西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。第7弾のご案内です。4月は、昨年のbeco talkに登場、大変好評だった「いか文庫」店主さんが、女子書店員仲間と一緒に再登場です。
beco talk vol.7 公開ガールズトーク
女子から見た書店あれこれ
日時:4月26日(金)
OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
出演:粕川ゆき(いか文庫)、日比藍子(往来堂書店)、宮重倫子(July Books/七月書房)
エア書店員、新刊書店員、古書店員の女子3人が、本と書店とその他諸々の話を、あれこれとかわしあう、書店員ガールズトークです。今回、初めての試みなんですが、空犬ではなく、「いか文庫」店主さんが進行役をつとめますので、文字通りの女子会トークになります。
今回のトークイベントは、以下のような三部構成を考えています。
1)書店員になるまで
2)私たちのお店は、こんなお店です
3)これからやってみたい、こんなことたち
第1部では、現職にいたるまでのこれまでを、「本」「書店」をキーワードに語りあっていただきます。3人とも、複数の書店経験者で、現職とは違う業態のお店も経験しています。いろいろなタイプのお店の話や仕事の話が聞けると思いますよ。
第2部では、今のお店と今の仕事・担当について、語り合っていただきます。「エア」「新刊」「古書」と、タイプの異なる3つのお店の違いや共通点がどんなふうに語られるか、これも楽しみですね。
最後は、お店として、または個人としてやってみたいこと、挑戦してみたいこと、を交換しあっていただきます。ひょっとしたら、このトークをきっかけに、「エア」「新刊」「古書」の垣根を越えたコラボが実現したりするかもしれませんね。
予約は、本日、2月28日(木)から、beco cafeにて受付開始です。beco cafeに、電話・メール・ツイッターなどで直接お申し込みください。このトークは、本・書店に関心のある方なら、どなたでも楽しんでいただけるものになると思いますが、できれば、女性の書店関係者の方、女性の書店志望者の方にお集まりいただけるとうれしいです。
イベント終了後は、いつものように、お店の閉店までドリンクタイムとして、出演者とお客さんのみなさんでお酒を飲みながらおしゃべりを楽しめる時間ももうけています。トークの途中には、質疑応答の時間はもうけませんので、ぜひトーク後の時間に出演者に話しかけたり質問したりしてください。
予約方法や、beco talk自体の説明、今年のbeco cafeイベントのラインナップなどにつきましては、こちらの記事をご覧ください。
それでは、4/26(金)、西荻窪beco cafeで、みなさまのお越しをお待ち申し上げております。
【“beco talk第7弾は書店員ガールズトーク、「いか文庫」店主さんが再登場……予約、本日からです”の続きを読む】
本の本、書店本がいくつか出ていて、まとめて紹介したいんですが、ちゃんと読めてなかったり、どころか、まだ入手できてなかったりするものもあったりで、なかなか文章化できません。
そうこうしているうちに、なんだかけっこうなリストになってしまったので、うち、いくつかについては、あらためてちゃんと紹介したいと思いますが、とりあえず、最近目についたものをリストアップ、(自分の備忘録も兼ねて、ぐらいの意味で)ごくごく簡単に紹介だけしておきたいと思います。
『書皮マニアクス』は《書店がレジで配布する書皮(ブックカバー)を収集し紹介しています》という内容のミニコミで、「TOKYO 01」とあるのは、他地域の続刊が予定されているからでしょうか。《本号では東京近郊を中心に収録しました》とあります。
A5判72頁並製モノクロ。1頁に1種1店で、書皮の写真に簡単な説明(コメント)がついています。大店から小さめの店まで、書皮のデザインがおもしろいとか、そういう選者の主観とは関係なく、幅広くカバーされています。ただ、著者の方の住んでいるエリア・得意エリアの関係か、東京といっても地域的にやや偏りがあって、カバー範囲がやや狭い感じですが(たとえば、東京西部、中央線沿線の吉祥寺・BOOKSルーエや、立川・オリオン書房、西国分寺・BOOKS隆文堂などは取り上げられていません)、趣味のレベルとしては非常にしっかりした造りになっていますね。続刊が楽しみです。秋葉原・新宿に店舗のあるCOMIC ZINの新宿店で購入。840円でした。
池上彰さんの本は、本の本・書店本ではありませんが、リアル書店にふれた記述がありました。「リアル書店の棚で勉強できる」という小見出がついた節で、《何かについて勉強したい、知りたいと思ったら、あなたはどうしますか? 私は、まずはターミナルにある大規模書店に足を運び、そのテーマについてどんな本があるのかを見に行きます》といった、書店活用法が出てきます。
本の本がいくつも入っているちくま文庫。ちくま文庫&学芸文庫、先月の新刊には広義の「本の本」が3点も入っていましたね。文庫化自体が奇跡のようなことなので、しかたないことではあるのですが、うちブランショは、2000円をこえていて、もはや単行本レベルの値段です。
『創』2月号、特集は、毎年恒例の「出版社の徹底研究」。「〈座談会〉植田康夫×清田義昭×松田哲夫 ベストセラーと出版界の危機的現実」のほか、講談社、小学館、集英社、新潮社、文藝春秋、マガジンハウス、光文社が取り上げられています。
出版前にも記事でふれたことのある『本の声を聴け』。副題「ブックディレクター幅允孝の仕事」の通り、《病院、美容室、デパート、ブティック。多様な業種から選書の依頼が殺到する日本唯一のブックディレクター。活動のすべてを徹底取材》という1冊です。
『本の雑誌』3月号の巻頭の「今月の1冊」で浜本さんがこの本を取り上げているんですが、それを読むと、本書を購入したはいいけど、なんとなく気が進まず、読んでいなかったこちらのもやもやがなんだったのかが、「なるほどなあ」と腑に落ちました。幅さんの仕事や本書に偏見や先入観をお持ちの方は、ぜひこの書評を先に読むといいと思います。
『名物「本屋さん」をゆく』は、『さいごの色街飛田』のノンフィクション作家による、日刊ゲンダイ連載をまとめたもの。『さいごの色街飛田』の書き手が書店をどんなふうに見ているのか、も興味深いし、「本」や「書店」関連の、「いつもの」書き手でない人による書店本というのも貴重ですからね。セレクトも幅広くて、これはこれでいいのですが、これらのお店を、どのようにセレクトしたのか、まえがきもあとがきなどもないので(*)、そのあたり、著者の方の書店観みたいなのが語られていないのが、ちょっとだけ不満。
(*追記(3/6):ここは、当方の勘違いで、「はしがき」がちゃんとありました(言い訳にもなりませんが、ページの端がくっついていて、扉の後、すぐに目次が開いてしまっていたので、今日まで気づかなかったのです……。ただ、「はしがき」にも、どのように書店を選択したかについての記述はありませんでした。)
『ツール・ド・本屋さん』は、《全国の書店さんを自転車で巡り宣伝用POPを描かせていただく旅に挑戦する》という、なんだかよくわからない行為にチャレンジした(というか、させられた)マンガ家さんの旅レポ漫画。想像していた内容とはちょっと違ったけど(もっと、訪問先の本屋さんのことが描かれているのかと思ったら、意外にそうでもなく、書店さんは一覧だけだったりもする)、回った書店の数にとにかくびっくり。しかも自転車(苦笑)。相当たくさんの「本屋さん本」を読んできたほうだと思うけれど、これは初めて読むタイプの「本屋さん本」だなあ(笑)。もう少し、各店の様子や書店員さんとのやりとりが描かれていると、書店好きとしてはさらに楽しめるんだけどなあ。
【“書皮、本の声、ツール・ド・本屋さん、世界で最も美しい書店……本の本・書店本が目白押しです。”の続きを読む】
(最初のほうで本にふれてますが、後半は、本にも書店にも関係のない話です。)
先週の毎日新聞書評欄に、鳥好きにはうれしい、こんな記事が載っていました。「今週の本棚・この3冊:鳥の声が聞こえる本=三宮麻由子・選」(2/17 毎日新聞)。紹介されていたのは、この3冊。
- 中西悟堂『野鳥と共に』(春秋社)
- 柴田敏隆『カラスの早起き、スズメの寝坊』(新潮選書)
- クレア・キップス『ある小さなスズメの記録』(文藝春秋)
【“鳥の声が聞こえる本、そして、探鳥散歩のこと”の続きを読む】
先日の記事で紹介しましたが、吉祥寺のBOOKSルーエが、リニューアルオープンとなりました。早速駆けつけてきましたよ。
先日の記事に書きました通り、当初の予定では、本日、2/21にリニューアルオープンの予定だったのが、1日早まり、昨日、オープンとなったそうです。S店長、花本くんに会えたので、改装作業のことや、新しいレイアウト、リニューアル初日の出足など、いろいろ話をうかがいながら、お店の様子をたっぷり見せてもらってきました。
まず、お店を外から見た印象ですが、そんなに大きく変わった感じがしなかったので、ちょっとほっとしました。1階2階をぐるっと回ってみましたが、什器自体や、棚の配列などが変わったわけではありませんし、全ジャンルがシャッフルされたわけでもありませんので、ぱっと見た印象は、外観同様、店内のほうも、それほど変わってはいません。
ジャンルの配置はいろいろと変わりましたが、それも、ぐるっと回れば、把握できる範囲のこと。ジャンルによっては、かなり点数が減ったものもあるはずですが、ぎゅっとコンパクトにまとまったレイアウトになっていて、なかには、以前よりも、ジャンルの配置や流れが良くなっているように見えるところもあります。
常連客は、最初こそとまどうことがあるかもしれませんが、この感じであれば、すぐに慣れそうです。
店内の様子、たくさん撮影させてもらってきたんですが、近隣の方、同店の以前からの利用者の方には、ぜひ店頭の様子を実際に見ていただきたいので、以下、写真はあえて少なめにして、ごく簡単に紹介したいと思います。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。店内の棚には、まだ調整作業の途中のものもあります。写真は2/21夕刻の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)
↑左は、お店の外観。思いっきり人物が真ん中にかぶってます(苦笑)。(夕刻のサンロードで、人の流れが途切れることなどあるわけもなく、十数枚、同じカットを撮りましたが、1枚として、人がかぶっていないものはなく、これがいちばんましなカットなんです……。)
地下への階段の入り口部分はドアになっていて、訪問時は、お祝いの花束が飾られていました(写真中)。右は、入り口を入ってすぐ左脇の壁。平台が手前の部分にしかありませんが、その分、レジとの間の通路部分が広くなり、入り口がすっきりした印象になりました。
↑2階へ上がる階段には、3フロアの取り扱いジャンル案内が。旧B1取り扱いジャンルのうち、ミリタリーは1階へ、資格・ビジネス・人文などは2階へ。1階の映画・サブカルは2階へ。くわしくは、まもなく更新されるであろうお店のサイトのフロアガイド(本日、2/21時点ではまだ旧レイアウトのままです)と、何より、実際の店頭でご確認ください。
↑2階に上がって正面の新刊台・フェア台。手前に文庫の新刊が並ぶのはそのままですが、側面には、ビジネス関係が並ぶようになりました。台の奥、「枡野書店」はそのままです。右は、レジあたりから、サンロード側を見た様子。ご覧の通り、店内の様子は、そんなに大きく変わっていないのがおわかりいただけるかと思います。
B1がなくなり、4フロアが3フロアになることで、在庫点数や品ぞろえはどうなるのかと、心配されていた利用者の方、出版関係者も多いかと思いますが、先にも書きました通り、元からこのようなバランスだったと言われても、そんなに違和感がないぐらい、今のサイズにぴったりと収まっている、そんな印象です。そして、(大事なことなので繰り返しておきますが)お店の人たちの工夫の成果でしょう、部分的には、以前よりも見やすくなっているところ、関連ジャンルが近くなって探しやすくなっているところもあります。
コンパクトになって生まれ変わったBOOKSルーエ。ぜひたくさんの本好きの方に、新しい姿を見ていただければと思います。
【“吉祥寺のBOOKSルーエがリニューアルオープン”の続きを読む】
先日、「文化通信」にこんな記事が載っていました。「アルメディア調査、1月の新規書店はゼロに。」(2/15 文化通信)。
有料記事なので、冒頭の一部しか引けませんが、記事にはこんなふうにあります。《アルメディアによると、2013年1月の書店新規出店は0だった。同社の調査史上では初めてのことで、昨年に引き続いて書店の出店が少なくなることを予想させる結果となった。一方で閉店は97店で前同月比115...》。
新刊書店の開店・閉店情報は個人的に収集してリスト化しているのですが、そのリストで、この1月に新規店がないのは気づいていました。ただ、当方のは網羅的なものではないので、こちらの知らない新規店があるだろうぐらいに思っていたのですが、プロの調査でもゼロだったんですね……。
ただ、ゼロに終わったのは1月のみ。2月以降の新規店の情報は複数入ってきています。いつものように、リニューアル・閉店の件と合わせてまとめます。
●オープン
- 2/19 アニメガ新宿マルイワン店(50)
- 2/23 サンミュージック今津店(滋賀県高島市;60)
- 2/28 宮脇書店ゆめタウン益田店(島根県益田市;110)
- 3/ 1 ホームカミングイオン春日部店(埼玉県春日部市;20)
- 3/ 1 メディアライン春日部店(埼玉県春日部市;57)
- 3/ 1 平清書店桜木店(新潟市中央区;70)
- 3/ 1 未来屋書店&フーチュラ???店(千葉市美浜区)
- 3/ 5 mio mioイオンモール春日部店(埼玉県春日部市;55)
- 3/ 7 TSUTAYA山口葵店(山口市;150)
- 3/ 8 宮脇書店ヨーカ堂東久留米店(東京都東久留米市;100)
- 3/ 8 フタバ図書GIGA本通店(広島市中区;300)
- 3/ 9 ゲオ名護びいまた店(沖縄県名護市;72)
- 4/12 谷島屋マークイズ静岡店(静岡市葵区;250)
- 4/18 大垣書店神戸ハーバーランドumie店(兵庫県神戸市;605)
文教堂のアニメガは昨年から新店が続いていますね。今回のお店は、新宿のマルイワンの4階。
サンミュージック今津店は、ブックマート今津店を引き継いでの開店だそうです。居抜きということでしょうか。詳細はわかりません。
埼玉県春日部市のお店が3件もあります。うち、mio mioとヴィレッジヴァンガード運営だというホームカミングはイオンモール春日部内のお店で、それぞれ1階と3階にあります。施設案内によれば、3階には未来屋書店も入っているようです。メディアラインは、イトーヨーカドー春日部店内のお店。
未来屋書店&フーチュラは、3/1にリニューアルオープンするJR海浜幕張駅の「エキナカ」商業施設内にできるお店。関連記事は、こちら。「30店の「エキナカ」に 3月に一部改装開業 海浜幕張駅」(2/15 ちばとぴ)。《書籍・雑貨店「未来屋書店&フーチュラ」...など6店が3月1日に開業。改札外コンコースの西側の商業スペースを含む全面オープンは9月ごろを予定している。総店舗面積は約2200平方メートル。年間売上高約22億円を見込む》とあります。
広島のフタバ図書GIGA本通店は、昨年10月14日に閉店したエディオンコンプマート広島店の跡地に入るのだそうです。関連記事はこちら、「フタバ図書GIGA 本通店 3月8日オープン、エディオンコンプマート跡に」(2/12 広島ニュース 食べタインジャー)。地図で見ると、同チェーンの紙屋町店がすぐ近くにあります。情報をくださった方によれば、本通店はコミック系を除く総合的な品揃えのお店となり、今回のオープンに合わせ、紙屋町店のほうはコミックに特化したお店になるとのことです。
「マークイズ静岡」は《JR東静岡駅北側に建設中の大型商業施設》で、《大型書店などが核テナントになる》とあり、谷島屋書店が入るとあります。「H&Mなど出店へ 、4月12日開業」(2/9 静岡新聞)。地図で見ると、東静岡駅周辺には複数の新刊書店があるようです。駅からすぐの商業施設に250坪クラスのお店ができると、周辺への影響は少なくないでしょう。
大垣書店は、兵庫県初進出だそうです。今回紹介する新規店のなかでもっとも大きく、広さは坪換算で605坪。Ha・Re(ハレ)棟の5階に入るとあります。関連記事はこちら。「京都の大垣書店、神戸進出 ハーバーランドに4月開店」(2/16 神戸新聞)。記事中にはありませんが、上記が正式名称のようです。
記事によれば、《周辺では「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」が開業を控え、ファミリー層の集客が期待できることから、絵本などを充実し児童書の蔵書数を同社店舗では最大の3万5千冊にする》、《児童書を含めた全体の蔵書数は35万冊規模となる。店内にはじゅうたんを敷いて、子どもが靴を脱いでゆったりと本を読めるスペースを設ける。保護者が見守れるように150席のカフェスペースもつくり、小説など話題本約60冊を常設する》と、児童書に力を入れていることが強調されています。
●リニューアル
- 2/20 ジュンク堂書店京都朝日会館店(京都市中京区;250)
- 2/21 BOOKSルーエ(東京・吉祥寺)
- 2/23 ゲオ北広島店(北海道北広島市;70)
- 3/15 丸善後楽園メトロ・エム店(文京区;130)
京都BAL店の閉店と移転については、これまでの記事で何度かふれていますが、移転先での正式名称が決まったということでしょうか。本記事執筆時の2/17時点では、公式サイトにはまだ名称があがっていませんね。
吉祥寺のBOOKSルーエについては、先日の記事でふれた通りです。
北海道のゲオは、2010年に書籍売り場がいったん廃止しになったのが、復活になるのだそうです。取り扱いのなくなった商品、なかでも書籍が復活というのは、めずらしいケースかもしれません。
丸善は、メトロ・エム後楽園内にある、駅ビルのワンフロア店としては立地・サイズともに使い勝手のいいお店ですが、4Fから3Fへ移転してのリニューアルオープンとなるようです。
丸善と言えば、岡山のシンフォニービルB1に入っている、丸善岡山シンフォニービル店がリニューアル中のようです。公式サイトには案内は出ていませんが、ツイッター・Webで見かけた情報によると、什器の入れ替え、フロアレイアウトの変更がされているのでしょうか、「ジュンク堂っぽく変わって」いるという声がありました。改装中の様子の写真をあげている方がいらっしゃいました。こちら。
たしかに、棚の感じはあきらかにジュンク堂スタイルですね。後述の弘栄堂のところでふれますが、岡山を訪問したのは、もう何年も前、丸善とジュンクが同じグループになる前のこと。最近の同店の様子は見ていないのですが、かなり大きな変更のようで、気になります。
●閉店
- 2012/12/中 川久保書店(東中野)
- 2012/12/末 青山書店(千葉県佐倉市)
- 1/31 ブックセンター東村山
- 1/31 弘栄堂書店一番街店(岡山)
- 2/17 あおい書店町田店
- 2/24 あゆみBOOKS東村山店
【“谷島屋書店静岡、弘栄堂書店岡山……新刊書店の開店・閉店いろいろです”の続きを読む】
一昨日2/15は、beco talkでした。第5弾の今回は、「こんな店、知ってる? 「本屋さんか」とミニコミの時代」。
80年代に発行されていた幻の書店ミニコミ『本屋さんか』について、発行人のどむかさんに、当時のリトルマガジン事情や書店の思い出なども含め、いろいろ話をうかがいました。会にご参加くださったみなさん、どむかさん、ありがとうございました。
どむかさんといえば書皮(ブックカバー)マニアとしても有名な方ですから、もちろん、その秘蔵コレクションのなかから、いくつもめずらしいものを披露していただきました。
今回は、書皮の話は、あくまで話題の1つ、メインのテーマではなかったんですが、話をふられると、やはりコレクター魂がさわぐのでしょうか。がぜん、どむかさんのトークのテンションもあがり、とてもここには書けないような、あぶない話まで含めて、次から次に、常人の理解をこえたエピソードが飛び出し、会場の笑い(苦笑? 失笑)を誘っていました。いやはや。ぼくは、そういう傾向がゼロではないとは思いますが、いわゆるコレクターではありません。今回、どむかさんの話を聞いてあらためて、コレクター道には足を踏み入れるまいと、かたく誓ったのでありました(笑)。
書皮の話で、何か変なところに火でもついてしまったんでしょうか、貴重な資料(どむかさんは大変物持ちがよくて、ほぼ30年前のミニコミの版下やら生原稿やらがいろいろ残っていました)を披露してくれたかと思うと、次には、打合せのときにも聞いていなかった、いったいなんのためにそんなものをとっておいたのかよくわからないような資料(たとえば、はじめて買ったワープロ専用機(!)のカタログとか取り扱い説明書とか)を取り出して、スペックの説明(もちろん、誰ひとりついていけない……)を始めるなど、暴走(笑)。
最後は、書店紹介メディアのあり方、今後、展望みたいな、まじめな話でしめようかと思っていたのに、「壁を見たら、本棚で埋めたくなる。カフェの壁にポストカードが貼ってあるなんて、意味がない。ムダである」などと、どむかさんは勝手に全力疾走。「自分が本を思うように買えないのは、出版社が、本の保管場所の問題を解決していないからだ」といった、もはや一般人にはまったくついていくことのできない論理を超越した持論を展開した始めるものだから、主催者権限で、慌ててお開きにしたほどでした(笑)。いやはや。
どむかさんが、(もちろん、ちょっとは思っていたけど)こんなにおもしろい人だとは思いませんでした。お客さんも、おそらく、予想外の事態にとまどわれたことだと思いますが、後で聞いたら、ほぼ全員が、すごくおもしろかったと言ってました(笑)。どむかさん、おそるべしです。
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先日、書店関連テーマのイベントというか勉強会に出演させていただいたので、簡単に報告です。
人文会主催研修会
ソーシャルネットワークを活かした人文書の棚作り
〜情報収集の技術〜
講師:北川毅氏(代官山蔦屋書店)・幸恵子氏(リブロ池袋本店)・空犬
日時:2013年2 月13 日(水)19:00 〜 21:00
場所:岩波セミナールーム(岩波ブックセンター3F)
対象:書店の人文書担当者
最初に、出演3人が1人ずつ、持ち時間20分で発表を行い、その後、空犬が進行役で3人のトーク、最後に質疑応答というかたちで進めました。
この会の紹介記事に書いた通り、ぼくは人文の専門でもなんでもありませんので、門外漢の立場で、つまり、どちらかというとお客さんに近い立場での話になることを断ったうえで、ソーシャル(ぼくの場合は、ツイッターとblog)を使った情報収集と発信、さらに、書店好きから見た人文書と書店の人文棚について、話してきましたよ。素人なりに話したいことはたくさんあったんですが、やはり20分というのは、特定のテーマでしっかり話すにはちょっと時間が短いですね。1つ1つを掘り下げることができず、やや雑ぱくな話になってしまったかもしれません。
リブロ池袋本店の幸さんは、フェアの組み立て方、棚の作り方について、カルトグラフィアのフェアの一覧など、具体例を引きながら、実に詳細な紹介をしてくれました。リブロ池袋の人文棚といえば、日本の書店を代表する人文書売場の1つ。その人文棚が、カルトグラフィアがどんなふうにできているのかを、担当者ご本人の口から聞けるって、よく考えたら、すごいことですよね。さすが、リブロ池袋の人文は違う、としかいいようのない、濃い内容でした。
一方、代官山蔦谷の北川さんからは、同店にとっての人文の位置付けがどうなっているかという、同店がメディアで取り上げられる際の記事などではなかなか知ることのできない話を聞くことができました。フロアのゾーニングなども、ふつうのお店のそれとはまったく違ったコンセプトになっていて、変わった感じに見えるんですが(「人文」のエリアに、「自然科学」や「SF」が同居していたりする)、説明を受けると、なるほどな、と思えてしまうから、不思議です。
同じ「人文書」といっても、同店の「人文」の定義・位置付けはリブロ池袋のそれとはまったく異なるもの。お二人の話を続けて聞くことで、リブロの王道的な人文書の品ぞろえ・棚作りと、代官山蔦谷の新しいコンセプトのなかに位置づけられたそれとの違いがはっきり浮かび上がり、横で聞いていて、大変興味深かったです。
お二人、それぞれのトークを受けての3人でのパート。やはり、人文の話で、出演者にリブロ池袋の方がいらっしゃる以上、「今泉棚」の話を避けては通れないだろうということで、まくらのつもりで、最初に、「今泉棚」の話をふってみました。会場に、「今泉棚」を実際に見たことがあるかどうかなどを聞いてみて、その反応をもとに、棚作りの先行例などを参考にしたかどうか、とか、同店の人文の歴史を現在の棚作りのうえで意識しているか、といった話につなげようと思っていたら、いきなり会場の方から、「そんな古い話はいい!」と怒られてしまいました(苦笑)。別に古い話にこだわるつもりはまったくなく、すぐに「本題」に入るつもりだったんですが……。難しいものですね。
その後は、とくに大きな問題もなく(苦笑)、話を進められたように思うのですが、終わってからちょっと思ったのは、情報発信・収集テーマで、ツイッターに話が偏り過ぎたかな、ということ。あと、今回は、1人20分が3人で1時間強、3人でのトークと質疑応答で45分ほどで、いずれも話が盛り上がったところで時間切れ、という感がなきにしもあらずでした。最初から3人で話してもよかったかなと、そんなことも考えました。
人文会の方が、最後に、書店の現場でがんばっている書店員の方々の手助けになるような情報を提供することが人文会の最も重要な活動だ、という主旨のことを話されました。研修会の主旨を最初にうかがったときにも、そのような説明を受けました。人文書については素人といっていい当方が、このような会で、人前で話すことを図々しくもお引き受けしたのは、ひとえに、そのような会のみなさんの思いに共感と感銘とを覚えたからにほかなりません。自分の話がどこまで、書店員のみなさんの役に立つものなのか、いささか心許ないところはあるのですが、少しでも何かの役に立つようならば、少なくともマイナスでないならば、今後も、このような機会には喜んで協力したいなあと、そんなことを思ったのでした。
話は前後しますが、ぼくに声がかかったぐらいですから、当然、書店の話が期待されているだろうということで、自分のパートでは、時間がなかったので2店だけ、人文書の棚で印象に残ったお店の例を紹介しました。1つは、熊本の長崎書店。商店街にある、それほど大きくはない(100坪)、ふつうの新刊書店で、人文書に力を入れている例として取り上げました。もう1つは、大阪の清風堂書店。こちらも、地下鉄改札からすぐ近く、地下街にある、一見ふつうの新刊書店ながら、人文書、それも特定のジャンル(このお店の場合は教育書)に特化して力を入れている(それでいて、「専門店」にはなっていない)例として取り上げました。この2店は、空犬通信でも紹介していますので、ご興味のある方は、過去記事を検索してみてください。
【“人文会研修会を無事に(?)終えることができました”の続きを読む】
先日の記事、こちらとこちらで、吉祥寺の書店事情に変化があったこと、新たに書籍を扱うお店・売り場ができたことを紹介しました。
今回も、吉祥寺の書店に関わるニュースです。ぼくが地元の書店として、もっとも頻繁に利用している書店であり、愛してやまないお店である、吉祥寺のBOOKSルーエ。同店店内に「店舗改装による一部休業のお知らせ」という案内が貼り出されています。
以下に、掲示の内容を転記します。
店舗改装による一部休業のお知らせ
日ごろより弊社BOOKSルーエを
ご愛顧いただき誠にありがとうございます。
この度、当店は地下を閉店するために下記の日程にて
店舗改装工事を行うことになりました。
誠にご迷惑をお掛け致しますが、
何卒ご理解のほど宜しくお願い致します。
2013年2月17日(日)
BF 閉店 PM 9:30
(他フロアは通常営業)
2013年2月18日(月)〜20日(水)
3Fフロアのみ営業
BF〜2Fは休業となります。
3Fの営業時間
AM9:00〜PM10:30
現在、地上3階、地下1階、計4フロアのお店が、改装後は3フロアになります。地階が閉店となり、地下の取り扱い商品は、1階と2階に分かれて移動となります。3階のコミック・ラノベはそのまま。
売場的には縮小となるわけですが、ルーエは、もともと240坪と、外から見た印象よりも、広いお店です。地階がなくなっても、(正確な数字はわかりませんが)百数十坪の広さですから、商店街の路面店としては、十分なサイズでしょう。
そして、何より。サイズだけの問題ではありません。ルーエには、このお店を支えてきた、ユニークな棚や売場を作ってきた書店員さんたちがいますからね。彼ら彼女らがいるかぎり、たとえ、4フロアが3フロアになったとしても、ルーエはこれまで通り、本好きを刺激してやまない、すてきなお店のままであり続けることだろう、これまでの棚をぎゅっとコンパクトにまとめたすてきな売場になるだろうと、ぼくは、一利用者として、そんなふうに思い、そして期待しているのです。
リニューアルオープンは2/21。お店がどんなふうに変わったかは、もちろん、この空犬通信で詳細に紹介する予定です。同店の利用者のみなさん、そして出入りの出版関係者のみなさん、楽しみにしていてください。
というわけで、(同店のスタッフでも関係者でもなんでもないぼくがいうのでもなんですが)リニューアル後のBOOKSルーエも、引き続き、どうかよろしくお願いします。
【“BOOKSルーエがまもなく改装となります”の続きを読む】
以前に開店・閉店記事で取り上げたお店に関する追記・補足です。
以前の記事では、詳細がわからないとしたブリッサリブレリア(brisa libreria)ですが、このようなサイトがオープンしていました。
《「やさしい風の美容室」brisaと「やさしい風の本屋」brisa libreriaが、『brisa plus(ブリッサプラス)』としてスタート致しました。美容室やスパ、体験・学習の場、本のセレクトショップ…etc、あなたのココロとカラダのキレイ磨きをお手伝いしてまいります。brisa plus が今後お届けする多彩なサービスに是非ご期待ください》(2/9 「ホームページをオープンしました! 」)。
美容室と言えば雑誌、というので、昔から本屋さんの外商先のお得意先ではありましたが、こういうかたちのコラボはめずらしいかもしれませんね。以前、丸善にいらっしゃった、ブックアドバイザー、上村祐子さんが書籍を手がけていると聞きました。
サイトの「books」のページを見ると、店内の様子が写真で見られます。写真を見るかぎりでは、本はけっこうたくさんあるようですね。
サイトには、本について、以下のような案内が出ています。
《1. ココロ・カラダ・魂の調和をテーマにした本を中心に約4000冊の蔵書しております。
2. オープニングの特集は「生命をめぐる物語」ストーリーのある棚を体感してください。
3. 初心者から、上級者まで網羅したヨガの本が充実。テクニックから思想まで、 あなたのヨガライフをサポートする棚です。》
「ヨガの本」というのは、さすがにこちらのカバー範囲外なので、どのような本がどんなふうに並んでいるのか、想像もつきませんが、ユニークな「書店」であるのは間違いないでしょう。40過ぎのおやじがふらりとのぞけるような感じのお店ではないと思いますので、メインターゲットである女性の書店好きの感想を聞いてみたいものです。
もう1つは、新刊書店ではないのですが、残念なお知らせです。以前に、渋谷の書店事情にふれた記事で紹介した、パルコ渋谷に昨年の9月にオープンした「渋谷サブカル書店」。同店のツイッター(@Sabukaru_Shoten)の案内によれば、残念ながら、開店から1周年、どころか半年を待つことなく、閉店が決まってしまったようです。
「お知らせ【渋谷サブカル書店】」には、《2/17(日)を持ちまして、渋谷サブカル書店はPARCOとの契約を終了し、閉店することとなりました。今までご来店くださった皆様、ブログやツイッターを見守ってくださった皆様本当にありがとうございます。17日までは鋭意営業いたしますので、これからも見守ってくださいませ! 今店頭に並んでいる商品は、この機会を逃すと当分手に入らないかもしれません!? どしどしご来店ください》という店長さんのメッセージがあがっています。
紹介記事に書いた通り、店名の通り、サブカルに強く、しかも、「サブカル」の範疇に収まらない古本も置いていて、なかなかおもしろそうな古書店に思えただけに、短期間での閉店は、ほんとに残念です。
紹介するのが遅くなってしまったので、閉店まであと幾日もありませんが、古本好きの渋谷利用者のみなさんは、ぜひ同店にかけつけていただきたいものです。
先日の記事でご案内しました出版・書店関連テーマトークイベントbeco talk第6弾「「100店営業を目指して」 『書店ガール2』はいかに書かれたか」ですが、特別ゲストの出演が決まりました。
beco talk vol.6 刊行記念トーク
「100店営業を目指して」 『書店ガール2』はいかに書かれたか
日時:3月29日(金)
OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
出演:碧野圭(作家)、空犬(吉っ読・空犬通信)
特別ゲスト:高倉美恵(ブックオカ実行委員)
高倉さんは、元書店員で、現在は福岡の地域ブックイベント「ブックオカ」の実行委員をつとめています。また、ライターとしても新聞雑誌などに寄稿しているほか、ラジオにも出演、本の紹介をしています。
そして、何より、書店好きの方、この空犬通信をお読みになっている方には、この本の書き手だと言えば、他の説明は要らないぐらいですね。
この本については、ずいぶん前になりますが、空犬通信でも取り上げていますので、よろしければそのときの記事をどうぞ。
さて、碧野圭さんとも旧知の仲だというその高倉さんですが、今回、『書店ガール2』(PHP文芸文庫)の解説を担当されることになりました。あちこちで文章のお仕事をされているのでちょっと意外ですが、文庫の解説は初めてだそうです。「本と本屋の日々」について知り尽くしているといっていい元リアル書店ガールの高倉さんが、この作品にどんな解説を寄せてくれるのか、これは楽しみですよね。
高倉さんは、福岡在住なのですが、今回、なんとこのイベントのために上京してくださることになりました。トークの内容や構成については、前回の記事に書いたものから大きくは変えませんが、トークの最後に、作者+解説者の対談パートをもうける予定です。また、高倉さんも、イベント終了後は残っていただけるそうなので、短い対談パートではものたりない、という方は、ぜひ残って、おしゃべりを楽しんでいってください。1つの作品の作者と解説者、両方の話を聞ける、貴重な機会になると思いますので。
『書店員タカクラの、本と本屋の日々。 …ときどき育児』をお持ちの方がいらっしゃいましたら、当日会場に持ってきていただければ、高倉さんがイラスト入りのサインをしてくれるかもしれませんよ(って、ご本人に確認せずに勝手に書いてますが、高倉さん、大丈夫ですよね;笑)。
予約は、引き続き、beco cafeのほうで受付中です。
【“beco talk第6弾、『書店ガール2』トークイベントに、特別ゲストの参加が決定しました”の続きを読む】
先日の記事で、新たに書籍の扱いを始めた吉祥寺のお店2軒を紹介しました。うち、ディスクユニオン吉祥寺店が、昨日2/8に、リニューアルオープンとなりましたので、その様子を紹介したいと思います。
↑入り口の様子。以前は、新譜・ライヴ・映画などのポスターがべたべたと貼られた、にぎやかな感じでしたが、それらがすべてなくなり、真っ黒な壁に、リニューアルの告知ポスターだけが並ぶ、シンプルな雰囲気になりました。写真にはありませんが、2階部分の壁に飾られていた、大きなLPジャケットアートもしばらく前になくなっています。
店内の様子は、さすがに撮影できないので、写真なしですが、以前の薄暗い感じ(悪い意味ではなく、あれはあれで、レコード屋さんっぽい雰囲気でした)から一転、明るくて、こぎれいな感じに変身しています。レジの位置が変わり、什器の高さも調整したのか、単に照明の感じなのか、店内の見通しがよくなった感じで、結果として、以前と同じ場所なのに、広く見えます。
↑フロアマップ。
で、書店好き本好きには気になる、ブックユニオンですが、本は予想していたよりも多いなあ、というのが第一印象。改装前から、音楽書、とくに古本の扱いはけっこうあった同店ですが、音楽書以外の新刊の扱いはほとんどありませんでした。今回、ブックユニオンができたことで、書籍・雑誌の扱い幅が一気に広がっています。しかも、場所も入り口を入ってすぐのあたり、レジのほぼ正面と、店内でも一等地的なスペースがあてられています。
店内には音楽書・映画書以外の、一般新刊もたくさん並んでいるほか、ブックカバーやトートなどの「bibliophilic」レーベルの読書グッズも並んでいます。感じとしては、御茶ノ水のディスクユニオン内にあるブックユニオンと、同じく御茶ノ水のJazz TOKYOを合わせたような感じ、と言えば、多少なりとも雰囲気が伝わるでしょうか。
レコード・CDではずいぶんお世話になってきたお店ですし、なんといってもオープン初日です。応援の意味も含め、また、ブックカバーがどうなっているか確かめたいという意図もあり、1冊購入しました。「bookunion 売りたい本」という独自帯がかかった本から選んできました。
↑これが今回の購入本。セレクトにあまり意味はありませんが、『魔利のひとりごと』(ちくま文庫)です。
写真にあるような独自帯がかけられた、お店のいちおし本が、ずらりと平台(階段脇あたり)に平積みで、またその平台の下の棚に差しで並んでいました。帯のデザインは共通ですが、書名とコメントが入った、それぞれの本に合わせたものになっています。意外に、というと失礼ですが、手が込んでいます。
本の品ぞろえや、ディスプレイについては、あまりこまかくチェックしませんでした。本は、先に「予想していたよりも多い」と書きましたが、といっても、それはやはりCDショップ内の、ショップインショップとしては、という話。全体の点数は、一般新刊書店と比較するまでもないものではありますが、いわゆるセレクトショップの品ぞろえとも違う、音楽や映画に重心を置いた、独自の品ぞろえになっていて、ふつうの書店の本の並びに慣れた目で見ると、よく言えば新鮮、意地悪な言い方をするとやや不思議な感じの並びになっています。
ちょうどこの日、『SFが読みたい! 2013年版』が発売になりましたが、国内編の1位に輝いた『屍者の帝国』が、ちゃんと平積みになっていました。ふつうの書店とちょっと違うのは、左右に並んでいる本で、一般新刊書店ではまず見かけないような並び・組み合わせに(少なくともこの日は)なっていました。同店の品ぞろえやディスプレイの雰囲気を伝える例として適当かわかりませんが、近隣の方は、ぜひ店頭の様子を確かめていただきたいものです。
ぼくは、吉祥寺書店員の会などという集まりに関わっているぐらいで、吉祥寺の書店を応援していますから、おそらく、ここで本を買うことは(ここでしか手に入らないような、音楽・映画の古書などをのぞき)あまりないかと思います。ディスクユニオンは大好きなお店だけど、やはり本は「書店」で買いたいのです。
でも、「書店」にとくにこだわりがなく、日常的にCDやレコードを買うために同店に出入りしている音楽好きで、本も好きだ、という方にとっては、音楽ソフトのついで買いのレベルを超えたおもしろい品ぞろえに見えるはずで、便利で魅力的な売場になるかもしれません。同店は個人的によく利用していることもありますので、ブックユニオンが今後どんな売場になっていくか、継続的にチェックしたいと思います。
【“ディスクユニオン吉祥寺店がリニューアルオープン、ブックユニオンもできました”の続きを読む】
本日2/8、紀伊國屋書店で、こんなフェアが始まりました。「発表!!紀伊國屋じんぶん大賞2012──読者と選ぶ人文書ベスト30」(2/8 紀伊國屋書店)。プレスリリースはこちら。「「紀伊國屋じんぶん大賞2012 読者とえらぶ人文書ベスト30」発表、ブックフェア開催」(1/31 紀伊國屋書店)。
《「優れた人文書を宣揚したい」、「読者の皆様とともに魅力的な書店空間をつくりたい」――との思いから立ち上げ、今年で第3回目を迎え》たという「紀伊國屋じんぶん大賞2012」。そのベスト30がずらりと並ぶフェアです。開催店舗は、新宿本店・南店他の計35店舗で、吉祥寺東急店も含まれています。開催店舗のうち、新宿本店・新宿南店では、2/7に先行開始となっていたようです。なお、店舗によりフェアの規模が異なり、展開されるのが、ベスト30・ベスト10・ベスト5の違いがあるようですので、詳細は、上記サイトをご覧ください。
開催店舗のうち、新宿本店では、《「ベスト人文書30」の展示に加え、超豪華ブックフェアを3本立てで開催いたします!》ということで、なんと、「Twitter出版速報四天王」関連のフェアも同時開催していただけることになりました。「出版業界のインフラ達「Twitter出版速報四天王」が選ぶ2012年のお勧め人文書フェア」がそれ。
この他、「2012年は“政治”の年だった!?――書棚の民主主義論」ブックフェアも同時開催、《小冊子収録の仲正昌樹氏×與那覇潤氏対談の書籍を展開》というフェアになっていますので、こちらも合わせてぜひチェックしてみてください。
じんぶん大賞フェアと「Twitter出版速報四天王」フェアについては、四天王の仕掛け人、ハマザキカクさんが、ブログに紹介記事を書いていますから、そちらもお読みください。「紀伊國屋じんぶん大賞2012と一緒に「Twitter出版速報四天王」フェアが開催されています!」(2/8 Cool Ja本 世界で通用する日本本)。
それにしても。人文書には必ずしも強いわけではないぼくのような者が、よりによって人文のメッカの1つ、紀伊國屋書店新宿本店でのフェアに寄せてもらえるとは……。うれしい、というよりは、恐れ多くて、どこかに隠れたい気分です……。ただ、大好きなお店でのフェアに参加させてもらえる貴重な機会であることはまちがいありませんし、もしかしたら、このような機会は最後かもしれませんから、自分の主分野である(と勝手に思っている)メディア論・メディア史寄りの本を中心に、がんばって選書&コメントしてみました。ストレートな人文書ではないものも混じっているかもしれませんが、そういう主旨・趣味で選んだものだと思って、あたたかい目でご覧いただけるとうれしいです。
他の3人の方の選書を見ると、さすがにしっかりしたものが選ばれています。こちらは、コメントが店頭でPOPになることを意識して、字数を控えた、簡単な紹介文句にしたんですが、他のみなさんはけっこう本気で書き込んできたようで、なんか、当方のコメントが、量と熱さで、大変に見劣りするものになってしまいました(涙)。まあ、選書が出そろった時点で、あわてて手を入れるチャンスがなかったわけではないのですが、これも実力のうちということで、そのまま使っていただくことにしました。選書の中身ですが、フェアが終わってから、記事で取り上げたいと思います。
さて、そのフェアの様子、早速訪問し、店頭の様子を取材させてもらってきましたので、簡単に紹介します。
↑こちらが、メインの「紀伊國屋じんぶん大賞2012 読者とえらぶ人文書ベスト30」フェア。3階レジの正面です。
↑その奥の壁面、左側で、「2012年は“政治”の年だった!?――書棚の民主主義論」フェアが。
↑同じ壁面、お隣、右側で、「出版業界のインフラ達「Twitter出版速報四天王」が選ぶ2012年のお勧め人文書フェア」が開催中。中と右は、「Twitter出版速報四天王」代表のハマザキカクさんが作成してくれた渾身の看板。
↑店頭で配布されている無料冊子。仲正昌樹さんと與那覇潤さんの対談は読み応えがありますし、じんぶん大賞のベスト30書に添えられたコメントも、とても勉強になります。フェアを訪問された方は、忘れずにこの冊子を入手してください。
↑フェアからは、これを購入。すでに読んでいる本で、今回のフェアでは、自分の選書の候補本にも考えていた1冊。借りて読んだものだったので、いい機会ということで、買ってしまいました。
↑棚の写真はありませんが、同じフロア、「じんぶんや」の棚では、三浦展さん選のフェアも。30冊、とても興味深いセレクトになっています。
↑同じく棚の写真はありませんが、1つ下の2階では、「ピクベス」と「キノベス」のフェアも開催中。写真はそれぞれ、店頭で配布されている無料冊子。今日にかぎったことではないですが、紀伊國屋書店の新宿本店は、あっちでもこっちでもおもしろいフェアが開催中で、しかも、いずれも冊子やらPOPやらに力が入っていて、楽しいし、勉強になるしで、油断していると、あっというまに時間とお金がなくなってしまいます。
じんぶん大賞と同時開催フェアは3/9(土)まで。
【“紀伊國屋じんぶん大賞2012フェアが始まりました……そして、再び「Twitter出版速報四天王」関連フェアも”の続きを読む】
新刊書店の開店閉店関連は、つい先日まとめたばかりですが、1月末の閉店だけで10件ほどになってしまったので、一度まとめます。以前の記事で紹介済みのものを合わせると、こちらで把握できているだけで、1月の閉店は30件近く……。閉店が多いときは、紹介記事を書いているほうもつらいです……。
◆オープン
- 2/8 ブリッサ・リブレリア(南青山;30)
- 3/16 蔦屋書店仙台泉店(1000)
- 3/21 マルノウチリーディングスタイル(40)
前回の記事で、《どのようなお店なのかまったくわかりません》としたブリッサ・リブレリアについて、出版関係の知り合いが情報を寄せてくれました。オープンは2/8、近くにヨガ教室やカフェがあるそうで、関連の本やそれらのショップの女性客を意識した本を集めたセレクトショップのようです。立地といい、そうしたジャンル傾向といい、女性向けにシフトしたお店のようですね。
蔦屋書店仙台泉店は、総売場面積3000坪の超大型複合店。住所は仙台市泉区大沢、最寄りは泉中央駅ということで、どの辺りなのか非地元民にはわかりませんが、地図で見るかぎり、書店激戦区の1つ、仙台駅周辺からは距離がある感じですね。
サイトに、アルバイト募集の告知が出ています。こちら。《日本最大級の蔦屋書店がOPENします》とあります。《80万冊の本の発注、陳列、販売等のお仕事です。児童書は3万タイトルと圧倒的な品揃えを誇り、幅広い料理書や専門書、洋書等といった大型書店でしか揃えることのできない商品を取り扱い、様々な年齢層のお客様にご利用頂けます》といった説明がされています。
マルノウチリーディングスタイルは、聞き慣れない名称ですが、取次の大阪屋直営のブックカフェだそうで、書籍・雑誌のほかに文具・雑貨の扱いもあるそうです。総売り場面積150坪。同日、丸の内にできる「日本郵便が初めてつくる商業施設」だという「KITTE」の4Fに入ります。KITTEのフロア構成や入店店舗に関する説明は、JPの資料がありますのでそちらをどうぞ(*PDFファイルです)。ちなみに、同じ階には、《京都の雑貨店アンジェによる「書斎」をテーマにしたステ-ショナリーショップ「アンジェ ビュロー」》も入るそうです。
◆リニューアル
商業施設自体の閉館に伴う閉店の知らせで、多くの利用者や出版関係者を心配させていたジュンク堂書店京都BAL店。閉店の件自体はすでに紹介済みですが、移転先などの詳細が発表になっていますので、紹介しておきます。
《2015年のBALリニューアル後には再開する予定でございます。なおそれまでの期間、京都朝日会館(河原町三条上る)3F4Fにて売場を縮小し、理工 人文 看護 社会科学書など専門書を中心の店舗として移転営業することとなりました。新店舗の開店は2月20日を予定しております》。
京都朝日会館は、知らないビルですが、地図で見たところ、京都BALから、河原町通りを北上すること数百メートル、京都ロイヤルホテルの手前にある建物のようですね。こちらのサイトで、外観や地図などが見られます。
ジュンク堂書店難波店福嶋聡さんの連載「本屋とコンピュータ」の第124回で、同店の閉店と移転、移転先の朝日会館がどのようなお店になるのか、河原町界隈の書店事情の移り変わりなどにふれられています。ちなみに、この記事で、京都朝日会館は《かつて駸々堂コミックランドがあった場所》だと知りました。
◆閉店
- 1/25 ダイヤ書房磐田駅店(静岡県磐田市)
- 1/27 エンターキング西大島店(江東区大島)
- 1/31 ブックガーデン廣文館(広島県呉市)
- 1/31 コアブックス池袋店
- 1/31 TSUTAYA館林アクロス店(群馬県館林市)
- 1/31 TSUTAYA安茂里店(長野県長野市)
- 1/31 新板橋書店
- 1/31 ブックセンター春日部店(埼玉県春日部市)
- 1/31 サンライズ六合店(静岡県島田市)
- 1/31 丸本書店(岐阜県岐阜市)
冒頭にも書きましたが、短期間に閉店がこれだけあると、まとめていて、悲しくなりますね……。
ダイヤ書房は、JR磐田駅の北口1階にあったお店。ブックガーデンはそごう呉店の7Fにあったお店で、閉店はそごう呉店自体の閉店によるもののようです。
コアブックスは、《出版社のアンテナショップとしての使命を終え》たために閉店と案内にはあります。《オンラインショップに関しては、コアマガジン専門の通販サイトとしてリニューアルし続行の予定です(2月4日以降、店舗運営はコアマガジン営業部が主体となります)》とのこと。
コアマガジン/コアブックスはアダルト系(成年コミックス)がメインということで、ふだん空犬通信で扱っている一般新刊書店とはちょっとタイプの異なるお店なのですが、出版社の直営書店の例として、紹介しておきます。
新板橋書店は、都営三田線新板橋駅駅前の小さな町の本屋さん。岐阜の丸本書店も小さな町の本屋さんのようです。Webなどにも閉店を惜しむ地元の利用者・本好きの方の声がいくつかあがっていますね。うち、丸本書店はこちらで店舗の外観が見られます。
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