本のベストは挙げない、などと先の記事で書いたばかりなんですが、映画については、ちょっとだけ2006年の個人ベスト的なものを披露してみたいと思います。例によってジャンルに偏った話なので、そういうのが苦手な方は本記事はとばしてください。
まずは洋画編の空犬大賞はこちら。じゃーん。
- 『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(監督:デイヴィッド・クローネンバーグ)
今年は、デ・パルマ、テリー・ギリアムの新作もあって、うれしい悲鳴の1年でしたが、1本となるとやはりこれ! ウィリアム・ハートの演技が話題になりましたが、エド・ハリスの粘着質な演技のほうがコワくてよかったです。ヴィゴ・モーテンセンも『ロード』なんとかとは別人、アクションシーンの切れは特筆もの。監督はぼくの大好きなクローネンバーグ。監督のファンなら劇場で観た人もぜひDVDの特典をチェックしてください。
次は邦画編、空犬特別賞。
特殊映画ばっかりじゃなくて、ちゃんとこういうのも観るんです。たまには。脚本のすばらしさ、役者のすばらしさが全編にわたって光っています。重く、心に残る作品です。小説版もぜひ。
空犬ホラー賞は、単品ではないのでちょっとなんですが、『ホステル』をおさえてやはりこれに贈りたい。
【“勝手空犬大賞……映画編”の続きを読む】
またまた間が空いてしまいました……。
編集といっても、雑誌担当ではないので、年末進行で苦労するということは例年ないのですが、たまたま抱えている本の仕事が年末年始に引っかかってしまって、ここ半月ほどばたばたとせわしなく過ごしておりました。
さて、12月と言えば、2006年のベスト、だとか、今年の収穫、だとか、その手の記事・特集を目にすることの多い時期ですね。わたくし空犬も個人ベストでも披露しようかと思ったのですが、某誌の年間ベストが『ハリーポッター』だったりするのを目にしまったせいか、いったい「ベスト本」の意味ってなんなんだ、などと考え出したら止まりません。読書の趣味をさんざんさらけ出しまくってきたというのに、今さら年間で区切って無理に1冊や2冊選び出すのもなんだかあまり意味ないことに思われたりもし、意味もなく飲酒に逃避しています。
さて、今年読んだ本は、まだちゃんとカウントしてないですが、百数十~二百冊といったところ(ただし、途中放棄を含みます)。ここ数年、本と映画を合わせて400前後というのがほぼ決まったペースです。映画が増えると本が減る、という感じで、総数はだいたい一定です。読書人のみなさんの平均値がどんなものか知らないのでよくわかりませんが、純粋に仕事の資料本として読んだようなものはのぞいてますから、まあ、少なくはないほうでしょうか。
【“来年も空犬通信よろしくお願いします”の続きを読む】
明日はクリスマス・イヴ。クリスマスを、誰といかに過ごすか、なあんてことが、12月の最大の関心事だった頃、空犬にもそんな時代があったのだなあ、などと懐古モードしている時点でもうオヤジ丸出しですね。もはや、クリスマスはスウィートなイベントでもなんでもなくて、100%子どものためのイベントとなっています。まあ、家族持ちはみな似たようなものなんだろうと思いますが。
今日、家族で少し街に出たのですが、まあ、いるわいるわ、あっちにもサンタ、こっちにもサンタ、サンタだらけ。ティッシュを配っていたり、看板を掲げ持っていたり、ケーキを売っていたり。道を歩いてもサンタ、店に入ってもサンタ。
「今日、いっぱいサンタいたねえ」と娘にふったら、「うん」というので、「あのなかに本物のサンタが混じってたんだよ。わかった?」と聞いてみたら、「……いないと思う」と、5歳児にしてはややあっさり過ぎるぐらい、あっさりと流されてしまいました。別に醒めているのではなくて、まだサンタさんのことを信じているのです。だから、そんな、街中にふつうにいるわけはない、ぐらいに思っているようなのです。
さて、クリスマスもの、サンタものの本、絵本はたくさんあるのですが、今日は、ぼくがこのジャンルのなかでもっとも好きな本を紹介します。
- J.R.R.トールキン『サンタ・クロースからの手紙』(評論社)
【“サンタ・クロースからの手紙”の続きを読む】
岸田今日子さんが亡くなりましたね。
岸田さんと言えば、我々の世代にとっては、なんとってもアニメのムーミン。原作者ヤンソンにはダメだしをされたことでも有名なシリーズですが、たとえ原作の世界から逸脱していたにせよ、あの作品がある種の魅力をたたえていたのは事実。あのシリーズでムーミンを知った世代には、主人公ムーミンの声は岸田さん以外には考えられないはず。
女優としての岸田さんを意識したのは、月並みですがやはり『砂の女』(監督:勅使河原宏)。美貌で観客に印象を残すタイプの女優ではないでしょう。いや、美貌どころか、どちらかというと、独特や個性的などということばでは足りないぐらい個性的に過ぎるそのお顔、それにたたずまいとで、スクリーンに登場するや、その場面を完全に支配してしまう、かなりこわいタイプの女優に思えました。名画座で観て、ビデオでも観ているのに、斑猫を追って砂丘にとらわれる主人公の高校教師を演じたのが誰だったかさっぱり記憶にありませんが(今しらべたら、岡田英次でした)、岸田さんのシーンはいくつも思い浮かべることができるほど強く印象に残っています。
リメイクで話題の『犬神家の一族』、と並ぶ横溝=角川映画の代表作、『八つ墓村』、96年の市川崑監督版での、双子の老姉妹も強烈でしたね。「小竹さんや」「小梅さんや」と岸田今日子顔で呼び合うふたりの老婆……すごい絵でした。岸田さんが出ている市川崑作品では、『黒い十人の女』も印象に残る1作でした。
文才にも恵まれたようで、小説、エッセイ、児童ものと幅広い著作もあります。児童書で見かける名前と、『砂の女』の女優像がまったく結びつかず、最初の頃は同姓同名の人だろうと本気で思っていたりしたのを思い出します。
女優としても、書き手としても特別なファンだったわけではないのですが、そんなぼくのような者にさえ強烈な喪失感を感じさせるのですから、その存在がいかに大きかったかがいまさらながらに思われます。ご冥福をお祈り申し上げます。
もうお一人、空犬通信的重要度では岸田さん以上と言える方がしばらく前になくなっていたのですが、
【“空犬通信的重要人物、訃報2件”の続きを読む】
最近の購入本から、一部だけ紹介します。
- 多和田葉子『海に落とした名前』(新潮社)
- 阿部和重『ミステリアスセッティング』(朝日新聞社)
- デイヴィッド・スカル『ハリウッド・ゴシック ドラキュラの世紀』(国書刊行会)
- デイヴィッド・スカル『モンスター・ショー 怪奇映画の文化史』(国書刊行会)
『海』は多和田さん今年3冊目の新刊。今回は短編集。先日(12/12)も朝日新聞夕刊に、記事「アメリカを『第三の極』に表現広げる ドイツ在住作家・多和田葉子さんに聞く」が載っていましたね。記事中で表題作が「感覚を静かにゆさぶる作品だ」と評されていました。装丁もいい感じです。
『ミス』は三省堂書店神田本店でサイン本をゲット。本日12/19の夕方時点では、まだ何冊も積んでありましたから、ファンは全速力でどうぞ。携帯サイトおよびasahi.ocmに連載されたもののようで、どうりで聞いたことのない作品名だ。
それにしても、朝日新聞社の文芸書、紙面はもう少し上品な組にしてほしいものです。新潮社の多和田新刊の、字と余白のバランスがいい、落ち着いた書体の上品な組と比べると、字は大きいし、余白とのバランスも悪いし、書体も今ひとつだしで、もちろん好みの問題もあるでしょうが、物としての本の魅力に欠けるような気がします。小説は読めればいいというものではないだろうと思います。阿部作品は講談社のも新潮社のも、中身だけでなく外側の出来もいいと思うので、ちょっと残念に思った次第です。
【“海、阿部、怪奇映画、ゴシック……最近買った本たち。”の続きを読む】
この前、娘の寝かしつけのときのこと。お気に入りの絵本の1つ、『ラチとライオン』にしようと、二人で選んでふとんにもぐりこみ、寝転がって読み始めたのですが、ふと思いついて、文章をさかさまに読んでみました。つまり『ンオイラとチラ』などとやってみたのです。すると、これが大受け。
ふだんから、「いただきます、ってはんたいから読むとなに?」なんてしょっちゅう聞いてくるぐらいで、さかさま読みが大好きな娘なのです。本文も1行ずつ反対から読んでいきます。反対に読むとそれだけで何やら不思議な言語に早変わり、しかも勝手に妙な節までついてきて、自分でもおかしくって、もう親子して笑いがとまりません。おなかが苦しくなるぐらい大笑い、寝る前は興奮させてはいけないというのに、二人で笑い転げまくりました。
あんまり笑って涙が出てきたのですが、娘はともかく、パパのほうは、どうやら笑い過ぎの涙ばかりではなかったようです。大笑いしながら、こんなに楽しいこともすぐに忘れちゃうんだなあ、などと感傷的なことを思ったりしていたのです。この楽しいひと時も、この前の園の発表会も、楽しかった家族旅行も、お気に入りの公園への散歩も、お湯をかけっこして大騒ぎのお風呂も、みーんな忘れてしまうんだよなあ、などと思ったのです。
だって、実際、そんな感傷的なことを考えている本人に、5歳の記憶なんて1つもないんですから。いや、今覚えていない、というだけではなく、自分の人生のなかで、5歳のときの記憶を保持していた期間のほう圧倒的に少ないでしょう。
《何度も行ったPIC(引用者注・リゾートホテルの名前)も、そのころ数回行った沖縄旅行も、何ひとつ記憶にないらしい。子供らが幼いころの家族旅行を覚えているのは親だけだ。》
これは、先頃読み終わったばかり北上次郎『記憶の放物線』(幻冬舎文庫の)の一節。
【“「感傷派」に捧げたい……記憶の放物線”の続きを読む】
とりあげるのが遅くなりましたが、新潮社から、ではなく、新潮文庫から新雑誌が出ましたね。『yom yom』。
わざわざ新潮文庫からとなっているし、文庫にしおりが入っていて、文庫売り場で会いましょう、なんて書いてあるから、てっきり、講談社の『INPOCKET』やPHPの『文蔵』のような文庫サイズの雑誌かと思い、文庫好きとしてはけっこう楽しみにしていたのですが、残念ながらサイズ違いでしたね。
「コラムや小説がたくさん入ったA5判の雑誌、でも文芸誌とも違う新潮社の雑誌」というと、『大コラム』でしたっけ、手元にないのでうろおぼえで書いてますが、そんななつかしい雑誌を思い出します。
さて、今回の『yom yom』、川上弘美、梨木香歩、吉田修一、恩田陸、重松清、江國香織、角田光代、山本文緒と人気作家がずらり。さすが新潮社という感じですが、
【“新潮文庫から雑誌『yom yom』創刊”の続きを読む】
最近買った雑誌はほかにもいろいろあるんですが、音楽関係だけ紹介します。
- 月刊サウンド・デザイナー12月号増刊 大人が楽しむロックギターBOOK『ギターヒーロー黄金時代 Vol.2』(ディー・アンド・エー)
- アエラ臨時増刊『AERA ROCK HARD!』No.57(朝日新聞社)
- 『ギターマガジン』(リットーミュージック)
いつも買ってるギタマガはさておき、それにしても、最近この手の雑誌、多いですね。「大人の……」と書いて「オヤジの……」と読ませる、中高年向けロック雑誌およびその手の特集。おやじバンドがどうのこうのってのもありますし。クラプトンとかCharとかが音楽誌、一般誌を問わずやたらに露出してますし。『Tom Sawyer World』の2007年 01月号なんて、表紙がクラプトンで中はCharだから、まさにその典型。
取り上げられているのは70年代の王道ロックが中心のようで、ターゲットはぼくなんかよりはもっと上のあたり。つまり、「団塊の世代」で、いかに彼らに趣味のお金を落とさせるか、っていう路線なんでしょうね。ぼくはもちろんリアルタイムでは聴いていなくて世代的には関係ないのですが、なにしろチャートや自分の世代の音楽との縁がきわめて薄い音楽生活を送ってきたもので、感覚がそちら寄りなんでしょう、一緒になって踊らされてます。踊らされてるとわかっていて買ってしまうこの習性。
オヤジロック系の話と言えば、先日の朝日新聞でも「ビートルズ新作賛否」なんて記事が載ってましたね。
【“オヤジロックの復権? The WhoとThe Beatlesの“新”譜”の続きを読む】
なんかこのタイトルで記事を書くの、久しぶりです。さっきの記事にも書いた通り、このところどうも忙しくて、なかなか更新できなくて。でも、あいかわらずたくさん本は買っているし、忙しいなりに読みもしているので、報告はしたいのですが、どうも気力が。
とりあえず、1冊だけ紹介です。
<
この本はへたな内容紹介をするより、あとがきからこの文章を引くのがいちばんいいのではないかと思います。
《ぼくはいつでもピースなことを考えている。》
どうですか、これ。最高でしょ。文筆に関わる現代日本人はあまたいるなかで、こんなことを言い切れる人がほかにいるでしょうか。PEACEと言えば、ジョン・レノンも、裸になったりベッドに入ったりGive Peace a Chanceなんて歌ってりして、平和のことを考え続けた人だけど(←茶化しているのではありませんよ。ぼくは筋金入りのJL者なので)、時代はJLじゃなくて、JM(=ジュン・ミウラ)でしょう。
どこかで読んだことあるようなネタばっかりですが、大好きです、このノリ。Peaceな気分にさせてくれる1冊。
【“PEACE……最近読んだ本たち。”の続きを読む】
以前の日記で、ふだんお付き合いさせてもらっている都内の書店さん数店のみなさんと飲み会をして楽しかったという話を報告したことがありました。一昨日の13日(水)、その2回目が実現したのです。
今回は、数人の入れ替えがあったものの、集まってくれた書店のみなさんは前回とほぼ同じメンバー。2回目でお互いに慣れたのと、版元仲間が減ったので人数が少なくなって全員と話がしやすくなったのとで、大いに盛り上がりました。新しく参加してくれた方々もいます。前回から来てくれていたかのようなとけこみぶり。いやあ、楽しかったなあ。
個々のお名前は挙げませんが、参加してくれた書店名だけ挙げておくと、ジュンク堂書店池袋本店、ジュンク堂書店新宿店、ブックスルーエ、有隣堂ルミネエスト新宿店のみなさんです。みなさん、サンキュウでした! おかげさまですごく楽しい会でした! Love you all!
それにしても、本好きが本の話しているのって、横で見たり聞いたりしてるだけでもいいものですよね。今回もあるミステリー作家を熱く語っている方がいて、空犬もふんふんと聞いてたんですが、しょっちゅうこのブログに書いている通り、わたくし、ミステリーの話はあんまりよくわかりません。それなのに、なんだか楽しい。本関係、書店関係のブログを読んでいても思うことですが、話が合うかどうか、話が楽しいと感じられるかどうかは、ジャンルが合うかどうか、では必ずしもないんですよね。もちろん、好きなジャンルや作家が共通していればさらに盛り上がるのかもしれないけれど、もっと以前の話、という感じ。なにしろ、「この前の休みの日、……書店に行ってきちゃった」なんてうれしそうに語る人が複数いる会ですから。休みの日までよその書店に繰り出している本気度100%な書店員さんたちが本の話をするのだから、ジャンル云々関係なし、おもしろくないわけがないのです。いやはや。この2回の飲み会で、いろんな本周辺の人たちといろんな話をして、なんだか感慨深く思った次第です。
【“書店さんと忘年会でいい気分なり”の続きを読む】
以前の日記で創刊の報告をしました、東京・吉祥寺の書店、ブックスルーエのフリペ「ルーエの伝言」第2号ができました。じゃーん。
最初は単なるアイディア提供&一寄稿者だったわたくし空犬は、今回から全面的に作成に協力することになりました。小さい写真ではわからないかと思いますが、2号にして早くもリニューアル、紙面全面刷新となりました。
このブログでもたびたび取り上げてきた、空犬一押しの癒し系書店フリペ「うーりん新聞」の多大なる影響のもとに創刊したこの「ルーエの伝言」、そのあたりの経緯は、以前の日記をご覧いただくとして、しばらく間が空いてしまっていたのが、ようやく第2号が完成です。完成の報告ができるのはうれしいのですが、こちらがようやく軌道に乗り始めたかな、というところなのに、「うーりん新聞」発行元の有隣堂ルミネエスト新宿店が来年1月で閉店という残念な事態になってしまったため、早くもライバル(?)というか恩人的存在を失うことになってしまったのは大変残念なこと。
でも、だからこそ、「うーりん新聞」に変わって、というわけにはいかないかもしれませんが、「うーりん新聞」の跡を継いで、来年からは定期刊行を目指してルーエのみなさんともどもがんばりますので、よろしくお願いします。
東京・吉祥寺の書店、ブックスルーエにて、あさってあたりから配布開始予定です。あまりたくさん刷ってませんので、沿線・近隣の方は全速力でかけつけてください。前回同様、遠方で行けぬという方は、本ブログのコメント欄経由でルーエ花本氏にご連絡いただければ、送料のみ実費ご負担いただくかたちで(たぶん)送らせていただけると思います。
近い将来、機がととのえば、オンライン版も作ってネットでの公開・配布なんてことも考えられるかもしれませんが、当面は「紙のメディア」にこだわりたい、というのがルエ伝スタッフ一同の思いです!……すみません、ほかのみなさんの確認をとらずに、勝手に代表してしまいました。でも、たぶん思いは同じでしょう。うん。
【“書店発フリペ「ルーエの伝言」、第2号できました!”の続きを読む】
毎年、松屋銀座で行われている「銀座 古書の市」の目録が送られてきました。
第23回「銀座 古書の市」美術書画・書籍コレクション
2007年1月2日(火)~5日(金)
松屋銀座8F大催場
270ページと、ずっしり重い目録は読み応え充分ですが、特にすばらしいのが、東京・八王子の佐藤書店。カラーページ6頁を使って、戦前探偵小説の稀覯書の書影をこれでもかと言わんばかりに
たっぷりと見せてくれます。時を前後して、東京・自由が丘の西村文生堂の目録も送られてきていて、こちらも空犬お気に入り、探偵小説の書影がいくつか見られるのですが、すべてモノクロで、点数も多くはありません。
紹介されている稀覯本は、ガラスケースの中などに収められているのを見ることはありますが、多くは貧乏サラリーマンにはまず実物を目にする機会自体がないものがほとんど。それだけに、カラーでこんなにたくさんの書影が見られるのは感激です。佐藤書店の頁だけ切り取って保存しておきたくなります。探偵者はこの頁を見るためだけでも目録を入手する価値ありでしょう。
その他のお店は、美術関連の出品が多く、空犬にはわからない世界ですが、本ブログにもたびたび登場の神保町・呂古書房のカラページも眺めているだけで楽しいページになっています。
というわけで、古本者、探偵者は、お正月は銀座にレッツゴーです。
【“銀座古書の市”の続きを読む】
またまた少し間が空いてしまいました。一度毎日更新のペースが崩れると、なかなか元に戻せません。というか、どちらかというと訪問してくださる方々の数からするとあきらかに書き過ぎの感じだったので、これぐらい「間引き」でちょうどいいのかもしれませんが。
さて。更新をサボってた間も本はたくさん買っております。どれから紹介しようか迷うぐらい。まずはこれ。文庫好きなもので、この本は出ると毎回買ってしまいます。
- 本の雑誌編集部編本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2006年度版』(本の雑誌社)
【“おすすめ文庫王国2006で町田康の迫力にくらくら”の続きを読む】
最近、なんだか文庫が店頭から消えるのが早くなってる気がするんですが気のせいでしょうか。単にぼくが年をとっただけなんでしょうか。新刊書店の文庫棚を眺めていると、岩波はまあ別、あとは新潮がけっこうがんばっている感じだけど、ほかは、なんだか新しいタイトルばっかりが目につく感じがするのです。古典でいきますよとわざわざ謳った光文社の光文社古典新訳文庫なんか出てくるぐらいだから、一般の文庫については古典の容れ物としての役割は終えた、ということなのかもしれないけれど、それはそれで残念なことです。
ただ、文庫の場合、ときどき大がかりな復刊がありますよね。岩波文庫の復刊、一括重版の「他では読めない 岩波文庫一括重版」はもはや定番、新潮文庫の「今月の掘り出し本」も一種の復刊で店頭のワゴンもすっかり根づいた感じ。角川も最近はやってないですが過去には何度かありました。フィッツジェラルド『夜はやさし』など文学ものに混じって、エイゼンシュテイン『映画の弁証法』なんかが入ってたことがありましたよね。過去の遺産がある文庫は、こういう「お蔵だし」みたいなことができるのが強みです。
このところ店頭で、純粋な復刊ものや、切れていたわけではないけれどもう一度名著に注目を、といった感じのフェアなんかが目につきます。前者は東京創元社の2006年復刊フェアや、ちくま文庫の「ちくま文庫復刊フェア2006」、中公文庫の「名著礼賛」は後者のタイプ。
【“復刊大歓迎! 続々と復活する文庫たち”の続きを読む】
本日3本目です。いくら久しぶりだからって、こんなことするから書きすぎ、って言われるんですが、ネタがたくさんあるもので……。
幻冬舎から幻冬舎新書が創刊されましたね。一挙17点、ですか。新聞の広告も派手でしたねえ。先日の朝日新書創刊の印象もまだ新しいうちに、またしても新書に新規参入とは、いやはや、新書ブームってまだ続いてるってことなんでしょうか。
以前の日記に書いたように、朝日新書のときは創刊ラインナップのなかに、即買いしたくなるよな書名は残念ながらなかったのですが、今回の幻冬舎新書も、気になる書名はあるものの、即買いという感じではありませんでした。
とりあえず、中身の感じだけでも見てみようと思い、広義の文章ものと言えそうなこの2点を抜いてきました。
- 日垣 隆『すぐに稼げる文章術』(幻冬舎新書)
- 清水良典『2週間で小説を書く!』(幻冬舎新書)
いずれも、なんだかお手軽な感じが共通するタイトルですね。
【“幻冬舎新書創刊、ですねえ……”の続きを読む】
空犬お気に入りの番組「ピタゴラスイッチ」が本になると聞き、これは出たら即購入、誰よりも早くブログで取り上げよう紹介しよう持ち上げようと鼻息を荒くしていたのに、真っ先どころか、更新を休みまくって思いっきり出遅れています(泣)。
というわけで、ようやく入手しました。これ。
以前の日記にも書きましたが、この番組、親子でお気に入りなんです。最初は娘に見せる目的で一緒に見始めたのですが、今や娘よりパパのほうが好きなぐらい。娘もようやく「アルゴリズムたいそう」とちゃんと言えるようになり、今では、歌が始まるとすくりとテレビの前に立ち、父娘ふたり並んでやってます。
しかし、子どもの感性というのはいいものです。「手を横に、あらあぶない、頭を下げればぶつかりません」のところで、わざとぶつけたり、ぶつかったりするだけで、きゃーきゃーと本気で喜んでくれます。そのたびに涙ぐむ父……。多くの関東人から「バカじゃねーの」、また多くの関西人から「アホちゃう」という声が聞こえてきそうですが、だいじょうぶ、言われる前に自分で言ってますから、みなさんは安心して省略してください。
【“ピタゴラスイッチのDVDブックが出た!”の続きを読む】
このところ仕事がたてこんでいて、すっかりごぶさたしてしまいました。ただ、更新をお休みしていた間も、本を買うのとネタ集めとは怠っていませんでしたので、10本か20本ぐらい書けそうなぐらい、ネタがたまってしまっています。やれやれ。
というわけで、久しぶりなので、というか、久しぶりなのに、というべきか、とにかく、復帰第1作は小ネタです。
『週刊ポスト』(小学館)の2006年12月15日号をぱらぱらやっていたらポスト・ブック・レビューの「著者に訊け!」に川上弘美さんが登場していました。最新刊『真鶴』(文藝春秋)に関する話です。
川上さんの本は、作品世界に似つかわしい、なかなか良い装丁のものが多くて、その意味では恵まれた作家なんだろうと思いますが、そういう作家が、「箱に入った本というのにずっと憧れていたんです」なんだそうです。作品社の旧随筆シリーズのような挿し箱(背と小口の両側が抜けた箱)に入っています。
この記事を読んだばかりだったせいでしょうか、今日、いつものように書店をぶらぶらしていたら、なんと、川上弘美さんが女性誌の表紙に登場しているのが目にとびこんでくるではありませんか。へー、人気があるのはわかるけど、こんなところにねえ、と思って近づいてみたら……菅野美穂でした。これがその雑誌です。ちなみに、参考図版も並べてみます。
みなさん、どうでしょうか。ぼくが間違えるのも無理ないと思いませんか? 川上弘美と菅野美穂、ね、似てるでしょ? 『週刊文春』の顔面相似形に取り上げられたりしてないでしょうか。年齢も違うし、さすがにそっくり、という感じではないですが、人類の顔の類型を大まかにわけたら確実に同じカテゴリーに入りそう。ドラマや映画で、母娘の役を演じるの良さそうです。
まあ、でも、いくら川上さんがきれいな方だからといって(余談ですが、以前に、林真理子と川上弘美の対談で、林真理子が「こんなにきれいな人が小説を書くのはおかしい」というような主旨のことを言っていたのが印象に残っています)、やっぱり女性誌の表紙を飾ることはないでしょうね、冷静に考えて。
……久々の記事がしょーもないネタで、ほんと、すみません……。
【“書店で発見、「顔面相似形」”の続きを読む】
| ホーム |