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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

夏文庫の季節になりました

新潮社集英社角川書店の3社夏文庫の季節になりました。


夏文庫2008冊子

去年は集英社の「ナツイチ」が蒼井優を使った限定カバーで話題をさらった感がありましたが、今年は3社とも限定カバーできましたね。「新潮文庫の100冊」、限定カバーは以下の4点です。


  • 漱石『こころ』
  • 賢治『銀河鉄道の夜』
  • 太宰『人間失格』
  • アンデルセン『絵のない絵本』


いずれも、鮮やかな1色のカバーに書名・著者名のみがのったシンプルなデザイン。カバーと同色の帯がかかっていて、そでには旧版のカバーの書影が載っています。そして帯の表表紙側にはそのデザインの一部があしらわれています。いかにも新潮社らしい、落ち着いていて洒落た大人のデザインで、4冊ともほしくなりましたが、うち、小学校のときに読んで大感激した思い出の1冊でもある、『絵のない絵本』をゲット。


絵のない絵本

新潮文庫には今も300円台の本がごろごろしていて、高額文庫が増えた現在にあっては、価格的にも良心的驚異的な存在ですが、それにしてもこの名作+新カバーが「本体286円」とは。5冊ぐらい買って周りに配りたくなります。


「ナツイチ、 夏の1冊 集英社文庫」、冊子は今年も蒼井優ですが、太宰の小畑カバー大ヒットでいけると思ったのでしょう、今年の限定カバーは文豪の名作+人気漫画家路線となりました。以下の4点、かっこはカバー漫画家。


  • 中也『汚れ値待った悲しみに……中原中也詩集』(浅田弘幸)
  • 川端『伊豆の踊子』(荒木飛呂彦)
  • 芥川『地獄変』(小畑健)
  • 漱石『こころ』(小畑健)

漫画カバーはおもしろい試みですが、個人的にはあんまり惹かれないので、代わりに、これをゲット。



『絵のない絵本』同様、これもまた小学生時代に熱中したシリーズ。3か月連続刊行とのこと、これは3冊そろえて一気読みせねばなりますまい。わくわく。


「発見。角川文庫 夏の百冊」のキャラクターは松山ケンイチ。限定カバーも松山ケンイチの写真ですから、去年のナツイチ+蒼井優のパタンですね。


  • 太宰『人間失格・桜桃』
  • 太宰『走れメロス』

吉っ読仲間の何人かによれば、限定カバー、3社いずれもなかなか好評とのことで、新潮の4点のうち、どれだかは早くも売り切れちゃっただとか、ナツイチ4点だとジョジョの荒木カバーが一番人気のようだとか、角川の松山カバーも切れそうで、ポスターだのディスプレイケースだのを欲しいと言ってくるお客さんが複数いるだとか、そんなふうに店頭がにぎわっているうれしい話を聞いています。


ぼくはジャケ買いは大いにアリだと思っていますので、限定カバーがきっかけでこうした名作群がふつうよりも売れるのだとしたら、各社には作品とカバーの組み合わせ工夫してじゃんじゃん新しいことをやってほしいと思います。


そういえば、昨年の夏文庫を紹介した記事にも同じようなことを書いていました。《こうなったら、古典作品+女優(タレント)で、文庫版元には、夏限定ってことでじゃんじゃん冒険してほしい気もしてきます。『ドグラ・マグラ』の表紙が宮崎あおいとかね。『痴人の愛』は鳴海凛子とかね。『星の王子さま』は中川翔子コスプレ付きとかね。自分で書いてて、意味がわからん……。》


いまあらためて読んでみたら、うん、悪くないじゃん。『ドグラ・マグラ』は角川に入っているし、『星の王子さま』は集英社と新潮社に入っているから、来年あたり、やってくれないかなあ。『痴人の愛』は入ってないけれど、『春琴抄』が新潮100冊に入っているから、『春琴抄』なら戸田恵梨香でどうでしょうか。いや、どうでしょうか、って言われても……。


ところで、各社のおまけのうち、角川のブックカバー、今回は『グーグーだって猫である』が入っているではないですか! うー、ほしい! これ、ほしいよう! というわけで、角川から2冊買わなくてはならないのですが……うー、買うものがない……。古めのはだいたい持ってるか、読んでるかだし、新しいのには興味ないのもけっこうあるし……。『ツ、イ、ラ、ク』とか森見とか、すでに持ってるけどお気に入りの本を重ね買いするか、これも持ってるけどカバー違いの星新一にするか。うむむ……。


◆今日のBGM◆


  • OST『JUNO』


7/5の日記にも書きましたが、この映画、作品自体のすばらしさに加え、作中音楽の使い方が実にすばらしい。キンクス、バディ・ホリー、キミヤ・ドーソン、ベル・アンド・セバスチャン、ソニック・ユース、モット・ザ・フープル、ヴェルベット・アンダーグラウンドなどなど、新旧硬軟とりまぜたセレクトは作品世界にぴったり。


モルディ・ピーチズ「エニワン・エルス・バット・ユー」はオリジナルだけでなく、映画のラストで2人が歌うバージョンも収録されてます。主演2人の歌は決してうまくはなくて、なんか弱々しくて、遠慮がちな歌い方なんですが、これがいいんですよねえ。音楽好きがこの映画を観たら、ぜったいにサントラもほしくなると思いますよ。おすすめの1枚。


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