半年がかりの一大イベントを終え、燃え尽き気味の空犬です。
昨日、阿佐ヶ谷ロフトAで開催されました、本と書店と音楽のイベント「ブックンロール2014」。今年もおかげさまで大盛況に終わりました。悪天のなかご参加くださったみなさま、遅い時間の懇親会(2次会)にお付き合いくださったみなさま、ありがとうございました。
空犬通信presents
ブックンロール Book'n'Roll 2014
〜それでも「本屋」で、生きていく〜
日時:2014年6月27日(金)
場所:阿佐ヶ谷ロフトA(東京・阿佐ヶ谷)
出演:
(トークの部)
高橋佐和子(山下書店南行徳店)
樽井恭子(MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店)
花本武(BOOKSルーエ)
山本亮(大盛堂書店)
辻山良雄(リブロ池袋本店;司会)
(ライヴの部)
ブックンロール・オールスターズ
企画・主催:空犬(編集者・空犬通信・本屋図鑑編集部)
イベントの様子については、毎年詳細なまとめをつくってくださるゴロウさん(@bookseller56)が、今回もまたたくまに、膨大なツイートをカバーするまとめをつくってくださいました。こちら、「ブックンロール2014」。主催者の当方のツイートが多めなのはご勘弁いただくとして、当日の出演者の発言や、みなさんの反応や感想がリアルに伝わってくるものになっていますので、ご参加くださった方も、今回は参加できなかった方もぜひチェックしてみてください。
予約では完売だったのですが、何人か来られなかった方がいらっしゃったのと、悪天のせいか、また昨年当日券で入れなかった方がいたということで最初からあきらめてしまわれたのか、当日券があまり伸びなかったことがあり、昨年よりは少し人数が少なめになりましたが、それでも、会場の後ろやロビーに立ち見の方があふれるほどの盛況になりました。
うれしかったのは、東京近郊だけでなく、地方から、わざわざこのイベントのために駆けつけてくださった方が何人もいらっしゃったこと。千葉や神奈川から参加されるのも十分に遠くて大変だと思うのですが、今回はぼくが把握しているだけで、大阪から、また四国から、そしてなんと、沖縄(!)から駆けつけてくださかった方がいらっしゃいました。しかも、用事のついではなく、ブックンロールのために来てくださったのだそうです。
ちなみに、沖縄から駆けつけてくださったのは宇田智子さんの『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』の版元、ボーダーインクの方。ご自身も地域ブックイベントに関わられているとのことで、懇親会ではイベントの話で楽しく盛り上がりました。全国のあちこちで公開会議を開催している町本会。秋には沖縄での開催を実現したいと検討中なのですが、もし沖縄で開催することになったら、現地のネットワークで全面的に協力しますよ、だなんて、願ってもない話まで。吉祥寺の集まりから始まったイベントで広がってきたつながりが、ついに沖縄にまで……地道にイベントを続けてきた主催者としてこんなにうれしいことはありません。
↑会場は昨年と同じ、中央線沿線屈指のサブカル系イベントスポット、阿佐ヶ谷ロフトA。出版関連のイベントスペースとして、個人的におすすめのお店です。
↑今回は、いつもの「吉祥寺書店員の会 吉っ読」で作った「ぶっくん」Tシャツではなく、これを着てのぞみました。名古屋の書店、ON READINGのTシャツ「THE BOOKS ARE ALLRIGHT」。東京でも下北沢のB&B、往来堂書店、リブロ池袋など、いつくかのお店で取扱が始まっているようです。
↑会場では、イベント開催当日に発売になったばかり、できたてほやほやの新刊『あしたから出版社』(晶文社)が販売されました。町の本屋さんの出張販売ということで、販売はBOOKSルーエですが、売り子は著者である夏葉社・島田さん自らがつとめました。たくさんの方からサインを頼まれていましたよ。イベントの開始前後と休憩のわずかな時間に、30数冊(!)が売れたそうです。
カメラは持っていっていたんですが、ライヴとトークの間、だれかに頼もうと思っていたのを失念してしまったので、写真がほとんどありません。他の出演者が撮ってくれた画像を入手したら、また追加で紹介したいと思います。
収支については、後日、あらためて空犬通信でご報告します。
「ブックンロール2014」トークの部、出演者の所属するお店を写真でご紹介します。(店内写真はすべてお店の方に断って空犬が撮影したものか、もしくは出演者のみなさんが自分で撮影したものです。写真は5月〜6月ごろの様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)
まずは、高橋佐和子さんの所属する山下書店南行徳店から。
↑左はお店の外観。中は、お店の隣にある加藤海苔店(写真、右)とコラボしたフェアの様子です。海苔店とコラボというのは、かなりユニークな例なのではないかと思います。同店は、小さいお店ですが、実用書のコーナーでは海苔以外にも、レシピ本と食材をからめたおもしろフェアを展開するなど、売り場を盛り上げる工夫が目立ちます。
↑高橋さんの「お客様ノート」。このノートについては、ブックンロールのトークでふれられると思います。
続いて、樽井恭子さんの所属する、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店。
↑同店の特長はなんといっても、圧倒的な広さと在庫点数。ふつうに通路を撮影しただけなのに、林立する棚の存在感は圧倒的。見ていると、なんだか遠近感がおかしくなりそうな感じです。それぞれの棚もご覧の通り、プレートの嵐。
↑棚のジャンル配置がぎっしりと書き込まれたフロアマップもすごい迫力です。
↑同店にはカフェスペースがあり、その壁面を使って、各種展示も行われています。左は『本屋図鑑』刊行記念のイラスト展の様子で、右は忌野清志郎展のときの様子。
次は、山本亮さんの所属する大盛堂書店。同じ渋谷にありながら、先のMARUZEN&ジュンク堂書店とは、規模も雰囲気も客層もまったく異なるお店です。
↑同店は、1階と2階が、同じお店とは思えないほど雰囲気が違います。2階は、いつのぞいても、本好きや出版営業マンをうならせるフェアが展開されています。山本さんの思いがよくあらわれたノンフィクションの棚も要注意です。
↑エレベータ脇のこちらでは、名物フリペに独自フェアにと、まさに「山本棚」と呼びたくなる世界が展開されています。
最後は、ブックンロールの常連、花本武さんのBOOKSルーエ。
↑2階にある通称「花本棚」は、一般のお客さんにも出版関係者にもファンの多い、同店の「顔」の1つ。
↑1階から2階にあがる階段の途中、踊り場の壁面を利用した展示スペースでは、原画展・ポスター展など、壁面のサイズを活かしたビジュアル系の展示はもちろん、書籍・ムックの特集・フェアなどにも使われています。
「ブックンロール2014」、明日の開催です。当日のタイムテーブルは以下の通りです。
18:30 開場
19:15 当日券受付開始
19:30 開演
19:40〜20:30 ライヴの部(約50分)
20:50〜22:20 トークの部(約90分)
23:00 終演
23:00〜25:00 2次会(別会場)
時間は予定で、前後することがあります。とくに、トークの部だけを聴きに来られる方は、場合により、開始が早まることもありますので、余裕をもってお出かけください。
出演者のプロフィールやトークの内容など、イベントの詳細はこちらを、当日券についてはこちらを、2次会についてはこちら、イベントに参加されるみなさんへのご案内はこちらをご覧ください。タイムテーブルと出演者一覧・略歴などは当日、印刷物は配布しません。どうかご了承ください。
6/27(金)の夜、19時ごろ、トークの部に出演する書店員のみなさんのお店を写真で紹介する記事をアップします。そちらも合わせてご覧ください。
イベントの感想などの、コメント欄やツイッターにてお寄せいただけるとうれしいです。ツイッターで感想や情報を寄せてくださる場合は、ハッシュタグは、「#booknroll」または「#ブックンロール」をご利用ください。(ゴロウさん(@bookseller56)ありがとうございます。)
それでは、6/27(金)、阿佐ヶ谷でお目にかかりましょう。
明日、6/27(金)、発売です。
↑このような本になります。かっこいいデザインです。右は、島田さんがいかに愛されているかがよくわかる、投げ込み。わたくし空犬もコメントを寄せさせてもらいました。
『あしたから出版社』は、わたくし空犬にとっては、吉祥寺の出版仲間であり、『本屋図鑑』・町本会の同志でもある夏葉社・島田さんの、初めての単著です。どんな本かについては、以前の記事にいろいろ書きましたので、そちらをご覧ください。
刊行記念トークイベントやサイン会がいくつか行われるようですが、夏葉社の地元、吉祥寺で行われるイベントを紹介しておきましょう。会場は、夏葉社からいちばん近い新刊書店、パルコブックセンター吉祥寺店です。
↑パルコブックセンター吉祥寺店、店頭の様子。島田さんの本の発売前なので、森岡さんの本だけが並んでいます。
トークのお相手は、同じ晶文社の〈就職しないで生きるには21〉から『荒野の古本屋』がこの春、刊行されたばかりの森岡督行さん。これはおもしろそうな組み合わせですよね。トークショー終了後にはサイン会も予定されているそうですよ。
森岡さんのトークは聴いたことがない、というか、そもそもお会いしたことがないのでわかりませんが、島田さんのほうは、すてきな文章書きであるだけでなく、話し手としてもとてもおもしろい人なので、きっと楽しい時間になると思いますよ。お近くの方はぜひトークに駆けつけていただければと思います。
予約方法などの詳細は、お店のサイトの案内をご覧ください。
先日、こんな記事が目にとまりました。「進化する「図鑑」活況 ビジュアル重視、スマホと連動」(6/16 msn産経ニュース)。出版業界紙の「新文化」にも大きな記事が出ていました。【新文化】 -PR本紙6月12日号:3出版社、図鑑大型企画で再バトル!! 《1面特集》」。
産経の記事を見てみます。《夏休みを前に、子供向けの学習図鑑の新刊が相次いで発売される。生き物の生態が分かるアップや迫力のある動きを収めた写真を大きく使ったり、スマートフォン(高機能携帯電話)をかざして3D画像を見られる新タイプも登場。子供たちの理科離れが指摘されるなか、進化する図鑑市場は活況が続いている》。記事では、『くらべる図鑑』(小学館)のヒットがきっかけで、《新タイプが次々と登場。それまで図鑑を出していなかった出版社も参入するなど活況が続いている》と続いています。
その参入組の1つが講談社。《3年前、動物などの動きに注目した「動く図鑑MOVE」シリーズを創刊。同社として15年ぶりの参入にもかかわらず、現在までに9冊で累計128万部の売れ行きを記録。今月12日には同シリーズの『生きもののふしぎ』『植物』が新たに発売された。DVD付きで動く映像が見られることに加え、ライオンの顔のアップや桜島が噴火する様子など、迫力のある写真を大きく掲載するビジュアルの面白さが好評だ》。
児童もの図鑑といえば、学研と小学館。MOVEの成功の影響でしょう、2社も動画付きの新シリーズをこの6月に創刊しています。まずは学研。《学研教育出版は今月20日、新シリーズの図鑑「LIVE」(DVD付き)を創刊する。第1弾として、子供に人気の『恐竜』『動物』『昆虫』の3シリーズを予定。スマートフォンやタブレット端末に専用アプリをダウンロードして本にかざすと、3D映像や動画で昆虫や動物のリアルな動きを楽しむことができる。》
小学館も《「図鑑NEO」シリーズで『恐竜』『動物』『昆虫』の新版と、新刊『花』を18日に刊行する(DVD付き)。特徴は恐竜や昆虫などを、分類ごとに進化に沿って紹介していること。たとえば昆虫の場合、最も原始的なトビムシ目が巻頭にあり、キリギリスなどのバッタ目やカブトムシなどのコウチュウ目へと進む。「意識しなくても生物の進化の不思議を感じてもらえれば」と北川吉隆編集長。》
図鑑については、この記事とか、この記事とか、過去に何度か空犬通信でも取り上げていますが、ぼくは図鑑少年がそのまま大きくなったような図鑑好き。新規参入がきっかけとなって、老舗が新シリーズを出すなど、図鑑の世界自体が盛り上がり、魅力的な商品が生まれてくるとしたら、図鑑好きにとってこんなにうれしいことはありません。ぜひ3社にはがんばって、すてきな図鑑を世に送り出してほしいものです。3社の公式サイトをあげておきます。
再び産経の記事に戻ります。《出版科学研究所によると、「図鑑」(キャラクター図鑑などを除く)の平成25年の推定発行部数は149万部と、21年の80万部から大幅に伸びた。新刊点数も165点から181点に増えている》。出版不況云々で、部数減の話ばかり聞かされることの多いこの業界で、この伸びはすごいですね。版元の努力や工夫が、きちんと読者に届いている証拠ということでしょうか。
図鑑=児童ものというイメージでいる人も多いかと思いますが、大人向けの商品も多いジャンルなんですよね、実は。そちらも好調のようで、記事には《学習図鑑だけでなく、写真集のような大人向けの図鑑も好調だ。平成22年刊行の『世界で一番美しい元素図鑑』(創元社)は、累計20万部のベストセラー。4月刊行の『世界一うつくしい昆虫図鑑』(宝島社)もすでに重版が決まっているという》とあります。いずれも決して安価な本ではありませんが、それがこんなふうに売れるというのはうれしい話ですね。
図鑑といえば、最近、図鑑愛にあふれたすばらしい本に出会いました。
【“図鑑好きにはうれしい図鑑新シリーズの創刊と『図鑑大好き!』”の続きを読む】
わざわざこのブログをのぞきにきてくださっている方に、あらためて、そんなことを宣言するまでもないのですが、本屋さんの本は大好きです。
【“いくらなんでもこれはなあ……”の続きを読む】
先日、リアル書店関連で、こんなニュースが新聞の紙面や各種ニュースサイトを賑わせましたね。取り上げているメディアの数が多いので、代表して、コンパクトにまとまっていて、写真も見られるこちらを。「楽天とBookLive!が参加――リアル書店で電子書籍が買える「BooCa」 4書店で提供開始」(6/16 ITmedia eBook USER)。
記事の一部を引きます。《日本出版インフラセンター(JPO)は6月16日、販売実証事業として、リアル書店で電子書籍の購入ができるサービス「BooCa」の提供を開始した。実施書店は、三省堂書店神保町本店(東京)、有隣堂ヨドバシ AKIBA店(東京)、豊川堂カルミア店(愛知)、本の学校今井ブックセンター(鳥取)の4店舗。期間は2014年11月21日まで。》
これまでも、店頭で電子書籍端末を販売したり、電子書籍タイトルが買えるようになっていたりする書店はありましたが、既存のそうした取り組みとは何が違うのか。そのあたりについて、記事にはこんなふうにあります。《BooCaは、電子書店で作品をダウンロードするためのコードが記載されたコンテンツカードで、レジで購入することで使用できる。スマートフォンなど、QRコードを読み取ることのできるモバイルデバイスの場合は、カード上に記載されたQRコードを利用することで、より手軽にダウンロードすることができる。ダウンロードの有効期限は、購入日から6カ月。対象の電子書店は現在「BookLive!」と「楽天Koboイーブックストア」の2ストアのみだが、参加を希望する電子書店があれば、随時追加していくという。》
実施店舗4店のうち、サービス開始初日の6/16、有隣堂 AKIBA店では、《BooCaに関するトークセッションが行われ、植村八潮氏(専修大学教授)、松信健太郎氏(有隣堂 常務取締役)、舟木徹氏(楽天 上級執行役員)、淡野正氏(BookLive! 代表取締役)らが登壇》したのだとか。有隣堂の松信さんの「今まで興味はあるが手を出したことのない人たちも、電子書籍を体験してほしい」という発言が引かれています。《店頭では電子書籍リーダー端末の販売も行い、必要な人は設定や疑問点について書店員のサポートを受けることもできる。量販店などと異なり、コンテンツにまで踏み込んだ質問にも対応できることが魅力だ。》
【“リアル書店で電子書籍を売るならば……”の続きを読む】
ツイッターで紹介したら、なんだかずいぶんたくさんリツイートされていて、反響が大きいようなので、空犬通信でも紹介しておきます。
8月にこんな銅版画展が開催されるようです。
サイトの案内によれば、《夢野久作の代表作「ドグラ・マグラ」の世界を10人の銅版画作家が創作しました。あわせて、夢野久作の長男でインドの砂漠を緑化させたグリーン・ファーザーこと杉山龍丸へのオマージュ銅版画の展示もいたします》という内容だそうです。
これは見たいなあ。東京と博多で行われるようで、東京の会場は、しばらく前に出た『荒野の古本屋』(晶文社)の印象も新しい茅場町の森岡書店で、会期は8/11〜23。その後、9月には博多へ。会場は、立石ガクブチ店で、会期は9/14〜20。
ぼくは銅版画の世界、というか美術方面自体にそんなに強くないので、参加されている銅版画家のみなさんのお名前を見ても、どのような方々なのか残念ながらよくわからないのですが、探偵者が注目すべきは、角川文庫の横溝正史作品のカバー画で知られる杉本一文先生が参加されていることでしょう。杉本一文先生+夢野久作! 探偵小説好きなら心躍らされること必至の組み合わせですよね。
「久作自筆ドグラ・マグラ初期草稿」も期間限定で公開されるそうです。草稿の展示は、8/15(金)、16(土)、17(日)の3日間。久作ファンは、ぜひこの3日に合わせてお出かけください。ぼくもいずれかの日に駆けつける予定です。
「ブックンロール2014」まであと1週間となりました。直前のご案内です。
◆当日券について◆
おかげさまで、前売りは完売しています。当日券が出るようですが、枚数が限られています。当日券については、会場阿佐ヶ谷ロフトAのこちらの案内をご覧ください。なお、当日券については、主催者の私も出演者も、取り置きなどは一切お受けできませんので、あらかじめご了承ください。
【“あと1週間!……「ブックンロール2014」、直前のご案内です!”の続きを読む】
東京・神保町の靖国通り沿い、ファミリーマート神保町靖国通り店の隣、しばらく空きになっていたところに、新しくブックカフェができました。オープンは、6/18。
↑お店の外観と看板。
↑お店ができる前の様子。
当初は、ウインドーに「アットワンダーIII 6月初旬開店」という貼り紙が出ていて、へえ、靖国通り沿いに、路面店の古書店ができるのかあ、と楽しみにしていたのですが、ブックカフェになったんですね。
お店は、元の貼り紙にある通り、神保町2丁目、開拓社ビルに入っている、ミステリやSFなどに強い古書店@ワンダー(アットワンダー)の「支店」といっていいんでしょうか。最終的な店名には「アットワンダー」が入っていませんが、看板には「@ワンダープレゼンツ」の文字が見えます。
@ワンダーのブログにお店の開店告知が出ています。こちら。「「ブックカフェ『二十世紀』 6月18日(水)オープンのお知らせ」」(6/10 神保町の古書店 @ワンダーのブログ)。
一部を引きます。《古本販売とコーヒー軽食の店、ブックカフェ『二十世紀』を開店いたします。古書店巡りの御休み所、日常の合間のリフレッシュ空間、仕事帰りに軽く一杯などにご利用いただければ幸いです。2階は禁煙、3階は喫煙フロアで、それぞれ20席ございます》。
《当店のコーヒーは、一杯ずつ豆を挽き、心をこめてハンドドリップいたします。皆様の楽しいいこいの場所となりますよう、スタッフ一同つとめてまいります。ぜひお気軽にお立ち寄りください》。
ショップデータは以下の通り。
ブックカフェ『二十世紀』
営業時間:10:00〜22:00
定休日:日曜日
アクセス:地下鉄神保町駅 A5出口より徒歩1分
住所:東京都千代田区神保町1-8-10
TEL:03-3293-2505
で、今日の昼休み、早速お店の様子をのぞいてきましたよ。
【“神保町に「ブックカフェ『二十世紀』」がオープン”の続きを読む】
先日の記事で紹介しました、海文堂書店の100周年を祝う展示「海文堂生誕まつり「99+1」」が終了しましたね。「神戸の老舗書店「海文堂」 幻の生誕100年まつり盛大に/兵庫」(6/16 THE PAGE)。
記事の一部を引きます。《昨年9月に閉店した、神戸市中央区の元町商店街の顔だった「海文堂書店」の「幻の誕生100年」を記念するイベント「99+1」がこのほど、同区の「ギャラリー島田」で行われ、かつての常連客などでにぎわった》。
《今回のイベントでは、しのぶ写真の展示や記念ポストカード、復刻ブックカバーの販売などを行った。「今回の収益などを基にして、『海文堂書店の本』として、ちゃんとした本に残したい」と、「ギャラリー島田」のオーナーで、海文堂書店の元社長の島田誠氏。海文堂の閉店で元町商店街から書店が姿を消したことなどもあり「本というキーワードで、街づくりに(海文堂書店の足跡が)係わっていく可能性はあるかもしれない」と、島田氏は今後への期待も口にした》。
↑復刻ブックカバー(左)と記念ポストカード。ポストカードは、ひと昔前の店頭の様子が写る写真や、最終日でしょう、お店の前が人だかりでうまっている様子の写真、お店の内外を描き出したイラスト・版画、書皮のデザインなど、海文堂書店を愛した人なら、眺めているだけで目頭が熱くなりそうなものばかりです。
【“「海文堂生誕まつり「99+1」」が終了しました……そして秋には町本会で?!”の続きを読む】
広島に、何やらユニークな古本屋さんができるようですよ。
READAN DEAT
住所:730-0802 広島県広島市中区本川町2-6-10 和田ビル203
http://readan-deat.com/
アクセス:広島電鉄 本川町電停 徒歩1分
営業時間:11:00-19:00
定休日:火曜日
お店の名前は、「READAN DEAT」。「リーダンディート」と読むそうです。後述の連載ブログ記事によれば、《本をREAD、うつわでEAT。そのふたつをANDで結んだ》造語だそうです。
店主の清政光博さん(「せいまさ」さんとお読みします)は、beco talkにも参加してくれたことのある方。beco cafeでお会いしたときに、広島で本屋さんを始めるという話を聞いて、びっくりした覚えがあります。その後、本当に、しかも短期間で古書店開店を実現されたことを、ご本人からの連絡で知り、ふたたびびっくりしているところです。すごい行動力だなあ。
お店で取り扱う書籍は、清政さんご自身の情報によれば、《自分で集めた古書、新刊は主としてリトルプレスや写真集など》だそうです。
これだけだと、まあ、セレクト系の古書店なのかなあ、と思われる方が多そうですが、ちょっとユニークなのは、取扱商品に「うつわ」が含まれていること。ぼくはうつわはまったくうとくて、値段の相場も、商品の種類も仕入れのこともさっぱりわからないので、どうにもコメントのしようがないですが、ただ、古書店を始めるのに、うつわも置くぞ!というのはそんなに当たり前のことでないことぐらいはわかります。本と食は相性のいい組み合わせですから、古本屋さんにうつわが並んでいる、いうのはなかなかいいかもしれませんね。
お店ができるまでの経緯や、お店での取扱ジャンル・商品などの詳細は、ご本人が、お友だちだというBOOKSHOP LOVERさんのサイトに連載記事を寄せていますので、そちらをご覧になるといいでしょう。「【連載】セイマサ、本屋はじめるってよ!」。店内の写真も見られます。
オープンは、明日6/18。さすがに、広島ではなかなか駆けつけるチャンスもなさそうなんですが、お近くの方は、ぜひこの新しい、すてきな古本屋さんを訪ねてみてください。
今回の留萌行きは、別項の記事(まとめるのに時間がかかって、まだ書けていませんが、明日あさってにアップします)に書きました通り、なにしろ遠くてアクセスに時間がかったものですから、途中、時間の余裕はほとんどありませんでした。自由時間と言えば、乗り継ぎのため、札幌で少し時間がとれた程度。そのわずかな時間を書店回りにすべてあててしまうあたり、我ながらどうかと思わぬでもないんですが、まあ、本屋好きというのはそういう人種ですから(苦笑)。
札幌はそれなりに縁のある街で(親戚がいたりします)、たまに来ていたりするものですから、ここはやはり、これまでに行ったことのないお店や、前回訪問時から変更があった店などを見たい。ということで、こんなお店を回ってきました(写真は6/2〜6/3の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)
まずは、札幌弘栄堂書店。
ここは、「これまでに行ったことのないお店」でも「前回訪問時から変更があった店」でもないのですが、吉祥寺で長らく弘栄堂書店を愛用してきた身には、はずせないお店です。
↑この書皮は吉祥寺の弘栄堂書店利用者にはなつかしいですね。同店は、本のカバーを書皮で折り込むかけ方。買ったのは、イチオシ文庫の棚から抜いてきた、獅子文六『コーヒーと恋愛』。同店は、イチオシの文庫のPOPや並べ方にものすごく力が入っていて、店頭でのそれぞれの本のアピール力がなんだかすごいことになっています。
↑岡山の地下街にあった弘栄堂書店は閉店になってしまいましたが、札幌の地下街では、弘栄堂書店がこのようにがんばっています。
↑紀伊國屋書店。この3月に、2階のカフェがスターバックスコーヒーに変更になっています。どんなふうに変わったのか、のぞいてきました。
このお店、以前に札幌書店訪問記で取り上げたことがありますが、店内の什器の配置やデザインが洒落ていて、紀伊國屋書店の支店のなかでも、個人的にもっとも印象に残るお店の1つとなっています。おしゃれに走りすぎると一般書店としては使いづらいものになってしまったりもするんですが、このお店は、棚の配置の妙やお客さんの動線も考えられているし、棚の高さもおさえめで開放的な造りになっているしで、とにかく居心地がいいのです。棚が何本も並ぶ北海道本の充実も見逃せません。
↑その北海道本の棚から抜いてきたのがこちら。『野生の猛禽を診る』(北海道新聞社)。帰りの飛行機の中でずっと読んでいたんですが、とてもいい本でした。
カフェがある2階も同様で、フロアを1周すると、自然に主要ジャンルがひと通り目に入るようになっていて、このあたりの店作りはさすが紀伊國屋書店という感じで、来るたびに感心させられます。改装前のカフェを使ったことがないので、違いがよくわからないのですが、窓ぎわに席の並ぶカフェスペースはとても居心地がよくて、お客さんが切れない人気ぶりでした。
大丸とステラプレイスにそれぞれ入っている三省堂書店2店を大急ぎでチェック。三省堂書店札幌店は、今回の取材対象である留萌のお店とも関わりが深いのですが、それはまた別の機会に。
知り合いの書店員さんからすすめてもらっていた古書店「古本とビール アダノンキ」へ。大通駅の先、東急ハンズのすぐそばで、ふつうなら札幌駅から余裕で歩ける距離ですが、なにしろこの日は、北海道にいることが信じられないほどの陽気、まさかの30度超え。まだこの後、新千歳へ移動し、飛行機に乗り、成田空港から武蔵野の我が家まで帰らなければいけないことを考えると、さすがに足が鈍ります……。
……などと一瞬迷ったくせに、結局、歩きで行ってしまいました。
↑表に大きく看板が出ていないので、知り合いから話を聞いていなかったら見つけられなかったかも。
お店は、カウンターのある部屋と、半分は倉庫になっているような、でもちゃんと本棚もある小さな部屋の2つに分かれています。店名にある通り、ビールも出しているお店です。買った古書を片手にビールが飲めるというのはなかなかすてきで、この日はなんといっても麦酒日和だったので、麦色の液体を摂取したくてしかたなかったんですが、時間的にあまりゆっくりできなかったので、ビールはあきらめ、本を買うだけにしました。
↑買ったのはこちら。『札幌古書組合八十年史』。表紙はクロス装に箔押し、本文は2段組で、A5判400ページ超と、ずいぶん立派な造りの1冊です。「札幌古書組合」の歴史なんて、札幌に住んでいないうえに、古書関係者でもないお前が買ってどうするんだ、といろんな人から言われそうですが、ぼくは地方の出版文化にも興味があるので、まあ、何かの資料にはなるのではないかと。おそらくは、新刊書店の話なんかも出てくるでしょうし。確認してないけど……。
カウンターのあるほうの部屋は、平台があったり、本棚にも整然と本が並んでいたりと、セレクト系の古書店らしいたたずまいですが、もう1つの部屋は、本棚こそありますが、値付けがされているのかなんなのかよくわからない本が積み上げてあったりして、部屋の半分ほどはカオスな状態になっていました。お隣とのギャップがおもしろくて、個人的にはけっこう好きな感じでした。本棚には一部、新刊も並んでいて、夏葉社の本、それこそ『本屋図鑑』も並んでいて、うれしい発見でした。
【“弘栄堂、紀伊國屋、アダノンキ……札幌の書店を(超駆け足で)見てきましたよ”の続きを読む】
気がつけば、東京国際ブックフェアまで、あとひと月を切っていますね。今年も講演や専門セミナーに、興味深いテーマや話し手のものがいくつもあがっていますので、書店関連のものをまとめておきます。
第21回 東京国際ブックフェア
会期:7/2(水)〜5(土)
会場:東京ビッグサイト
●東京国際ブックフェア 基調講演
7/2(水)10:30〜11:30
「「知の巨人」が読み解く 出版の現在、過去、そして未来」
立花隆氏(評論家・ジャーナリスト)
《11年前、「先行き真っ暗の大不況の時代であればこそ、大チャンス到来の大乱世のはじまり」とブックフェアで語った立花氏。電子書籍・デジタルの本格活用で『本』の在り方が変わり、『知の世界』の形態も移りゆく今、出版社・取次会社・書店・図書館・著者は何をすべきなのか?『本』に関わるすべての方に聴いていただきたい、次の10年を占う講演》。
●東京国際ブックフェア 専門セミナー プログラム
7/4(金) 10:00〜11:00
「儲からない話が黒字を生んだ!〜ある田舎の本屋さんの話〜」
佐藤友則氏(総商さとう ウィー東城店)
《人口9,000人を切る町で御用聞きに徹したところ、化粧品、エステ、美容室、印刷業、コーヒー、子守、手品まで対応可能に。「書店」の優位性、地域に果たす役割とは何か?人との繋がりを深めながら付加価値と利益率を高めてきたこれまでを振り返る》。
7/2(水) 13:00〜14:00
「なぜリアル書店が電子を売るのか?」
秋山弘毅氏(三省堂書店企画事業本部新業態事業室)
《リアル店舗における電子書籍サービスに積極的に取り組む三省堂書店。年配の常連客がいつでも質問できるカウンターを用意するなど安心感を提供し、リアル店舗が電子書籍を売る強みを実感している。電子が売れれば紙が売れなくなるといった論調もある中、電子書籍事業を推進する理由と、現状の実績を明かす》。
7/3(木) 10:00〜11:00
「お客様の必要とするものを届ける書店経営〜阪神淡路大震災の教えを胸に〜」
森忠延氏(井戸書店)
《入社の翌年に阪神淡路大震災で被災。地域住人が何を欲しているか考えたところ、 書店とは「本を売るだけでなく感動を伝える伝達人である」という経営理念に至った。独自の棚づくりから子供向け論語塾まで行い、地域になくてはならない書店となった経緯を語る》。
●東京国際ブックフェア 特別講演
7/5(土) 10:00〜11:30
「これからの書店ビジネスを展望する―リアル書店のネット時代への対応策―」
【講演】高井昌史氏(紀伊國屋書店)
【パネリスト】洞本昌哉氏(ふたば書房)、加藤勤氏(ブックスタマ)
【司会】星野渉氏(文化通信)
《インターネットを通した書籍のオンライン販売が拡大し、電子書籍市場もいよいよ本格的な普及期に入ってきた今日、これまで読者と出版物が出逢う場所の主流であったリアル書店はどうなるのだろうか。規模も地域も違う環境にある3書店の経営者が、現状に対する考えや、これから書店事業を継続するための取り組みなどについて語る》。
先日は、紀伊國屋書店新宿南店の改装の様子を紹介しましたが、今度は神保町の大型書店の改装です。
書泉グランデが、5月末ごろから(店頭の案内では5/27から)営業しながらの改装作業に入っていたようですが、さきごろ、公式サイトにこんな案内が出ていました。「書泉グランデ全館リニューアルが決定!!2階がコミックフロアに! 書泉グランデ 全館リニューアル」(6/7 書泉グランデ)。
案内の一部を引きます。《ただいま、書泉グランデでは全フロアで順次リニューアルしております! 今回のリニューアルでは、2階がコミックフロアとなります。また、1階にライトノベルが入ります。このリニューアルに伴い、今まで2階にあった下記のジャンルが既に移動いたしました》。
そのジャンルの移動についても、サイトの案内をそのままあげておきます。
《・アウトドア・登山・ハイキング・地形図・動植物・釣り・ガーデニング・地図 →5階へ
・数学・物理・科学・宇宙・天文・気象・地理・地学・鉱物・料理書・健康書・絵本・児童書・語学 →4階
・写真・カメラ →3階へ
・旅行 →6階へ
・マリンスポーツ →地下1階へ》
今回は、メインの1階や地階、6階の鉄道フロアなどに大きな移動がないせいか、外から見ているだけでは改装が行われていること自体もよくわからないぐらいなのですが、中に入ってみると、あちこちに改装に関する案内が貼付され、2階は完全に閉められた状態になっています。
↑店頭に貼り出された改装の案内。
今回のメインは、以前は地階にあったのが、ブックマートでまとめて扱われることになっていったんはグランデからはなくなったコミックが戻ってくることでしょうか。ちなみに、そのコミックの移動を含む、かなり大がかりな改装が行われたのが、2012年9月のこと。そのときの改装については、こちらの記事で取り上げています。
【“神保町の書泉グランデが改装中です”の続きを読む】
大阪の書店員さんたちと取次の営業マンが集まって、何やら、本を作ったらしい……そんなことを、ツイッターのTLで見かけ、それはおもしろそうだなあ、読みたいなあ、東京でも入手できるかなあ、などと思っていたら、いったいどんなふうに感知されたのか、ある方が魔法のようなタイミングで、その大阪発の本を届けてくれました。
- 大阪の本屋発行委員会『西加奈子と地元の本屋』(140B)
この『西加奈子と地元の本屋』、企画・編集・執筆を手がけたのは「大阪の本屋発行委員会」(@osaka_honya)、発行は「編集集団140B」(@maido140b)。その「大阪の本屋発行委員会」のツイッターによれば、このような本だそうです。
《大阪の本屋で働く書店員と、取次(問屋)の営業マンが集まって、1冊の「本」をつくりました》《西加奈子さん原作の映画『円卓 〜こっこ、ひと夏のイマジン』が、まもなく6月21日に公開されます。西さんの原作小説はもちろんのこと、映画も、主演の芦田愛菜ちゃんもすばらしくて、この映画公開をきっかけに何かおもしろいことをやりたい! と集まったのが、「大阪の本屋発行委員会」です》。
《『西加奈子と地元の本屋』は、本文たった32ページのささやかな本ですが、地元出身の作家さんをもっと応援したい、大阪の書店の魅力をもっと伝えたい、そんな気持ちをぎっしり詰めこみました。これでたったの380円(税込)! 本は薄いけど、なかみは濃い。お買い得の1冊です》。《『西加奈子と地元の本屋』は、大阪の本屋で働く書店員と取次(問屋)の社員が企画、編集、執筆に携わって完成しました。編集協力と発行は、ディープな大阪を代表する「編集集団140B」さんにお願いしました》。
目次を見ると、記事は4本。冒頭に掲載されているのは、西加奈子さんと津村記久子さんの対談「「大阪を書くことは、ほんまはしんどい」か?」。4/18にスタンダードブックストアで開催された「「書店員ナイト リターンズ」@スタンダードブックストア心斎橋」の特別企画として行われた対談だそうです。
個人的には西加奈子さんの良い読者とは決して言えないんですが(すみません……)、それでも、この津村さんとの対談はおもしろく読めましたから、ファンの方なら、楽しめることも間違いなしでしょう。この対談を読んで、隆祥館書店で開催した『本屋図鑑』のトークイベントに、津村記久子さんが仲良しの書店員さんと一緒に来てくださったのを思い出しました。ぼくはそのとき、わずかにことばを交わしただけで、別に親しいわけでもなんでもありませんが、そのときのことを思い出しながら、津村さんは、本屋さんが好きで、書店員さんとの距離も近い人なのだなあ、などとあらためて思ったのでした。
2本目は大阪の書店員さんたちによるアンケート「なんでこの本、ウチでは売れるんでしょ?」。3本めは、同じく大阪の書店員さんたちによる座談会「本に“大阪らしさ”ななんかいらん?」。最後は、昨年夏に東京堂書店で開催された『本屋図鑑』刊行記念のトークイベントにも駆けつけてくれた紀伊國屋書店の百々典孝さんによる「いつかは跨ぐぞ! 西加奈子宅の敷居」。全32ページと分量こそ決して多くはないものの、なかなかに盛りだくさんで、読みどころの多い中身になっています。
『西加奈子と地元の本屋』は、6/13発売予定だそうです。税込380円。くわしくは「大阪の本屋発行委員会」のツイッターをご覧ください。
【“やっぱり大阪の本屋さんはいいなあ……『西加奈子と地元の本屋』が発売になります”の続きを読む】
「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第9弾が決まりました。詳細は町本会blogにもアップされますが、空犬通信でもご案内しておきます。
「町には本屋さんが必要です会議」 Vol.9@名古屋〜『書店ガール3』と『あしたから出版社』刊行記念。〜
日時:2014年7月13日(日)
OPEN 12:30 START 13:00
会場:七五書店(愛知・名古屋))
http://shichigo.exblog.jp/
467-0064 愛知県名古屋市瑞穂区彌富通2丁目4-2
TEL 052-835-0464
出演:熊谷隆章(七五書店)・碧野圭(作家)・島田潤一郎(夏葉社)
会費:500円
町本会blogの告知記事から引きます。《出版業界にいて、SNSをやっていれば、七五書店さんの名を一度や二度、聞いたことがあると思います。情報発信力がある、新瑞橋の町の本屋さんです。こんな本屋さんがうちの近くにあればいいのにと思わせるお店です。具体的には書きませんので、どうかお楽しみに。七五書店さんに行ったことがないかたに、ぜひ来てほしいと思っています》。
予約は、6/10(火)からメール・電話にて受付開始となります。メールの件名を「七五書店 トーク申し込み」とし、「お名前」「お電話番号」をかならずご記入のうえ、「75bsin●gmail.com」(●をアットマークに書き換えてください)までメールにて、または、052-835-0464まで直接お電話にてお申し込みください。(メール・電話ともに七五書店。)
碧野さんの著書『書店ガール 3 託された一冊』(PHP文芸文庫)についてはこちらを、島田さんの著書『あしたから出版社』(晶文社)についてはこちらをご覧ください。
たくさんの本好き本屋さん好きのみなさんのご参加を、関係者一同お待ちしております。
新刊案内を見ていたら、こんな本が目につきました。
↑書影がありませんので、代わりにこちらを。本書の報道関係者向け資料。
版元の案内によれば、このような内容です。《東日本大震災で被災した日本製紙・石巻工場。機能は全停止し、従業員でさえ復旧は無理だと考えた。しかし社長は半年での復旧を宣言。その日から彼らの戦いは始まった。紙の本を愛する全ての人へ》。
これだけでも十分に惹かれますが、しかも書き手が、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』の佐々涼子さん。同作で開高健ノンフィクション賞を受けた方です。これは読みたくなりますよねえ。
これはおもしろそうだなあ、ぜひ読みたいなあ、などと思っていたところ、偶然にしては出来すぎなタイミングで、プルーフが送られてきたのです。ぼくはこんなふうにときどき本を紹介する駄文を書いたりはしますが、どこかに書評を書いたりしているわけではありませんし、この空犬通信でも書評はしませんので、プルーフや献本をいただくことはふだんはほとんどありません。でも、この本は、こちらがリクエストしたわけでもツイッターに物欲しげなことを書いたわけでもないのに、空犬にぴったりな内容だから、と、早川書房のYさんが送ってくれたのでした。うれしいなあ。
いたいだたその日の帰りの電車で早速読み始めました。震災を描いた本はこれまでに何冊も手にしています。この本は、ことさらに震災の被害を生々しく描き出すような、そのような本ではありませんが、それでもあちこちに出てくる被害の様子の描写に、字を追う目が、ページをくる手が止まり、冷静に読み進めることができません。何度も涙腺を刺激されます。電車内での読書に向いた本ではないのかもしれないことには読み始めてすぐに気づかされましたが、しかし、途中でやめることもできません。出版に関わる者として、これは絶対に読んでおきたい、何よりも先に読みたいと思ったからです。結局、夜、自宅で続きを読み、その日のうちに読み切ってしまいました。
書き手の佐々さん自身が、この本の中で書いていますが、毎日のように紙の本を手にしている出版関係者で、紙の本への愛を表明している本好きであっても、その紙がどこでどのように作られたのか、よくわかっていなかったことを、この本を読んであらためて思い知らされました。もちろん、震災直後、被災地に出版用紙を生み出す主要な製紙工場があったこと、また、雑誌の印刷などに使われるインキ工場も被災したこと、そのために、一時期は出版、とくに雑誌やコミックの刊行が危機的な状況にさらされたこと。そうしたことは、当時報道されましたし、社内でも情報が共有されていましたから、知識としては知っているつもりでいました。でも、あのとき東北で、石巻で何が起こっていたのか、どんなふうにして製紙工場が復活したのかは、まったく知らなかった、わかっていなかったのです。この本を読んで、そのことがよくわかりました。
先に引いた、版元の内容紹介に《紙の本を愛する全ての人へ》とありましたし、プルーフと一緒にもらった版元の資料にも《本に関わるすべての人へ》とう文言がありましたが、一読、まさにそんなふうに言いたくなる1冊だと思いました。
いい本です。《紙の本を愛する全ての人》に、空犬通信からもおすすめしたいと思います。
なお、版元の資料によれば、《本書の収益の一部は被災地の学校図書館へ寄付する予定》なのだそうです。
【“あのとき日本製紙石巻工場で何が起こっていたのか……『紙つなげ!』が発売されます”の続きを読む】
「ブックンロール2014」の2次会につき、管理者のみ閲覧可のコメント欄にて参加希望のご連絡をくださったみなさま。ご連絡ありがとうございます。
コメントを確認しましたら、すぐにメールにてご連絡を差し上げています。2、3日中に連絡がない場合は、迷惑メールに振り分けられたりしていないかどうかご確認のうえで、連絡が届かない旨、再度コメント欄にてご連絡いただければと思います。
イベント自体は前売が完売となりましたが、2次会はまだ人数に少し余裕がありますので、引き続き参加ご希望受付中です。出版・書店関係者を中心に本好き音楽好きがたくさん集うにぎやかな会になります。もちろん、業界関係者以外の一般の方のご参加も大歓迎ですし、2次会のみの参加もお受けしています。開催が遅めですので、遠方の方は難しいかもしれませんが、たくさんの本好き書店好き音楽好きのみなさまのご参加をお待ちしています。
2次会については、こちらの記事をご覧ください。(料金や終了後の延長の扱いなど、一部情報を更新・追記しました。)
「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第8弾が決まりました。詳細は町本会blogにもアップされますが、空犬通信でもご案内しておきます。
「町には本屋さんが必要です会議」Vol.8@京都左京区
〜『街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。』と『あしたから出版社』刊行記念。〜
日時:7月9日(水)
OPEN 19:00 START 19:30
場所:恵文社一乗寺店イベントスペースCOTTAGE(京都・左京区
http://www.keibunsha-books.com/
京都府京都市左京区一乗寺払殿町10 マンションベルフラール 1F
出演:堀部篤史(恵文社一乗寺店)・島田潤一郎(夏葉社)
会費:1000円
町本会blogの内容紹介によれば、今回の公開会議は、《本屋さんのことを本屋さんの中の言葉で語るのではなく、町の他業種の店舗をとおして語ることで、堀部さんは本屋さんのこれからを見ようとしています。ふたりでいろいろと本屋さんのこと、本のことを掘り下げて話します》という内容とのことです。
堀部さんの著書『街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。』(京阪神エルマガジン社)については、こちらを、島田さんの著書『あしたから出版社』(晶文社)についてはこちらをご覧ください。
予約は、6/6(金)からメールにて受付開始となります。メールの件名を「恵文社一乗寺店 トーク申し込み」とし、「お名前」「お電話番号」をかならずご記入のうえ、「info●natsuhasha.com」(●をアットマークに書き換えてください)までメールにてお申し込みください。
たくさんの本好き本屋さん好きのみなさんのご参加を、関係者一同お待ちしております。
先日、5/29に、紀伊國屋書店新宿南店6階にオープンしたBooks Kinokuniya Tokyo。オープン前にも一度記事で紹介しましたが、オープン当日の夕方、お店を訪問してきましたので、簡単に報告します(取材を頼めるような知り合いがいなかったので、今回は店内の写真はなしです)。
↑左は3階のウインドーに出ている大きな案内。右は、オープニング記念イベントなどの告知です。
同店の6階は約300坪と、駅ビルなどの商業施設に入っているワンフロア型の中規模書店並の広さがあります。それが、ワンフロアまるごと全部洋書・洋雑誌にあてられるのですから、さすがに壮観です。
同じく、大きな洋書売り場のある丸善丸の内本店や、大阪のMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店の洋書売り場に比べると、(いい意味で)売り場にぎっしり感がなく、通路は広めにとられ、棚の高さもおさえめになっているなど、全体にゆったりした空間の使い方になっています。そのため、開放感のある、居心地のいい売り場になっているように思いました。
↑オープニングのチラシとセールの案内。いずれも両面で、バイリンガルになっています。
↑フロアレイアウト。
ふだんはリーディングスペースになっていて、イベントなどにも使われる「COMMUNITY GARDEN」は、タカシマヤ方面へのエスカレータの斜め前あたり。新刊台はレジの斜め前あたりで変わらずです。文学書や専門書が並んでいたエリアは、おおむねそのままですが、子どもの本やYAが別のエリア、元芸術書・楽譜などがあった側に移りましたので、一部入れ替えなどがあります。雑誌は、元語学書の棚があったあたりに並んでいます。
↑「世界をつなぐ、紀伊國屋書店。」と題された、海外の支店を紹介するパンフレット。
【“紀伊國屋書店新宿南店6階に、巨大洋書売り場Books Kinokuniya Tokyoオープン”の続きを読む】
これ、しばらく前からよく見かけるようになりましたね。これを見るたび、うーん、という気分にさせられる本屋さん好きは、おそらくぼくだけではないのではないかと思うんですが、どうでしょうか。
セブンイレブンの店頭に掲示された「セブン-イレブンは街の本屋」というポスターです。
コンビニが本や雑誌を扱うのは今に始まったことではないし、それなりの規模になっていることもわかっていますから、そのこと自体をどうこういうつもりはもちろんありません。ぼくは本屋さん派なので、本や雑誌を買うことこそしませんが、コンビニ自体、とくにセブンイレブンは、ぼくもよく利用するので(ビールと白くまアイスとお菓子ばっかりだけど)、別にコンビニがダメだのなんだのと言うつもりもまったくありません。ありませんが、だからといって、自分たちが圧迫・駆逐してきたといっていい隣接業種の1つである「街の本屋」を名乗るのは、さすがにどうかと思うのです。
調べてみたら、このような動きは、この4月からのことなんですね。こんなページもできています。セブン&i HLDGSのサイトを見ると、「新社長インタビュー 戸井和久」が掲載されていて、その中に、「セブン-イレブンを「街の本屋さん」に」という一項がありました。一部を引きます。
《この 4月から「セブン-イレブンは街の本屋さん」と位置づけ、本(書籍と雑誌)の販売に注力していきます。これは、セブンネットショッピングが取り扱っている 150万アイテムに上る本を、セブン-イレブン店頭の端末からご注文いただき、各店舗やご自宅で受け取れるようにするもの。従来もネット通販商品のセ ブン-イレブン店頭受け取りサービスは実施していましたが、今回、店頭に置いた端末を使用し、従業員が接客を通じてサポートすることで、ネット購買になじみのないお客様も容易にサービスが利用できるようになります》。
ぼくはテレビを観ないので、ぜんぜん知らなかったんですが、テレビCMまで打っているんですね。「セブンイレブン セブンネットショッピング のCM「街の本屋になります」篇が公式サイトで公開。出演 黒澤はるか。」(4/25 動画NOW!!)。
近くにコンビニがあるだけで雑誌やコミックの売上には大きな影響があるというのに、このうえ、本屋宣言などされて、取り置きや定期購読といった、本屋さんでできることは全部うちでできますよ、などとされたら、商圏の重なる個人商店や小規模チェーン店はたまったものではないでしょう。
この件、出版・書店関係者の間ではまだそんなに大きな話題になっていない気がするのですが、本屋さんの今後を考えるうえでけっこう深刻な問題なのではないかという気がします。
6/27に阿佐ヶ谷ロフトAで開催予定の、本と書店と音楽のイベント「ブックンロール Book'n'Roll 2014〜それでも「本屋」で、生きていく〜」。おかげさまで、前売が完売となりました。ご予約くださったみなさま、ありがとうございました。
当日券ですが、昨年同様、少し出るようです。会場の阿佐ヶ谷ロフトAに確認しましたところ、以下のようになっているそうです。
《当日券ご希望の方は19:15〜受け付けいたします。当日券の方は立見、もしくはモニターでのご観覧となります。なお、できるだけ沢山のお客様にご覧頂きたいのですが、ご希望者多数の場合は入場を制限させて頂くこともございますのでご了承ください》。
《前売ご購入・WEBでご予約の方でも、ご来場が遅れますと会場後方のお席になる可能性がございます。ご了承ください。》。
当日券の数などの詳細は空犬通信ではくわしいことをお伝えすることができませんので、詳細は、阿佐ヶ谷ロフトAのサイトをご覧いただくか、会場に電話(03-5929-3445)などでお問い合わせください。よろしくお願いします。
2次会のご参加も引き続き受付中です。
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