久しぶりの演奏を終えた翌日で、しかも娘がお出かけでいないので、今日は独り、ギターの手入れをしたり、寝っ転がって本を読んだり、昼寝をしたり、おさかなを眺めたり、終日だらだらと過ごした空犬です。
先日、ジュンク堂書店新宿店で久しぶりにまとめ買いした本のなかからは、今日はこんな本たちをぱらぱらと。
- 佐藤淳一『カワウソ』(東京書籍)
- 嶋田忠『カワセミ 青い鳥見つけた』(新日本出版社)
今日は動物本2点です。まず『カワウソ』のほうは、このキュート過ぎる表紙写真と、帯の文句「なにこのかわいい動物?」がすべてをあらわしているといっていい、この手のむくむくした動物が好きな向きならば悶死必至の1冊。
著者が動物学や写真の専門でなく「カワウソ好き」という方であるせいか、全体がとにかくカワウソのかわいさを伝えるという点に貫かれていて、キュートな写真ばかりが選ばれ、写真に添えられた文章もやわらかめ、やさしめになっています。
そのあたり、「かわいい動物の写真集」のようなやわな本を好まない動物本好き自然本好きの評価は分かれそうですが、まあ、そんなむずかしいことは言わずに、手にとって、カワウソたちの突出したかわいさに悶絶してほしいものです。「かわいいにもほどがある」なんてコピーで売り出されていたアイドルがいましたが、このコピーは、カワウソたちにこそささげたい、そんなふうに思わせる1冊です。いい年したおやじがころりとやられてますから、これ、ふつうのかわいいもの好きのみなさんが見ちゃったら大変なことになるのではないかと心配です。だから、立ち読みですませずに、必ず購入して、おうちで読まれることを強くおすすめします。
巻末には、日本でカワウソを見られる動物園・水族館の情報も。東京者が気軽に行けるのは、サンシャイン国際水族館、上野動物園、多摩動物公園の3つ。カワウソスポットで個人的に印象に残っているのは、大阪の海遊館。本書の巻末ガイドにも書かれていますが、ここ、水族館ではめずらしく、順路通りにいくと、最初に見られるのがカワウソなんですよね。
もう1冊、『カワセミ』、これがまたすばらしい写真絵本。表紙から最後まで、印象的な写真ばかりですが、とくに、カワセミが魚をとらえるために水中に飛び込むところをとらえた一連の写真はまさに驚異。本書は、第15回日本絵本賞大賞受賞作ですが、そのような評価も当然という感じですね。
家の近くに上水があって、ときどき散歩をします。上水沿いには木が多く、鳥たちの声もたくさん聞こえ、これからの季節はまさに散歩にぴったり。その上水端での散歩中、一度だけカワセミを見たことがあります。水面すれすれに飛ぶ、あざやかなブルーの姿。一瞬のことでしたが、間違いなくカワセミでした。いやあ、ちょっと感動してしまいましたよ。バードウォッチャーの人たちに人気があるのもよくわかります。その魅力は、もちろん先のようなすぐれた写真集でも十分に伝わってくるのですが、やっぱりね、たとえ一瞬とはいえ、生の姿を見ると違いますからね。
というわけで。どちらも大人の鑑賞に耐えるすぐれた生き物の写真本として、おすすめです。