出すよう求められている。

 欧米の反応はヒステリーで偽善だ。明らかに、ベラルーシ領空で行われたことは異様で、非合法の可能性がある。だが、アメリカ合州国と、ヨーロッパ同盟諸国は「ハイジャック」や「国家テロ」について説教する立場にはないのだ。

 日曜日のアテネ発ライアン便はリトアニアの首都ビリニュスに向けて飛行していた。ベラルーシ領空を横断する際、パイロットは航空管制からミンスクに迂回するよう命じられた。機内にしかけられた爆弾の可能性が口実だった。だが、それは策略だったように思われる。何の装置も見つからず、飛行機はミンスクを発ち、6時間後ビリニュスに到着した。

 ベラルーシ当局が狙っていたのは、野党活動家ロマン・プロタセビッチだった。彼はミンスクで、仲間の女性とともに飛行機から降ろされ、拘留された。プロタセビッチ(26歳)は、疑惑選挙からベラルーシで2020年8月、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領が再選され論争の的となった選挙以来、反政府抗議を組織する上での中心的存在だった。ベラルーシ当局は、彼らの国が、アメリカ合州国とヨーロッパ同盟国が画策する「カラー革命」にさらされていると主張している。

 路上抗議が始まる前、プロタセビッチはリトアニアとポーランドで亡命生活をしていた。彼はデモを煽動した反政府メディアを立ち上げ、ベラルーシ当局に損害を与える誤った情報を広めたとして告訴されている。アメリカ政府に資金供給されたプロパガンダ機関、ラジオ・フリー・ヨーロッパは、ベラルーシ抗議に関与しており、内政に対する外国干渉の罪でミンスクが告発している人物の一部はバルト諸国とポーランドに本拠を置いている。

 ベラルーシは、それらヨーロッパ諸国に、国際逮捕状を基に、亡命中の反政府派を引き渡すよう要請していた。プロタセビッチなどの亡命者は暴力行為扇動のかどで告発されており、長い実刑判決に直面しかねないのだ。

 ベラルーシの逮捕状に対応するのを、ヨーロッパ諸国が拒絶したことが、ミンスクに定期航空便に着陸を強いる論争の的の処置をとるようにさせたのは疑いようがない。

 だが、本当に衝撃的なのは、欧米諸国が適用している、露骨なダブルスタンダードだ。ベラルーシは「ヨーロッパ最後の独裁」だと悪しざまに非難され、この航空機事件は国際航空上「未曾有の」違反だと表現されている。

 アメリカ人とヨーロッパ人の記憶力は何と短いのだろう。2013年7月、ボリビアのエボ・モラレス大統領の個人ジェット機は、ワシントンの命令で、ヨーロッパ諸国にハイジャックされた。フランス、イタリア、スペインとポルトガルが突然彼らの領空を封鎖した際、モラレスはロシアでのエネルギー会議からの帰路飛行中だった。アメリカは、NSA/CIAの内部告発者エドワード・スノーデンがモラレスの飛行機に乗っていると思ったのだ。パイロットはオーストリア警備員がジェット機を捜索するウィーンに着陸するよう強いられた。もちろん、スノーデンは乗っておらず、モラレスは最終的に数時間の遅れの後、彼の旅を続けることを許された。

 南米諸国は「国家テロ」行為とボリビア主権の侵害を非難した。それはアメリカ合州国と、ヨーロッパの子分連中によって行われた目に余る山賊行為だった。当時、フランスのフランソワ・オランド大統領は、その後情けない謝罪をした。

 ワシントンとヨーロッパの沈黙に出くわした、もう一つの航空規制違反は、2016年10月、ウクライナによるベラルーシ定期便の強制着陸だった。この飛行機はキエフから離陸したが、緊急発進した戦闘機の恫喝で戻るよう命じられたのだ。キエフ政権に批判的なロシア・メディアで働くアルメニア人ジャーナリストのアルメン・マルチロシャンが乗っていたのだ。ミンスクへの飛行を許可されるまで、このジャーナリストはキエフで短時間拘留された。どういうわけか、ウクライナ政権の後援者であるアメリカとヨーロッパは、この事件は「激怒」と、非難を叫ぶ見出しに値するとは思わなかったのだ。

 もし本気でハイジャックを非難する気があるのなら、ヨーロッパ諸国の政府は、アメリカCIAと、法的手続きをとらない容疑者の他国移送で、彼らの領空の組織的侵害を遥かに懸念すべきなのだ。世界中で違法に活動するアメリカ軍に違法に拉致された無数の「テロ容疑者」が、拷問のため、グアンタナモ湾や、いくつかの秘密軍事施設に向かう途中、ヨーロッパ空港を経由して秘密裏に移送されているのだ。

 ヨーロッパ諸国政府の全面的な沈黙の共謀を得て、ワシントンは世界中でハイジャックをしている。今もしヨーロッパが、世界中でのアメリカによる海賊行為への反対を表明したなら、彼らも、ベラルーシ事件について発言する多少の道義的権威があるかもしれない。だがヨーロッパは、アメリカの航空ハイジャックや違反を臆病に支持している。だから連中の恣意的な抗議など無効だ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/05/24/western-outrage-over-belarus-force-landing-plane-how-dare-you-copy-us/

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 テレビで、デンマークのコロナ対策を報じていた。三日?に一度無料PCR検査を受けるよう推奨しているという。ネットで検索すると、たとえばコペンハーゲンでは、仕事や学校に行く人々は週に一度検査をうけるよう勧めている。ガラパゴス列島以外ではワクチン一本槍ではなく、PCR検査を徹底的に行うのが標準。この列島にはPCR排斥を得々と語る井の中の蛙氏が多々おられる不思議。その中で児童を授業の一環として五輪強制観戦させても感染をまねくだけ。狂気の政府・御用分科会、文部科学省、スポンサー・マスコミ。

 植草一秀の『知られざる真実』 今回の記事も、大賛成。

五輪の化けの皮剥がれたことは大収穫

 ロシアや中国や北朝鮮の行動を批判する大本営広報部、自分の行動には沈黙の共謀。立派なダブルスタンダード。

 日刊IWJガイドに、クアッドについての外務大臣への質問と回答(怪答)が載っている。

■<IWJ取材報告 1>日米豪印のクアッドに英独仏蘭が加わるクアッド+アルファは中国に石油が入らないようにマラッカ海峡封鎖が狙いか!? との質問を茂木大臣はなぜかはぐらかし、自己PRの回答! はぐらかしたのは図星からか!? ~5.25茂木敏充外務大臣 定例記者会見

 5月25日、外務省で茂木敏充外務大臣定例記者会見が行われ、IWJ記者は中国包囲網「クアッド」に、英仏独蘭のEU諸国が参加していることについて、質問しました。

IWJ記者「日本政府は、安倍晋三前総理が提唱した『自由で開かれたインド太平洋戦略』を踏襲し、米、豪、印と組んで、中国包囲クアッドを形成しています。ここに英独仏蘭の欧州4カ国も加わるとのことですが、クアッド+アルファによる中国包囲網とは、具体的に何をされるのでしょうか?

 海上自衛隊幹部学校の戦略研究論文を見ると、マラッカ海峡を封鎖し中国への中東からの石油の輸入ルートを遮断する戦略がしばしば出てきます。米海軍大学のトーマスハメス博士の提唱するオフショアコントロール戦略にもとづくものです。クアッドの戦略は、このオフショアコントロール戦略をベースに、マラッカ海峡封鎖し、中国に石油が入らないようにして、兵糧攻めにするのが、狙いと考えてよろしいでしょうか?

 一方で、中国と日本は、他の東アジア諸国とともに、RCEPという包括的経済連携協定を結んでいます。中国は日本にとって最大の貿易相手国でもあります。RCEPという経済の枠組みと中国包囲網であるクアッドとは、相反し矛盾すると思われますが、今後、クアッドが深まれば、RCEPは放棄し、中国という巨大マーケットも捨てる決断をするのでしょうか? その時の日本経済のダメージはどうお考えですか?

 大臣のお考えをお聞かせください」

茂木外務大臣「『自由で開かれたインド・太平洋』、これは今から5年前、2016年のですね、TICAD VI(アフリカ開発会議)の際、まあ、当時は安倍総理でありましたが、日本として提唱したビジョン、考え方でありまして、基本的にはこの『自由で開かれたインド太平洋』、これはインド太平洋、まさに世界の成長センターという地域でありますが、一方でパワーバランスの変化も激しい。この地域においてですね、法の支配をはじめとする共通の価値や原則、これにもとづく自由で開かれた秩序を実現することによって、地域全体、ひいては世界全体の平和と安定を確保していくと、こう言った考え方にもとづく構想であります。

2020年11月26日 (木)

先例がモルドバの厳しい近未来を示している

ティム・カービー
2020年11月21日
Strategic Culture Foundation

 何年も、あらゆる側面からの攻撃と、ほぼ二度、強制退陣させられそうになった後、モルドバのイゴール・ドドン大統領は最近の大統領選挙で破れた。ドドンは親ロシアで、堅実な実利的政治家として知られており、彼の後釜は、将来モルドバが誰とつきあうべきかで、まさに反対の意見だ。我々、旧ソ連構成共和国諸国の、ロシアに親近感を持った指導者が、ワシントンの言いなりの人物に置き換えられた時、まさに何が起きるか、ここ数十年、何度も見てきた。ことわざ通り、歴史は「繰り返す」ので、おそらくモルドバの近未来は、かつて彼らの同国人だった近隣諸国と同じ軌道を進む可能性が極めて高い。

 最もありそうなのは、ウクライナ、グルジア、アルメニアのシナリオだ。

 これらの国々は全て特有の共通点/傾向を共有している。

  • これらの国々全てがロシアと文化的に深く結びつき、何世紀もソ連/ロシア帝国の一部だった。
  • 彼らの全てが、少なくとも一つ、多少緊迫した「変則的」領土を持っている(クリミア、アブハジア、南オセチア、ナゴルノ・カラバフと、最近のドンバス)。
  • これらの国々全てが、カラー革命風シナリオが展開した後、極端なロシア嫌いに移行した、つまり、ロシア嫌いが、革命政府による支配の正当化の根本的に重要な要素になったことを意味している。

 モルドバは、完全なカラー革命が起きたようには思われなかったのを除けば、上記の全ての基準を満たしている。ドドンは、大統領の座にいた全期間、政治的攻撃を受けていたが、彼を政権から追い出したのは、メディアの支援を得た街頭の抗議行動参加者ではなく、彼は単に選挙に負けたのだ。にドドンが堅実な支持率を享受していたことを考慮すれば、おそらく多少の選挙策略もあったが、現時点では証拠がなく、彼はこれまでのところ優雅に敗北を受け入れている。


画像:分離共和国になる可能性のある地域が、退任する大統領に多数派投票していたので、恐ろしい一触即発のシナリオが明らかになりつつある。

 だが、ドドンが最多の支持を獲得した地域が非常に多くを物語っている。ガガウジアと沿ドニエストルだ。これらは南オセチアやドンバスとほとんど同様、親欧米派で、潜在的にルーマニア民族主義の大統領が権力の座につくのを少しも喜んでいない地域だ。彼らの民族的構成は異なっており、問題なくロシア語を話せ、特に沿ドニエストル共和国は独自パスポートを発行し、基本的に何十年間も事実上独立した共和国で、自分たちを「モルドバ人」と考えていないのだ。

 我々が何度も見てきたように、親欧米で、逆説的に民族主義リベラル派が東ヨーロッパで権力を掌握すると少数派が苦境に立つ。この最も大胆な例は、彼の国境内の民族共和国を直接根絶しようとしたジョージアのサーカシビリだ。2008年、ジョージアで、伝統的な、直接の戦車 対 民間人大量虐殺の実際の試みがあった事実を無視して、ルカシェンコが「ヨーロッパ最後の独裁者」だという欧米は、実に信じ難い二重思考レベルだ。

 ドンバスでの戦争の恐怖はナチ風民兵大隊支配下の混乱した徴集兵が実行したが(驚くべきことに、欧米主流メディアが密かに認めた)、エレバンのカラー革命政権が始めた最近のナゴルノ・カラバフの残虐な混乱が、モルドバが確実に次の番なのを示している。

 日常レベルで、モルドバは経済的にも、近隣諸国と全く同じ仮定と失敗をするのは確実だ。新大統領と内閣は、EUが彼らを高く評価し、金持ちにしてくれると絶対に確信しているはずだ。彼らのどちらかと言うと弱い経済の半分が、食物、衣類とアルコールで、遥々輸送されるモルドバ・ワインがフランスのような競合相手に何らかの方法で打ち勝てるなど、ありそうにないと主張するだけ十分大胆なのは、ドドンのような少数のモルドバ政治家だけだ。更に、ワイン販売のためEUで競争するのは厳しいだけでなく、彼らのワインの主要輸入国ロシアを失うのは賢明な財政的動きではない。確かに、アディダスとザーラは、現地少量生産のモルドバと競争する見通しで、ガタガタ震えている。

 要するに、モルドバがEUに向かうことに関して聞ける唯一の議論はロシア嫌いだ。それ以外どれも意味をなさず、ロシア嫌い自体、ほとんど常時、特に合理的ではない。

 もちろん、奇妙で悲しく聞こえるかも知れないが、この二つとも、ワシントン外交政策の主要目的なので、LGBTパレードと宣伝は、ありふれているが、ソビエト社会主義共和国連邦の残滓を巡って、ロシア語が攻撃を受けるのは確実だ。

 これまで我々は、ロシアの旧領土での傾向が、どのよう、モルドバに影響を与えるか瞥見したが、なぜこれらの傾向が存在するのだろう?一体何が、これら政治の繰り返しパターンを起こし、それを変えるために、一体何ができるだろう?

 旧ソ連構成共和国内の分離共和国は、なぜ常にロシア側につくのだろう?

 簡単な答えは、ロシアは彼らが何をするか気にせず、これら地域の指導部は自国の最有力な民族の民族主義言説には、はまらないので、彼らが安全なのを知っているからだ。

 ロシアとプーチンが、なぜ常にロシア国内の少数民族から、このような強い支持を受けるのかと人々は不思議に思っている。これは彼らが、国境の向こう側で、ロシア人が、文化的、言語的に、扱われ、組織的に抑圧され、時に殺されるように、彼らを扱うだろうある種(リベラルな)民族主義者の勃興を恐れているためだ。

 分離共和国も、同じように物を見ており、彼らはロシアを、自国の現地語を絶滅させたり、異なる宗教に強制的に追いやったりしない勢力と見ている。一般にモスクワは、何百という小民族が、協力する限り、何をしても気にしない。一般にロシアは、拡張するにつれ、外の文化を根絶させずに、同化させてきたが、アブハジア海岸近くで、自分に向かって戦車が轟くのを聞けば、確実に、この態度が一層魅力的に思えるのだ。


 画像:2008年、ロシアが彼らを絶滅から救ったので、南オセチア人はロシアを愛してい。あなたもそうでは?

 ウズベキスタン国内で、同じロシア嫌いのゲームをするウズベク民族主義者がいるが、カザフスタンのウズベク人(そして多くの他の少数人種)は、ロシア嫌いのカザフ人民族主義者の圧力を感じないで済むよう「民族間コミュニケーション言語」としてロシア語の維持に大いに専念している。旧ソ連構成共和国で、純粋な生存本能から、怯えている少数派から多くのロシア語支持の独白が聞ける。ウズベキスタン国外のウズベク人は、カザフスタンで、時間とともに消えていくかもしれない権力に対するロシア手法が好きだ。

 いろいろな意味で、ロシアが弾圧に対する安全ネットであることが、そもそも、それほど多くの地域が加盟している理由だ。一方の側が、あなたを侵略し、あなたの宗教を押しつぶし、新しい言語を話すことを強いようと、他方、ロシアはあなたの税金を欲し、あなたの子供たちに学校で少しロシア語を学ぶよう求めるだろう。当時、イランやトルコのような国々がずっと恐ろしかったので、実際、多くの旧ソ連構成共和国が自発的にロシアに加入したのだ。

 なぜ分離共和国が、ロシア嫌いのリベラル国家主義者に攻撃されるのだろう、そんなことをすれば、彼らをロシアに引き渡すだけではないだろうか?

 旧ソビエト社会主義共和国連邦と多くの他の国々が共通に持っているものの一つは、何世紀にもわたる欧米への劣等感の伝統だ。欧米の見地から、ヨーロッパとアメリカは、崩壊していないにせよ衰退しつつある事実にかかわらず、東ヨーロッパ現地の田舎者は依然欧米への服従が、一夜にして彼らの国を金持ちで強力にすると絶対的に確信している。


 画像:「我々は何のためにマイダンで立ち上がったのか?」文化的劣等感のため彼らは南部方言のロシア人ではなく「ウクライナ人」だと確信している。(出典:ukr.media)

 ワルシャワ条約機構加盟国の人々は、自身を欧米より生得的に劣っていると認めているので、彼らはEU/ワシントンからの注目の価値を過信しているのだ。サーカシビリやパシニャンなどの小物の民主主義独裁者は、欧米は彼らの軍事的冒険で彼らを支援する新しい「友人たち」だと本気で信じたのだ。彼らは、ヨーロッパの白人神がいれば、恵みが与えられ、自信過剰になり、大胆になったように感じるのだ。彼らは、地図上で彼らの国を見つけられない人々が、彼らの運命を非常に深く気にかけ、彼らのために何でもするのをいとわないと確信しているのだ。家臣は、貴族が彼らと握手すると、彼を新しい親友だと思ってしまうのだ。

 旧ソ連内や周辺での、この劣等感の力は、控え目に言い過ぎることはできず、それは、ロシア人を含め、多少ロシア語を話す全ての文化に深く根ざす部分だ。欧米への服従が繁栄をもたらすという考えは、マイダン時のキエフで同じぐらい、モスクワの街頭で、不完全につづられた抗議プラカードにも良くある。

 上記が本当なら、ロシアはなぜこれを許すのだろう?

 良い疑問だ。究極的に、ロシア人自身、経済的、文化的、歴史的な関心以外に、人間は、しばしば感情や頭に浮かんでいる未知の非合理的動機に基づいて決定をするのを理解しているようには思えない。あなたが、ロシア人、専門家、政治家や思想家と話をする機会を得ると、事実上、彼らの誰も、上記のことを知らず、良くない意志決定に至っていることが極めて明確になる。誤った前提=失敗の結果。

 ある意味、旧ソ連構成共和国での政治的出来事の多くは、全てロシアが、コンテストが継続しているのを知らず、ましてや、可能なかぎり勝つ準備をしないため、負けている大きな人気コンテストに過ぎない。ロシア嫌いが見られ、認識され、分析されるが、決して、それが投影されているのと同じ手段で反撃しないのだ。

 親ロシア政治の中で、参加者は、空の金の十字を凝視しながら、世界最大の帝国の「くびき」から(二度目に)逃げようとして、文化的にマゾヒストの欧米の堕落に対して戦っている自身を見ている。だがこうした見解を支持する映画やビデオゲームがないのだ。ロシアを「クール」見させることができる最も面白い考えは、学術論議やズーム会議の酷い音声品質に隠されたままだ。旧領域に対し、ロシアは、自身を明らかに欧米より非常に優れているように思わせる方法で語っていない。

 ガガウジアや沿ドニエストル共和国現地の一部の人々に、来る窮乏の年月の新たな期間の目にあわせようとしているのは、自身を売り込むロシアの能力のなさなのだ。ロシアは、一度に一つの分離共和国の領域を取り戻すため「大量殺戮の制度に代わる選択肢」であることだけには依存できないのだ。

ティム・カービーは独立ジャーナリスト、TVとラジオ・ホスト。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/11/21/precedent-shows-that-near-future-moldova-will-be-grim/

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 「命の選別」発言を読みながら思う。東京で、小池百合子に、大阪で、吉村洋文に、投票するのは、いつでも、自分を殺してくれて結構ですと白紙委任するのと同じではなかろうか?

 LITERA

吉村洋文知事「命の選別」発言は“アンチのデマ”ではない! テレビで“治療を高齢者から若者に”と発言 背景に維新の優生思想

 日刊IWJガイド、今日も、重要な話題についての記事、中継情報満載。ごく一部を引用させていただこう。

【IWJ・Ch6】10:00~「種苗法廃案を求める国会前抗議アクション・座り込み行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

【IWJ・Ch5】17:00~「自衛隊を活かす会 講演と討論の夕べ『戦争と自衛隊を「我が事」として考える ―長谷部恭男「戦争と法」を読む』―登壇:長谷部恭男氏(早稲田大学大学院教授)、柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、加藤朗氏(桜美林大学教授)、伊勢崎賢治氏(東京外国語大学教授)」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」主催の「講演と討論の夕べ」を中継します。これまでIWJが報じてきた自衛隊を活かす会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e8%87%aa%e8%a1%9b%e9%9a%8a%e3%82%92%e6%b4%bb%e3%81%8b%e3%81%99%e4%bc%9a
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【IWJ・エリアCh3・京都】19:00~「火を消し止めるなら今だ!―日本学術会議問題とフェミ科研から考える言論統制 ―講演:松宮孝明氏(立命館大学教授)、牟田和恵氏(大阪大学教授)」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach3

 「ユナイトきょうと」主催、「自由と平和のための京大有志の会」共催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた学術会議任命拒否問題関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%ad%a6%e8%a1%93%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e4%bb%bb%e5%91%bd%e6%8b%92%e5%90%a6%e5%95%8f%e9%a1%8c

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