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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

伊勢丹吉祥寺跡地の「コピス吉祥寺」の続報です

最近はこの手の話題ばっかり、という感じがしないでもないですが、今日も吉祥寺関係です。この空犬通信でも何度も記事にとりあげている、吉祥寺の大型店出店問題ですが、その伊勢丹吉祥寺跡地の商業施設、「コピス吉祥寺」について、詳細な情報が、吉祥寺経済新聞にあがっています。「吉祥寺・伊勢丹跡に複合商業施設「コピス吉祥寺」-今年10月開業」(7/27吉祥寺経済新聞)。


記事によれば、《コンセプトは「吉祥寺スタイル・コミュニティー」。地域の人々が気軽に立ち寄れる「時間消費型」「滞在型」商業施設を目指す。ターゲット層は20代後半から30代前半のニューファミリーとその親の3世代が中心。》とのこと。はは、わたくし空犬のような40代は微妙にはずされてますな(苦笑)。


施設の中身、店舗についても、くわしく紹介されています。《施設は、地下1階~7階のA棟と、地下1階~8階のB棟に分かれ、「ファッションストリート」(1階~2階)、「デイリーライフソリューション」(地下 1階)、「ママ&キッズ」(3階)、「ライフスタイルソリューション」(4階~8階)の4カテゴリーでフロアを構成する。敷地面積は6,262平米。延べ床面積は4万6,021平米。108店舗が出店する予定。》


気になる出店予定店舗の中身ですが、こんな感じ。《大型書店「ジュンク堂」(1040坪)、玩具・文具店「キデイランド」(303坪)、インテリアショップ「KEYUKA」(255坪)、アウトドアショップ「ICI 石井スポーツ」(450坪)、ファッションセレクトショップ「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」(102坪)と「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」(104坪)、ファッションショップ「ノーリーズ&グッドマン」(143坪)、セレクトショップ「プラステ」(74坪)、スーパーマーケット「三浦屋」(280坪)など。》サンロードからいったんはなくなってしまった「三浦屋」が吉祥寺復活ですね。あと、飲食関係では、《レストランの出店はないが、カフェや喫茶店の出店は予定する。》とあります。


そのほか、詳細は、同記事をご覧になってみてください。「コピス吉祥寺」のロゴ(ブランドマーク)もアップされてますよ。


ブックンロールの予約方法です

吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」で、8/20に予定しているイベント「ブックンロール」の予約方法を、この後、吉っ読のブログにアップします。興味をお持ちいただける方は、吉っ読ブログをご覧ください!


ブックンロール、明日予約を受け付けます!

しつこいぐらいの案内で、すみません……。本と書店に関するイベントのご案内です。


吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」では、8/20に吉祥寺で、イベント「ブックンロール」を開催します。これは、本・書店・吉祥寺がテーマのイベントで、ブックトーク2本がメインになっています。そのほか、ちょっとだけ音楽ネタの演し物もあります。


ぜひ、ぜひ、本・書店・吉祥寺に興味のある方に広くおこしいただければと思います。どなたでも大歓迎なのですがとくに、書店関係の方、吉祥寺・中央線沿線の書店を利用している一般のお客様に来ていただけるとうれしいです。リブロ吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店、ブックファースト吉祥寺店の方、さらにこれから吉祥寺にこられるジュンク堂書店関係の方など、吉祥寺の書店関係の方がもしご覧でしたら、ぜひ遊びに来てください。吉祥寺の書店関係の方は、とくに大歓迎です。


ほんとうならば、興味をお持ちくださったみなさまに自由に来ていただけるといちばんいいのですが、残念ながら会場の関係で、人数を制限せざるを得ない状況です。そこで、(ちょっと偉そうな感じで申し訳ありませんが)、事前に予約をとるかたちにさせていただきます。予約の方法などの詳細を、明日の昼ごろ、吉っ読のサイトで告知します。もし、興味をお持ちくださった方がいらっしゃいましたら、明日、吉っ読のサイトをのぞいてみてください! よろしくお願いします。


リブロ渋谷の「うらなつ2010」、見てきましたよ

今日は打合せと書店回りで外出。その合間に、リブロ渋谷店で展開中のフェア「うらなつ2010」をのぞいてきましたよ。


うらなつ2010 1うらなつ2010 2うらなつ2010 3

↑夏文庫と同じ平台で、こんな感じに展開中。昨年に比べるとちょっと数が少ないのかな。



以前の記事で一度紹介したこのフェア、《各社恒例の夏の100冊文庫だけが文庫じゃない、他にもたくさんオススメ文庫があるぞ!と始まった、つまり「おもて」に対して「うら」の文庫をご紹介》というもので、今年が5年目。


写真でご覧いただける通り、すべての本に、手書き(一部そうでないものも)の帯がかかっています。この帯のイラストがかわいくて、なかなかいい感じ。


わたくし空犬も、昨年に引き続いて参加させてもらっていたりします。自分が選んだ本がどんな感じかはやっぱり気になるもの。ぜんぜん売れてなかったりしたら、申し訳ないしね。で、店頭で、端から端まで見てみたんだけど……ない。あれれ、売れなくてはずされちゃったのかなあ、それとも、売れてしまってないのか(残念ながら、それはなさそうだ)。


一生懸命探してたら、選んだ本の1つは、目立つところに面陳になっていて、かえってそのために気づかなかったんですが、1冊しかない。しかも、がんばって造ったのと、違う帯がかかってる……あまりに字がきたないから、ボツられてしまったのかなあ(涙)。見るに、ぼくのそれよりも、もっとカオスな描き文字の帯もあるようなんだけどなあ。ちょっと残念。


知り合いのAさんがいなかったので、継続期間とかくわしいことは聞けなかったんですが、まだしばらく展開されていそうな感じ。夏文庫、3社のほかに、お店独自のものを展開しているところはいくつかありますが、渋谷で見るかぎりでは、リブロだけかな。渋谷で本をお探しの際は、ぜひぜひ、リブロ渋谷店の「うらなつ2010」のチェックを、よろしくお願いします。


またしても書店出店ニュースが?!……今度は池袋

先日、このネタをツイートしたら、たくさんの方から反応がありました。やっぱり、なんというか、書店に関心のある方にとってはやはり驚きというか、ふつうでないというか、そんなニュースに思えますからね。


新文化はじめ、主なメディアではまだ報じられていないし、プレスリリースも出ていないようなので、これといった記事が引けないのですが、三省堂書店が池袋に出店することが決まっているようです。三省堂書店のサイトに、求人の案内があがっています。


場所は、西武池袋本店9F南ゾーン、つまり今LOFTが入っているあたりですね。LOFTのフロアの一部を削ることになるのか、最近フロアの様子を見ていないので、詳細はわからないのですが、池袋の書店にいる知り合いによれば、いま、フロアの一角が工事中のようですね。オープンは、9/7。広さは100~200坪規模ではないかと。


実はこの件、しばらく前から、噂は聞いていたのでした。差し障りがあるので、正式に発表されるまでは書かずにおこうと待っていたのですが、いやはや、いまこうしてあらためてまとめてみて思うのですが、すごいニュースですよね、これ。


だってね、西武百貨店のなかですよ。それも、池袋店。リブロの本丸が入っているところですからね。まさか、そのなかに、別の系列のチェーンが入るなんて……。いま資本関係がどうなっているのか、よくわからないのですが、リブロといえばもちろん、もともと西武系の書店。三省堂書店が入ることになるエリアも、もともとは西武ブックセンターが入ってたところなんですよね。小田急百貨店に三省堂書店が入っている新宿のような例とは、まったく違う話なのですよ。


どういう偶然か、来月8月には、こんな本が刊行されるようです。


  • 『「今泉棚」とリブロの時代』(論創社)

まだくわしい内容はわかりませんが、リブロが池袋を、いや、東京を代表する書店だった時代を描いた本なんでしょう。偶然にしては、出来すぎの刊行だよね、これって……。


池袋は、過去にも「書店戦争」と呼ばれるような事態を経験してきている街ですが、今回の出店は、これまでの大型店出店がもたらした戦争状態とは、ぜんぜん質の違う事件だと思うのです。最近の書店の出店状況については、こんな記事を書きました。吉祥寺でも、渋谷でも、この秋、大型出店で、大きく書店事情が動くわけですが、まさか池袋でも、とは……。


この件、また新しい三省堂書店のお店のことなどわかりましたら、あらためてご報告したいと思います。


「欧文活字のバイブル」本にうっとり

実に、実に美しい本だなあ。


  • 高岡重蔵『欧文活字』(烏有書林)



本日の昼休み、岩波ブックセンターで購入したもの。これは、《優れた欧文組版で海外での評価も高い嘉瑞工房の高岡重蔵氏が1948年に著した名著『欧文活字』が、新たに巻頭・巻末付録つきの新装版として復活。》という1冊。

先日の朝日新聞でも紹介されてましたね。「欧文活字のバイブル」(7/25朝日新聞)。


新装版は、《本文を新組に、巻頭には現嘉瑞工房代表の高岡昌生氏の活版原版刷作品4点、巻末には高岡重蔵氏のタイポグラフィ習作集「Light up won't you?」とタイポグラフィ作品集「Wandering from type to type」を付した。》となっていますから、旧版をお持ちの方もチェックの必要がありそうです。


なにぶん欧文金属活字の解説書ですから、広く一般の方向けとは言い難い。でもね、別に活字や印刷の専門技術的なことがさほどわからなくても、まずはあなたが本、モノとしての本を好きなら、この本をぜひ手にとってみてほしいのです。この本におさめられた活字の美しさ、レイアウトの美しさは、感動的というかちょっと圧倒的で、専門知識の有無など関係なく読み手に伝わってくるものです。本の世界には、電子なんとかには交換不可能な世界がまだまだ多く残されていることを実感できるはずだと思うのです。シンプルなカバーに包まれた文庫判上製という造本も美しくて、すてき。


《活字組み版技術者のバイブルといわれ版を重ねた名著》、そういう本が、電子書籍元年といわれるこの年に復刻されるなんて、うれしいではないですか。ねえ。




↑最近、空犬通信で取り上げた本のなかで、たとえばこういう本たちにご興味のある方にはおすすめです。


京王新宿の東西老舗古書市、本日からですよ

夏と言えばデパートの古書市……かつては、そういっていいほど、古書市は、本好きにとって夏の風物詩の1つだったんですが、最近はすっかりさびしい状況。そんななか、都内で、一人気を吐くのが京王百貨店新宿店。今年もやりますよ、「東西老舗古書市」! と、紹介しなくちゃと思ってたら、今日からでした!


    第60回東西老舗大古書市
    会場:京王百貨店新宿店 7階大催場
    帰還:2010年7月29日(木)~8月3日(火)

京王古書市2010

↑京王の古書市といえば、毎度おなじみ、猫のポスター。神保町古書街の店頭で見かけたポスターをパチリ。


今年は、数字の区切りもいい第60回。デパートの古書市が次々に姿を消すなか、60回を迎えるというのは本当にすごいことだと思います。ぜひ、これからずっと続いてほしいですね。


というわけで・古書市存続のためにも、古本者は応援しなくてはなりません。関東近郊の古本者のみなさんは、迷わず新宿に駆けつけてください。


石井輝男のドキュメンタリー、そしてシネマヴェーラで特集上映

お待たせしました。乱歩関連ニュースです。乱歩映画ネタ、追加です。



石井輝男

ユーロスペースの内容紹介によれば、《石井輝男没後5年記念・ドキュメンタリー活動大写真》《『恐怖奇形人間』『徳川女刑罰史』『網走番外地シリーズ』『盲獣VS 一寸法師』『ねじ式』など―数多のカルト的名作で知られる鬼才、石井輝男の知られざる創造の秘密に迫る初のドキュメンタリーを目撃せよ!》というもの。


この通り、ストレートな意味での乱歩映画ではないのですが、上の紹介文にもある通り、『恐怖奇形人間』『盲獣VS 一寸法師』といった、乱歩ワールドを映像化したことのある監督のドキュメンタリーですから、乱歩ファンも要チェックといっていいでしょう。



↑こちらは本。



このドキュメンタリー公開に合わせて、ということなんでしょうか、シネマヴェーラ渋谷では、こんな特集上映もあるようです。「石井輝男 怒涛の30本勝負!!」


この特集では、『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の上映もありますから、乱歩者は見逃せません。今でこそ、輸入版DVDがふつうに入手できるようになったこともあって、一時期のような、なかなか観られない映画ではなくなっている感もありますが、なにしろ、《江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」他の数篇を基に描かれた、乱歩もたじろぐキング・オブ・カルトムービー。土方巽扮するせむしの男・丈五郎の企む戦慄すべき計画殺人と、禁じられた兄妹の恋の行方は…?荒波をバックに乱舞する土方を見よ!女装姿の小池朝雄、大泉滉&由利徹コンビの死体運びも必見。》(シネマヴェーラの内容紹介より)という、控えめに書いてもこのようなヤバすぎる紹介文になっちゃうような映画ですから、スクリーンで観る機会がそんなに多くない作品であることには変わりありません。


かくいうぼくも、残念ながら、一度もスクリーンでは観たことがないので、今回はいいチャンス、ぜひ渋谷に駆けつけようと思っています。





『石井輝男映画魂』は、8/7からユーロスペースで、「石井輝男 怒涛の30本勝負!!」は7/31からシネマヴェーラ渋谷で。乱歩者はお見逃しのありませんよう。


量子、宇宙開発SF、横溝正史……今日ルーエで買った文庫たち。

今日は、吉祥寺で本仲間数人といっぱいやってきて、昨日に引き続き、ゴキゲンで帰宅の空犬です。


そうそう、吉祥寺と言えば。昨日の記事に書いた伊勢丹跡地の施設、名称が「コピス吉祥寺」となった件。こぴす、ってどんな意味なんだろうなあ、とつぶやいたら、早速「雑木林」ってことらしいよ、とご教示いただきました。ありがとうございます。


一応、ことばで飯を食っている身なので、自分でもちょっと調べてみました。「コピス」は英語で、綴りはcoppice。いくつかの英和辞典にあたったところ、たしかに「雑木林、低木林」という意味のよう。動詞の用法もあって、樹木などを刈り込んだり、間伐したりという意味なんだとか。Wikiにはcoppicingで項目が立っていますね。


カタカナ語としてはこなれていない語なので、一般の方にはイメージがわきにくいと思うのですが、要するに、総床面積が18,000平方メートル、店舗数が108という施設ですから、タイプの異なるいろいろな店舗が雑木林のように集まっているというような感じでつけられたもの、ってことなんでしょうか。まあ、商業施設の意味なんて、ふつうの人にはどうでもいいのかもしれませんけどね。だって、誰も、ルミネ、パルコ、ららぽーとが、どんな意味か、何からつけられたのか、なんて気にしないもんね。


今日は飲み屋に移動する前に、いつものようにBOOKSルーエに立ち寄り、飲みの前のわずかな時間で、いろいろ買い物をしてきましたよ。


  • 大森望・日下三蔵編『量子回廊 年刊日本SF傑作選』(創元SF文庫)
  • 中村融編『ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー』(ハヤカワ文庫SF)
  • 横溝正史・真山仁『真山仁が語る横溝正史 私のこだわり人物伝』(角川文庫)



SFアンソロジー2点については、近々にくわしい紹介を。とくに、後者は、SFといえば宇宙もの、という感じでジュブナイルの洗礼を受けたオールドタイマーにはうれしい企画もの。読むのが楽しみな1冊。


横溝正史は、いつだったか記事に取り上げた、「私のこだわり人物伝」とあるから、乱歩と同じ造りの文庫かな。NHKのテキストを持っている人が買うべき本とも思えないし、実際、早速という感じでAmazonには、その安易な本作りを批判するコメントもあがっていたりしていて、ファンとしても微妙な本であることはたしかなんだけど、でも、かといって買わないでいるのもねえ。ってわけで買ってしまった。それにしても、ぺらぺらな文庫だ……。



↑横溝ファンならすでに持っているはずのNHK元版。




↑乱歩の、NHK元版と角川文庫版。



多和田葉子さんの書き下ろし新作が出ましたよ

新作が出たら必ず、しかも即、買うという作家はそれほどたくさんは、というかあんまりいないんですが、その数少ない現役お気に入り作家の新作が出ました。


  • 多和田葉子『尼僧とキューピッドの弓』(講談社)



講談社の100周年書き下ろしの1冊として刊行されたもの。帯には、《官能の矢に射られたわたしは修道女 》とあります。予備知識なしで、そして、じっくりゆっくり読みたいので、内容紹介などは目に入れないようにしています。これから、毎晩深夜、寝る前に少しずつ読んでいくつもり。楽しみ。


伊勢丹吉祥寺跡地、施設名が決まったようです……コピス吉祥寺

今日は、知り合いのジュンク堂書店の書店員さんたちと飲み会、気持ちよく酔っぱらって帰宅の空犬です。


一刻も早くふとんにもぐりこみたいところなんですが、吉祥寺関連の重要ニュースがありましたので、これだけ報告しておきます。旧伊勢丹吉祥寺店の跡地に入る商業施設の名称と、主要テナントが報じられましたね。「吉祥寺・伊勢丹跡にファストリの新ブランド店」(7/26日本経済新聞)。


記事によれば、施設の名称は「コピス吉祥寺」。「コピス」……どんな意味なんでしょうか。《幅広い顧客層から支持される複合商業施設を目指す》のだそうです。


メインの店舗になるような報道をされていたH&Mは、結局出店見送りのようです。同記事で、主要テナントとして紹介されたのは、ビューティアンドユース(ユナイテッドアローズのカジュアル衣料店)、プラステ(ファーストリテイリング系列の服飾新ブランド店)。もちろん、既報のジュンク堂書店がこれに加わり、そのほか、ICI石井スポーツが入るようです。最終的な店舗数は108、合計店舗面積約1万8000平方メートル、とのこと。


こうして、具体的なブランド名や、店舗数や、広さをあげられても、なかなかイメージがわきませんね。どんなふうになるのかなあ。


それにしても、やはり気になるのはジュンク堂書店の出店、そして近隣書店への影響です。先日、吉祥寺の書店出店事情についてこんな記事を書き、そのことをツイートしたら、今日、直接知っている方、blogやtwitterでしかご存じない方あわせてたくさんの方から、コメントやRTやメールをいただきました。うち、何人もの方が、ルーエがどうなるのか、と、心配してくださっています。


ルーエの店員でもなんでもない者が言うのも変な話なんですが、でも、ルーエのみんなと一緒に「吉っ読」だのイベントだのをやってる者として、お礼を言わせていただきます。心配してくださったり、応援してくださったりしたみなさま、ありがとうございました。ちょっと感激してしまいました……。


ルーエをはじめ、吉祥寺の書店を応援するために、個人でできることはなんでもしようと思っています。はたからみたら、素人のお遊びに見えるかもしれないイベント「ブックンロール」もその一貫だと思って、真剣に取り組んでいます。ルーエを、吉祥寺の書店を応援してくださる方、気にかけてくださる方は、ぜひ「ブックンロール」に来てください。今週末に予約受付開始の予定です。


ブルース・リー、ゴジラの中身、大映特撮……最近買った本たち。

またかよ、という声が聞こえてきそうですが、はい、やっぱりこんなものばっかり買っている空犬です。


  • 江戸木純『世界ブルース・リー宣言』(洋泉社)
  • 中島春雄『怪獣人生』(洋泉社)
  • 特撮ニュータイプ編『大映特撮映画大全 大怪獣空想決戦 ガメラ対大魔神』(角川書店)



いったい、いくつのお子様の買い物リストだよ(苦笑)。ねえ。


まずはブルース・リー本ですが、帯を見てください。《いま、世界にはブルース・リーが足りない》……わかるようなわからないような、とにかく威勢だけはやけにいい文字が躍っています。これを見て、本書を買いたくならない男子とは一緒にビールは飲めないと思います。……ああ、そうか。ぼくに飲み友だちが少ないのは、だからなのかっ! あちょーっ!


『怪獣人生』……もうタイトルだけで買いですよ。誰のどんな本であっても、もうそんなことはどうでもいい、と思わせます(思いますよね?)。しかも、それが「元祖ゴジラ俳優」中島春雄さんの初著書となれば、それで本書を買いたくならない男子とは……(以下、繰り返し)。これまた帯がふるってて、古谷敏氏のコメントがすばらしい。ぜひ、店頭で実物をご覧いただきたいので、ここではあえて引用しないでおきましょう。




ところで、リビングに置いてあったこの本の書名を見た娘がひとこと。「パパみたいな人?」……いや、そのような感じがするかもしれないが、ちょっと違うんです、なんていうか、いろんな意味で(苦笑)。


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待ってました!……のはずだったんですが…… YMOの新作写真集

娘の夏休みの宿題、答え合わせと丸付けを頼まれ、始めてみたはいいものの、単純な割り算や筆算とはいえ、これだけあると(何十問もある)いちいち計算しながらのチェックは大変だなあ、と、汗かきながらせっせとやってたら、「パパ、答えあるよ」って、ええーっ、それを早く言いなさいな、って、ねえ、そしたら「(脳の)しわが増えてよかったかもね」って、いったいどこでそんな返し技をおぼえたんだと、なんだかいいように娘に遊ばれている感じがしないでもない、という一日を過ごした空犬です。


書店の出店がどうのこうの話が続いたので、もう少し気軽な、あれを買ったこれを読んだの話を何本か続けたいと思います。まずは、こちらから。発売を楽しみにしていたYMOの写真集が、先日、ようやく届きました。


  • Yellow Magic Orchestra+鋤田正義『Yellow Magic Orchestra×SUKITA』(TOKYO FM出版)



本来なら、わーい、となるところなんですが、これ、び、微妙だなあ……。化粧箱入りで、圧倒的なボリュームはうれしいんだけど、造本がちょっとなあ、なのです。(以下、批判はしないの空犬通信の原則をまげて、やや批判的な書き方をしていますので、興味のある方のみお読みください。)


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ブックンロールのご案内、ふたたび

本と書店に関するイベントのご案内です。


吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」では、8/20に吉祥寺で、本・書店・吉祥寺をテーマにしたイベント「ブックンロール」を開催予定です。本・書店・吉祥寺に興味のある方に広くおこしいただきたいと思います。どなたでも大歓迎なのですがとくに、書店関係の方、吉祥寺・中央線沿線の書店を利用している一般のお客様に来ていただけるとうれしいです。リブロ吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店、ブックファースト吉祥寺店の方、さらにこれから吉祥寺にこられるジュンク堂書店関係の方がもしご覧でしたら、ぜひ遊びに来てください。吉祥寺の書店関係の方はとくに大歓迎です。


なお会場の関係で、自由に来ていただくというのがむずかしいため、(ちょっと偉そうな感じで申し訳ありませんが)、事前に予約をとるかたちにさせていただきます。予約の方法などの詳細を、吉っ読のサイトで告知しますので、よろしければご覧ください。

花火を見ながら、やっぱり吉祥寺の書店のことが気になって

なにやら音が聞こえてくるので、ベランダから外をのぞいて見れば、ちょっと遠いけど、花火があがっているのが見えました。調布の花火大会でした。部屋の電気を消して、しばし家族で花火を鑑賞。ちょっと得した気分の空犬です。




昨日記事に書いた、ブックファーストアトレ吉祥寺東館店が9月21日にオープンの件、ひと晩たった今日もずっと気になっています。

書店だって営利でやっていることですから、別に出店しちゃいけないとか、すべきだとかは言いません。でもねえ、それでも限度ってあると思うのですよ。


吉祥寺書店マップを作ってイベントで配布しようと思い、そのために吉祥寺の書店事情を調査、先日、吉祥寺の書店リストを、「吉っ読」のサイトにアップしました。ご覧いただければわかると思いますが、すでにこれだけたくさんの書店があるわけです。リストには、この秋に加わる2店も入れてありますが、その2店がない状態でも、けっこうな数であることはおわかりいただけると思います。


そして、これだけの書店を抱える街に、1100坪の大型書店の出店が報じられたばかり。そのような状況下での、今回のブックファーストの出店のニュース。同店は、ロンロンあらためアトレ本館の改札階にすでに135坪の店舗をもっています。立地的には、数ある吉祥寺の書店のなかで、圧倒的に有利な立場にいるわけですよ。そんなチェーンが、別の改札直結の建物にも出店だなんて……。こっちを通るお客さんも、あっちを通るお客さんも、全部つかまえちゃえ、ってことなんでしょうか。いくらなんでも、それはなあ、という気がします。


吉祥寺は、街の人気が一人歩きしている感がありますが、地元の方、日常的に利用している方ならよくご存じのように、商圏としては実はすごく狭い。東西南北どちらに歩いても、すぐに繁華なエリアは終わりで、周りはふつうの住宅街です。別に最近になって商圏が広がっているわけでもないし、学校ができたりなど読書人口を増やすような変化が最近あったわけでもないのです。なのに、書店の数だけ増やしてどうするのさ……。


別の街の話ですが、ある書店の出店の「噂」を聞いて、しばらく前の記事にこんなことを書きました。


《渋谷のそれといい、吉祥寺のそれといい、いったい、東京の書店事情はどうなっちゃったんでしょうか。電子で大変なときにさ、無茶な出店計画で、同じ業界内で苦しめあうようなことしてる場合じゃないじゃん。ほんと、そんなの、やめようよ。すでに書店があるところに、ある規模以上のお店を出したりしたら、今の状況下では、お客さんの層の拡大につながる可能性はそんなにないでしょう。確実に、そこでこれまで商売をしていた人たちの取り分を減らすことに、つまり、ただでさえそんなに大きくはないパイを取り合う、食い合うかたちになることは、ちょっと考えたら、っていうか、考えなくてもわかることじゃないですか。》


酔っぱらって書いてるので、ちょっと文章がぐだぐだですが、でも思うところは、素面の今も同じです。続きにこんなことも。


《ジョージ・ハリスンは、こう歌ってます。「この世界はバースデイ・ケーキみたいなものさ(All the world is a birthday cake.)。ひときれとってもいいよ(Take a piece.)。でも、とりすぎちゃだめだよ(But, not too much.)。」(”It's all too much”より)》


ところで。書店と言えば、書店好きの間では以前からそのすごさが噂になっていたこちらのblog、最近ちょっと休止中のようだったのが再開、今日、新しいエントリーがアップされていましたよ。「めざせ!書店営業100店舗」


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またまた吉祥寺に新しい書店が?!

ふだん、よほど観たい映画があっても公開初日に駆けつけたりすることはないんですが、これ、初日の今日、観てきちゃいましたよ。『インセプション』


クリストファー“ダークナイト”ノーランの新作ですから、ダークナイト派の空犬としては、そしてあの予告編を繰り返し見せられちゃった者としては、観にいかないわけにはいきませんよね。


この映画については、ちょっと印象が落ち着いてから、あらためて感想をアップする予定です。とりあえず、すごかった、とだけ報告しておきます。


さて、今日は、吉祥寺書店関連で新しいニュースを聞いたので、ご報告します。「ブックファーストアトレ吉祥寺東館店が9月21日にオープンします!」(7/23ブックファーストTopics)。


記事によれば、今秋、9月21日、もとのロンロンエキサイツ館あらためアトレ吉祥寺東館の2階、つまり、もとユニクロがあったあたりに、ブックファーストアトレ吉祥寺東館店がオープンするとのこと。


アトレ本館に135坪の店があるのに、なんでまたこんな近くに……と思われるでしょうが、プレスリリースによれば、このようなお店になるようです。《新たに東館にオープンする当店は、話題の新刊やメディア関連書籍はもちろんのこと、本館のアトレ吉祥寺店にはない充実したコミック売場を設け、エンターテインメント性の高い空間を提供します》。


専門、ではないようですが、コミックに特化した店になるようです。広さは、約67坪。ぼくは、コミックをあまり、というか、ほとんど読まないので、個人的な影響や興味はあまりないんですが、近隣の書店、とくに、北口側で、コミックのファンをがっちりつかまえてきたBOOKSルーエには影響があるでしょうね。ただでさえ、10月の黒船来襲で大変なときに、またこんな出店があるとは……。


さらに、《隣接するカフェのコーヒーを飲みながら、書籍をご覧いただけるスペースを設置します》ともあります。


この件、最初の情報ソースは、オクーさんオクーさん、ありがとうございました! 吉祥寺の書店関連ニュースは、だいたい地元経由か、業界経由で噂が聞こえてきたりするものなんですが、この件は、コミックがらみだったせいか、伊勢丹跡地大型出店の件に隠れてしまっていたせいか、ぜんぜん知らなかったので、今日、twitterで知らされて、本気でびっくりしてしまいましたよ。


というわけで、ますます混沌の様相を見せ始めた、吉祥寺の書店地図。これは、ますますブックンロールを8月に開催することの意味が増してきた、とも言えそう。


吉祥寺の書店事情、またくわしいことがわかり次第ご報告しますが、空犬通信でフォローできていないような情報をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報をお寄せください。お願いします。



池袋東武で乱歩展、そして、神保町では『少年探偵団』上映

吉っ読バンドのスタジオ練習を終えて、先ほど、帰宅したばかりの空犬です。さて、今晩は乱歩関連ニュース、それも2件ありますよ。


まずは、こちら。「「甦る江戸川乱歩の世界展」が池袋・東武百貨店にて、7月22日(木)から8月4日(水)まで開催されます」(7/21東京創元社)。乱歩がらみの展覧会では、先日の丸尾末広展、それから数年前に同じ東武池袋で開催された乱歩展がありました。さすが、乱歩に縁の深い池袋です。


    「甦る江戸川乱歩の世界展」
    日時:2010年7月22日(木)~8月4日(水)
    会場:東武百貨店池袋店(6階美術画廊)

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」のイベントの1つとして開催されるものだそう。デパート内の美術画廊での開催で、入場は無料とのことですから、それほど規模の大きなものではなさそう。ただ、「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」の案内を見ると、戦前の本や各種ポスター・装画などが展示されるみたい。こういうのは、乱歩ファンは何度見てもいいものですからね。やっぱり出かけなくてはなりますまい。


《同イベントの期間中、立教大学敷地内にある旧江戸川乱歩邸の特別公開も実施される予定です。》とあります。これまでにも公開されたことがありますが、見逃していたという乱歩ファンがいたら今回はチャンスです。連日の猛暑で、都心へのお出かけはつらいものもありますが、乱歩者のみなさんは、ぜひ全速力で池袋に大集合願います。


もう1つは映画ネタ。乱歩映画関連では、今はなんといっても、先日も紹介しました、ベルリン映画祭の受賞他で期待の高まる『キャタピラー』につきるわけですが、こんなのもありますよ。「昭和の子どもたち」。名作からマイナー作まで、渋すぎるラインナップで邦画ファンを驚喜させまくっている神保町シアターのプログラムです。


昭和の子どもたち
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ルーエの夏フェア「ダイナマイトスキャンダルサマー2010」

いやあ、暑い一日でした。まさにビール日和。これは、誰かつかまえて、ビアガーデンにでも繰り出すか、と思ったんですが、そういうときにかぎって、ビア友がつかまらず。しかたなく、新宿で独りで映画を観て、ノンアルコールで帰ってきました。


帰り、吉祥寺、BOOKSルーエに花本氏を訪ね、いつものようにおしゃべり&お買い物。先日の記事で紹介したBOOKSルーエ独自のフェア「ダイナマイトスキャンダルサマー2010 ルーエ伝説の50冊」。まだPOPのついていない本も少しありますが、すべての本がディスプレイされたとのことなので、写真を撮らせてもらってきましたよ。


ダイナマイトスキャンダル2010 その1

↑棚全体の写真も撮ったのに、PCに取り込む際にミスって、消去してしまった……。というわけで、棚上のミニポスターを。棚のほうは、店頭で確かめていただく、ってことで。


夏のフェアというと、文庫が定番ですが、このフェアは、1人の選者が文庫+単行本をセレクトするスタイル。文庫と単行本のセレクトの基準は、選者にまかされていて、2点に、あきらかに共通したテーマやノリがあるものもあれば、ぱっと見ただけではつながりがわからないものも。それが、選書に幅を生んでいて、いい意味でのばらばら感に満ちた、おおもしろい棚になっていますよ。


ルエ伝&ダイナマイトスキャンダル

↑この通り、フェアの冊子もあります。フェアでセレクトされた本すべてについて、選者のコメントが寄せられています。これを読めば、くわしいことは全部わかってしまうんですが、ぼくは中身は読まないようにしています。やっぱり、店頭での出会いを大事にしたいし、コメントも、冊子で読んじゃうよりも、店頭で、POPに書かれた状態で読むほうが楽しいですからね(なお、冊子コメントの文章とPOPの文章は同一でないものもあります)。


先の記事にも書きました通り、わたくし空犬も選書に参加させてもらいました。どんな本を選んで、どんなコメントを寄せているか、ぜひルーエに見にきてください。ちなみに、POPは、選者本人が自分で書いたり作ったりしているものが多いんですが、ぼくは花本くんにまかせてしまいましたので、空犬直筆POPではありません。


今日のお買い物本はこちら。


  • 枡野浩一『結婚失格』(講談社文庫)
  • 堀田純司『スゴイ雑誌 「業界誌」の底知れない魅力』(講談社文庫)
  • 大崎悌造『昭和子どもブーム』(学研ビジュアル新書)



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岩波少年文庫創刊60年、そしてランサム・サーガ刊行開始

岩波少年文庫が創刊60年なんですね。おめでとうございます。創刊60年記念新刊として、5点が同時発売されたようですが、なかからこの2冊を、今日、ジュンク堂書店新宿店で買ってきましたよ。


  • アーサー・ランサム『ツバメ号とアマゾン号』上下(岩波少年文庫)



うわ、ランサムだ……なつかしすぎますよ、これ。小学校のとき、熱心に読んだもんなあ。以前は共訳で出ていいましたが、今回のは神宮輝夫先生単独の新訳だそうです。ああ、うれしいなあ。夏の読書にぴったりではないですか。




↑ぼくが小学生時代に読んだのは、このハードカバーの全集で。


ちなみに、アーサー・ランサムの作品、〈ランサム・サーガ〉なるシリーズ名で、全12巻が順に岩波少年文庫入りになるようです。


ところで、この創刊60年の岩波少年文庫。こんな記念冊子が出ていますね。


岩波少年文庫60周年冊子

店頭で無料配布されているほか、岩波少年文庫のサイトからPDFをダウンロードできます。60年の歴史がコンパクトにまとめられていて、テーマ別に代表作が紹介されているほか、造本の変遷をまとめたページもあります。


その造本の変化でいうと、個人的になつかしいのは、ソフトカバーの軽装版になった、1974年以降の版。1985年に、創刊35年記念として、カラーのカバーがつくのですが、それまでは、カバーもなくて、表紙も4色じゃなかったんですよね。今のカラーカバー付きと比べると、ずいぶん地味なんですが、ぼくが小学校で読んでいたのは、この造本なので、やっぱりいちばん思い入れがあります。神保町のみわ書房など、児童書を置いている古本屋さんで見かけると、ついつい、なつかしくて手にとりたくなります。


この冊子では、荒井良二さんや、上橋菜穂子さんら、著名人数人が、「わたしの好きな少年文庫」をそれぞれ3点あげています。自分だと何かなあ、と考えてみました。セレクトするときにむずかしいのは、好きな作品でも、少年文庫で読んでいるとはかぎらないことなんですよね。さきのランサムもそうだし、『星の王子さま』『くまのプーさん』『たのしい川辺』、ドリトル先生のシリーズなども、それぞれ箱入り上製本で読んでます。ケストナーも、全集のほうで読んでいる。自分が子どものときに、岩波少年文庫で読んだものを、冊子を眺めながら思い出しつつうんうん考えたら、こんなセレクトになりました。




これからの新刊も楽しみですが、10月には、リクエスト復刊として、一気に18冊が発売されるようです。なつかしい書名がたくさん含まれていますから、かつて岩波少年文庫で児童書を熱心に読んだオールドファンはもちろん、これから新たに自分で読んだりご自分のお子さん与えたりという方も、要チェックですよ。

拍手コメント

当方の駄文を読んで、拍手を残してくださる方がいらっしゃるようで、ほんと、ありがたいことです。しかも、コメントを残してくださる方まで……。ありがとうございます。


ところで。すみません、もう何年もこのblogやってるくせに、いただいた拍手コメントに返すにはどうしたらいいのかわからず、そのままになっています。コメントを残してくださったみなさま、決して無視しているわけではなく、ちゃんと読んで感謝しておりますが、そのような事情で、何も返せずにおります。すみません……。


吉祥寺の書店リストを作りました

吉祥寺の新刊書店・古書店を調べて、リストにしてみました。「吉っ読」のサイトに、リストをアップしましたので、よろしければご覧ください。「吉祥寺の書店リスト」。自分で言うのもなんですが、けっこうがんばって調べたのですよ。なにしろ、ぼくが行ったことのない書店まで入ってますから(笑)。


ちなみにこのリストを元にした地図も吉っ読で作成予定です。ブックンロールで配布予定ですが、イベントにおこしいただけない方にも使っていただけるよう、BOOKSルーエなどの店頭で配布するか、サイトからダウンロードできるようにするか、なんらかのかたちでの公開を考えています。


乱歩?映画、『キャタピラー』、まもなくです

乱歩者のみなさま、お待たせしました。久しぶりの乱歩関連ニュースです。


今年2月、寺島しのぶさんがベルリン映画祭で賞をとったときに記事で紹介しました、乱歩映画(とクレジットされていませんが)、『キャタピラー』。公開日や上映館も決まり、ポスター・チラシが出回り始めていますね。


キャタピラー

公開は8/14(土)。東京では、テアトル新宿ヒューマントラスト有楽町。ちなみに、レイティングは「R15+」です。


「キャタピラー公式ガイドブック」なるものも発売されているようですね。Amazonにはまだあがっていませんが、上映館では販売されていて、一般の書店での販売は7/20頃からと公式サイトにはあります。

  • 『若松孝二 キャタピラー』(游学社)

先の記事に書いた通り、クレジットこそありませんが、内容からどう見ても乱歩の「芋虫」の映画化作品。ビジュアルの単純な残酷さ、ヤバさで言えば、これよりすごいホラーはもういくらでもあるでしょう。でも。それでも、この「芋虫」の中身のインパクトは、決して色あせていないし、映像表現に置き換えたときの衝撃は、今なお相当あると思うんですよねえ。だから、やっぱり乱歩者としては見逃すわけにはいきません。


公開まであとひと月を切りました。さて、どんな映画になってるか……どきどきしながら待つことにします。


『本の雑誌』、西村賢太氏のオールタイムベストテンにびっくり

3連休の中日を、これ以上ないほどにぐうたらに過ごしている空犬です。金夜&土夜は、たまっていた録画映画やDVDを一気観、そして今日は読みさし本や買ったまま本を傍らに積み上げ読書三昧で過ごしましたよ。


『本の雑誌』、8月号の巻頭、「私のオールタイムベストテン」には西村賢太さんが登場。ご存じの通りの作風ですから、当然、そのリストは私小説作家たちの名で埋まるのかと思いきや、私小説はリストの半分。残り5冊は、探偵・推理関連の作品があがっていました。作風からは意外な感じを受けますね。




なにしろ昭和テイスト全開の書き手ですから、当然、今風のミステリーや、翻訳ものはあがっていません。リスト、残りの5作の作者としてあがっているのは、横溝正史、朝山蜻一(!)、大河内常平、大坪砂男(!)、大藪春彦。横溝はともかくとして、朝山蜻一と大坪砂男は意外ですよね。ぼくのような、ミステリーではなくて「探偵」が、それも古いのが好きな者にはちょっとうれしいリストになっています。


さらに、探偵者には驚きのくだりが。《ちなみに、私が架蔵している該作家の著作の揃いは、朝山自身が自家用にワンセットだけ保存していたのを遺族のかたから譲って頂いたものだ。(但、昭和三十二年刊の『処女真珠』のみ、本来付いている帯が欠けているが)》


……「欠けているが」って、なんかものすごいことが書かれてますよ、しかもあっさりと。ぼくは朝山蜻一の熱心な読者ではないですが、それでも、このセットの探偵小説書誌的な価値とか希少性とか、古書価とか、いろいろなことを想像して、雑誌を持ってる手が震えてしまったことですよ。



↑現在入手可能な朝山作品。



そして、ぼくも大好きな大坪については、こんなふうに書かれています。《尤も大坪の場合は『天狗』一作のみで強烈な印象が残っている。プロットもトリックも、はなからただの飾りと心得たような滅茶なものだが、体脂肪の殆どない、鋼の筋肉のみで構築された驚異の文体によって、今でも年に一、二度は無性に読み返したくなる不思議な短篇。》


……この、おそるべき密度の傑作について、これほど簡潔かつ的確にまとめられてしまっては、もう付け足すことは何もありません。次から、この作品について、どういう作品なのか、どういうところがいいのかを、人に問われたら、これを引用したい……薔薇十字社(出帆社ではなく)の全集を、決して安くはない(っていうか、けっこう高かった)値段を出して買っちゃったりまでしている大坪読みに、そんなふうに思わせる一節。



↑アンソロジーを別にすると、「天狗」を表題にしたこの作品集が、単著では唯一入手可能なもの。巻末の都筑道夫さんによる解説もすばらしい。「天狗」と、その解説だけで、いったい何度読み返したことか。



横溝、大藪と、角川文庫、昭和の顔が二人も入っていて、角川文庫との距離感が似ていると思ったら、西村氏、年齢1つ違いでした。なるほど、という感じです。こういうバックグラウンドがわかると、作品を読むときのイメージもちょっと変わりますよね。




↑西村氏の作品、文庫になったこの2作しか読んでいないんですが、ほかのも俄然読みたくなりました。あと、こういう読書歴の方だとなると、随筆集も気になります。



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今日も書店回り、そしてまたまた都内の書店事情に変化が?!

昨日もいっぱい飲んぢゃったので、今日はほんとなら控えるべき日なんですが、半日書店回りでがんばった自分へのご褒美にと、結局プレミアムモルツな時間を過ごしてしまっている空犬です。今日は、さすがに、なんというか、ビールがうまいです。はい。



↑うわ、こんな本が出てる! プレモルファンは読まないとね。


ところで。天気がいいときは、駅まで自転車で行ったりします。で、いつも利用する駐輪場に深夜行くと、たいてい、猫くんがいます。


みたかねこ1

↑この方です。「くん」っていうか、男の子か女の子かも実は存じ上げません。このとおり、なかなかカメラのほうは向いてくれないのです。もう長い付き合いなんだけどなあ。



深夜、酔っ払って帰るときは必ず、酔っぱらってないときもしばしば、おしゃべりをして帰ります。今晩も、いつもように、ちょっとさ吉祥寺の書店が大変でねえ、なんて話をしてから帰ろうかなと思ったんだけど、今日は尋常じゃない暑さのせいか、隅のコンクリートの上にごろりと横になっておられます。話しかけると、無視されました。


みたかねこ2

↑このように、話の途中でも、平気でじゃあねという態度。なかなか友だちがいのない猫なのです。


さて。前置きが長くなりました。最近は、この空犬通信には、吉祥寺の大型店出店問題のことをはじめ、書店のことばっかり書いてます。まあ、もともと書店のことを書くために始めたブログなんで当たり前なんですが。吉祥寺と渋谷のことだけでも大変だというのに、ここへ来て、またまた「噂」で、とんでもないとしかいいようのない出店計画の話を聞きました。


いろいろ差し障りがあるので、まだくわしいことは書けないのですが、書店に関心のある方が聞いたら、いったい、何をどうすればそんな出店計画が出てくるのか、と、驚くこと必至の話です。


渋谷のそれといい、吉祥寺のそれといい、いったい、東京の書店事情はどうなっちゃったんでしょうか。電子で大変なときにさ、無茶な出店計画で、同じ業界内で苦しめあうようなことしてる場合じゃないじゃん。ほんと、そんなの、やめようよ。すでに書店があるところに、ある規模以上のお店を出したりしたら、今の状況下では、お客さんの層の拡大につながる可能性はそんなにないでしょう。確実に、そこでこれまで商売をしていた人たちの取り分を減らすことに、つまり、ただでさえそんなに大きくはないパイを取り合う、食い合うかたちになることは、ちょっと考えたら、っていうか、考えなくてもわかることじゃないですか。


ジョージ・ハリスンは、こう歌ってます。「この世界はバースデイ・ケーキみたいなものさ(All the world is a birthday cake.)。ひときれとってもいいよ(Take a piece.)。でも、とりすぎちゃだめだよ(But, not too much.)。」(”It's all too much”より)


ホールのケーキはさ、ひと切れぐらいが、ちょうどいいんだよ。食べておいしいな、って感じるには、さ。なんか、そういうことをわかろうとしないで、みんなが、自分の胃のサイズや味の好みも考えずに、ケーキの食べ放題に手を出しているような、最近の都内の書店事情を見て、そんな、やりすぎで無茶な感じになっちゃってるような印象を受けるのは、ぼくだけではないはず。今日は、知り合いの書店員さん、熱心にがんばっておられる書店員さんに何人も会ったこともあって、よけい、そんなことが気になってしまったのでした。ああ、もっとビール買ってくればよかった! 酔わないと、寝られないよ……。



◆今日のBGM◆


  • ザ・ビートルズ『マジカル・ミステリー・ツアー』


BOOKSルーエの夏フェア、始まりますよ

今日は、半日かけて書店回り、いろんな人に会えて楽しい一日だったんですが、さすがにこの天気のなかを歩き回るのはきつくて、へとへと、今ごろになって、のびかけている空犬です。


昨日は、「松丸本舗」のこと、松岡正剛さんのこと、書店のこと、調子に乗っていろいろ書いたんですが、ひと晩たって冷静に読み返してみると、あちゃあ、なところも多々、読んで不快に思われた方がもしもいらっしゃったら、深くお詫びします。


ふだん、自分のblogの反応なんてあんまり気にしたことがなくて、「拍手」なんて機能があるのも忘れていたぐらいなんですが、ふだん「拍手」なんてほとんどされたことないのに、昨日の記事には4つもついているのに気づいてびっくり。どのような方がお読みくださったのかわかりませんが、ありがとうございます。


さて、今日は八重洲に丸の内に神保町に立川に、と、いろんなところを回ってきたんですが、最後のしめは、やはり吉祥寺。いつものように、BOOKSルーエに、花本氏を訪ねます。


今日から開始と聞いていたBOOKSルーエ独自のフェア「ダイナマイトスキャンダルサマー2010 ルーエ伝説の50冊」。2階に顔を出したら、花本氏がまさにせっせと品だし中、ちょうど棚ができあがる途中の感じでした。


ルエ伝&ダイナマイトスキャンダル

明日には棚が完成していると思います。文庫+単行本で、ルーエならではのセレクトになっていて、おもしろい棚になるはずですよ。ちなみに、わたくし空犬も選書に参加させてもらいました。近隣の方はぜひのぞきに来てください。店頭のディスプレイが完成したら、撮影させてもらって、この空犬通信でも店頭の様子をくわしく紹介する予定です。


ルーエがらみのいろいろを紹介しておきましょう。昨日、中村文則さんがルーエを訪問されたそうです。前作の『掏摸』も、各方面で高い評価を受け、大いに評判になりましたが、新刊の『悪と仮面のルール』も、早くも話題になっているようですね。




『掏摸』は花本氏の大絶賛本だったんですが、花本氏によれば、『悪と仮面のルール』は「『掏摸』を超えてるかも」な作品だそうです。これは読まないとね。ルーエ2階には、『悪と仮面のルール』のサイン本がどーんと積んであります。さらに、中村文則さん直筆の色紙も飾ってありますよ。中村文則さんのファンはもちろん、これから読んでみようという方も、ぜひルーエの店頭をチェックしてみてください。


店頭でフィーチャーされている方といえば、ヨシタケシンスケさんの特集も継続中ですよ。ヨシタケシンスケさんの絵、かわいいんだけど、ただのかわいい絵に終わってない独特のユーモアやひねりがあって、いいですよね。カバー装画を描かせても、挿絵を描かせてもgoodな人。ルーエの特集では、ヨシタケシンスケさん関連本がいろいろ並んでいますから、ファンは要チェックです。サイン本もあります。



↑このような本たちが並んでいます。




↑なかからこれを、本日、ゲットいたしました。サイン本です。


ルーエといえばこれも。今月の『IN★POCKET』、特集は新刊『獣の樹』も出たばっかりのこの方、「舞城王太郎の世界」。「空犬さん、これ見てくださいよっ!」と花本氏が言うので、見てみると、おお、なんと、ルーエのSさんと元ルーエのWくんが「「この一文が」すごい!」の選者に名を連ねているではないですか。この二人、舞城読みなんですよねえ。先に紹介した中村文則さんのインタビューも収録。舞城&中村ファンは、チェックをお忘れなく。




『松岡正剛の本棚 松丸本舗の挑戦』……と、書店のあり方についてちょっと気になったこと

先日、東京国際ブックフェアに出かけた折、中央公論新社のブースで買ってきたこの本を、先日読了しましたy。


  • 『松岡正剛の本棚 松丸本舗の挑戦』(中央公論新社)



有名人の本棚を見せる「本棚本」は各種出ていますが、書店の本棚をここまで詳細に見せる本は、これまであんまり例がなかったような気がします。書店の棚なのに、いわゆる「本棚本」と同じテイストがあちこちに感じられるのは、やはりこれが「松岡正剛の棚」だからなんですよね。蔵書と売り物の違いはあるんですが。


これ、棚の写真のこまかいところまでじっくり見始めるときりがない。っていうか、書店で棚を見る楽しみがそがれる気もして、意図的に流し読みにしてしまいました。遠方で、気になるけど行けない、という方は隅々までチェックされるといいと思いますが、関東近郊の方は、本書を読まれるにしてもあくまでガイドにとどめ、じっくり読み込まずに、店頭での出会いや印象を大事にしたほうが、「松丸本舗」をより楽しめそうな気がします。


ところで、このところの松岡正剛さんのご活躍ぶり、そして、各種メディアからの注目ぶり、露出の多さは、すごいですねえ。


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ジェイムズ・P・ホーガン氏が死去

SF者には、またしてもショックなニュースが……。「ジェイムズ・P・ホーガン氏が死去 「星を継ぐもの」などハードSFの巨匠」(7/13 ITmedia)。


《「星を継ぐもの」などハードSFの傑作で知られるジェイムズ・P・ホーガン氏が死去した。69歳だった。》



↑これ、初めて読んだのがいつかは忘れてしまったけど、どういう偶然か、つい最近、再読してるんですよね。


追悼買い物ってことで、BOOKSルーエで、最近新装版で出たばかりのこれを買ってきました。合掌。



往来堂書店に行ってきました! そして、またまた吉祥寺書店問題を

ちょっと用事があったので、会社帰りに、千駄木の往来堂書店にいってきましたよ。


往来堂1往来堂2

↑小雨だったので、店頭はこの通り、ビニールで覆われてしまっていて残念……。でも、看板のライトアップもこの通り、いい感じ。



千駄木って、神保町勤務者にすれば、新御茶ノ水まで歩けば千代田線ですぐってことで、実は距離的にはそんなにないんだけど、どうも東京西部エリア在住者には、あちら方面はなんとなく心理的に遠いんですよね。何かのついで、というのもないので、わざわざ行かなくちゃならないので。今回も実は久しぶりだったんですが、ああ、やっぱりいいですね、往来堂書店は。


決して広くはないお店のあちこちに、ほかの街の本屋さんでは見かけないような本や、ユニークな並べ方が目につくので、端から全部見たくなる。この立地でこの規模ならふつうはスルーされそうな海外文学にも棚をちゃんと割いていたり(しかも、スタージョンとかもある)するのもうれしいところ。twitterがきっかけで実現したフェアとして新聞なんかにも取り上げられていた猫本フェアも元気に継続中。


個人的にいちばんうれしかったのは、久生十蘭の文庫が4点とも平積みになっていたこと! しかもそばには『従軍日記』まで! うわー、こんな並べ方、文庫新刊が出たときでさえ、ほかの書店で見たことないですよ。



↑これらが全部平台に。『日記』はさすがに1冊だけだったけど。それでもすごい!



往来っ子新聞

↑書店独自フリペ大好きの空犬としてはチェックしないわけにはいきません。「往来っ子新聞」。バックナンバーも含めて、ゲット。すべて手書き、紙面には適度なゆるさがただよっていて(←ほめ言葉です)、実にいい感じ。


今日は次の用事と荷物があったので、長居も買い物もできなかったのが、ほんと残念。まもなく、お店で夏文庫のフェアを始めるそうで、冊子も作られるそうです。できたら、いただきにあがることにしたので、そのときはゆっくり買い物していくとしよう。



吉祥寺へ移動、打合せと買い物のため、BOOKSルーエへに花本氏を訪ねます。


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西荻の古書店・興居島屋さん閉店、そしてbeco cafe読書のすすめ

今日は、午後半日をかけて、新宿・池袋の書店回り。雨がやんだのはよかったんですが、大変な湿度、こういう日の街歩きはこたえますね。でも、知り合いの書店員さんたちにたくさん会えて、収穫の多い1日でした。


さて、帰り道、用事があったので、西荻窪で途中下車。古書興居島屋に寄ってきましたよ。JR西荻窪北口、バス停を向こう側にわたってすぐの道を北に入って徒歩数分。途中、POTやどんぐり舎など、昔ながらの感じのいい喫茶店があったりする通り沿い、駅から見て右側にあるお店。


ごごしま1

↑いい味のかんばん。



店の作りといい、棚の感じといい、新古っぽい本で棚が埋まったいまどきのお店と違い、昔ながらの古本屋さんのたたずまいを残しつつ、西荻っぽい感じもうまくブレンドしたような、なかなかにユニークなお店です。そんなにしょっちゅう顔を出すお店ではないのですが、行けば楽しい時間を過ごせるお店でした。


ところが、その興居島屋さん、今週木曜日7/15にお店を閉めてしまうのだとか。閉店と聞いたときにはびっくりでがっかりで大変だったんですが、よく聞けば、8月に、同じ場所で、屋号を変えてリニューアルオープンするのだそうで、ちょっと安心しました。


今日お店で、その案内をいただいてきたので、ちょっと文章を引いてみますね。《西荻窪興居島屋を十五年勤め、このたび独立いたします。店主の厚意で、店舗をそのまま譲り受ける形ではありますが、屋号・電話番某・営業時間等が変わります。店内も微かに変わります。》とのことです。


お店の名前は、「なずな屋」さん。8月中旬に《微ニューアルオープン予定!》とのこと。興居島屋さんがなくなってしまうのは残念ですが、そのテイストを受け継いだお店が同じ場所で開店するのは楽しみですね。


ごごしま2なずな屋ちらし

↑いまの店頭の様子をぱちり。右は、新しいお店の案内チラシ。



で、西荻窪まできたら、当然beco cafeに寄らないわけにはいきません。


becoかんばん

今日は、ほかにお客さんもいたし、こちらも書店回り後でへとへとだったので、おしゃべりは控えて、カウンターで独り、おとなしく、書店回りのメモを整理したり、ビール読書したり。


becocafe2

↑奥の本棚部屋の書棚。ご覧の通り、本棚の文庫には、一部面陳のものをのぞき、すべてに選者で色分けしたカバーがかかっています。どんな本かがひと目でわからないから探すのに面倒ではないか、と思われる方もいるかもしれません。でもね、そこはブックカフェの読書部屋です。何も、目当ての作家・作品だけを、あわてて探すことはないではないですか。ねえ。色や厚さやわずかに透ける背の感じから、本を想像しながらあっちこっちと抜いてみる……そのような行為を楽しめる方にはぴったりの空間になってますよ。



becocafe1

手前の棚の上には、このようなノートがずらり。これは、感想ノートのようなもので、その色の本を選書した選者が、ノートの冒頭にコメントを寄せていて、残りのページは、その色の本を読んだ方が、自由に感想を書き込めるようになっています。空犬のノートもあるんですが、選者コメントをまだ書いていないのでした。早く用意せねば。まだノートに書き込みが少ないので、becoの本棚部屋を訪れた方は、ぜひこのノートに感想や気づいたことやリクエストや、とにかくなんでもいいので、ご記入ください。



becocafe3

↑なぜか光るうさぎ。奥に鎮座していらっしゃいます。


というわけで。何度もすみませんが、本好き・書店好き・珈琲好き・お酒好きのみなさま、西荻窪に用事の際は、ぜひぜひbeco cafeにお寄りください。


書店の役割・紙の本がもつ「いのち

ジュンク堂書店の公式サイト内、「WEBほんのしるべ」に、福嶋聡さんが、「書店の役割・紙の本がもつ「いのち」」というタイトルの、興味深い文章を書いていらっしゃいます。



↑文中で言及されている本たち。


福嶋さんは、現在ジュンク堂書店難波店の店長さんですが、なかなかの文章家で、↓以下にあげたような書店関連の著書を複数お持ちです。うち、『希望の書店論』については、この空犬通信でも2回にわたって取り上げたことがあります。




「書店の役割・紙の本がもつ「いのち」」から、これを引いておきましょう。《紙の束から成るモノである書物は、ぼくたちが想像している以上に「ユーザー(読者)・フレンドリー」なのかもしれない。》


というわけで、「書店の役割」という部分に強く反応してしまうような、そんな紙の本・リアル書店のあり方に強い興味をお持ちの方には、この文章、一読をおすすめします。