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空犬通信

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リニューアルなった、リブロ渋谷改めパルコブックセンターを見てきましたよ

昨日の記事で、リブロ渋谷店がパルコブックセンターとしてリニューアルオープンする件についてふれました。オープン当日の同店の様子を早速見てきましたので、簡単にレポートします。また、後半では、改装が発表されているタワーレコード渋谷店の様子にもふれています。(以下、店内の写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。)


PBC渋谷リニューアル チラシ表PBC渋谷リニューアル チラシ裏

↑リニューアルオープンの告知チラシ。棚やフェアコーナーの特徴が簡単にまとまっているほか、リニューアル記念プレゼントの案内も。裏は売り場案内。


PBC渋谷リニューアル 売り場案内

↑同じ案内図が店内のあちこちに掲示されています。元、LOGOSがあったあたりが別のショップになり、レジの位置が変わっているのがわかります。


PBC渋谷リニューアル 特典カバー1PBC渋谷リニューアル 特典カバー2PBC渋谷リニューアル 特典カバー3

↑これがリニューアル記念プレゼントの「オリジナルファインペーパーブックカバー」。ヌメ革のような質感の紙製で、PBCのロゴが型押しされています。


店内に足を踏み入れての第一印象ですが、(悪い意味ではなく)そんなに大きく変わったわけではないなあ、という感じで、正直なところ、ちょっとほっとしました。というのも、売り場がぐんと狭くなったうえに、妙におしゃれ路線に偏った品揃えにシフトされてしまって、ぼくのようなおやじ利用者の居場所がないようなお店になってしまっていたら残念だなあと、心配もそれなりにあったからです。でも、それは大丈夫でした。


売り場も少し狭くなりはしたようですが、そんなに気になりません。狭く感じるどころか、レジの位置が変わり、いくつか、棚や壁の配置が変わったことで、お店全体を見渡せるようになり、通路が広くなった部分もあって、改装前よりもお店が広く、そしてすっきり見える気がします。もちろんただの個人の印象ですから、人によって違う意見もあろうかと思いますが、以前から利用している身にとっては、動線的にも、お店を回遊しやすくなったように思います。


あんまり変わってない、などと書くと、いろいろ工夫をしているお店の方に失礼ですね。もちろん、店名の変更に合わせて、あちこちが変わっているので、それも紹介していきましょう。まずは、LOGOS。独立性の高い店舗内店舗のような位置付けでしたが、今回の改装で、店名としての「LOGOS」はなくなり、PBC内の洋書売り場のコーナー名になっています(お店の関係の方からもそのように聞きました)


ただ、ややこしいのは、パルコの館内案内などには「LOGOS」の名前が残っていることで、外の看板でも、ご覧のように併記されています。また、新しくなった名刺も見せてもらいましたが、そちらにもLOGOSは残っていて、LIBRO、よむよむ、パルコブックセンターなどと並列の扱いです。


PBC渋谷リニューアル 外の看板PBC渋谷リニューアル LOGOS GAlleryPBC渋谷リニューアル 名刺

↑「LOGOS Gallery」はそのままです。ただ、PBCとは直接関係がないので、ここで、PBCのイベントを行ったりはないそうです。


PBC渋谷リニューアル LOGOSPBC渋谷リニューアル PRESSPOP

↑洋書売り場「LOGOS」。トートがずらりと並ぶ柱の奥は、規模こそ小さくなりましたが、大判の芸術関連洋書が並ぶ棚の様子はまさにLOGOSで、テイストはそのまま維持されている感じ。売り場の入り口付近には、ウインドーがあり、小規模な展示が行われています。「PRESSPOP GALLERY」という表示がありました。こちらに案内があります。ひと月ほどで展示内容を入れ替えるそうですよ。


写真手前が通路側で、そこに並んでいるのは、洋書のアウトレット。けっこう値引き幅の大きいお得感のある洋書も並んでいるのですが、「アウトレット」や「セール」といった表示が出ていない(か、ぼくが気づかないぐらい目立たない)ため、なんだか、メインの通路に面した棚の使い方としては、ちょっともったいない気がしてしまいました。ここは、目を引くビジュアル洋書の大判のものをがんがん面陳にしたり、レジ正面のエリアで広く展開されている、このお店の主力ジャンルの1つ、ファッション関連の雑誌などをこれでもかと面で並べたりすればいいのになあ、などと思いながら眺めてしまいました。


PBC渋谷リニューアル シャッターガール

↑LOGOSの右隣あたり、柱を使って、こんな試みが。「シャッターガール」とあるのが見えるでしょうか。女性のフォトグラファーに1か月、無料でスペースを貸し出すのだそうです。新刊にからめたものである必要もなく、独立したスペースとのこと。この柱の隣には、劇場に多い渋谷ならではのセレクトだという、演劇・映画などの関連本をまとめた棚、「ドラマハウス」があります。チラシでも目玉の1つとしてうたわれています。


PBC渋谷リニューアル レジPBC渋谷リニューアル 著名人の本棚PBC渋谷リニューアル レジ前フェア台パネル

↑こちらがレジ。前のレジよりもひとまわり大きくなった感じで、場所もお店全体のバランスを考えると、ずっとよくなったように思います。現レジの正面あたり、旧レジの場所には、「著名人の本棚」コーナーが。現在は、坂口恭平さん。右は、「著名人の本棚」の正面、レジの右斜め前あたり、メインのフェア台。この日は、「シトウレイ 日々是読書百選」が展開中。このフェア台がどのように使われるかも気になるところです。


PBC渋谷リニューアル  Shibuya StylePBC渋谷リニューアル  Shibuya Select

↑チラシでは、《渋谷型のライフスタイル関連書とニューカルチャー書を提案いたします》とされている、「shibuya style」&「shibuya select」。「shibuya select」の表示の下でいちばん目立っているのが、『怪獣博士!大伴昌司「大図解」画報』ですが、これはsibuya的に大丈夫なselectなのかどうか、店内であきらかに多数派を占めるお嬢さん方の姿を見るに、心配になります(苦笑)。ぼくはうれしいけど(笑)。


PBC渋谷リニューアル 経営ビジネスPBC渋谷リニューアル ソーシャルデザイン

↑ジャンルガイドや、作家名・レーベル名などのプレートも一新されました。先の記事で、《デザインやファッション関連の書籍を多く、児童書などファミリー層向けの書籍は少なめにラインアップする》《街の特性・客層に合わせ》たセレクトにする、とされた報道を紹介しましたが、そのような書かれ方からして、実用とかビジネスはぐっと減らされているのではないかと想像していたのですが、児童書こそないものの、家庭・育児もありましたし、語学・資格もありましたし、パソコン関係なんて規模からすると意外なぐらいたくさん残っているし(広義のデザイン書といえるものが多いこともあるのでしょう)、そして、ビジネスも意外なぐらい多めでした。前はこんなにこまかく分かれてたっけなあ、というぐらい、きちんとサブジャンルで分けられています。右の写真は、レジの真裏にできた、「ソーシャルデザイン」の棚。ちゃんとイマドキの分類も追加されています。


こうした、ちょっと意外なものも含め、これはなし、みたいに完全になくなってしまったものがあまりなく、おしゃれなセレクトショップみたいになりすぎていないところは、ぼくのような利用者には安心な感じがしますが、もしかしたら、ものたりないと思うユーザもいるかもしれません。今後、PBCらしく、もっととがった感じにふっていくのか(知り合いの話では、おそらくそうなるだろうと)、今のような感じで、あくまでも一般書店のバランスをそれなりに維持したものにするのかは、お客さんの反応次第、というところでしょうか。


意外なものが残っている一方、こんなに少なくなっちゃったのか……と、ちょっとさびしい感じを受けたジャンルももちろんあります。文芸は、レジの右後方、いちばん奥のエリアで、エンタメ・純文、男性・女性、全部合わせ、隅っこにノベルスまで入れて、それで1列。エンドの平台は、海外文芸と日本でわけっこです。売れ行きなどからすればしかたないことなのかもしれませんが、PBCで文芸がこの扱い、というのは、やっぱり昔を知る身にはちょっとさびしいですね。


文庫も、レーベル別を一部廃し、日本の文芸系は、新古書店や小規模な新刊書店などに多い、あいうえお順です。ただ、ハヤカワ・創元・河出・ちくま・岩波など、レーベル=ジャンル感の強いものや、レーベルにファンがついているものは、そのまま。


PBC渋谷リニューアル 岩波ちくま文庫

↑文庫はずいぶん減らされた感じなのに、岩波とちくまはこの分量(笑)。お店の客層というか、テイストがよく出ています。


このほか、コミックは、少し棚が減ったようですが、量やセレクトの感じはほぼ従来通り。平台、フェア台を見たら、『宇宙兄弟』も『銀の匙』もないのに、メビウスとか、大判のコミックやコミック画集がばんばん面になってるんだからなあ(笑)。


PBC渋谷リニューアル ブックカバーPBC渋谷リニューアル ブックカバー 本1PBC渋谷リニューアル ブックカバー 本1

↑PBCと言えば、やはりオールドタイマーにとっては、この、日比野克彦さんの手になるなつかしいロゴ、そして、テーマカラーのオレンジ、ですよね。このブックカバー、なつかしすぎる……。まさか、再び、新刊にこのブックカバーをかけてもらえる日がくるとはなあ。ちょっと感激です。ふだんはカバーもビニールも断る派ですが、今回は、買った本がみんな判型違いだったので、(応対してくれたのが知り合いだった気安さもあって)全部にカバーをかけてもらっちゃいました。ロゴや、オレンジ+クラフト紙の意匠も同じですが、紙は以前のものよりも少し薄くなっているようです。



PBC渋谷リニューアル PBC袋PBC渋谷リニューアル LOGOS袋

↑お店のビニール。LOGOSのも。「レアかも(笑)」などと言われたら、なんだかもらわないわけにはいきませんよね。PBCのは最近のビニールがみなそうであるように、ぺらぺらですが、LOGOSのは大判の美術書などに対応するためなのか、それとも、経費云々が言われる前の時代に作られたものだからなのか、すごくしっかりした肉厚なものでした。


PBC渋谷リニューアル エプロン

↑店内のあちこちに、オレンジが配され、ビニールもカバーのロゴもオレンジなのに、なぜかエプロンは、オレンジというにはやや茶に寄り過ぎたような微妙な色……(写真、それもWebだとよくわからないかもしれませんが、実際に見ると、ロゴのオレンジとは色味がかなり違っています)。「だれかが色指定間違えたんじゃないかって(笑)」。


以上、PBCのオープン当日の様子でした。そんなにがらっと変わってはいないものの、あちこちに新しい工夫が見られるのは事実ですし、何より、レジ・棚などの配置変更により、お店全体の空間的な印象(変なことばですが)が確実に変わっています。リブロ渋谷店時代から利用されている方はもちろんですが、PBC時代に利用していた方、最近は足が遠のいていたという方にもぜひ見ていただきたいお店です。


先に、棚の使い方で、ちょっともったいないかなあ、なんてことを感じたなどと偉そうに書きましたが、もったいないと言えば、告知。ぼくは事前に知っていたから別にいいのですが、外側での告知がほとんどめだたないため、Webなどで店名変更・リニューアルの件を知らない方は、外をふつうに通っている分には気づかないのではないかとちょっと心配になりました。


PBC渋谷リニューアル リニューアル告知

↑上はリニューアルの告知ですが、B1に降りる階段のあたりにはこの案内が出ているのですが、パルコ自体の入り口のガラスドア周辺、建物の壁などには、こうした案内が出ていません。なんだかすごく控え目な告知です。新規オープンとは違うので、あまりに派手できない、したくない、というのはもしかしたらあるのかもしれませんが、最近の本関係の例では、ブックオフの新宿や、数年前のブックファースト新宿のときのように、駅から建物への道の途中に、これでもか、というぐらいにポスターをはりめぐらした例などもありましたよね。リニューアルで、あそこまで派手にやる必要はないかもしれませんが、もう少し目立たせて、外を通る人を呼び込む工夫をしてもいいのではないかなと、そんなことを思ってしまいました。


ちょっと長くなってますが、これにもふれておきます。同じ渋谷で、本にも関係のあるニュースです。タワーレコード渋谷店が、改装、11/23にリニューアルオープンとなることが発表されています。「全面リニューアル「タワレコ渋谷店」にカフェや書店、スタジオなど 」(8/22 Fashionsnap.com)、「タワーレコード渋谷店
11月23日(金)リニューアル グランドオープン決定 在庫80万枚、ライブストリーミングスタジオ、カフェ、催事スペース併設 1,550坪世界最大の360°エンターテイメント・ストアが誕生」
(8/22 TOWER RECORDプレスリリース)。


TOWER RECORD渋谷改装前1TOWER RECORD渋谷改装前2

記事や見出では、新たに書店ができるようにもとれる書き方になっていますが、現在も7階に「TOWER BOOKS」があります。丸善や紀伊國屋と違って、やわらかめの品揃えが中心の、タワーレコード内ならではの特徴ある洋書売り場です。改装で気になるのは、書店派としてはやはりTOWER BOOKSがどうなるのか、ということ。記事によれば、《2階には渋谷ならではの品揃えが魅力の「TOWER BOOKS」と、本をが持ち込めるカフェ「TOWER RECORDS CAFE」がオープンする》。とあり、場所や形態は変わるものの、書籍売場は維持となるようです。


改装はまだ先ですが、現在の様子を見ておきたいのと、セールが開催中という情報も得ていたので、PBCの帰りにのぞいてきました。TOWER BOOKSでは、「GOLD RUSH SALE」が開催中でした。


TOWER RECORD渋谷 GOLD RUSH SALEポスター

セールは、1か所に集められているわけではなく、各ジャンルの棚でそれぞれ開催中ですので、フロア全体を見て回るほうがいいでしょう。紀伊國屋書店新宿南店の洋書市のように、去年今年の新刊がたくさん出ているわけではありませんが、既刊の量はこちらのほうが多くて、しかも安い。100円の雑誌や290円、490円の本がごろごろしています。大判のビジュアル本でも、1490円とか。先にも書いた通り、かたい本、専門書はあんまりありませんが、やわらかめの洋書が好みの方なら、いろいろ収穫がありそうです。


先日の紀伊國屋新宿南店の洋書市でもけっこう買っちゃったというのに、今回も、いっぱい買ってしまった……。だって、安いから、何冊も買ったのに、3000円にもならないんだもの。収穫は後日、紀伊國屋の分と合わせて、記事でレポートしようと思います。


セールは、8/31まで。ちなみに、この、タワーレコード渋谷店7F、TOWER BOOKSは、改装のため、8/31、19時で営業終了となるとのことです。


TOWER RECORD渋谷 GOLD RUSH SALE閉店告知

リニューアル後は、書籍売場自体の規模は今よりも縮小になるようですが、いまのように、サブカルチャーに強い、やわらかめ路線で、しかも値段の安い洋書売り場が維持されるのか、それともまったく違うノリの売り場になるのか。今回、リブロ/PBCの件とタワーレコードの件が相次ぐことで、渋谷の書店事情は大きく変貌することになりますね。書店派としては、非常に気になります。


コメント

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  • 2013/04/12(金) 13:51:10 |
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なんでもかまいません。)

都内近郊のお店の話がどうしても多くなりますが、出張や旅行
などで出かけた先のお店を取り上げることもあります。
またよろしければ、お読みいただけるとうれしいです。

  • 2013/04/12(金) 22:51:32 |
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