以前の記事で、渋谷のパルコに書店関係の動きがいくつか続いたことにふれました。先日、店頭の様子をのぞいてきたので、簡単に紹介します。(すみません、ほんとは福岡と熊本を先にまとめなくてはいけないんですが、あちらは、分量的に大変で、まだ手こずってます……。)
↑渋谷パルコPart 1。ご覧の通り、6階が「シブポップ」と名付けられ、フロアガイドにも大きく朱書きされています。カルチャー関連のショップが集まったフロアになっていて、店舗のリストとフロアレイアウトは写真の通り。
↑エレベーターの扉にも大きな案内が出ています。中に入ると……ご覧の通り、『ONE PIECE』一色。これは、もちろん、6階にワンピースの公式グッズショップ「ONE PIECE 麦わらストア」が入っているため。関連記事はこちら。「渋谷パルコにワンピース公式グッズショップ「麦わらストア」-初の常設店」(9/28 シブヤ経済新聞)。
↑渋谷サブカル書店。人通りの合間を縫うように急いで撮ったら、ぼけぼけ(涙)。かろうじて、白木調の書棚が並んでいること、棚の高さは控え目でワゴンのような台に雑誌類が面で並んでいること、などが見えるでしょうか。写真正面奥が、復刊ドットコムの棚で、その右あたりにレジ。さらに写真左奥に、書籍類の棚が続いています。約30坪。通路側が広く開いていること、什器の色が明るめであることもあって、古書店らしからぬ明るい感じのお店になっています。
お店全体の名前としては「渋谷サブカル書店」という名前になっていますが、母体になっているのは、江戸川区と千葉市に店舗のある古書店、草古堂。ショップカードも「草古堂」と大きくある横に「渋谷サブカル書店」のロゴが入ったものになっていました。
「復刊ドットコム」のリアルショップができたという記事を見て、どんな形態なのか気になっていたんですが、店舗内の売場という扱いで、とくに仕切りなどが設けられているわけではありませんでした。ただ、什器や本の陳列の感じは、他の棚とははっきり違うものになっているので、店内でも非常に目立ちます。(上のリンクに店内の写真あり。)
それ以外の古本の扱いですが、パルコ内の古書店ということで、いくら「サブカル」をうたっていても、やっぱりおしゃれ寄りなんだろうなあ、ぼくのようなおやじが買うものはないかもなあ、などと、訪問前は勝手に心配していたんですが、行ってみたら、うれしいびっくり。たしかに、ファッション誌や美術系洋書などはたくさんありますが、ひと昔前のマンガ・アニメ・特撮関係など、ぼくのようなボンクラ系のおやじ大歓迎みたいな本がたくさんあるのです。
先の写真で、お店の通路側に白い柱が見えていますが、その左側、店舗の入り口側の目立つところに、サンライズのムックとか、松本零士のアニメ関係の本とか置いてましたからね。立地から勝手に、おしゃれ古書店だろうと決めつけていたのを深く反省。持ってなかった、SF関連の雑誌と、特撮(しかもソフビ!)関連本を購入してきました。やっほー。
店内の商品が、そういう路線のものばかりかというとそんなことはなくて、数はそれほど多くはありませんが、いわゆる古本らしい古本もちゃんとあります。何があってどんな値付けで、などとこまかいことは書きませんし、チェックもできていないのですが、マンガ・アニメなどのサブカルやファッション雑誌などに興味がない古本好きが見ても、楽しめる棚になっているのではないかなあと、そんな気がしました。
先にリンクをあげた「復刊ドットコム 社長blog」の記事「No.163「渋谷サブカル書店OPEN」」に店内の様子が写っていますから、それらも見てみてください。
斜め前には、ヴィレッジヴァンガードフリークス渋谷パルコがあります。サイトの案内によれば、《普通のヴィレヴァンはもう飽きた!よりマニアックに、より(店長の)欲望を追求した店舗が渋谷パルコに誕生! アニメ・コミックス・フィギュアなどなどそっち系に偏りまくったお店です! あなたの中に眠っている新たな欲望を刺激させます!》というこのお店、ふつうのVVも、十分にマニアックに思えるぼくのような薄口の利用者には、従来のVVとの違いまでは残念ながらわからないのですが、ざっと一周した印象ではたしかに、マンガやアニメ関係は多めに見えました。
このほか、先に書きました通り、『ONE PIECE』のショップもありますし、おやじには無縁だろうと思ってスルーしてしまったのですが、先日お目にかかった方(男性)によれば、「すごくおもしろい!」というSHIBUYA GIRLS POPもあります。「シブポップ」「サブカル」といった、キーワードだけでスルーしてしまう人が、とくに本好き書店好きにはいるかもしれませんが、ものは試しと思って、一度見に行かれるといいと思いますよ。他のショップのことはわかりませんが、少なくとも、「渋谷サブカル書店」は、空犬通信を訪問してくださるような方ならば、けっこう楽しめるのではないかと思います(実際、ぼくも先日訪問したときは、荷物が重くて、何冊もあきらめちゃったのがあるので、再訪しなくては、と思っているところなのです。)
ところで、新刊書店応援派としては、先日リニューアルしたばかりのB1、リブロ渋谷店への影響が気になるところ。新古系の古書店が入ったりしたらちょっと大変ですが、今回見たかぎりでは、品揃えに非常に偏りというか特徴というかがあるお店だったので、新刊書店とのバッティングはあまりなさそう。それほどマイナスの影響があるとは思えず、むしろ補完し合う存在になりそうな気がします。6階のショップ群は、今まではパルコに足を運ばなかったようなタイプの本好きを呼び寄せるきっかけにもなりそうな感じなので、ぜひ、6階のお客さんにはリブロ渋谷店にも一緒に足を運んでもらえるような(もちろん逆も)、そんな関係が作れるといいのでは、などと思いました。
渋谷で、本で、と言えば、こちらも気になります。リブロ渋谷店のリニューアルを紹介した、この記事でふれた、タワーレコード渋谷店内のタワーブックスのこと。
↑改装中のタワーレコード渋谷店。1、2階は改装中で入れませんが、3階から上は営業中でした。タワーブックスは、2Fに入る予定です。以前、7階時代は、フロアをほぼ丸ごと使っていましたが、改装後は、カフェなどとフロアを分け合うかたちになるようです。
全館リニューアルオープンは11/23。どんなふうになるのか、楽しみなような、不安なような……。