三鷹ネットワーク大学主催の読書会。2023年6月から第三期ということで、1年(10回)継続となりました。第三期初回となる、6月開催の第21回の案内が出ました。
- 三鷹の夜☆月いち読書会(第21回)――科学と文学の間(あわい)に
日時:2023年6月2日(金)19:00~20:30
会場:三鷹ネットワーク大学
受講料:500円
《年齢や地域や分野の壁を越えて、すべての市民の皆さまに開かれた大学》をうたう三鷹市の三鷹ネットワーク大学が主催する読書会です。詳細は継続が決まったときに書いた記事および大学のサイトをご覧ください。
第21回の課題作品はカート・ヴォネガット「ジェニー」。短篇集『人みな眠りて』(河出文庫)と『カート・ヴォネガット全短篇2 バーンハウス効果に関する報告書』(早川書房)に収録されています。
《冷蔵庫の体に人間の顔をつけた人工美女をトラックに積んで家電製品のセールス旅行に全米をまわる天才科学者》を描いた作品(訳者あとがきより)というあらすじを読んでも何のことやらという感じでしょうか(笑)。訳者である大森望さんも短篇集収録作品中もっとも風変わりだとしている作品です。
作者のカート・ヴォネガットは、SF好きだけでなく文学好きに広く愛され、日本でも大人気の作家。亡くなったのは15年以上前ですが、没後にも未発表作品集が複数刊行されたり雑誌の特集が組まれたりと、今なおその人気は衰えません。ヴォネガットはどちらかというと長編で本領を発揮した作家ですが、短編にも味わい深い作品がたくさんあります。日本でも全4巻の短編全集が刊行されています。本作は、米国の雑誌文芸黄金時代といっていい1950〜60年代の雰囲気を味合わせてくれる、ちょっと変わった、そしてこの作者らしい作品です。へんてこな物語のなかに、ヴォネガットらしいユーモアとアイロニーがよく出ている本作を、一緒に楽しんでみませんか。
短くて読みやすい作品ですので、余力のある方は「2BR02B」(『バゴンボの嗅ぎたばこ入れ』(ハヤカワ文庫SF)、『カート・ヴォネガット全短篇4 明日も明日もその明日も』(早川書房)に収録)も併せてどうぞ。
申し込みの受付期間は5/9から6/1まで。くわしくは三鷹ネットワーク大学のイベント案内ページをご覧ください。
追記:本読書会、第2期は2023年5月までの予定でしたが、6月以降も継続になりました。テーマは引き続き「科学と文学の間(あわい)に」となりますが、これまで以上に幅広い作品を取り上げ、より多くの人に楽しんでいただけるような読書会にしたいと考えています。各回の詳細は、三鷹ネットワーク大学のイベント案内ページと、このブログとツイッターでご案内します。
※本読書会は、オンラインではなく、実際に集まってリアル開催されるタイプの会です。本読書会は、市の安全基準に基づいて、万全の感染拡大防止策をとったうえで開催されるものではありますが、今後の感染拡大状況によっては、読書会は延期・中止になる場合、またはオンライン開催になる場合があります。あらかじめご了承ください。またマスク着用の緩和についても、是非がいろいろ言われていますが、複数の参加者がひとつの部屋に集まって、全員が発言をするという会の性質上、もうしばらくはマスク着用を基本としたいと思います。ご理解とご協力をどうぞよろしくお願いします。