久しぶりになりました。新刊書店の開店・改装・閉店関連のニュースです。今回は、リニューアルに、いくつか気になるニュースがありますから、まずはリニューアルから。
●リニューアル
先日、書泉グランデの公式アカウント（@shosengnd）で、こんなツイートが流れていました。《明日８日をもちまして、グランデコミック売場は終幕いたします。長い間のご利用、本当にありがとうございました。もう商品もほとんど撤収状態なのですが、最後の姿をよろしければご覧いただければと思います。今後はコミックはブックマートにて、どうぞよろしくお願いいたします。》
グランデ地下からコミックが移動になる件は以前から噂が流れていて、この空犬通信でも、今年５月ごろの記事で、鉄道関連のリニューアルと合わせ、少しふれています。
ぼくは、それほど熱心なコミック読みではありませんが、でも、書泉グランデの地下ではずいぶんたくさんコミックを買いました。あの売り場サイズは、ぼくのように、コミックの連載媒体や少年向け・青年向けなどの対象が頭に入っていなくて、コミックを探すのが苦手な買い手には、ちょうどいい感じなんですよね。壁の棚が高いから、点数はそれなりにあるはずなのに、全体が見渡せる感じで。
昨日の昼休み、早速、そのコミック売り場がなくなった、書泉グランデのB1を見てきました。
↑グランデ、１階のエレベータ前には、こんな貼り紙が。改装は、7/9から８月中旬までであること、フロアを一時閉鎖する場合があることなどが案内されています。
B1は、格闘技関連などはそのままで、通常通りの営業のようでした。コミックの棚や壁もそのままでしたが、棚には商品はなく、がらんと空いています。その商品のなくなった棚に、写真のような、売り場移動の案内の貼り紙が貼られていました（店内の貼り紙の写真は、お店の人に断って撮らせてもらったものです）。
↑グランデ地下の案内貼り紙、「書泉グランデコミック売り場移動について」。移転先として、ブックマートが案内されています。
お店の人に、撮影の件を断りがてら、売り場のことを聞いてみました。「移動」となっているけれども、実際には、重複した在庫などは整理するので、グランデ地下の在庫がすべて「移動」するということではない、とのこと。まあ、スペースなどを考えれば当然そうでしょうね。ブックマートのほうも見てきました。
↑ブックマート、入り口そばの案内。文面はグランデのものと同じですが、こちらは改装期間が、7/2から７月下旬まで、となっています。
グランデのコミック売り場が、すぐそばのブックマートにまとまる、というだけで、神保町エリアから書泉のコミック売り場がなくなってしまうわけではありません。でも、グランデ地下の、昔からの利用者としては、なんとなくさびしい感じがしますね。土日は用事があって、最後の買い物に行けなかったのが、ほんとに残念です。ブックマートとグランデの新しい売り場に、期待したいと思います。
さて。がらっと変わって、次は山陰の話題を。鳥取県米子市にある「本の学校 今井ブックセンター」が、この秋に、リニューアルとなるようです。お店のサイトには、《このサイトは、本の学校今井ブックセンターのリニューアルに伴うお知らせ等をご案内するサイトです》というページも作られています。お店の歴史や現在の店舗の様子などを、たくさんの写真なども使って見せてくれる、非常に内容の充実したものになっています。ここで、お店の様子を知らない素人が紹介するよりも、そちらを見ていただくほうが早くて正確なので、ぜひそちらをご覧ください。
写真を見ていただければおわかりの通り、もともと、地方の書店としてはかなり大きなお店でしたが、これがさらに拡張されるようで、最終的には売り場面積的には倍増、山陰地区では最大の書店になるのだとか。
関東在住者にはあまり縁のない名前かもしれませんが、今井書店といえば、鳥取・島根を中心に複数の店舗を展開する、山陰を代表する老舗チェーン。創業は明治で、今回のリニューアルは創業140周年記念の一環のようです。地方の書店というと、全国チェーンの大型店出店以外になかなかいいニュースが聞けないことが多いのですが、このように、地方の老舗書店ががんばっているニュースはほんとにうれしいですね。残念ながら山陰はプライベートでも仕事でもほぼまったく縁がなくて、今井書店も行ったことがないのですが、リニューアル後の様子はぜひ見に行きたいものです。
いつも書店の情報を寄せてくださる出版仲間のお一人、平出さんが、この件、写真を送ってくれましたので、紹介しておきます。
↑改装告知、店内外に掲示されている案内。
↑建物外観。写真右奥に見える、シートの張られているところが新築される場所だそうです。
これ以外はリストでざっと。
- 6/2 有隣堂シャポー市川店
- 7/12 紀伊國屋書店コミックハウス
- 7/19 ダイレクトショップＡＢＣ枚方店（140）
- 7/21 宮脇書店刈谷店（180）
- 8/11 アニメイト渋谷店（90）
有隣堂は、駅ビル、シャポー市川の工事に伴う移転とのことで、現在１FからB1になるようです。広さなどがどうなるのかはわかりません。
阪急32番街にある紀伊國屋書店のコミック専門店、コミックハウスは増床とのこと。今回、阪急32番街は「空庭ダイニング」というコンセプトで大幅にリニューアルされるようですが、同店は30階でのリニューアルオープン。関連記事はこちら。「阪急32番街「空庭ダイニング」、7月12日開業へ－37店舗が出店」（6/18 梅田経済新聞）。
●オープン
前述の、グランデのリニューアルにふれた同じ記事で紹介した、下北沢のB&B。内沼晋太郎さんが手がける、新しい書店ということで楽しみにしている書店好きも多いでしょう。先の記事で紹介したときには開店日が決まっていませんでしたが、正式なオープンは7/20。
お店のツイート（@book_and_beer）によれば、プレオープンがあるようです。《本屋「B&B」は、「Casa BRUTUS」さんとのコラボで7月10日〜14日まで、プレオープンイベントを開催します（正式オープンは20日です）。初日と最終日はすでに完売してしまいました。チケットは好評発売中です！》
これ以外は、リストでざっと。
- 7/4 ザ・本屋さん豊平店（22）
- 7/14 ザ・本屋さん北３２条店（80）
- 7/14 ゲオ大分国東店（70）
- 7/14 ゲオ大分戸次店（70）
- 7/20 ブックスモア秋田潟上店（300）
- 7/20 平清書店堀之内店（50）
- 7/26 夢屋書店ピアゴ香貫店（99）
- 7/26 WAY富田林店（130）
- 7/28 ゲオ豊後大野店（65）
今回は、立地的に、またチェーン的に、個人的にふだんあまり縁のないお店が多いので、今回はリストアップだけにしておきますが、１店、サイズで目立つブックスモア秋田潟上店についてのみ補足しておくと、これは、秋田トヨタ自動車株式会社とジュンク堂書店との提携店舗で、弘前のブックスモア桔梗野店も同様の形態だそうです。ロードサイドによく見かける車の販売店に書店が併設されたような、郊外型大型店になるんでしょうか。
このほか、書店誘致だけが報道されていて、チェーン／店名のわからないものがあります。「中央卸売市場跡にイオン ４５億円で売却へ」（7/5 朝日新聞） によれば、《神戸市は４日、兵庫区中之島２丁目の市中央卸売市場の移転跡地をイオンモール（本社・千葉市）に４５億円で売却すると発表した》とのこと。記事でふれられている誘致予定店舗には書店も入っています。
また、書店激戦区、福岡・天神に新たな書店が、という記事もありました。「ショッパーズ専門店街跡に「ノース天神」が開業」（6/28 天神経済新聞）によれば、《8月中旬には6階に書店が開業》とあります。
●閉店
- 6/30 電波堂書店
- 6/30 ブックスアミ南口店
電波堂は、秋葉原の東京ラジオデパート内にあったお店。店名といい立地といい、まさに秋葉原ならでは、という感じのお店でしたが、この立地でこういうお店が成り立たないというのは、なかなか厳しい話ですね。
ブックスアミは、東京在住者にはあまり縁のない名前ですが、南口店は、小田急線の相模大野駅近くにあったお店とのことです。
