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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

場所の記憶

今年は大阪を訪問する機会が何度かあったんですが、あるとき、時間があったので、高校生の頃によく通っていたレコード屋さんの「跡地」を訪ねてみました。



1806 ビッグピンク 看板

看板が残っていました。


それを見た瞬間、この店で買ったレコードたちのことが一気に思い出されてきました。


ザ・ジャムのファースト『イン・ザ・シティ』を買ったのはこの店でした。ザ・フー『四重人格』(分厚いブックレット付きの2枚組なのに、破格の値段でした)を買ったのも、ザ・クラッシュの『サンディニスタ』(3枚組なのに、こちらも破格の値段でした)を買ったのもここだったなあ。一人で来たこともあれば、バンド仲間と一緒のことも多かったなあ。


大阪駅前第四ビルの地下にあった中古レコード屋、ビッグピンクです。閉店したのが何年のことなのかわかりませんが、ぼくが通って意いたのは高校生の頃、つまり30数年前ですからね。その後、どれだけお店が続いたにせよ、入れ替わりの激しい駅前ビルにあった店の看板だけが、当時のまま(裏返しになっているので、正確には「まま」ではないのですが、それはともかく)残っているというのは、なんだか不思議な感じです。なんというか、一種のタイムスリップみたいなものだなあ、と。



そんなことを考えていたら、芋づる式にいろいろ思い出しました。レッド・ツェッペリンの初めてのレコードは『聖なる館』で、堂島にあったワルツ堂で買ったんだったなあ。ザ・ビートルズの初めての「LP」(その前に、カセットで買ったものがあしましたが、LPレコードとしては初めて、の意)『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』と、ジョン・レノンの初めてのレコード『ジョンの魂』はミナミのキングコング(今の店とは違う場所にありました)でした。映画『ボヘミアン・ラプソディ』で人気再沸騰中のクイーン、初めてのレコードは『シアー・ハート・アタック』(いちばん好きなアルバムでもあります)で、これもキングコングだったなあ(セールだったので、たったの300円でした。レンタルレコード代と変わらない値段でレコードが買えたことにびっくりしたのを今でも覚えています)。イエス『こわれもの』はビッグピンクのなんば店で買ったなあ。


……と、こうして書き上げているときりがありません。何をどこで買ったのか、何にどこで出会ったのかは、強烈に記憶に刷り込まれているのでした。



本やレコードなんてどこで買っても同じ……そんなふうに考える人もいるでしょう。(中古や輸入)レコードはともかく、新刊書籍はそのように考える人が多いでしょう。


でも、ほんとにそうかなあ、とも思うのです。


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