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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

モンスター、SF、ヴォネガット……最近買った本たち。

気分がブルーなのをいいことに、ますます趣味に走る空犬です。今日はこんなDVDを買ってしまいました。


  • 『モンスター・パニック』(監督:バーバラ・ピータース)


どうですか、このジャケ。醜悪なモンスターにいままさに襲われそうようとする半裸の女性……怪獣好きの妄想をそのまま絵にしたらこうなりました、という感じ、ボンクラな発想丸出しです。よくモンスター関連の本などでこのポスターが取り上げられている、その筋では有名な図版です。ぼくも気にはなりつつ未見だったので、今日店頭で出会ったのを機にえいやと購入。製作はロジャー・コーマンで、ジャケがこれですから、内容は紹介するまでもないでしょう。このモンスター、醜悪なだけでなく、相当凶悪でもあるようです。


ところで、今日も書店回りをしてたんですが、実はその途中で、このDVDを含む荷物を置き忘れてしまったんです! 幸い、無事に取り戻せたんですが、あやういところでした。だって、紛失物を届ける羽目になったら大変です。「あのー、すみません」「なんですか」「買ったばかりの荷物を落としたんですが」「何を買われました?」「DVDです」「中身は?」「『モンスター・パニック』です」「……モンスター、ですか……で、見た目はどんな品物ですか」「……ええと、そのなんていうか、半裸の女性がモンスターに襲われているジャケです」「……」なんて会話を、インフォメーションの女性とやりとりすることになっていたらと思うとぞっとします。ああ、よかった、見つかって。


長い前置きですが、最近買った本たちはこんな感じ。


  • 聖咲奇『フラッシュ・ゴードンの思春記 50年代・60年代超現実映画史』(朝日ソノラマ)
  • ブライアン・アッシュ『SF百科図鑑』(サンリオ)
  • Kurt Vonnegut『A Man Without A Country』(Random House)



DVDといい、本といい、いつものやつばかりですみません。


『フラッシュ』は副題および《SF映画の黄金時代》という帯の文句通りの内容。ただ、この本がちょっと変わっているのは、「SFシネマ・クリティック・ノヴェル」となっていること。つまり、「50年代SFホラー映画の世界を小説形式で展開」したものなんだそうです。なんだそりゃ。


『SF百科図鑑』は1978年の刊。なつかしの「サンリオSF文庫」がまだ現役だった頃、というかこれからじゃんじゃん刊行されようという頃の本ですね。巻末のサンリオSF文庫の広告には、レム、ベスター、ハックスリイ、ブラッドベリ、バロウズ、ピンチョンほかの名前が並んでいます。既刊の値段が280円だとか、320円だとかになっているのが時代を感じさせますね。まさか、その数年後にこの叢書が消えることになり、タイトルによっては、ゼロが2つほどもついたり、定価の20倍、30倍になったりなど古書価が高騰することになるとは、誰も思ってなかったでしょうね。


この本は文庫ではなく、400ページ弱もある大判の本です。情報量も多すぎるほどの内容で、読むのが大変そうですが、図版が多いので、ぼくのようなマニアではないSF者にはぱらぱら眺めるぐらいがちょうどいい感じです。店によってはけっこう高い値がついている本ですが、相場より安く入手できました。


ヴォネガットは一応小説の邦訳はすべて読んでいて、一時期はかなり好きな作家でした。最近はごぶさただったのですが、この本を店頭で見かけて、久しぶりに読んでみたくなったのです。これは小説ではなくエッセイですかね。各編の間に、アフォリズム風の手書き文章が入っていたり、『チャンピオンの朝食』の読者にはなつかしい“絵”というか記号が出てきたり、など、いかにもヴォネガットな本です。字が大きくて、すかすかの組なので、あっという間に読めそうです。


……ヴォネガットの洋書はともかく、そのほかをみるかぎり、自分で言うのもなんですが、とても40を目の前にしたいいおっさんの買い物リストとは思えません。


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