先の記事で刊行予定と内容についてご報告しました、7/19発売の『本屋図鑑』。関連のイベントがいくつか決まっていますので、ご案内します。(書誌情報については、こちらをご覧ください。)
トークイベント 夏葉社:島田潤一郎×ライター・編集者:北條一浩
日時:6月23日(日)17:00〜19:00
会場:富山市民プラザ3F AVスタジオ
〒930-0084 富山県富山市大手町6-14
出演:北條一浩(ライター・編集者)、島田潤一郎(夏葉社)
料金:800円(1ドリンク付き)
内容:東京・吉祥寺の小さな出版社、夏葉社・島田潤一郎さんと、ライター兼編集者で書店に関する本も著されている北條一浩さん。全国の新刊書店・古書店を精力的に歩かれているおふたりのトークイベントが開催されます。
予約:古本ブックエンド
076-493-6150
[email protected]
*予約受付中です。
一箱古本市も開催される富山の地域ブックイベント、BOOK DAY とやまのイベントです。『本屋図鑑』の書名こそ出ていませんが、島田さんの話は、まさに「本屋図鑑」取材旅行で見聞きしたものが中心になるようですので、「本屋図鑑」関係としては初のイベント、ということになります。
『本屋図鑑』刊行記念 トークイベント
「本屋さん」が語る「本屋さん」の話 『本屋図鑑』裏話
日時:7月12日(金)
OPEN 18:00 START 18:30(〜20:00)
会場:東京堂ホール(東京堂書店6F)
出演:百々典孝(紀伊國屋書店梅田本店)、笈入建志(往来堂書店)、島田潤一郎(夏葉社)
参加費:800円(ドリンク付)
主催:東京堂書店
内容:「生活のなかにはいつも本屋さんがある」というコンセプトで、日本全国の、駅前の、商店街の、帰り道の、町の書店の魅力を紹介する『本屋図鑑』。その刊行を記念して、「本屋さん」が「本屋さん」のことを語ります。
*本の先行販売があります。得地直美さんのサイン本の販売があります。(予定)
予約:東京堂書店
03-3291-5181
[email protected]
*予約受付中です。
【“いろいろあります!『本屋図鑑』のイベント”の続きを読む】
やっと、正式に発表できることになりました。7月に出る本の告知です。
『本屋図鑑』
著者:得地直美/本屋図鑑編集部
発行:夏葉社
判型・頁数:四六判・並製・240ページ・1色刷
予価:1,785円(本体1700円)
発売:7月19日
ISBN:978-4-904816-09-7 C0095 ¥1700
昨年の夏に、東京・西荻窪のブックカフェ、beco cafeで開催したトークイベント(公開編集会議)で告知した本です。その後、かなり細部が変わり、このような本になります。《「生活のなかにはいつも本屋さんがある」というコンセプトで、日本全国の、駅前の、商店街の、ショッピングモールの中の、島の、町の書店の魅力を紹介する》本、それが『本屋図鑑』です。
【“夏葉社の新刊『本屋図鑑』が7月に出ます”の続きを読む】
追記(6/10):人数の関係で、締め切らせていただきました。たくさんの参加表明、ありがとうございました。ご参加の連絡をくださったみなさんには、前々日までに、メールと空犬通信とでご案内を差し上げます。
ブックンロールの2次会(懇親会)について、あらためてご案内します。
ブックンロール2013 2次会
場所:未定(阿佐ヶ谷ロフトA近辺の飲食店)
時間:23:00~25:00
会費:3500~4000円程度
幹事:ハマザキカクさん
【“ブックンロールの2次会に関するご案内”の続きを読む】
出張で奈良に行ってきた話は、書店レポにまとめた通りなんですが、野鳥好き、なかでもツバメが好きな鳥好きとしてはうれしいことに、奈良では、たくさんのツバメたちを見ることができました。
東京と違って、ツバメたちが巣をかけやすい、軒のある木造の家が多いこともあるのでしょうか。とにかく、一日で、こんなにたくさんのツバメの巣を見たことって自分の人生であったろうか、というぐらいに、たくさんのツバメの巣を見ることができました。
人に寄り添って生きるツバメたちが暮らしやすい街って、いいですよね。ブログ更新はしばらくお休みのつもりでしたが、これまでの人生で、もっともたくさんのツバメの巣を見た一日を記念して、写真だけまとめておきます。
【“探鳥散歩日記:奈良で見かけたツバメたち”の続きを読む】
仕事で奈良に行ってきました。今回は日帰りで、空き時間もほとんどなかったのですが、いい本屋さんがあるからと夏葉社の島田さんにすすめられていたこともあり、無理やり時間を作って、2軒の書店を大急ぎでのぞいてきました。
ブログの更新、書店レポはしばらくお休みするとしていましたが、この2店、とても印象的なお店だったので、なんとしてもふれておきたい、というわけで、ごく簡単に紹介しておきます。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は5/20の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)



↑ベニヤ書店(左)と豊住書店(中)。どちらも、町の本屋さんらしいたたずまいで、外観と看板を見るだけでうれしくなります。こんなすてきな書店が、それほど大きくはない商店街に同居しているのです(*追記あります)。旅先でこういう町の本屋さんに出会えるのは、書店好きにとっては、ほんとにうれしいことですね。



↑ベニヤ書店は外観と書皮だけ。正面に戸やガラスがない開放的な造り、雑誌の並ぶ店頭の平台、いい具合に古びた木の什器は、ぼくが子どものころに通っていた、小さな本屋さんを思わせる雰囲気で、とてもなつかしい気分になりました。
外観だけでなく、中もすてきです。書棚の上の方にはすごい古い本が残っていて、冨山房の『フォークナー全集』(!)とか、『川端康成全集』(新潮社)とかがあって、びっくりしました。
Twitterで教えてもらった情報によれば、同店には看板猫グーちゃんがいるそうなんですが、残念ながら会えませんでした。このお店は、『本屋図鑑』で取り上げられる予定ですので、これぐらいに。



↑豊住書店。こちらも、お店の外観がいい感じです。
中に入るとちょっとびっくりします。20坪ぐらいでしょうか。この規模の商店街の路面店だと、新刊に文庫にコミックに雑誌にと、だいたいこんな感じの品ぞろえだろうなあ、と勝手に想像しながら入ると、あまりの違いに驚かされることになります。
全体に、教養系・学術系の本が多めで、コミックもアダルトもありません。文庫棚を見ると、もちろんふつうの新刊文庫もありますが、目につくのは、岩波文庫や講談社学術文庫、ちくま学芸文庫など、文芸・学術系のかための文庫で、それらがぎっしりなのです。



↑本好きなら、文庫の背の色で、どのレーベルがどんなバランスで並んでいるかがわかりますよね。


↑新書(それも岩波新書が多い)や選書の類も多くて、単行本の棚も、文学や歴史書がバランス良く配され、全体に、とても町の小さな書店とは思えない棚になっています。いやはや、これはすごいなあ。


↑写真ではわかりづらいと思うのですが、文庫の背にところどころ白い帯が巻かれていて、「絶版」「当分重版予定なし」などと書かれているのが見えるでしょうか。お店の方に尋ねてみると、店主の方が、品切れ・絶版の情報を調べて、自分で巻いているのだそうです。(ちなみに、帯は通常帯の流用で、裏返しにして、ハンコが押されています。)
やわらかめの一般文庫と違い、岩波・講談社・ちくまなどの学術系文庫は、単価も高く、一般の文庫に比べ部数も少ないものが多い。新古書店には出回りにくいし、いったん切れると、けっこうな古書価がついてしまうこともあり、復刊フェアなどにひっかかるのを待つか気長に古書を探すかしなくてはならないなど、入手が難しくなることが多いですよね。なので、こうした情報が非常に重要になってくるタイプの商品なわけです。当然、常に文庫の情報をチェックしていないとできないことで、手間がかかります。それに、このような手間をかけたからといってすぐに売れていくわけでもないでしょう。ほんと、この手間のかけ方、この工夫……頭が下がります。


↑書皮。「書物処」の文字列がかっこいい。2007年度の書皮大賞を受賞していて、店内にはそのときの賞状が飾られていました。
ベニヤ書店、豊住書店、2店とも、ほんとにすばらしい「町の本屋さん」でした。この2店がある近鉄奈良駅近くの東向北商店街は(*追記あります)、昔ながらのたたずまいのお店がいくつも軒をつらねる、こぢんまりとした雰囲気のいい商店街です。こんなすばらしい書店が2店もあるうえに、古書店、それも新古書店ではなく、昔ながらの雰囲気と品ぞろえの古書店まであります。地元の方がうらやましくなるような商店街です。
本好き書店好きのみなさんが奈良にお出かけの際は、ぜひ、時間を作って、すてきな町の本屋さん2軒を訪ねてください。
ちなみに、この東向北商店街(*追記あります)。野鳥好きにはうれしいことに、ツバメたちがびゅんびゅん飛び交っていて、あちこちにツバメの巣がかかっていました。ツバメは人に寄り添って生きる鳥です。ツバメたちが暮らしやすい街というのは、きっと人にとってもいいところなんだろうなあと、そんなことを思わずにはいられませんでした。
【“ベニヤ書店、豊住書店……奈良の「町の本屋さん」がすばらしい”の続きを読む】
先日、5/10に前売販売+予約受付を開始した「ブックンロール2013」。会場の阿佐ヶ谷ロフトAの担当の方から、前売販売と予約受付が、予定枚数に達し、販売・受付終了となった旨、連絡をいただきました。今回は、トークの出演者がものすごいメンバーですし、予約開始前の反響もけっこうありましたので、それなりの反応を期待してはいたのですが、まさか、こんなに早く完売になるとは……。企画者・主催者としては、うれしいかぎりです。早々にご予約ご購入くださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。
当日券が少し用意されるそうです。ただ、当日券も枚数にかぎりがあります。入手方法など詳細につきましては、会場、阿佐ヶ谷ロフトAからのイベント案内ページに詳細が出ていますので、そちらをご覧ください。
ブックンロールの前売をご購入くださった方、Webでご予約くださった方で、2次会(懇親会)に参加をご希望の方は、ツイッター(@sorainu1968)か、この「空犬通信」のコメント欄で、その旨、ご一報ください。2次会の詳細はこちらをご覧ください。
追記(5/22):コメント欄にてブックンロール2次会にご参加希望のご連絡をくださったみなさま、ありがとうございます。コメントを確認しましたら、すぐにメールを差し上げます。メールが届かない場合は、迷惑メールなどに振り分けられていないかをご確認のうえで、再度、コメント欄にてメールが届かない旨、お知らせいただけると助かります。よろしくお願いします。
追記(5/13):ロフトAweb予約は終了とのことです。e+(イープラス)はまだ購入できるようです。当日券も少し用意する予定だそうですので、予約終了後の状況については、会場の阿佐ヶ谷ロフトAにお問い合わせください。よろしくお願いします。
6/28に阿佐ヶ谷ロフトAで開催予定の、本と書店と音楽のイベント「ブックンロール」。前売販売・予約受付が開始となりました。
空犬通信presents
ブックンロール Book'n'Roll 2013
〜やっぱり本屋はおもしろい〜
日時:2013年6月28日(金)
OPEN 18:30 START 19:30(〜22:30)
19:40ごろ ライヴの部 スタート(約80分)
21:10ごろ トークの部 スタート(約70分)
場所:阿佐ヶ谷ロフトA(東京・阿佐ヶ谷)
杉並区阿佐谷南1-36-16-B1 03-5929-3445
チャージ:前売1000円 当日1300円(いずれも当日会場でドリンク代として+500円)
出演:
(トークの部)
田口幹人(さわや書店フェザン店;盛岡)
辻山良雄(リブロ池袋本店;池袋;司会)
長﨑健一(長崎書店;熊本)
花本武(BOOKSルーエ;吉祥寺)
(ライヴの部)
長谷川バンド(BOOK EXPRESSディラ大宮店長谷川さんのバンド)
C調ボーイズ(夏葉社島田さんのバンド)
ブックスピストルズ(「吉っ読」のバンド)
企画・主催:空犬(編集者・吉祥寺書店員の会「吉っ読」・空犬通信)
詳細は、こちらの記事をご覧ください。よろしくお願いします。
【“ブックンロール、前売販売+予約受付、始まりました!”の続きを読む】
ここ最近の新刊書店、開店・閉店関連をまとめます。今回は、関連記事の紹介や補足説明はなしで、リストアップのみです。
●オープン
- 4/20 平安堂佐久インターウェーブ店(300;長野県佐久市)
- 4/20 ゲオ赤穂店(20;兵庫県赤穂市)
- 4/25 書林板橋店(37;板橋区)
- 4/26 ザ・リブレットマルイ静岡店(50;静岡市葵区)
- 4/27 ゲオ郡山城清水店(20;福島県郡山市)
- 5/ 2 文教堂大通り駅店(190;札幌市中央区)
- 5/20 Wonder Goo川越店(450;埼玉県川越市)
- 5/24 田村書店吹田さんくす店(70;大阪府吹田市)
- 5/28 未来屋書店大阪ドームシティ店(256;大阪市西区)
- 6/21 ジュンク堂書店大宮高島屋店(574)
- 6/29 平安堂伊那店(580;長野県伊那市)
- 初夏 未来屋書店イオンモール大阪ドームシティ店
文教堂大通り駅店は以前の記事でふれた、リーブルなにわの跡地にできるお店で、以前の記事では支店名がわからなかったものです。ジュンク堂書店は、新規に入れていますが、大宮ロフト店の移転・改装による改称店です。高島屋7階全フロアを占めるとのこと。平安堂の新規2店は、新文化の記事によれば、13年ぶりの出店だそうです。
●リニューアル
- 3/? 宮脇書店イオン高松店
- 3/? 宮脇書店大洲店
- 4/25 文教堂書店熊谷ニットーモール店(270;埼玉県熊谷市)
- 5/17 文教堂函館昭和店(750;北海道函館市)
- 5/17 廣文館福山駅ビル店(180;広島県福山市)
- 5/18 アニメイト三宮店(70;神戸市中央区)
- 5/23 夢屋書店ピアゴ多治見店(120;岐阜県多治見市)
- 5/25 宮脇書店嘉手納店(186;沖縄県嘉手納町)
うち、宮脇書店イオン高松店とアニメイトは移転。廣文館は移転増床。文教堂2店と夢屋、宮脇は増床。
●閉店
- 3/31 平形書房大泉学園
- 4/30 博文堂書店西葛西店
(先の記事に書きました通り、新刊書店の開店・閉店関連記事は、しばらくお休みします。)
(補足情報を追記しました(5/9)。
【“平安堂、ジュンク大宮、文教堂……新刊書店の開店・閉店いろいろです”の続きを読む】
先日、デュアン(デュエイン)・オールマンの、ものすごいCDボックスが発売になり、思わず買ってしまいました(記事末尾で紹介)。
ところで。ぼくのハンドル名「空犬」というのは、このデュアン(デュエイン)・オールマン(スライドギターの名手として知られたギタリストで、ぼくがもっとも敬愛するギタリストの1人です)のあだ名、Skydog(ちなみに、このあだ名、いつもトンでるところからつけられたとか、別のあだ名Skymanからだ、とか諸説あるそうですが、彼のギタープレイが、犬が空を翔けるようだというところからつけられた、とする、なんだかよくわからないけど楽しい説もあり、絵を想像すると、なんだかおかしいです)を勝手に訳したものです。
【“「空犬」という名前のこと、「空犬通信」の予定のこと”の続きを読む】
荻窪の南口に昨年できた書店、あゆみBOOKS荻窪店。「いか文庫」がこの連休に同店でフェアを始めたというので、早速のぞいてきましたよ。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は5/7夜の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。店長の佐々木さんにお話をうかがいました。)


↑同店の外観。荻窪駅南口、徒歩すぐの商店街内路面店です。
フェアの内容・主旨については、いか文庫の公式サイトに説明があります。「「いか文庫フェア」@あゆみブックス荻窪店 開催中!!」(4/29 いか文庫)。
《何を隠そう、いか文庫が誕生し、店主バイトくんバイトちゃんの3人が最初に出会ったのはこの「荻窪」。そんないか文庫の聖地とも言える地でフェアを開催できる日が来るとは・・・嬉泣》。
《あゆみブックス荻窪店さまは、地元愛と本への愛が溢れる書店さんだなぁと感じさせる素敵なお店。店長さんはじめスタッフの皆さんも、今回のフェアのために、あゆみBOOKS荻窪店のキャラクター「あゆみくん」とのコラボキャラクタ「いかあゆみくん」を作って下さった事をはじめ、たくさんご協力くださっています。そんな素晴らしい場所「荻窪」でのフェアのテーマは・・・『聖地』》。
テーマが「聖地」って大きく出たなあ(笑)。「いかあゆみくん」と、フェアのためにコラボキャラまで作っているあたりもなんだかすごいです。
早速、店内の様子を見てみましょう。フェアは、店内入って右側の棚、広めにとられた新刊コーナーの右端、レジ寄りの1列を使って展開されています。



↑もう少し引いて撮れればよかったんですが、お客さんの関係で、微妙な撮り方になってしまいました。棚は上から下まで使われていて、30点ほどの本と、「いか文庫」関連のイベントやフェアではおなじみのトートなどのグッズ類が並んでいます。『世界の夢の本屋さん』の右にいるのが、「いかあゆみくん」でしょうか。



↑セレクトされた本は、大まかなテーマづけがされているようで、「いか文庫の○○○の本」と手描きの案内が貼ってあります。「本の本」が多めにセレクトされているのがわかります。写真中央は「いか文庫新聞」のスペースですが、この日は在庫なし。フェアは4/26開始ですから、10日ほどで店頭分がはけてしまったわけですね。
このフェアが実現したきっかけについて佐々木店長に質問してみたところ、何やらおもしろそうな活動をしている人たちがいる、という噂を聞き、紀伊國屋新宿本店で開催されていたフェアを見に行ったら、たしかにおもしろい。で、連絡をとってみたら、荻窪つながりだ、ということがわかり、そこからはとんとん拍子で話が進んだのだとか。てっきり、荻窪つながりであることをどちらかが知っていて話が進んだのかと思っていたら、後から判明したんですね。おもしろい偶然です。
フェアは、ひと月ぐらいの予定で、もしかしたら延長も、と佐々木店長。5月いっぱいはやっていると思いますが、その後の予定はお店のほうに確認してみてください。ただ、上の写真の通り、無料とはいえ、新聞が早くもはけちゃっているぐらいですし、それほど規模の大きいフェアではありませんから、本やグッズがたくさん並んだ、このにぎやかな感じを見てみたい方は早めに見に行くほうがいいかもしれません。
近隣の方、中央線沿線にお住まいの方はぜひチェックしてみてください。

↑同店の新刊棚。壁面をぜいたくに使った、お店のサイズからすると、かなり大きめにスペースをとった新刊紹介コーナー。写真では、左端が少し切れ気味でわかりにくいかもしれませんが、芸術書などの大判のものも、面陳でぜいたくに展示されています。こうした存在感のある新刊棚は、ほかのあゆみBOOKSのお店にも見られるもので、同チェーンの特長だと思いますが、単に売れ筋の新刊を並べただけの棚になっていないところがいいですね。
同店については、昨年、オープン直後の様子を紹介したことがありますので、よろしければこちらもどうぞ。

↑新刊棚からこの本を購入。別のお店で目にして、鳥好きとしては気になっていた1冊。『フクロウのいる部屋』。こういうタイミングで再び出会うと、手に取らざるを得ませんね。
このように、フェアだけでなく、棚全体に工夫の感じられる、コンパクトでいいお店だと思うのですが、お店的にはもう少しお客さんに来てほしいという感じのようです。以前の記事に《地元の人の目にふれて、自然に街の一部となって、認知されていくといいなあと、思わずにいられません》と書いたのですが、まだ認知が十分でないということなのでしょう。
ぼく自身の印象と、周りの反応から想像するに、「立地的に悪くはないけれど、その割に、荻窪南口利用者なら誰でもその存在を知っているというほどにはなっていない」という感じでしょうか。駅南口を地上に出たあたりや、商店街を入って左折する手前などに「本」という目立つ案内でも出ていればいいのですが、それも難しいようで、せっかく、駅直近の路面店なのに、地元の方でも知らない方がいるのはちょっともったいない感じです(つい先日も、ちょうど「いか文庫」のフェアの話を知り合いとしていたら、「荻窪にあゆみBOOKSできてたんだ」と驚かれてしまったことがありました。出版関係者でもそんな感じです)。
荻窪南口側の新刊書店は貴重な存在ですし、何より、ただ他にないからというだけでなく、サイズ的にも品ぞろえ的にも立地的にも、ふだん使いにはぴったりのすてきなお店だと思うのです。近隣の方、中央線沿線の方で、まだご存じのない方、利用したことがないという方がいらっしゃいましたら、ぜひお店をのぞいてみていただければと思います。
今回の大阪書店回りは、紀伊國屋書店グランフロント大阪店と隆祥館書店の取材がメイン。他にもいくつかお店は回ったのですが、それらをリストアップすることはしないつもりでしたが、2店だけ、追記しておきます。(2店とも店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は4/27の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)
まずは、中崎町から堂島に移転した「本は人生のおやつです!!」、略して「本おや」。



↑堂島のいい具合に古びたビルの2階にあります。味のある手描き文字の看板がいい感じ。それほど大きくはない店内を、写真で見せてしまうと、訪問する方の興を殺ぐことになりますから、ちらりと。
中崎町にあったときに一度おじゃましてるんですが(そのときの様子は、こちらに)、今回は、閉店前のわずかな時間ではありましたが、新しいお店(といっても、移転してしばらくになりますが)をじっくり見せてもらえたうえ、店主の方ともいろいろおしゃべりできました。
お店は、中崎町のときよりも広くなり、本の在庫点数も倍増していて、以前よりも古本屋さんらしいたたずまいになっています。「古本屋」としましたが、直取による新刊も扱っていて、新刊古書を区別せずに、あえて混在させた棚になっています。
品ぞろえは、文学書が多めの感じでしょうか、あと店名にも関係するのか、食関係の本なども目につきます。店名と言えば、古書店にはユニークな店名のものがいくつもありますが、そのなかにあっても、印象に残りやすいこの長い店名の由来については、お店のサイトに説明がありますよ。
中崎町時代同様、雑貨の扱いも多めです。しおり、メモ、ノートなどの紙もの以外にもいろいろありました。

↑「本おや」ではこれらをお買い上げ。かわいいわんちゃんのしおりは娘へのおみやげ。右はマッチ箱を模したメッセージカード。右上はショップカード。


↑購入本の一部。数日前に大量の買取をしたとかで、棚には古いSF文庫がたくさん並んでいました。SF読みの空犬が来るのに合わせたかのような、絶妙のタイミングではありませんか(笑)。なつかしいのやら、読み逃していたのやら、beco cafeに置きたいのやらを、数冊ピックアップ。
左の3点はいずれもハヤカワ文庫SFですが、ひと昔前のSFの表紙ってこんな感じだったよなあ、などと思わざるを得ませんね。こうして昔のを並べてから、最近のハヤカワ文庫の表紙と比べると、表紙のイラストの感じが、いかにこの数年で激変したかがよくわかります。右は、カバー装画を宮崎駿さんが手がけていることで知られる、ジェイムズ・H・ シュミッツの『惑星カレスの魔女』。創元SF文庫で復刊されたときも同じ装画が使われていますが、写真は新潮文庫版。
同店は、堂島の地下街/四つ橋筋からすぐ、ジュンク堂書店の入っている堂島アバンザから徒歩で1、2分のところにあります。JR大阪駅周辺の書店回りをする際には、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
もう1店は、この3/24に創業30周年を迎えたTSUTAYAの第1号店、TSUTAYA枚方駅前本店。同店については、以前の記事で取り上げていますが、今回、30周年記念ということで、店内にそれに合わせた展示などもされているとのことでしたので、取材させてもらってきました。(以下、同店のブック担当、鈴木さんにうかがった話を元にまとめました。)

↑現在の店舗の外観。第1号店がオープンしたのは別の場所だったそうです。






↑店内には、3/24に「30周年」を迎えたことを告げる案内が出ていました。2階への階段の壁面には、オープン(1983年)の前年、1982年から現在までの、TSUTAYAの出来事に、本・音楽・ゲームなどの動きを入れてまとめた年表が掲示されていました。スタッフの方の力作だそうですよ。



↑店内の什器、通路側の側面を使って、枚方の街の新旧を比較して見せる、ミニ写真展が開催中でした。よくそんな古い写真が、と思ったら、古い写真については市の教育委員会の資料室のを借りたのだそうです。TSUTAYA現店舗の前や、駅の様子がありますが、ものすごい変わりようですね。
第1号店の当時の写真があれば、なおよかったと思うのですが、それは残念ながら、店頭には出ていないようでした。ちなみに、当時の第1号店のあった場所は、現在、餃子の王将になっているそうです。
30周年については、3/24当日、または前後に何かをするだけではなく、1年をかけて、いろいろなかたちで見せることを考えていきたい、とのことでしたから、これからも何かこうした展示やフェアなどが見られるかもしれませんね。



↑この日、入り口を入ると、いきなり、正面にテントがどーんと展開されていて、びっくり。なんだか、すごいことになっています。
聞けば、たけだバーベキューさんという芸人さんの本、『豪快バーベキューレシピ』(池田書店)を中心にした特設フェアだそうで、同書を中心に、アウトドアやキャンプなどをキーワードにする本が数点並んでいます。
「バーベキュー芸人」という方がいらっしゃることも初めて知りましたし、バーベキューって、お肉他を焼くだけなのかと勝手にイメージしてたんですが、レシピ本が成立するぐらいに、いろいろこだわりポイントがあることも、初めて知りました。
ちなみに、この気合いの入った、テント他のグッズ類、お店の方の私物も使って構成したのだそうですよ。すごいなあ。サイズと内容を考えると、それほど長期間展開できるフェアとは思えませんので、興味のある方は、早めに見に行ってみてください。
大阪書店レポート第3回、2店目は、谷町六丁目にある「町の本屋さん」、隆祥館書店。
同店については、昨年秋に訪問したときに、こんな記事を書いています。「これぞ町の本屋さん、隆祥館書店……大阪書店レポート その2」。店内の様子は、その記事でも紹介していますが、そのときは残念ながら、二村知子さんのお話をゆっくりうかがうことはできませんでした。今回は、あらかじめ取材の申し込みをして、しっかりとお話を聞かせていただきましたが、その分、店内の写真は控え目になっていますので、お店の様子については前回の記事も併せてご覧ください。
前回の短時間の訪問も十分に衝撃でしたが、今回訪問し、お話をうかがってみて、前回は、お店のほんの部分しか見ていなかったことに気づかされました。いやはや、このわずか15坪のお店がどれだけすごいお店か、ぼくの拙い文章力と写真技術ではとうてい伝えきれないと思いますが、ちょっとがんばってみます。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は4/28の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)



↑お店の外観。前回は夜でしかも雨という悪条件でしたが、今回は昼時で快晴。お店の立地やたたずまいがよくわかります。左の写真、店頭のいすに腰かけているのが店長の二村さん(二村知子さんのお父様)。



↑前回の記事にも載せましたが、あらためて、レジ周り。何度見ても、奥の棚の、このぎっしり感はすごいです。定期や取り置きの本がこれでもかと詰め込まれています。いったい、どれだけ常連さんがいるんでしょうか。写真ではちょっとわかりにくいんですが、大量のスリップが、きちんと整理されストックされているのも目を引きます。
棚の取り置き本ですが、客注だけでは、なかなかこの数にはならないはず。その点について、質問してみました。二村さんは、取次の週報など新刊案内をチェックするとき、本の内容を見て、この本はあのお客さんによさそうだなあ、これは、あの人ならきっと好きだろうなあ、というのを、いくつもピックアップし、いわば「勝手に」取り置きしておくのだそうです。
で、くだんのお客さんがお見えになったとき、こんな本が出たんですが、お好きかなと思って、という感じで、新刊を案内。すると、もちろん全部ではないでしょうが、けっこうな確率でお客さんはすすめられた本を買っていくといいます。かなり積極的な営業ですが、お客さんとその好み・購買傾向がよほど頭に入っていないとできないことですよね。ぼくがふだん出入りしている書店で、好きそうなものが出たよ、などと案内してくれるほどこちらの趣味を知っていてくれるのは、BOOKSルーエの花本氏ぐらいなんですが、やはり、そんなふうにおすすめされたり、とっておいてもらったりすると、お客さん、とくに、その店の常連のつもりでいる客としてはうれしいですよね。
実際、自分の好みにあった本を差し出されるとお客さんはとても喜んでくれるそうで、そうなると、今度は、お客さんのほうも、本はここで買おう、よほど急ぎでないかぎりここで注文しようというふうになってくれるといいます。お店とお客さんの間に、とてもいい関係が築かれています。
どれぐらいのお客さんとその購買傾向を覚えているのか、質問してみたんですが、「さあ……」と、ご本人にもよくわからないでそうで(笑)。相当な数であることは間違いありません。こつをたずねると、お客さんの顔と名前を覚えよういうのではなく(そもそも、後者は注文を受けでもしないかぎりわからない)、あくまで「本」をキーにして覚えるのそうです。なかには、エッチな本とか、ちょっとはずかしい本とか、覚えてほしくないお客さんや本もあるのでは、と、あえて意地悪なこともお聞きしてみましたが、お客さんと本を覚えるにしろ、お店で話しかけるにせよ、そこは、きちんと、ここまではOK、この人はそういうのはしないほうがいい、などと線引きはできているそうです。
前回の記事に、ブックイベントのような、たくさんの人出があるところで短時間会っただけの当方のことを覚えているばかりか、名乗りもしないうちに一瞬で思い出され、びっくりした、などという話を書きましたが、二村さんの記憶力は、天性のものに加え、「人が好き」というお人柄にもよるのでしょう。この日も、まだお会いするのは数回目、ちゃんとお話するのは初めてに近いのに、まったくそのようなことを感じさせません。
抜群の記憶力は親ゆずり、というのもあるかもしれません。シリーズもののコミックの巻数というのは、覚えているのが大変で、よく間違って買う人がいたりする商品ですが、知子さんのお父様で店長の二村さんは、コミックの新刊が出ると、「○○さんは、これもう買ったかな」などと、巻ごとに気にされるそうです。つまり、常連客がどこまで買っているかが、相当数頭に入っているわけですね。驚くほかありません。ちなみに、店長の二村さんは、70代ですよ。ぼくなんて、娘が読んでいるコミック、わずか2、3シリーズの巻数だって覚えられなくて、間違って買ったりしてるのに(苦笑)。
隆祥館書店ではいろいろ驚かされることが多いんですが、今回の取材で、度肝を抜かれたのが、これ。まずは写真を。



↑小学生の「辞書引き学習」に使われた辞書かと見紛うような、徹底的に読み込まれ、くたびれた、付箋だらけのプルーフ(出版社が、刊行前に書店員に内容を知ってもらうために用意する見本)。
百田尚樹さんの『海賊とよばれた男』のプルーフです。ぼくも一応、出版社の人間ですから、自分で書店員さんに届けたこともありますし、よそのを読ませてもらったこともあります。いろんな作品のいろんなプルーフをいろんなところで目にしています。でも、ここまで読み込まれたものは初めて見ました。
写真でどれぐらい、この質感みたいなものが伝わるかどうかわかりませんが、これ、実物を見たら、驚きますよ。無数に付箋が立てられ、文章に線が引かれ、欄外に付箋にと書き込みがされ、と、教科書だってここまではしないというぐらいに徹底的に読み込まれています。しかも、目を通したのが一度ではないことがわかるぐらいに、もう本全体がよれよれなのです。これ、作家さんや、版元の担当者が見たら、うれしくて涙が出るんじゃないかなあ。刊行前に売り手のみなさんに作品を読んでいただく、というプルーフ本来の役割を超越し、何か別のものになってしまったような感じです。
この作品を読んでいたく感動した二村さんは、お店のお客さんにおすすめしまくり、本が出る前に二桁の予約を取り付けたといいます。本が出てからも、この規模の書店としては、全国的に見てもあり得ないぐらいの数字(感激のあまり、詳細がとんでしまいましたが、たしか、全国でも5本の指に入るぐらいだった、と聞いた気がします)を売り上げたといいます。いやはや。
今も、この作品は、レジ前の一等地に並んでいますが、「おすすめ!」とか「感激した」とか、「惚れ込んだ」とか、そのような文言の踊るPOPも貼り紙もありません。「POPじゃなくて、生の声で売りたいんです」と二村さん。もともと自店のお客さんのことが頭に入っている人が、一冊の本をこれだけ読み込んで中身を自分のものにしたら、あとはもう何も必要ないわけですね。
もちろん、すべての本にここまで入れ込んでいるわけではないでしょうし、そんなやり方もできないでしょう。ただ、隆祥館書店の売り方の基本には、この、「生の声で本の魅力を伝えたい」というのが強くあることが、先のプルーフからだけではなく、店頭のあちこちや、お店のみなさんのことばの端々から伝わってくるのです。

↑ご覧ください、この積み方(笑)。百田尚樹さんの『夢を売る男』。多面展開とかタワー積みとか、派手な見せ方積み方や物量作戦とは無縁のお店なだけに、1点集中主義的な、この突出した平積みはいやでも目を引きます。周りが関連作でもなんでもなく、赤ちゃん育児雑誌に手のひら絵本(笑)というのが、むしろいい感じです。
【“やっぱりすごい、隆祥館書店…………大阪書店レポートその3”の続きを読む】
紀伊國屋書店グランフロント大阪店の紹介を続けます。
5つのゾーン、各ジャンルのすべてを紹介していると長大なレポートになりますし、何より、これから同店を訪問される方の楽しみを奪うことになりかねませんので、ごく一部に絞って紹介します。
いわゆる人文系の書籍群は、ゾーニングでいう「識」、アルファベット区分だとGとHの一部にありますが、同店では「人文」というジャンル表示が使われていません。一般に人文に分類される「心理」は工学の奥に置かれ、「哲学思想」は「趣」、Cのゾーン、つまり文芸などの奥に配置されるなど、ゾーン自体が別になっています。



↑「識」ゾーンの様子。
新宿本店の人文書の充実ぶり、「じんぶんや」を知る身には意外な感じもしますが、客層なども考えて、練られたジャンル配置のようです。人文以外にも、多くのジャンルで、これとこれを並べたり、これをあちらに移したり、など、こまかな変更・調整・工夫がされています。文芸・人文・理工などを中心に、ジャンル区分と下位ジャンルがどうなっているかを、少し丁寧に見てきましたが、梅田本店とも新宿本店とも違っているところがいくつも目につきました。
新規店なんだから、そんなの当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、この規模ですから、こまかなジャンル区分の変更は、それだけでも一大作業で、確実に担当のみなさんの手間を倍増させたはず。並べ方・ジャンル区分は、新宿本店に合わせる、とか、梅田本店と同じにする、とか、そのようにしたほうがラクに決まっているわけです。なのに、ここまで徹底的に配置・配列を見直し、手を入れるとは……。選書を担当された方は、泊まり込みでの作業だったとも聞きましたが、それはそうなるでしょう。作業的には非常に大変だったはずです。お店のみなさんの「本気度」のようなものが感じられ、感銘を受けました。



↑「趣」ゾーンの「哲学思想」コーナーの様子。あちこちに気になる本が並んでいたり、おもしろい並べ方がされていたりしましたが、「日本思想」の平台に冨山房百科文庫が2点も平積みになっているのを見つけたときには、思わず写真に収めざるを得ませんでした。

↑「趣」ゾーンの座り読み用スペース。
今回楽しみにしていたことの1つが、開店前の情報で力を入れると聞いていた児童書コーナー。デザインに工夫のこらされた、居心地のいい空間になっていました。






↑全景をお見せしたいところですが、どう撮ってもお客さん、とくに子どもたちが写ってしまうため、なんだか微妙な写真になってしまっています……。
写真にはありませんが、カラフルなじゅうたんの敷かれた(土足可)円形のスペースで、中央には座り読み用のいすもあります。上段中央の写真にカラフルな壁が写っています。これは、デザイナーさんが、マスキングテープを切り貼りしたものを拡大したものだそうで、細部まで凝っていますね。



↑ゾーンでいうと「識」の奥にカフェ(スターバックス)があります。スタバの前には、上の写真のような柱状の棚が(逆側もお見せしたいんですが、すべての写真にお客さんが写り込んでしまいました(泣))。ツイッターのアカウント(@Kino_GFOsaka)のアイコンにも使われるなど、同店を象徴する棚になっています。
柱の周囲は「本の本」で埋められていて、種類・点数とも非常に充実しており、「本の本」好きならば見逃せません。ジュンク堂書店の福嶋聡さんの本がこんなに平積みになっているのは初めて見たかも。その他、「本の本」コーナーを設けているお店でもあまり見かけない、文芸社の図書館関連の文庫本など、マイナーなものまでよく集められていました。「本の本」以外にブックカバーやしおりなどの読書グッズや、スタバ側の一部には珈琲関連の本も並んでいます。

↑ブックカバー。先にふれた通り、壁の装飾の一部にも使われている、古書風の欧文をあしらったデザインで、内容は、紀伊國屋書店史を英訳したものです。紀伊國屋書店の新規店で、その店独自のカバーやしおりが作られた例がゼロかどうかは調べていないのでわかりませんが、記憶にある範囲ではなく、めずらしいケースではないかと思います。しおりもあります。



↑開店記念特典として、1050円以上の買い物でもらえるオリジナルマスキングテープ。紀伊國屋書店と伊東屋両方のロゴが入っていて、テープのデザインは、(写真では銀が光ってしまってほとんど見えないと思いますが)本が並ぶ様子をあしらったデザインになっています。この特典とは直接関係ありませんが、売り場では、マスキングテープのフェアも開催中でした。
店内とグッズ類などの紹介は以上です。棚があまり写っていないじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。書店の基本はやはり棚だと思いますので、棚については、やはり実際に店頭で見ていただきたいと思いますし、何より、棚はどんどん変わっていくものです。オープン直後の様子をお見せしてあまり先入観を与えることになってしまってもいけないと思い、あえて各ジャンルの棚の様子は控え、お店の雰囲気を伝えることを優先しました。
同店は、オープンのずいぶん前から、ツイッター(@Kino_GFOsaka)で、開店前の店内の様子をレポートしていました。それをまとめたのが、こちら、「紀伊國屋書店グランフロント大阪店 開店カウントダウン」。こちらには、棚作りの様子なども写っています。開店前の店内の様子を、こんなにまとめて見せてくれた例はめずらしいのではないでしょうか。書店の売場が完成していく過程をとらえたドキュメントとして、書店好き・書店関係者には貴重かつうれしい記録になっていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【“紀伊國屋書店グランフロント大阪店の続きです……大阪書店レポートその2”の続きを読む】
先日、本業の用事で、大阪に出張に行ってきました。いつものように、あちこちの書店を回ってきたんですが、今回は、うち2店、紀伊國屋書店グランフロント大阪店と隆祥館書店を中心に紹介したいと思います。まずは、紀伊國屋書店グランフロント大阪店から。
JR大阪駅周辺に残されていた「最後の一等地」として、しばらく前から開発が進んでいた「グランフロント大阪」が、4/26にオープンとなりました。
施設全体で200数十店ものお店が入ったそうですが、書店好きにとっては、やはり気になるのは、紀伊國屋書店グランフロント大阪店。開店直後に出張が入るという、またとない幸運に見舞われましたので、早速見てきましたよ。訪問したのは、開店直後、最初の週末の日曜日、4/28。ぜいたくなことに、店長の星さんの解説付きで、店内のあちこちをご案内いただきました。(撮影は、お店の許可を得たものです。写真は、4/28時点の様子で、フェアなど店頭の様子は変わる場合があります。)
こまかい話の前に、結論めいたことを先に。すばらしいお店なので、近隣の方はもちろん、本にかかわる仕事をしている方や、書店が好きな方ならば、わざわざ足を運ぶ価値があると、断言してしまいます。さすが、紀伊國屋書店が、梅田本店と商圏が重なるにもかかわらず、あえて出店に踏み切っただけのことはあります。とにかく、力の入れようが半端ではありません。単に広いというだけでなく、店内のあちこちに見どころが満載のお店ですから、訪問される際は、十分に時間をとっていかれることをおすすめします。
写真で店内の様子をお見せする前に、お店の基本データを。立地は、グランフロント大阪の南館6階。フロア全部ではありませんが、フロアの大部分を占めています。同じフロアにはサイエンス雑貨の「ザ・スタディールームコレクション」など、書籍と相性の良さそうな店舗も同居しています。サイズは1060坪(プレスリリースの数字です)。これは文房具(76.2坪)、カフェ(43.5坪)を含むサイズですから、書籍・雑誌売場としては、約940坪になります。梅田本店が約900坪ですから、それよりも広いわけですね。なお、この文具(伊東屋)とカフェ(スターバックス)は「お隣のお店」ではなく、紀伊國屋書店の一部で、文具売り場・カフェコーナーをそれぞれに委託したかたちだそうで、文具は会計も一緒にできるとのことです。
紀伊國屋書店公式サイトの案内はこちら、「【グランフロント大阪店】 4月26日グランドオープン! 「本のある居心地の良い風景」を是非お楽しみください。」(紀伊國屋書店ウェブストア)。同店については、しばらく前の記事でもふれていますので、よろしければそちらもご覧ください。
ちなみに、JR大阪駅・阪急梅田駅界隈に土地勘のない方のために補足すると、梅田本店とは徒歩で数分ぐらいの位置関係にあります。近いと言えば近い距離ではありますが、阪急梅田駅とJR大阪駅では利用者や人の流れが異なるため、客層がかぶってしまう心配はそれほどなさそうです。
さて、前置きはこれぐらいで、以降は写真を中心に。



↑建物外観。建物は、JR大阪駅から直結で、いったん駅から外に出るかっこうになるものの、屋根付きの通路がありますので、悪天の日でもアクセスには問題ありません。窓が並ぶ部分の上から2番目、書棚がわずかに見えているのが紀伊國屋書店です。右は、窓のあたりを中から見た様子。



↑入り口。お店は、全体としては、円を4分の1にしたような形状なんですが、開口部が多く、複雑な形状になっています。上の写真が、複数ある開口部のうち、メインとなる入り口のようです。入ってすぐ右側には、新刊・話題書棚があり、棚の上には開店祝いの色紙が並んでいます。さらにその右奥に、主レジがあります。
入り口を入って左側には大きくとられた窓があり、この一画は非常に明るいスペースになっています。



↑窓際には、大判の洋書を洋書コーナーとは別にまとめた「Visual Books」という棚が並び、座り読み用の椅子も配置されています。


↑お店はこのような形状をしています。左は、店内のフロア案内。写真が光ってしまったので、お店入り口で配られていたチラシの裏面にある案内(右)のほうがわかりやすいでしょうか。5つのゾーンに大きく分けたゾーニングの様子がわかります。
開口部の多い複雑な形状は、お店のみなさんにとっては、商品管理・万引き対策的な意味では非常に大変だろうと思うのですが、店内を散策する客の側にすれば、回遊の楽しみのある造りだと言えます。通路は、全体にかなりゆったりととられていて、棚の高さや照明の感じともあいまって、圧迫感はまったくありません。全体が(いい意味で)ぎゅーぎゅーに混み合い、くっつきあっている感じの梅田本店との最大の違いは、このゆったり感だと言っていいかもしれません。
店内には、各種フェアのためのスペースがぜいたくに確保され、店内のあちこちで大小のフェアが同時展開されています。もっとも目をひくのは、4つのゾーンのほぼ中心にある円形のイベントスペース。



↑中央の柱状の棚を取り巻くように、複数のフェアが展開中で、この日は、大阪関連の作家やモノを集めたフェアなどが開催されていました。柱の周りも棚になっていて、絵本のフェアなどに効果を発揮しそうな感じ。柱の周りには、座り読み用の椅子も用意されていました。


↑先のスペースの隣で開催中の「装丁家多田和博の仕事展」。新規開店時のフェアに、装丁関連のテーマを持ってくるというのは、それも、この規模のものをあてるのは、めずらしいケースではないでしょうか。装丁作品を集めたフェアで、壁や陳列ケースなどもフルに使い、大きく展開されています。
同店の店舗デザインと棚配置の特徴をいくつかあげてみます。同店は、サイトの案内などにもうたわれているとおり、フロアを大きく5つのゾーンに分けています。それぞれのゾーンで扱う本のジャンルに合った雰囲気を実現すべく、床の色や照明、什器、柱などの色、ジャンルガイド表示、壁のデザインなどに、こまかな工夫をこらしています。店長の星さんに、いくつか例をあげてくわしく説明していただいたのですが、ここでそれを繰り返す野暮は避けたいと思います。お店側の思惑がどうこうよりも、実際に滞在しているときに居心地がいいか、わかりやすいか、が重要ですので、まずは、実際に店内をうろうろしてみていただくのがいいでしょう。





↑とはいえ、せっかくなので、店舗デザインの工夫がわかる例をいくつかあげてみます。写真上段左の欧文は、開店記念のブックカバーにも使われているものですが、よく読むと、ちゃんと意味のある英語になっていて、なんと、紀伊國屋書店の歴史を英訳したものになっています。いやあ、こんなところにまで凝るとは、さすがです。こういう、気づく人が気づいたときに思わずにうれしくなるような「遊び」は、個人的には大好きです。
【“紀伊國屋書店の大型新規店、グランフロント大阪店を見てきました……大阪書店レポートその1”の続きを読む】
6月に予定の、本と書店と音楽のイベント「ブックンロール」。予約受付開始の5/10まで、あと1週間ほどとなりましたので、あらためてご案内いたします。
空犬通信presents
ブックンロール Book'n'Roll 2013
〜やっぱり本屋はおもしろい〜
日時:2013年6月28日(金)
OPEN 18:30 START 19:30(〜22:30)
19:40ごろ ライヴの部 スタート(約80分)
21:10ごろ トークの部 スタート(約70分)
場所:阿佐ヶ谷ロフトA(東京・阿佐ヶ谷)
杉並区阿佐谷南1-36-16-B1 03-5929-3445
チャージ:前売1000円 当日1300円(いずれも当日会場でドリンク代として+500円)
出演:
(トークの部)
田口幹人(さわや書店フェザン店;盛岡)
辻山良雄(リブロ池袋本店;池袋;司会)
長﨑健一(長崎書店;熊本)
花本武(BOOKSルーエ;吉祥寺)
(ライヴの部)
長谷川バンド(BOOK EXPRESSディラ大宮店長谷川さんのバンド)
C調ボーイズ(夏葉社島田さんのバンド)
ブックスピストルズ(「吉っ読」のバンド)
企画・主催:空犬(編集者・吉祥寺書店員の会「吉っ読」・空犬通信)
前売は、5/10(金)10:00からイープラス、ロフトAweb予約にて受付開始となります。会場の案内によれば、入場順は、
1 イープラス
2 ロフトAweb予約
3 当日券
の順番となるそうです。
昨年は、会場のキャパを大幅に上回る、たくさんの方にお集まりいただきました。主催者としてはうれしい悲鳴だったんですが、そのために、会場に入れなかったり、会場がぎゅうぎゅう詰めになってしまったりと、多くの方にご不便をおかけすることになってしまいました。
今回は、そのような事態を避けるため、上のような前売・予約システムをとりました。予約方法の詳細はサイトの案内をご確認ください。なお、空犬個人では予約を受け付けたり、代わりにチケットを購入したりはできませんので、必ず、お店のほうに直接お願いします。
トークの内容、出演者の略歴など、ブックンロールの詳細につきましては、空犬通信の告知記事と、会場の、阿佐ヶ谷ロフトAのイベント案内ページをご覧ください。
終演は22:30ごろの予定です。昨年は、イベント終了後、そのまま同じお店に残って、ドリンクタイムとしましたが、今回は、会場の都合で、23時までに出なくてはなりません。完全撤収にご協力をお願いします。
イベント終了後、会場を移して2次会(懇親会)を開催します。場所は、阿佐ヶ谷ロフトA近辺の飲食店で、時間は23:00ごろ〜25:00。会費は、3500〜4000円程度を予定していて、遅めの時間で、最後までいられない方もいらっしゃるかと思いますので、前金でいただくことになるかと思います。
2次会(懇親会)は、一般の方もご参加いただけます。もちろん、トークとライヴの出演者も(全員ではないかもしれませんし、時間が遅いため最後まではいられないかもしれませんが)参加の予定です。出演者と話をしてみたい、出版・書店関係者と交流したいという方は、途中まででも、最初のほうだけでもかまいませんので、ぜひご参加ください。
参加をご希望の方は、空犬通信のコメント欄にて、その旨ご連絡ください。その際に、こちらからご連絡を差し上げることのできるメールアドレスをお知らせください。なお、コメント欄にてご連絡くださる方は、連絡先が公開されてしまいませんよう、「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れるのを忘れないようにしてください。ツイッター(@sorainu1968)でご連絡くださるのでもかまいませんが、連絡先をお知らせくださる場合は、DMにするか、こちらがフォローしていない場合は、@で先に連絡をしてから、連絡先のやりとりをするようにしてください。
2次会参加のご希望は、6/14(金)までに、ご連絡ください。なお、飲食店の都合もありますので、ご参加希望の方の人数がお店の部屋のキャパを超えましたら、6/14よりも前に締め切らせていただく場合があります。あらかじめご了承ください。
それでは、5/10(金)のブックンロール前売販売&予約受付開始、どうぞお忘れのありませんよう、今からご予定ください。それでは、6/28、ブックンロールにお越しいただけるのを、心からお待ち申し上げております。
| ホーム |