昨日会社帰りに寄った吉祥寺BOOKSルーエで、同店のフリーペーパー「ルーエの伝言」42号をゲット。
特集がインターネットという、今さら感全開なテーマで、いったい何事かと思ったら、表紙に「なにが起きても変じゃない特大号」などとある(笑)。なんとなくわかった気にさせられますね。ならないか。わたくし空犬も久しぶりに寄稿していまして、特集の主旨にはまったく沿っていないものと思われる、この空犬通信についての、短文を書いています。
- 鶴田謙二『冒険エレキテ島』(講談社)
- 鷲巣義明『ジョン・カーペンター 恐怖の倫理』(洋泉社)
- 別冊映画秘宝『『電人ザボーガー』&ピー・プロ特撮大図鑑』(洋泉社)
鶴田謙二さんと言えば、先日の記事で、画集『FUTURE』がもうすぐらしいよ、などと書いたばかりのところに、書店店頭でコミックの新作にばったり。これはうれしいなあ。なにしろ寡作な人ですからね。こうして新作にばったり、ということ自体がとにかく少ないもので。うれしいなあ。鶴田謙二さん、大好きなんですよ。ほんとに。
これで純粋な新作だったらなおうれしかったんですが、タイトルでファンならすぐにお気づきの通り、高価なボックススタイルでしばらく前に刊行された『漫画BOX AMASIA』(講談社)に収録されていたものですよね。ただ、単行本の巻末を見ると、同ボックス作品に「アフタヌーン」掲載作品を合わせて収録されたというし、あちらは判型がB5、こちらはA5で、あちらはカラーのポスターもついていたのが、単行本はないけどカバーがすてき、ってことで、結局鶴田謙二ファンとしてはどっちも持っていなくてはいけないのだなあ。
なんか、これに似たようなこと、最近書いたなあ、と思ったら、ザ・スミスのコンプの記事で、おんなじこと書いてますね。まあ、作者や出版社にいろいろ考えもあるのでしょうし、こうした売り方を否定するわけではないですが、豪華なボックスで出したものを、また別のかたちで、というのはファン泣かせですよねえ。しかも、ザ・スミスや、今回のように、どっちか持っておけばいい、と割り切りにくいような中身の場合にはとくに。
とまあ、いろいろ書きましたが、鶴田謙二ファンは即買いですよね。この表紙だもの。こまかいことはどうでもいいよね。
好きな人の本が続きます。次のジョン・カーペンターは空犬が偏愛する映画監督の1人。『ハロウィン』『遊星からの物体X』は何度観返したかわからないぐらい、大好きな作品。このところ忙しくてぜんぜん映画館に映画も観にいけてないんですが、カーペンターの新作だけは逃すわけにはいかないってんで、『ザ・ウォード 監禁病棟』も観てきましたよ。銀座シネパトスで(大好きな映画館です)。そんな監督の本が出たら、これは買わないわけにはいきません。
監修は、カーペンターと言えばこの方、鷲巣義明さん。作品解説にインタビューにと、全編にカーペンター愛が満ちまくった文章を寄せまくっています。カーペンターの本としては過去に、ファン必携の1冊『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(フィルムアート社)と、鷲巣さんが編んだホラー映画監督論『ホラーの逆襲 ジョン・カーペンターと絶対恐怖監督たち』(フィルムアート社)がありますが、両方持っている人はもちろん、持ってないカーペンター作品のファンは、最新作『ザ・ウォード』までのフィルモグラフィを一望できる基本図書としては、これはおさえておくべきでしょう。
ちなみに、『ザ・ウォード 監禁病棟』、この空犬通信でもとくに取りあげることはしなかったんですが、久しぶりに劇場で観るカーペンターの新作はなかなか見応えありでしたよ。この手の作品を好きでたくさん観てきた方だと、途中で展開がちょっと読めちゃうかも、というところもありますが、それも気にならないレベルでしょう。主役のアンバー・ハードも大熱演です。
特撮本をじゃんじゃん出している洋泉社。まさかピー・プロで1冊の本を作っちゃうとはなあ(笑)。まもなく公開の井口昇監督作品『電人ザボーガー』の公開に合わせてということなんでしょうが、ちょっと驚きですよね。別冊映画秘宝には東宝の特撮をまとめたものがあり、モスラだけのもの出てますね。ガメラの大映は角川のムックがありますから、これで特撮の主なところがそろったことになりますね。なりますね、って(笑)。
新旧のザボーガーが腕を組んでる前をライオン丸が駆けている表紙だけですでに頬がゆるみまくりますが、中がこれまたすごいので、昭和特撮者のみなさんは全員何も言わずに買ってください。ちなみに、ぼくは再放送も含めるとピー・プロ作品はそれなりに観ている世代なんですが、そんなに思い入れはありません。ザボーガーも一応劇場版は観にいきますが、作品で言うと、ザボーガーより『スペクトルマン』のほうがなつかしいかなあ。って、まったくどうでもいいこと書いてますね。
◆今日のBGM◆
- George Benson『Guitar Man』
吉祥寺のタワーレコードにふらりと寄ったら、おお、ジョージ・ベンソンの新譜が出ているではありませんか。しかも、タイトルが『Guitar Man』。ひょっとして、最近のメロウなボーカル路線じゃなくて、ギターメインの原点回帰的なアルバムだったりするのかも、などと、わずかに期待しながら購入。早速聴いてみましたが、やっぱりいつものベンソンでした(笑)。
別にこの路線が悪いわけではなくて、メロウな曲、ボーカルものににも聴かせるものはあるんですが、でもね、このタイトルで、フルアコを抱えてにっこりのジョージに期待してしまっただけに、ちょっと肩すかし感が大きくて。
よく考えたら、曲目を見れば、いつもの路線であることは明らかなんですよね。「I Want to Hold Your Hand」「My Cherie Amour」……ビートルズにスティーヴィーかよ、と思ったら、「Don't Know Why」までやってる(苦笑)。ギター弾きまくりの黒いベンソンがいるわけないよね。
というわけで、いつもの路線がお好きな方にはなんの問題もないアルバムですが、タイトルに「ひょっとして……」と思ってしまった方には物足りないかもしれない、そんな1枚です。