お待たせしました。乱歩ニュースです。まずは先日紹介した2点の乱歩本から。
- 江戸川乱歩・大槻ケンヂ『大槻ケンヂが語る江戸川乱歩』(角川文庫)
- 丸尾末広『乱歩パノラマ 丸尾末広画集』(ビームコミックス)
角川文庫のほうは、先日の記事に書いた通り、NHK教育の「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝 幻影城へようこそ -江戸川乱歩-」のテキストの文庫化。ただし、同番組のテキスト部分は半分ほどで、残りの半分は「鏡地獄」他の短篇代表作。
丸尾乱歩のほうは、予想はしていましたが、いやはや、すごい1冊になってますよ。乱歩関連のアートワークをただ集めたということではなく、乱歩作品にインスパイアされたイラストなども収録。以前、『パノラマ島奇譚』や『芋虫』を紹介したときにも書きましたが、現時点において、乱歩世界ともっとも相性のいい描き手はこの方でしょう。乱歩者は必読必携ですよ。巻末の『踊る一寸法師』も強烈。
乱歩関連のアートワークといえば、我々の世代にとっては、ポプラ社「少年探偵シリーズ」の、柳瀬茂ほかの手になるカバー絵ですね。作品世界と一体ですり込まれているという読者の方も多いことでしょう。もちろん、わたくし空犬もその一人です。
先日、そのポプラ社さんから、何やら大きな包みが送られてきました。開封してみると、なんと「少年探偵シリーズ」26巻完結プレゼントのC賞「全26巻収納ケース」ではないですかっ! 同封の手紙を確認すると、わたくし空犬は「厳正なる抽選の結果、C賞「全26巻収納ケース」にご当選された」そうです。 う、うれしい……(涙)。ポプラ文庫編集部のみなさん、ありがとうございました!
↑この箱。
ああ、うれしいなあ。これ、応募がしたのがけっこう前で、もうダメだったんだろうと、忘れかけてたんですよね。うれしいなあ。早速、全巻をセットして、本棚にかっこよく飾るかなと……ふん? あれ、おかしいな、全部入らないぞ。……(汗)。
以前にも書いたかと思いますが、わが家の本、とっておきと決めたものはパラフィンをかけてるんですよ。で、当然この26巻もかけてるんですね。だから、その分、ちょっと本が「太ってる」わけです。
あと、帯。表紙が見えないのは嫌なので、文庫とか新書の場合は、帯は捨てちゃうんですが(単行本はとっておく)、乱歩文庫の帯はさすがに捨てるわけにはいかないので、はずして中に挟み込んであるんですよね。新刊案内などの挟み込みも、ふつう捨てちゃうんだけど、乱歩文庫にかぎっては、それもとってある。なもので、1冊がさらにちょっとずつ「太っている」んですね。それが26巻分だとけっこうな厚みオーバーになっているわけで、入らないのも当然ということに……。
しかたないから、最後の26巻だけ、箱から出して、面陳にしてみた。何やってんだ、まったく。
カバー絵といえば、この人も忘れられません。直接の乱歩関連ニュースじゃないですが、乱歩と言えばという感じの横溝正史、その角川文庫黄金時代のカバー絵を担当した人と言えば、杉本一文先生。
その杉本先生が参加する版画工房「銅夢」の版画展が、銀座の地球堂ギャラリーで、5月3日~9日に開催されます。
以前にも書きましたが、杉本先生には、たまたまお目にかかる機会があり、それ以来、展覧会のご案内をいただけるようになりました。その後も、会場でお会いするたびに、いろいろお話などさせていただくのですが、杉本先生、あの妖しくも強烈な世界を描いた方とは思えないほど、大変に気さくでやさしい方で、一応、出版関係者ではあるけれど、先生の前ではただの横溝ファンでしかない素人を相手に、いろいろと角川横溝関係のことや、その後の活動のことを話してくださるのです。
毎日かどうかはわかりませんが、版画展の会期中は、先生はよく会場にいらっしゃるようです。あなたが、横溝正史のファン、とくに角川横溝のファンならば、横溝ワールド大ブレイクに一役かった伝説の絵師に会うチャンスですよ。横溝ファンは、全速力で銀座へレッツゴー。
乱歩ニュースといえば、今日知ったことで、乱歩者の空犬が失神しかけたほどの驚愕のニュースがあるんだけど、諸事情により書けません。うー、これ書きたいなあ。事情が許すようになったら、空犬通信で披露したいものです。