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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

三省堂書店「神保町店」オープン、そしてA・ベスターのこと

神保町を代表する大型書店の1つ、三省堂書店。長らく「神田本店」を名乗ってきた同店が、「神保町本店」という名前で、7/1、リニューアルオープンとなりました。「三省堂書店神田本店が「神保町本店」としてリニューアルOPEN!」。詳細は、同店のサイト、「神保町本店リニューアルオープン」で。


とくに3、4、5階が変わったとのことなので、早速のぞいてきました。各フロアの様子はサイトでもくわしく紹介されていますから、ここでは略しますが、棚が新しいものに入れ替わり、全体に明るく、垢抜けた雰囲気になっています。面での陳列が増え、ディスプレイにもそこここに工夫がこらされていて、以前に比べると、同じフロアなのに、ずいぶんすっきりして見えます。それでいて、在庫量は少しアップしたといいますから、場所の使い方に工夫がなされたのでしょう。東京近郊の書店好きのみなさんは、ぜひお店の様子をご自分の目でたしかめてみてください。


リニューアル記念イベントもいくつか用意されているようですが、なかでも空犬通信的に注目したいのは、これ。「柳下毅一郎さん・滝本誠さんトークショー「ゴーレム降臨! アルフレッド・ベスターに始まるSF史」。あまりにマニアックな内容に、一見冗談かと思いましたが、いやはや、ほんとなんですね、これ。ABCのイベントじゃなくて、三省堂書店本店ですからね。なかなか驚きです。



非SF者のみなさんには、このイベント名、この人名ではなんのことやらさっぱりわからないと思いますが、えーと、ベスターというのは……というところから始めると大変長くなりますので、以下に挙げる本を、もしくは、これらの本のあとがき・解説、もしくはAmazon.co.jpカスタマー・レヴューだけでもいいからのぞいてみてください。



ほかに、サンリオSF文庫の『コンピュータ・コネクション』もあるのですが、これは入手はむずかしいでしょうね。というか、よく見たら、上のリスト、代表作の『虎』が品切れではないですか! うーん……。



ちなみに、このイベント、『ゴーレム100』(国書刊行会)の刊行イベントでもあるんですよね。国書刊行会の「未来の文学」シリーズ、既刊はいずれもものすごいタイトルばかりでしたが、またまたものすごい1冊が加わってしまいました。ああ、この本の邦訳が読めるようになるとはなあ(涙)……なかなか感慨深いものがあります。



なんか後半、ベスターの話ばっかりになってしまいましたが、三省堂書店のリニューアルの話に戻ります。こうしたイベントの中身にも、今回のリニューアルの力の入れ方が反映されているように思われます。何より、わざわざ店名を、それも本店の店名を変えるのですから、これはきっと、神保町を代表する書店は自分たちだ、という強い思いの現れにほかなりません。新宿、池袋、渋谷、東京駅周辺と、ここ数年、大型書店関連の話題は他地域に持っていかれることが多かった神保町。三省堂書店のリニューアルが、元祖本の街に、本好きの目をもう一度向けさせるきっかけの1つになるといいなあと思わずにはいられません。


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