fc2ブログ

空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

神戸・元町の出版社、そして書庫バー……神戸古書店巡り 番外編

さて、先日の記事に、神戸の古書店回りが大変に楽しかったという話を書きました。今回の神戸滞在では、古書店以外のところにも寄ってきましたので、そちらも紹介しておきます。


今回の神戸古書店巡りでツアーガイド役を引き受けてくださったのは、吉祥寺時代からの知り合いで、現在は苦楽堂の社主をつとめる石井伸介さん。書店巡りの合間に、オフィスにおじゃましてきましたよ。(写真は石井さんの許可を得て撮影・掲載しています。)


171123 神戸 苦楽堂 ビル171123 神戸 苦楽堂 プレート

↑苦楽堂は、こちらのビルの中にあります。ビルの名前も外観も、さらにホールに掲示されたプレートも昭和感全開でいい感じですね。



171123 神戸 苦楽堂 屋内

↑こちらがオフィス内の様子。まさに編集者の城という感じ。壁面はすべて本棚で埋まっていて、その本棚がものすごい量の資料本で埋まっています。向こうを向いているのが石井さん。


171123 神戸 苦楽堂 特撮

↑入り口のすぐ脇という重要な場所に、特撮棚を発見。すかさず証拠写真を。石井さんは当方と同じ、昭和特撮者です。(BOOKSルーエで特撮関連本が売れると、だいたいこの二人が買ってました。)


苦楽堂の新刊、久禮亮太さんの『スリップの技法』は、書店員の教科書とも言うべき内容の1冊ですが、書店員だけでなく、一般の本好きや、異業種で小売に携わっている人たちの間でも話題になっているようですね。ちなみに、ぼくが神戸を訪問した翌日、久禮亮太さんが来神、元町でトークイベントが開催され、大いににぎわったようです。


石井さんのオフィスは、海文堂書店の跡地からすぐのところにあります。移動途中に跡地に寄ってみました。


171123 神戸 海文堂跡地

海文堂書店の跡地にはドラッグストアが入っています。柱の位置も、階段の位置も(当たり前ですが)海文堂時代そのまま、店舗の側面の壁もそのまま。なのに、海文堂ではない、別の店が営業している……その光景がなんだかものすごく不思議なものに思えてしまい(閉店後に跡地を訪問するのはこれが初めてでした)、しばし呆然としてしまいました。言葉が出てこないのです……。


近くといえば、前回の記事で紹介した、1003もうみねこ堂書林も、徒歩ですぐのところに位置しています。


171123 神戸 くとうてん

↑海文堂書店跡地のすぐ裏といっていいところに、本ブログでもたびたび紹介している神戸の地域誌『ほんまに』の発行元、くとうてんのオフィスもあります。訪ねてみましたが、休日だったので、どなたもいらっしゃらず。


最後は、古書店ではありませんが、同じ流れで紹介してもいいでしょう。同じく元町にある書庫バーに、石井さんに案内してもらいました。(看板を撮影したつもりが、日が落ちていたため、まっ暗でぜんぜん写っていませんでした。そのため、同店のみ写真なしです。)


元町の大丸百貨店の前あたりに並ぶビルの2階にある、店名通り、書庫がバーになったような、あるいはバーを書庫にしているような、そんな感じのお店です。小さな、それでいて居心地のいい空間を指すのに、隠れ家的な、という表現が使われることがありますが、ここはまさにそんな感じだといっていいでしょう。


数人が座るといっぱいになるカウンターのみで、テーブル席はなし。使えるところはみな書棚にしたかったと、同店オーナーの濱さんは語ってましたが、壁面はもちろん、客の頭上あたりの空間までもが書棚になっていて、さまざまな本が並んでいます。並んでいる本は売り物ではなく、お店の人が読めるようにというもののようです。まさに、ブックカフェならぬブックバーですね。


オーナー濱さんは同じビルの別のフロアに、ギャラリーやオフィスを構えているのですが、書庫バーの1つ上のフロアに、さらに、書店を開くのだそうです。ビル全体のうち、自分に関係のない場所のほうが少ないくらいではないでしょうか(笑)


書店のオープンは12月ということで、ぼくが訪問したときはまだ工事中(棚が設置されているところなどを見ることができました)でしたから、今回は「書店」として紹介することはできませんが、そちらにもいつかおじゃまして、空犬通信で紹介したいものです。


最後にこちらを紹介しておきます。「神戸書店マップ 神戸市中央区全書店」


171123 神戸 マップ2016表171123 神戸 マップ2016裏
171123 神戸 マップ2017表171123 神戸 マップ2017裏

上の2枚が2016年版の、下の2枚が2017年版のそれぞれ裏表。A3判横置き両面で、オールカラー。これはすばらしいなあ。苦楽堂の石井さんにいただいたもの。出入りもわかるからと、去年の分とセットでくださるところが石井さんらしいというか、こちらの興味のありどころかばればれというか(笑)


今回は、石井さんという最強のツアーガイドがいたので、ぼくはいただいただけ、マップを実際に使うことはしませんでしたが、もし一人で回るのだとしたら、これ以上のガイドはないでしょう。これは神戸で書店回りをしようという人ならば必携といっていい1枚だと思いますよ。


こちらのサイトに配布場所の案内が出ているほか、PDFデータをダウンロードできるようにもなっているようです。興味のある方はぜひチェックしてみるといいでしょう。


ちなみに、吉祥寺でも書店マップを、それも(店数が多くて大変なのでとりあえず)新刊書店のマップをつくろうと、今、吉祥寺書店員の会「吉っ読」の仲間とせっせと作業中なんですが、我々のマップは、ワープロと手描きの、手作り感全開のものになりそうです。それはそれで楽しいし、味もあっていいんですが、こういう立派なのを見てしまうと、ちゃんとプロにデザインしてもらって、印刷もしたいなあ、などという気もしてしまいますね……がんばります。


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する