音楽は好きだけど、音楽本はまったく手にとらないという方もいますが、ぼくは、音楽に関しては、聴くも、弾くも、読むも大好きです。名盤ガイドなどのたぐいも読みますし、ミュージシャンの評伝や、演奏者向けの教本や理論書、楽器や機材に関する本……音楽にまつわる本は、割に雑多に、幅広く読むほうだと思います。
最近、おもしろい音楽本を続けて手にする機会がありましたので、そんな音楽本好きの音楽好きが気になった音楽本をいくつかまとめて紹介します。
『1979年の歌謡曲』と『僕とニュー・ミュージックの時代』は、時代もジャンルも少し重なっている本ですが、ぼくにとっては対照的といっていいぐらい、距離感の異なる本でした。
『1979年の歌謡曲』はこんな内容。《1979年(昭和54年)の歌謡界は、「ニューミュージックと歌謡曲の一年戦争」という感じの、混沌とした空気感が漂っていた。ピンク・レディーはこの年に完全に奈落の一途をたどり、山口百恵は三浦友和と交際宣言、沢田研二も明らかに過渡期に突入。この年はアイドル最弱時代で、特にジャニーズ系は影も形もない。そしてその間隙をぬって登場したゴダイゴ、オフコース、そしてサザンオールスターズら、歌謡曲のアンチとしてのニューミュージック!そんなこの年の魔訶不思議な音楽シーンを通して、昭和の歌謡曲を振り返る》。
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「週刊読書人」が「読書人スタヂオ」で行っているイベント「編集人at読書人」。その第二弾として、ハマザキカクさんこと濱崎誉史朗さんと「猫の泉」さんのトークが、昨日行われました。それに参加してきましたよ。
この猫の泉さん×ハマザキカクさんのトークイベント、週刊読書人の告知によれば、《日本で最も人文書の新刊情報を配信している謎のツイッターアカウントの正体に迫る。初の「顔出し」登壇》という内容のもの。
【“週刊読書人のイベント「編集人at読書人」第2弾、「猫の泉×ハマザキカク」トークイベントに参加してきました”の続きを読む】
2016年1月10日、デヴィッド・ボウイが亡くなった。
享年69歳。誕生日を迎えたばかりだったという。その誕生日(1/8)に発売されたのが、最後のアルバム『★(ブラックスター)』。
ボウイについては、いろいろ書きたい気持ちがないわけではない。でも、たくさんの人がたくさんのことを語っているから、いまさらという感じがどうしてもしてしまう。でも、個人的な思い出について、ちょっとだけ書いておきたい。(以下、ほんとに個人的なことです。)
【“ボウイのこと”の続きを読む】
タイトルを見るだけでなんだかわくわくさせられます。タイミングを逸して、紹介が遅くなってしまったんですが、東京・名古屋・大阪の書店で、こんなおもしろフェアが開催されているようです。
ツイッターアカウント(@santo_fair)には、こんな説明があります。《2016年1〜2月に開催される大阪書店員懇親会(OSK)、名古屋書店員懇親会(NSK)、東京書店員選抜三団体による文庫フェア紹介アカウントです》。
フェアの仕掛け人は、この空犬通信ではおなじみ、東京・渋谷の大盛堂書店の山本亮さん。これまでにも同店発行のフリペ「大盛堂書店2F通信」のおもしろさ(いい意味での「へんてこさ」と言ってもいいかも)については何度も紹介してきましたが、彼はフリペだけでなく、売り場づくりやフェア企画に関しても大変なアイディアマンで、しかも、フットワークが軽い。関東近郊だけでなく、関西にいってもその名前を聞くし、たまたま会った九州の書店員の口からもその名前が飛び出したりします。いくら、SNS他で他地域との関係を築きやすくなったとはいえ、このような規模のフェアを実現するのは簡単なことではありません。フットワークが軽く、しかもアイディアに満ちた山本氏ならではの企画といっていいでしょう。
山本さんからは、フェアが始まる前に、くわしい企画書などの資料をもらっていました。それによれば、フェアの趣旨は《各団体地元の作家の方を通じて、より書店出版業界の発展に寄与をする》というもので、フェアの中身は《各三団体地元出身・在住の作家(OSK→関西地区NSK→中京地区東京選抜→関東地区)の著作から、各参加者が1冊ずつ選書をする》とあります。選書対象は《オールジャンルの文庫》だそうです。
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3月末と、少し先の開催ですが、ライヴイベントのご案内です。
LIVE酔舎バンド&フレンズ2016(仮)
日時:2016年3月26日(土)
OPEN 13:00 START 13:30(〜15:30)
会場:ルースター・ノースサイド(東京・荻窪)
東京都杉並区上荻 1-24-21 協立第51ビル B1
03-5397-5007
会費:1000円(ワンドリンク付)
出演:のら犬楽団、みぎたとしき、酔舎バンド
*予約不要のイベントです。直接会場にお越しください。
これまでは出演者が全員、広義の本に関わる仕事をしている、(「元」も含めた)出版・書店関係者だけのライヴを企画することが多かったんですが、今回は業界外の知り合いにも参加してもらうことになりました。
会場は、過去に「ブックンロール」を開催したことのある、JR/地下鉄荻窪駅から徒歩数分のライヴハウス、ルースター・ノースサイド。
予約・事前連絡不要のイベントですので、ぜひ気軽に遊びに来てください。イベント終了後は、荻窪の飲み屋で懇親会を予定しています。出演者だけでなく、お客さんとして来てくださった方も参加できるような、にぎやかな会を考えていますので、ぜひ夜の予定も空けて、時間に余裕を持って遊びにきていただけるとうれしいです。
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今日は、半分仕事の用事でおでかけだったんですが、立川を通ったので、帰りがけに、ラーメンスクエアでラーメンを食べてから、オリオン書房のアレア店、サザン店、ルミネ立川店をのぞいてきました。
うち、ルミネ立川店は、リニューアルのため、昨年9月から一時休業となっていました。昨年12月に無事リニューアルオープンとなっていたようですが、行く機会を作れずにいたため、今日は、改装後、初めての訪問です。
2か所あったレジが1か所にまとまり、上りエスカレータ正面に広がっていた雑誌売り場が、エスカレーター左脇の元レジのあったあたりに移動したのをはじめ、各ジャンルのレイアウトが変わっています。文具のスペースが独立、サイズも広くなったんでしょうか。全体の印象として、書店スペースは少し減ったのかもしれませんが、もともと、商業施設、それもルミネのようなタイプの商業施設内のお店としてはかなり広めでしたから、改装後の店内を見ても、狭くなった感じはありません。見やすくて明るい店内の雰囲気はそのままですし、店内の見通しもよくなったような感じも受けました。
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西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。2月の回のご案内です。
beco talk vol.28
猫ハウスを本気で造る
〜猫家建築家が語る『にゃんハウス。』と猫本の世界〜
日時:2016年2月26日(金)
OPEN 19:00 START 19:30(〜21:00)
会場:beco cafe(東京・西荻窪)
会費:1000円(ワンドリンク付)
出演:伴田良輔(猫家建築家)、空犬太郎(本屋図鑑編集部、空犬通信)
*満席となりました。
伴田良輔さんと言えば、犬・猫関連に、写真・芸術(とくにエロティシズム関連)に、パズルにと、これらが本当に同一人物の手になるのかと不思議になるほど、著書・翻訳書で扱う分野の幅が非常に広い方です。昨年も単著として『アリスのお茶会パズル』を上梓、さらに監訳をつとめたカレル・チャペック『ダーシェンカ 愛蔵版』も復刊されています(いずれも青土社)。そんな伴田さんが「猫家建築家」って?、と思われた方も多いでしょう。
【“猫ハウスを段ボールでつくる?!……2月のbeco talkは猫家建築家が登場です【更新】”の続きを読む】
3連休の最終日。昨日、荻窪にオープンした本屋さん、Title(タイトル)を訪ねてきました。
JR・東京メトロの荻窪駅、北口を出て、目の前の大通り、青梅街道を北西に進みます。駅前を離れても通り沿いには割に途切れずにお店がありますから、そんなに遠さを感じさせないのではないかと思います。気になるお店をのぞきながら歩いていると、10分強で、お店が見えてきます。
↑こちらがお店の外観。
↑おなじみの「本」の案内の代わりにこのような看板が出ています。お店正面には雑誌棚はなく、写真のようにガラスごしに本のディスプレイが見えます。
【“荻窪の新しい本屋さん「Title(タイトル)」はすてきなお店でした”の続きを読む】
1/27開催のbeco talk「「まったく新しい、けれどなつかしい」〜「Title」という本屋さん、始めます〜」に出演の辻山良雄さんが荻窪にオープンする書店「Title(タイトル)」。告知記事をアップした時点ではまだ開店日が決まっていませんでしたが、正式に決まったようで、同店のブログとツイッターで案内されています。
1/7付のブログ記事「開店日のお知らせ」を引きます。《Titleは1月10日(日)の11時にオープン予定です。営業は11時〜21時まで。毎週水曜日と第三火曜日に休みを頂きます(今月の13日は営業致します)》。
【“荻窪の新しいお店「Title(タイトル)」の開店日が決まりました”の続きを読む】
ビブリオバトル関連で、こんなイベントが開催されるそうです。
↑チラシとプレスリリース。
サイトから案内を引きます。《「ビブリオバトルは気になるけれど、はじめてだから、うまくできるか心配。」「お気に入りの本の話をしてみたいけれど、たくさんの人の前で話すのは苦手かも。」「本が好きな人や面白そうな本に出会える場所はないかな?」そんなあなたに、ぴったりのワークショップです》。
【“はじめてのビブリオバトルワークショップ”の続きを読む】
東京・千駄木、往来堂書店の名物フェア「D坂文庫 2015冬」が始まっています。詳細はこちら。「D坂文庫 2015冬 はじまりました! 」(2015/12/25 往来堂書店)。
この名物フェアについては、空犬通信では何度も紹介していますので、説明不要かと思いますが、念のため、サイトの案内を引きます。《往来堂書店恒例のオリジナル文庫フェア。往来堂書店にご縁のある方々に一冊選んでいただだき、それぞれの帯に紹介文をプリントしています。今回のラインナップは50点》。
【“往来堂書店の名物フェア「D坂文庫 2015冬」が始まっています”の続きを読む】
閉店のときと違い、跡地の新店舗のオープンは本・本屋好きの間であまり(というかほとんど)話題にならなかったせいか、知らない人もけっこういそうです。
写真は、昨年の11月末に、オープンしたABC-MART神田神保町店の様子。
先日、出版関係の知り合いと話しているときに、書泉の話になって、そういえば、とABC-MARTになったことを話したら、えー、そうだったんだと、相手はびっくりしていました。
オープンからひと月少しになりますが、建物上部の看板は書泉(SHOSEN)の、広告はメディアワークス文庫(ビブリア)のままですね。
↑閉店直後の書泉ブックマートの様子。その姿を記録に残しておこうと、ぱちり。(写真は、昨年10/2の様子です。)
【“書泉ブックマートの跡地には”の続きを読む】
今年最初に観る映画。ただのタイミングの問題で、何をどう観ようと別に日常生活にはなんの影響もありません。そんなことはもちろん充分にわかっているのですが、でも、ハードディスクの空きを確保するかなどと録画しておいたものから適当に選んだものを観て、それが今ひとつだったり中途半端だったりすると、なんだか、この一年の映画ライフ自体によくない影響が出そうな気までしてしまいます。映画好きとしては、やはり慎重に選びたいものですよね。
そんなわけで(ほぼ毎年そうしている気がしますが)お気に入りの観直しということになりました。で、さんざん迷ったあげく、今年はこれを選びましたよ。
2010年にワーナーでリメイクされていますが、ぼくが観たのは、そしてぼくが好きなのは、オリジナルの、1981年のデズモンド・デイヴィス監督作品。特撮は、ぼくが敬愛してやまない特撮界の神様の1人、レイ・ハリーハウゼン。
【“年初の映画(はやっぱり特撮で)”の続きを読む】
年初の読書、小説以外のものではこんなものを読了しましたよ。
昨年新刊案内で見かけて、細野さんの音楽の愛好者兼宅録好きのプレイヤーには興味深い話が満載なのではないかと、刊行前から楽しみしていたもの。年をまたいでしまいましたが、本書で取り上げられている細野作品をBGMに、実に興味深く読みましたよ。
【“年初の読書(の続き)……音楽本”の続きを読む】
年始ということで甥っ子姪っ子の家族が我が家に遊びに来ました。絵本の読み聞かせにおとなしく付き合ってくれるようなら大変ラクなんですが、元気がありあまりまくっている遊び盛りの子たちですから、なかなかそんなわけにはいきません。終日、子どもたちの相手をして過ごしました。
それにしても、5歳児と本気で遊ぶ40男というのは絵的にどうなんでしょうね(苦笑)。大人にはあんまり、というかぜんぜん人気ないんですが、どういうわけか子ども(と動物)にはけっこう好かれるんですよねえ。子どもたちにしてみたら、(遊びのノリが)自分たちの、つまり子どもたち側の人に見えるんですかねえ。そんな子どもたちとの相手はとっても楽しくて、そのときはいいんですが、なにしろ、こちらはあちこちがたが来ている身、後が大変で……。当然のことながら、翌日はまったく動けないという事態になるわけです……。
さて。そんなわけでへとへとなんですが、夜ぐらい、お酒片手にゆっくり読書を、ということで、昨年からの読みさし本を読み終えました。本年初の読了本はこちらの2冊です。
【“年初の読書……小説”の続きを読む】
今年の予定というか、抱負というか、そのようなものです。
- 1月 西荻窪のブックカフェbeco cafeでのイベントbeco talkで、荻窪にできる新しい書店「Title(タイトル)」に関するトークを開催します。
- 2月、3月 詳細未定ですが、トークイベントを企画中です。
- 4月 荻窪のルースターノースサイドで、出版・書店仲間とライヴイベントを開催します。
- 5月 一昨年からずっと取り組んできた本の仕事(昨年の目標にかかげた本です)をなんとか完成できればと思っています。
そして、もちろんですが、今年もたくさんの本屋さんに出かけ、たくさん本を買って、たくさんの本を読んで、たくさん紹介記事を書きたいなあと思っています。
2016年が、出版・書店の世界にとって、本に関わるみなさんにとっていい年になりますように。今年もよろしくお願いします。
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