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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

町本会公開会議が読売新聞で紹介されました

町本会(町には本屋さんが必要です会議)の活動が久しぶりに新聞で取り上げられました。


  • 「町の本屋さん 知のガイド」(7/24 読売新聞大阪版)

140724町本会 読売新聞

(紙面の写真の掲載については、読売新聞の方の許可を得ています。)


記事では、最初に町本会立ち上げの経緯、各地での公開会議開催にふれられています。記事中程では、関西での初開催となった、7/9の恵文社一乗寺店でのイベントの様子が、出演者の堀部さん、島田さんの発言の一部を引きながら紹介されています。記事の最後では、年末に、一年の活動をまとめた単行本が刊行予定であることにもふれられています。


それほど長い記事ではありませんが、町本会のこと、公開会議のことがコンパクトにまとめられていますし、7/9のイベントの写真も掲載されるなど、関係者の我々にとっては、うれしい記事になっていました。


東京新聞、朝日新聞のとき同様、記事は、残念ながらWeb版にはあがっていませんので、掲載から時間がたってしまうと簡単には読めないかもしれませんが、図書館など、新聞のバックナンバーにアクセスできる機会がありましたら、ぜひ読んでみてください。(ご希望の方には、記事のコピーを差し上げます。)


町本会の公開会議、今後の予定ですが、8月の2件、岡山島根は、現在、予約受付中です。9月は、熊本と恵比寿での開催が決定していて、最終調整中です。近日中に告知をアップします。10月は、沖縄と大阪を予定していますが、まだ詳細が決まっていません。こちらも決まり次第、ブログとツイッターに告知をアップします。


今後の予定と、これまでの公開会議の一覧は、こちらをご覧ください。

吉祥寺の書店で、『紙つなげ!』刊行記念トークが開催されました【更新】

しばらく前の記事で紹介した『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』(早川書房)。この本の刊行記念トークイベントが、7/26(土)、吉祥寺の書店で行われましたので、参加してきましたよ。



紙つなげ 書影140726紙つなげイベント 1140726紙つなげイベント 11

会場は、パルコブックセンター吉祥寺店。出演は、著者の佐々涼子さん、お相手をつとめるのは、日本出版販売株式会社(日販)の古幡瑞穂さん、進行役は本書の編集を担当した早川書房の岩崎さん。


トークは、お二人が3.11当日、どんなふうに過ごしていたか、という岩崎さんからの質問で始まりました。本は震災もの、シリアスなテーマですから、当然、取材の諸々にふれようと思えば、トークが重い話になってもおかしくありません。出演のお二人は、シリアスな話もきちん紹介しつつ、ユーモラスなエピソードも混ぜてはあちこちで笑いもとるなど、終始バランスのいい話しぶりで、聴く者を退屈させません。お二人の人柄と話術の巧みさとで、トークはなごやかな雰囲気の楽しいものになっていました。日販古幡さんの出演は直前に決まったため、お二人はトーク当日に初めてお会いになったそうですが、そんな会ったばかりの関係には思えないぐらい、実にスムーズなやりとりでした。


トークでは、佐々さんの取材裏話のほかに、なぜノンフィクションライターになったのか、など、興味深い話をたくさん聞くことができました。どんな話が、どのように話されたのかを紹介すべきなのかもしれませんが、佐々涼子さんがこの本について、また、ご自身についてトークイベントやインタビューなどで語る機会はこれからもあるでしょう。ですので、ここでは当日のご本人の発言を書き起こして紹介するようなことは控え、印象に残った発言(たくさんありました)の1つを紹介するにとどめたいと思います。


質疑応答で、苦労した点はと質問された佐々さん。(A4の原稿にして、これぐらいと、ものすごく大量の書き起こしを用意されたのであろうことを身振り手振りで示しながら)この本は、ほぼ証言だけでできていて、取材ではとにかくたくさんの証言を集めたが、単行本の分量に収めるために削らなくてはならなかったこと、取捨選択しなくてはならなかったこと、それがとても苦労した点だ、つらかったことだ、と話していました。


大量の記録から何を残すか、何が残るか、ということでいうと、トークのお相手の古幡さんも、トークの最後に同じようなエピソードを紹介していました。日販には、当時の復旧・支援活動について、いつ何をどうしたかの詳細な資料が、それこそ山のようにファイリングされているそうです。それらを確認しつつ、一方で当事者の話も直接聞こうと、当時の様子を知る人に聞いてみたところ、古幡さんが本を読んでいて印象に残ったくだりの1つと、まさしく同じようなことが日販でも行われていたことがあったのだとか。被災地入りする人が、車につめるだけのお酒と煙草を積んで届けたのだそうです。「こういうときは酒と煙草だろう」と。


こういうことはオフィシャルな記録には拾われないし、わざわざ記録に残すようなことではないのかもしれない。でも、当時、誰が誰に何を届けたのか、現場で必要とされていたものが本当はなんだったのかを、とてもリアルに伝えてくれるエピソードでしょう。お二人の話が、最後につながったような、そんな気がしました。


佐々涼子さんのトークが、現時点で他に何が決まっているのかいないのかはわかりませんが、もしも、今後、『紙つなげ!』に関するトークが開催されることがありましたが、本書を読んで感銘を受けた方は、ぜひ駆けつけてお聞きになるといいと思います。本には書かれなかった話がたくさん聞けますし、再読したくなること請け合いだからです。また、(本を読んでからのほうが佐々さんの話は楽しめるのではないかと、個人的には思いますが)本はまだ読んでいないけれど興味はある、という方も、そのような機会がありましたら、ぜひお話を聞いてみるといいと思います(この日も、会場に未読の方がいらっしゃいました)。必ず、本を読んでみたくなるはずですから。


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神奈川近代文学館で「装幀=菊地信義とある『著者50人の本』」を見てきました

今日は家族で横浜へお出かけ。神奈川近代文学館で、本日7/27まで開催の、こんな展示を見てきました。



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↑神奈川近代文学館は、みなとみらい線、元町・中華街駅から徒歩数分、港の見える丘公園の緑に囲まれた建物です。近くには、大佛次郎記念館もあります。


菊地信義さんが《約40年間に手がけた12,000点余にも及ぶ作品の中から文芸書を中心に著者50人の本、約300点を展示》したという展示は、実に見応えのあるものでした。中上健次、古井由吉、澁澤龍彦、村田喜代子、島田雅彦、後藤明生、柄谷行人、リービ英雄、谷川俊太郎、吉増剛三……。錚々たる作家・作品が並んでいます。文学史的に重要なというだけでなく、個人的にもなじみのある作家・作品ばかり。この数十年の文芸の世界において、「装釘家=菊地信義」という存在がどれだけ大きいものであったかが、非常によくわかる展示になっていました。


展示は、ガラスケースに収められたものを眺めるのが中心ですが、作品のいくつか(数十点ほどでしょうか)が台に並べられ、実際に手にとって、カバーや本文用紙の質感、造本のこだわりを確かめることができるようになっていました。展示作品のなかには貴重なものもあるでしょうから、全部が全部をそんなふうにするわけにはいきませんし、その必要もないと思いますが、装丁がテーマの展示は、やはり一部だけでも本に触れるようになっているほうがいいですね。


文章が中心で、装丁作品の図版は数的には少ないので、展示の「図録」という位置付けになるのかどうかよくわかりませんが(神奈川近代文学のサイトでは「展覧会図録」となっています)『菊地信義とある「著者11人の文」集』という冊子が販売されていましたので、購入しました。


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10月のbeco talkのご案内……神戸に新たな出版社が誕生しました

西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。10月の回のご案内です。(9/26に予定していた回が、他のイベントとの関係で、10月初旬にずれました)


    beco talk Vol.19
    神戸で出版社をやってみる
    〜苦楽堂の立ち上げ、そして、これから〜

    日時:10月3日(金)OPEN 19:00 START 19:30(〜21:00)
    会場:beco cafe(東京・西荻窪)
    会費:1000円(ワンドリンク付)
    出演:石井伸介(苦楽堂)、空犬太郎(本屋図鑑編集部)
    *満席のため、予約受付終了となりました。

神戸・元町に、新たな出版社が誕生します。立ち上げたのは、この春まで吉祥寺に在住、吉祥寺書店員の会「吉っ読」とも縁の深かった編集者、石井伸介さん。出版社勤務時代に、beco talkに出演して本屋さんの話をしてくれたこともあります。


トークは、立ち上げまでの経緯、苦楽堂について、苦楽堂のこれからの3部構成を考えています。なぜ出版社を立ち上げたのか、なぜ神戸を選んだのか、これからどんな本を出していくのか。出版の「海」に一人で漕ぎ出した石井さんに、たっぷりと語ってもらおうと思います。


いつもは2時間弱のbeco talkですが、今回はトークを90分とし、トーク終了後、21時からは、「苦楽堂立ち上げお祝い会」ということで、立食形式のパーティを予定しています。そちらは、予約なしでご参加いただけます。遅番の書店員の方の途中参加も大歓迎ですので、石井さんの新たな出発を一緒にお祝いしたいという方はぜひ遊びに来てください。


予約は、8/1(金)から受付開始となります。予約方法や、beco talk自体の説明、今年のbeco cafeイベントのラインナップなどにつきましては、こちらの記事をご覧ください(記事の下のほう、出演者のみなさんのプロフィールの前に、イベントに関する詳細・注意事項などをまとめてあります)


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ディスクユニオン神保町店が移転オープン……そして、やっぱりアナログはいいなあ、という話

先週7/4に、移転オープンしたディスクユニオン神保町店。毎日、昼休みは神保町をうろうろしているというのに、なかなか寄るチャンスがなかったんですが、先日、やっと見てくることができましたので、簡単にご紹介します。


140718ディスクユニオン神保町店 外観1140718ディスクユニオン神保町店 外観2

↑ビルは、クロサワビルの2階。1階は工事中ですが、何が入るんでしょうね。


140718ディスクユニオン神保町店 入口

↑お店の入口。


お店は雑居ビルの2階のワンフロア。路面店ではなくなりましたが、ジャンルごとにフロアが分かれていた以前のお店と違い、今回は全ジャンルがワンフロアにまとまっていますので、以前よりも見やすくなったような気がします。


140718ディスクユニオン神保町店 チラシ

チラシにあるとおり、bookunionが店内にオープンしています。ただ、オープンといっても、売り場が区切られているわけではなく、棚の一部が書籍・雑誌と読書グッズなどにあてられているという感じです。


好みが分かれるところかもしれませんが、いろいろなジャンルを広く浅く楽しむタイプのリスナーとしては、移転前の店舗よりも、今回の新店のほうが、短時間に複数のジャンルをざっと見て回ることができるので、利用しやすいお店になったという印象を受けました。商品のジャンルのバランスもいい感じで、突出してこれがすごい、というのはないかもしれませんが、幅広いジャンルのリスナーが楽しめそうなお店になっているように思いました。アナログ好きとしてアナログのコーナーが増えたように見えるのもうれしいところ。シングル盤=7インチのコーナーも増えています。


以下、この日買ったもの(の一部)をざっと紹介します。


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↑ピクチャーレコードって、音質的にはいまいちとされているんですが、アナログ好きとしては、手元にもっておきたくなりますよね。この日買ったのは、『Talking to 'the Clash'』。33回転のシングル盤です。インタビューが収録されているんでしょうか。


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↑コレクションしているわけではないんですが、SF映画好きなものですから、SFのサントラで、とくにジャケがかっこいいものは買って手元に置いておきたくなるんですよね。これは、『SF/ボディ・スナッチャー』。レアというほどではないですが、CDも廃盤であんまり見かけませんね。


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町本会公開会議、第11弾は岡山で開催です……そして「岡山のカフェ・アート・ブック案内」最新号が【更新】

「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第11弾が決まりました。今回の開催地は岡山。451BOOKSさんです。


    「町には本屋さんが必要です会議」Vol.11@岡山
    日時:2014年8月22日(日)
    OPEN 18:00 START 18:30
    会場:451BOOKS(岡山・玉野)
    http://www.451books.com/
    岡山県玉野市八浜町見石1607-5 TEL 0863-51-2920
    出演:根木慶太郎(451BOOKS)・島田潤一郎(夏葉社)
    会費:1000円(ワンドリンク付)
    定員:20名

少年たちの未来

晶文社から出た島田さんの新刊刊行記念を兼ねた、夏葉社+晶文社のフェアとイベントの2本立て企画で(上のチラシを参照ください)、町本会公開会議はトークの一部として開催されることになります。


夏葉社と晶文社の本の展示販売が行われるブックフェア、タイトルは「夏葉社+晶文社フェア「少年たちの未来」」。期間は8/22(金)〜9/15(月・祝)。451BOOKSは、平日は予約営業となりますので、営業日にご注意を。詳細はお店にお問い合わせください。


トークイベントは、2部構成で、
第一部 「あしたから出版社」になる方法(就職しないで生きるには)
第二部 町には本屋さんが必要です会議@岡山
となっています。途中、休憩があり、終了後は懇親会が予定されているとのことです。


参加ご希望の方は451ブックスにお電話またはメール([email protected])にて直接お申込ください。駐車場に限りがあるとのことですので、ご来場にはなるべく公共交通機関をご利用くださいとのことです。たくさんの本好き本屋さん好きのみなさんのご参加を、関係者一同お待ちしております。



今回の町本会には残念ながら参加できないのですが、451BOOKSといえば、わたくし空犬も縁のあるお店。


今年1月に発売になった『スケープス 'Scapes』第5号(ユニライフ・コミュニケーションズ)が、岡山のブックスポット特集号だったんですが、その特集のテキストを担当させていただいたのです。そのときに取り上げたお店の1つが、451BOOKSでした。この雑誌特集については、こちらでふれています。

451BOOKSを訪ねるのも、店主の根木さんご夫妻にお目にかかるのもそのときが初めてだったんですが、根木さんご夫妻はとてもフレンドリーで、以前からの知り合いであるかのように迎え入れてくました。すてきなお店を隅々まで案内してくださるわ、雑誌の特集で取り上げるお店のセレクトについてアドバイスしてくださるわ、次の取材先まで車で送ってくださるわ、さらにはおみやげまで持たせてくださるわと、もう至れり尽くせり。ぼくはあっというまに、根木さんご夫妻とお店両方のファンになってしまったのでした。


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沖縄タイムス+「タイムス×クロス」で「ブックンロール」が取り上げられました

「ブックンロール2014」に、なんと沖縄から(もちろん、今回のお客さんの中ではいちばん遠方からの参加者です)駆けつけてくれた、沖縄の出版社、ボーダーインクの喜納えりかさんが、ブックンロールについて、こんなすてきな紹介記事を書いてくれました。



ボーダーインクといえば、我々本好き、本屋好きにとっては、なんといっても、宇田智子さんの『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』を刊行してくれた出版社、ですよね。空犬通信でも以前に紹介したことがありますが、ここ数年、続けて刊行されている本屋本のなかでも印象に残る本の1つで、個人的にも大好きな本です。その版元の方と、まさか東京で、それもブックンロールの会場でお目にかかることになるとは思いませんでした。


喜納さんとは、ブックンロールの2次会会場でごあいさつ。そのときが初めてだったにもかかわらず、イベントのこと、宇田さんの本のこと、音楽のこと、楽器のこと……あっという間に話があちこちに広がり、盛り上がってしまいました。ぼくにとっても印象的な出会いだったので、喜納さんの今回の文章を読んで、ああ、喜納さんもこんなふうに思ってくれてたのか、ということがわかり、あらためてうれしくなりました。


記事は、一部を引くよりも、全部を読んでいただくのがいちばんいいと思いますが、1か所だけ、とくに感銘を受けたくだりを。
《選んで、組み合わせて、並べ、書き、伝える。棚に並ぶのは、本にかかわる人からバトンのように手渡されてきた<思いのたけ>だ。
そういう棚は、生きている。
私が見たのは、「表現」としか言いようのない世界だった》。
主催者冥利に尽きるとは、まさにこういうときにこそふさわしい表現なのでしょう。出演者のみなさん、みんなの棚作り、仕事ぶりは、こんなふうに伝わっているんですよ。


ご自身、音楽が大好きだという喜納さんは、こんなふうに一文を締めくくっています。《本と音楽のイベントが、いつか沖縄でもできるといい。そんな野望、というかほとんど妄想のようなものを抱えながら、こっそりギターの練習に励んでいたりする》。ぼくがイベントを企画したときも、最初のアイディアは、野望というか妄想というか、もっと言うと、飲み屋の与太話のようなものでした(本人はともかく、披露した相手(吉っ読の書店員たち)はみなそう思っていたことでしょう)。だから、ぼくは、このような野望というか妄想というか、そのようなものを心から応援したいと思うのです。だって、東京(吉祥寺)と沖縄(那覇)のコラボイベントが実現したりしたら、こんなにすてきなことはありませんよね。


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大阪の書店事情に大きなうごきが……JR大阪駅ビルに蔦屋書店が出店【更新】

新刊書店の開店・閉店をリストアップしてまとめることはやめてしまったので、久しぶりの開店・閉店関連記事になります。書店関係のニュースに目を通していたら、こんな記事が目につきました。「JR大阪駅ビル、蔦屋書店が入居へ」(7/16 日経新聞)。


JR大阪駅といえば、昨春、グランフロント大阪が開業、新刊書店としては、紀伊國屋書店グランフロント大阪店が同施設の南館6Fにオープンしています。ちなみに、同店については、以前に訪問記をアップしています。こちらこちら


その紀伊國屋書店オープンから1年少しで、またしても新刊書店がオープンとは。これは気になりますね。記事の一部を引きます。《西日本旅客鉄道(JR西日本)は16日、大阪駅ビルにカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する大型書店「蔦屋書店」が入居すると発表した。駅ビル内の百貨店「JR大阪三越伊勢丹」が来春再開業した後の中核テナントの一つとなる。隣接する専門店ビル「ルクア」は、全店舗の約3割に当たる58店を入れ替えるなどして8月28日に再開業する》。


なんと。3割入れ替えというのは、これまた大がかりな改装ですね。ルクアと伊勢丹がどうなるのか、また蔦谷書店がどこに入るのかについては、《JR大阪三越伊勢丹は販売不振のため百貨店部分を約6割縮小したうえでルクアと一体運営することが決まっており、7月下旬から改装工事に着手する。書店は面積約4000平方メートルの9階フロアに入る》となっています。蔦屋書店は、坪換算で約1200坪。複合型店舗でしょうから、うち、書籍・雑誌の売り場がどのような割合になるのかがわかりませんので、単純比較はできませんが、数字上では、紀伊國屋書店グランフロント大阪店よりも大きいことになります。


「JR西日本、大阪駅ビルに滞在型書店 三越伊勢丹縮小スペースに」(7/16 北海道新聞)には、《大阪駅周辺には紀伊国屋書店梅田本店、ジュンク堂書店大阪本店などが集まっており、書店の競争が一段と激化する》とあります。今年2月には、ブックファースト梅田店が閉店になっていますが、ここにきて、さらにJR大阪、阪急他の梅田界隈の書店事情が大きく動くことになりますね。


ルクアには、三省堂書店が入っていますが、記事には、同店のことについては言及がありません。60に近いお店が入れ替えになるわけですから、三省堂書店がどうなるのか、ちょっと心配ですが、今のところ他の記事にも、三省堂書店のサイトにも情報はないようです。


別の記事、「JR大阪駅駅ビルの一体開発 現三越伊勢丹の紳士フロアに蔦屋書店」(7/16 WWD Japan.com)で、書店にふれているところを見てみます。《カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する代官山T-SITEの中核施設「代官山 蔦屋書店」を源流としたライフスタイル提案型店舗を9階(現在は紳士服フロア)に導入する。売り場面積は約4000平方メートル。西日本初出店で都心型商業施設への出店も全国初。地域や立地に合わせてカスタマイズした店舗になる》。大型出店が続く蔦屋書店ですが、《都心型商業施設への出店も全国初》なんですね。どのような店舗になるのか気になります。


ちなみに、この記事にはこんな記述があります。《JR西日本SC開発の山口正人・社長は「梅田には本を読んだり、音楽を聴いたりしながらゆっくり過ごせる施設がない。蔦屋書店は本や音楽、映画といったカルチャーをベースにしたカフェで機能が充実している》。


蔦屋書店が《本や音楽、映画といったカルチャーをベースにしたカフェで機能が充実している》という点についてはいいでしょう。それをアピールしたい気持ちはわかりますが、だからといって、《梅田には本を読んだり、音楽を聴いたりしながらゆっくり過ごせる施設がない》としてしまうのはどうでしょうね。三省堂書店ルクア大阪店も紀伊國屋書店グランフロント大阪店も、ジュンク堂書店大阪本店も、みなカフェ併設店ですからねえ。さらに、茶屋町には、スタンダードブックストアもありますから。ちょっと勇み足なコメントに思われます。


それはさておき。この件、大阪・梅田界隈の書店事情に大きな影響を与える出店だと思います。元大阪人で、大阪・梅田界隈の書店で育った身としても気になります。また書店の詳細がわかる続報が出ましたら、取り上げたいと思います。


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個人的なことなんですが……

今日は、直接的には書店にも本にも関係のない話題なんですが、ちょっと個人的なことを。


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町本会公開会議、第12弾は島根で開催です【更新】

「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第12弾が決まりました。詳細は町本会blogにもアップされますが、空犬通信でもご案内しておきます。


    「町には本屋さんが必要です会議」Vol.12@島根
    〜本屋さんの本音を聞いて欲しい夏の黄昏〜

    日時:2014年8月23日(土)
    OPEN 18:00 START 18:30
    会場:artos Book Store(島根・松江)
    http://www1.megaegg.ne.jp/~artos/about.html
    島根県松江市南田町7-21 TEL/FAX 0852-21-9418
    出演:西村史之(artos Book Store)・加藤幸典(本の学校 今井ブックセンター)・島田潤一郎(夏葉社)
    会費:1000円

参加ご希望の方はartos Book Storeの店頭で、またはお電話(0852-21-9418)でartos Book Storeに直接お申込ください。


トークの内容など、詳細は、後日あらためてご案内します。


たくさんの本好き本屋さん好きのみなさんのご参加を、関係者一同お待ちしております。



『紙つなげ!』の刊行記念イベントが吉祥寺で開催されます

しばらく前の記事で、この本を紹介しました。



紙つなげ 書影紙つなげ ポップ3種

↑先日取り上げたときはまだ本ができていなかったので、書影をあらためて。右は、版元が用意したPOP3種。


本の内容については、以前の記事に書きましたので、そちらをご覧ください。いただいたゲラの段階から、本として完成するまでに、さらにいろいろと手が入ったと聞いていましたので、早速、単行本で再読してみました。どこがどう変わったかまではチェックしませんでしたが、つい先日ゲラで読んだばかりとは思えないぐらいの新鮮な読後感で、あらためて感銘を受けました。


7/1には三省堂書店有楽町店で刊行記念イベントが開催されましたが、評判がよかったようですね。先約があって参加できず残念に思っていたら、我が街、吉祥寺の本屋さんでもイベントが開催されることになりましたよ。



サイトから案内を引きます。《パルコブックセンター吉祥寺店では、『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている-再生・日本製紙石巻工場 』(早川書房刊、税込1,620円)の刊行を記念して佐々涼子さんトーク&サイン会を開催いたします》。7/26(土)、午後3時からで、場所はパルコブックセンター吉祥寺店、下りエスカレーターをおりてすぐ正面の、特設会場。トークショーの後にはサイン会も予定されているようです。


参加・予約の方法ですが、《トークショーに参加ご希望のお客様は、パルコブックセンター吉祥寺店にて対象商品をお買求めの際、参加希望の旨お伝えください。先着でサイン会整理券、トークショー優先参加券を配布いたします》とのことです。お店の担当の方に確認したところ、イベント告知が出る前に同店で本を買った方も、レジで申し出れば、整理券を発行するとのことでした。くわしくは、お店に確認してみてください。


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「新文化」に「ブックンロール2014」の記事が掲載されました

出版業界の専門紙「新文化」7/3号に、「ブックンロール2014」の写真入りの記事が掲載されました。


140703新文化 BnR2014

↑こちらです。掲載は4面。


記事のタイトルは、「30代の4書店員が描く未来像/「ブックンロール それでも『本屋』で、生きていく」」。記事では、トークの部の様子が、出演者の発言を引きながらコンパクトにまとめられています。


そんなに大きな記事ではありませんが、トークの雰囲気がよく伝わってくるものになっています。「ブックンロール2014」に参加できなかったという方は、ぜひお読みいただければと思います。



「ブックンロール2014」、収支報告です【更新】

先日の「ブックンロール2014」、収支のご報告をします。


    会場キャッシュバック ¥31,000
    募金  ¥ 1,460
    昨年ライヴの残金 ¥31,000
    合計  ¥63,460

昨年の収支報告にも書きましたが、阿佐ヶ谷ロフトは、チャージと飲食料を合わせた全体の売上から、決められた割合でキャッシュバックされる、という方式です。昨年よりも、少し下回る額となりました。2次会(懇親会)は前金制で、差引は発生しませんでした。


募金は、会場に設置しておいた募金袋に集まった額です。今回はほかに集めたお金がありませんので、このようなさびしい額になってしまいました……。


昨年11/9に、「ブックンロール(ブックなし)」という、トークなしのでライヴイベントを開催しました。そのときの収益の残金が31,000円。このイベントの収益は、今回のブックンロールと合わせて寄付することは、イベントの出演者全員の了承を得ています。なお、今回のブックンロールの収益と同額なのは偶然です。


昨年は、封筒などの買い物、送料などを計上しましたが、今回は額が少ないこともあり、計算には入れていません。合計額が半端ですので、端数は、いつものように空犬が募金を追加して丸めましたので、最終的な額は、¥64,000となりました。


主旨にご賛同くださり、ご協力くださったみなさまに、あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。


今回も全額を、本にかかわる被災地支援活動をしている団体に寄付しました。これまでは、仙台で活動している「こどもとあゆむネットワーク」に寄付してきたのですが、3年続きましたので、今回は、《震災や自然災害などにより移住を余儀なくされ、コミュニティの再生が急務とされる地域や、過疎化が進む地域に、コミュニティを醸成できる場所として、図書館を設置する活動を行ってい》る、みんなのとしょかんに全額寄付しました。


140703みんなのとしょかん

みんなのとしょかんの活動内容については、サイトをご覧ください。


「ブックンロール2014」に集まってくださったみなさま、出演者・関係者のみなさまに、あらためて御礼申し上げるとともに、以上、ご報告いたします。


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