札幌最終日の無茶(寒風ふきすさぶなか、超高速移動して、汗だくになったのをそのままに……)がたたったのか、風邪を引いてしまった空犬です……。
昨日の記事に書いた通り、札幌の書店事情の充実ぶりは予想以上で、東京の大型書店、個性派書店を見慣れた目にもとても新鮮でした。いつもは、書店回りのときは、荷物が増えるので、なかなかたくさんの買い物はできないんですが、今回はできるだけ各店で買い物をしよう、を目標の1つにしていたので、いろいろ買ってきましたよ。残念ながら全店で、というわけにはいきませんでしたが……。
それでも旅先で買うには十分なくらいたくさんになってしまい、最後のほうは、鞄が重くて、ほとんど泣きながら歩いてました。昨日、札幌の街を、これ以上速く歩いたら不審というぎりぎりの速度で、寒風と鞄の重さに半泣きになりながら歩いている40男を見かけた方がいたら、それ、たぶん、わたくしです……。
上の写真、左は札幌弘栄堂書店のカバー(書皮)ですね。先の記事にも書きましたが、吉祥寺の弘栄堂に親しんでいた身にはとてもなつかしいデザインです。ちなみに、このブックカバーにくるまれているのは、同店で買った、町山智宏『トラウマ映画館』(集英社)。おもしろくて帰りの道中に一気読みしてしまいました。
ちなみに、札幌弘栄堂のカバーは、本のカバーをいったんはずし、カバーの天地を書皮で折り込むようにして、本に戻すタイプのかけ方です。
右に小さく写っているのは、札幌の出版社共同文化社 が出している北海道豆本シリーズ「爪句」 (というのがシリーズの名前なんだろうか)の1冊、『爪句@都市のデザイン』。サイズは、100×74mm、文庫の半分です。
オールカラーで200ページ以上あるのに、たったの400円。シリーズ、全部買ってきちゃえばよかったなあ。これも札幌弘栄堂で購入。ほかの書店では見かけませんでした(と言い切れるほど、どのお店でも時間をかけて探せてないんだけど)。
『札幌&近郊百景』とどちらにするか迷って購入した『都市のデザイン』は、街で見られるデザイン的な要素を、小は看板、大は建物や橋までを集めて、写真と短文で紹介するもの。豆本なので、写真が小さい点は好みが分かれるかもしれないが、ぼくはけっこう好き。
左の赤いカバーは、リーブルなにわ、右はおなじみ丸善のですね。なにわのほうは、そでに「なにわ書房」の店名があり、後ろのそでには三木清の言葉が引かれています。天地の折り返しのないタイプです。ちなみに、このタイプ、ハヤカワ文庫のときはどうしてるんだろう。
丸善のは別にめずらしいものではないんですが、前々回の記事で紹介した丸善北一条店で、ブックカバーがどうなっているのか確認するために本を購入してかけてもらったもの。中身はどちらも北海道本でも、新刊でもないので、割愛。
先の豆本のほかに、こんな北海道本たちを買いましたよ。
藤島隆『貸本屋独立社とその系譜(北方新書11)』 (北海道出版企画センター) 徳田龍弘『北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑』 (北海道新聞社) 【“北海道の豆本、貸本屋、爬虫類……札幌で買った本たち。”の続きを読む】
先の記事で、全国チェーンのお店を紹介したので、今回はそれ以外を。
まずは、リーブルなにわ。地下1階と2階の2フロアで、駅の中規模店と街の本屋さんの両方の良さを感じさせる、コンパクトでいいお店です。書店激戦区、しかもナショナルチェーンの新しいお店が複数ある街で、こういうお店ががんばっていると、なんだかちょっとほっとしますね。個人的に、好きなお店です。
地下1階の入り口を入ってすぐ、文庫本の棚がなかなかにぎやか。売れ線をきちんと揃え、見せているのはもちろんですが、かため地味めのレーベル、マイナーなレーベルの文庫まできちんとカバーしています。地下街直結のこういう立地の、この規模の書店でどこまで売れるのかわかりませんが、岩波や講談社文芸が何冊も平になっているのはうれしいですねえ。
不得手なジャンルなのでこまかいところはわかりませんが、コミックのコーナーも元気がよくて、コミック読みでないタイプでもなんとなく目を引かれます。地下1階の一画が、前回訪問時にはなかった文具売り場になっていました。たしか、前回訪問時はこのあたりに北海道本のコーナーがあったんだっけ。
次は、アテネ書房。札幌駅から、徒歩ですぐのところに、このサイズの路面店がまだあるというだけで、ちょっと感動しますよね。
サイズやたたずまいは昔ながらの街の本屋さんなんですが、それにしては、コミックが少なめだったり、けっこう固い本も置いていたり。あと、札幌の他の書店さんと違うのは、アダルト雑誌が区分陳列ではなく、お店の真ん中、それもレジの前あたりにどーんと置いてあるところかな。もちろん、シールもビニールもなし。アダルト文庫のコーナーには、文庫以外のアダルト本の面陳もあったなあ。(って、別にそういうところばっかり見てるわけじゃないけど、他の書店さんにない要素だから、どうしても目につくんですよ;苦笑)。
昔はこういう街の本屋さん、ありましたよね。店頭に一般雑誌とか並んでるので、ふつうの本屋さんだと思って入ったら、お店の半分弱ぐらいがアダルトだったりする、ちょっとオトナ寄りの街の本屋さん。中央線沿線、それこそ我が地元にも数年前までありましたが、すっかり少なくなりました。
そして、札幌のとりはやはり、こちら、札幌弘栄堂書店。中央線沿線在住者として長く親しみ、そして、短期間ではありましたが閉店までの数年間、吉っ読でそれなりに深く関わることにもなった弘栄堂書店吉祥寺店。実際には別会社なのですが、もとは同じですからね。店名に「弘栄堂」を持ち、同じ図柄のブックカバーを使い、今も元気に営業されている札幌弘栄堂書店は、だから、ぼくにとっては、特別な名前であり存在なのです。そんなわけで、同店には、とても親近感を感じるのです。
札幌駅には、札幌弘栄堂書店パセオ西店 と札幌弘栄堂書店札幌駅東店 の2店がありますが、後者は、駅構内、通路にある、少し大きめの売店といった感じのお店ですので、前者をメインに紹介します。
↑パセオ西店。前日に引き続いて、またしてもぼけぼけの写真に(涙)。だって、この通路、人が途切れないから、急いで撮ると、こうなっちゃうんですよ……。アーチ型の入り口がいい感じです。
【“札幌で書店を回ってきましたよ その2”の続きを読む】
札幌3日目。帰京当日になって午前の2時間だけ、自由な時間が確保できたので、もちろん書店回りをしてきましたよ。
札幌が書店激戦区なのは知識としてはわかってましたが、行ったことのない店もあるので、あらためて調べてみると、札幌駅周辺だけでも、ずいぶんたくさんの書店があるんですねえ。土地勘がないので、iPhoneを駆使して各店の場所を確認するも、あの小さな画面だけで、各店の位置関係を把握し、巡回ルートを決めるは至難の業。こういうときは、やっぱり紙の地図のほうがありがたいんですが、もちろん書店マップなんてありません……。
今回は、古書店はあきらめ、新刊書店に集中、2時間で5店、できるだけ各店で必ず買い物をする、の2つを目標とし、宿でゲットした駅周辺地図とGoogleを頼りに歩いてきました。簡単にレポートします。(*今回、デジカメを忘れたので、以下、写真はiPhoneで撮ったもの。もともと下手な写真がもっとまずいことになってますが、ご勘弁を……。 )
まずは、駅そばの紀伊國屋書店札幌本店 。ガラスばりのビルは外から見るだけでもよさそうですが、店内に足を一歩踏み入れると、その開放感あふれる店内の様子に、確実に驚かされます。うわあ、いいなあ、この感じ。
1階、入り口入ってすぐ左、雑誌が面でずらりと並ぶ壁面は大迫力。天井の高い広々とした空間は、歩いて回るのもいいですが、2階へのエスカレーターの途中から一望するとまたいい感じです。
横から見ると八の字のような格好の什器(棚)がなかなか洒落ていて、しかもジャンルごとに色を変えてあります。ところどころの柱がガラスのショーケースになっているのも効果的で目をひきます。開放的で、明るくて、おもしろくて、それでいて、デザインに走りすぎて見づらいということもなくて……このフロアの感じ、好きだなあ。
什器や雰囲気だけじゃなくて、品揃えもフェアも力が入っていますよ。たとえば、2階、自然科学関連のフェア台は、北海道の生き物関連の本がずらりと並ぶ楽しいものになっていて、思わず足を止めさせられました。
同店は、たしか2005年に移転、新装しているんですよね。前の店舗のイメージしかなかったので、あまりの変わりっぷりに驚いてしまいました。紀伊國屋書店 のお店はいろいろなところを見ていますが、そのどれとも似ていない感じです。こういうお店との出会いがあるから、チェーンのお店でもスキップできないんですよねえ。
次は、ジュンク堂書店 札幌店。丸井今井南館の地下2階から4階、計6フロアを占める大型店ですね。札幌では最大かな。
いい意味で、いつものしっかりしたジュンクの品揃え、見せ方、という感じ。今回の書店回りでは、北海道本を何か買いたいと思っていたんですが、郷土史に強いチェーンと言えばやはりジュンクだろうということで、3階の郷土史棚をチェック。郷土本を扱っているところは、この日見た他の書店のなかにもありましたが、量ではやはり圧倒的ですね。購入本は、あとでまとめて。
そうそう、同店では、「札幌有名書店書店員座談会企画 書店のソムリエ 旬の本を語る」というフリーペーパーを見つけました。
三省堂書店大丸札幌店、ジュンク堂書店札幌店、コーチャンフォーミュンヘン大橋店、紀伊國屋書店札幌本店、丸善札幌アリオ店から、女性書店員さん5名が登場、タイトル通り、旬の本について語っています。
次は、昨年の記事で紹介 した丸善北一条店 。
昨年の記事にも書いた通り、店名こそ「丸善」とありますが、運営はジュンク堂なんですよね。だから、店内にはジュンク堂のダンボールが見え、棚・什器の感じやフロア案内など、すべてジュンク堂のそれ。店内の雰囲気すべてが「ジュンク堂」なのに、店名が「丸善」でブックカバーも「丸善」。開店時の事情を知っていても、2店の関係がわかっていても、それでもやはり、2チェーンにずっと通い続けてきた本好き書店好きとしては、なんだか不思議な感じがしてしまいます。
【“札幌で書店を回ってきましたよ その1”の続きを読む】
用事があって、札幌に来ています。前日は雪だったとかで、まだあちこちに雪の残る街は、いまもごくごくわずかに雪がちらついています。
今回は自由な時間はほとんどないので、書店回りは残念ながらむずかしそう。さっき、札幌駅、パセオ内にある、札幌弘栄堂書店パセオ西店の前を通ったんですが、時間がなくて寄れず、泣く泣く素通り。写真だけパチリとやりましたが、急いで撮ったらぼけぼけ……(泣)。やれやれ。
帰るまでに寄るチャンス、あるかなあ。
地震から今日で2週間。直後はいろいろ大変だろうと、お店に顔を出すのは遠慮してたのですが、少し落ち着いてきたようだし、仕事の用事もいくつかたまっているしで、今日は久しぶりに、渋谷と新宿の書店をいろいろ回ってきましたよ。
渋谷では、丸善&ジュンク堂書店 渋谷店、啓文堂書店 渋谷店、紀伊國屋書店 渋谷店を、新宿では、ジュンク堂 新宿店、紀伊國屋書店 新宿本店、ブックファースト 新宿店他を回ってきました。
懇意の書店員さん何人かに会うことができました。みなさん、地震後に会うのは初めての方ばかりなので、地震の被害やその後の営業状況をいろいろうかがってきました。短縮営業を強いられているお店で聞いた話のなかには、ほんと、涙が出そうなぐらいつらい話もあったんですが、それでも、こうしてふつうに書店回りができて、ふつう(とは言えないところが、営業時間のことをはじめ、まだいろいろあるのですが、ともかく)にお店が普通に営業しているのを見られるようになったのは、ほんと、それだけで、とてもうれしいことですよ。
あるお店でお会いした書店員さんとは、早くふつうに戻りたいね、という話をしたんですが、ふだんしょっちゅうお店に来ていたのに、地震後、お店におじゃまするのを遠慮していたぼくが、久しぶりに顔を出したということで、それだけで、「いつも通りの感じがちょっとしてきた」というふうに言ってもらえたのは、うれしかったなあ。
今日回ってきたお店で目についたことを紹介しておきましょう。まず、紀伊國屋書店 渋谷店。「短編フェア2011」なる、その名の通り、古今東西硬軟いろいろの短篇集を集めたフェアをやってましたよ。SF、純文学、エンタメなど、いろいろあって楽しいフェアでした。
【“渋谷と新宿で久しぶりの書店回りをしてきましたよ”の続きを読む】
昨日の「買い占めは本屋でやろう!」 の件ですが、記事を削除しました。
この看板とその文言の是非はともかく、お客さん(もしくは地元の方)からお店に指摘があり、お店として看板を取り下げると決めた以上はお店の判断が優先されるべきで、第3者である当方が、それをさらに広めるようなまねをすることは、お店のことを本当に考えるならば、慎むべきでした。
記事をご覧になった方にご不快な思いをされた方がいらっしゃいましたら、軽率な記事を書きましたことを、お詫び申し上げます。昨日の件は、わたくし空犬が勝手にしたことで、お店や看板を書いた書店員には直接関係はありません。全面的にこちらの責任です。
昨日はたくさんの方から、この件でコメント、反応をいただきました。上のような事情で記事は削除しましたが、お店を応援してくださる気持ちは、十分過ぎるほどに伝わったことと思います。当方が言うのも変なのですが、代わってお礼を申し上げます。ありがとうございました。
先日の記事 で、都内の開店情報をいくつか紹介しましたが、うち、BOOK EXPRESS の2店に、開店日の変更があるようですので紹介します。(以下、ひゅ~ま さん(@betahyuma)の情報を参考にさせていただきました。)
3/24(木) →3/31(木) エキュート上野店3/26(土) →変わらず エキュート赤羽店3/29(火) →4/5(火) エキュート品川サウス店うち、品川については、ひゅ~まさんのツイートによれば、《4月5日以降準備出来次第開業》とのことで、現時点では日程は確定ではないようです。本日3/23の時点では、同店のサイトのニュース欄 にも変更に関する案内は出ていないようです。広さがどれぐらいか、お店の感じ(が以前とは変わるらしいので)がどんなふうになるのか、情報が少なくてよくわからないのですが、楽しみですね。
東京近郊の新規オープンで、前回の記事以降にわかったものを1つ追加でご紹介します。「3月26日 有隣堂 本厚木ミロード南館店 オープンのご案内」 (3/22 有隣堂)。
同店は、神奈川県厚木市の本厚木ミロード南館の1、2階の2フロアで新規オープンとのこと。サイトの説明によれば、駅の中央改札のすぐ横という好立地。広さは132坪とのことで、通勤通学の足で寄るにはぴったりのお店になりそうですね。厚木……東京西部エリア在住者には、実際の距離もさることながら、心理的距離が遠すぎて、なかなか行くチャンスはなさそうなんですが、チャンスがあれば寄ってみたいものです。
あと、4月には、この空犬通信でも何度も話題にしてきた多摩センターと、あと、こちらはまだふれていなかったと思いますが、三省堂書店が1件ありますね。
4/22(金)丸善多摩センター店(1140坪) 4/26(火)三省堂書店経堂店 三省堂書店のお店、同じ小田急沿線で、駅も3つほど離れているだけと近くで、施設の名前も同じコルティということで、どうしても成城学園前にある成城店 をイメージしてしまいますが、あのような感じになるのでしょうか。だとしたら、駅近くにある文教堂書店経堂店とも雰囲気の違う店ができることになり、地元の本好きにはうれしいでしょうね。ぼくも個人的に楽しみにしています。
節電・停電、間引き交通などの影響で、開店準備はいずれも、ふだん以上に大変な作業になっているかと思います。今日、ある書店員さんが、ツイッターでこんなふうに書いているのを目にして、思わず涙が出そうになってしまいましたよ。《災害のあとの大変な時に、本屋/出版業/娯楽は必要なのか?そんなことを考えてしまう人に、1日本屋で働かせてあげたい。どれだけお客様が私たちを必要としてくれてるかわかるから。 》(yuka24さん、サンキュウです!)
そう、書店を必要としている人はたくさんいるんですよ。おそらく、売り手作り手が考えているよりもずっとたくさん。だとしたら、それを届ける場所を新しく準備する仕事がいかに重要か、ってことですよ。ねえ。というわけで、開店準備に関わっている書店員のみなさん、がんばってください。新しいお店、楽しみにしていますよ。
◆今日の「こんなときだからこそ、音楽を」◆
薬師丸ひろ子/竹内まりや「元気を出して」 (from『ゴールデンベスト』/『REQUEST』) 【“BEX新店開店日変更、有隣堂厚木、三省堂経堂……書店新店のいろいろ”の続きを読む】
出る前からずっと楽しみに待ってました。
ウラジミール・ナボコフ『ローラのオリジナル』 (作品社) ↑いろいろなeditionの原書たち。
この作品、原書が発売される直前、以前の記事 にこんなふうに書いたんですよ。《ナボコフは英語で読むの、大変だからなあ。翻訳、若島正さんの訳で、そのうち出るだろうから、それを待つかなあ。》ちゃんと出ましたね(笑)。
この「作品」、138枚の創作カードというかたちになっていて、作品としては完成・完結はしていないんですよね。しかも、夫人には破棄を命じていたとされています。その意味では、完璧主義者だったナボコフが、こういうかたちで死後に刊行されたのを知ったら、どう思うか、ナボコフ読みとしては気にならないでもないですが、まあ、そこはこの作品が読める喜びのほうが先であり上であるということでよしとしましょう。
この作品、原書を買おうか迷っていたのは、カードの形式がどんなふうだったのかを知りたかった、その状態で読んでみたかった、というのがあったんですが、この翻訳版、そのあたりも抜かりないですねえ。なんと、ナボコフの手書きカードをそのまま載せて、それに訳を併記するかたちになっているのです。これで、日本語版読者は原書を別に買う必要もないわけですよ。すばらしい。
最初、この本を手にとったとき、思わず、「えっ、横書きなの……」と一瞬不満に思ってしまったんですが、この見せ方ならこの組しかありませんよね。ちなみに、手書きの英語はそれほどの悪筆ではないとはいえ、やはり非ネイティブには読みにくいもの、巻末にはちゃんと活字に起こした英文も収録されています。そして、中田晶子さんによる解題と、ナボコフと言えばこの方、訳者の若島正さんによる解説も掲載。日本語でナボコフを読みたいと考える読者が望みうる、まさに理想といっていいかたちでの日本語版になっています。若島さん、そして版元の作品社さん、ありがとうございます。感謝多謝。
◆今日の「こんなときだからこそ、音楽を」◆
Pink Floyd「原子心母」(from 『Atom Heart Mother』 *「」は曲名、『』はアルバム名です。面倒なので、欧文も区別していません。 *歌詞の引用に添えたかっこは、空犬による大意で、適当訳です。間違ってたらすみません。 *歌詞やテーマの解釈のなかには、こうだったらいいなという願望的解釈も混じっている可能性があります。
【“ナボコフ『ローラのオリジナル』の日本語版がすばらしい!”の続きを読む】
さっきまで、ニコ生で、シンディ・ローパーの来日公演ファイナル、大阪公演の生中継 を観ていた空犬です。最後の数曲しか観られなかったんだけど、それでも、満足、超満足です。先日紹介 した「タイム・アフター・タイム」も聴けたしね。しかも、シンディ姉さん、この曲では、アパラチアン・ダルシマー(がどんな楽器かは説明が面倒なので、検索してみてください)を弾きながら! 姉さん、かっこいいぜ!
今回の地震では、その言動で株を上げた人下げた人、いろいろですが、シンディ姉さんは前者の代表選手ですよね。今回のシンディのかっこいい行動の数々、すばらしいライヴ(って、一部を観ただけだけど、でも言い切っちゃう)、あったかい人柄は確実にファンの心に刻まれましたよね。ダルシマー弾き語りも驚きましたが、ブルージーな曲があんなに似合うようになっていたことにも驚かされました。ミュージシャンとして、ほんと、すごくいい年の取り方ですよね。
株を上げた下げたといえば、本の世界でもありましたね。ツイッター他いろんなところで非難の嵐にさらされた『AERA』 についてはもうここでふれるまでもないでしょう。その姿勢が正反対だと、逆に注目を浴びた『週刊ポスト』 。ちなみに、『AERA』 と同じ朝日新聞出版刊の『週刊朝日』 も、ポスト同様、「負けないぞ!ニッポン」「奇跡の生還」と、前向きな感じのコピーの踊る表紙でしたが、『AERA』 の負のインパクトが強すぎたせいか、あんまり話題になりませんでしたね。『ポスト』と『朝日』は買ってきたので、今晩読むつもり。
雑誌と言えば、これも話題になってましたね。「週刊アスキー読者の皆様へ」 (3/22 週アスPLUS)。まっ白な表紙も一部で話題になっていましたが、こちらの文章は、表紙のインパクト以上に、より多くの人の心をとらえたようですね。
その表紙について。《まず、3月22日発売号の週刊アスキーの表紙ですが、いつもの週アスの表紙を心待ちにしていただいていた皆様には本当に申し訳なく思います。震災後に伝えられる映像やネットの情報を見るにつけ、表紙に入れるべき文章もビジュアルも、正直、何も思いつきませんでした。そのため、今回のような表紙になってしまったことをお詫び致します。》《でも、これが先週の、週刊アスキー編集部の偽らざる心境でした。》 ……表紙にガスマスクと放射能がどうこうと入れてしまった雑誌との、あまりの違いに驚きますが、それはおいておいて、『週刊アスキー』の姿勢がすばらしいのは、次の取り組みでしょう。
《物流システムが回復していないため、週刊アスキーが届いていない地域が多数あるという報告を受けました。そこで今回、前号(3月14日発売の週刊アスキー増刊号)から、東日本の物流システムが十分に回復するまでの間、全記事ページをPDF化し、公式サイト『週アスPLUS』にて無償公開することにしました。ただ、PDF化したデータは大容量になるため、今すぐに公開しますと、被災地域の通信トラフィックの障害となることが懸念されます。そのため、被災地域での通信インフラが十分に回復したと判断できた時点で公開させていただく予定です。具体的には3G回線がほぼ全域で回復する、などといった状況を想定しています。》
週刊誌というメディアが何をすべきか、どうすれば誰に訴えかけられるのか、それを実現するに最適のタイミングと方法はなんなのか、そういったことが熟慮されたようであることが読み取れます。すばらしいですね。『週刊アスキー』って、おそらく一度も買ったことないけど(すみません……)、このまっ白表紙号、明日にでも早速買ってこようと思います。
雑誌ではないですが、被災地のみなさんへ向けた文章で、印象に残ったものにはこれもありました。「謹んで震災のお見舞いを申し上げます」 (3/22 トーハン)。
【“AERA、週刊ポスト、週刊アスキー……週刊誌の明暗いろいろ”の続きを読む】
今日も、「こんなときこそ、音楽を」いきますが、その前に。先日紹介した シンディ・ローパ-、なんか今回のライヴで人柄のすばらしさを、日本のファンに決定づけた感がありますね。ライヴ自体もよかったようですが、さらに会場で募金を募り、なんと募金をした人全員と握手、ハグまでして、ファンを感動感激させたとか。ここまでするアーティストって、さすがに例がないのでは。こんな話、聞いたことないですよ。いや、もうすばらしい。すばらしすぎる。女神と書いているツイートやblogも見ましたが、気持ち、わかりますよ。
↑みんなで買おうぜ。
◆今日の「こんなときだからこそ、音楽を」◆
Steely Dan「Deacon Blues」 (from『Aja』) *「」は曲名、『』はアルバム名です。面倒なので、欧文も区別していません。 *歌詞の引用に添えたかっこは、空犬による大意で、適当訳です。間違ってたらすみません。 *歌詞やテーマの解釈のなかには、こうだったらいいなという願望的解釈も混じっている可能性があります。
名曲ぞろい、捨て曲なし、一般には彼らの最高傑作とされることの多いアルバム『彩(エイジャ)』の3曲目。演奏もサウンドもすばらしいし、歌詞も印象的で、ほんと、なんど聴いてもいい曲だなあ。
サビは、こんなふうに歌われています。
I'll learn to work the saxophone I'll play just what I feel Drink Scotch whisky all night long And die behind the wheel They got a name for the winners in the world I want a name when I lose They call Alabama the Crimson Tide Call me Deacon Blues サックスを覚えて、吹きたいものを吹いてやろう。一晩中スコッチをあおって、運転しながらこの世におさらばするのもいい。世間では勝者に名前があるけど、俺は敗者に名前が欲しいんだ。アラバマチームを「クリムゾンタイド」なんて呼ぶなら、俺のことはディーコンブルーズって呼んでくれよ。そんな感じですね。註にも書いてる通り、適当訳ですよ。
このサビと、曲の成立過程については、Wikiで興味深いエピソードが紹介されてますので、そちら もぜひチェックを(英語です)。
いつもなら、グラミーでベスト・エンジニアリング部門をとった作品ですから、音のことやら、豪華な参加プレイヤーにもふれるところですが(1つだけ、ギターはラリー・カールトンとリー・リトナーのW参加、なのにギターソロなし、という贅沢な使い方!)、今回はそんなウンチクは要らんですね。では、「ディーコン・ブルーズ」、どうぞ。
↑主旨に賛同したもので、拡散のため、しばらくの間、記事の末尾に毎回入れさせていただきます。
合い言葉は「本屋さんへ行こう!」の空犬です。今日も、それを実践しに、吉祥寺に繰り出してきましたよ。吉祥寺はいつもの休日どおりの人出でちょっと安心。親子で「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~」 を観てから、BOOKSルーエ へ。「今日買った本たち」の報告、久しぶりですね。
小谷野敦編『木魂/毛小棒大 里見とん短篇選集』 (中公文庫) 乃南アサ『いのちの王国』 (文春文庫) 『映画秘宝』 2011年5月号(洋泉社)秘宝はいつもの雑誌、里見とんはいかにもぼくが買いそうな本ということでいいとして、乃南アサさんの本は、ふだんのぼくの読書傾向を知る人には意外なセレクトにうつるかもしれません。これ、《全国18カ所の動物園、水族館を取材した、感動の動物エッセイ集》ということで、単行本が出たときから気になってたんですよね。水族館好き(動物園も好きだけど)としては、読まないわけにはいかんでしょう。
水族館好きが気になる本といえば、こんな本も今日見かけました。木宮条太郎『アクアリウムにようこそ』(実業之日本社)。版元のサイト によれば、こんな内容なんだとか。《千葉湾岸市の観光事業課に勤めはじめて三年、突然『市立水族館アクアパーク』へ出向を命じられた由香は…!? ズッコケ&感動! 水族館ガール青春小説!!》。たしか、帯裏には、《水族館男子&女子、必読》みたいな文句もあったなあ。「水族館男子」なんて世間にいるのかどうかよく知りませんし、いたとして、40を過ぎたおやじがそのカテゴリーに入れてもらえるとも思えませんが、これは気になるなあ。今日は見送ったんだけど、たぶん読むことになりそう。
買わなかった本も。『AERA』との姿勢の違いで話題の『週刊ポスト』は売切なのかな、見当たらず(その後、2軒寄ったコンビニにもなし)。西村賢太の『小銭をかぞえる』(文春文庫)も見当たらず。『レコード・コレクターズ増刊 大滝詠一 Talks About Niagara』と『ドクター・ラット』は買い忘れ。
【“里見とん、いのちの王国、映画秘宝……今日吉祥寺で買った本たち。”の続きを読む】
流通の混乱、隔日配送、停電……いろんなもののしわ寄せが書店に押し寄せているようで、一昨日から昨日にかけて、ツイッターでの書店員さんたちの大変そうなツイート(中には、文字通り山と積まれた商品の大きな大きな山の写真をあげている方も)を拝見していると、本気で涙が出そうになりました……。
そのようなときに何ができるわけでもありませんが、書店派を自称する者としては、いつも以上に、せっせと書店に通って、本を買おうと思います。まさに「本屋さんへ行こう!」 です。いつもしてることなんですけどね(笑)。で、「本屋さんへ行こう!」「連休も、本屋さんへ行こう!」とつぶやいたら、そうだそうだ、俺も私も、と、多くの方から同意の反応を寄せていただき、もう合い言葉みたいになっています。うれしいことです。
というわけで、この空犬通信では、自分がいま何を読みたいかなんてことより、やはりいつも通り、書店の話題を中心にしていくのがよさそうですね。
まずは、久しぶりに新規店のご紹介を。例によって網羅的に調査したものではないですが、これから3月末にかけて、東京近郊でいくつか新店開店が続きますね。リストアップしてみます(開店日は、いずれも既報を元にしていますので、地震の影響で変更になっている可能性があります)。
【“合い言葉は「本屋さんへ行こう!」……そして開店情報少しと、『12人の優しい「書店人」』”の続きを読む】
この3日ほど、blogで披露しているのは、(別にわざわざ断るのも妙な話ですが)あくまで、ぼくが今読みたい、聴きたいものです。このような訪問してくださる方の数もわずかな弱小blogで開示しているだけの情報です。何もラジオやテレビで披露しているわけではありませんから、届く範囲も影響力も知れています。ノリが合わないという方は、読み飛ばすなり、無視するなり、サイトを閉じるなりしていただければと思います。
被災地外にいる者として、募金・節電・非買い占め買いだめに努め、出版に関わる者として事態全体や業界のニュースのチェックを怠らないようにし、そして、小売店・飲食店、なかでも書店に、いつも通りかいつも以上に通って応援する……それらを自分にできる範囲で徹底したうえで、自分に許されたわずかな時間があるときは、好きなものを読んだり聴いたりして、翌日からまた同じことを続ける気持ちを維持したい、高めたい、そういうつもりで書いているものです。
【“本の紹介はむずかしい……そして、東北の地ビールを飲むぞの話”の続きを読む】
◆今日の「こんなときだからこそ、本と音楽を」◆
クリス・ジョーンズ『絶対帰還。』 (光文社) Allan Holdsworth「Home」 (from『Metal Fatigue』) *「」は曲名、『』はアルバム名です。面倒なので、欧文も区別していません。 *歌詞の引用に添えたかっこは、空犬による大意で、適当訳です。間違ってたらすみません。 *歌詞やテーマの解釈のなかには、こうだったらいいなという願望的解釈も混じっている可能性があります。
今日もいきますよ、こんなときだから読みたい本、聴きたい曲を。
あくまで個人的な意見ですが、いまが大変なときだからって、別に感動・泣ける・元気・癒しみたいなのばかり取り上げることはなかろうと思うのです。笑える話でも、とりたてて事件の起こらない静かな話でも、エッチな話でも、コミックでも、写真集、雑誌でも、それを読む人がいい気分になったり、落ち着いた気分になれればそれでいいんですよね。このblogの基本のスタンスはそんな感じだったのでした。
にしても、昨日のはさすがにゆるすぎるセレクトだったせいか、ちょっと怒られてしまったりもしたので、今日は割にストレートなやつでいきます。大好きな宇宙もののうち、「帰還もの」(って、そんなジャンルないけど)から。宇宙開発史的には、帰還と言えば、なんといってもアポロ13号。その意味では、文庫で読める『アポロ13』(新潮文庫)もあるけど(さらに、同じ新潮文庫には『アポロ13号 奇跡の生還』もあるが、ジム・ラベル&ジェフリー・クルガーによる前者のほうがおすすめ)、今日はタイトルの圧倒的力強さで、これを選んでみましたよ。
【“絶対に、帰るのだ、家に”の続きを読む】
◆今日の「こんなときだからこそ、本と音楽を」◆
*「」は曲名、『』はアルバム名です。面倒なので、欧文も区別していません。 *歌詞の引用に添えたかっこは、空犬による大意で、適当訳です。間違ってたらすみません。 *歌詞やテーマの解釈のなかには、こうだったらいいなという願望的解釈も混じっている可能性があります。
笑いって大事だよね。というわけで、今日はユーモア小説を。白水uブックスには「笑いの……」というタイトルで、いろいろな国のユーモア文学選が入ってるんですが、うち、ヨーロッパ語圏のなかでは、一般の読者のみなさんにとっては、作家・作品的にもっともなじみが薄いであろうスペインのこれを紹介します。
ケベド、アラルコン、クラリン、ウナムノ……十数編の短篇が収録されてるんですが、スペイン語・スペイン文学を専門に学んだか、よほどこの文化圏の文学にふだんから興味のある方でないかぎり、聞いたことがあるかなあ程度の作家名が並んでいます。収録作で中身の想像がつかないので、ちょっと不安になりますよね。もっともです。
まあ、でも、知ってるとか知らないとか、そんなのはいいじゃないですか。まずは、最初の1編、ケベドの作品を開いてみてください。タイトルが、まずおかしい。「「結婚太郎」と「青春花子」の縁組」。いったい、原文がどうで、どんな超絶訳の結果、こんなタイトルになったのか、俄然気になりますよね。
でね、本文がまたすごいの。この二人、1行目でいきなり所帯持つんだけど、生まれた双子の名前が「嬉しか朗」と「後悔する蔵」っていうの。その後もね、次々に変な名前の登場人物が出てくるんだけど、なんじゃこりゃあ、と松田優作的なツッコミを入れてるうちに、3ページぐらいで終わっちゃうの。ね、読みたくなったでしょ? あれ、そうでもない? おかしいなあ、こんなにへんてこなのになあ。
【“笑いの騎士団がおかしい話……ダウンタウンにくりだせる日を待ちながら”の続きを読む】
◆今日の「こんなときだからこそ、本と音楽を」◆
『本屋さんへ行こう 書店はみんなのパラダイス』 (木世(えい)出版社)Cyndi Lauper「Time After Time」 (from『シーズ・ソー・アンユージュアル』) *「」は曲名、『』はアルバム名です。面倒なので、欧文も区別していません。 *歌詞の引用に添えたかっこは、空犬による大意で、適当訳です。間違ってたらすみません。 *歌詞やテーマの解釈のなかには、こうだったらいいなという願望的解釈も混じっている可能性があります。
今日の昼休み、地震後に初めて会う、懇意の書店員さんを訪ね、ちょっとおしゃべりしてきたんです。地震後で乱れた棚の復旧だけでも大変なのに、計画停電の影響もあって、不規則な営業を余儀なくされている現場の様子。その影響による売上減の予測は、聞いてるこちらが涙が出そうになってしまうぐらいに厳しいもの。もちろん、あちこちの書店でそんなふうになっていることはわかっているつもりだったけど、実際にお店の人(しかも、あきらかに顔に焦燥感とやつれが……)から直接こういう話を聞くと、あまりのことに愕然としてしまいました……。
計画停電も、我々一般人は、情報が二転三転したり、発表が直前だったりもしかたないよね、回避できたのなら素直に喜ばないとね、なんて言ってられますが、お店の人たちはそうはいかないんですよね。停電となると、お店を開けるか閉めるかを判断しなくてはなりませんし、開けるとなったら、当然人の手配が必要になります。その人の手配も、現在の交通事情では確実ではない。ふたをあけてみたら、人が足りない、逆に余ってしまった、なんて事態が続いているわけです。そりゃ、人を動かす立場の方は疲弊しますよね……。
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「こんなときだからこそ、本を」について続けて書きましたが、「こんなときだからこそ、音楽を」もいいですよね。
音楽の場合、どうしても再生環境の問題がありますから、紙の本のように完全に電気要らずというわけにはいきませんが、充電済みの携帯プレーヤーがあれば節電・停電下でも聴けるし、本と違って、まっ暗でも楽しめますからね(実際、昨晩、ぼくの住むエリアではじめて計画停電が実施されたんですが、まっ暗ななか、iPadで一人DJ大会をやって乗り切ったんですよ。家族のそばにいたいので出かけるわけにもいかなかったので……)。本に比べると、受け取る側に必要なものが少ないし、何より、すぐ「効き」ますからね。
さらに。音楽のいいところは、脳内再生できるところ。いざとなったら、盤も再生機も要らないんですよ。頭のなかで、記憶にあるメロディ、歌詞を「再生」できますからね。周囲の環境が許すなら、頭の中にとどめておくことはありません。歌ったり口笛で吹いたりして、外に出しもいいし、楽器があるなら演奏してもいいしね。
その脳内再生、というかバーチャル再生をみんなで共有しようという粋な試みをしているのが、DJせいこう (@seikoitoDJ)こと、いとうせいこうさん。みなのリクエスト曲を「文字」でかけるというこの「文字DJ」。いとうさんのツイートによれば、《てか、全員想像で聞いてください。あとまったく別の曲を頭の中でかけちゃっても可。これはそういう世界一自由なラジオだから。》とのことです。かっこいいなあ。
一連のツイート読んでると、いとうさん、肝の据わり具合もすごくて、こんなこと つぶやいてるんですよ。《被災地の、不謹慎に聞こえるとしても微笑める情報、俺が引き受けます。送ってください。ユーモアが人間を救う。なにせ俺だから叩かれたって大丈夫だって。送ってくれたあんたを守るよ。》……ひえー、ますますかっくいい。
ぼくには、こんなかっこいいことはできませんが、元気になれそうな曲を自分なりに紹介していくことぐらいはできそうなので、この空犬通信でも、これからしばらく、思いつくたびにちょっとずつ紹介していきたいと思います。
◆今日のBGM◆
*「」は曲名、『』はアルバム名です。面倒なので、欧文も区別していません。 *歌詞の引用に添えたかっこは、空犬による大意で、適当訳です。間違ってたらすみません。 *歌詞やテーマの解釈のなかには、こうだったらいいなという願望的解釈も混じっている可能性があります。
Monty Python「Always Look On The Bright Side Of Life」 (from『Monty Python Sings』) 【“「こんなときだからこそ、音楽を」もいいよね”の続きを読む】
空犬通信を訪問してくださる方のなかには、書店に関心のある方、書店に関係のある方も多いかと思いますが、そういう書店派としては、やはり各地の書店の様子、気になりますよね。
そうした情報をまとめたものとしては、先日の記事で紹介 した、新文化さんの「東北地方太平洋沖地震被害 東北・関東の書店状況」 、ゴロウ さん(@bookseller56)作成の「「東北地方太平洋沖地震」発生以降の書店の状況」 (注意 :作成者のゴロウさんが、《量が多いので、かなり重いです。ご注意ください。》とされていますので、クリックされる際はご注意を)がありますが、ほかにもありましたよ。
羽鳥書店 さんが、blog「相互に旅をする人」 で、各地の書店の状況を、日別にまとめてくださっています。
いやはや、これだけの件数を短時間でまとめ、しかも連日更新とは……すばらしいです。羽鳥書店 さん、ありがとうございます。《東京の大型書店を中心として営業状況をわかる範囲でまとめました。》と謙遜気味に書いておられますが、東京以外のお店、大型店以外のお店についてもたくさんふれられた、労作としかいいようのない、大変なリストですよ、これ。
業界紙の新文化はともかく、ゴロウ さんも、羽鳥書店 さんも、自分のお仕事を抱えながら、お一人でこのような情報をまとめられているわけですよね。しかも、誰に依頼されたわけでもないのに。同じく出版に関わり、書店に関心を持つ者として、お二人の行動力には頭が下がります。
これらのリスト、まとめは、情報として有益なのはもちろんとして、それだけでなく、自分にできることは何かについてもあらためて考えさせてくれました。書店に関心のあるみなさんは、ぜひこれらの情報をチェックしてみてください。
前々回の記事 で紹介した、
伊野尾書店 の店長、
伊野尾宏之 さん(@inooshoten)が、ツイッターで呼びかけた《こんな状況だからこそ、みんなで本読んだらどうかな》(ハッシュタグは#imayommitai)について、早速こんなふうにまとめてくださった方が。ありがたいなあ。
作成者は、以前の記事 で紹介済みの、地震発生以降の書店状況のまとめを作られたゴロウ さん(@bookseller56)。伊野尾さんの呼びかけから、半日ほど わずか数時間でこのまとめ。すばらしいです。ツイッター使いでない方もこれでどんな本があがっているか、簡単に一覧できますから、興味ある方はぜひ見てみてください。
こういう情報を目にしたら、まだツイッターを使っていない本好きのなかに、自分でもやってみたいという方が出てくるかもしれませんね。そんなふうにして広がっていくといいなあ。
この件に興味を持ったぼくの友人の一人が、早速こんなリストを作ったようなので、紹介しておきますね。
作成者は無類の本好き、文学読みなので、なんか手強そうなものばっかりあげてたらどうしようかな、と思ったら、ちゃんと読みやすそうなものをあげてくれてました(笑)。これなら、安心して紹介できます。
(3/15の停電関連記事を分けたものです。)
この3日間、計画停電の件を当ブログで紹介してきましたが、読者数の少ないこのブログで、自分の得意分野ではない情報、しかも地域と期間限定の情報を流して中途半端な内容になるよりも、やはりいつものように、本のことを中心に書いていくほうが、自分も書きやすいし、ふだんから訪問してくださる方にもいいかなということに、前回の記事を書いていて、あらためて思いあたりました。
計画停電の件自体、発表こそ直前ではありますが、初日のような情報の混乱はなくなり、落ち着いてきていますので、オフィシャルのサイトや、その種の情報に特化したサイトにまかせたいと思います。
というわけで、次の記事からは、いつものように、本と書店の話題が中心のblogに戻します。ただ、さすがに当分は書店レポート、フェア紹介みたいな記事は書けないと思いますから、「こんなときだから本を」 ということで、昨日紹介したような本、そしてときどきは音楽を、少しずつ紹介していこうかなと思っています。
(以下、記録のために残してありますが、終了した計画停電に関する記事です。)
【“武蔵野市にお住まいの方へ:計画(輪番)停電”の続きを読む】
新宿区上落合、西武新宿線と都営大江戸線中井駅からすぐのところにある街の書店、伊野尾書店 の店長、伊野尾宏之 さん(@inooshoten)が、ツイッターでこんな呼びかけをしています。
《こんな状況だからこそ、みんなで本読んだらどうかな。元気が出る本、笑える本、なんでも挙げてってみようよ。暗い気持ちになる本はちょっとアレだけど。俺自身はそんな思いつかないけど、なんか少しは明るい気持ちになれる本が出てくるかもしれない。ハッシュタグ #imayommitai で。》
ちなみに、ハッシュタグのmが重なっているのは、タイプミスか何かのようで、特に意味はないようです(笑)。すでに複数上がっているので、このままで、のようですね。
こんなときだからこそ本を……ほんと、そうですよ。まあ、この駄ブログをふだん訪問してくださる方の多くは、こんなときも何も、言われなくても「本を」という方なんだろうと思いますが(笑)。そういう本好きの方は、周りの方、とくに情報洪水で余裕を失ってしまっている方に、「こんなときだから本を」主義をおすすめしてみるのがいいかもしれませんね。わが家はすでに3人とも実践済みで、このすてきな取り組みについて、家庭内ではいまひとつ周知のしがいがないので、ここで紹介する次第であります。
【“こんなときだからこそ、本を”の続きを読む】
ニュースもいいけど、大事だけど、こういうのもいかが。WALKING TOUR 。
VIDEO
あと、これも。
ツイッターを見ていると、視聴者全員をPTSD予備軍、ストレス症候群予備軍にしかねない映像を流し続けないで、ライフラインなどの必要な情報や安否情報を、そしてとくに子どもたちの心を落ち着けられるよう子ども番組、娯楽番組の放送をと、たくさんの人が、うったえています。もっともだと思います。早期の実現を願ってやみません。
ところで。子どもと言えば、昨日のことですが、娘が、お気に入りのマンガを、くすくす笑いながら楽しそうに読んでいるのを見て、はっとさせられるということがありました。本好きの彼女が本を手に楽しそうにしているのはふつうのことなんですが、土曜日終日、そんな声を聞いたり姿を見たり、まったくしていなかったことに、そのときまで気づかなかったのです。
被災地でもっと大変な目にあっている人がたくさんいる今、こんな事例を紹介するのもどうかと思いつつあえて書きますが、うちの子も先週から今週にかけては、それなりに不安なときを過ごしています。先週の金曜日は、ぼくも連れ合いもいつ帰れるのかわからない状態で、最大の心配は学童保育の迎え。連絡のしようがないため、延長で預かっていてくれているのか、いつも通り時間になったら出されてしまったのかも、途中までまったくわからない状況でした。
結局、小学校が、同じような状況の子を集めて、先生がついて預かっていてくれました。うちの子は最後の3人の1人で、唯一の女の子だったそうです。どんなにか心細かったことかと思います。しかも、その晩、パパは帰らない。翌朝やっとパパが帰ってきたと思ったら、親は二人とも朝からずっと、テレビやパソコンや新聞ばかり見ているし、テレビを見れば、流れているのはこわい映像ばかり……。
そんな二日を過ごし、おそらくは不安でかたまってしまっていたのであろう娘の笑い声を引き出したのは、1冊の本でした。親としてあまりにも不覚なことですが、その声を聞くまで、自分たちが、彼女を不安がらせていたかに気づかなかったのです……。
誰にでも同じような効果があるかどうかはわかりませんが、1冊の本には、こんなふうに気分をがらりと、それもいい方向に変えてしまう力があると思うのです。ぼくは、本の持つそういう力を、本気で、ナイーブなぐらいに本気で信じています。だから、今は作るのも、運ぶのも、売るのも大変なときだけれど、やはり、我々本に関わる仕事に携わるものは、自分たちにできる範囲で、1冊でも多くの本をそれを必要としている人たちに届ける努力を全力ですべきだと思うのです。もちろん、節電・停電への配慮・協力は大前提だし、紙や流通に被害・影響が出ていることも考えに入れなくてはなりませんが、でもやはり、本作りをあきらめてはいけないという気持ちに変わりはありません。
娘に笑顔を取り戻してくれた1冊の本を、避難所や学校や家やいろんなところで不安な気持ちになっている子どもたちに届けられたらと、昨日からそんなことばかり考えています。でも、自分にできないことを夢想するより、まずは自分の仕事を、ですからね。多くの出版・書店関係のみなさんと同じく、ぼくも自分にできることをやりますよ。
で、最初の話に戻りますが、子ども向けのテレビ番組にも同じような力があるのだろうと思います。ぼくは、テレビについては何を語ることもできないので、単なる希望でしかありませんが、節電・停電への配慮がされたうえで、子どもたちがいつも自分が観ている大好きな番組を、いつものように観られる環境が各地で整うことを願ってやみません。NHKがYouTubeで公開している番組コレクションがあるようです。番組数も豊富で、子ども向けのコンテンツを多く含んでいますので、YouTubeの再生環境のある方は試されるといいでしょう。「NHK番組コレクション」 。このほか、絵本の読み聞かせを、ラジオで流したりしているところもあるようです。実に粋な、すてきな試みだと思います。動画、音など、それぞれの強みを活かしたかたちで、各社が工夫してくれるといいですね。
(余談ですが、特番で流れてしまった番組のヒーロー、ライダーやウルトラやプリキュアたちのツイッターアカウントで、子どもたちに、だいじょうぶだよ、いまじしんからみんなをまもっているためにたたかっているから、テレビではみられないけど、いつもみんなといっしょだよ、といった主旨のツイートがされているのを観ると、毎回泣いてしまいます……。いいんです、単純と言われようが、いいおっさんが何をと思われようがなんだろうが。なかには、お父さんに向けたものもあって、それも泣けたなあ。ツイッター使いの大人で、周りにそういう番組を楽しみにしている子どもたちがいたら、ぜひ見せてあげたり、読み上げたりしてほしいものです。これ、効くと思います。)
追記:
【“本を読んで笑っている子どもの姿はやっぱりいいものだな、という話”の続きを読む】
(以下、記録のために残してありますが、終了した計画停電に関する記事です。)
【“【更新】武蔵野市にお住まいの方へ:計画(輪番)停電 ”の続きを読む】
先の記事で書いた、寛容主義の続き。
災害にかぎらず、大事があると起こりがちなんですが、自粛ムードのようなものが一部で広まりつつあるようですね。ぼく自身、ふだんの言動においても、この記事でも、気をつけないと、ついやりそうになってしまうのですが、「こんなときに……」とか「不謹慎な……」とか、そういうことばにも気をつけたいなと思うのです。繰り返しになりますが、そういうことばをつい発したくなっちゃうときは、やっぱり同じことを言いたいのですよ、寛容でいきましょうよ、と。いいじゃないですか、誰かが楽しい気分になれるんだとしたら、それがちょっとぐらい自分の感覚や嗜好とは違ったたぐいのものであっても。
こういう事態になると、ただお店を開けているだけで、先のようなことを言われちゃったりすることってありますよね。さすがに、パチンコやゲーセンは個人的には共感や理解はしにくいけど、でも、どんな業種であれ、それを必要としている人がいる可能性が少しでもあれば、営業する意味はあると思うのです。我々が1冊の本からどれだけ多くのものをもらえるかを思えば、それがゲームだったり、パチンコだったり、お酒だったりする人がいることも想像はできますからね。
どんなときにも人間には息抜きや娯楽が必要なわけですよ。このような事態では、いつも以上に、と言っていい。そんななかで、各種の娯楽を提供しようと思えば、前回の記事に書いた書店のように、危ないものに囲まれている環境で営業しなくてはならないことだってあるし、ガスや火を使わざるを得ない飲食業のような環境だってあるわけで、営業する側にも当然リスクはあるわけですから。そして、当たり前のことですが、それで生計を立てている人たちもいるわけですから。こんなときに、だとか、営業控えよ、だとか、そんなこと簡単に言えないと思うのですよ。
徒歩帰宅で移動を強いられているときに、飲み屋で談笑しているのを見て不愉快に思った、という主旨の意見もいくつか目にしました。気持ちとしてはわからないでもありません。でもね、そういう人たちが、誰かと飲食することで、その時の不安や恐怖を少しでも軽減できるのかもしれないなら、それでよしとしましょうよ。寛容の心で。
もちろん、節電に配慮する必要はありますよ。それは大前提として、そのうえで、空いてる店があって、そこから、音や光や談笑する声が漏れてきても、眉をひそめるのではなく、そのようにして、気分転換できている人たちがいることを、ふつうに営業できているお店と客があることを喜びましょうよ。
大文字の話にしたくないので、自分の話にしますが、ぼくは、地震のとき、よりによって、ジュンク池袋の下りエレベーターの中にいました。しかも、独りで。時間にすればおそらく1分もなかったろうと思うのですが、でも、尋常でない揺れが続くうえ、エレベーターは途中階で緊急停止してくれず、下までいったので、体感時間が長いのなんの……。
揺れもこわいけど、もっとこわかったのが音。上からも横からも、エレベーターの中では聞いたことのない(そして、絶対に聞きたくない)「ミシ」「ピキ」「キキキ」みたいなのが、降りるまでずっと、音響のいい映画館で観ているホラー映画の効果音ばりに、超サラウンドで続いていたのです。1階まで到着し、ぼくが降りるとすぐに止まったらしく、気づいたら階数表示が消えていました。あの時間は、我が人生で最大の恐怖でした。文字通り、膝ががくがくになりました。ぼくはいい年をしたおっさんですが、ほんとうに、ほんとうにこわかったです。おしっこをちびりそう、というのはああいう体験を言うのだなと、心から実感させられました。
ぼくは、その後、たまたまリブロに営業に来ていた友人と会って行動を共にできたので、ラッキーでしたが、独りだったら、あの恐怖を誰かに話すこともできずに抱えたままで、その日の残りの行動に影響が出ていたかもしれません。
もし、あのとき、誰にも会えず、娘の迎えの心配もなく、吉祥寺まで帰るのもむずかしいとなったら、ぼくだって飲んでいたかもしれません。あのとき、目の前に、心の癒し効果抜群の本と、一杯のビールと座って落ち着ける席を提供してくれる飲み屋の、2つの選択肢があったら、ぼくは後者をとっていたと思います。そして、安堵感から思わず、ぷはー、などとやってしまい、たまたま外を通りかかった人たちの顰蹙をかっていたのかもしれません。
……なんか、脱線しすぎて、何の話だかよくわからなくなってきました(苦笑)。とにかく。節電への配慮、計画停電への協力、被災者の方々への配慮などがきちんとなされていることが前提ではありますが、そのうえで、お店が営業していたり、イベントをする人がいたり、歌でみんなを勇気づけたいとライヴをやる人がいたり、プロレスでチャリティをしたいという人がいたり、マンガやアニメやお笑いで子どもたちを笑わせたいという人がいたり、とにかくいろんなかたちでいろんなことをやろうとしている人たちがいることについて、ぜひ、寛容でいきましょう、と、そんなことを書きたかったのですが、我が筆力の不足を実感……。
TLをかけめぐる、いろいろなかたちの善意に励まされたり、心強く思わされたりした人は多いだろうと思います。ぼくもその一人。ふだんは「この国は…」といった枕詞付きでマイナスに語られることも多いですからね。だから、あらためて日本って、日本人ってけっこうやるじゃん、と思わせてくれるようなことがあると、やはりうれしいものですよね。(以下、いつものだらだら文で、停電情報のような緊急を要する重要な情報は載っていません。また、計画停電の前に書いた記事ですので、一部、状況が変わっているところもありますが、そのまま上げます。)
でも。一方で、こんなことも。書店の人たちが「早く開けろ」「なんで品が少ないんだ」「なんで休んだんだ」「なんで営業時間が短いんだ」などという心ないことを言われたという、あまりにも悲しい話を、ツイッターやメール他で見聞きしているのです……。あんまりと言えばあんまりな話に、書店派としては心が痛みます。
これといって何もできないぼくたちが、「客」としてできることの1つに、寛容 であること、があると思うのです。寛容 でいきましょうよ。
いまはお店をふつうに開けるのだって大変なときです。わが家では本が少し棚から飛び出したぐらいですが、それでも、元通りにするのはそれなりに大変でした。これが、棚の本がすべて飛び出していたり、棚自体が倒れてしまったときに、どれほど大変な作業になるかは、それほど豊かな想像力がなくともわかりそうですよね。実際、関東近郊の書店さんがあげていた、本が散乱してしまった店内の写真をいくつも目にしましたが、あの状態から、ふつうに営業できる状態に戻すのは並大抵のことではないでしょう。関東でこれなら、被災地のお店ではいったいどのようなことになっているのかと、心を痛めずにはいられません。各地の書店の様子を読んだり見たりしていない方は、どうぞ、先の記事でもご紹介した、「東北地方太平洋沖地震被害 東北・関東の書店状況」 (新文化)や「「東北地方太平洋沖地震」発生以降の書店の状況」 (bookseller56さんまとめ)をご覧ください。
開けるのも大変ですが、お店を開けないこと、開けるのを遅らせるだって大変です。当然、開けずにさぼっているわけではないわけで、裏では全力の復旧作業が進んでいるわけです。しかも、お店の人たちがかかりきりになっても、その作業はまったく利益を生まないわけです。お店を閉めれば当然売上げはゼロです。それでも中途半端な状態でお店を開けるわけにいかないのは、店内での事故から第一にはお客さんを、第二には働く人たちを守るためですよ。
【“寛容でいこう。”の続きを読む】
先日情報提供の呼びかけ をしていた新文化のサイトに「東北地方太平洋沖地震被害 東北・関東の書店状況」 があがっています。
《3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の被害について、現在までに分かっている情報をまとめました。最新の状況がわかり次第、随時更新していきます。》
ツイッターには、多くの書店から情報が寄せられていますが、ツイッターをチェックしていない方も多くいるでしょうし、ツイッターは情報が流れてしまって、後からまとめてチェックしづらいという面もあります。このまとめは、その点、とても助かりますね。書店・出版関係者はぜひチェックしておきたいものです。
また、そのツイッターで流れている書店関連の膨大な情報について、ゴロウ さん(@bookseller56)が、こんなすばらしいまとめを作ってくださっています。「「東北地方太平洋沖地震」発生以降の書店の状況」 (注意 :作成者のゴロウさんが、《量が多いので、かなり重いです。ご注意ください。》とされていますので、クリックされる際はご注意を)。
先日の記事 にも書きましたが、自分にできるようなら、こうした書店状況のまとめをしたいと思っていたぐらいなのですが、ぼくの腕と情報収集力ではどうにもなりません。書店に関心を持つ者として、ほんとうにありがたいです。ご自身のお店のことでもお忙しいはずなのに、こんなまとめを作ってくださったゴロウ さん(@bookseller56)には、心から感謝です。本好き書店好きのみなさんは、自分が出入りしているお店、ひいきのお店がどんな状況にあるのか、また、被災地のお店がどのような苦労をしているのか、ぜひこのまとめを使って、確認してみてください。本好き書店好きの我々が、こんなときに何ができるのかを考える参考に、きっとなると思うからです。
被災地以外のエリアにいる者で、ぼく同様、何かしたいのに何もできない…という無力感にさいなまれている方は少なくないかと思います。が、そんな我々がすべきこと、そして確実にできることの1つが節電。こんなときこそ、我々本好きがもっとも得意な読書に専念しようではありませんか。このブログをご覧になっている方の多くは、本が数冊あれば、いくらでも時間を過ごせる方だろうと思います。不要な電化製品から離れ、コンセントを抜き、必要な灯りだけを灯して、今日明日は本を読みながら過ごしましょう。
ツイッターやWebの情報をもとに、被災地以外のエリアにいる方に参考になると思われるサイトを、自分の覚えも兼ねて、リストアップしてみました。網羅的なものではありませんが、とりあえず何をすべきかすべきでないかの、有用な指針になるものと思います。
◆災害救援情報
◆被災地以外のエリアにいるぼくたちにできること、すべきこと、すべきでないこと
◆ツイッター関係
《しつこいようですが、大事なことなので繰り返します。多くの方が非公式リツイートを利用されているため、同じようなツイートが重複し、本当に重要なツイートが埋もれます。リツイートに関する説明を追記しましたので、PCまたはスマートフォンから再確認を》。不注意な拡散で、TLを混雑させないためにも、ツイッター使いは一読を。
◆できること
《関東以南で面倒ごとを起こして、東北に投入すべき資源を無駄にしない!そのためにも、冷静に平穏に楽しく週末を過ごしましょう。》
《※被災地以外の方のために書かれた文章です。被災地の方は他の有益な情報を見てください。》
《この募金で集まったTポイントは、1ポイント=1円に換算され、募金先団体に募金されます。》ぼくもします。
◆節電関係
◆その他
《元気の出るつぶやきを集めます。》
書店応援派としては、ツイッター上に流れた書店の状況をまとめることができないか、などとも考えたのですが、とても素人の手にはおえず、残念ながら断念します。ですが、もしも書店関係で当方に何かできること、あげるべき情報などがありましたら、ぜひご一報ください。なお、この記事以降、節電のため、パソコンを閉じ、不急のツイートを避けるため、TLも情報収集にチェックするだけとします。
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