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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

ふたば書房タワー店、コッコ・サン、リブロ渋谷店→PBC……新刊書店の開店・閉店いろいろです

なんか、誰かが間違えて変なスイッチでも押しちゃったんじゃないか、とでも思いたくなるような天気が続いてますね。地球人が今の東京に異星人として観測のために降り立ったら、unhabitable(居住に適さない)と判断して、帰っちゃいそう……。


……まったく何書いてるんだ。すみません、暑くって……。いつもの、新刊書店の開店・改装・閉店関連です。今回はオープンの話題はなくて、閉店と改装を少し。


●閉店


  • 7/26 紀伊國屋書店博多座店
  • 7/31 山本書店内野店
  • 7/31 えほんの店コッコ・サン松山店
  • 7/31 ふたば書房タワー店(京都タワーブックセンター)

今回の4店は、ふたば書房以外は行ったことのないお店。うち、山本書店は千葉県印西市のお店で、最寄り駅は千葉ニュータウン中央駅。


えほんの店コッコ・サンは、愛媛県松山市にある児童書・おもちゃの専門店で、最寄り駅は伊予鉄高浜線三津駅とのこと。


本店は、高知県高知市にあり、そちらのほうはそのまま営業のようですが、唯一の支店となる松山店の今回の閉店で、えほんの店コッコ・サンは本店のみとなってしまうようです。


松山店も本店も、残念ながら訪問したことのないお店ですが、この記事を書くのにいろいろしらべていたら、おはなし会などのイベントにも熱心なお店で、地元の本好きに愛されていたお店のようですね。関連記事はこちら。「人気絵本専門店「コッコ・サン」今月末閉店へ」(7/19 朝日新聞)。


記事の一部を引きます。《愛媛県内の子育て世代から「憩いの場」として支持を集めた絵本専門店「えほんの店コッコ・サン」(松山市三津2丁目)が、7月末で閉店する。惜しむ声が寄せられ、市内での移転再開の道を探るが、現状ではめどが立っていないという。》


《コッコ・サンは潮の香り漂う三津浜港近くにある。店内は樹齢500年のカシの木がそびえ、ガラス張りの床下には鉄道のミニチュア模型。天然木をふんだんに使った約100平方メートルの空間に絵本2千冊が並ぶ。読み聞かせや子育てイベントも毎月開かれていた。》


《本店は高知市にあり、唯一の支店として2010年12月に開店した。しかし、土地所有者の木材製造卸会社の倒産などで立ち退きを余儀なくされ、1年半余りでの閉店になった。》


土地所有者の事情による閉店ということで、必ずしもお店の財政的な事情ではないようですから、移転先が見つかって無事再開となることを願わずにはいられません。


ふたば書房は、京都タワーの3階にあるお店。お店のブログに閉店とセールの案内が出ています。「京都タワー店閉店セールのお知らせ」(7/6 ふたば書房 店舗案内)、「感謝セール開催中!」(7/25 ふたば書房 店舗案内)。


会社のサイトによれば平成11年のオープン。2010年には、近くに大垣書店京都ヨドバシ店がオープンしていますが、その影響もあったのでしょうか(*追記あり)。京都に行くたびに寄るお店の1つだったので、個人的にも残念です。


ふたば書房のツイッターアカウント「ふたば書房 (京都)の社長です。」(@booksfutaba)に、こんなツイートがありましたので引いておきます。《本日18時をもって、京都タワーさんから卒業します。今までご愛顧頂いたお客様、ご挨拶頂いた作家先生方!明日からは、市役所前のゼスト御池店か四条河原町の京都マルイ店、京都駅八条口店でお会いしましょう。》同店の関係者のみなさま、お疲れさまでした。


●リニューアル


  • 8/10 洋書LOGOS
  • 8/23 パルコブックセンター

パルコパート3のB1に入っているリブロ渋谷店とLOGOS。分けて書きましたが、基本的には同じ案件となります。まず、LOGOSについては、サイトに案内が。「改装による一時休業のお知らせ」(7/26 LOGOS)。


《この度、洋書ロゴスは渋谷パルコパート1・B1フロア内にて売場を移り、8月10日(金)にリニューアル・オープンする事となりました。つきましては、誠に勝手ながら7月30日(月)から8月9日(木)の間の営業をお休みさせて頂きます。なお、この期間内の商品のご予約・ご注文はお隣のリブロ渋谷店にてお承り・お引渡し致しますのでご了承下さい。》


今回の改装で、洋書・洋雑誌のLOGOSは、名前は残るようですが、現在のような独立性の高い売り場ではなくなり、和書売り場のなかで、洋書・洋雑誌を扱うコーナーの1つになるようです。元のLOGOSのスペースは和書にあてられるわけではなく、リブロ/LOGOSを合わせたお店全体のスペースとしては純減になるもよう。さらに、残った和書のスペースの一部が洋書・洋雑誌にあてられるとなると、お店全体としては、かなり小さくなってしまう感じですね。


さらに驚いたのは、後者の件。先のLOGOSの案内には、《また、同フロア内のリブロ渋谷店も8月23日(木)にリニューアル・オープンとなります》と簡単に記されていませんが、リブロ渋谷店は、このたびの改装で、「パルコブックセンター」という名称に戻ることになるそうです。


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書店員が本当に売りたかった本、オレの宇宙、本を味方につける本、書物の環境論……広義の「書店本」が続きます

先日、『旬刊 出版ニュース』を読んでいたら、ジャーナリストの佐久間文子さんが「【出版文化】雑誌の本・書店特集」という記事を寄稿していました『旬刊 出版ニュース』2012年1月下旬号の目次一覧


《昨今の雑誌特集における「本」や「書店」特集の多さが、ずっと気になっているからである。毎月どこかの雑誌で特集が組まれている》。
《本に関心が向くのは喜ばしいことではあるけれど、そんなにも本や書店はいま、世間一般の話題を集めているのだろうか》。
《こうした特集がはやる背景には、本が正しく読者に届いていないという作り手の焦りがあるのだろうか》。


たしかに、本特集が続くことってありますよね。先の『出版ニュース』は1月号ですが、その後もこの春は、『アソシエ』『プレジデント』『サライ』など、一般の雑誌の本特集がしばらく続きましたし、『本屋大賞』や『文庫王国』などもありました。最近だと、女性誌のコミック特集や、『日経エンタテインメント』がありましたね。


ぼく自身は、雑誌の本の特集はきらいなわけではもちろんないんですが、ただ、読みたい本予備軍が実際に買った本読んだ本を常に上回っているような読書生活を送っていますし、書店派なので、店頭での出会いを大事にしたいという気持ちも強いので、雑誌特集に本との出会いを求めることはあんまりないんですよね。だから、なぜこんなに本特集が?というふうに思う方の気持ちも、わからないでもありません。


続いているのは、雑誌の本・書店特集だけではないようです。先日、タイトルだけご紹介した、気になる「書店本」たち、すべて入手したので、あらためて紹介しようとそれぞれの本のことを調べていたら、その3点以外にもたくさんの「書店本」が出ていること、これから出ようとしていることに気づきました。書店員が書いている、書店員が主人公、書店・書店員にふれられていると、タイプはいろいろありますが、先の3点を含む、それら「広義の」書店(員)本を、ずらりとリストアップしてみます。




月刊佐藤純子 表1月刊佐藤純子 表4書店員が本当に+トート

『月刊佐藤純子』は、ジュンク堂書店仙台ロフト店の佐藤純子さんがが、《年賀状を出さなかった言い訳とお詫びのおたよりとして描き始めた》もの(同書巻末収録の、伊坂幸太郎さんによるインタビューより)。ほんわかしたイラストと手書き文字で綴られる書店員の日常で、(震災の前後をのぞけば)大きな事件が起こるわけではないのに、読んでいるとくせになってやめられなくなります。


『世界の夢の本屋さん2』は、前作同様、すばらしい1冊なので、これは稿をあらためて紹介したいと思います。


『書店員が本当に売りたかった本』は、今年の春、惜しまれながら閉店になってしまったジュンク堂書店新宿店、閉店間際のフェアのPOPを本にしたもの。


「売り場担当より」という書店員さんによるエッセイ、書店員さんの座談会なども収録されてはいるものの、全編のほとんどがひたすらPOPの写真。しかもオールカラー。これまでいろいろな書店本を目にしてきましたが、テーマといい内容といい造りといい、きわめて異例な1冊と言っていいでしょう。丸善/ジュンクでは、写真のようなトートバッグとセットで売られていました。


『本を味方につける本』は、副題に「自分がかわる読書術」とあるように、若者に向けた読書術、読書指南の本で、書店論に特化した本ではありません。第3章「本が君を見つける:には、「どんな本屋さんに行くか」「新刊書店と古書店」「専門店もいろいろ」「お書店はもっといろいろ」など、書店好きが気になる小見出しがいくつも並んでいます。


『オレの宇宙はまだまだ遠い』は、32歳独身、書店員歴10年の《書店員・土田くんの日々を描いたコミックエッセイ》。書店員のなにげない日常が描かれていて書店好きには楽しく読めそう。単なる好みのレベルの話になってしまいますが、一点だけ、不満な点があるとしたら、書棚や平台がそれらしく見えないこと。画風の問題だからしかたないんですけどね。


『書店の未来を創造する』は、「本の学校・出版産業シンポジウム2011記録集」の副題通り、昨年のTIBF開催期間中の土曜日に行われたシンポジウムの記録。《書店の果たすべき役割と魅力の源とは何か》と、書店に関心のある者ならば手にとらずにはいられないような文言が帯にあります。


「本書のねらい」にはこうあります。《1995年から5年間にわたり、鳥取県大山町で開かれた「本の学校大山緑陰シンポジウム」は、その後ほぼ2年ごとに場所を変え、2006年からは、東京ブックフェア会場での「出版産業シンポジウムin東京」に引き継がれました。本書は、その「出版産業シンポジウム2011」の全記録である。》


本は二部構成で、午前中に行われた「シンポジウム2011「いま改めて書店について考える―本屋の機能を問い直す」」、そして午後に行われた4つの分科会がそれぞれまとまっています。


うち、午前中のシンポジウムはその場で話を聞いていて、昨年、こんな感想を書いています。


午後の分科会の1つ、「“理想の書店像”をゼロベースで考える」では、内沼晋太郎さんがコーディネーターをつとめています。内沼さんが具体的な書店構想を語っているわけではないのですが、B&Bオープンの約1年前に、「理想の書店像」というテーマでこのような話がされていた、というのは、今読むと当日とは別の意味でおもしろいですね。


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夏葉社公開企画会議イベント、beco talk vol.1、無事に終わりました

昨日、西荻窪のブックカフェ、beco cafeで開催したトークイベント、beco talk。beco talkは、書店・出版関係者による、本・書店・出版関連の話題がテーマのトークイベントで、昨日はその第1回でした。勢いも人気もすごい夏葉社島田さんの出演イベントということで、予約はほぼ瞬殺。猛暑のなか、たくさんのお客さんが駆けつけてくださいました。参加くださったみなさま、ありがとうございました。


    beco talk vol.1 公開編集会議
    「島田さん、『本屋さんの本』を作りませんか?」
    「はい、つくりたいです!」

    日時:7月27日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    出演:島田潤一郎(夏葉社)、鈴木茂(アルテスパブリッシング)、空犬(吉っ読)

過去の記事で何度かふれていますが、夏葉社の島田さん、アルテスパブリッシングの鈴木さんとは、吉祥寺の出版関係者つながりで、たまに3人で一緒に飲んでいます。3人とも音楽好きなので、音楽の話になることも多いんですが、同じぐらい、たびたび話題にのぼるのが夏葉社の本のこと。これから出る本のことや、これから作りたい本の話を、お酒を片手に、吉祥寺の飲み屋さんでしているわけです。


で、その話が、実におもしろい。飲み屋の飲みネタで終わらせてしまうのはもったいない。ということで、トークイベントにしてはどうか、と企画したのが、今回のイベントなんですね。


とくに『昔日の客』が増刷を重ねるヒットになったこと、その後が上林暁だったこともあって、夏葉社というと、復刊もの中心の版元というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、島田さん自身は、復刊にこだわらず、書き下ろしの企画も手がけていきたいとふだんから話しています。そんな、島田さんが以前からぜひ作りたかったという本に、「本屋さんの本」があるといいます。これは、書店好きとしては、反応せざるを得ませんよね。で、よその企画だというのに、企画書まで作って、ついには、公開編集会議まで企画してしまったわけです。


昨日のイベントでは、これまで、飲み会という名の数回の編集会議で議論を重ねたきた経緯を説明しながら、まだ固まっていなかった部分を、会場のみなさんの意見も参考にしながら詰めていきました。こうして、夏葉社の「本屋さん本」の企画が、ここまでかたまりました。夏葉社島田さんによれば、企画内容は公開してもいい、むしろ公開することで、絶対に出さなくてはならないという自分へのプレッシャーにしたい、ということなので、公開しちゃいます。


    書名:本屋図鑑(仮)*副題がつくかもしれません。
    著者:夏葉社編 *別の名前になるかもしれません。
    判型:B6判・並製・128〜192頁・2色刷
    定価:1575円(本体1500円)前後
    発売:2013年8月
    内容:「本屋さん」の魅力を、タイプ別に、イラストとコラムで紹介する、業界初の本屋「図鑑」。

構成は、
・本屋図鑑:本屋さんをタイプ別に図鑑形式で見せる。
・コラム:「書店発のフリーペーパー」「「書皮」って何?」「書店今昔 書店の店頭から消えたもの」など。
・付録:「書店員のしごと(一日)」「書店用語集(「番線」「延べ勘」などの出版流通用語、店頭での用語)」「索引(店名・事項)」など。
のような感じになりそうです。


取り上げる書店は100店内外。お店の様子は、外観・店内とも、写真ではなくイラストで見せ、それに図鑑らしく簡潔で統一的な説明を添える、という感じにしたい、とのことです。もちろん、細部はまだまだこれからなんですが、これは楽しみですよねえ。


製作期間は1年。その間にも別の企画ですでに決まっているもの、作業中のものがあるようですから、余裕がそんなにあるとも思えません。取り上げるお店は、すべて新刊の営業で回る際に自分で取材するということですから、それだけでも大変そう。


もちろん、私空犬とアルテス鈴木さんは、今後もこの企画については全面的に協力する予定でいます。書店員のみなさんも、島田さんが営業に訪れた際に、ちょっと取材を、という話になったら、ぜひ快く協力いただけるとうれしいです。


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現代思想、うらなつ、オリンピック、魁、洋書、カレー……新刊書店のフェアいろいろです

別に誰に頼まれているわけでもないし、そもそも必要とされているのかもあやしいんですが、出版・書店業界情報を収集してはツイートする、というのは平日朝の日課にしていて、大きなテーマや特記したいテーマはblogで記事にする、というのを続けています。


そんなことをしていると毎日のように見かけるので、いちいち言及したくないんですが、この業界の話を文章にするのに、必ずこんなふうに書かないと気が済まないタイプの書き手の方が、どうやらけっこういるようなんですよね。
「活字離れから書籍販売が落ち込む中……」だの、
「出版不況で本が売れない中……」だの。


この手の記事を書く人たちって、こういう紋切り型の文章を自らの文章に毎度のように貼り付けて、なんとも思わないのかなあ。ひどいのになると、こうしたクリシェを、記事の出だしなど、一部に使うだけではなくて、全編ほぼこれ紋切り型、みたいな、コピー&ペーストだけで成り立っているような文章もありますからね……。


出版界が厳しいだの、本が売れないだの、そんなことは業界の人間には言わずもがなだし、業界外の人だってわざわざ聞かされ読まされするまでもない、誰もいけいけの業界だなんて思っていないでしょう。誰もが(「よく」なのか「うすうす」なのかはともかく)知っていて、誰もが聞いたようなことばかりで埋められたこの手の記事(たとえば、こういう記事だ。こんなのとか、こんなのとか)って、いったい誰に何を伝えたくて書かれたものなんだろう。「それで?」と、その先をこそこちらは聞きたいのに。


一方、こういう記事もあります。「本の世界へいざなう工夫 東京の書店最新情報 」(7/20 47ニュース)。書店の店頭での工夫を紹介してくれている記事です。もちろんありがたいし、うれしいことです。でも、なんというか、先の批判記事、揶揄記事に見られる紋切り型な表現や、それらに感じる既視感という意味では、このタイプの記事もある意味、共通してしまっているところがあるようにも思えてしまうのです。紹介されているお店が、東京堂、代官山蔦谷、松丸本舗と、それこそ、「いつものお店」になってしまっていることも原因かもしれません。


店頭でおもしろいことをやっているのは、一部の有名店だけではないんですよね。また、出版不況が叫ばれるようになったから、各店があわてて何かを始めたわけでもないのです。何度も空犬通信には書いていることですが、ふつうの良さ、当たり前の良さをきちんと文章化して伝えるのはほんとに難しいことなんですよね。やはり。書店っておもしろいぜ、ってわかりやすく簡単に文章化しようと思ったら、有名でかっこいいお店にふれるのがいちばんラクですから。Webや新聞、とくに大手新聞が記事にしようと思ったら、それはある意味、しかたないでしょう。


でも、この空犬通信では、やっぱり「ふつう」(ここでいう「ふつう」は、いいも悪いも、上から見るも下から見るも、何も他意や含みはなく、ストレートな意味での「ふつう」です)のお店のいろんな取り組みを、紹介していこうと思うのです。


……長い、そして、愚痴っぽい前置きになりました。以下、ここ数日、書店店頭で見かけたフェアなどを、とくに、テーマや場所なども考えずに、ランダムに紹介します。(店内の写真は、すべてお店の方の許可を得て撮影したものです。)


まずは、池袋から。リブロ池袋本店1F、カルトグラフィアで、『現代思想』創刊40周年記念フェア「雑誌『現代思想』の歩んだ40年」が始まりましたね。


リブロ池袋 現代思想40フェア1リブロ池袋 現代思想40フェア2リブロ池袋 現代思想40フェア3

カルトグラフィアは、1つのテーマのフェアで埋めるには、かなり大きめのスペースです。単に本を並べるだけでは空間をもてあましてしまいそうな感じですが、今回のフェアでは、中央に『現代思想』バックナンバーを配し、左右に、国内外の事件や主要出版物をまとめた年表を置き(写真右)、上下左右を取り囲むように本を(基本的には年代順に)並べています。年表も選書も、いずれもなかなかの力作。見応えがありますよ。


リブロ池袋 現代思想40フェア冊子

↑こちらがフェアの無料冊子。店頭に掲示されているものとまったく同じではないですが、年表も収録されているので、お忘れなく。


リブロ池袋本店2階、理工書・芸術書売場で開催中の、『みんなの家』(アルテスパブリッシング)関連のフェア、「光嶋裕介 みんなの家をめぐる30冊の本」も見応えありますよ。内田樹邸「凱風館」の大きな模型(1/30だとか)もありました。


あと、リブロでは、新刊関連ではないけれど、「夏の古本まつり」もまもなくですね。8/2から8/8まで、西武池袋本店の西武ギャラリーで。


リブロ夏の古本まつり20

ジュンク堂書店池袋本店1階では、全国のジュンク堂書店で開催中だというフェア「もしも明日、自分の店が閉まるとしたら、どうしても今日中に売っておきたい1冊」が開催中。関連記事は、こちら。「ジュンク堂新宿店 閉店間際描く本」(読売新聞)。同じ1階では、「愛書家の楽園 Vol.008」として「マンガになった文学」フェアも。


ジュンク池袋 愛書家の楽園8マンガ

続いて、吉祥寺。BOOKSルーエ1Fでは、「文学オリンピック2012ルーエ大会」が開催中。1F入り口すぐ左の棚では、ふだんまず見ることのない海外文学がいくつも面になっています。翻訳もの好きはチェックを。隣の棚が、いわゆるオリンピック本の棚だったりするのがなかなかいい(笑)。


ルーエ文学オリンピック冊子

↑「文学オリンピック2012ルーエ大会」の棚と、2階への階段踊り場のフリペコーナーには、こんな「公式ガイドブック」も。なぜ表紙が怪獣? 特撮好きがイラストを手がけたのかな? と思ったら、パンダでした。


ルーエ2階では、まもなく8月初旬から、「アナーキー・イン・ザ・KJ アナキズム・芸術・運動・社会・状況・現実」(長いけど、これが正式タイトルだとか)というフェアが始まるそうです。難しそうなタイトルですが、ちらっと選書リストを見せてもらったところ、かたい本ばかりにはなっていなくて、これらのキーワードに縁がなさそうに感じてしまう読者の方にも楽しめそうな、バラエティに富んだものになっていましたよ。場所は、現在、爆音フェアを展開しているフェア台。フェアが始まったら、またあらためてレポートします。


次は渋谷へ。リブロ渋谷店では、渋谷店独自の夏文庫フェア「うらなつ2012」が、レジ前のフェア台で開催中。知り合いに会えなかったので、店頭の写真は撮れませんでした、いつもの通り、毎年違うイラストレーターのイラストをフィーチャーした独自帯のかけられた、大手3社の夏文庫とはひと味違うセレクトの文庫がずらりと並ぶ様は壮観。今年から、帯には、選者の方の名前が掲載されなくなったようです。


リブロ渋谷 うらなつ2012

↑選書リスト。


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B&B、ザ・リブレット、松丸本舗……新刊書店の開店・閉店いろいろです

新刊書店の開店・改装・閉店関連です。今回は新しい案件がそんなにあるわけではないのですが、話題のお店の件を含みますので、いったんまとめます。


●オープン



開店前から本好き書店好きの間で話題を呼んでいたお店、とうとうオープンになりましたね。下北沢のB&B。7/20のオープン当日、早速のぞきにいってきました。


B&B 看板B&B 看板2

↑お店は下北沢駅南口から徒歩30秒ほど。居酒屋の入っているビルの2階で、広さは30坪ほど。


B&B以外にも、久しぶりに下北沢の書店をいくつか見てくることができましたので、このお店については、他の書店と合わせ、あらためて記事にしたいと思います。


ちなみに、B&B、「WEB本の雑誌」の連載「内沼晋太郎の本屋開業奮闘記」で、開店までの様子がレポートされることになっていて、書店好きとしては、書店ができるまでの詳細なレポート、貴重な記録になるのではと楽しみにしていたのですが、あまり更新されなかったのが、個人的にはちょっと残念でした(7/20時点で、6/5更新の第2回が最後)


次のザ・リブレットは、名古屋のラシックに入るお店。ラシックと言えば、今年1月に旭屋書店名古屋ラシック店が閉店したばかり。関連の記事はこちら。「ラシックに再び書店、来月8日オープン」(7/18 中部経済新聞)。


記事の一部を引きます。《ファッション専門館「ラシック」(名古屋市中区栄)は、書店「ザ・リブレット」を導入する。8月8日にオープンする予定。ラシックには現在、書店がない。書店導入はメーン顧客である20代後半〜40代の女性客の利便性向上がねらい》。


旭屋は600坪超と大きめの店だったので、同じ規模の店が入るのかどうかはわかりませんが、半年少しで、再び同じ業種を入れることになるのであれば、旭屋書店の閉店をどうにかできなかったのか、などと素人は思ってしまいますが、まあ、そこにはよその地域の素人にはわからない事情があるのでしょう。(追記:お店が入るのは地下1階で、サイズは30坪との情報をいただきました。)


ザ・リブレットは、関東在住者にはあまりなじみのない名前ですが、愛知県や岐阜県など中部地方に雑貨・カフェなどとの複合型店舗を複数展開しているチェーン。


雑貨を扱っていたりカフェを併設していたりすることから、また、写真の感じから、おしゃれっぽいお店の印象を受けます。実際に、そういうところが《女性客の利便性向上》ねらいにぴったりとみなされたのでしょうか。でも、過去にはイベント「本屋プロレス」を行ったお店もあったりしますから(イオン千種店)、おしゃれ一辺倒でもないんでしょうね。なんだか気になるお店です。関連記事はこちら。「「ブックマークナゴヤ」開催会見-初の「本屋プロレス」も」(2009/1/26 栄経済新聞)。


あと、一般新刊書店ではありませんが、新刊書店にも影響が大きいと思われる件も、合わせて取り上げておきます。まずは、先日7/19に、紀伊國屋書店新宿本店のすぐそばにオープンした、BOOKOFF新宿駅東口店。


ブックオフ新宿 フロアガイド

↑店内は撮れないので、とりあえずフロアガイドだけ。5、6、7の3フロアです。営業時間は10〜21時。関連記事は「ブックオフ、新宿駅東口に311坪で新規店」(7/17 文化通信)。


本・雑誌の売り場のみ、ざっと一周してきましたが、棚や品揃え、店内の感じに、特筆すべき点はありませんでした。ぼくが行ったのは、平日の夜でしたが、店内は混んでましたね。その後、お隣、紀伊國屋書店新宿本店ものぞいてきましたが、こちらもお客さんでにぎわっていたので、客足などの影響がどの程度、というのは見た目だけで安易なことは言えませんが、文庫やコミックなど、影響なしでは済まないでしょう。なんともフクザツな気分にさせられます。


もう1店は、ビックカメラ新宿東口新店。あらためて説明するまでもありませんが、ジュンク堂書店新宿店が入っていたアルコット跡地のお店です。書籍売場は、地下2階の入り口を入ってすぐ右脇あたり。関連記事は、たとえばこちら。「新宿に史上最大規模のビックカメラ新宿東口新店オープン」(7/5 週アス+)。(しかし、コピーが「ビックカメラ史上最大級」って……;苦笑)


ビックカメラ書籍売場ビックカメラ フロアガイド

↑ちょっと反則ですが、書籍売場の店頭の様子を撮影させてもらいました。右は、フロアガイド。


絶えない人波をぬって、大急ぎで撮ったので、ピンぼけ。写真ではわかりにくいかもしれませんが、そんなに大きなスペースではありませんが、壁側には上のほうまで使った背の高い棚を配し、中央には高さをおさえた島を作るなど、什器も、書籍専門でない小売りの書籍売場にまれに見られる、適当なものを適当に使った、という感じではなく、ちゃんとした棚になっています。面を多用したディスプレイは見やすく、スペースの割に点数もあり、見せ方も品揃えも、予想よりずっと「ちゃんと書店」していたので、ちょっと驚きました。ブックオフはともかく、ビックカメラのほうは、紀伊國屋への影響はまあ、考えなくても大丈夫だろう、ぐらいに思っていたので、その意味では、こちらもフクザツな気分に大いにさせられてしまいました……。


紀伊國屋書店新宿本店には、ほんと、がんばってほしいと、そして、今まで以上に応援しようと、あらためて思った次第です。


●閉店


  • 7/20 キャップ書店西院店(?)
  • 9/30 松丸本舗

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西荻窪のブックカフェ、beco cafeが2周年を迎えました

今日はわめぞ主催のイベント、「みちくさ市トーク「出戻り!往復書簡」」を見てきました。


タイトルにある「往復書簡」は、ジュンク堂書店のPR誌『書標』と「webほんのしるべ」に掲載されている連載「往復書簡をはじめませんか」。 その「出戻り」の意で、トークの出演は、夏葉社の島田潤一郎さんとジュンク堂書店仙台ロフト店の佐藤純子さんのお二人。


連載時のお二人のやりとりは、こちらで読めます。


みちくさ市トーク「出戻り!往復書簡」

↑トークは撮影禁止だったので、雰囲気だけでも、ということで、開始前の会場を。


島田さんと純子さんはさすがに息がぴったり。ふたりとも味のあるトークで、ほんとにおもしろかったなあ。ちなみに、こちらは、昨日、ブックンロール出演者&スタッフの打上で、遅くまでにぎやかに飲んでいたもので、激しい二日酔い(島田さんも2次会、かなり遅くまで同じ会で飲んでたんですが、二日酔いに苦しんでいる様子はありませんでした;笑)。途中で寝ちゃったりしたらどうしようと不安だったんですが、お二人の話術は居眠りなんてとても許さないもので、とくに島田さんの(ブックンロールのMCでもおなじみの;笑)自虐ネタのつるべ打ちに、けらけらと笑っているうちに、あっという間に終わってしまいました。


『月刊佐藤純子』を出したばかりの佐藤純子さんとも久しぶりに再会、わずかな時間の立ち話だけでしたが、少しおしゃべりもできてました。天気と体調が今ひとつだったので、雑司ヶ谷界隈を散歩するのはあきらめて帰ってきましたが、楽しい半日でした。


みちくさ市におじゃまします号

↑トーク終了後には、こんなすてきなおまけも配られました。『月刊佐藤純子』「みちくさ市におじゃまします号」。


ところで。あちこちのイベントにひっぱりだこの島田さんですが、来週、わたくし空犬が企画したイベントに出演していただくことになっています。会場は西荻窪のブックカフェ「beco cafe」なんですが、その「beco cafe」が、先月6月で、2周年を迎えました。同店のオープンは、2010年6月。オープン直前にこんな記事を書いていますが、もう2年もたつんですねえ。


ぼくは、同店には客として顔を出すだけでなく、イベントの企画などでもいろいろ関わらせてもらっています。今年の後半も、来週の、島田さんに出ていただくものを含め、こんなイベントたちを予定していますよ。


◆2012年後半のbeco cafeイベント◆


    beco talk vol.1 公開編集会議
    「島田さん、『本屋さんの本』を作りませんか?」「はい、つくりたいです!」
    日時:7月27日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    出演:島田潤一郎(夏葉社)、鈴木茂(アルテスパブリッシング)、空犬(吉っ読)
    吉祥寺に縁のある出版関係者3人が、夏葉社の「本屋さん本」を、勝手に企画します。
    *予約、終了しました。

    beco reco vol.3 100年聴ける音楽
    日時:9月21日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    DJ:鎌田洋城(酔舎バンド)、内田英一(ランブリンローズ)、空犬(吉っ読)
    無類の音楽好き3人が、100年残る曲/残したい曲を、オールアナログでお届けします。
    *予約は、7/21からとなります。

    beco talk vol.2 公開編集会議
    ハマザ企画会議
    〜ハマザ聞くか? あの恐ろしい編集者に色々聞いてみる〜

    日時:10月26日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    出演:ハマザキカク(社会評論社)、空犬(吉っ読)
    珍書を出しまくっているデスメタル編集者に聞く、発想力・企画力・情報収集力の秘訣。出版界志望の方、大歓迎。
    *予約は、9月初旬からを予定しています。

    beco reco vol.4 Christmas Song Night(仮)
    日時:12月21日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    DJ:未定
    クリスマスソングが流れるとはかぎらない、Christmas Song Night。
    *予約は、10月中旬からを予定しています。

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往来堂書店の名物フェア、「D坂文庫」が始まりました

今回で、5回目だそうです。もっと前からやってたような気がしてしまうほど、もうすっかり「定番」のフェアになりましたね。往来堂書店のフェア、「D坂文庫 2012・夏」


以下、店頭の様子を紹介します。ちなみに、前回、冬のフェアの様子はこちら(店内の写真は、すべてお店の許可を得て撮影したものです。)


D坂2012夏 ポスター

↑お店に入るとすぐに目に飛び込んでくる、Hさんの手になる、かっこいいポスター。写真撮ってくるのを忘れてしまったんですが、店頭の看板もこのポスターです。


D坂2012夏 全体右D坂2012夏 全体左

↑全体はこんな感じ。共通帯が視覚的にとても効いているのがわかります。


点数は、60点ほどかな。1人1点のセレクトなので、作家のかぶりもなく、テーマもレーベルも新旧も適度にばらけていて、バラエティに富んだものになっているんですが、全体を眺めると、なんとなく、往来堂らしい、というか、D坂らしいというか、ある種のテイストに貫かれている感じが伝わってきます。


前回に続いて今回も、選書に参加させてもらいました。選書をされた方のお名前を見ると、D坂でよく見かける常連の方、お会いしたことはないけれど、ツイッターやブログでお名前をお見かけする方もけっこういらっしゃいます。本のセレクトや選書のコメントを見ていると、きっと本の好みが近いんだろうなあ、本の話をしたら楽しそうだなあ、なんて思われる方もいて、なんだか一方的に親近感がわいてしまいます。


D坂2012夏 空犬選書

↑今回は、この本を選びました。種村季弘『徘徊老人の夏』(ちくま文庫)。自分が好きなもので、往来堂の客層やD坂文庫のノリに合ったもの、さらに季節感も考慮して、など、いろんなものを考えてセレクトしたつもりなんですが、さて、売れ行きやいかに。


D坂2012夏 小冊子D坂2012夏 小冊子2

↑D坂文庫の小冊子。フェアの本、全点に、選者のコメントが載っています。どういう順序なのかわかりませんが、偶然、表紙に載ってしまいました。


(ここで、修正とお詫びを。帯と冊子では、選書コメントの見出しが
「知の海とノンシャランを徘徊する粋な老人」
となっていますが、正しくは、
「知の海をノンシャランと徘徊する粋な老人」
です。これはお店ではなく、わたくし空犬のミスです。文字を入れ替えちゃうなんて、「めだまやき」が「めだやまき」になっちゃう子どもみたいで、ちょっとはずかしい……(涙)。自己申告しておきます。)


D坂2012夏 バッヂ・メモ帳

↑選書に参加したら、こんなすてきなバッヂをもらえました。往来堂のトートバッグでもおなじみ、ミロコマチコさんのイラストをあしらった缶バッヂです。お店で販売もしています。下は、2冊買うともらえるメモ帳。


ちなみに、この缶バッヂ、ぼくが作った往来堂書店の冊子『千駄木の本屋さん』の完成祝いを、往来堂のみなさんとしたときに、飲みながら出てきた案なんですよね。まさか実現するとは、それもこんなに早く、こんなにすてきなかたちで実現するとは思いませんでした。


いいなあと感じるフェアの困るところは、自分が持ってる本、読んでる本との重なりが多くなってしまうことでしょうか。今回も、すごく好みのセレクトになっていて、7割ぐらいは所有本、既読本という感じかなあ。フェアから何か買い物をしたいんですが、選ぶのにとても困ってしまいました。お店にいたHさんとOさんと一緒におしゃべりしながら、これはどうか、これは読んだか、これはおもしろぞ、などと、さんざんあれこれやって選んだのがこちら。


D坂2012夏 2冊購入

↑『つげ義春の温泉』(ちくま文庫)は先月の新刊なのでさすがに未読。D坂らしいセレクトですよね。選者は写真家の尾仲浩二さん。選書コメントの、「がっかりすることも旅の醍醐味なんですよね」に惹かれて決定。


もう1冊は、テオプラストス『人さまざま』(岩波文庫)。選者は往来堂の近くのお店、ブーザンゴの羽毛田顕吾さん。岩波文庫の青帯。このようなフェアで出会いでもしないかぎり、まず自分では手に取らなさそうな本です。古代ギリシアの市井の人々の姿を描いたものなんですが、人々の美点ではなく、ダメなところを並べ立てたもので、目次には、「けち」「いやがらせ」「とんま」「へそまがり」「しみったれ」「悪態」と、マイナスワードがこれでもかと並んでいます(苦笑)。


これを見てると、なるほどなあ、今のギリシアが大変のもわかる気がするよなあ、なんて、よけいなことを思ってしまったりします。テーマ・内容はもちろん、ギリシャ哲学者である訳者が「森進一」さんと、演歌歌手と同名なのもなんだか妙におかしいし、その訳者による、ちょっと過剰なぐらいの註なども妙に熱くて、なのに、書名がなんだかなげやりっぽいところもよくて、全体に、愛すべき珍書の香りが濃厚に漂う1冊です。


前回のレポートにも書いたお願いの一部を引用しておきます。お店のサイトのフェアページでも、フェアの全貌や選書コメントは見られます。遠方で来られない方はそちらでお楽しみいただくとして、近隣の方は、サイトだけで済ませず、ぜひ店頭を見に行ってくださいね。本が実際に並んでいるのを見ながら、気になった本を手にとり、本をひっくり返して、帯の表4(裏表紙)側に載っている選者のコメントを参考にしながら、あれこれ選ぶ、これにまさる楽しみはありませんからね。


あと、店頭では、どの本がどこに並んでいるか、何と並んでいるかをチェックする楽しみもありますよね。同じ本でも、並びによって印象はずいぶん異なりますから。その意味でも、ぜひ店頭の様子を実際にご覧になることを強くおすすめします。フェアは、9/2まで。


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いまの子どもたちは、将来、「雑誌」を手にすることがあるのだろうか

さて。雑誌の話の続きです。


もうずいぶん前のことですが、雑誌を読んでいた娘が、「ええーっ! 終わっちゃうの?!」と、大きな声を上げ、びっくりしたことがありました。そのとき、彼女が読んでいたのは、『小学四年生』(小学館)。


みなさんも、これらの報道は覚えているでしょう。「小学三年生」と「四年生」休刊へ 「ニーズに合わず」(2011/12/1 朝日新聞)、「小学館、「小学三年生」と「小学四年生」を休刊へ」(2011/12/1 新文化)、「小学館「小学三・四年生」休刊 残るは一、二年生」(12/1 日本経済新聞)。ちょうど、その最終号だったわけです。


彼女のびっくりには、2つあったようです。1つは、この続きものはどこで読めるのか、ということ(学年誌の連載には、ポケモンのように、年度の最後に話が完結しないものがあります)。そして、もう1つが(こちらのほうが、より深刻な問題なのですが)、次に何を読めばいいのか、ということでした。


前者については、本誌に、連載についての案内が出ていましたから、読もうと思えば読む方法はあります。でも、それは彼女にとっては、あんまり問題ではないんですよね。問題は後者なのです。


「じゃあ、次は、何を読めばいいの?」


こちらも、一応、本でメシを食ってるプロです。小学*年生が何を読めばいいのか……そんな質問にはいくらでも答えられます。なんなら、選書をしてあげることだって余裕でできるわけです。うちの場合、順調に本好きに育ってくれましたから、そもそも、本人が自分でいくらでも選べるんですよね。児童書のそろった書店や図書館に連れて行けばいくらでもいられるタイプ。本を選ぶのに、親の力なんて借りる必要がもはやそもそもない。


彼女が、びっくりして、そして、とまどってしまったのは、(ここは半分は想像で書いてるんですが)、おそらくこういうことだったのだろうと思うのです。特定の本と違って、いろいろと雑多なものが載っているこの「雑誌」というもの、そこに載っているもの、それぞれのテーマ1つ1つについては、1冊の本を買うほどではないかもしれないけれど、こうしてまとまっていると、それなりに楽しく読めてしまう「雑誌」というもの、それがなくなってしまうことに関するびっくりなり、がっかりなり、だったのではないかと、そんなふうに思うのです。


楽しく読んでいたものがなくなってしまうことを知って、ショックを受けている、小さな読者が目の前にいるとして。何をすすめてあげるのがいいのだろう。何を買ってあげればいいのだろう。


昨年、こんな本が出ました。雑誌好きのみなさんなら、読まれた方も多いでしょう。


  • 仲俣暁生『再起動せよと雑誌はいう』(京阪神Lマガジン)

仲俣さんの書かれたこの本、ぼくも出てすぐに読んだんですが、読了後、しばらくの間、雑誌について、いろんなことを考えさせられました。この本が出たのが11月末で、先の、学年誌休刊の記事が12月はじめと、ちょうどリンクしていたこともあり、「雑誌」のことがとくに気になった時期だった、ということもあります。


昔、などとひとくくりしてはいけませんね、60年代末生まれの我々の世代にとっての雑誌はどんな感じだったのか。そのころの小学生にとっては、まず小学館の学年誌がありました。もちろん、一年生から六年生までの全学年がそろっていました。そして、学研の「科学」と「学習」もありましたね。前者は店売り、後者は定期購読の雑誌でしたが、当時の小学生にとっては、読んでる読んでないにかかわらず、知らない者がいないというくらい、当たり前の存在でしたね。


これらのほかに、少年マンガ誌がありました。男の子の例でいうと、『コロコロコミック』の創刊が1977年。週刊誌だと、ジャンプがモンスター雑誌になるのは少し後のことで、ぼくの世代だと、チャンピオン派が多かったかな。ぼくは、「科学」と「学習」は家でとってもらっていて、学年誌はほぼ毎号買ってもらってたかな。お小遣いでは、『コロコロ』と『週刊少年チャンピオン』を買ってました。この時代の典型的な小学生読者ですね。


中学生になると、『中学時代』(旺文社)と『中学コース』(学研)がありましたね。中学にあがるときには、みんな、地元の書店で定期購読の予約をしたものです(どちらを予約したのかは忘れてしまったけれど、予約特典が、小さなラジオだったことは今でもよく覚えています。ラジオの深夜番組を聞きたい中学生にとっては、マイラジオが宝物だった、そんな時代の話です)


みんなが同じような雑誌を読んでいたのは、中学生になるあたりまででしょうか。この頃から、いろいろ趣味が分化してきますから、「みんなで一緒」という価値観を共有するのは難しくなります。学年誌よりも何年も前に、前掲の中学生向け雑誌がなくなってしまったのは、ある意味当然と言えるでしょう。


その後の個人的な雑誌遍歴については、ここでこまかに記したりはしませんが、要するに、何が言いたいかというと、ぼくの読書人生に、「雑誌」というものがなかったことなど、一度もない、ということなのです。その年齢、その時代に、いつも何らかの雑誌があった。ぼくは趣味でも仕事のうえでも、どちらかというと、「書籍」寄りの人間で、「雑誌」型の人間ではないんですが、それでも、雑誌とのそういう関係は、当たり前のものだったんですよね。


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子ども向け科学ムックが楽しい!……小学館と学研から科学ものシリーズが続けて

こんな記事を書いてると、ブックンロールのレポートはどうなってるんだ、と、いろんな人から怒られてしまいそうですが、忘れてるわけではなくて、毎日、気にはしているのですが、なにしろ、写真が膨大で、選んで、サイズを落として、キャプションつけて、といった準備段階がいつまでたっても終わらなくて、ちょっと逃避気味の空犬です……。今日は、学年誌、科学と学習で育った世代にはうれしい、この2つを紹介します。



科学脳とドラサイ

高学年に続いて中学年も休刊になってしまった学年誌。それに代わるという意味合いもあるのでしょうか、小学校中学年ぐらいから楽しめそうな科学系のムックとして創刊されたのが、この『ドラえもん ふしぎのサイエンス』。全10巻のラインナップで、シリーズの詳細については、版元のサイトや関連記事をご覧ください。版元サイトは、「「ドラえもん ふしぎのサイエンス」創刊号 好評発売中!ふろくは「手回し発電タケコプター」!」(小学館)。関連記事は、たとえば、こちら。「ふろくと本で科学がわかる!「ドラえもん ふしぎのサイエンス」創刊」(7/10 アニメ!アニメ!)。


早速買ってみたんですが、まず特筆したいのが、付録。これ、超楽しいんですよ。娘と一緒に作って(製作自体は実に簡単)、一緒に試してみたんですが、二人して、大いに盛り上がってしまいました。こんな単純な仕組みなのに、ちゃんと飛べるのがまずすごいし、動力が手回しなので、上手に飛ばしたり、着地させたりなど、遊び方にも工夫の余地があるところもgood。


本誌のほうは、「空を飛ぶしくみ」といった付録と連動した記事はもちろん、ほかにも、アイスクリーム作りといった季節に合わせた実験の紹介記事もあり、こちらもなかなか楽しめます。今後のラインナップには、天体望遠鏡とか、組み立てラジオとか、化石発掘体験キットとか、子どもはもちろん、お父さんたちも喜びそうなものがいくつもあがっているので、大いに期待です。


学研も負けていません。「学研の科学」が書籍として復活と話題になっていた『科学脳』ですが、こちらも、パッケージだけでわくわくするような作りになっています。関連記事は、「休刊した学研の「科学」が7月に復活」(5/31 MSN産経ニュース)、「学研の「科学」書籍で復活 第1弾は水溶液実験キット」(5/31 朝日新聞)など。


付録は水溶液実験セット。「学研の科学」世代には、これ、たまらんですよ。試験管とかビーカーとかスポイトとか、眺めてるだけでもうれしくなってきます。子どもと一緒に楽しみたいので、眺めるだけでガマンしてるんですが、早くこれを使って、あやしげな実験とか、したいです。これで、白衣でもつけてくれたら、なおのことマッドサイエンティストな気分を満喫できるのになあ(「科学」を読んでた子どものときも、付録に白衣がついてたらいいのにと、本気で思ってました。やっぱりサイエンティストといえば白衣ですからね)


小学館のほうは、全10巻のラインナップが発表されていて、創刊号の出来からすると、途中で終わったりはなさそうですが、気になるのは学研のほうで、産経の記事には《売れ行き次第で、11月、来年の3月、6月と発売時期を空けて出版を続ける予定》とありました。これは、ぜひ「科学と学習」世代のパパとママが応援しなくてはなりませんね。


この2つの科学・化学ものを手にしてあらためて思ったんですが、やっぱり、こういう実験もののキットを使って、実際に何かを動かしたり、化学反応を見てみたりするのって、文句なしに楽しいんですよね。それぞれ冊子もよくできていて、そちらはそちらで読んでいて楽しいのだけれど、やはり、付録を使って、実際に子どもたちが自分の手で体験できるのとセットになってるのがいいんですよね。


飛行実験にせよ、化学実験にせよ、動画を検索すれば、いくらでも見られる、というか、もっとすごいのがいくらでも見られるかもしれない。

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書泉グランデ、今井書店、B&B……新刊書店の開店・閉店いろいろです

久しぶりになりました。新刊書店の開店・改装・閉店関連のニュースです。今回は、リニューアルに、いくつか気になるニュースがありますから、まずはリニューアルから。


●リニューアル


先日、書泉グランデの公式アカウント(@shosengnd)で、こんなツイートが流れていました。《明日8日をもちまして、グランデコミック売場は終幕いたします。長い間のご利用、本当にありがとうございました。もう商品もほとんど撤収状態なのですが、最後の姿をよろしければご覧いただければと思います。今後はコミックはブックマートにて、どうぞよろしくお願いいたします。》


グランデ地下からコミックが移動になる件は以前から噂が流れていて、この空犬通信でも、今年5月ごろの記事で、鉄道関連のリニューアルと合わせ、少しふれています。


ぼくは、それほど熱心なコミック読みではありませんが、でも、書泉グランデの地下ではずいぶんたくさんコミックを買いました。あの売り場サイズは、ぼくのように、コミックの連載媒体や少年向け・青年向けなどの対象が頭に入っていなくて、コミックを探すのが苦手な買い手には、ちょうどいい感じなんですよね。壁の棚が高いから、点数はそれなりにあるはずなのに、全体が見渡せる感じで。


昨日の昼休み、早速、そのコミック売り場がなくなった、書泉グランデのB1を見てきました。


書泉グランデ 20120710改装告知

↑グランデ、1階のエレベータ前には、こんな貼り紙が。改装は、7/9から8月中旬までであること、フロアを一時閉鎖する場合があることなどが案内されています。


B1は、格闘技関連などはそのままで、通常通りの営業のようでした。コミックの棚や壁もそのままでしたが、棚には商品はなく、がらんと空いています。その商品のなくなった棚に、写真のような、売り場移動の案内の貼り紙が貼られていました(店内の貼り紙の写真は、お店の人に断って撮らせてもらったものです)


↑グランデ地下の案内貼り紙、「書泉グランデコミック売り場移動について」。移転先として、ブックマートが案内されています。



お店の人に、撮影の件を断りがてら、売り場のことを聞いてみました。「移動」となっているけれども、実際には、重複した在庫などは整理するので、グランデ地下の在庫がすべて「移動」するということではない、とのこと。まあ、スペースなどを考えれば当然そうでしょうね。ブックマートのほうも見てきました。


書泉ブックマート 20120710改装告知

↑ブックマート、入り口そばの案内。文面はグランデのものと同じですが、こちらは改装期間が、7/2から7月下旬まで、となっています。


グランデのコミック売り場が、すぐそばのブックマートにまとまる、というだけで、神保町エリアから書泉のコミック売り場がなくなってしまうわけではありません。でも、グランデ地下の、昔からの利用者としては、なんとなくさびしい感じがしますね。土日は用事があって、最後の買い物に行けなかったのが、ほんとに残念です。ブックマートとグランデの新しい売り場に、期待したいと思います。


さて。がらっと変わって、次は山陰の話題を。鳥取県米子市にある「本の学校 今井ブックセンター」が、この秋に、リニューアルとなるようです。お店のサイトには、《このサイトは、本の学校今井ブックセンターのリニューアルに伴うお知らせ等をご案内するサイトです》というページも作られています。お店の歴史や現在の店舗の様子などを、たくさんの写真なども使って見せてくれる、非常に内容の充実したものになっています。ここで、お店の様子を知らない素人が紹介するよりも、そちらを見ていただくほうが早くて正確なので、ぜひそちらをご覧ください。


写真を見ていただければおわかりの通り、もともと、地方の書店としてはかなり大きなお店でしたが、これがさらに拡張されるようで、最終的には売り場面積的には倍増、山陰地区では最大の書店になるのだとか。


関東在住者にはあまり縁のない名前かもしれませんが、今井書店といえば、鳥取・島根を中心に複数の店舗を展開する、山陰を代表する老舗チェーン。創業は明治で、今回のリニューアルは創業140周年記念の一環のようです。地方の書店というと、全国チェーンの大型店出店以外になかなかいいニュースが聞けないことが多いのですが、このように、地方の老舗書店ががんばっているニュースはほんとにうれしいですね。残念ながら山陰はプライベートでも仕事でもほぼまったく縁がなくて、今井書店も行ったことがないのですが、リニューアル後の様子はぜひ見に行きたいものです。


いつも書店の情報を寄せてくださる出版仲間のお一人、平出さんが、この件、写真を送ってくれましたので、紹介しておきます。


今井書店改装1 看板今井書店改装2 看板今井書店改装3 看板

↑改装告知、店内外に掲示されている案内。


今井書店改装4 外観

↑建物外観。写真右奥に見える、シートの張られているところが新築される場所だそうです。


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ダイワレター、いか文庫新聞……まだまだあります書店関連おもしろフリペ

書店関連のフリーペーパーを2つ、それも、まったくタイプの違うものを2つ、紹介します。


まずは、こちら。コミックでおなじみ、シュリンクの機械を手がけているダイワハイテックスの「DAIWA LETTER(ダイワレター)」。


TIBF2012 ダイワレター

DAIWALETTER(ダイワレター)は、サイトの説明によれば、《「当社広報誌」として2002年より発行されました。2007年(弊社30周年)より年4回発行となり、現在は「書店情報誌」として書店の皆様の役に立つ情報をお届けするため、様々な記事を掲載しています》というもの。


シュリンク(ご存じのない方のために念のために説明をそえておくと、おもにコミックの立ち読み防止と保護のために本にかけられた、透明のビニールです)は、もちろん店頭では毎日のように目にしてはいますし、書店研修とか店頭応援で自分でも作業したこともありますが、ふだんは個人的には縁がありません。


なので、同社の名前も存じ上げず、「書店情報誌」をうたう「ダイワレター」もこれまでノーチェックだったんですが、同社のサイトの、BOOK SOLUTION(書店支援事業)のページを拝見すると、おお、写真入りの書店オープンのレポートなど、書店関連のコンテンツがたくさん載っているではないですか。個人で買う人はあまりいないかもしれませんが、保護用の透明ブックカバーや書籍のクリーニング用のブラシやヤスリなど、本好きには気になるアイテムもいろいろ扱われています。


そして、「ダイワレター」ですが、ご覧の通り、表紙の写真は書店の店内の様子。おや、見覚えあるお顔が、と思ってみると、今回紹介されているのは、空犬通信でも先日の記事で紹介したばかりのブックポート203大和店、中央の麦わら帽子は、「船長」こと成川店長ではないですか。中を開くと、お店の様子が、空犬通信の何倍もくわしく、たくさんの写真(しかも全部カラー)を使って、くわしく紹介されています。さらに同じ号には、さわや書店の田口さんも登場。こちらも見開きいっぱいを使って、ご本人の談話のほか、店内の様子や、オリジナルPOPが紹介されています。さすが「書店情報誌」をうたうだけあって、充実の内容、これはすごい。


1つ前の33号では、特集では宮城県石巻市のヤマト屋書店が、新店を紹介するページでは有隣堂テラスモール湘南店が取り上げられ、さらに『「本屋」は死なない』の石橋毅史さんも登場。本好き書店好きが気になる人やお店がこれでもかと取り上げられているのがわかります。


シュリンクなんて、自分には縁がないから、などとスルーせずに、書店好き本好きの方は、この「ダイワレター」、ぜひサイトでチェックしてみてください。バックナンバーがPDFで読めるようになっています。ぼくもこれから過去の号を、片端から読んでいくつもりです。


先日のイベント、ブックンロールには、ダイワハイテックスの営業の方がお二人、駆けつけてくれました。自分たちは出版社でも書店でもないから見に来ていいものか迷っていた、なんて謙遜されていたんですが、本に関わる仕事であるのは同じですよね。同社のサイトやPR誌を見て、紙の本を作ったり売ったりするのとは違うところで、本の世界を支えている人、書店を応援している人がいることを知ることができて、ちょっとうれしくなりました。


ブックンロールに来てくださったお二人の名刺、お礼メールをと思って後で拝見していたら、裏にそれぞれ、お二人の好きな本や雑誌が印刷されていました。単に仕事で書店に営業しているだけじゃなくて、ほんとに本が好きな方たちなんですよね。どうりで、同社のサイトが、PR誌が、書店好きが読んでおもしろいものになっているわけです。うれしい発見でした。


もう1つは、こちら。「いか文庫新聞」。


いか文庫新聞 創刊号1いか文庫新聞 創刊号2
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では、ブックフェアは、もう必要ないのだろうか

*追記(7/11):TIBFの入場者数について、「新文化」と「文化通信」の記事が訂正されている旨、読者の方から指摘をいただきました。


確認してみたところ、「新文化」は、見出しが「第19回「東京国際ブックフェア」など4イベント、総来場者数は前年比13%増の7万4616人」で、本文は《7月5日から8日まで4日間、東京・有明の東京ビッグサイトで行われていた同フェアと、第16回「国際電子出版EXPO」、第2回「ライセンシングジャパン」、第1回「クリエイターEXPO東京」の総来場者数は、前年比12.8%増(7527人増)の7万4616人だった。》となっていました。記事の日付は7/9のままで、訂正された旨の断りはありません。


「文化通信」は見出しは同じで、記事冒頭は、《東京国際ブックフェア(TIBF)と国際電子出版EXPOの来場者は、合計で7万4616人となり、両会場が一緒だった昨年の4日間に比べて7527人増加【訂正】した》となり、訂正された旨の記載があります。


以下の記事は、入場者数が25%減という、大幅減に終わったという報道と、その数字に対する反応をもとに書いたものなので、数字がこれだけ大きく変わってしまうと、本来であれば意味がなくなってしまいます。でも、ブックフェアのありようについての意見や危機感のようなもの、改善できそうな点などについては、数字が変わっても、大きく変わるわけではないので、入場者数について、数字が変わっているということを明記したうえで、あえて、そのまま残しておくことにします。これからお読みになる方は、そのような文章だと思っていただけると幸いです。


ところで。当サイトのような個人blogの記事はともかく、業界紙の「新文化」が、一度発表した数字を、訂正して、そのことに関するアナウンスなしで、日付などもそのままにしておく、というのはちょっとどうかなと、個人的には思います。(*追記ここまで)




前回は、ブックフェアの個人的な印象を記しただけのレポートを書きました。あちこちにブックフェアの感想やレポートが上がり始めたので、拾い読みしてみましたが、WebやTLを見ていても、ぼくの周りでも、今回のブックフェア、総じて、あんまり評判がよろしくないみたい……(*追記あり)。(気になる記事をいくつかリストアップしてみようかと思いましたが、やめておきますので、気になる方は、ぜひ「ブックフェア」と「評判」「感想」「レポート」などの組み合わせで検索してみてください。)


まずは、業界紙2つの記事で、入場者の数を見てみましょう。



新文化によれば、入場者は《前年比25・5%減(2万2652人減)の6万6115人》、文化通信によれば、《東京国際ブックフェア(TIBF)と国際電子出版EXPOの来場者は、合計で7万4616人となり、両会場が一緒だった昨年の4日間に比べて1万4151人減少した》とあります。


会期中の、日別の数を、両誌の記事を合わせた形でまとめると、このような感じ。
4日(水)  8501人(国際電子出版EXPOのみ)
5日(木)2万1687人(前年初日2万6034人)
6日(金)2万1618人(同2日目2万7752人)
7日(土)1万2010人(同3日目2万1310人)
8日(日)1万 800人(同4日目1万3760人)


前年比で4分の3になってしまったわけです。これは、数字だけで見ると、イベントとしては「失敗」と言われてもしかたないですね、ふつうに考えて。少なくとも、同じ規模で、同じ要領で、同じかたちで、さあ来年もやるぜ!と言える数字ではない気がします。


この記事、この数字を受けて、たしかにつまらないからしかたない、といった意見が目につきました。おもしろくない、見どころがない、つまらない……たしかにそうかもしれません。一般のお客さんにそう感じさせてしまったのだとしたら、それは真摯に受け止めないといけないと思います。でも、出版・書店業界の、少なくない人が、そのように口にしたり書いたりするのを見聞きしていると、では、つまらないからと、業界唯一の国際ブックフェアがなくなってしまったり、なくならないまでも規模が大幅縮小したりしてしまったら、それでいいのだろうか、と、そんなことを考えてしまうのです。


別に、ぼくはブックフェアを擁護する立場にもないし、そのつもりもありません。でもね、一方で、こうも思う。いいじゃないの、別に何の役にも立たないお祭りみたいなイベントが、業界に1つぐらい、1年に1回ぐらいあっても。


ブックフェア、たしかに、いろいろ問題はあるでしょう。でも、業界人と一般のお客さんが両方参加可能で、買い物するだけでもよし、セミナーや講演会だけをチェックするもよし、ふだんは紙派の人が電子のブースを、逆にふだんは電子派の人が紙のブースを、そんなにわざわざ感なくのぞけるような、本好きの人がシュリンクの機械や読書グッズだけを扱っている会社のブースをのぞけるような、そんな一緒くたのお祭りが1つぐらいあってもいいんじゃないの、と、ぼくはそんなふうに思うのです。


商談に役立つとか、何か特別なものが買えるとか、確実にこんなものが得られるとか、そういう場ももちろん必要だけど、そんな実利メインの集まりだけじゃつまらないじゃないですか。もともと、命に関わるような、日常生活品を扱っているわけじゃないんですから、我々の業界は。もうちょっと「遊び」があってもいいんですよ。


いったいなんの役に立つんだかわからないけど、でも、業界人と本好きが万の単位で集まるお祭り。そんな場を、1つも抱えておけないなんて、我々のいるこの業界は、いつのまにそんなに窮屈で余裕のないものになってしまったんでしょうか。もしそうだとしたら、ぼくは、この世界で仕事をしている者として、ほんとにさびしいと思います。


別に今のブックフェアがベストのかたちだとか、絶対に残さなくてはならないものだ、とか、そんなことが言いたいわけではありません。でもね、今、ブックフェアがなくなってしまったら、それでいいのか、という問いを、この世界で一緒に仕事をしているいろんな人に聞いてみたい気はしています。


前回のレポートにも書きましたが、業界唯一の大規模ブックフェアなのに、参加版元が減っているため、一般の人がよく知っている、有名な版元で参加していない社が実にたくさんあります。すると、お客さんの足が向かない。お客さんが来ないから本も売れない。また、出展をやめる版元が出てくる。悪循環ですよね。


参加している出版社にしても、本の割引販売「だけ」でお客さんにアピールするのはもう無理でしょう。新古書店も今ほどではなく、オンライン書店もなかったころならともかく、今は、新古書店やアマゾンのマーケットプレイスのように、新品かそれに近い本を安価で買える手段がいくらでもあるわけですから、交通費や入場料(を払っている人は少ないかもしれませんが)を払って、割引本を買いにいく、そんなお客さんでブースがあふれかえることを期待するのが、そもそも無理ですよね。


前回のレポートで、講談社のブースを見て、文庫だけか、みたいなことを言っていたお客さんを見かけたと書きましたが(もちろん、実際には講談社の展示は文庫「だけ」ではなかったわけですが、それはともかく)、たとえば、講談社学術文庫で生きているタイトルが全点そろっていて、しかも、在庫僅少本とか倉庫発掘本が放出される、となれば、反応する本好きはそれなりにいるかもしれない。昨年から今年にかけて図鑑のヒットが続き、新聞などでも複数回話題にのぼったことは空犬通信でも取り上げてますが、こんなときこそ、図鑑のライバル、小学館と学研が組んで、一緒に図鑑オンリーのブースを出して、土日には、「ふしぎ」や「くらべる」をキーワードにした親子向けの体験イベントを開くとか。


今年は辞書も話題になりましたよね。岩波書店と三省堂と小学館、それに光文社が組んで、辞書をメインにしたブースを出して、『舟を編む』に出てきたような辞書のゲラや用例カードの実物を展示したり、辞書の歴史がわかるような過去の名辞書たちを展示したり、三浦しをんさんと辞書編集者たちのトークイベントを開催したり。こんな地味なテーマでも、今年なら、確実に本好きの注目を集められますよね。


ライバルということで言えば、マガジンとサンデーの50周年のときのように、講談社と小学館が組んだり、文藝春秋と新潮社が組んだりして、ブースを出したり、共催イベントを実施したり。いずれも素人が駄文を書きながら練りだしたしょうもない案ばかりだけど、でも、出版各社がもう少し「社」とか「出展スペース」の枠にしばられないで、案を持ち寄ったら、一般のお客さんはもちろん、我々業界人にとっても新鮮なものが出てきそうな気がするんだけどなあ。


割引販売にしてもまだまだ工夫はできそう。せっかく安くなってても、単行本3冊も買ったら、正直、その後会場を回るのが嫌になるほどの荷物になってしまう。でも、送るとお金がかかって割引の意味がない。送料が無料になる(というサービスをそれぞれの版元がしているのかどうか知らないけれど)ほどは買えない。1500円買ったら送料無料なんて買い物になれているお客さんに、後でオンラインで、と思わせずにその場で買い物してもらうには、送料の点でもサービスできないか、考えるべきでしょう。版元に関係なく、会場内の出版社ブースで買った本の金額合計がある額を超えたら、送料を無料にするとか、宅配業者と組めば不可能ではないと思うのだが、どうだろう。

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吉祥寺書店合同フリペ「ブックトラック」が、吉祥寺経済新聞で紹介されました

先日、空犬通信でもご紹介しました、吉祥寺の書店3店(BOOKSルーエ、リブロ吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店)の合同フリーペーパー、「ブックトラック」が吉祥寺経済新聞で取り上げられました。



ブックトラック1

「ブックトラック」については、以前の記事でくわしく取り上げていますので、こちらもぜひご覧ください。「吉祥寺の書店3店合同のフリーペーパー「ブックトラック」ができました」


吉祥寺経済新聞の記事には、BOOKSルーエ、リブロ吉祥寺店の2店で配布中となっていますが、西荻窪のブックカフェ、beco cafeにも置いてもらっています。


取材を受けたのは、リブロの瀬之口さん。《エッセーに関してはそれぞれが自由に書いたのだけれど、不思議とお店の特徴とか雰囲気が出ていて読み比べてみるのも面白いと思う》
《書店同士、ライバルではあるのかもしれないけれど、それ以前に本が好きだし、こうした活動を通じて多くの人に興味を持ってもらい、本を購入するきっかけになってくれたらうれしい。吉祥寺の街から本屋さんを、ひいては本の業界自体を盛り上げていければ》と瀬之口さんの談話が、記事に引かれています。


次号、Vol.2については、まだ何も決めてないんですが、こんなふうに取り上げていただいた以上、次もすぐに決めないといけませんね。2、3か月後を目標に、次号もがんばりたいと思います。


【緩募】「ブックトラック」を一緒にやりたい、という吉祥寺の書店員の方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください。この3店がそろったのはたまたまで、他のお店の方も大歓迎です。吉祥寺の他の書店の方にも参加していただけたら、こんなにうれしいことはありません。


追記(7/9):啓文堂書店吉祥寺店でも配布されることになりました。



東京国際ブックフェア2012に行ってきました

昨日、7/6(金)、東京国際ブックフェア2012に参加してきて、疲れてダウン中の空犬です。ほんとなら、今日もビッグサイトへ、ブックフェアのシンポジウムに参加のはずだったんですが、半日歩き回った後に、夜はお酒を飲み過ぎたのがたたって、動けず、本日は断念しました(涙)。


さて。ブックフェアの印象をまとめておこうと思い、昨年、自分で書いた文章を読み返しみてみたんですが、出版社よりも電子系のほうが元気だったなど、今年のレポートもほとんど同じようなものになってしまいそうな感じです。昨年のレポートはこちら。(以下、個人的な印象を連ねただけの散漫なレポートです。)


TIBF2012 受付

↑受付の様子。ずいぶん並ばされました。毎年思うことだけど、この受付のシステム、もう少し効率よくならないものかなあ。毎年、名刺を集めて、会期前になったら、毎日のようにじゃんじゃん案内メールを送ってくるのだから、大量の告知メールを出す手間をかける分、その一部を事前登録に回したりできないのだろうか。サイトやメールで事前登録した人には、受付番号を発行し、当日は、そのプリントアウト、または、スマホやケータイの画面を見せれば、入場証を渡す、というシステムぐらい、簡単にできそうな気がするんだけどなあ。


会場は、コの字を左に90度傾けたかっこうをしているんですが(会場の様子はこちらで)、その3辺のうち、出版社は上辺と左辺、その3分の2ぐらいでしょうか(右辺は「クリエイターEXPO」と「ライセンシングジャパン」)。とにかく、版元が少ない印象です。講談社、集英社、小学館の大手3社、角川グループのブースはもちろんありましたし、それ以外でも、河出書房新社、ぴあ、廣済堂などが比較的大きめのブースを出していましたが、文藝春秋、中央公論新社、筑摩書房ら、昨年見かけた版元で今年は出展なし、という社もいくつか(追記:文藝春秋は昨年から出展していないとのとご指摘をいただきました。こちらの勘違いでした)


2階の電子出版EXPOで、もっとも大きなブースを出しているのは大日本印刷と凸版印刷。こちらのフロアでは、出版社ブースと違って、あちこちで小規模なトークやセミナーが行われていて、ヤフー/ボイジャーや、hontoのそれなどには人だかりが。割引販売中心で、これといった演し物のない出版フロアに比べると、いかにも派手に盛り上がっていて、本好きとしてはフクザツな気分にさせられます。


TIBF2012 電子

1階のブックフェアフロアでも、もっとも人を集めていたのは、廉価なリーダー、koboを発表したばかりの楽天でしょうか。デモ機をさわってみるぐらいはしてこようかな、と思っていたんですが、ブースは人でいっぱい、しばらく待っていてもデモ機があかないという混雑ぶり。お隣、出版界のトップ、講談社のブースがあきらかに割を食ってしまっていました。ぼくがたまたまこの近くにいたとき、講談社のブースをのぞいたあるお客さんが、ひとこと。「なんだ、文庫ばっかりか」。紙の出版社は、誰を相手に、何を見せるべきなのか、もっと工夫が必要なのかもしれません。


TIBF2012 楽天TIBF2012 kobo

↑楽天のブースとkoboのチラシ。りんかい線の駅、「国際展示場」のエスカレーター、左右の壁の広告もすべて楽天/koboでしたね。


TIBF2012 DNPTIBF2012 hontoTIBF2012 DNP Penguin

↑DNPのブースでは、ご覧のような冊子やノベルティ(クリアファイルと付箋)を配布、コンパニオンの女性によるhontoの紹介が中心のセッションも。店頭で、実際に本を販売し、hontoカードを発行、ポイントがつく様子をリアルに体験してもらう、といった趣向も。


TIBF2012 希望の灯

↑こちらは、ボイジャーのブースで配布されていた「希望の灯」。モノクロながら全20ページの立派な冊子になっていて、ボイジャーの荻野正昭さんのほか、文芸エージェントの大原ケイさん、編集者の津野海太郎さんらも寄稿しています。


TIBF2012 BookLiveTIBF2012 BookLive2

↑こちらは凸版印刷のブースで配布されていた、凸版グループのBookLive!冊子やチラシなど。アンケートに答えるともらえるクリアファイルのセットの中には、500円分のデジタル図書券がついていました。


以前は、各出版社が、社名入りのビニール袋や紙袋、豪華なところだとトートバッグなどに、自社の新刊チラシを詰めたものを配布したり、ボールペンなどの筆記具、付箋、メモ帳(新潮社の、新潮文庫型メモ帳を楽しみにしていたファンも多いはず)、とにかく、いろんなものを配っていた時代もありました。その頃は、ちょっと会場を歩くと、あちこちの社のそうした袋もので両手があっという間にいっぱいになってしまったものですが、最近では、そのように配布物を乱発する社はすっかりなくなりましたね。


今では、立派な冊子を作って、ノベルティと一緒に配っているのは、印刷/電子系の社ばかり。紙をばらまくのは、資源のムダという点でも感心しないし、ユーザもそんなものを欲しがっているとも思えませんが、ただ、ブックフェアは一種のお祭りなので、出版社も、もう少しがんばってもいいのかもしれません。自社の目録をブースに置いておく以外に、ほかにも何かできることはないのかなあ、などと、各社のブースを見ながら、そんなことを考えさせられました。


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ブックンロール2012、収支の報告です

先日のブックンロール、トーク&ライヴレポートの前に、まずは、収支のご報告をします。


    入場料 ¥158,000
    募金  ¥ 25,951
      小計  ¥183,951
    経費  ¥ 8,424
      合計  ¥176,000

「入場料」は出演者・スタッフを含め158人分。「募金」は吉っ読の集まりなどで事前に集めたもの、当日集まったもの、物販の売上からの分をすべて合わせた額です。「経費」は、資料の封筒などで、会場費はバンド出演者で負担したため、ここには含まれていません。合計から経費を引くと、¥175,527。端数は空犬がさらに募金を追加して丸めましたので、最終的な額は、¥176,000となりました


ブックンロール2012入金

これは昨年の倍。目標額は10万円ぐらいを考えていたのですが、それも大幅に上回ることができました。主旨にご賛同くださり、ご協力くださったみなさまに、あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。


事前の告知記事で予告していました通り、昨年に引き続き今回も、イベントで集まったお金は被災地支援として、仙台で本の関係の活動をされている団体、「こどもとあゆむネットワーク」に寄付しました。


寄付先を「こどもとあゆむネットワーク」に決めた経緯や、「こどもとあゆむネットワーク」の活動などについては、昨年のブックンロール、収支報告の記事にくわしく書きましたので、こちらをご覧ください。


お金は、本棚と、小学校の不足図書購入にあてていただくよう、入金時にメッセージを添えました本棚プロジェクトについては、サイトにくわしい説明がありますので、そちらをご覧ください)「こどもとあゆむネットワーク」の横田さんから、お礼のメールが届きました。一部、引用してご紹介いたします。


《福島県郡山の保育園(放射線量が高く外で遊べない)と石巻市の家庭文庫(2メーターほど津波が来たが2階で助かり、建物も物がぶつからなかったので助かり改修して文庫を始めた)に本棚は使わせていただきます。本は、石巻の雄勝小学校からの希望図書の購入に使わせていただきます。》


ブックンロール2012に集まってくださったみなさまに、あらためて御礼申し上げるとともに、以上、ご報告いたします。


東京国際ブックフェア(TIBF2012)、明日からですね

ブックフェア、明日からですね。


    第19回 東京国際ブックフェア(TIBF2012)
    会期:2012年7月5日(木)〜7月8日(日)
    会場:東京ビッグサイト

たくさん用意されている講演・セミナーのうち、書店関連で気になるものについては、以前の記事で紹介していますが、念のため、再度リストアップだけしておきます。


    【TB-2】書店の売場1
    「本屋はアナログなソーシャルネットワーク
    〜15周年を迎えた往来堂書店がいま考えていること〜」
    日時:7月5日(木)15:00〜16:00
    講演者:笈入建志さん(千駄木往来堂書店店長)

    【TB-3】書店経営
    「熊本発!老舗書店のチャレンジ」
    日時:7月6日(金)10:00〜11:00
    講演者:長崎健一さん(長崎書店代表取締役社長兼店長)

    【TB-5】書店の売場2
    「本屋ですが、ベストセラーはおいてません。
    〜本屋は本屋であるべきなのか〜」
    日時:7月6日(金)13:20〜14:20
    講演者:中川和彦さん(スタンダードブックストア代表)

    【TB-7】 書店と電子書籍
    「電子書籍をこれからの書店経営の力に
    〜紙と電子の融合によって書店の経営革新と新しい市場の創出を〜」
    日時:7月6日(金)15:00〜16:00
    講演者:鶴谷祿郎さん(鶴常書店/青森県書店商業組合理事長/日書連電子書籍対応部会部会長)

ぼくは、6(金)の午後と7(土)に行く予定です。