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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

瀕死の双六問屋、GUIN SAGA、運動会ロック

朝日新聞、本日5/31付の書評欄「売れてる本」にこの本が取り上げられてましたね。


  • 忌野清志郎『瀕死の双六問屋』(小学館文庫)



知り合いのキヨシロー好きにあげてしまったので、手元にはないんですが、これ、けっこうおもしろいんですよね。清志郎ファンでも、文章家としての魅力を知らなかったりする人もいるようなので、もし未読のファンがいたら、ぜひ一読をすすめます。


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『チョコレート・ファイター』のジージャーにノックアウト!

期待通りの、いや、期待以上のものすごさでした……。



チョコレート・ファイター・バナー

とにかく主演のジージャーがすばらしすぎっ! ドラマが弱いとか、話が暗いとか、そもそも演技してないとか、マイナスの声もあるみたいですが、それらを補ってあまりありまくる超絶美技をたっぷり見せてくれます。強い女を主人公にしたアクション映画はたくさんありますし、これからも作られていくでしょうが、少なくとも、格闘アクションものにかぎれば、間違いなく最高峰でしょう。ジージャーを超える女性格闘家は当分現れないのではないかとまで思います。


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対決フェア再訪、久生十蘭岩波文庫入り

会社帰りに、紀伊國屋書店新宿本店へ。先日紹介した2Fのフェア「対決!共鳴し合う作家たち」を再度のぞいてきました。


いろんなところに取り上げられていましたから、この週末でけっこう本が動いたんでしょうか。冊子がずいぶん減っているほか、最後の1冊と但し書き付きの本が複数あったり、品切れの本も1点あるなど、前回とはなんだか棚の様子が違って見えます。自分が関係しているわけでも、担当本が並んでいるわけでもないのに、なんだかうれしくなります。


前回はなかった売上げランクが5位まで表示されています。1位は、見る人によって順当とも意外ともどちらとも言えそう(偶然、ぼくの大好きな本で、個人的にはガッツポーズ)。ランクはここではあえて紹介しませんので、どんな本が売れているか、気になった方は、ぜひ店頭でたしかめてみてください。


さて、今日はこんな本たちをゲット。


  • 小野正嗣『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日文庫)
  • 川崎賢子編『久生十蘭短篇選』(岩波文庫)



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サンデーとマガジン 創刊と死闘の15年

一気読み、すばらしい本でした。


  • 大野茂『サンデーとマガジン 創刊と死闘の15年』(光文社新書)



ぼくがマンガを読んでいたのは小学校時代のごく短期間。当時は『少年チャンピオン』派でした。『ブラックジャック』『がきデカ』『ドカベン』といった超のつく人気漫画がいくつも連載されていて、少し後には、個人的にもっとも思い出深いマンガ作品の1つ、『マカロニほうれん荘』も加わり、まさに最強のラインナップ。当時のぼくには、週刊コミック誌といえば、イコール『少年チャンピオン』だったのです。その後はご存じの通り、ジャンプが黄金時代への駆け上がっていくことになります。気づいたら、周りの男子はみんなジャンプ派でした。


そんなマンガライフを送っていたもので、個人的にも世代的にも、『マガジン』『サンデー』両誌どちらにもとくに思い入れはありません。しかも、両誌が発売日の繰り上げ合戦をやったこと、直前まで定価を探り合ったことなどは、出版史の知識としてすでに知っていました。それでも、それでも、この本はおもしろく読めたのです。


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ミンガリング・マイクの妄想レコード、そしてレコジャケにまつわる超私的な話

妄想レコード? レコ好きとしては、大変気になる本です。


  • ドリ・ハダー『ミンガリング・マイクの妄想レコードの世界 アウトサイダーソウルアート』 (P-Vine Books、ブルース・インターアクションズ)



ヒプノシスの本をこの空犬通信でたびたび紹介してるぐらいで、レコードのジャケットアート(とその関連本)には目がないのは、みなさまご存じの通り。既存の有名カバー、おしゃれなジャケアートを集めた本はいくつもありますが、この本、その手のレコジャケ本とはまったく違っていまして、いやはや、これはすごいですよ。1冊まるごと、音楽引きこもりの妄想でできあがっている、という本には、このジャンルには常に注視監視をおこたらないわたくし空犬もさすがに初めて出会いました(というか、朝日新聞の書評で出会っただけで、実際にはまだ実物を見てないんですが……)。


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どうなっちゃうの? 新宿の映画館

なんだか映画館閉館の話が続く新宿・歌舞伎町エリア。プラザ、コマ東宝、トーアに続いて、ジョイシネマも閉館なのだそうです。「新宿ジョイシネマ5月末で閉館 昨年末から計6館、歌舞伎町映画街いまや風前のともしび」(5/12 バラエティ・ジャパン)。


同記事によれば、《閉館の背景には、近隣に相次いでできた都市型シネコンの影響がある》のだそうで、《2007年2月に新宿バルト9(9スクリーン)、2008年7月に新宿ピカデリー(10スクリーン)がオープン。新宿ジョイシネマはこの影響をもろに受け、2004~2009年で売り上げが一気に30%ほどにまで落ち込んでいた》のだとか。バルト9はそれほどでもないんですが、ピカデリーのほうは、紀伊國屋書店新宿本店とジュンク堂書店新宿店の近くということもあって、けっこうよく使っています。ということは、今回の件には、わたくし空犬も無縁ではない、ということになるのですね……。


その新宿ジョイシネマでは、閉館前、5/23から「さよならフェスティバル」が開催されるそうです。

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ブンガク愛あふれる超強力フェア!……「対決!共鳴し合う作家たち

昨日、紀伊國屋書店新宿本店で出会ったフェアの紹介を。フェアの選者の1人で知り合いのNくんから、すごいフェアを予定していることは前から聞いていたのですが、いやはや、ここまですごいとは思いませんでした。2F中央催事場にて、ちょっと驚きのフェアが展開中です。その名も、「対決!共鳴し合う作家たち」


対決!共鳴し合う作家たちポスター1対決!共鳴し合う作家たちポスター2

↑ほんとは棚の様子を撮らせてもらいたかったのですが、知り合いに会えなかったので、とりあえずポスターをパチり。デジカメがなかったので、携帯写真でぼけぼけですが……。



どんなフェアかは紹介すべきなんでしょうが、このフェアの充実ぶり、濃密さ、選定されたみなさんの尋常でない気合いとブンガク愛は、中途半端な紹介を許さない感じで、ぼくの愚筆では紹介のしようがありません。とにかく、東京近郊の方は、ぜひフェアの現場を、実際の棚を見てみてください。遠方で新宿に行けない方は、フェアのサイトをご覧ください。


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書店回り、吉っ読飲み会、伊勢丹閉店?

今日は、昼休みに三省堂書店神保町本店、東京堂書店、午後は、丸善御茶ノ水店、新宿で、ジュンク堂書店新宿店、紀伊國屋書店新宿本店、吉祥寺で、リブロ吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店、BOOKSルーエを回遊、営業でもないくせに、なんだかほとんど一日じゅう、書店にいた感じです。今日は担当・知り合いの書店員さんにたくさん会えて、仕事的にも、気分的にも満足だったんですが、さすがにこれだけ回るとへとへとです。ふう。


途中、紀伊國屋書店新宿本店では驚愕のフェアに出会うのですが、その件はまた明日にでもくわしく。


夜は、吉っ読の飲み会でした。

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幻想と怪奇、放送禁止、熊野……今日買った本たち。

会社帰りに吉祥寺へ。ルーエに花本氏を訪ね、恒例のまとめ買い。


  • 仁賀克雄編・訳『新・幻想と怪奇』(ハヤカワ・ミステリ)
  • 天野ミチヒロ『放送禁止映像大全』(文春文庫)
  • 植島啓司・鈴木理策『世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く』(集英社ビジュアル新書)



もちろん単なる偶然ですが、幻想に特撮に熊野(中上)にと、空犬好みのテーマ関連の新刊に、店頭で次から次に出会うことになり、店内をスキップせずにいるのが大変でした。


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祝!ダカフェ日記の続編刊行!、そして三鷹で写真展も

見るたびに、多幸感でうるうるのめろめろになってしまう写真集、『ダカフェ日記』。その続編が出版されましたね。


  • 森友治 『続 ダカフェ日記』(ホーム社/集英社)



サイトから内容紹介を引くとこんな感じ。
《夫婦ふたり、子供ふたりと犬が2ひき。/グラフィックデザイナーでもある父親が、家族のなんでもない日常を楽しくて美しい写真とユーモアあふれる博多弁の文章で綴り、いまや1日7万アクセスを集める大人気写真ブログ『ダカフェ日記』。/07年に書籍化された第1弾写真集『ダカフェ日記』に続く、ファン待望の続編は、07年の始めから08年終わりまでの写真日記から厳選セレクトして1冊にまとめました。/巻末にはヨメの“だぁちゃん”によるオマケ日記も収録。/続編は紺色の布製ハードカバーが目印です。》


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ボクラノエスエフ、手塚短篇、豚を盗む……連休中に読んだ本たち。

GWもあっというまに最終日。今年はずいぶん連続して休めてしまい、文字通りの連休を楽しむことができました。当然、心身ともに激しくなまりまくっておりまして、明日からの職場復帰が大変心配です……。


連休ということで、GWが始まる前に、別に書き出しこそしませんが、脳内のリストがぱんぱんになるぐらいに計画だけは立てたのでした。
たまっている本を片っ端から読もう、とか。
たまっている映画を片っ端から見よう、それこそスターウォーズ6作全部観とかブルース・リー主演作一気観とかしちゃおう、とか。
飲み友の影響で買ったはいいが放置したままのガンプラも作ろう、とか。
本とCDの整理もしよう、とか。
……いやはや、見事になんにも達成できませんでした。


未読本・途中本の山は減らないし、減らないどころか、休みに入る前に本を買っちゃったりしたうえに、それらの本を中途半端に読み出したりしたものですから、未読本も・途中本も増加。
映画はそれなりに観たけど、観る時間を超えて深夜映画を録画したりするものだから、その消化にせいいっぱいで本当に観たい映画を観る時間がないという本末転倒ぶり。スターウォーズもドラゴンも1作止まり。
ガンプラは3箱中1箱で力尽き。
……ああ、我が時間をGW初日に巻き戻ししたいものですよ。




↑数少ない読了本はたち。


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ギター愛にあふれた1冊……ロック・ギタリスト伝説

こんなにギター愛にあふれた方だとは知りませんでした。


  • 萩原健太『ロック・ギタリスト伝説』(アスキー新書)



《’60年代から’80年代にかけて、洋楽とはロックのことだった。ギタリストたちがロックシーンをリードしていた。そんな時代を代表する23人のギタリストをピックアップ。当時の音楽体験をもとに、あの時代を共有してきた同世代に向けて、ギターを弾いていたからこその発見や熱い想いを、音楽評論家としての視点から徹底解説。》というのが本書の内容。


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こどもの日に、こどもに本を贈る

こどもの日、ですね。先日、新聞で、「こどもの日には本を贈ろう」というキャンペーンの広告記事を見かけました。今日の朝日新聞のサンヤツも「ハッピーブックキャンペーン 本で子供とふれあおう」なるコピーが中央にかかげられ、児童書・YAの広告が並んでいましたね。


個人的に、機会を問わず「本を贈る」という行為は大好きなので、こういうキャンペーンはぜひ根付いてくれたらいいなと思います。ただ、どうも本を贈るのを決まり事にしてしまおうというと商業主義的なにおいがしてのれない人が多いのでしょうか、残念ながら、このキャンペーンも、とくに告知のためのサイトなどもないようですし、書店店頭でもポスターなどの告知はあまり見かけないしで、どうも知られていない感じがしますがどうでしょうか。


本を贈る日として広まるといいなあと思っていたサン・ジョルディの日も、このようなことになっているようだしなあ。「「サン・ジョルディの日」 不況で実行委委解散…消滅危機」(4/22産経新聞)。うむむ……。


わが家の場合、しょっちゅう本を買い与えているので、「本を贈る」といってもあまり特別感はないのですが、それでも、好きな本を選んでいいよ、と言われると、やはりうれしそうにしています。図書館で本を選ぶときとはやっぱり違うんですね。親が読んでほしいなあと思うような本はなかなか選んでくれないんですが、そこはよけいな口出しはガマンガマン。こういうときこそ、本当に好きな本を選ばせてあげなければいけません。


というわけで、「こどもの日には本を贈ろう」、本好きの方で、ご自分のお子さんにかぎらず、周りに広義の「子ども」がいる方は、未知の本と出会う機会を作ってあげるのはいかがですか。GWは明日までという方も多いと思いますが、雨の休日に、子連れで書店でのんびり過ごすのもいいものですよ。子どもが、どの本にしようかとあれこれ悩んでいる姿を見ているだけでも、十分に幸せな時間を過ごせますからね。


こんな夜におまえに乗れないなんて

ファン、というわけではなかったけれど、やはり我々の世代にとっては、特別な人でした。「<訃報>忌野清志郎さん58歳=ロック歌手 がん治療続け」(5/2付毎日新聞)。


1枚もレコードを持っていないミュージシャンの死に、自分がこんなにもショックを受けていることに、あらためて驚いています。ぼくらに、ロックとは何かを教えてくれた、そんな人でした。かっこいいオヤジでした。ありがとう、と言いたい気持ちでいっぱいです。ご冥福を心からお祈り申し上げます。