書店の開店・閉店関連情報のまとめです。前回のまとめから半月しか経っていませんが、リニューアル案件が10件以上ありますので、いったんまとめます。(店名の後ろのかっこ内の数字は坪数。)
●オープン
- 2/22 とほん(4;奈良県大和郡山市)
- 3/ 1 ザ・リブレット星ヶ丘三越店(65;名古屋市千種区)
- 3/ 8 アニメガ梅田ロフト店(50;大阪市北区)
- 3/27 くまざわ書店大船店(220;神奈川県鎌倉市)
ネーミングがおもしろい奈良の「とほん」、関連記事はこちら。「元書店員の砂川昌広氏、大和郡山(奈良)に書店「とほん」オープンへ」(2/14 新文化)。
《元書店員で、現在本紙のライターとしても活躍する砂川昌広氏が2月22日、奈良・大和郡山市に本と雑貨の店「とほん」をオープンする。レンタルスペース「柳花簾」内の4坪の場所で展開する。近鉄郡山駅から徒歩約10分》。
《屋号には「人とほん」「雑貨とほん」といった意味を込めた。新刊書のほか、リトルプレス、古本などを揃える。また、手ぬぐいなどの和テイストの雑貨や文具も販売。在庫冊数は500〜1000冊》。
店内の様子は、お店のアカウント(@tohontohon)で写真がいくつか紹介されているほか、お店を訪れた人たちの写真や感想がたくさんツイッターにあがっています。それらを丁寧に拾ったゴロウさん(@bookseller56)さんによるまとめ、「本と雑貨の店「とほん」オープン(2014年2月22日@大和郡山)」がありますので、ぜひそちらをご覧ください。お店のやさしい雰囲気や、早くもたくさんの人に愛されている様子などが伝わってきますね。次に関西に行く用事ができたら、ぜひ訪ねてみたいと思います。
東海地方を中心に展開しているザ・リブレット。お店のサイトに開店の告知が出ていました。《2014年3月1日に名古屋市千種区にある三越星ヶ丘店5Fと7Fにザ・リブレット三越星ヶ丘店がOPEN致します。5Fは児童書と雑貨を集めた児童書中心のお店、7Fは雑誌や書籍を集めたお店です》。売り場が、上下に連続したフロアではなく、1階間に入ったかたちなんですね。
文教堂のアニメガは、求人サイトの情報に、《アニメ・コミック専門店「アニメガ」と ホビー専門店「文教堂ホビー」がひとつになってNEW OPEN!》とありました。店名表記も正式には「文教堂ホビー・アニメガ梅田ロフト店」とすべきなのかもしれません。上の坪数は、アニメガのサイズです。大船のくまざわ書店は、求人サイトの情報によると、西友大船店がリニューアルとなり、その6階に入るのだそうです。
このほか、まだ具体的な案件ではありませんが、前回の開店・閉店関連記事で、福岡店のオープンについて紹介した、東京・池袋の天狼院書店。その天狼院書店関連で、こんな記事がありました。「天狼院書店、全国10店舗体制目指す 様々な催しで本の世界体験」(2/25 サンケイビズ)。記事には、《2017年までに全国で10店舗体制を目指す》とあります。日程・場所・規模などの詳細はありませんが、店舗数と期限が明記されていますから、かなり具体的な目標なんでしょうか。気になりますね。
●リニューアル
- 2/22 文教堂大船モール店(230;神奈川県鎌倉市)
- 2/26 文教堂鎌倉台店(40;神奈川県鎌倉市)
- 2/26 伊野尾書店(17;新宿区)
- 3/ 1 いまじん瑠璃光町店(112;名古屋市北区)
- 3/ 7 TSUTAYA南アルプスガーデン店(200;山梨県南アルプス市)
- 3/ 8 ゲオ高山昭和店(100;岐阜県高山市)
- 3/ 8 ゲオ木田余店(148;茨城県土浦市)
- 3/ 8 ゲオ片貝店(60;群馬県前橋市)
- 3/ 8 流水書房町田金森店(22;町田市)
- 3/14 宮脇書店札幌平岡店(250;札幌市清田区)
- 3/20 八文字屋セルバ店(270;仙台市泉区)
文教堂が2件あり、いずれも鎌倉市。うち、大船はコーナン鎌倉大船モール2階にあるお店。2件ともリニューアルの詳細はわかりません。
西武新宿線中井駅そばの伊野尾書店、同店のblogに「休業日のおしらせ」(2/8 伊野尾書店WEBかわら版) という記事が出ています。《2/23(日)〜2/25(火)の3日間、改装工事のために休業いたします》。
いまじんは、情報をくださった方によればTSUTAYA瑠璃光町店からの改称とのことですが、運営形態と屋号の変更のみで、店はそのままなんでしょうか。TSUTAYA南アルプスガーデン店は、ほぼ倍の増床。ゲオ3件のうち、高山昭和店は増床。他2店はファミリ―ブックの店舗を改称・リニューアルしたものだそうです。
八文字屋書店、セルバの5階に入っていたお店ですが、現在は別の場所で仮営業中とのことです。セルバ内の店舗の閉店・仮営業については、サイトに案内が出ています。八文字屋のところを引きます。《1/20(月)〜3/19(水)4階 ABCマート前通路にて仮店舗営業 取扱は、週刊誌等の雑誌販売上位10誌程 定期購読本お渡し、CD・DVDのご予約・お渡し》。改装後は、元の180坪から増床になるようです。
その他については、詳細がよくわかりません。
【“とほん、八文字屋、芳林堂……新刊書店の開店・閉店いろいろです”の続きを読む】
本屋さんの歴史や魅力を紹介する子ども向けシリーズ「本屋さんのすべてがわかる本」(秋田喜代美監修・稲葉茂勝文、ミネルヴァ書房)。以前にも記事で取り上げていますが、この2月に最終巻が刊行され、全4巻がそろいましたので、第3巻、4巻を中心に、ご紹介します。
本屋さんの歴史にスポットをあてたシリーズの第1、2巻では、どのようにして現在の書店ができたのかがわかりやすくまとめられていましたが、第3巻、4巻では、書店の現在(いま)の姿、書店の舞台裏、書店の楽しみ方などが、コンパクトにまとめられています。
『見てみよう! 本屋さんの仕事』は、「本屋さんを探検!」「本屋さんの舞台裏を見せてもらおう!」の2部構成。店内の様子や書店員さんの働く姿の写真が満載で、添えられた解説やコラムもわかりやすく、ふだん買い物客として利用しているだけでは知り得ないような「本屋さんの仕事」を、見渡せる内容になっています。
『もっと知りたい! 本屋さんの秘密』は、「本屋さんで学ぼう」「全国のおもしろ本屋さん発見!」の2部構成。目次には、子どもたちが本屋さんを利用したり楽しんだりするときのヒントになりそうなトピックが並んでいて、店内の様子や書店の魅力・活用法がいろいろな角度から取り上げられています。
【“シリーズ「本屋さんのすべてがわかる本」が完結しました”の続きを読む】
先日、2/20まで開催されていた「リブロ池袋本店 春の古本まつり」に行ってきました。
会場は、いつもと同じく、西武池袋本店別館2階、西武ギャラリー。会場をうろうろしていたら、この古本まつりを担当しているという、リブロのTさんにばったり会った(というか、見つかってしまった(笑))ので、いろいろ話をうかがいました。Tさんによれば、この古本まつり、なかなか好調・好評のようで、売上も上がっているのだそうです。本の売れ方の話というと、必ず売れない、厳しいという形容になるこのご時世に、すごいことですよね。
Tさんによれば、「黒っぽい」本がけっこう売れるのだとか。当然、客単価も高めになっているようです。古本市が好調な理由として、Tさんは、古くからある従来型の古本屋さんと若い方が始めた最近のお店がバランスよく混ざっていて、品ぞろえに幅が出ていることがあるようです。(その点については、この古本市の中心的な存在のお店、古本うさぎ書林さんの采配によるところが大きいようです。)
会場をひと回りして、会場内の棚の様子を見ると、Tさんの話、なるほどなあ、とうなずけます。出店各店の棚に個性があって、続けて見ていてもあきません。それに、黒っぽい、古本らしい古本が多いのも、古本好きにはうれしいところ。もちろん、それなりにいい値段のついたものが多いのですが、いかにも古そうな、それなりの値段がついていそうな見かけの本にも思いがけず安いものがけっこうあったりするので、あちこちから本を引っ張り出して、中身と値段とを確かめるのが、とにかく楽しい。
この古本まつり、デパート古本市の仲間に入れていいと思うんですが、現在、都内のデパートで、この規模の古本市を継続しているのは、この西武のほかには、東急渋谷と新宿京王ぐらいしかありませんからね。前者は、前回から、少し規模が縮小になってしまったのは、以前にツイッターでもふれた通り。あと、銀座松屋もありますが、規模的は小さめですね。
この西武の古本まつり、幸い、好調とのことですから、すぐになくなってしまうようなことはないでしょう。ぜひ今後もがんばって続けてほしいものです。会期終了後の紹介なので、ぜひ見に行ってくださいとは書けないのですが、西武の古本まつりは年に2回開催されていますので、古本好きで見逃していた方がいらっしゃたら、次(いつも通りだとすると、夏)の開催時はぜひ足を運んでみてください。
ここで、今回の収穫を少し。(いろいろ買ってきたんですが、以下は、その一部です。)
【“デパート古本市はやっぱり楽しいなあ”の続きを読む】
西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。4月の回のご案内です。
beco talk vol.16
本屋さんに本を届けます
〜取次社員が語る本屋さんと本の話〜
日時:2014年4月25日(金)
OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
会場:beco cafe(東京・西荻窪)
会費:1000円(1ドリンク付)
出演:古幡瑞穂(日本出版販売)、船田真喜(トーハン)、空犬(本屋図鑑編集部)
*予約受付中です。
売上減・経営難・後継者問題・大型店競合などで苦戦が言われる「町の本屋さん」。本屋さんに本を届ける「本の卸」である取次は、いま本屋さんのために何ができるのか、何をすべきなのか。取次の現役社員が、本屋さんを支え、本屋さんを応援する施策の数々について、具体的に語ります。
出演は、日本を代表する2大取次の社員として、書店と実際に接するお仕事をしてきたお二方。そんなお二人に、取次の仕事とはどのようなものなのか、取次とはどんな会社なのかといった基本的なことから、これまでに取り組んできた書店支援策の数々まで、実例や数字をあげて、具体的に語っていただく予定です。
お二人には、これまで手がけてきた仕事だけではなく、今後、取次の社員として、町の本屋さんをサポートしていくために、やってみたいことや、これから何をしていくべきだと考えているのか、ということも聞いてみたいと思います。
本や本屋さんが好きだという方でも、流通のこととなると、よく知らないわからない、という方も多いでしょう。一般のお客さんはもちろんですが、書店や出版社で働いていても、立場や担当によっては、取次に接する機会が少ない、くわしいことはわからない、という方もいらっしゃるかと思います。つい先日も、地域によっては大雪の影響で、書店に本=商品が届かない、という事態が発生したばかり。本の流通の仕組みがどのようになっているのか、書店にはどのように本が届けられているのかを考えるのに、ちょうどいいタイミングだと言えるかもしれません。
大手取次の現役社員の方、それも大手2社の方が、公式な場ではなく、個人企画のトークイベントに同時に出演して、本の流通や書店支援策についての具体的な話をする、という機会はそんなに多くはないのではないかと思います。本の流通に関する裏側の話が聞けるチャンスです。本と本屋さんに興味のある、たくさんの方に聞きにきていただければと思います。
【“トークイベントbeco talk、4月は2大取次が登場です”の続きを読む】
本来は、町本会のblogで取り上げるべき案件なんですが、関係者が忙しくて、更新頻度のアップが難しい状況が続いているようですので、こちらでご報告&ご紹介しておきます。
先月、1/17にbeco cafeでbeco talkとして開催しました、第1回町本会公開会議。当日の様子が、「東京新聞」2/5付の夕刊で、大きく取り上げられました。記事の見出しは、「豊かな出会いの場が魅力 「町には本屋さんが必要です」都内でトークイベント」。
(紙面の写真の掲載については、東京新聞の方の許可を得ています。)
掲載当日には見ることができず、しばらくしてから、往来堂書店の笈入さんに記事を見せてもらったんですが、想像していたよりもずっと大きな扱いだったので、びっくりしてしまいました。記事の内容も、町本会の趣旨、我々の思い、当日のやりとりを丁寧に拾ってくださったものになっていて、うれしくなりました。
記事は、残念ながらWeb版にはあがっていませんので、簡単には読めないかもしれませんが、図書館など、新聞のバックナンバーにアクセスできる機会がありましたら、ぜひ読んでみていただければと思います。(ご希望の方には、記事のコピーを差し上げます。)
当日の議事録は、町本会のblogにアップされていますので(こちら)、よろしければ、そちらと併せてご覧ください。
町本会(町には本屋さんが必要です会議)の活動は、一部の本好き本屋好きや、業界の関係者だけでなく、広く知られてこそ意味を持つ活動だと思います。一般紙に取り上げられることで、より多くの方が町本会に、そして身近な本屋さんに関心を持ってくださればと、そんなふうに思います。
町本会(町には本屋さんが必要です会議)のイベントが決まりましたので、ご案内します。
「町には本屋さんが必要です会議」vol.3 国立本店
出演:篠田宏昭(増田書店)、笈入健志(往来堂書店)、
碧野圭(作家)、島田潤一郎(夏葉社)
日時:2014年3月15日(土)19:30〜21:00
場所:ギャラリービブリオ(JR国立駅南口徒歩2分/国立市中1-10-38)
人数:30名
参加費:500円(1ドリンク付き)
主催:町には本屋さんが必要です会議
共催:国立本店ほんとまち編集室
協賛:ギャラリービブリオ
予約の方法ですが、町本会のブログによれば、《参加ご希望の方は、お名前、電話番号、参加人数をご記入のうえ、件名を「町には本屋さんが必要です会議」とし、info(アット)kunitachihonten.info までメールでお送りください。先着順で受付いたします》とのことです。
町本会の公開会議、1/17に開催した第1回と、2/28に開催予定の第2回は、西荻窪のブックカフェbeco cafeで、わたくし空犬が企画・主催しているトークイベントbeco talkの1つとして企画したものでしたが、今回は、町本会主催のイベントです。会場も受付方法も、第1回、第2回とは異なりますので、ご注意ください。
本屋さんに関心をお持ちの、たくさんの方にお集まりいただければと思います。よろしくお願いします。
書店の開店・閉店関連情報のまとめです。前回のまとめから半月も経っていませんが、業界の話題になりそうな大型案件を含みますので、いったんまとめます。(店名の後ろのかっこ内の数字は坪数。)
●オープン
- 2/15 アイドルBOOKS(東京・秋葉原)
- 2/22 文教堂アニメガ静岡109店(60;静岡市葵区)
- 3/15 流水書房平塚豊田店(40;神奈川県平塚市)
- 秋 コーチャンフォー若葉台店(東京都稲城市)
- 12/17 福岡天狼院(福岡県)
文教堂アニメガ静岡109店は、SHIZUOKA109の4階に入るお店。文教堂のサイトに案内が上がっています。こちら。
この空犬通信でも何度かふれていますが、閉店が続き、店舗数も数えるほどになってしまった流水書房。くわしい住所や最寄り駅など、詳細がよくわからないのですが、久しぶりの新規出店となります。
東京初進出となるコーチャンフォーの出店は、業界内外で大いに話題を呼びそう。関連記事はこちら。「コーチャンフォー、東京に初出店 今秋オープン」(2/1 北海道新聞)。
記事を引きます。《道内で書籍を中心とした複合店を展開するリラィアブル(釧路)は31日、東京都稲城市に複合大型書店「コーチャンフォー若葉台店」を出店する計画を明らかにした。道外への出店は初めて。大規模小売店舗立地法に基づく出店申請を行い、今秋のオープンを目指す》。
くわしい場所や店舗サイズには言及がありませんが、同チェーンの既存店のサイズから考えて、超のつく大型店になるのは間違いないでしょう。これは気になりますね。詳細がわかりましたら、また記事で取り上げたいと思います。
天狼院については、昨年こちらの記事、「福岡天狼院、つくろうと思います。」(2013/12/17 天狼院通信)を目にしていたんですが、紹介しそびれていました。
《福岡天狼院、つくろうと思います。今からちょうど一年後の2014年12月17日に、福岡で新しい天狼院をオープンしようと思います。この段階で発表したのは、福岡天狼院の出店の目処が立ったからではありません。むしろ、その逆です。東京天狼院の初期在庫の支払いに奔走し、まだ天狼院が安定していない今だからこそ、宣言したいと思いました》とのこと。文中では、場所やサイズなどの詳細はまだあきらかにされていません。
アイドルBOOKSは、新刊書店の開店・閉店を扱う当blogで扱うべきものかどうかちょっと微妙な感じもしますが(苦笑)、「専門書店」とありますし、新刊書店がらみではありますので、ふれておきましょう。関連記事はこちら。「アイドル専門書店「アイドルBOOKS」が秋葉原に開店!」(2/7 日本出版販売)。
記事を引きます。《2月15日、アイドルの専門書店「アイドルBOOKS」が、有隣堂ヨドバシAKIBA店内に開店します。こちらでは、アイドル文化のあたらしい発信地として、アイドルの写真集・グッズ・チェキ・評論書籍など様々なアイドル商品を販売いたします》。
一般新刊書店内にできる期間限定のショップインショップ、なんですね。広さ(規模)についてはふれられていません。《同フロアにあるTOWER RECORDS秋葉原店の協力のもと、アイドルが“店長”として登場し、チェキ会や握手会などを実施する「イベント日」を設ける予定です。店内では、“店長”のアイドルに教えてもらった彼女たちの好きな本を販売します。また、店頭に設置するTransferJet(※)端末より、“店長”が自ら「なぜその本が好きなのか」をアピールしたVTRをダウンロードすることが可能です(Android端末のみ)》。
3/16(日)まで。《アイドルを通じた新しい本との出会いを、どうぞお楽しみください》というこの「お店」、どう考えても当方のようなおやじには無縁そうな感じではありますが、期間中に様子だけでも見に行ってみようと思います。
なお、記事中にある(※)については、以下のような説明がありました。《無線技術を使って高速にダウンロード出来る仕組み。ダウンロードには専用アプリケーションのインストールが必要となります。対応アプリケーションは、ソニー株式会社が開発した配信システムを利用しています》だそうです。
●リニューアル
- 2/ 1 さわや書店仙北店(90;岩手県盛岡市)
- 2/21 TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店(和歌山県和歌山市)
- 2/22 ジュンク堂書店那覇店(1999;沖縄県那覇市)
- 2/25 廣文館サンリブ五日市店(85;広島市佐伯区)
- 3/ 1 有隣堂アトレ目黒店(175;東京・品川区)
- 3/13 夢屋書店アピタ高森店(102;長野県高森町)
- 3/20 宮脇書店新鳥取店(160;鳥取市)
【“コーチャンフォー、さわや書店、有隣堂目黒……新刊書店の開店・閉店いろいろです”の続きを読む】
半月以上たってしまって、今さらな感じの報告になりますが、1/24に、西荻窪のブックカフェbeco cafeで、beco talk vol.13「吉祥寺で本屋をやってみたら ミステリー専門店「TRICK+TRAP」の1400日」を開催しました。
話し手は、ミステリー界ではその名を知らない人はいないであろう、東京創元社の大ベテラン編集者、戸川安宣さん。今回のテーマ、「TRICK+TRAP」の話は、現役の編集者が、数年にわたり、片手間ではなく本格的に関わって専門書店を運営したという、とてもめずらしいケースではないかと思います。
吉祥寺と言えば、中央線沿線でも屈指の書店激戦区。新刊・古書・専門を合わせると、かなりの数の書店が現在もしのぎを削っています。そのような激戦区・吉祥寺に、わずか数年のこととはいえ、比較的最近、非チェーンの独立系新刊書店が存在しえたということだけでも驚きです。その裏側の話がおもしろくないわけがありません。戸川さんのお話は、事前に打ち合わせ他で、いろいろ話をうかがっていた身にも新鮮かつ興味深い内容で、2時間、フルに使っても足りないぐらいでした。
トークには、「TRICK+TRAP」に通っていたという常連のお客さんが何人も来てくださいました。お店が閉店して数年になりますが、同店を利用していた本好きのみなさんの心の中に深く刻みこまれていたんだなあ、ということがわかり、自分が関わっていたわけでもなんでもないのに、いち書店好きとして、とてもうれしくなりました。
トーク終了後の交流会も大変な盛り上がりで、たくさんの方が遅くまで、戸川さんを囲んでにぎやかに話しこんでいました。最後まで残った数人が、ふと気づけば午前2時! 楽しい時間になりました。
今回のbeco talkは、町本会とは別に企画したものなんですが、戸川さんのお話は、今後、町本会で取り上げたいと考えているトピックとも大いに重なるものでした。新刊の専門書店は、一般新刊書店に比べて、さらに厳しく、現在も児童書専門店など、ごくわずかな例外をのぞいて、継続・維持どころか、成立させること自体が難しい状況にあります(その児童書専門店も、たとえば吉祥寺では「おばあちゃんの玉手箱」が、お隣三鷹では「りとる」が、閉店になっています)。
今回の話は、専門書店での話でしたが、一般新刊書店をメインに考えている町本会の今後の活動にも活かしていきたいなあと、そんなふうに思わされました。
【“東京創元社の戸川さんのお話……そして、専門書店の難しさ”の続きを読む】
昨年末に発表された「紀伊國屋書店じんぶん大賞2013」。賞の副題に「読者と選ぶ人文書ベスト30」とあるとおり、読者参加型のアンケート方式+出版関係者・紀伊國屋書店スタッフの推薦による人文書のランキング。本読みの間ではすっかり定着した感がありますから、昔からあったような感じがしてしまいますが、今年で4回目なんですね。大賞受賞作やランキングについては、サイト(プレスリリース)をご覧ください。
その「紀伊國屋書店じんぶん大賞2013」のフェアが紀伊國屋書店、新宿本店、新宿南店他、全国40数店舗で、明日2/10から開催されます。開催店とフェアの内容(店舗により規模が異なります)については、サイト(プレスリリース)に一覧があがっています。ぼくも、初日の2/10に、早速、新宿本店の様子を見に行くつもりです。
ちなみに、じんぶん大賞のフェア、昨年の様子は記事で紹介しています。こちら。今年も、チャンスがあったら、店頭の様子を取材させてもらおうと思いますので、後日、記事で紹介できるかもしれません。
「紀伊國屋書店じんぶん大賞2013」、今回も、読み応えのある立派な冊子が作られています。じんぶん大賞のフェアが開催される店舗で配布されるようですので、人文読みのみなさんは忘れずに店頭で入手してください。
紀伊國屋書店さんのご好意で、フェア開始前に、冊子を送っていただきました。早速拝見すると、フェア冊子には、大賞受賞者、千葉雅也さんの受賞コメント、ベスト30の一覧と推薦者コメントが掲載されています。Webやツイッターでランキングの内容は見知っていても、こうして冊子にまとまると、やはりいいですね。選書コメントに知人の名前がちらほら見えるのもうれしいです。選書コメントを熟読するのは、店頭でのフェアを見てからの楽しみにとっておくつもりですが、人文書の未読のものをチェックしながら、知り合いの推薦者の顔を思い浮かべながら読むのが今から楽しみです。冊子には、『永続敗戦論』(太田出版)の白井聡さんと、『復興文化論 』(青土社)の福嶋亮大さんの対談も掲載されていますよ。
ちなみに、わたくし空犬もアンケートに協力させていただきまして、推薦した本の1つがランク入り、冊子に推薦コメントを載せていただきました。何を推薦したかは、店頭のフェアと冊子とでご覧いただければと思います。
じんぶん大賞関連では、こんなイベントも予定されています。
【“「紀伊國屋書店じんぶん大賞2013」のフェアが始まります”の続きを読む】
お気に入りの「本の本」「本屋本」を紹介します。
親本(イースト・プレスから2007年に刊)は大好きな1冊で、これまでに何度読み返したかわかりません。吉祥寺書店員の会「吉っ読」がコミックをテーマに合同フェアをしたときに、選んだこともあります。表紙も違い、サイズも大きい(A5判)親本は大事にしていますが、付録目当てで、今回の文庫判も買ってしまいました。「本の本」をたくさん文庫にしてきたちくま文庫入りというのが、ファンにはこれまたうれしいところです。
買ってきた当日、まずは文庫化にあたって加筆された付録部分だけを読んでおこうかな、と手にしました。そしたら、おもしろくて、結局全部通しで再読することに。まあ、そうなりますよね。それが「愛読書」というものですからね。
書名、とくに副題を見ればあきらかですが、一応、どんな内容かについて、版元の内容紹介を引いておきます。《18歳のうら若きグレちゃんが選んだバイト先は大阪の古本屋、ブンブン堂(仮名)。店長をはじめ古本をこよなく愛する、熱気と個性あふれる業界の人たちとのちょっと風変わりで痛快な交流を、実体験をもとに描いたコミック・エッセイ。古本愛好者ならにやりとするオタクネタも満載。文庫化にあたり、情報を最新のものにあらためた。巻末にお楽しみ付録付き》。
ちなみに、お店は、大阪にあった加藤京文堂。ぼくも通っていたお店で、今なおなつかしく思い出すお店の1つです。探偵や幻想に強いお店で、ここでいったいどれだけの本を買ったことか。今でも、店内の様子(店頭と帳場にガラスケースがあって、そこには探偵や幻想の稀覯本・高額本が並んでいて、店の奥の壁には、文芸の初版本がずらり)をあざやかに思い出すことができます。
【“古本屋さんが舞台のコミックエッセイ『ブンブン堂のグレちゃん』”の続きを読む】
往来堂書店の名物フェア「D坂文庫2014冬」が、本日、2/7から始まりました。で、昼休みを利用して、早速見てきましたよ。
↑店頭の様子。場所はいつもと同じ、お店の入口、入ってすぐの正面、フェアコーナーです。
こうして、フェアの帯(デザインは共通ですが、それぞれに選書コメントが入った、タイトルごとに独自のもの)がかかった本がずらりと並ぶと、やはり壮観ですね。これは、写真やWebで済ませずに、ぜひ店頭の様子を実際に見ていただきたいです。
D坂文庫と言えば、選書もバラエティに富んでいて、発見があって楽しいんですが、ポスターやブックカバー、冊子といったグッズ類が充実していることでも知られています。イラストは、今回もミロコマチコさん。帯や冊子のデザインは往来堂書店の日比さん。今回にかぎったことではありませんが、大変に手間ひまのかかった、手作りの良さにあふれた、すてきなものになっています。毎回、開始日のぎりぎりまで作業しているそうなんですが、これらのグッズを手がけた日比さんに今日会ったときに話を聞いたら、前日の夜まで作業していたとかで、今日は腕が痛いと笑ってました。
↑フェアの全タイトルと選者のコメントが掲載されている小冊子。店頭を眺めた後で、この冊子を読むと、「あの本はこの方が選んでいたのか」などといろいろ発見があって、楽しいです。
なお、冊子は、往来堂書店のサイトからPDFをダウンロードできますが(こちら)、お店に行ける方は、ぜひ店頭で入手してください。
↑こちらが、今回のブックカバー。「2014冬」と入っているのが、ご覧いただけるかと思います。つまり、このフェアだけのために作られたものです。前回もそうでしたが、毎年恒例のフェアに共通のブックカバーを作るならともかく、ふた月ほどのフェアのために、毎回独自のカバーまで作ってしまう、というのはすごいことですよね。手間も費用も大変だし、枚数だって読みづらい。余っても流用がきかない。なかなかできることではないと思います。
ふだんはブックカバーは断るんですが、「D坂文庫」のときだけはかけてもらっています。いただいたカバーは、「D坂文庫」を見にいけなかった方のために、beco cafeでの書店関連トークイベントで配布するつもりです。
↑葉書サイズのチラシ。同じ柄で、グリーンと赤の2種類あります。これがまたすてきな出来なので、店内に置いておくだけではもったいないからと、少しいただいてきました。お店をやってらっしゃる方で、置いてもいいよ、置きたい、という方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。西荻窪のbeco cafeにも置いてもらおうと思っています。
【“往来堂書店の名物フェア「D坂文庫2014冬」が始まりました”の続きを読む】
コミックのシュリンク機を手がけるダイワハイテックス発行の書店情報誌「ダイワレター」。書店情報が充実しているフリーペーパーということで、これまでにも、何度か紹介したことがあります。最新号の40号で、吉祥寺書店員の会「吉っ読」が紹介されました。
第1特集は「今年も頑張る書店員さんの会2014年」。「吉っ読」のほかに取り上げられている書店員の会は、関西&中国エリアの「本真会」、東海エリア(名古屋)の「NSK」、京都&滋賀エリアの「コミックケイジ課」、静岡エリアの「静岡書店員大賞実行委員会」、千葉&東京エリアの「酒飲み書店員の会」。それぞれ、会の簡単な説明に、参加メンバー、今年の目標、写真が添えられています。こうして見ると、書店員さんの集まりって、全国あちこちにあるんですね。
第2特集や記事で取り上げられている書店は、本のがんこ堂唐崎店、CHIENOWA BOOK STORE朝霞店、メトロ書店本店、啓林堂書店。
「ダイワレター」は、ダイワハイッテクスのサイトからPDFをダウンロードできます。バックナンバーもアップされていますので、初めての方は、過去の号もぜひのぞいてみてください。
書店関連のフリーペーパーということでは、最近、こんなのも入手しました。
「座・高円寺」は、杉並区立の劇場「座・高円寺」の広報紙。劇場(座・高円寺)と高円寺駅で配布されているのだそうです。この10号の特集は「本を探しに行きたい町」。版元のリイド社が高円寺にあるからでしょうか(特集の本文にも登場します)、表紙はゴルゴ13。
特集の内容ですが、これが、商業誌の小特集と言われても通用しそうなぐらいの分量と内容になっていて、とても無料紙とは思えない充実ぶり。高円寺の古書展・古書店、新刊書店、図書館、出版社などが紹介され、写真(多くがカラー)も読むところもたくさんあります。全20ページの半分以上が特集にあてられていて、分量もたっぷり。読み応えがあります。高円寺のブックスポット巡りには必携といっていいでしょう。
この10号、発行されたのは昨年秋で、高円寺はたまに途中下車しているのに、最近まで気づかなかったため、紹介がいまごろになってしまいました。ちなみに、この号のことを教えてくださったのは、先日、イベントでご一緒した東京創元社の戸川安宣さん。(当方の書店フリペ好きを知る戸川さんは、お会いするときによく、あちこちで見かけた書店フリペをおみやげに持ってきてくださるのです。)
「座・高円寺」はサイトがありますが、そちらにはこのフリーペーパー(サイトでは「フリーマガジン」と表記されていますが、造りは新聞のような感じです)については、ごく簡単な案内があるだけで、PDFのダウンロードなどはできないようですから、興味のある方は、ぜひ高円寺で実物を手に入れてください。
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