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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

「日本の古本屋メールマガジン」に、『本屋図鑑』についての文章を寄せました

ブログとツイッターをお休みしている間に配信されたものですので、今さらな感じの報告になりますが、「日本の古本屋メールマガジン」に『本屋図鑑』関連の文章を寄稿させていただきました。



まとめの記事にも書きましたが、「日本の古本屋メールマガジン」の「自著を語る」コーナーと言えば、名だたる「本の本」「本屋さんの本」の書き手が登場する名物コーナー。『本屋図鑑』は単著ではないので、そのようなところに当方が寄稿するのはなんだか図々しい気がしないでもないですが、もうこんな機会もなかろうということで、駄文を寄せさせていただいた次第です。


記憶にある最初の本屋さんのことや、「図鑑」への思いなどについて、(このブログでいつも垂れ流しているようなだらだら書きは少し抑えて)書きました。へたくそな文章ですが、お読みいただけるとうれしいです。


ちなみに、この号の「自著を語る」は、同時期に出た本屋さん本3点が仲良く同時掲載されています。残りの2点はもちろん、宇田智子さんの『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』と、朴順梨さんの『離島の本屋』(文章のタイトルは「離島の本屋には、いったい何がある?」)です。いずれも、本と同様、すてきな文章ですので、ぜひ合わせてお読みください。


「日本の古本屋メールマガジン」のバックナンバーには、本や書店関連の本に関心のある方なら興味を引かれること必至の書名・著者名がずらりですから、メルマガをふだん読んでいない方は、ぜひそちらにアクセスして読んでいただきたいのですが、念のため、ということで、メルマガに書いた文章をこの記事にも引用しておきます。(でも、ぜひ「日本の古本屋メールマガジン」のほうで読んでみてくださいね。)


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また始めます

半月ほどブログの更新やツイッターをお休み、夏休みもとることができて、それなりに元気を取り戻した空犬です。


9月から、また以前のように、書店の話題を中心にブログを更新していきたいと思います。書評やイベントなど『本屋図鑑』関連情報の更新も再開します。(早速ですが、まとめのその1その2を更新しました。)


ツイッターも再開します。平日の朝の日課にしていた、出版・書店関連の業界情報の連投ツイートも、復活させようかと思っています。朝の連投をやめている間にフォローしてくださった方は、毎朝大量のツイートが流れてきてびっくりされるかもしれませんので、不要だという方はどうぞはずしていただければと思います。


書評・連載・ラジオ・イベント……『本屋図鑑』関連のいろいろをまとめました その1【更新】

書評・連載・ラジオ・イベントなど、『本屋図鑑』関連の諸々を、日付順にまとめます。(*8/31時点での情報です。)



《全国の本屋を訪ね歩く男――たった一人の出版社「夏葉社」代表の島田潤一郎さん。その島田さんが『本屋図鑑』という本を出す。「今のうちに、どうしても見ておきたい」町の本屋で話を聴き、その店の書棚をじっと見つめてつくられた本。この連載は、そこからこぼれたり溢れたりした話を拾っていく》という連載。ツイッターで告知されて以来、大変な反響で、いまさらこんなところでわざわざ紹介する必要もないほど、すごい数のリツイートがされていますね。


島田さんの人柄と書店愛が文章のあちこちから感じられる、とてもすてきな文章です。『本屋図鑑』の読者の方はもちろんですが、どんな本なのかわからずにいる、買おうかどうしようか迷っている、そういうみなさんにもぜひ読んでいただきたい文章です。


  • 7/15(発売)「島田潤一郎『本屋図鑑』東北の旅」(『BOOK5』VOL.8、トマソン社)

以前にも空犬通信で紹介したことのある『BOOK5』。Vol.8の特集は「日記 その新世界」で、島田さんの文章は、特集内の記事の1つのようです。



ツイッター上の『本屋図鑑』関連ツイートのまとめ。『本屋図鑑』のできるまでの様子が、よくわかるまとめになっています。それにしても、発売日当日に、こんなすてきなまとめを作っていただけるとは……。本当にありがたいことです。


こちらが気づいていなかったもの、見落としていたものなども含め、膨大なツイートを丹念に丁寧に拾ってまとめてくださったのは、ゴロウさん(@bookseller56)。ありがとうございます。作り手にとって、とても貴重な記録になりました。


なお、このテーマですので、当事者空犬のツイートは数が多いうえに、繰り返しや似た内容のものも多く、しかも、宣伝が多いので、うるさく感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、どうかご勘弁ください。その後、発売後の反響が別にまとめられました。



本書にも登場する往来堂書店が紹介ページを作ってくれました。店長の笈入さんは、《昔ながらの本屋さんのどこがこんなに私を惹きつけるのか。同じような気持ちの方はどのくらい他にもいるのか。現代において、それに答えるべく、新しい店を形づくることは可能か?私にとっては、それを考えるきっかけになる一冊です》と書いてくれました。



ミシマガジンに島田さんのインタビューが掲載されました。《9冊目となる今月発売の新刊『本屋図鑑』は、前回のインタビュー時にすでに構想を語られていたもの。本屋さんの本であるからには、あらためてお話をうかがわないわけにはいかない! まだ見本ができあがる前の、脱稿ホヤホヤの島田さんに、突撃インタビューをさせていただきました》。



ラジオ番組の電話インタビューで、『本屋図鑑』が紹介されたのだそうです。放送後のことがサイトに写真入りであがっています。《夏葉社の社長・島田潤一郎さんとイラストレーターの得地直美さんにお越しいただきました。夏葉社から今月19日に発売になった「本屋図鑑」。日本全国の「町の本屋さん」を紹介する本で、島田さんが全国47都道府県の本屋さんを一軒一軒回って取材し、得地さんのイラストで紹介しています。田舎の山間の、周囲に何もない本屋さんでも、島田さんたちが取材をしているとお客さんが良く訪れるんだそうです。得地さんのイラストも、本屋さんの外観や本棚の様子を丁寧に細かく描写していて、本屋さんごとに個性があってとても興味深い内容になっています》。



『本屋図鑑』にも登場する京都の書店、三月書房の店主さんのブログ。《うちの店にもその島田氏が取材に来られて、【歌集棚】や吉本本の棚を紹介していただきました。写真をたくさん撮しておられましたが、この本では写真ではなくてすべて得地直美氏による鉛筆画に描き直されています。それが、まことにていねいな仕事で、書名も著者名もすべてでみごとに再現されています》。



『本屋図鑑』にも登場する神戸の書店、海文堂書店の平野さんのブログ。《各店の紹介文を読み、イラストを見ていると、目と鼻に温かいモノが滲んでくる。“本屋愛”が伝わってくる》。


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しばらくお休みします

6月にブックンロールを、7月に『本屋図鑑』を終えて、やや燃え尽き気味の空犬です。


しばらくの間、具体的には、8月末まで、ツイッターとブログの更新をお休みすることにします。この間は、ツイッターやブログへの新規投稿はもちろん、いただいたリブやコメント、メールへの返信もできませんので、どうぞご了承ください。情報を集めてはせっせと更新してきた『本屋図鑑』関連情報のアップデートもお休みします。


9月から、また通常通りのペースに復活の予定です。9月からは、やめてしまっていた、平日朝の業界情報ツイートも、もしかしたら復活するかもしれません。それでは、また9月に。よろしくお願いします。


男の子が観たいもの、ぎゅうぎゅう詰め……『パシフィック・リム』、最高です!

怪獣もロボットも大好きな空犬です。


というわけで、映画『パシフィック・リム』、観てきました。


パシフィック・リム パンフ
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小学生向け新シリーズ「入門百科+」に期待

発売前から楽しみにしていた「入門百科+」(小学館)のシリーズ。早速こちらの巻を購入。これ、おもしろいなあ。



内容の一部、目次などが見られるページもあります。こちら


「入門百科」シリーズ、昭和に小学生をやってた世代には大変なつかしいシリーズですよね。旧シリーズには「まんが家」ではなく、『まんが入門』がありました。そちらは、表紙と監修が赤塚不二夫さんでした。


『怪獣図解入門』『ウルトラ怪獣入門』などの怪獣もの、『妖怪なんでも入門』などのオカルト・不思議もの、『野球入門』『プロレス入門』などスポーツもの、『つり入門』『マジック入門』『切手入門』などの趣味もの……大好きだったタイトルがいくつも思い浮かびます。昭和の小学生が興味を持っていた/持ちそうなテーマを、ほぼすべて網羅していたのではないか、そんなふうに思わせるほどに、幅広いラインナップでした。復刊されたのを買い直した『怪獣図解入門』以外、手元に1冊も残っていないのが、大変残念です。

昭和の小学生が夢中になったシリーズといえば、ほかにもいろいろありますね。『ツタンカーメン王のひみつ』などを含む「少年少女講談社文庫」(全リストを公開しているサイトがありました。こちら。「少年少女講談社文庫【ふくろうの本】全リスト」、学研の「ひみつシリーズ」(ラインナップについては、Wikiのこちらを)、同じく学研の「ジュニアチャンピオンコースシリーズ」(ラインナップは、Wikiのこちらを)、秋田書店の「写真で見る太平洋戦争」などの戦記もの。朝日ソノラマもこの手のものが大得意でした。


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書店のイベントっておもしろい……beco talk第10弾は書店イベントがテーマです

西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。第10弾のご案内です。


    beco talk vol.10
    本屋でイベント、やってます。
    〜担当者が語る書店イベントのあれこれ〜

    日時:10月25日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    会場:beco cafe(東京・西荻窪)
    会費:1000円(ワンドリンク付)
    出演:神矢真由美(紀伊國屋書店新宿南店)、空犬(吉っ読)

現在、書店界でもっとも熱心にイベントを仕掛けている書店員のお一人、SUPERワクワク担当の神矢真由美さんが、新刊書店のイベントの魅力とはなんなのか、企画・運営のノウハウは、イベントの裏話は、などなど、書店イベントのすべてを語ります。


書店でイベントをしてみたいという出版関係の方、自店でのイベント企画の参考にしたいという書店関係の方はもちろん、本と書店に興味がある方であれば、出版・書店の仕事に直接関係のないお客さんでも楽しんでいただけるような内容になるものと思います。本と本屋さんを愛するたくさんの方に聞きにきていただければと思います。


予約は、9月1日(日)に受付開始となります。予約は、お店での受付になりますので、beco cafeにご連絡ください。


イベント終了後は、いつものように、お店の閉店までドリンクタイムとして、出演者とお客さんのみなさんでお酒を飲みながらおしゃべりを楽しめる時間ももうけています。トークの途中には、質疑応答の時間はもうけませんので、ぜひトーク後の時間に出演者に話しかけたり質問したりしてください。


予約方法や、beco talk自体の説明、今年のbeco cafeイベントのラインナップなどにつきましては、こちらの記事をご覧ください(記事の下のほう、出演者のみなさんのプロフィールの前に、イベントに関する詳細・注意事項などをまとめてあります)


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札幌弘栄堂書店、北海道キリスト教書店、南陽堂書店……札幌書店レポート

先日、札幌に行ってきました。札幌といえば、書店の充実した街。危機が伝えられ、大いに話題を呼んだくすみ書房や、リーブルなにわの跡地に入った文教堂など、本来ならあちこちのお店を回って、いつだったかのようなこちらとか、こちら書店レポートをまとめたいところなんですが、今回は、純粋な家の用事で、自由時間、単独行動時間はほぼゼロ……。


そんななか、用事の合間に短時間見ることのできたお店について、ごくごく簡単にふれておきます。(写真は8/3、4の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


130803弘栄堂書店入り口130803弘栄堂書店 入り口2130803弘栄堂書店 入り口3

↑札幌弘栄堂書店パセオ西店。前回訪問したときとは、棚の配置など店内のイメージが少し変わっていましたが、あいかわらず、お店じゅうに活気があって、棚がにぎやか。楽しいお店でした。


130803弘栄堂書店 入り口4130803弘栄堂書店ベスト

↑店の入り口では、「弘栄堂ベスト コミック・文庫編」が目立つように展開されていました。


130803弘栄堂書店書皮130803弘栄堂書店ビニール

↑吉祥寺の弘栄堂書店を長らく利用していた者としては、この店名だけで、このデザインだけで、なんとも言えないなつかしい気分にさせられるんですよねえ。


130803弘栄堂だより

↑同店で発行しているフリーペーパー「弘栄堂だより」。A4両面モノクロ、オール手書きで、売上ランキングに新刊案内におすすめ本紹介にと、情報ぎっしり。


130803弘栄堂書店 爪句130803弘栄堂書店 モーリー

↑同店で購入した何冊かのなかから2点紹介。左は、前回の訪問時にも紹介したことのある北海道豆本のシリーズ「爪句」の19巻「札幌の野鳥」。野鳥好きとしては、旅先で、その土地の野鳥を扱った本を買えるのは最高の楽しみです(ただ、本の中身のほうは、ピントの甘いものや構図もちょっとなあみたいなものなど、素人写真のレベルを超えていない写真が多くて、野鳥本としては必ずしも満足のいくものでは残念ながらありませんでした)


右の雑誌、『モーリー』は「北海道ネーチャーマガジン」という枕詞通りの内容。発売は北海道新聞社。たくさん並んでいたバックナンバーから、海獣好きにはたまらない特集「海洋哺乳類と共に」をピックアップ。


130803北海道キリスト教書店 入り口130803北海道キリスト教書店 ウインドー130803北海道キリスト教書店 ういんどー2

↑宿の近くでたまたまた見つけたお店。北海道キリスト教書店。看板(写真下)を見ると、「キリスト教書」「こどもの本」のお店となっていて、「北海道キリスト教書店」と「聖文舎」が並列されていますが、正式な店名は「北海道キリスト教書店」のようです。


130803北海道キリスト教書店 店名

サイトの説明を引くと、《札幌駅北口から歩いて10分。目の前が北海道大学。5階建ての北海道クリスチャンセンターの一階(玄関に向かって右)に店舗を構える。キリスト教書籍や絵本を中心に用品も扱う。9月下旬には、早くもクリスマス用品が並び始める》というお店。


130803北海道キリスト教書店 

↑お店のウインドーには、こんなポスターも。「キリスト教本屋大賞2013」なんてのがあるんですね。ぜんぜん知りませんでした。Facebookページもできていますね。


130803南陽堂書店

↑宿の近くで古書店を発見。南陽堂書店。新古書店っぽいところのまったくない、昔ながらの古本屋さん、という佇まいで、すばらしい品揃え。こういう古本屋さんに旅先で出会えるとは、なんとラッキーなことでしょうか。


お店は、縦長で、見た目よりも奥行きがあります。入り口を入ってすぐ右側には全集の類がずらりと並んでいます。まず、それだけでも驚きますが、文芸も新古書店にはないようなものがずらりと並んでいるし、「本の本」だけで、大きな棚が1本使われているし、理工書や法律書などの専門書もたくさんそろっています。圧巻は、お店の奥、レジの近くに並ぶ北海道関連書で、この分野にくわしいわけではないので、内容についてはわかりませんが、量がすごい。いやはや、びっくりしてしまいました。


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『本屋図鑑』刊行記念トークイベントがbeco cafeで開かれました

半月ほども経ってしまって、今さらなんですが、『本屋図鑑』刊行記念トークイベントが、7/26、西荻窪のブックカフェ、beco cafeで開かれましたので、簡単にレポートしておきます。


    beco talk vol.8 刊行記念トーク
    『本屋図鑑』ができました 公開編集会議、経過報告編
    日時:7月26日(金)OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    会場:beco cafe(東京・西荻窪)
    出演:島田潤一郎(夏葉社)、鈴木茂(アルテスパブリッシング)、空犬(吉っ読・空犬通信)

企画の立ち上げとなるトークイベントを開催したのが、ちょうど1年前、2012年の7月でした。それから1年。無事に本ができたことを、beco cafeで、トークを聞きにきてくださったみなさんと一緒にお祝いすることができて、ほんとうに幸せな時間となりました。あらためて、ありがとうございました。


トークの内容は、大阪・隆祥館書店で開催したときのものを、3人で話せるようにアレンジしたものにしました。最初に、『本屋図鑑』ができるまでの経緯を話し、まんなかのパートでは、取材写真を見ながら島田さんが取材の裏話を話し、最後に、3人の書店観、本屋さんのこれからを披露してまとめる、という感じです。


大阪のときより会場が小さく、人数も少なかったせいか、はたまた、大阪と東京のお客さんのノリの違いのせいなのか、大阪のときほどには会場がわくことはなく、終始笑いが絶えない、という感じではなかったのですが、それでも、本には書かれなかった、島田さんの取材時のおもしろエピソードの数々は、お客さんの笑いや反応を大いに引き出していて、楽しいイベントになりました。


大阪のイベントもそうだったんですが、いいイベントは2次会・懇親会も楽しいんですよね。懇親会にも多くの方が残ってくださり、懇親会からの参加組も加わって、深夜までにぎやかに、本屋話で盛り上がりました(盛り上がり過ぎて、ふと気がつけば午前2時半! 何人もが終電・終バスを逃すことになりました(苦笑))


2次会の場で、出版・書店関係者、本周辺の仕事をしている人たちが、名刺交換しあったり、意気投合して話し込んだり、同じ話題で盛り上がったりしているのを見ると、ほんとうにうれしくなります。トークの話題に出た書店のことを話し込んでいる書店員さんと話し込んでいる出版営業マンがいたり、初めて単独で手がけた装丁本を手にしたデザイナーさんが編集者に本の紹介をしていたり、あちこちで、ふだんの仕事だけでは生まれ得ない出会いが生まれていました。そんな光景を見ているだけで、幸せな気分になります。イベントを企画・主催したりすることの醍醐味は、ここにあるのかもしれない、そんなふうに思わされました。


「絆」とか「つながり」とか、そういうことばを安易に連発することはしたくはないのですが、でも、本の世界って、やはりこういうアナログな人のつながりに支えられている部分って、まだまだ大きいはずなんですよね。イベントのいいところは、そのことを実感できること、なのかもしれません。


イベントにご参加くださったみなさま、そして、『本屋図鑑』をお買い上げくださったみなさま、遅くまで懇親会に付き合ってくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。


『本屋図鑑』関連で、ぼくが企画したイベントは3つ。プレ刊行イベント、発売日当日イベント、そして今回の、公開編集会議の続編。これで、自分で企画した分はすべて無事終了となりました。本屋図鑑編集部として参加するイベントも、これで(少なくとも今のところは)最後です。


島田さんの取材裏話は、これまでのイベントで披露できたものはごく一部。まだまだ見ていただきたい写真、聞いていただきたいエピソードがたくさんあります。この後、いくつか島田さんにはイベントの話が来ているようですが、ほかにも、島田さんの『本屋図鑑』裏話を聞きたい、一緒にトークをしたい、インタビューしたい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひ島田さんにコンタクトをとってみてください。喜んで応じてくれると思いますので。


beco talkは、この後、8月はお休みをいただきます。次回は9月で、こちらは早くも予約満席となりました。10月、11月の分もすでに決まっています。10月の回については、近日中に空犬通信で詳細を発表します。書店がらみのテーマで、企画者が自信を持っておすすめできるトークになります。楽しみにお待ちいただければと思います。



リブロ吉祥寺店が仮店舗で営業中です

リブロ吉祥寺店が改装・改称のため、一時閉店となり、場所を移して仮店舗営業となることは、しばらく前の記事でレポート済みですが、先日、そのリブロ吉祥寺店の仮店舗をのぞいてきましたので、店頭の様子を紹介します。(写真は8/9の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


130809リブロ吉祥寺仮店舗

↑パルコ、正面入り口脇に出ている案内。


仮店舗の場所は、パルコ2階、エスカレーター脇。小さなスペースですが、エスカレーターでフロアを上下する人の目につく場所ですし、2階ということで通るお客さんの数も多いフロアですから、仮店舗の場所としてはよかったといっていいでしょう。


130809リブロ吉祥寺仮店舗130809リブロ吉祥寺仮店舗130809リブロ吉祥寺仮店舗

↑上りエスカレーターを上がると、まず、左の案内が目に入ります。売場は、写真中のような感じ。エスカレーター脇のスペースで、柱をはさんで大きく2つのスペースに分かれています。右は下りエスカレーター側の案内。


リニューアルオープンは9/13(金)。場所は、以前と同じパルコ地下2階ですが、名称がパルコブックセンターと変わります。リブロ吉祥寺店という名称での営業は、この仮店舗が最後となります。


同店を利用していた吉祥寺の本好きのみなさんは、ぜひ引き続きの利用をお願いいたします。


130809リブロ吉祥寺仮店舗

↑限られたスペースに置く本を絞り込むのは大変だったはずなのに、なんと、その決して多くはない本のなかに『本屋図鑑』も混ぜてくださいました。しかも、POP付き。うれしいなあ。ありがとうございます。



田村書店、長谷川書店、三月書房……大阪&京都で書店回り

しばらく前になりますが、隆祥館書店での『本屋図鑑』の刊行記念トークイベントに出演するために、大阪に行ってきたときに、少しだけ書店を回ってきましたので、レポートします。今回は、休みを取っていったので、仕事の用事こそなかったんですが、自由になる時間自体が少なくて、わずか数店しか回れませんでした。取材らしいこともしていませんので、今回はごくごく簡単に。(写真は7/19、20ごろの様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


130719田村書店 駅側から130719田村書店 側面130719田村書店 入り口から奥

↑田村書店千里中央店。地下鉄御堂筋線・北大阪急行千里中央駅に直結の商業施設、せんちゅうパル3番街内にあります。正確な時期はわかりませんが、しばらく前に改装、3階・4階の2フロアになり、広さも約500坪に拡大。


同店は『本屋図鑑』にも登場するお店。『本屋図鑑』に《坪数のある四階では、奥がかすんで見えるほどである》という記述がありますが、4階は、まさにそんな感じ(上の写真、右を入ると、ちょうどその描写にあるような感じに見えます)。外から見た感じよりも、店内は広くて、回遊が楽しくなる造りでした。


130719田村書店 4階入り口130719田村書店 3階入り口

↑左が4階の入り口、右が3階の入り口。


田村書店書皮

↑オーソドックスなデザインのブックカバー。


高校卒業までを万博記念公園のすぐそば、吹田市千里丘で過ごした身には、千里中央は(駅自体は、吹田市ではありませんし(豊中市)、最寄り駅でもないのですが)、遊びに買い物にデートにと何度も出かけたことのあるなつかしい駅。何年ぶりかなあ。駅周辺の様子は、記憶の中のそれとはあちこち変わっているけど、セルシーとかそのままで、ちょっとうれしくなりました。


田村書店を見た後は、モノレールに乗りました。梅田に出るには、遠回りなんですが、でも、どうしても乗りたかったのです。というのも、モノレール自体は、ぼくが大阪を離れてからできたもので、思い出深いとかそういうことはないんですが、このモノレールに乗ると、母校(高校)や、万博記念公園、昔住んでた家の近くなど、なつかしい場所を、モノレール車内からいろいろ見られるのです。


130719太陽の塔

↑大阪モノレールに乗ると、車窓からはこんな光景も。近くを通るので、スケール感がすごくて、怪獣っぽいです。


結局、あんまりなつかしくて楽しくて、途中まで行って、もう一度引き返して、往復で車窓の景色を楽しんでしまいました。時間がないというのに、何やってんだか。


さて、次は、梅田に移動して、紀伊國屋書店グランフロント大阪店へ。しばらく前に、オープン直後の様子をレポートこちらこちらしていますが、そのときから2か月半。お店も少し落ち着いたころだろうということで、どんなふうになったか、見てきました。


店長の星さんを訪ね、しばしおしゃべり。今回は時間が短かったので、撮影はなしで、見て歩くのに徹しました。店内、あちこちに気になる小フェアがあって、足を止めたくなり、短時間ではとても見た気がしませんが、開店からしばらく経ったお店の様子を見ることができただけでも、そして、たくさんのお客さんでにぎわっている店内の雰囲気を確認できただけでも満足です。


堂島に移動、ジュンク堂書店大阪本店を少しだけのぞいてから、「本おや」さんこと「本は人生のおやつです!」へ。


130719本は人生のおやつ

店主さんとしばしおしゃべり。『本屋図鑑』の営業もしてきました。ここで初日は時間切れ。お店をゆっくり見ることも、買い物をすることもかなわず。


本おや通信1本おや通信24

↑同店で発行しているフリーペーパー「本おや通信」。記念すべき第1号(左)には、なんと、時の人といっていい作家、藤野可織さんが登場しています。しかも、「可織ちゃん」などとされています。なんでも、店主のSさんは、藤野さんの大学時代からのお友だちなんだとか。24号(右)には、『「本屋」は死なない』の石橋毅史さんが登場しています。


堂島には、地下街に、旭屋書店堂島地下街店があります。2012年の春にリニューアル、真っ白な内装が目を引く美しいお店です。ジュンク堂書店という超巨大店のすぐそばで、品ぞろえに工夫しながらがんばっているお店の1つですが、閉店の噂も聞こえていますが、どうなんでしょうか。梅田本店がないいま、梅田・JR大阪界隈の旭屋書店は、この堂島地下街店と梅田地下街店の2店。本店復活まで、ぜひがんばってほしいところです。


130720長谷川書店1130720長谷川書店2

↑長谷川書店。翌日、京都に移動する途中に寄りました。2店のうち島本店が閉店、駅前の水無瀬店の1店体制になってから、初めての訪問です。やっぱり、ここは、なんというか、いいんですよねえ。


コミックの棚の陰に海外文学の棚がある。日本の文芸の棚は、それとは離れたところに位置しています。「エッセイ他」と手書きの案内のついた棚がありますが、よく見ると、あっちにもこっちにも、エッセイの類がささっています。しばらく眺めてみても、これは何の棚、とジャンルを特定しづらい棚が複数ある。いい意味で、とっちらかっているのです。


130720長谷川書店3

↑何の棚と特定しづらい棚の代表。


同店については、『本屋図鑑』にこんなふうにあります。《何のジャンルかよくわからない本は、何のジャンルかよくわからない棚に、ちゃんとそれらしい顔をしておさまっている》《宝探しをしているような気持ちになる》。ほんとにその通りだと思います。


長谷川書店は、やっぱり長谷川書店でした。なんだか、とても安心して、そして、うれしくなりました。


ハセガワしんぶん130529

↑同店で発行しているフリーペーパー「ハセガワしんぶん」。全編手描き・手書きの、ゆるめのノリが楽しい、お店の雰囲気にぴったりのフリペです。


1308Meetsミュージックブレス

7/19のイベントには『Meets Regional』の方も駆けつけてくださいました。その日いただいた8月号の書評欄「Meets Book Mania!」では、長谷川書店が写真入りで紹介されています。とてもすてきな感じに紹介されていますので、ぜひ雑誌で確認してみてください。


右は、お店で買った数冊のうちの1つ、津村記久子さんの『ミュージック・ブレス・ユー!!』。イベントのレポートにも書きましたが、津村さんは、7/19のイベントに参加くださった方。売れっ子芥川賞作家なので、本を置いてあること自体は別にめずらしいことでもなんでもないですし、実際、長谷川書店の文庫棚にもコーナーがあるんですが、この本は、音楽本の棚で、唯一面陳になっていた本だったのです。それが前日のイベントに来てくださった方の、音楽本ではなく、音楽がらみの小説だったりするわけです。こういう出会い方をしてしまった本は手にとらないわけにはいきませんよね。(末尾に余談あり。)


続いて、京都、河原町へ。


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夏葉社『本屋図鑑』、増刷が決定しました!

とても、とてもうれしい報告です。7/19に発売になった、夏葉社7月の新刊、『本屋図鑑』、なんと、発売ひと月を待たずに、増刷が決まりました。


    『本屋図鑑』
    著者:絵 得地直美/文 本屋図鑑編集部
    発行:夏葉社
    判型・頁数:四六判・並製・240ページ・1色刷
    価格:1,785円(本体1700円)
    取次:JRC(すべての取次からの搬入が可能です)
    ISBN:978-4-904816-09-7 C0095

本屋図鑑 装丁

『本屋図鑑』を手にとってくださったみなさま、本当に、本当にありがとうございます。


現時点では、版元、夏葉社の在庫はゼロだそうです。増刷分の取次納品予定は9月2日とのこと。近くの本屋さんにない、予約したのに入らない、売っている場所がわからない、という声もたくさんいただいています。今回の増刷で、少しでも多くの方に、本が届きやすくなることを、作り手の一人として願っております。どうか、よろしくお願いします。


(取り扱い書店につきましては、夏葉社にお問い合わせください。空犬通信のコメント欄でご連絡いただければ、お近くに取り扱い書店があるかどうかを、こちらでお調べすることもできます。)


先の記事でふれましたが、増刷、正式決定の知らせの直前に、神戸の海文堂書店の閉店のニュースが飛び込んできました。海文堂書店は、『本屋図鑑』で取り上げた、たくさんの「町の本屋さん」のなかでも、もっとも個性的で、もっとも地元に根ざしていて、もっとも独自情報の発信に熱心なお店の1つ。そんな「町の本屋さん」が閉店するという知らせに、『本屋図鑑』の作り手として、書店を愛する者として、大きなショックを受けています。もっともっと、身近にこんなにすてきなお店があるんだよ、ということを、そして、本屋さんはこんなに楽しいんだよ、ということを、伝えていかなくてはいけないのだなと、そんな思いを新たにしました。


この『本屋図鑑』が、「町の本屋さん」のすばらしさに多くの人が気づいてくれるきっかけの1つになれればと、そんなことをあらためて思います。




BOOKMARC、福家書店、海文堂書店……新刊書店の開店・閉店いろいろです【修正版】

先日、久しぶりに新刊書店の開店・閉店関連をまとめたら、直後にいくつも新たなニュースが。なんだかタイミングの悪い記事になってしまいましたので、前回から何日もあいていませんし、件数も少ないのですが、いったん補足を……という記事をあげたら、さらにいくつも案件が飛び込んできましたので、まとめなおしました。


(8/6:閉店の項にあげた情報の一部に誤りがありましたので、修正してアップし直しました。お店の関係者のみなさまに、深くお詫び申し上げます。)


●オープン


  • 8/ 3 ゲオ御坊店(和歌山県御坊市;20)
  • 8/ 7 正文館書店緑区グリーンプラザ店(名古屋市緑区;63)
  • 8/ 8 夢屋書店アピタ伊勢崎東店(群馬県伊勢崎市;130)
  • 8/ 8 夢屋書店アピタ吹上店(埼玉県鴻巣市;140)
  • 8/ 8 とらのあな新宿西口店(新宿区;20)
  • 8/10 ゲオ奥州水沢佐倉河店(岩手県奥州市;20)
  • 8/16 宮脇書店マックスバリュ豊見城店(沖縄県豊見城市;120)
  • 8/23 Book in Caféツインゲート橿原店(奈良県橿原市;75)
  • 9/ 3 未来屋書店名西店(名古屋市西区;180)
  • 9/12 旭屋書店アトレヴィ大塚店(豊島区;106)
  • 9/12 くまざわ書店福山店(広島県福山市;309)
  • 10/? BOOKMARC(ブックマーク)(東京都渋谷区;23.87)

8月のものは、既報のものもあるかもしれません。


新規で話題になっているのは、最後のBOOKMARCでしょうか。関連記事はこちら。「マーク ジェイコブスの本屋さん「BOOKMARC」が遂に日本上陸!アジア1号店が東京・原宿にオープン」(8/1 Fashion Press)、「マーク ジェイコブスの本屋「BOOKMARC」が原宿に “ディープなセレクション”用意」(8/1 はてなブックマークニュース)。


前者から引きます。《マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)が手がける新感覚ブックストア「BOOKMARC(ブックマーク)」が、今秋ついに東京・原宿に、アジア初となるストアをオープンする》


《デザイナー、マーク自身のインスピレーション源となる、アート、ミュージック、カルチャー等に関する厳選された洋書を中心にキュレーションし、レアなヴィンテージブックや、オリジナルのノートやペンなどのステーショナリーグッズ、トートバッグ、アクセサリー類も取り揃える「BOOKMARC」。2010年9月にニューヨーク・ブリーカーストリートに第1店舗目をオープンし、その後ロサンゼルス、ロンドン、パリに出店。モデルのケイト・モスや歌手のベック、ザ・キルズ、ファレル・ウィリアムスなどの著名人による出版記念サイン会等も実施し、世界中のメディアでも大きく取り上げられ話題を巻き起こした》。


書店は書店でも、当方のようなふつうの本屋さんを愛する雑本好きにはちょっと縁遠そうな感じもしますが、どうなんでしょうか。今回のお店については、《今回のアジア1号店となる原宿のストアでは、マーク ジェイコブス・ファンはもちろん、本を愛する誰もを唸らせるようなディープで厳選されたセレクションを実現するとともに、和書の取り扱いも行う》とあります。


《本を愛する誰もを唸らせるようなディープで厳選されたセレクション》とは大きく出ましたねえ。どんな品ぞろえになるのか、オープンとなったら、ぜひ見に行ってみたいと思います。


●リニューアル


  • 7/29 文苑堂上飯野店(富山市)
  • 8/ 9 文教堂渋谷店(渋谷区)

富山の文苑堂は、情報をくださった方によれば、リニューアルの内容は、コミック・ライトノベル棚を140段増というもの。渋谷の文教堂は、以前は2フロア店だったのが、2011年のリニューアル時に1フロアになったもの。その2階が、アニメガになるのだそうです。文教堂は、アニメガの併設がデフォルトになりつつあるような感じですね。


●閉店


  • 4/? サンクス西野店(兵庫県伊丹市)
  • 7/31 若草書店桜井店
  • 7/31 福家書店佐世保店(長崎県佐世保市)
  • 8/11 よむよむ日野駅前店
  • 8/31 英林堂書店大泉学園前店
  • 8/31 福家書店町田店(町田市)
  • 8/31 福家書店福岡店(福岡県福岡市)
  • 9/30 海文堂書店(兵庫県神戸市)

サンクスは、NET21の説明によれば、《関西の北摂地区に現在4店舗出店しています。 各店舗ごとに店長を中心に個性あふれる店作りを目指しています》というお店。


若草書店は、奈良の近鉄駅構内または駅周辺に数店を展開しているチェーン。桜井店は近鉄桜井駅にあったお店。


今回の閉店関連で目を引くのは、福家書店。短期間で3店も閉店になっています。お店の閉店告知は(とくに詳細な情報などは出ていませんが)お店のサイトにあります。


【“BOOKMARC、福家書店、海文堂書店……新刊書店の開店・閉店いろいろです【修正版】”の続きを読む】

『離島の本屋』『那覇の市場で古本屋』……ユニークな本屋さん本が続けて出ました

『本屋図鑑』が発売となった7月に、本屋さんの本が続けて出ました。3点、いずれも、小さな出版社から。



130801 本屋さん本3点

↑並べてみたくなるのです。


『離島の本屋』は、「LOVE書店!」の連載を書籍にまとめたもの。版元の紹介には、《北は礼文島から南は与那国島まで。誰もが知る小笠原諸島から、地元民だけが知る家島まで――。22の島で「本屋」の灯りをともす人たちの物語。本屋大賞PR誌『LOVE書店!』の人気連載に未発表作と書き下ろし原稿を加えて待望の書籍化!》とあります。


『本屋図鑑』も、北から南まで、全国の本屋さんを、夏葉社の島田さんが実際に訪ねて取材したことが売りの1つである本なんですが、こちらも、22の島をすべて実際に訪問取材したもの。しかも、取材先が「離島」ですからね。行くだけで大変なところばかり。島田さんといい、朴さんといい、ここまでして、あちこちの本屋さんを紹介したいというその情熱には、ほんと、頭が下がります。


内容説明にもありますが、連載時から格段にボリュームアップされていて、内容・分量ともに読み応えのあるものになっています。連載で読んだ、という方も、ぜひあらためて手にとってください。


各章には、連載後の各店の様子を伝える文章が添えられています。閉店になってしまったお店もある、というか、けっこうたくさんあるのがさびしいところなんですが、そうしたフォロー取材も含め、丁寧にまとめられた本になっています。


続いて、『那覇の市場で古本屋』。著者の宇田智子さんは、かつてジュンク堂書店池袋本店にいた方。ジュンクの池袋と言えば、頻繁に出入りしている書店の1つです。店内ですれ違ったりしていてもおかしくはありません。お店の仲良しの1人がたしか同期で、何度もお名前が話に出てくるのです。この本が出ることも、Webなどで知る前に、その人に教えてもらったぐらいです。でも、面識はありません。


ないのに、ジュンクにいらっしゃったころから、あんまり何度もお名前を聞くものだから、いつのまにか脳内で勝手に知り合いに分類されてしまいました。知らないおやぢから勝手に知り合いにされても先方は困惑されるだけだろうと思うのですが、そんなわけで、出る前から、一方的な親近感を持っていた、そんな本なのです。


ジュンクの池袋で人文担当というのは、書店員人生としては王道といってもいいものだと思うのですが、それがなぜ那覇に行くことになり、さらには、日本最大の新刊書店の1つを辞して、日本最小の古書店を営むにいたったか。その経緯だけでもおもしろいし、古本屋さんを始めてからの話が、これまたおもしろい。


端正で優しい文章を書く方で、当方のようなだらだら書きの垂れ流し派は、それだけで尊敬したくなります。大きな本屋さんのことも、小さな本屋さんのことも、新刊書店のことも、古本屋さんのことも、1冊でいっぺんに読めてしまう、本屋さん好きにはたまらない1冊になっています。おすすめです。


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