三鷹の三鷹ネットワーク大学と、千駄木の往来堂書店で読書会を開催しています。読書会は、課題作品(主に短篇・中篇の小説です)について意見・感想を交わし合う気軽なものなのですが、イベントタイトルや課題作品の名前だけでは、そのあたりのハードルの低さが伝わりにくいこともあるのか、ときどき、こんなことを質問されたり、こんなことが気になって参加を躊躇してしまうという話を聞いたりすることがあります。
「課題作品を読めなかったから/読んだけどわからなかったから参加しなかった」
「参加したら何か話さなくてはいけないのでは……」
「ちゃんと意見や感想を言えないといけないのでは……」
「(収録されている短篇集・アンソロジーの)課題作品以外の作品も読んでないといけないのでは……」
これらのようなことが読書会参加のネックやハードルになっているのだとしたら、そのようなことを気していただくことはまったくありませんので、気軽に参加いただければと思います。
「話さないとだめ?」
読書会にはいろいろなタイプ、いろいろなやり方があるかと思います。講師・進行役が主に話をする講義タイプのものもあれば、参加者が自由に意見・感想をやりとりするタイプのものもあるでしょうし、それらを組み合わせたかたちもあるでしょう。
三鷹ネットワーク大学と往来堂書店の読書会は、参加者のみなさんに意見・感想を発言いただくパート、そこで出たトピックや意見について話し合うパート、講師(選書・進行役)からの簡単な解説のパートの三部構成にしています。
参加したら必ず何か意見を言わなくてはならない、とか、発表しなくてはならない、とか、そういうものではありません。他の参加者や進行役の話を聞いているだけのほうが好きだという方もいるでしょうから、そういう方に発言を無理強いするようなことはありません。また、逆に、読んでみて感じたことを発言したい、わからなかったこと気になったことを質問したいという方もいるでしょう。どちらのタイプの方にも楽しんでいただけるように、ということでこのような構成にしています。
読書会に参加したからといって、必ず何か発言しなくてはならない、ということではありませんし、発言する機会がないというわけでもありません。ぜひ気軽に参加してみていただければと思います。
「読んでないとだめ?」
「課題」作品としているくらいですから、指定の作品は読んできていただくのが前提の会ではありますが、時間がなくて読めなかった、難しくて読めなかった、という方もいらっしゃるでしょう。また、読んだけどよくわからなかった、好きになれなかった、ということもあるかもしれません。そのような場合でも、ぜひ気軽にご参加ください。とくに、よくわからない点があったり、疑問に思った点があったり、作品の良さがわからなかったり、といった方は、ぜひ読書会に参加して、他の方の読みや意見・感想を聞いてみるといいと思います。
読書会では「ねたばれ」が問題になりそうな作品は選ばないようにしています。読書会で語り合った後に、読書会で選書者の話を聞いた後に、再読したくなるような作品、再読がさらに楽しめるような作品を選んでいるつもりです。その意味では、作品を読了できていない方が読書会での話を聞かれても、後で読む際にその作品を楽しむうえでは問題ないのではないかと思っています。
「続けて参加していないとだめ?」
読書会は、管理・運営の都合で、通し番号をつけていますが、続きものではありません。毎回、課題作品は異なりますから、過去回・直前の回に参加している必要はとくにありません。参加者のみなさんも回ごとに申し込みを受け付けていますので、固定ではありません(長く継続している三鷹のほうは、よく参加してくださる常連の方がいらっしゃいますが、ほぼ毎回、初めての方もいらっしゃいます。)
興味のある作品・作家の回があったら、その回だけの単発でかまいませんので、ぜひ気軽に参加してみてください。もし回のテーマや雰囲気などを気に入っていただけた場合は、続けて参加いただけると選書者・進行役としてはうれしいです。
「課題作品以外も読んでいないとだめ?」
読書会では読みやすさを考慮し、課題作品に短篇・中篇を取り上げています。課題作品が収録されている短篇集・アンソロジーなどに他の短篇・中篇が掲載されている場合、課題作品以外の作品は未読でも問題ありません。(課題作品によっては、1冊1作品のものもあります。)
課題作品が、連作短篇やシリーズものの1つである場合などは、他の作品を読んでいるかいないかで受ける印象が変わる場合、他の作品を読んでいるほうがより楽しめる場合もあります。そのような場合でも、読書会に参加する際には、課題作品のみを読む、ということでまったく問題ありません。読書会が他の作品も読んでみようかなと思うきっかけになれば選書者としてはそれがいちばんうれしいですね。