本通信に何度か登場している、わが家の近くにある、妙に麦酒類が充実している某コンビニ。今日は、実に余裕のない一日で、精神的にへとへと、これは缶ビールの2本ぐらいは許されるだろうと勝手に判断し、帰りに寄ったわけです。すると……またしても、見たことのない銘柄の麦酒がっ!
なんで、寄るたびに毎回違う銘柄の麦酒が? これって何かの作戦? 陰謀? 罰ゲーム? ……今回発見したのは、神都麦酒と先日紹介した小樽麦酒のピルスナータイプ。そりゃ、あったら買うよね。
料理関係の腕前には恵まれなかったもので、ぼくの技量では、気の利いたつまみをささっと用意したりすることは残念ながらできないんですが、乾燥わかめがあったので、それを戻して、練りしょうがをのっけて、お醤油をたらしたら、おお、われながらいいのができたぞ。
で、これから麦酒片手に深夜の読書タイムなんですが、すでに紹介した読みさし本ばかりなので、代わりに今日のBGMを何枚か紹介します。
◆今日のBGM◆
- ダイアー・ストレイツ『悲しきサルタン』
- Herbie Hancock『Crossings』
- バジー・フェイトン&ザ・ワーリーズ 『ベイクド・ポテト・ライヴ』
50years in MiPodのSAKURAMさんがダイアー・ストレイツを取り上げているのを読んで、聴きたくなったもの。いやあ、この「悲しきサルタン」、大好きなんですよ。過去に取り上げてるかと思ったら、自分では取り上げてませんでしたね。
このアルバムは、彼らのデビュー作ですが、発売年の1978年といいえば、英語圏を席捲したパンクがちょっと落ち着いたばかりのころ。アメリカでは、ヴァン・ヘイレンが衝撃のデビュー。前年の1977年には、「ホテル・カリフォルニア」のイーグルスや、フリート・ウッドマックなどのメガヒットもありと、音楽市場的な大きな変換期にあったといっていい時期。その時期にこれですよ。今あらためて聴いてもすごいなあ。だって……歌詞もサウンドもバンドの面々(のビジュアル)も地味だし懐古的に過ぎますからね。
で、それが悪いのかというとそんなことはもちろんなくて、実にすばらしい。時流にのっかったものではなかったからこそのすばらしさ。このデビューは、ザ・ポリスとか、ヴァン・ヘイレンのそれとは、また違う意味で衝撃だったわけですよね。
で、「悲しきサルタン」です。もう、めちゃくちゃ好きです。何度聴いてもいい。イントロからフェイドアウトのラストまで、無駄な音、無駄なフレーズなし、シンプルなコード進行と構成で、繰り返しで成り立っているのに、何度聴いてもあきない。全部いい。マック・ノップラーの、ディランへのオマージュなヴォーカルも、ギターも最高。音はナチュラル、プレイはタイトなドラムもすばらしい。
とくに、ギター弾きには、このギタープレイはたまらんです。かわいたストラトの音に、指弾きならではのダイナミクス。2回あるギターソロのすばらしさは言うまでもないんだけど、特筆すべきはバッキングと歌にからむオブリガートの多彩さ、すばらしさ。死ぬほどコピーしてきましたが、別にむずかしいことはしていないのに、いくら弾いてもこの感じにはならないんですよねえ。もう20年来の課題曲で、ずっと赤点をもらってる感じです。
で、サウンドだけじゃなくて、歌詞もいいんですよ。よくできた短篇小説みたいなノリで。今は、「Sultans of Swing」+lyricsで検索すれば簡単に手に入ると思いますから、これから聴こうという方はもちろん、なんとなく聞き流していたという方も、ぜひ歌詞を入手して、その中身にも注意しながら聴いていただきたいものです。泣ける泣けないで何かの価値を判断するのは嫌いなんだけど、でも、これは泣けますよ。このタイミングに、この音楽性でシーンに出てきた彼らの姿がダブって、ぐっときます。うー、流しながら、書いてて泣けてくる……。
ハービー・ハンコックは1972年の作品。70年代のジャズ・ファンク時代は大変に好みで今もよくCDやアナログを引っ張りだします。本作のように、ギターが入っていないか、ほとんどフィーチャーされていない作品もあるんですが、それでも好き。
バジー・フェイトンは、当通信でよく取り上げるギタリストの1人。このライヴは、先日改装したばかりのディスクユニオン神保町店で、昼休みに見つけたもの。品切れらしく、中古で探していたので、安価で発見できてラッキー。
ちなみに、ディスクユニオン神保町店、B1にあったロックが1Fになり、入りやすくなったのはいいんだけど、アナログがごっそり減ってしまったのと、CDの点数もちょっと減ってしまった感じなのが、やや残念。まあ、新宿と吉祥寺に寄れる身としてはぜいたくを言ってはいけないんだけどね。