先日の記事でご案内しました、11月に発売予定のさわや書店店長、田口幹人さんの新刊『まちの本屋 知を編み 血を継ぎ 地を耕す』。版元のサイトに書誌情報と東京での刊行記念イベントの案内が出ていますので、あらためてご紹介します。
まずは本のほうから。
四六判並製で240ページ。ポプラ社は本・本屋関連の本をポプラ新書から複数出していますが、今回は単行本なんですね。定価は1,500円(税別)。11/13(金)配本予定とあります。内容については、版元の紹介文を引きます。
【“さわや書店店長田口幹人さんの新刊刊行記念イベントが東京でも開催されます【更新】”の続きを読む】
始まりましたね。今年で56回目となる、まさに「東京名物」の1つ、神田古本まつり。
↑初日(10/23)、昼の様子。場所は、神保町交差点の青空古本市会場。ワゴンの前は熱心な古本者のみなさんでいっぱいです。
昨日の昼休み。ざっと見て回りましたが、さすがに、昼休みだけでは時間が足りず、一冊も買えませんでした。ただ、初日が天気に恵まれたこと、平日ながらたくさんの人で街がにぎわっていたことに、ちょっとほっとしたりもしました。
↑こちらは、古本市が始まる数日前、着々と準備が進んでいる青空古本市会場の様子。
↑こちらは、神田古本まつり初日、朝の様子。まだブルーシートがかかっています。
↑神保町古書店MAP。神保町の書店店頭や案内所で無料配布されていますから、まずはこちらを入手するといいでしょう。
神田古本まつり11/1(日)まで。最後の週末には、神保町ブックフェスティバルも開催されます。天気予報を見ると、途中、火水あたりは少しくずれるようですが、来週の週末まで、晴・くもりの日が多いようです。1度では見切れない規模の一大古本まつりです。ぜひ時間に余裕を持って、複数回お出かけになるといいかと。ぼくも、平日は毎日、昼休みと(早く出られたときは)会社帰りに、あちこちを見て回る予定です。
↑「おさんぽ神保町」No.20は、神保町ブックフェスティバルの特集。
福岡のブックイベント「ブックオカ」。毎回もりだくさんなイベントやすてきなオリジナルブックカバーで、本好きを楽しませてくれていますが、今年でなんと10回目。この10年といえば、不況だ不況だと、そんなことばかり言われてきた10年ですからね。そんななか、10年の長きにわたって、この規模、このクオリティで続けてくることができたというのは本当にすごいことだと思います。関係者のみなさま、10周年、おめでとうございます。
↑「ブックオカ」の冊子(左)。会期中に開催されるイベントの詳細がまとまっているほか、地図も載っていますから、まずはこの冊子を入手するのがいいでしょう。右は「ブックオカ婦人部」発行のペーパー「読婦の共」創刊1号。
「ブックオカ」は毎年特製ブックカバーを作成。錚々たるイラストレーター・絵本作家らが絵を寄せているほか、著名作家の直筆原稿をあしらった年もありました。毎年これを楽しみにしているという人も多いでしょう。
【“今年も気になるイベントが目白押し……福岡のブックイベント「ブックオカ」祝10周年!”の続きを読む】
大阪・京都の書店訪問記他の記事をはさんでしまったので、前回から間が空いてしまいました。書店フリペ紹介記事の続きです。いろいろなお店のフリペを紹介したいので、写真を中心にして、文章は少なめでいきます。
(前回の最後に書いた通り、入手してから時間がたっているもの、最新号が手元にないものなどがあるため、古めの号が混じっている場合があります。また、そのために、現在は発行されていないものや、発行形態が変わっているものがあるかもしれません。紹介の順番にとくに意味はありません。)
書店フリペのことをあちこちで書いたり話したりしているせいか、出版営業の知り合いやイベントに来てくれる方が、ときどき、地方の書店のフリペを届けてくれたりします。↓こちらもイベントでいただいたもの。
↑ジュンク堂書店岡島甲府店発行のフェアペーパー。これは定期刊行紙ではないのかな。「こうふくろう」というキャラがあしらわれています。
↑同じくジュンク堂書店で、こちらはお泊まりイベントで昨年話題を呼んだプレスセンター店発行の「JP」。とても見やすい手描き文字で書かれていて、デザインもいいですね。すごろくが付いている号まであります。
(以下、ちょっと長くなります。)
【“まだまだあります、書店フリペ”の続きを読む】
本屋さんについての文章をあちこちに書き散らしているせいか、本屋さん関連の本や文章について、ぜひ読んでほしい、などと大変にうれしい声がけをいただくことが(ものすごくたまに、ですが)あります。先日も、本屋好きの空犬にぴったりだからということで、こんな本を頂戴しました。
本屋さんを舞台にした、小学生が主人公の小説です。《本屋さんのためにがんばる小学生?―だって本が、好きだから!》というストレートな帯の文句だけで読みたくなりますよね。版元の内容紹介を引きます。
《大地は読書が好きな5年生。子どもの本が充実した「アカシア書店」が大好き。ところが、アルバイトの若林さんが店長と言い争い「売り上げを10%アップできなかったら児童書売り場を減らす」ということに…。大地は智也、真衣、琴音と一緒にポップを作り、「本のリレー」を企画し大奮闘。とうとう人気作家のサイン会をできることに…!? 児童書コーナーを守るためにがんばる大地の、本と本屋さんへの熱い想いにあふれた物語です》。
【“本好き小学生は本屋さんを救えるか?!……『アカシア書店営業中!』”の続きを読む】
12月に、こんな音楽イベントを開催します。
beco reco vol.10
この曲からあの本が生まれた?!
〜編集者が音楽で語る人生〜
日時:12月16日(水)
19:00 OPEN 19:30 START(〜23:00ごろ)
会場:beco cafe(西荻窪)
会費:1000円(ワンドリンク付)
DJ:鈴木茂(アルテスパブリッシング)、島田潤一郎(夏葉社)、空犬太郎(空犬通信・本屋図鑑)
*10/17から予約受付開始となります。
beco recoは、アマチュアDJがセレクトしたアナログレコードやCDで音楽を楽しむイベントです。かつて何度か公開イベントとして開催したのですが、最近は、音楽仲間で楽しむ内輪の会としていましたので、一般のお客様もご参加いただける公開イベントとしては、久しぶりの開催となります。
吉祥寺の出版仲間かつ音楽好きの仲良し3人が、それぞれの人生を決定づけた曲、10曲をセレクト。その後の音楽人生、出版人生に、それらがどんな影響を与えたのかを、音楽をかけながら語ります。
当日紹介するのは、歌謡曲・ロック・ポップスが中心で、ジャズ、クラシックなどはかけません。また、音源はすべてアナログレコード、またはCDの「音盤」で用意。MP3などのデジタル音源は使用しません。ジャケットや帯などのアートワークも含めて、楽しんでいただきたいという思いからです。
【“アルテスと夏葉社の本づくりの原点を「音楽」でさぐる?!……音楽イベントbeco reco、久しぶりの開催です”の続きを読む】
先日の記事で、大阪・谷町六丁目の本屋さん、隆祥館書店の「隆祥館書店 作家と読者の集い 100回突破記念フェア」のことを紹介しました。
フェアの開始は10/15。フェアの開始直前の3連休に、ちょうど大阪に行く用事がありましたので、フェア準備中の様子を見せていただこうと、同店を訪ねてきました。お店の様子を簡単に紹介します。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は10/10の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)
↑お店の入り口脇に、二村さんのお父様がよく店頭に出して座っていたいすが見えます。
フェアは、お店の入り口正面の棚と、入って右側、壁側の棚で展開されるそうです。
↑左が入り口正面の棚で、中と右が店内、右側の棚。フェアの案内が出ていますが、入れ替え作業中のため、棚の中身は、まだフェア仕様にはなっていません。
【“10/15から開始……大阪・隆祥館書店の「作家と読者の集い」が100回突破記念フェア、続報です”の続きを読む】
本屋さん関連の本で、まもなく、こんな本が出ます。
本稿執筆時点では、版元のサイトにもオンライン書店にも書誌情報が出ていないため(後述のイベント開催店のサイトに「のみ」情報が出ているというのもなんだか不思議な話ですが、それはともかく)、くわしい内容を紹介することができないのが残念ですが、書き手が、岩手県盛岡の名店、さわや書店フェザン店の店長、田口幹人さんで、書名が『まちの本屋』となれば、期待するなというのが無理な話。滅茶苦茶楽しみですね。
本書の刊行記念イベントが、大阪で開催されます。
「本屋をあきらめない 〜これからの本屋について語ろう〜」
日程:2015年11月13日(金)
時間:18:30〜20:30(予定)(18:15開場)
会場:ナレッジキャピタルカンファレンスルーム C07
グランフロント大阪北館(タワーC)8F(会場へのアクセスはこちら(pdfファイルです))
参加方法:チケット制・500円
協力:ポプラ社
協賛:苦楽堂
問合せ:紀伊國屋書店グランフロント大阪店 06-7730-8451(10:00〜21:00)
「本屋をあきらめない」、いいタイトルですよね。出演は、田口幹人さん、そして聞き手は紀伊國屋書店グランフロント大阪店長の星真一さん。そう、町本会シンポジウム(詳細はこちら、当日の様子はこちら)に出演くださったお二人です。町本会シンポジウムでは、すばらしいトークを披露してくださったお二人ですが、東京での開催ということで、関西圏の方には参加できなかった方も多いかと思います。あのすばらしい組み合わせが再び。これを聞き逃す手はありませんよね。
イベントの詳細について、紀伊國屋書店の案内ページから引かせていただきます。
【“『まちの本屋 知を編み 血を継ぎ 地を耕す』……11月にさわや書店田口さんの本が出ます【更新】”の続きを読む】
前回の記事の続きです。この連休に見てきた大阪・京都の本屋さんの話です。(写真は10/9〜11の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)
↑リブロ新大阪店。新大阪の本屋さんと言えば、長く、ブックストア談でしたが、リブロもなじんできた感じがしますね。決して抜群とは言えない立地ですが、駅利用客にも存在がしっかり認知されてきたということでしょう、休前日の夕方ということで、お客さんでにぎわっていました。
↑地下鉄・東梅田駅改札近くの、清風堂書店。お店は地下2階で1つ上、地下1階にはコミック売り場も。そちらの名称は「清風堂書店コミック店」だと思っていましたが、看板も公式ツイッター(@seifudoucomic)も「ウメダコミック」となっていますね。これが現在の正式名称なんでしょうか。
↑堂島、ジュンク堂書店大阪本店の近くにある「本おや」さんこと、「本は人生のおやつです!!」。右は、本おやさんで買ってきたカード。書棚が見えますが、書店の店内の様子ではなく、タイトルは「くまの編集者さん」とあります。
【“大阪・京都で書店回り……書店レポートの続きです”の続きを読む】
仕事の用事にひっかけて、大阪・京都へ。いつものように本屋さんを見てきましたよ。(短時間とはいえ、行楽の秋の三連休に京都に行ってきたのに、観光らしいことは一切せず、ひたすら本屋さんを見て回るというのも我ながらどうかと思うんですが……。)
今回のお目当ては、今年になってからオープンした話題の2店、梅田蔦屋書店と丸善京都本店。いずれも、取材でおじゃましたわけではないので、店内撮影はなし、お店の人のヒアリングもなし、ただの感想です。
まずは、梅田蔦屋書店。
↓店内写真の代わりにこちらを。フロアマップ。
エスカレーター、スターバックス、ラウンジがある中央のエリアを丸く囲むように書棚が配列されています。後述する丸善の、書棚が整然と並ぶスタイルとは対極にあるといっていいレイアウトですね。楕円の外側にも、Appleのサービスプロバイダに旅行代理店に貸し会議室にラウンジにと、各種のサービス・ショップが配されています。
【“梅田 蔦屋書店、丸善京都本店……2015年オープンの関西の大型新店2店を見てきましたよ”の続きを読む】
空犬通信ではたびたび取り上げているので、わざわざ宣言するまでもないんですが、本屋さんのフリーペーパーが大好きなんですよ。オンライン書店にはない、リアル書店の楽しみの1つですよね。
先月刊行された書店ムック、『本屋へ行こう!!』(洋泉社)にも、書店のフリーペーパーを紹介する記事「書店員がつくるフリーペーパーがおもしろい!」が掲載されています。
本文執筆と全体のまとめは南陀楼綾繁さんが担当しているのですが、フリペの紹介文は南陀楼さんと空犬とで分担。南陀楼さんは古書店のフリペもセレクトしていますが、わたくし空犬は新刊書店を中心に、おもしろフリペをいくつかセレクトし、紹介文の執筆を担当させてもらいました。当方が取り上げたフリペは、以下の通り。
- 「大盛堂書店2F通信」(大盛堂書店)
- 「本屋でんすけ にゃわら版」(セントポールプラザ書籍店(立教大学・池袋キャンパス内))
- 「ぶんこでいず」(TSUTAYA寝屋川駅前店)
- 「青衣茗荷の文芸通信」(「文芸と文庫通信」)(紀伊國屋書店本町店)
- 「ブックトラック」(吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」)
「大盛堂書店2F通信」、担当は山本さん。『本屋へ行こう!!』ではこんなふうに紹介しました。
《よその書店員のインタビューやアンケート特集を掲載したり、よその書店のフリペを合わせて綴じて発行したりと、新刊書店が作る販促物とは思えない独自企画・記事を連発。手描き文字も折り方綴じ方も(いい意味で)ゆるゆる。いろいろなスタイルが乱立し、そのありようが一様でない新刊書店フリペ群のなかでもひときわ異彩を放ち、編集者・出版営業・作家など、業界人・プロの間でも人気が高い。異色過ぎて、とにかくおもしろい書店フリペ》。
↑48、49号には、朝日出版社の橋本さんが、50、51号には、谷島屋書店浜松本店店長、中土居さんが登場。橋本さんは出版営業について、中土居さんは文芸誌について語っています。
【“やっぱり書店発のフリーペーパーはおもしろいなあ”の続きを読む】
11月のbeco talkは、11/25に開催する回をすでにご案内済みですが、もう1つ、こんなイベントを開催することになりました。
beco talk special
沖縄の出版社の編集者に、沖縄の本の話を聞こう!
(ついでに)沖縄のお酒も一緒に飲もう!
日時:11月7日(土)
OPEN 18:30 START 19:00(〜20:00)
会場:beco cafe(東京・西荻窪)
会費:1000円(ワンドリンク付)
出演:喜納えりか(ボーダーインク)、空犬太郎(空犬通信・本屋図鑑)
*10/7(水)から予約受付開始となります。
沖縄の出版社、ボーダーインクの編集者、喜納えりかさんが11月に上京されます。これはチャンス!ということで、喜納さんに沖縄の出版事情・書店事情をうかがう会を企画しました。
【“沖縄の本の話を、沖縄の出版社の編集者さんに聞こう!……11月のbeco talk、追加開催のご案内”の続きを読む】
この空犬通信でもたびたび取り上げている、大阪の町の本屋さん、隆祥館書店。同店では、作家を招いてのイベントを熱心に手がけているんですが、それがなんと100回(!)を突破したということで、記念のフェアが開催されるそうですよ。
まずは、フェアのもとになった同店のイベント「作家と読者の集い」について、同店のサイトの文章を引きます。《このたび、隆祥館書店の『作家と読者の集い』100回突破を記念し感謝の気持ちを込めて『作家と読者の集い100回突破記念フェア』を、する運びとなりました》。
《2011年の電子書籍到来の折りに、当店のような小さな書店が、何とか生き残って行く手立ては無いものか?と思いあぐね、その年の秋から、みなさまにご協力いただきながら 「作家と読者の集い」 を始めました》。
【“大阪・隆祥館書店の「作家と読者の集い」が100回突破!……記念フェアがまもなく開催されます”の続きを読む】
その作品に出会ったとき、ぼくは大学生で、まさかそれから25年後に、その作品を書いた方とお目にかかることになるとは、それも、作家と編集者としてではなく、演奏者と客としてお会いすることになるとは、思ってもみませんでした。
『文藝』に掲載された文藝賞受賞作は、ぼくより上の世代の方ならすぐにぴんとくる、ベンチャーズサウンドを字面で表したものがタイトルに使われています。文芸誌掲載の作品らしからぬというか、なんというか。まずはそのタイトルに目を引かれました。内容紹介を見ると、高校生がロックバンドを始める話だとあります。ぼくよりも少し上の世代の話ではあるけれど、自身、つい数年前まで似たようなことをしていた高校生で、大学生になってからもアマチュアバンド活動に精を出していた身としては、ロックバンドを結成した高校生の話に興味が引かれないわけはありません。迷わず手にし、一読、ノックアウトされたのでした。1990年のことでした。
以来、長く愛読してきた、ぼくにとっては特別なその作品は『青春デンデケデケデケ』。作者は芦原すなおさん。この作品は、翌年には直木賞を受賞、さらに翌年には映画化もされました。
という話は、どこに書いたわけでもないし、あまり人に話したこともありませんでした。(作品に出会った直後は、周りの友人や本好き・音楽好きにすすめまくっていたんですが、そのうちに直木賞や映画化でブレイクしてしまったので、ぼくが大騒ぎするまでもなくなってしまいましたし、大騒ぎしようにも、今と違って、一大学生の身には、不特定多数の人に作品の魅力をアピールする媒体も術もなかったのでした。)。
先日、ある本のお仕事でご一緒している東京創元社の戸川安宣さんから連絡がありました。芦原すなおさんが、八王子の店でライヴをやっているので一緒に見に行きませんか、というお誘いでした。戸川さんとは、この数年親しくさせていただいていますが、『青春デンデケデケデケ』の話をしたことは一度もありません。ぼくが同作品の愛読者だと知って誘ってくださったわけではない、ということです。ぼくがこの話に飛びついたのは言うまでもありません。
【“リアル『青春デンデケデケデケ』!……芦原すなおさんのライヴを観てきました”の続きを読む】
| ホーム |