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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

読書日記、藤子F全集……B1st吉祥寺最終日に買った本たち。

会社帰りに吉祥寺へ。吉祥寺ロンロンは改装セール最終日に加え、ポイントの切り替え日とあって、大賑わい。ブックファースト吉祥寺店をのぞいてきました。


ブックファースト吉祥寺最終日

↑先日撮った写真とほとんど同じですが、最終日の姿はやはり記録しておきたくて……。


弘栄堂最終日に訪れたのはついこの前のことなのに……。ビル自体の改装ということもあり、またチェーン自体がなくなるわけではないこともありで、弘栄堂のときのような複雑な思いはないのですが、それでもなんというかさびしいですね。


最終日の買い物はこんな本たち。


  • 桜庭一樹『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』(創元ライブラリ)
  • 藤子・F・不二雄『エスパー魔美 1 藤子・F・不二雄大全集』(小学館)
  • 藤子・F・不二雄『オバケのQ太郎2 藤子・F・不二雄大全集』(小学館)



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風邪も過ぎると本が読めません、そしてロンロン改装

依然、風邪でダウン中の空犬です。昨日ちょっと無理して出社したのがたたったのか、今日はほんとにしんどくて、本を読む元気もありません。こんなのをぱらぱらやってました。




さて、先日紹介した吉祥寺ロンロン改装の件。売りつくしセールもいよいよ明日が最終日。つまり、ブックファースト吉祥寺店も、改装後がどうなるかはともかく、今のかたちでの営業は明日が最後、ということになります。


先の記事にも書いたことですが、1年に満たないわずかの間に、弘栄堂閉店ブックファースト吉祥寺店と2店の閉店の記事を書くことになるとは……。


ブックファースト吉祥寺閉店のおしらせ

↑サイトにも、「吉祥寺店閉店のお知らせ」があがっています。


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風邪の床では本が進みます

この3日ほど、風邪で伏せってます。熱はなくて、新型インフルエンザではないようなんですが、風邪というのはやはりいやなものです。


  • 池内紀他編『恐ろしい話 ちくま文学の森』(筑摩書房)



早く治したいので、おとなしく寝て過ごしたんですが、それほど重症でないこともあり、2日半も伏せってるとさすがに寝疲れます。すると、少し起き出して本を読む。おかげで、読みさしの本が何冊も片付きました。


風邪の床では重い長編はしんどいので、アンソロジーがぴったりです。作家別アンソロジーのお気に入りは、このblogでも何度も取り上げている異色作家短篇集の旧版。テーマ別なら、この「ちくま文学の森」かなあ。「新・ちくま文学の森」も出ていますが、ぼくが好きなのは、最初のほう。というわけで、この1冊をピックアップ。


新旧、東西、有名な作品とマイナーな作品のバランスが絶妙で、どの巻もすばらしいセレクトになっています。何も、風邪で調子が悪いときに、「恐ろしい話」を手にしなくてもよさそうなものですが(「心洗われる話」とか「おかしい話」とかもある)、アイリッシュ、ポー、アポリネール、田中貢太郎、岡本綺堂、サキ、スウィフトなんかがいっぺんに読めちゃうのはやっぱり魅力です。


はずれはなくて粒ぞろいなんですが、とくに、ということであれば、おすすめは志賀直哉の「剃刀」。志賀ってぜんぜん好みの作家じゃないんですが、この1篇はいいです。あと、探偵者には、久作、木々高太郎の収録もうれしいところ。後者はなんと「網膜脈視症」ですよ。



なぜ本は売れないのか

「なぜ本は売れないのか」……まったく、明確な答えがあるのならば、ぜひともうかがってみたいものです。こんな記事が産経に連載されてました。



出版をとりまくいろんな問題がコンパクトにまとまった記事ですね。ただ、悲しいのは、こういう記事を読んでも、「なるほど」という感想しか出てこないことでしょうか……。


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乱歩者大集合……「大乱歩展」、まもなくです

乱歩関連ニュースです。【手帖】10月3日から「大乱歩展」(9/20産経新聞) 。


    「大乱歩展」
    会期:2009年10月3日(土)~ 11月15日(日)
    開館時間:午前9時30分~午後5時
    会場:神奈川近代文学館展示室
    観覧料:一般600円(400円)、20歳未満及び学生300円(200円)

同記事によれば、《原稿や書簡などの資料約600点を展示》で、期間中は、小林信彦さん・紀田順一郎さんらによる講演、寺田農さんによる朗読などのイベントもあるようです。うわー、これ、乱歩者は絶対駆けつけねばなりませんな。


しかし……遠いなあ、神奈川近代文学館(泣)。吉祥寺美術館、いや、せめて世田谷文学館あたりに巡回してきてくれないかなあ……って、ものすごく勝手なこと書いてますが、ちゃんと横浜まで遠征の予定です。はい。


図書館、サイン会、鶴亀……連休中に読んだ本の本たち。

広義の「本の本」を続けて読了。


  • 門井慶喜『お探しの本は』(光文社)
  • 大崎梢『サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ』(東京創元社)
  • 武藤康史『文学鶴亀』(国書刊行会)



主人公は図書館員、舞台は廃館の危機にさらされている公共図書館、内容紹介によれば、「極上の探書ミステリー」だという『お探しの本は』。本にまつわるうんちくや本探しの技術などの話はおもしろくて、謎解き云々とは無関係に楽しく読めたんですが、このテーマで、このようなラストでいいのかなあ、それが気になって、あまり読後感はよくないというのが正直な感想。


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散歩の達人、映画秘宝……連休中に読んだ雑誌たち。

というわけで、連休も最終日。のんびりできたし、映画もたくさん観たし、本もそれなりに読めたしで、個人的には悪くない連休でした。


  • 『散歩の達人』2009年10月号(交通新聞社)
  • 『映画秘宝』2009年11月号(洋泉社)



『散達』は吉祥寺特集。わたくし空犬は、飲食に関してはすごく保守的にできていて、同じ店ばっかり利用するタイプ。なもので、雑誌で中央線沿線の街が特集されると気になって毎回買いはするんですが、雑誌で得られた知識を街歩きのときに活用しているかというと、これがぜんぜんだったりするんですよね。


ちなみに、書店関係では、個性的な古書店として、百年さんかくバサラブックスすうさい堂の4店が紹介されています。あと、新刊書店では、我らがBOOKSルーエの花本氏も登場、意外な本を紹介しています。


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ピラニア、トールマン、テルミン……連休中に観た映画たち。

連休中の映画、第2弾です。


  • 『ピラニア』(監督:ジョー・ダンテ)
  • 『ファンタズムII』(監督:ドン・コスカレリ)
  • 『テルミン』(監督:スティーヴン・M・マーティン)



『ピラニア』、監督ジョー・ダンテ、製作総指揮ロジャー・コーマン、脚本ジョン・セイルズ、特殊メイク、ロブ・ボッティンと、ぼくの趣味からすればこれまで観ていなかったのが不思議なぐらいのメンツなんですが、なんとなく見逃していた1作。


スタッフだけじゃなく、キャストもその筋の人たちが集まっていて、主演のブラッドフォード・ディルマンは『燃える昆虫軍団』『スウォーム』、ヒロインのヘザー・メンジースは『怪奇!吸血人間スネーク』。脇も、ダンテ常連の1人、『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』のK・マッカーシーに、女性科学者役の『血ぬられた墓標』『シーバース』他のバーバラ・スティールと、こうやって名前と作品名を書き連ねてるだけで、なんだかうれしくなってきちゃうようなメンツです。


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デスレース、機械じかけ、ヒッチコック……連休中に観た映画たち。

連休ですね。書店員のみなさんほか、小売り関係の方々には申し訳ないんですが、当方も5連休、のんびり休ませてもらってます。家族で旅行でも、のはずが、諸事情により独りでおうちで過ごすことになり、ビール片手に、映画と本とDS-10にどっぷりの日々を送っている次第。


連休中に楽しんだ映画や本の紹介でも。まずは映画から。


  • 『デス・レース』(監督:ポール・W・S・アンダーソン)
  • 『機械じかけの小児病棟』(監督:ジャウマ・バラゲロ)
  • 『ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?』(監督:ダリオ・アルジェント)



自分が好きな作品がリメイクされると聞き、監督が、ポール・W・S・アンダーソンだと知ったときのがっかり度と言ったら……。主演のジェイソン・ステイサムはいいんだけど、脚本がまるでダメ。収容所内のサーキットを走るだけと、物語のフレームをいきなり小さくしてしまい、しかも、道路のどこかを踏んだら武器が使えますって、それはテレビゲームじゃん。さらに中途半端な復讐物語なんかからめるも、ドラマは盛り上がらず。劇場スルーで正解でした。


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KORG DS-10 PLUS、デモソング「RYDEEN」に感涙……

これ、す、すばらしすぎます。泣きそうです。


  • 『KORG DS-10 PLUS Limited Edition』(AQインタラクティブ)



これは、昨年Amazon.co.jp限定で発売されたKORG DS-10のパワーアップバージョン。通常版とLimited Editionがあって、後者には、「大人の科学マガジン」制作ガイドブックが同梱されています。



↑こちらは通常版。



《「最初の音楽体験はYMOでした。小4か小5のとき。あきらかにサウンドが歌謡曲とは違う。よく覚えているのは、『RYDEEN』の最後の、ドラムが抜けるところ。初めてそれを聞いたとき、あの浮遊感はいったい何だと……。変わった音がたくさん鳴っているし。そこで初めてシンセサイザーという楽器の存在を知ったんです」》


Limited Edition同梱の『大人の科学マガジン』に掲載されている、KORG DS-10の開発プロデューサー、佐野電磁氏のインタビュー冒頭です。これだけで、YMO世代なら、自分と同じようなことを感じた人が何やらおもしろいもの、すごいものを作ったらしい、ことがわかるでしょう。


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印刷所見学はやっぱり楽しいなあ

昨日は、本toちばのイベント「印刷所見学ツアー」に、吉っ読仲間4人と一緒に行ってきました。



日写さん

↑場所がわかるように、と思ったら、妙なアングルの写真になってしまいました……。



今回、印刷所見学を受け入れてくださったのは、東日本印刷株式会社の事業所の1つで千葉県の八千代にあるナイテック印刷株式会社さん。京都に本社がある日写さんは、海外にも事業展開している、とても大きな印刷会社です。


今回参加したのは、吉祥寺組組含め17人。仕事がら、見学や仕事で何度も印刷所を訪れているぼくをのぞく他のみなさんは、印刷所は初めてとのこと。


工場内は、工場の方の説明付きで、案内していただきました。見学させてもらったのは、製版・刷版・印刷の過程。実際に機械が動いたり、オペレーターの方々が作業したりしているのを前に、工場の方が、それぞれの過程について、説明してくれます。


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本toちばイベント「立川談四楼落語会」のご案内

先日紹介した印刷所見学に続いて、本toちばのイベントの紹介です。


    「チバとかけまして・・・」立川談四楼落語会
    日時:2009年9月26日土曜日 18時から20時
    場所:『大黒家』(JR・都営新宿線本八幡駅)
    参加費:4,000円(「荷風セット」+飲み物1品+書籍付き)

内容もサイトから引いちゃいます。《前半は、真打 立川談四楼師匠による落語会。ぞんぶんに落語を味わっていただきます。後半は、大好評「声に出して笑える日本語」(光文社)の第2弾刊行にあわせての抱腹絶倒トークショー。談四楼ワールドにどっぷりと浸かって幸せなお時間を味わってください。》



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ハッブル宇宙望遠鏡

今日は新聞ネタ。うれしいニュースです。「修理成功祝う「チョウ」 ハッブル望遠鏡、科学観測再開」(9/10付朝日新聞)。


ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)と言えば、宇宙本好きには特別な固有名詞ですよね。ぼくのような、むずかしいことはわからないけど、宇宙のことは好き、という典型的な書斎派の宇宙好きが読む宇宙本は、どうしてもビジュアルものが多くなります。本で出会う宇宙の写真で、すごいな、きれいだな、と感じた写真の多くがハッブルによるものだったりするんですよねえ。


ハッブルによって撮影された画像をフィーチャーした本はいくつか出ていますが、最近もこんな本が出たので、早速購入。


  • 野本陽代『カラー版ハッブル望遠鏡 宇宙の謎に挑む』(講談社現代新書)



新書サイズですが、カラー画像満載で、ぱらぱらやるだけでわくわくさせられます。いやはや。それにしても。ハッブルによって撮影された画像の美しさといったら! 初めてじゃないのに、やっぱり感激してしまいます。夜空のずっとずっと向こうにこんなにもカラフルな世界が広がっているなんて、まったく想像を超越しまくってます。ほんと、ため息が出ます。


著者の野本さんは、岩波新書でハッブルものを出している方ですね。いつだったかこの空犬通信でも紹介した『宇宙はきらめく』(岩波ジュニア新書)もこの方でした。平易でわかりやすい文章を書く方で、ウルトラ文系の空犬のような宇宙本読みにはありがたい書き手です。


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恐竜展、観てきました

娘と2人で、こんなものを観てきましたよ。



恐竜2009チケット恐竜2009チラシ

↑右は会場で配布されているもの。裏は「見どころマップ」になってます。



副題にあるとおり、今回は発掘地である4つの砂漠をフィーチャー、4地域に大きく分けた展示になっています。今回の目玉は、首だけで16.9メートル、全長ではなんと35メートルにもなるというマメンキサウルス。そして、皮膚や筋肉といったやわらかい体組織がミイラ化、そのような化石自体めずらしいらしいのに、さらに保存状態もいいという超レアな“ミイラ化石”「ダコタ」(発掘地からつけられた愛称)、の2つでしょう。


マメンキサウルス

↑どこからどう撮っても全体をおさめることができません。すごい迫力です。頭部が、ずーっと奥のほうに写ってます。


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吉祥寺ロンロン改装、そしてブックファーストは?!

買い物の用事で、独りぶらぶらと吉祥寺へ。ちょうど秋祭りで、おみこしが出ていました。


吉祥寺秋祭り1

↑PARCOの前あたりから、北口ロータリーに向かって。遠くて暗くてよくわかりません……。


吉祥寺秋祭り

↑おみこしが通り過ぎるところをパチり。けっこう速い……。ぼけぼけでよくわかりません……。



さて、その吉祥寺の話題といえば、昨年あたりからずっと噂だけは出ていたロンロンの改装の件でしょうか。セール「吉祥寺ロンロン改装売りつくり第1弾」が始まっています。


ロンロン改装セール

ロンロンの改装、とくれば、我々書店者にとっていちばん気になるのは、弘栄堂の跡地に入ってまだ1年にもならないブックファースト吉祥寺店がどうなってしまうのか、ということでしょう。こうなってしまうようです。「吉祥寺店閉店のお知らせ」


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幻想味やや濃いめが好み……『宵山万華鏡』

怪獣の本とか、そんなのばっかり読んでいると思われてるかもしれませんが(いや、まあ、たしかにまったく読んでないわけではないですが、っていうかけっこう読んでたりするのは事実ですが、っていうか、あんたこれから東宝特撮パートワークもそろえるつもりだろうってまさしくそのとおりなんですが、それはよけいなお世話だと思う)、たまにはこういう、本好きのみなさんに人気の、エンタメフィクションも読むのですよ。


  • 森見登美彦『宵山万華鏡』(集英社)



本屋大賞にノミネートされるような、現代のエンタメ系人気小説家のなかで、誰か好きな人をあげろと言われたら、森見さんかなあ。ファンタジーノベル大賞で出てきたときから、その妄想の炸裂ぶりには注目していました。そう、妄想系の人、好きなんですよねえ。妄想。



↑炸裂する妄想。「太陽の塔」好きは手にとらないわけにはいきません。


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晶文社記念展示、そして佐藤正午のエッセイのこと

先日の記事で紹介した晶文社関連の展示、「晶文社50周年記念と植草甚一展」を、昼休みの散歩がてら、ふらりと観てきましたよ。


晶文社50周年

場所は東京都民銀行神田支店三省堂書店神保町本店のある駿河台の交差点からすぐです。


書籍のほうは、既刊本をなんというか無造作に並べてあるだけ、という感じがしないでもないのですが、問題は、ショーケースに納められたJJ関連グッズたち。端正な字で記されたノートブックや生原稿を見ることができます。切り抜きでぱんぱんになったスクラップブックの実物なんて、とってもいい感じ。ああ、これ、中が見たいなあ。開いてみたいなあ。


展示の規模がそれほどでもないので、他地域の人がわざわざ見に来るようなものではないかもしれませんが、神保町近辺に用事のある方で、JJ読者の方はのぞいてみる価値ありでしょう。


それにしても、なぜ銀行の片隅でこんな展示が……。ちょっと入りにくいです(苦笑)。お客さんが出ていくたびに、男性行員の「ありがとうございましたー」の声が響いていたんですが、ぼくが出ていくときはもちろん無音でした(苦笑)。



さて。ぜんぜん関係ない最近の読了本の話でも。この作家、小説はあんまり好みではないんですが(ごめんなさい)、エッセイはけっこう好きなんです。


  • 佐藤正午『象を洗う』(光文社文庫)


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デカルト、お酌ロボ……最近読んだロボット本たち。

これ、どうなんでしょうか……。映画『アトム』。我々ロボット者には手放しでは喜びにくい感じ。なんか、顔違うしなあ……。


ロボットといえば、偶然ですが、ロボットものを、それもずいぶん雰囲気の違うロボットものを最近続けて読みました。


  • 瀬名秀明『デカルトの密室』(新潮文庫)
  • 平山瑞穂『魅機ちゃん』(小学館)



『デカルト』のほうは、意識とは、人間とは、機械とは、といった科学/哲学に踏み込んだマヂメなロボットもの。いろんなテーマやしかけを詰め込んだ意欲作なんでしょうが、ちょっとがんばり過ぎというか、肩に力が入りすぎというか、この内容、この長さはけっこう重かった……。レビューでも、衒学趣味が過ぎるなどと書かれてますが、わかる気がします。


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羆撃ち、アルジェント、高丘親王……今日読んだ本たち。

予定していたお出かけがとりやめになってしまい、こんな本たちをぱらぱらやりながら、終日だらだら、のんびりと過ごしました。


  • 久保俊治『羆撃ち』(小学館)
  • 『季刊TRASH-UP!!』Vol.03(TRASH-UP!!)
  • 澁澤龍彦『高丘親王航海記』(文藝春秋)



『羆』は実際のハンターによる、北海道とアメリカを舞台にしたノンフィクション。ハンティングの場面はもちろん、その後の過程(運んだり、解体したり、食べたり)の描写もリアルで一気に読ませる迫力。日曜日ののんびり読書にはいささかハードなところもありますが、読み応え十分でした。


トラッシュカルチャー・マガジン、『TRASH-UP!!』 の第3号、第1特集がダリオ・アルジェントとあれば、買わないわけにはいきません。 国内版がリリースされていない初期作品『4匹の蝿』のシナリオが掲載されているのは、ファンなら見逃せないところ。映画がらみでは、フランク・ヘネンロッターのインタビューも掲載されてます。


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黒人音楽者感涙必至……映画『キャデラック・レコード』

ちょっと紹介が遅くなってしまいました。音楽映画好き、黒人音楽好きには見逃せない映画です。



キャデラック・レコード1キャデラック・レコード2

アメリカに実在した黒人音楽レーベルチェス・レコードの歴史と、取り巻くミュージシャンたちの姿を描いたもの。ベースは実話ですが、映画的な脚色もそれなりにされています。


レーベルの創設者レナード・チェスはもちろん、実在のミュージシャン、マディ・ウォーターズ、リトル・ウォルター、ウィリー・ディクソン、ハウリン・ウルフ、エタ・ジェイムズ、チャック・ベリーら、ブルース/R&B界のビッグネームが続々登場、それぞれの俳優ががんばったという演奏シーンもけっこうあって、黒人音楽好きにはちょっと涙ものの物語、展開になってます。


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東宝特撮のパートワーク?!

今日は、日中、天気はあまりよくなかったのに、帰り道、夜空にきれいなお月様が出てましたね。それだけで、なんとなくうれしい空犬です。


で、調べてみれば、なるほど、明日が満月なんですね。どうりできれいにまんまるな姿なわけです。バス停からおうちまで、ずっと上を向きながら歩いて帰ってきましたよ。




さて、今日は遠足仲間のEくん、Nくん、Yさんと吉祥寺で飲み。いつものように、本の話、書店の話で大いに盛り上がってきました。ずいぶん年の離れた友人たちなんですが、それでも同じ本の話題をこんなふうに共有できるというのは、ほんと、すてきなことだと思うのです。


その席で、雑誌担当のEくんから聞いたんですが、ディアゴスティーニから、パートワークとして、東宝特撮のシリーズが出るんだとか。サイトを見たら、もう告知されてました。「東宝特撮映画DVDコレクション」


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乱歩映画『陰獣』の続きです

ふたたび乱歩者の空犬です。


  • 『陰獣』(監督:バーベット・シュローダー)

陰獣チラシ表陰獣チラシ裏

原作は、1人2役、変身願望、のぞき趣味、変態性愛(SM)と、乱歩的なキーワードがちりばめられた代表作の1つ。最高傑作とするファンも少なくない作品ですから、今さら説明紹介は不要でしょう。



↑原作はこれらでチェックを。必ずしも先に読んでいる必要はないかも、ですが、未読の方が挑戦するなら、乱歩の自作解説を収録、さらに乱歩による別バージョンのエンディングまで読める、決定版的な光文社文庫版でどうぞ。



この昭和初期に書かれた作品を、今回は、現代のフランスと京都に舞台を移して映画化。こまかい粗はないわけではないですが、全体としては、割にうまく現代劇にまとめているのではないかと思いました。

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今年も乱歩原作映画……おフランス製『陰獣』の出来は?

乱歩者の空犬です。今日はシアターN渋谷でこんな映画を観てきましたよ。


  • 『陰獣』(監督:バーベット・シュローダー)

陰獣チラシ表陰獣チラシ裏

今日はちょっと気力がないので、チラシとか感想とか関連本とかは明日アップします。ちなみに、9/18(金)までの期間限定上映なので、東京近郊にお住まいの乱歩者のみなさんは、渋谷にお急ぎあれ。